JP4943395B2 - 合成樹脂成形体及びこの合成樹脂成形体を用いた浴室部材 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に織物の転写面を有し、その表面が軟質でクッション性を有する合成樹脂成形体に関するものであり、より具体的には、シートモールドコンパウンド(以下、「SMC」と言う。)やバルクモールディングコンパウンド(以下、「BMC」と言う。)などの基部を配し、その表面に、織物の転写面を有する軟質な表面部材を設けた浴室部材に関する。
浴室内に設置される浴室床、防水パン、浴室壁、浴槽、浴槽エプロン、浴室天井等は通常、樹脂(FRP)製、ステンレス製、またはホーロー製等であり、表面の平滑性、重厚感を向上させるため、これを硬質化する傾向があった。なお、FRP(Fiber Reinforced Plastics)とは繊維と樹脂を用いて補強することによって、強度を向上したプラスチックである。
また、浴室内での安全性をより高めるために、発泡ポリウレタン製の軟質材を既設の浴槽上に被覆し、使用後の交換が可能な軟質なセーフティバスが提案されている(特許文献1参照)。
また、熱可塑性エラストマー層と発泡層を有する軟質材を予め真空成形により成形し、これを成形型にセットしてFRPのバックアップ層を積層させて一体化する軟質浴槽(特許文献2参照)や、表面樹脂層をアクリル変性ビニルエステル樹脂などの軟質樹脂で形成し、基材樹脂層をアクリル変性ビニルエステル樹脂などの軟質樹脂に充填剤を添加した材料で形成する人工大理石(特許文献3参照)が提案されている。
特開平7−236587号公報 特開平10−80958号公報 特開2000−62098号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法であると、軟質で強度の弱い発泡ポリウレタンで形成されているため、表面の耐久性に欠け、交換時にさらにコストが発生するといった問題があった。更に、浴室などに設置された軟質材に汚れ、ぬめり等が付着すると、不潔であるといった問題点もあった。
また、特許文献2、特許文献3に記載の方法であると、従来のSMC成形等に比べて多工程が必要で製造時間を要する問題がある。また、特許文献2、特許文献3に記載の方法であると、滑りを防止することが困難であった。
一方、プレス一体成形により成形品表面に軟質BMCやゴムのような軟質材を設け、その表面に金型形状を転写して形成した微細凹凸を設けることにより、滑りを抑えた浴室成形品が提案されているが、所望の微細凹凸の形状を付与するため、新たに多額の金型投資を行い、所望の形状を付与した金型を製作する必要があった。また、軟質BMCやゴムのような軟質材は、肌触りや衝撃吸収性・防音性などに優れるが、表面がこれら軟質材のみの構成では柔らかさを感じにくく、快適さの1つの指標であるクッション性が不十分であった。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、新たな金型投資を必要とせず、クッション性、生産性・肌触り・滑りにくさ・水の乾燥性・衝撃吸収性・防音性・耐久性・清潔性に優れ、しかも、積層材の接着性が良好で、成形時の軟質材の流動や成形後の成形品反りを抑えることができる、より安全で快適な浴室成形品を提供することを目的とする。
本発明は、次のものに関する。
(1)基部と、この基部に積層される中間材とクッション材と表面部材とを備え、上記表面部材が、軟質であり、その表面に織物の転写面を有する合成樹脂成形体であって、前記表面部材が、基布と、この基布の表裏何れか一方の面にゴム製の表面部材接着層を有する多層構造シートであり、上記表面部材接着層が、接着剤を介してクッション材と接着するための接着層であり、前記基布が、表面部材接着層を設けた面とは反対の面に、表面部材表層を有し、この表面部材表層が、基布に積層させたゴムであり、積層時に表面部材表層の製品面側に織物の形状が転写され、前記中間材は、溶剤成分の移行を防止する樹脂製または金属製のフィルム、あるいは、樹脂製または金属製の板材からなり、前記基部がシートモールドコンパウンドあるいはバルクモールディングコンパウンドからなる合成樹脂成形体。
)前記項(1)において、表面部材と基部の間に、表裏の一方又は両方に接着剤処理を施したクッション材および中間材を有し、予め表面部材とクッション材と中間材とを接着させた後、プレス一体成形により基部と一体化させた合成樹脂成形体。
)前記項(1)または(2)において、製品面から表面部材表層、基布、表面部材接着層、クッション材、中間材、基部の順に構成され、表面部材表層がクロロスルホン化ポリエチレンゴム、基布がポリエステルまたはナイロン製の基布、表面部材接着層がクロロプレンゴム、クッション材がウレタン発泡材、中間材が樹脂製または金属製のフィルムまたは板材、基部がFRPであり、前記表面部材表層に織物の転写面を有する合成樹脂成形体。
)前記項()において、表面部材の表面部材表層及び表面部材接着層が予め加硫させたゴムシートであり、加硫時及びプレス一体成形時に織物の形状を表面部材表層に転写させ、プレス一体成形後に織物を剥離する合成樹脂成形体。
)前記項(1)乃至()の何れかにおいて、織物の転写面の算術平均粗さRaの平均値が0.5μm以上である合成樹脂成形体。
)前記項(1)乃至()の何れかに記載される合成樹脂成形体を用いた、浴室床、防水パン、浴室壁、浴槽、浴槽エプロンまたは浴室天井等の浴室部材。

本発明によれば、新たな金型投資を必要とせず、クッション性、生産性・肌触り・滑りにくさ・乾燥性・衝撃吸収性・防音性・耐久性・清潔性に優れ、しかも、積層材の接着性が良好で、成形時の軟質材の流動や成形後の成形品反りを抑えることができる、合成樹脂成形体を提供できる。
また、前記合成樹脂成形体により浴室床、防水パン、浴室壁、浴槽、浴槽エプロンなどの浴室部材を構成するならば、より安全で快適な浴室成形品を提供することができる。
以下、この発明を図面に基づいて説明する。
本発明における表面に軟質部材を備えた合成樹脂成形体の断面構成は図1、図2及び、図3に示すように、表面部材4と基部7、表面部材4とクッション材5と基部7、または表面部材4とクッション材5と中間材6と基部7とを備えてなり、表面部材4が基布2の両面にゴムを積層(トッピング)させた多層構造シートからなり、基部7がSMCまたはBMCを使用したFRPからなり、クッション材5がウレタン発泡材からなり、中間材6が樹脂製または金属製のフィルムまたは板材からなる。これらは、表面部材4を基部7と一体化させて図1に示す合成樹脂成形Aとするか、予め接着させた表面部材4とクッション材5をプレス一体成形により基部7と一体化させて図2に示す合成樹脂成形Bとするか、予め接着させた表面部材4とクッション材5と中間材6をプレス一体成形により基部7と一体化させて図3に示す合成樹脂成形体Cとしたものである。
表面部材4に用いる多層構造シートは、使用目的や用途に合わせ、種々のゴムを基布2となる繊維の上下、または、基布2となる繊維の上のみにトッピング加工することで形成できる。製品面となる表面部材4の表面部材表層1には、耐久性、耐候性、耐油性、耐摩耗性に優れたクロロスルホン化ポリエチレンゴムを始め、シリコンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、EPDM、ポリウレタン、ポリアミド等、種々の軟質材を使用できる。そして、図1、図2、図3に示す各合成樹脂成形体A、B、Cの各表面部材表層1の表面には、後述する織物11の転写に起因する凹凸1aが形成されている。
また、FRPからなる基部7との接着面となる表面部材4の表面部材接着層3には、接着が容易で強固であり、接着加工が必要な用途に適しているクロロプレンゴムを使用することが好ましいが、クロロスルホン化ポリエチレンゴムを始め、シリコンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、EPDM、ポリウレタン、ポリアミド等、種々の軟質材を使用できる。
なお、トッピング加工とは、2本の等速ロール間に、分出しシートと布、あるいは布状の各種材質の樹脂などを同時に通し圧着しながら貼り付けることによって、その布の片面や両面に薄いゴム層のある複合体を作る加工である。
表面部材4に用いる軟質材は、成形時の軟質材の変形や流動、成形後の成形品の反りを抑えるため、加硫状態のゴム材を用いることが好ましいが、金型形状の転写性や基部7との密着性、成形時の流動性などに応じて加硫状態を調整でき、未加硫または半加硫状態のゴム材であってもよい。ここで半加硫状態とは、ゴム材を完全に加硫するのではなく、架橋反応が完了する前に加硫を一旦中止した状態をいう。半加硫状態は、キュラストメータ(型式:JSR−III型、日本合成ゴム社製)で測定したトルク値が、完全な加硫状態を100%とした場合に、その70〜90%となった状態が望ましい。トルク値が70%未満では、成形時に軟質材の流動が大きくなり、トルク値が90%を超えると転写性や密着性が完全な加硫状態と同等まで低下する。表面部材4に用いる軟質材は、塩ビシート、熱可塑性エラストマー、発泡材料等の軟質材料も使用できる。
また、表面部材4の硬さは、特に指定するものではないがデュロメーター硬さ試験タイプDで測定した際の硬度が、80以下であることが好ましい。これは、衝撃吸収性の付与と成形後の反り抑制のためである。
表面部材4の表面部材表層1および表面部材接着層3には、表面部材表層1の保護や表面部材接着層3の接着向上を目的に表面処理を施すことができる。表面部材表層1には、例えば塗装やフィルムの貼り付けのほか、各種トップコート剤やホットメルト剤等の表面処理剤で表層に処理を施すことができる。
表面部材接着層3には、例えばバフ掛け処理、塗装、フィルムの貼り付けのほか、エポキシ樹脂系接着剤、ポリイミド樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、アクリル変成シリコーン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、クロロプレンゴム系溶剤形接着剤、合成ゴム系ラテックス形接着剤、イソシアネート系接着剤、エマルジョン形接着剤、ホットメルト形接着剤、シランカップリング剤等のような各種接着剤を塗布したり、脱脂処理、サンディング処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理等の処理を施したりすることができる。なお、接着剤は2種以上混合したものもでもよく、成形時の軟化、流動を防ぐため熱硬化性の接着剤を用いることがより好ましい。また、表面処理時には必要に応じて充填材、発泡剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤の添加や着色加工ができる。
また、防カビ・抗菌剤を含有でき、市販の工業用抗菌剤を使用できる。通常、工業用抗菌剤は無機系抗菌剤と有機系抗菌剤に大別されるが、本発明の表面部材4には何れの抗菌剤も用いることができる。
表面部材4に用いる基布2は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維、天然繊維、金属繊維、セラミックス繊維等、種々の繊維を使用でき、必要に応じて接着処理等の処理を施すことができる。また、繊維の形態は平織り、朱子織り、不織布、マット等何れの形態であってもよい。
表面部材4には、必要に応じて充填材、発泡剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤を添加できる。また、防カビ・抗菌剤を含有でき、市販の工業用抗菌剤を使用できる。通常、工業用抗菌剤は無機系抗菌剤と有機系抗菌剤に大別されるが、本発明の表面部材4には何れの抗菌剤も用いることができる。
表面部材4は、着色加工ができ、表面部材4を構成する材料に顔料、或いはトナーとした液状またはペースト状の顔料を加えて着色することができる。また、シート状の表面部材4上にグラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の印刷を施したり、表面部材4の製品面側にグラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の印刷を施したフィルムなどを備えたりすることができる。
表面部材4の厚みは10〜5000μmとする。これは、厚みが10μm未満になると、軟質感と衝撃吸収性の効果が低下し、5000μmを超えると、成形品の強度バランスが乏しくなるためである。また、表面部材4と基部7の厚さの比は、必要とされる軟質感、衝撃吸収性、強度などにより決定される。
基部7の材料としては、安価・高強度で、生産性にも優れるSMCやBMCを使用することが好ましいが、その他、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂を用いることができる。また、基部5の厚みは1〜20mmとすることが好ましい。厚みが1mm未満になると徐々に成形品の強度が乏しくなり、20mmを超えると徐々に成形品重量が増し、成形性も徐々に乏しくなるためである。
基部7の材料に用いるSMCとは、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、充填剤、増粘剤を配合してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物を繊維補強材に含浸させた繊維強化成形材料であって、シート状に形成されたものである。また、BMCとは樹脂に各種の添加剤、繊維補強材が加えられた塊粘土状の成形用材料である。
熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂が多く用いられるが、ビニルエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂等を用いることができる。
重合性単量体は、例えば、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、ターシャリブチルスチレン、臭化スチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のメタクリル酸又はアクリル酸のアルキルエステル、β−ヒドロキシメタクリル酸エチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル等のメタクリル酸又はアクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ジアリルフタレート、アクリルアミド、フェニルマレイミド等が挙げられる。
低収縮剤は、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ブタジエンゴムなどの熱可塑性樹脂が用いられる。使用量は、成形品の成形収縮率や表面平滑性、表面光沢等の表面特性を考慮して決定され、特に制限はない。低収縮剤は、前記不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との総量に対して20〜50質量%の範囲で使用されることが好ましい。
硬化剤は、ケトンパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、ハイドロパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、アルキルパーエステル類等が挙げられる。硬化剤の量は、材料の保存性、成形サイクルの面から前記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対し0.5〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0質量%である。
重合禁止剤は、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、ハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。重合禁止剤は、前記不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との総量に対して0.8質量%以下で使用されることが好ましい。
充填剤は,炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム等が使用できる。その含有量は,増粘性及び成形した場合の表面特性,機械特性等を考慮して決定されるが不飽和ポリエステル樹脂組成物中の含有量が10〜60質量%になるように加えられる。
増粘剤は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カリウム、水酸化カリウム等が用いられるが、一般的には酸化マグネシウムが用いられる。増粘剤の量は、成形材の作業性に応じて決定されるが、前記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対して、0.5〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.7〜2.0質量%である。
繊維補強材は、ガラス繊維や有機繊維が使用できる。ガラス繊維は,連続繊維,織布等の形態で用いられるが,ロービング状のものを5〜30mmに切断したものを用いることが好ましい。
前記の不飽和ポリエステル樹脂組成物には、さらに適宜、離型剤、安定剤、着色剤等を配合することもできる。
SMCは、通常のSMC製造装置を用いて通常の方法により製造することができる。
例えば、前記不飽和ポリエステル樹脂組成物を、上下に配置されたキャリアフィルムに均一な厚さとなるように塗布し、巻き出し装置から巻き出された所定の大きさの繊維補強材を上記した上下に配置されたキャリアフィルム上の不飽和ポリエステル樹脂組成物で挾み込み、次いで、全体を含浸ロールの間に通して、圧力を加えて繊維補強材を不飽和ポリエステル樹脂組成物に含浸させた後、ロール状に巻き取るかつづら折りに畳む。また、繊維補強材として単繊維を用いる場合、キャリアフィルムに不飽和ポリエステル樹脂組成物を塗布し、ついで、単繊維をその上に散布する方法もある。この後、必要に応じて熟成等を行う。増粘剤を配合した場合には室温〜60℃の温度に加熱して熟成することが好ましい。
SMCの粘度は、40℃において15,000〜150,000Pa・sとなるように調整されるのが好ましく,60,000〜120,000Pa・sとなるように調整されるのが特に好ましい。
上記のようにして作製したSMCを基部7として用いると、運搬時等に衝撃を受けた時にクラックが発生しにくくなり、浴室部材として優れた強度、特性を持たせることができる。
クッション材5は、ウレタン発泡材、ポリスチレン発泡材、ポリエチレン発泡材、フェノール発泡材、イソシアヌレート発泡材、エチレン-プロピレン-ジエンゴム発泡材、天然ゴム発泡材などの各種発泡材が使用でき、気泡構造は、連続気泡構造や独立気泡構造など、どのような気泡構造であってもよい。
また、クッション材5の表裏一方または両面には接着剤処理を施すことができ、例えば塗装やフィルムの貼り付けのほか、エポキシ樹脂系接着剤、ポリイミド樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、アクリル変成シリコーン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、クロロプレンゴム系溶剤形接着剤、合成ゴム系ラテックス形接着剤、イソシアネート系接着剤、エマルジョン形接着剤、ホットメルト形接着剤、シランカップリング剤等のような各種接着剤を塗布したり、脱脂処理、サンディング処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理等の処理を施したりすることができる。なお、接着剤は2種以上混合したものもでもよく、成形時の軟化、流動を防ぐため熱硬化性の接着剤を用いることがより好ましい。また、表面処理時には必要に応じて充填材、発泡剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤の添加や着色加工ができる。
中間材6は、樹脂製または金属製のフィルムまたは板が使用でき、成形時のSMCの流動圧力や成形温度・圧力による表面部材4の変形などの影響を緩和するとともに、溶剤成分などが各層間に移行することを防止できる。中間材6は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリイミドフィルムなどの各種樹脂製のフィルムのほか、アルミ板、鋼板、銅板、アルミ箔、鋼板、銅箔、金属蒸着フィルムが使用でき、成形方法や成形条件により適宜選択して用いる。
また、中間材6の表裏一方または両面には接着剤処理を施すことができ、例えばバフ掛け処理、塗装、フィルムの貼り付けのほか、エポキシ樹脂系接着剤、ポリイミド樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、アクリル変成シリコーン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、クロロプレンゴム系溶剤形接着剤、合成ゴム系ラテックス形接着剤、イソシアネート系接着剤、エマルジョン形接着剤、ホットメルト形接着剤、シランカップリング剤等のような各種接着剤を塗布したり、脱脂処理、サンディング処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理等の処理を施したりすることができる。なお、接着剤は2種以上混合したものもでもよく、成形時の軟化、流動を防ぐため熱硬化性の接着剤を用いることがより好ましい。また、表面処理時には必要に応じて充填材、発泡剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤の添加や着色加工ができる。また、中間材6は、基部7の材料に含まれる溶剤がプレス一体成形時に各層に移行することを防ぐため、基部7とクッション材5の間に用いることが好ましいが、クッション材5と表面部材4の間に用いてもよく、基部7とクッション材5の間およびクッション材5と表面部材4の両方に用いてもよい。
本発明の表面に軟質材を備えた浴室用部材は、図4に示すように、織物11と表面部材4とSMC10の組み合わせたもの、図5に示すように、織物11と表面部材4とクッション材5とSMC10の組み合わせたもの、図7に示すように織物11と表面部材4とクッション材5と中間材6とSMC10の組み合わせたものをプレス(加熱加圧)一体成形する方法で製造できる。この際、金型内での熱または圧力により表面部材4とクッション材5と中間材6とSMC10を接着、一体化し、織物11による表面部材4の表面部材表層1へ形状付与を行い、図1、図2及び、図3に示す成形品を得ることができる。なお、表面部材4とクッション材5と中間材6は、成形時のズレを防止するため、一体成形する前に予め接着させておくことが好ましい。
加熱加圧一体成形する場合は、圧縮成形、トランスファー成形等により成形され、予め昇温しておいた金型の製品面側から、織物11と表面部材4とSMC10を組み合わせたもの、織物11と表面部材4とクッション材5とSMC10を組み合わせたもの、または織物11と表面部材4とクッション材5と中間材6とSMC10を組み合わせたものをセットし、加熱加圧する。また、成形温度は70〜180℃、成形圧力は0.05〜10MPaであることが好ましい。
表面部材4の表面部材表層1の表面形状は、図6に例示する如くプレス一体成形時に金型の凹凸形状9aを表面部材表層1に転写させる方法と、表面部材表層1の加硫時、またはプレス一体成形時に織物11の凹凸形状を図7に例示する如く表面部材表層に転写させる方法がある。後者の方法に用いる織物11は、加硫前に表面部材表層1へ密着させ、この状態のまま加硫、プレス一体成形を施し、成形後に織物11を表面部材表層1から剥がすことが好ましいが、プレス一体成形時に表面部材表層1に織物11を密着させて、成形後に織物11を剥がすことでも表面部材表層1の表面に織物の形状を転写させることができる。
織物11は、表面部材表層1に織物の形状を転写させた際の転写面が、表面粗さ形状測定機で評価長さ20mm、測定速度0.6mm/s、カットオフ値0.08mm、フィルタ種別ガウシン、カットオフ比300に設定し、任意に選んだ3箇所以上を測定したときに算術平均粗さRaの平均値が0.5μm以上、より好ましくは0.7μm以上である織物であればよい。これは、算術平均粗さRaの平均値が0.5μm未満であると、表面の親水性、または滑り転倒防止用のグリップ効果が徐々に損なわれるためである。また、織物の種類は用途に応じて決定されるが、例えばポリエステル繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維、天然繊維、金属繊維、セラミックス繊維等、種々の繊維を使用でき、また、織物11の形態は平織り、朱子織り、不織布、マット等何れの形態であってもよい。なお、織物11の形状を転写して得た図1〜図3、図4、図5、図7に例示する表面部材表層1の凹凸1aは、表面部材表層1の表面を親水性として水の乾きを良くするほか、微細凹凸のグリップ効果で滑り転倒を防止することができる。
また、表面部材表層1の表面には織物11の転写形状に加えて、幅が200〜5000μm、深さが200〜5000μm、断面が略U字形またはV字形である細く深い溝や、凹凸形状を付与できる。この場合、表面に細く深い溝や凹凸形状を施した金型でプレス一体成形し、成形後に織物を剥離することで、織物の転写形状に加え、細く深い溝や凹凸形状を表面部材表層1に形成できる。
(SMCの作製)
以下に示す試験例、比較例においては、次のようにSMCを作製した。
スチレンに溶解された不飽和ポリエステル樹脂(商品名:PS−9415、日立化成工業株式会社製)85質量部(スチレン60質量部%)及びスチレンに溶解したポリスチレン15質量部(スチレン60質量部%)の混合物100質量部に対して、硬化剤1.0質量部、重合禁止剤のパラベンゾキノン0.77質量部、離型剤のステアリン酸亜鉛2.5質量部、及び増粘剤の酸化マグネシウム2.0質量部、充填剤として炭酸カルシウムを150質量部配合して不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。このように配合して得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物を、ガラス繊維に含浸させ、SMCを作製した。
(試験例1)
ポリエステル基布2の表面部材表層1側にクロロスルホン化ポリエチレンゴム、表面部材接着層3側にクロロプレンゴムをトッピングし完全に加硫させた表面部材4を、図4に示すように、下金型9上に投入し、SMC10と加熱加圧成形して図1に示す構成の200mm角の成形品を得た。多層構造シート4は、ハイパロン(デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー登録商標)ゴム引布(商品名:T−10、アキレス株式会社製)を使用した。なお、成形条件は、SMC投入重量300g、チャージ面積0.05m2(15cm角)、成形圧力3MPa、保圧時間10分で成形し、下金型9は鏡面の型を使用した。
(試験例2)
ポリエステル基布2の表面部材表層1側にクロロスルホン化ポリエチレンゴム、表面部材接着層3側にクロロプレンゴムをトッピングし完全に加硫させた後、この表面部材4と予め接着剤で接着させたクッション材5とを、図5に示すように、下金型9上に投入し、SMC10と加熱加圧成形により、図2に示す構成の200mm角の成形品を得た。表面部材4は、ハイパロン(デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー登録商標)ゴム引布(商品名:T−10、アキレス株式会社製)を使用した。クッション材はウレタン発泡材(商品名VM:アキレス株式会社製)を用い、表面部材4とクッション材5、およびクッション材5とSMC10の接着にはイミド系接着剤(株式会社巴川製紙所製)を用いた。なお、成形条件は、SMC投入重量300g、チャージ面積0.05m2(15cm角)、成形圧力3MPa、保圧時間10分で成形し、下金型9は鏡面の型を使用した。
(試験例3)
ポリエステル基布2の表面部材表層1側にクロロスルホン化ポリエチレンゴム、表面部材接着層3側にクロロプレンゴムをトッピングし完全に加硫させた後、この表面部材4と予め接着剤で接着させたクッション材5と中間材6とを、図6に示すように、下金型9上に投入し、SMC10と加熱加圧成形して図10に示す構成の200mm角の成形品を得た。表面部材4は、ハイパロン(デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー登録商標)ゴム引布(商品名:T−10、アキレス株式会社製)を使用した。クッション材はウレタン発泡材(商品名VM:アキレス株式会社製)を、中間材6は38μmのポリエチレンナフタレートフィルムを用い、表面部材4とクッション材5、クッション材5と中間材6、および中間材6とSMC10の接着にはイミド系接着剤(株式会社巴川製紙所製)を用いた。なお、成形条件は、SMC投入重量300g、チャージ面積0.05m2(15cm角)、成形圧力3MPa、保圧時間10分で成形し、下金型9は鏡面の型を使用した。
(試験例4)
ポリエステル基布2の表面部材表層1側および表面部材接着層3側にクロロスルホン化ポリエチレンゴムをトッピングし完全に加硫させた後、この表面部材4と予め接着剤で接着させたクッション材5と中間材6とを、図6に示すように、下金型9上に投入し、SMC10と加熱加圧成形して図3に示す構成の200mm角の成形品を得た。表面部材4は、ハイパロン(デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー登録商標)ゴム引布(商品名:T−10、アキレス株式会社製)を使用した。クッション材はウレタン発泡材(商品名VM:アキレス株式会社製)を、中間材6は38μmのポリエチレンナフタレートフィルムを用い、表面部材4とクッション材5、クッション材5と中間材6、および中間材6とSMC10の接着にはイミド系接着剤(株式会社巴川製紙所製)を用いた。なお、成形条件は、SMC投入重量300g、チャージ面積0.05m2(15cm角)、成形圧力3MPa、保圧時間10分で成形し、下金型9は鏡面の型を使用した。
(試験例5)
ポリエステル基布2の表面部材表層1側にクロロスルホン化ポリエチレンゴム、表面部材接着層3側にクロロプレンゴムをトッピングし半加硫状態とさせた後、この表面部材4と予め接着剤で接着させたクッション材5と中間材6とを、図6に示すように、下金型9上に投入し、SMC10と加熱加圧成形して図3に示す構成の200mm角の成形品を得た。表面部材4は、ハイパロン(デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー登録商標)ゴム引布(商品名:T−10、アキレス株式会社製)を使用した。クッション材はウレタン発泡材(商品名VM:アキレス株式会社製)を、中間材6は38μmのポリエチレンナフタレートフィルムを用い、表面部材4とクッション材5、クッション材5と中間材6、および中間材6とSMC10の接着にはイミド系接着剤(株式会社巴川製紙所製)を用いた。なお、成形条件は、SMC投入重量300g、チャージ面積0.05m2(15cm角)、成形圧力3MPa、保圧時間10分で成形し、下金型9は鏡面の型を使用した。
(試験例6)
ポリエステル基布2の表面部材表層1側にクロロスルホン化ポリエチレンゴム、表面部材接着層3側にクロロプレンゴムをトッピングし完全に加硫させた後、この表面部材4と予め接着剤で接着させたクッション材5と中間材6とを、図6に示すように、下金型9上に投入し、SMC10と加熱加圧成形して図3に示す構成の200mm角の成形品を得た。表面部材4は、ハイパロン(デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー登録商標)ゴム引布(商品名:T−10、アキレス株式会社製)を使用した。クッション材はウレタン発泡材(商品名VM:アキレス株式会社製)を、中間材6は38μmのポリエチレンナフタレートフィルムを用い、表面部材4とクッション材5、クッション材5と中間材6、および中間材6とSMC10の接着にはイミド系接着剤(株式会社巴川製紙所製)を用いた。なお、成形条件は、SMC投入重量300g、チャージ面積0.05m2(15cm角)、成形圧力3MPa、保圧時間10分で成形し、下金型9は表面に算術平均粗さRaの平均値が1.1μmの微細凹凸を施した型を使用した。
(試験例7)
ポリエステル基布2の表面部材表層1側にクロロスルホン化ポリエチレンゴム、表面部材接着層3側にクロロプレンゴムをトッピングし、さらに表面部材表層1の製品面側に82dtex×82dtexのポリエステル製の織物11を密着させて完全に加硫させた後、この表面部材4と予め接着剤で接着させたクッション材5と中間材6とを、図7に示すように、下金型9上に投入し、SMC10と加熱加圧成形後に織物10を成形品から剥離して図3に示す構成の200mm角成形品を得た。表面部材4は、ハイパロン(デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー登録商標)ゴム引布(商品名:T−10、アキレス株式会社製)を使用した。クッション材はウレタン発泡材(商品名VM:アキレス株式会社製)を、中間材6は38μmのポリエチレンナフタレートフィルムを用い、表面部材4とクッション材5、クッション材5と中間材6、および中間材6とSMC10の接着にはイミド系接着剤(株式会社巴川製紙所製)を用いた。なお、成形条件は、SMC投入重量300g、チャージ面積0.05m2(15cm角)、成形圧力3MPa、保圧時間10分で成形し、下金型9は鏡面の型を使用した。
(比較例1)
SMC9を下金型8上に投入し、加熱加圧成形により200mm角の成形品を得た。なお、成形条件は、SMC投入重量300g、チャージ面積0.05m2(15cm角)、成形圧力3MPa、保圧時間10分で成形し、下金型8は表面に算術平均粗さRaの平均値が1.1μmの微細凹凸を施した型を使用した。
(試験方法)
(1)衝撃吸収(クッション)性の評価
得られた成形品上に500mmの高さから卓球ボールを落下させ、跳ね返り高さを計測し、衝撃吸収性を比較評価した。
(2)溶剤成分の移行評価
得られた成形品表面に100ccの容器を被せ、容器内の溶剤量を横河電機株式会社製ポータブルVOCモニタPGM7600形で3分間測定し、溶剤成分が検出されなかった場合を○、1ppm以上5ppm以下の溶剤成分が検出された場合を△、5ppm以上検出された場合を×とした。なお、測定は成形してから3時間経過した後に行った。
(3)一体成形時の軟質材変形の評価
プレス一体成形した際の軟質材の変形の評価は、一体成形で表面部材4またはクッション材5が成形時の圧力の影響を受けても変形せず形状を維持した場合を○、やや変形した場合を△、変形し形状を維持できない場合を×として評価した。
(4)滑りにくさの評価方法(滑り開始角度)
得られた成形品に5%濃度の石鹸水をかけ、質量90gの錘を載せ、成形品を少しずつ傾け、錘が滑り落ち始める角度を読み取った。
(5)乾燥性
得られた成形品表面を水で濡らし、表面の水が乾燥するまでの時間を計測した際に乾燥時間が1時間から2時間の間の場合を○、2時間から3時間の場合を△、3時間以上の場合を×とした。なお条件は、室温15℃、湿度60%で行い、150mm角の成形品で試験を行った。
(6)金型投資の必要性評価
成形品表面に、算術平均粗さRaの平均値が0.5μm以上、より好ましくは0.7μm以上の形状を付与する際の金型投資の必要性を評価した。
(7)各層の接着性評価
各層の接着性の評価は、成形品を80℃の温水に24時間全浸にて試験した後に各層間で剥離が生じない場合を○、1つの層間で剥離が生じた場合を△、全ての層間で剥離が生じた場合を×とした。
(8)防音性の評価
得られた成形品上で風呂イスの引きずりを行った際、SMC成形品の騒音値65dBよりも値が10dB以上小さい場合を○、10dB未満または同等の場合を△、同等以下の場合を×とした。
Figure 0004943395
Figure 0004943395
その結果、表1、表2に示すように、本発明の基部7を配し、その表面に軟質な表面部材4とクッション材5、および中間材6を設けた試験例7の成形品は、従来のSMC成形品に比べて衝撃吸収性があり、何かものを落下させた場合であても衝撃を抑えることができ、クッション性にも優れる。
また、軟質部材の表面に微細凹凸や織物の形状を転写することで、成形品を傾けた際の成形品上の錘が滑り始める角度が大きく、滑りくいものであった。 ポリエステル基布2の表面部材表層1側にクロロスルホン化ポリエチレンゴム、表面部材接着層3側にクロロプレンゴムをトッピングし、さらに表面部材表層1の製品面側にポリエステル製の織物11を密着させて完全に加硫させた後、この表面部材4と予め接着剤で接着させたクッション材5と中間材6とを、下金型9上に投入し、SMC10と加熱加圧成形後に織物10を成形品から剥離して得られた成形品は、一体成形時の軟質材変形の抑制、接着性、生産性、クッション性、乾燥性に優れ、良好な結果が得られた。
なお、試験例1〜5において表面形状を鏡面と表示した試料は、鏡面としていずれもRaが0.5μm未満であるから、親水性を発現しないので、乾燥性が悪く、滑り開始角度が低いので滑りやすいことが分かる。
合成樹脂成形体の試験例1の浴室成形品の断面構成図である。 合成樹脂成形体の試験例2の浴室成形品の断面構成図である。 合成樹脂成形体の試験例3〜7の浴室成形品の断面構成図であり、表面に微細凹凸を施した金型により得られた構造の代表図。 試験例1の浴室成形品の製造方法を示す図である。 試験例2の浴室成形品の製造方法を示す図である。 試験例3〜6の浴室成形品の製造方法を示すもので、細く深い溝を表面に施した上金型を用いた場合の代表図。 本発明に係る試験例7の浴室成形品の製造方法を示す図である。
符号の説明
A、B、C…合成樹脂成形体、1…表面部材表層(ゴム)、2…基布、3…表面部材接着層(ゴム)、4…表面部材(多層構造シート)、5…クッション材、6…中間材、7…基部(FRP)、8…上金型、9…下金型、10…シートモールドコンパウンド(SMC)、11…織物。

Claims (6)

  1. 基部と、この基部に積層される中間材とクッション材と表面部材とを備え、上記表面部材が、軟質であり、その表面に織物の転写面を有する合成樹脂成形体であって、
    前記表面部材が、基布と、この基布の表裏何れか一方の面にゴム製の表面部材接着層を有する多層構造シートであり、上記表面部材接着層が、接着剤を介してクッション材と接着するための接着層であり、
    前記基布が、表面部材接着層を設けた面とは反対の面に、表面部材表層を有し、この表面部材表層が、基布に積層させたゴムであり、積層時に表面部材表層の製品面側に織物の形状が転写され、
    前記中間材は、溶剤成分の移行を防止する樹脂製または金属製のフィルム、あるいは、樹脂製または金属製の板材からなり、前記基部がシートモールドコンパウンドあるいはバルクモールディングコンパウンドからなる合成樹脂成形体。
  2. 請求項1において、表面部材と基部の間に、表裏の一方又は両方に接着剤処理を施したクッション材および中間材を有し、予め表面部材とクッション材と中間材とを接着させた後、プレス一体成形により基部と一体化させた合成樹脂成形体。
  3. 製品面から表面部材表層、基布、表面部材接着層、クッション材、中間材、基部の順に構成され、表面部材表層がクロロスルホン化ポリエチレンゴム、基布がポリエステルまたはナイロン製の基布、表面部材接着層がクロロプレンゴム、クッション材がウレタン発泡材、中間材が樹脂製または金属製のフィルムまたは板材、基部がFRPであり、前記表面部材表層に織物の転写面を有する請求項1または2に記載の合成樹脂成形体。
  4. 請求項において、表面部材の表面部材表層及び表面部材接着層が予め加硫させたゴムシートであり、加硫時及びプレス一体成形時に織物の形状が表面部材表層に転写され、プレス一体成形後に織物が剥離されてなる合成樹脂成形体。
  5. 請求項1乃至の何れかにおいて、織物の転写面の算術平均粗さRaの平均値が0.5μm以上である合成樹脂成形体。
  6. 請求項1乃至の何れかに記載される合成樹脂成形体を用いた、浴室床、防水パン、浴室壁、浴槽、浴槽エプロンまたは浴室天井等の浴室部材。
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