JP4943209B2 - 低周波音低減方法及び装置 - Google Patents
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Description
図3は、トンネル内における微気圧波の発生機構を説明する図である。
列車Tがトンネル(本坑)1に突入すると、トンネル内に圧縮波が生じる。その圧縮波がトンネル内を伝播してトンネル出口1aに達すると、大部分の圧縮波は開口端反射して膨張波となってトンネル1の奥方向に戻ってくるが、一部は、圧縮波の圧力勾配にほぼ比例したパルス状の圧力波となって出口1aから外部に放射される。これをトンネル微気圧波という。このような微気圧波が放射されると、破裂的な空気圧音(一次音)を招くことがあるだけでなく、トンネル出口付近の民家の窓ガラスや戸を急に振動させて二次音を発生させる要因ともなる。
この場合、微気圧波をほぼ1/2とすることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る微気圧波低減方法及び装置を説明するための図である。ここでは、管路として鉄道用トンネルの枝坑の場合について説明する。
本発明の低周波音低減装置は、本坑1の途中に設けられた枝坑2を二分割する隔壁3を有する。この例では、隔壁3は枝坑2を、断面積が1/2ずつとなるように分割している。隔壁3によって分割された枝坑2の一方の末端(口)は壁4で閉じられている。このような構成により、枝坑2は、口が閉鎖されていない開口枝坑5と、口が閉鎖された閉鎖枝坑6に分割される。開口枝坑5の開口面積は、枝坑2の開口面積の1/2となる。隔壁3の長さ(開口枝坑5及び閉鎖枝坑6の長さ)は、枝坑2に発生する圧力波の波長程度である。
具体的な数値例として、枝坑2に発生する圧力波の波長が40mの場合、枝坑2の全長は60m、断面積は20m2、隔壁3の長さ(開口枝坑5及び閉鎖枝坑6の長さ)は40m、開口枝坑5及び閉鎖枝坑6の断面積は10m2である。
まず、図1(A)に示すように、枝坑2に、本坑1の圧縮波と同じ位相の圧縮波(+2:圧力と断面積を乗じた大きさ)が伝播してきたとする。なお、分割されていない枝坑の場合は、同位相の圧縮波(+2)が枝坑の坑口で開口端反射して、一部が微気圧波となって外部へ放射され、残りは逆位相の膨張波(−2)となって戻ってくる。しかし、この例では、枝坑2が途中で分割されているので、同位相の圧縮波(+2)は、分割点(隔壁3の奥側端部)で開口枝坑5及び閉鎖枝坑6に分かれ、各枝坑に同位相の圧縮波(+1.0)が進んでいく。
図2(A)は、枝坑2を、途中で閉鎖枝坑16と開口枝坑15に分岐したものである。閉鎖枝坑16の坑口は壁14で閉じられており、開口枝坑15の坑口15aは開いている。閉鎖枝坑16と開口枝坑15との間の角度θは特に規定されない。この場合も、閉鎖枝坑16と開口枝坑15の長さLはほぼ等しく、両者の断面積はほぼ等しい。この例は、例えば、地表に枝坑の坑口の面積を取ることができない場合に適している。
3 隔壁 4 壁
5 開口枝坑 6 分割枝坑
Claims (14)
- 圧力波が伝搬する管路の口において発生する低周波音を低減する方法であって、
該口からある長さの間において該管路を複数に分割するとともに、分割した一部管路の口を閉鎖することにより、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割管路(開口管路)に導かれて該管路を進み、該管路の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該管路の奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割管路(閉鎖管路)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該管路の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該管路の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記管路の分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減方法。 - 圧力波が伝搬する管路(本管)の口において発生する低周波音を低減する方法であって、
該口からある長さ奥の位置において該管路に分岐管路を設けるとともに、該分岐管路の口を閉鎖することにより、
まず、前記圧力波の一部(A波)が前記本管を進んで該管の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該本管の奥方向へ戻り、
前記分岐管路に導かれた一部の圧力波(B波)は、該管路の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該管路の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記本管の分岐点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減方法。 - トンネルに鉄道車両が突入した際に該トンネル中に生じる圧力波が該トンネルの出口に伝搬して開口端反射する際に生じる低周波音を低減する方法であって、
該口からある長さの間において該トンネルを複数に分割するとともに、分割した一部トンネルの口を閉鎖することにより、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割トンネル(開口トンネル)に導かれて進み、該開口トンネルの口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該開口トンネル奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割トンネル(閉鎖トンネル)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該閉鎖トンネルの閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該閉鎖トンネルの奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記トンネルの分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減方法。 - 枝坑を有するトンネルに鉄道車両が突入した際に該トンネル中に生じる圧力波が該枝坑の口に伝搬して開口端反射する際に生じる低周波音を低減する方法であって、
該口からある長さの間において該枝坑を複数に分割するとともに、分割した一部枝坑の口を閉鎖することにより、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割枝坑(開口枝坑)に導かれて該開口枝坑を進み、該開口枝坑の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該開口枝坑の奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割枝坑(閉鎖枝坑)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該閉鎖枝坑の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該閉鎖枝坑の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記枝坑の分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減方法。 - 前記開口管路及び閉鎖管路は、長さがほぼ同じであるとともに、両者の断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項1記載の低周波音低減方法。
- 前記本管及び分岐管路は、長さがほぼ同じであるとともに、両者の断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項2記載の低周波音低減方法。
- 前記開口枝坑及び閉鎖枝坑は、長さがほぼ同じであるとともに、両者の断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項4記載の低周波音低減方法。
- 前記分割管路、分岐管路又は分割枝坑の長さが前記圧力波の波長程度以上の長さであることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の低周波音低減方法。
- 圧力波が伝搬する管路の口において発生する低周波音を低減する装置であって、
該口からある長さの間において該管路を複数に分割する隔壁と、
分割した一部管路の口を閉鎖する手段と、
を備え、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割管路(開口管路)に導かれて該管路を進み、該管路の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該管路の奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割管路(閉鎖管路)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該管路の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該管路の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記管路の分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減装置。 - 前記開口管路及び閉鎖管路は、長さがほぼ同じであるとともに、断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項9記載の低周波音低減装置。
- 前記隔壁の長さが前記圧力波の波長程度以上の長さであることを特徴とする請求項9又は10記載の低周波音低減装置。
- 枝坑を有するトンネルに鉄道車両が突入した際に該トンネル中に生じる圧力波が該枝坑の口に伝搬して開口端反射する際に生じる低周波音を低減する装置であって、
該口からある長さの間において該枝坑を複数に分割する隔壁と、
分割した一部枝坑の口を閉鎖する手段と、
を備え、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割枝坑(開口枝坑)に導かれて該開口枝坑を進み、該開口枝坑の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該開口枝坑の奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割枝坑(閉鎖枝坑)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該閉鎖枝坑の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該閉鎖枝坑の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記枝坑の分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減装置。 - 前記開口枝坑及び閉鎖枝坑は、長さがほぼ同じであるとともに、断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項12記載の低周波音低減装置。
- 前記隔壁の長さが前記圧力波の波長程度以上の長さであることを特徴とする請求項12又は13記載の低周波音低減装置。
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