以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態におけるファクシミリ装置を有した多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す)1の外観構成を示した斜視図である。MFP1は、電話回線網100(図2参照)を介して接続される被呼側装置200(図2参照)とファクシミリ通信可能に構成されている。また、このMFP1は、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能などの各種機能も有している。
本実施形態のMFP1は、被呼側装置200で受信可能な原稿サイズ(用紙サイズ)が、MFP1から被呼側装置200へ送信する原稿の原稿サイズの2倍以上であれば、送信する原稿の画像を2つずつ結合し、また、4倍以上であれば送信する原稿の画像を4つずつ結合して被呼側装置200へ送信する機能を有している。
MFP1の本体の前面には、開口部5が設けられ内部が上下に仕切られている。開口部5の下側には、複数枚の記録用紙を積層収納可能な給紙カセット3が挿入されている。給紙カセット3は、A4サイズ等にカットされた記録用紙が収納可能に構成されている。開口部5の上側は記録済みの記録用紙が排紙される排紙部4となっている。
本体の内部には、CPU11(図2参照)からの指示に基づいて、所定の給紙位置(非図示)にセットされた記録用紙への記録を行うためのインクジェット方式のプリンタ21が内蔵されている。プリンタ21は、記録用紙を搬送する記録用紙搬送用モータ(非図示)と、記録用紙へインクを吐出する印字ヘッド(非図示)と、その印字ヘッドを搭載したキャリッジ(非図示)を移動させるキャリッジモータ(非図示)とを有している。
開口部5の上部には、ファクシミリ機能やスキャナ機能やコピー機能の実行時に、原稿を読み取るためのスキャナ20が配置されている。このスキャナ20では、原稿サイズ「A4」までの大きさの原稿を読み取ることができる。原稿カバー体8の下側には、原稿を載置するための載置用ガラス板(図示しない)が設けられており、原稿を読み取る場合は、原稿カバー体8を上側に開き、載置用ガラス板上に原稿を載置し、原稿カバー体8を閉じて原稿を固定する。
なお、原稿をスキャナ20に読み取らせた場合に生成される原稿の画像の向き(上下方向)を統一するために、載置用ガラス板上に載置する原稿の向きが予め定められており、操作者は、その方向に従って原稿を載置することとなる。
そして、操作者が、操作キー15のFAX送信開始キー15fを押下すると、載置用ガラス板の下側に設けられている原稿読取センサー(図示しない)によって、載置用ガラス板上に載置されている原稿の画像が読み取られる。原稿読取センサーとしては、例えばCIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)が用いられている。
なお、原稿読取センサーは、載置用ガラス板上において原稿読取センサーが読取可能な領域のうち、RAM13(図2参照)の原稿サイズメモリ13bに記憶されている原稿サイズに対応する領域のみを読み取る。例えば、原稿サイズメモリ13bに原稿サイズが「A4」と記憶されている場合は、「A4」に対応する載置用ガラス板上の領域のみが読み取られる。
また、原稿読取センサーは、読み取る領域の主走査方向Xを読取解像度メモリ13aの主走査解像度メモリ13a1に記憶されている解像度で、副走査方向Yを副走査解像度メモリ13a2に記憶されている解像度で読み取る。
原稿読取センサーによって原稿の画像が読み取られると、原稿の画像に応じた画像データが生成され、RAM13の原稿画像メモリ13dに記憶される。なお、原稿が複数読み取られた場合には、原稿が読み取られた順番に、各原稿の画像データが原稿画像メモリ13d(図2(b)参照)に記憶される。
原稿カバー体8の前方には、横長形状の操作パネル6が設けられており、操作キー15、LCD16とを具備する。操作キー15には、送信設定画面表示キー15aと、送信先選択キー15bと、数字キー15cと、画質選択キー15dと、結合モード選択キー15eと、FAX送信開始キー15fなどが設けられている。
送信設定画面表示キー15aは、FAX送信設定画面(図5(b)参照)をLCD16に表示するためのキーである。操作者は、FAX送信設定画面において、FAXを送信する送信先や、送信する画像の画質や、画像を結合して送信するか否かの設定や、画像を結合して送信する場合の画像の結合枚数などを指定することができる。送信先選択キー15bは、予め登録されている複数の送信先の中から、送信先を選択するためのキーである。
数字キー15cは、送信先のFAX番号を入力するためのキーである。画質選択キー15dは、送信先へ送信する画像の画質を選択するためのキーである。結合モード選択キー15eは、送信先へ送信する画像の結合形式を選択するためのキーである。FAX送信開始キー15fは、指定した送信先へファックスを送信開始するためのキーである。FAX送信設定画面がLCD16に表示されている場合に、操作者によってFAX送信開始キー15fが押下されると、そのFAX送信設定画面の表示内容に従って原稿の画像データが送信される。また、操作者は、操作キー15の各種キーを押下することで、例えば、電源のオン/オフや、各機能の切り替えなどの操作を行うことができる。
LCD16には、メニューや操作手順や実行中の処理の状態が表示される。また、操作キー15の押下に対応する情報が表示されるので、操作者は送信先のFAX番号や、送信先へ送信された原稿枚数などの各種情報を確認することができる。
次に、図2を参照して、MFP1の電気的構成について説明する。
図2(a)は、MFP1の電気的構成を示すブロック図である。図2(b)は、RAM13の原稿画像メモリ13dの電気的構成を示すブロック図である。図2(c)は、RAM13の結合画像メモリ13hの電気的構成を示すブロック図である。
図2(a)に示すように、MFP1は、CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14、操作キー15、LCD16、スキャナ20、プリンタ21、モデム23、NCU24とを主に有している。
CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14は、バスライン26を介して互いに接続されている。また、操作キー15、LCD16、スキャナ20、プリンタ21、モデム23、NCU24、バスライン26は、入出力ポート27を介して互いに接続されている。
CPU11は、ROM12やRAM13やフラッシュメモリ14に記憶される固定値やプログラムに従って、MFP1が有している各機能の制御や、入出力ポート27と接続された各部を制御するものである。
ROM12は、MFP1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。図5(a)のフローチャートに示すFAX送信処理、図6のフローチャートに示す送信画像サイズ決定処理、図7のフローチャートに示す原稿読取処理、図8のフローチャートに示す画像結合処理を実行する各プログラムは、このROM12に格納されている。
また、ROM12には、結合モードテーブルメモリ12aと、画像配列パターンメモリ12bと、送信解像度テーブルメモリ12cとが設けられている。
結合モードテーブルメモリ12aは、結合モードテーブル(詳しくは、図3(a)に後述する)が格納されているメモリである。結合モードテーブルは、操作者が、どの原稿サイズの原稿をスキャナ20で読み取らせるのか、スキャナ20に読み取らせた画像をどのように結合して被呼側装置200へ送信するのかなどを指定するためのテーブルである。
画像配列パターンメモリ12bは、画像配列パターン(詳しくは、図3(b)に後述する)が複数格納されているメモリである。画像配列パターンは、複数の原稿の画像を結合させる場合に、各原稿の画像がどの位置に配置されるのかが示される画像の配列パターンである。本実施形態では、原稿2枚分の画像の配置を示す画像配列パターン「X」と、原稿4枚分の画像の配置を示す画像配列パターン「Y」,「Z」とが予め定められている。
送信解像度テーブルメモリ12cは、送信解像度テーブル(詳しくは、図3(c)に後述する)が格納されているメモリである。送信解像度テーブルは、操作者が、被呼側装置200へ送信する原稿の画像の画質を指定するためのテーブルである。
ここで、図3(a)を参照して、結合モードテーブルメモリ12aに格納されている結合モードテーブルについて説明する。
図3(a)は、結合モードテーブルの内容の一例を示すイメージ図である。
結合モードテーブルは、操作者が、どの原稿サイズの画像をスキャナ20で読み取らせるのか、スキャナ20に読み取らせた画像をどのように結合して被呼側装置200へ送信するのかなどを指定するためのテーブルである。
結合モードテーブルは、結合モード番号と、原稿サイズと、原稿の結合枚数と、結合画像サイズと、画像配列パターンとによって構成されており、一の結合モード番号毎に、一の原稿サイズと、一の原稿の結合枚数と、一の結合画像サイズと、一の画像配列パターンとが関連づけられている。
結合モード番号は、MFP1が、どの原稿サイズの画像をスキャナ20に読み取らせるのか、スキャナ20に読み取らせた画像をどのように結合して被呼側装置200へ送信するかなどを識別するための番号である。本実施形態では、結合モード番号「1」〜「9」が設けられており、各番号に応じた各種情報が関連づけられている。操作者は、原稿の画像を被呼側装置200へ送信する前に、結合モード番号(1から9の中のいずれか)を1つ選択することとなり、結合モード番号が選択されると、その番号が後述するフラッシュメモリ14の結合モード設定メモリ14bに記憶される。
原稿サイズは、スキャナ20に読み取らせる原稿の原稿サイズ(例えば、「A4」など)を示す。原稿の結合枚数は、被呼側装置200へ複数の原稿の画像を送信する場合に、原稿の画像を原稿何枚分ずつ結合して送信するかを示す原稿の枚数である。結合画像サイズは、複数の原稿の画像を結合した場合に生成される一の画像(以後、「結合画像」と称する)の大きさに対応する原稿サイズを示す。例えば、原稿サイズ「A4」の原稿が2枚結合される場合は、結合画像サイズが「A3」となる。画像配列パターンは、結合画像が生成された場合に、各原稿の画像が配置される位置が示される画像の配列パターン(図3(b)参照)を示す。
例えば、図3(a)に示すように、結合モード番号「1」には、原稿サイズ「A4」と、原稿の結合枚数「2」と、結合画像サイズ「A3」と、画像配列パターン「X」とが関連づけられている。
操作者によって、結合モード番号「1」が選択されている場合は、スキャナ20によって複数の原稿が読み取られると、各原稿の画像が2枚分ずつ1つに結合され、被呼側装置200へ送信される。すなわち、被呼側装置200へ送信される原稿が順番に、スキャナ200によって読み取られる。スキャナ20は、原稿サイズ「A4」に対応する載置用ガラス板上の領域を読み取り画像データを生成する。原稿の結合枚数が「2」であるので、結合画像サイズは、「A3」となる。また、読み取った原稿の画像が2枚分ずつ1つ画像に結合される場合に、結合画像内において各原稿の画像は、画像配列パターン「X」に従って配置される。
結合モード番号「2」〜「5」については、結合モード番号「1」と同様な説明となるので、その説明を省略する。操作者によって、結合モード番号「6」〜「9」が選択されている場合は、スキャナ20によって読み取られた各原稿の画像は結合されずに、各原稿の画像が1枚分ずつ被呼側装置200へ送信される。
次に、図3(b)を参照して、画像配列パターンメモリ12bに格納されている画像配列パターン「X」,「Y」,「Z」について説明する。
図3(b)は、画像配列パターン「X」,「Y」,「Z」の内容の一例を示すイメージ図である。画像配列パターンは、複数の原稿の画像を結合させる場合に、各原稿の画像がどの位置に配置されるのかが示される画像の配列パターンである。
画像配列パターン「X」は、原稿2枚分の画像を1つに結合する場合の画像の配列パターンを示すものである。この画像配列パターン「X」では、スキャナ20で複数の原稿の画像が読み取られた場合に、各原稿の画像が右回りに90度回転させられ、各画像の長手方向が送信方向に対して直交するように配置される。また、1枚目に読み取られる画像が上方に配置され、2枚目に読み取られる画像が下方に配置される。
画像配列パターン「Y」は、原稿4枚分の画像を1つに結合する場合の画像の配列パターンを示すものである。この画像配列パターン「Y」では、スキャナ20で複数の原稿の画像が読み取られた場合に、各原稿の画像を回転させずに、各画像の長手方向が送信方向に対して平行に配置される。また、1枚目に読み取られる画像が左上方に配置され、2枚目に読み取られる画像が右上方に配置され、3枚目に読み取られる画像が左下方に配置され、4枚目に読み取られる読み取った画像が右下方に配置されることを示す。
画像配列パターン「Z」は、原稿4枚分の画像を1つに結合する場合の画像の配列パターンを示すものである。この画像配列パターン「Z」は、スキャナ20で複数の原稿の画像が読み取られた場合に、各原稿の画像を回転させずに、各原稿の画像の長手方向が、送信方向に対して平行に配置される。また、1枚目に読み取られる画像が左上方に配置され、2枚目に読み取られる画像が左下方に配置され、3枚目に読み取られる画像が右上方に配置され、4枚目に読み取られる読み取った画像が右下方に配置されることを示す。
次に、図3(c)を参照して、送信解像度テーブルメモリ12cに格納されている送信解像度テーブルについて説明する。
図3(c)は、送信解像度テーブルの内容の一例を示すイメージ図である。送信解像度テーブルは、操作者が、被呼側装置200へ送信する原稿の画像の画質を指定するためのテーブルである。
送信解像度テーブルは、被呼側装置200へ送信する原稿の画像の画質と、その画質に応じた画像の解像度とによって構成されおり、一の画質に、一の主走査方向の解像度と、一の副走査方向の解像度とが関連づけられている。本実施形態では、「標準」、「ファイン(写真)」、「スーパーファイン」という3つの画質が予め定められている。
操作者は、原稿の画像を被呼側装置200へ送信する前に、複数の画質の中から何れか一つの画質を選択することとなり、選択された画質は、後述するフラッシュメモリ14の画質設定メモリ14cに記憶される。なお、各画質に対応する解像度は、ファクシミリ通信の規格によって予め定められている値である。
例えば、図3(c)に示すように、画質「標準」には、主走査方向解像度「203.2dpi」と、副走査方向解像度「97.7dpi」とが関連づけられている。操作者によって、画質「標準」が選択されている場合は、主走査方向Xの画像が解像度「203.2dpi」で形成され、副走査方向Yの画像が解像度「97.7dpi」で形成される画像データが、被呼側装置200へ送信される。その他の画質(「ファイン(写真)」、「スーパーファイン」)については、画質「標準」と同様な説明となるので、その説明を省略する。
ここで、図2の説明に戻る。RAM13は、書き替え可能な揮発性のメモリであり、MFP1の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。RAM13には、読取解像度メモリ13aと、原稿サイズメモリ13bと、原稿枚数メモリ13cと、原稿画像メモリ13dと、被呼側原稿サイズメモリ13eと、結合画像サイズメモリ13fと、結合送信フラグメモリ13gと、結合画像メモリ13hとが設けられている。
読取解像度メモリ13aは、スキャナ20が原稿の画像の読み取りに用いる解像度が記憶されるメモリである。読取解像度メモリ13aには、主走査解像度メモリ13a1と、副走査解像度メモリ13a2とが設けられている。
主走査解像度メモリ13a1は、スキャナ20が原稿の画像を主走査方向Xに読み取る場合に用いる解像度が記憶されるメモリである。副走査解像度メモリ13a2は、スキャナ20が原稿の画像を副走査方向Yに読み取る場合に用いる解像度が記憶されるメモリである。
原稿サイズメモリ13bは、スキャナ20が読み取ることとなる原稿の原稿サイズが記憶されるメモリである。操作者によって、結合モード番号が1つ選択されると、選択された結合モード番号に対応する結合モードテーブル(図3(a)参照)の原稿サイズが、この原稿サイズメモリ13bに記憶される。例えば、操作者によって結合モード番号「1」が選択されると、原稿サイズ「A4」が記憶される。スキャナ20は、この原稿サイズメモリ13bに記憶されている原稿サイズに対応する載置用ガラス板上の領域を読み取る。なお、原稿サイズメモリ13bに記憶される原稿サイズは、特許請求の範囲に記載の第1サイズ情報の一例に該当する。
原稿枚数メモリ13cは、スキャナ20によって読み取られた原稿の枚数が記憶されるメモリである。原稿画像メモリ13dは、スキャナ20で原稿の画像が読み取られた場合に、その読み取られた原稿の画像に応じた画像データが記憶されるメモリである。スキャナ20によって複数の原稿の画像が読み取られた場合には、図2(b)に示すように、原稿が読み取られた順番に各原稿の画像に応じた画像データが一つずつ生成され、その順番に各画像データが原稿画像メモリ13dに記憶される。
被呼側原稿サイズメモリ13eは、被呼側装置200で受信可能な原稿サイズが記憶されるメモリである。詳細については、図4を参照して後述するが、被呼側装置200からMFP1へ送信されるDIS信号46には、被呼側装置200で受信可能な最大の原稿サイズを示す情報が含まれている。MFP1は、その被呼側装置200から送信されるDIS信号46を受信した場合に、その被呼側装置200で受信可能な原稿サイズを、被呼側原稿サイズメモリ13eに記憶する。例えば、「A4」というように、原稿サイズが記憶される。なお、被呼側原稿サイズメモリ13eに記憶される原稿サイズは、特許請求の範囲に記載の第2サイズ情報に該当する。
結合送信フラグメモリ13gは、スキャナ20によって複数の原稿の画像を読み取った場合に、複数の原稿の画像を結合した結合画像を生成して被呼側装置200へ送信するか否かを示す結合送信フラグが記憶されるメモリである。結合送信フラグがオン(例えば、「1」)に設定されている場合は、被呼側装置200へ結合画像が送信される。結合送信フラグがオフ(例えば、「0」)に設定されている場合は、スキャナ20によって読み取られた各原稿の画像は結合されずに、各原稿の画像が1枚分ずつ被呼側装置200へ送信される。
結合画像サイズメモリ13fは、結合画像の原稿サイズを示す結合画像サイズが記憶されるメモリである。操作者によって、結合モード番号が1つ選択されると、選択された結合モード番号に対応する結合モードテーブル(図3(a)参照)の結合画像サイズが、この結合画像サイズメモリ13fに記憶される。例えば、操作者によって結合モード番号「4」が選択されると、「B4」というように、結合画像サイズが記憶される。
結合画像メモリ13hは、複数の原稿の画像を結合した結合画像が生成された場合に、その結合画像に応じた画像データ(以下、「結合画像データ」と称する)が記憶されるメモリである。図2(c)に示すように、結合画像の結合画像データは、生成された順番に、一つずつ結合画像メモリ13hに記憶される。
フラッシュメモリ14は書換可能な不揮発性のメモリであり、このフラッシュメモリ14に記憶されたデータは、MFP1の電源オフ後も保持される。フラッシュメモリ14には、送信先登録メモリ14aと、結合モード設定メモリ14bと、画質設定メモリ14cとが設けられている。
送信先登録メモリ14aは、送信先のFAX番号や、送信先の名称などを予め記憶しておくためのメモリである。操作者は、この送信先登録メモリ14aに送信先のFAX番号や送信先の名称などを予め記憶しておけば、上述した送信先選択キー15bを操作して、原稿の送信先を選択することができる。
結合モード設定メモリ14bは、操作者によって結合モード番号「1」〜「9」が1つ選択された場合に、その結合モード番号が記憶されるメモリである。画質設定メモリ14cは、操作者によって画質「標準」,「ファイン(写真)」,「スーパーファイン」が1つ選択された場合に、その画質が記憶されるメモリである。
モデム23は、ファクシミリ機能によって送信する画像データを、ITU−T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)が勧告しているG3 FAX規格やG4 FAX規格に基づいて電話回線網100に伝送可能な信号に変調してNCU24を介して送信したり、電話回線網100からNCU24を介して入力された信号を受信し、LCD16に表示したりプリンタ21で記録用紙に記録できるように画像データへ復調するものである。
NCU24は、電話回線網100と接続されており、電話回線網100へのダイヤル信号の送出や、電話回線網100からの呼出信号の応答などの制御を行うものである。
次に、図4(a)を参照して、MFP1(発呼側装置)と被呼側装置200との間で、ファクシミリ通信時に送受信される各種信号について説明する。
図4(a)は、MFP1と被呼側装置200との間で行われる通信制御の手順の概略を示す概略図である。MFP1から被呼側装置200が発呼されると、呼出信号41が交換機を介して、被呼側装置200へ送信される。被呼側装置200がこの呼出信号41を受けて電話回線を閉結42すると、MFP1から非音声端末であることを表すCNG信号43が被呼側装置200へ送信される。
被呼側装置200は、CNG信号43を受信すると、CED信号44を送信し、続いて、CSI信号45と、DIS信号46とをMFP1へ送信する。CSI信号45は被呼端末識別信号、即ち、被呼側装置200のFAX番号を表す信号である。また、DIS信号46は、被呼側装置200が有する送受信機能(受信可能な最大の原稿サイズ、解像度、符号化方式(圧縮および復元方式)、通信速度等)をMFP1に知らせるための信号である。
MFP1は、DIS信号46を受信すると、被呼側装置200で受信可能な最大の原稿サイズを取得して、その原稿サイズを、RAM13の被呼側原稿サイズメモリ13eに記憶する。そして、TSI信号47と、DCS信号48とを被呼側装置200へ送信する。
TSI信号47は発呼端末識別信号、即ち、MFP1のFAX番号を表す信号である。また、DCS信号48は、MFP1が、DIS信号46により示された被呼側装置200の送受信機能に基づいて決定した送信パラメータ(送信する原稿サイズ、解像度、符号化方式、通信速度等)を被呼側装置200へ知らせるための信号である。
MFP1は、結合送信フラグメモリ13gの結合送信フラグがオンであり、且つ、被呼側原稿サイズメモリ13eの原稿サイズが、結合画像サイズメモリ13fの結合画像サイズと同じか又は大きい場合に、その結合画像サイズで画像データを送信する(すなわち、結合画像を送信する)ことを、このDCS信号48により被呼側装置200へ知らせる。
また、結合送信フラグがオフである場合や、被呼側原稿サイズメモリ13eの原稿サイズが、結合画像サイズメモリ13fの結合画像サイズより小さい場合には、原稿サイズメモリ13bの原稿サイズで画像データを送信する(すなわち、結合せずにそのまま送信する)ことを被呼側装置200へ知らせる。
そして、MFP1は、DCS信号48の送信後、TCF信号49を被呼側装置200へ送信する。TCF信号49は、被呼側装置200が正常にデータ受信できるか否かを確かめるための信号である。被呼側装置200は、TCF信号49を正常に受信できた場合に、CFR信号50を送信して、画像データの受信準備が整ったこと、及び、画像データの送信を開始して良いことをMFP1へ知らせる。
MFP1は、CFR信号50を受信すると、PIX信号51と、MPS信号52またはEOP信号54とを被呼側装置200へ送信する。PIX信号51は、一の画像データを被呼側装置200へ送信するための信号である。MPS信号52は、PIX信号51による画像データの送信が終了したこと、及び、まだ未送信の画像データが残っていることを知らせるとともに、被呼側装置200が正常に画像データを受信できたかを確かめるための信号である。EOP信号54は、PIX信号51による画像データの送信が終了したこと、及び、全ての画像データの送信が終了して次に送信する画像データが無いことを知らせるとともに、被呼側装置200が正常に画像データを受信できたかを確かめるための信号である。
ここで、図4(b)を参照して、PIX信号51によって被呼側装置200へ送信される画像データについて説明する。
図4(b)は、PIX信号51によって被呼側装置200へ送信される画像データの内容の一例を示すイメージ図である。上述したように、ファクシミリ通信の規格では、被呼側装置200へ送信するべき画像データの形式が予め定められている。
具体的には、図4(b)に示すように、被呼側装置200へ送信される画像データは、画像サイズに関係なく、主走査方向の画像を解像度「203.2dpi」で構成するものと定められている。そして、画質が「標準」と選択されている場合は、副走査方向の画像を解像度「97.7dpi」で構成するものと定められている。なお、画質が「ファイン(写真)」と選択されている場合は、副走査方向の画像を解像度「195.5dpi」で構成し、画質が「スーパーファイン」と選択されている場合は、解像度「381.1dpi」で構成するものと定められている。
なお、主走査方向は、特許請求の範囲に記載の第1方向の一例に該当し、副走査方向は、特許請求の範囲に記載の第2方向の一例に該当する。また、主走査方向の画像の解像度は、特許請求の範囲に記載の第1解像度に該当し、副走査方向の画像の解像度は、特許請求の範囲に記載の第2解像度に該当する。
ここで、図4(a)の説明に戻る。結合送信フラグメモリ13gの結合送信フラグがオンであり、且つ、被呼側原稿サイズメモリ13eの原稿サイズが、結合画像サイズメモリ13fの結合画像サイズと同じか又は大きい場合は、上述したPIX信号51によって、結合原稿画像メモリ13hに記憶されている結合画像データの中で、生成された順番が最も早い結合画像データが一つ送信される。
また、結合送信フラグがオフである場合や、被呼側原稿サイズメモリ13eの原稿サイズが、結合画像サイズメモリ13fの結合画像サイズより小さい場合には、PIX信号51によって、原稿画像メモリ13dに記憶されている画像データの中で、生成された順番が最も早い画像データが一つ送信される。
被呼側装置200は、PIX信号51により送信された画像データを正常に受信できた場合に、MPS信号52またはEOP信号54を受信すると、MCF信号53をMFP1へ送信する。MCF信号53は、PIX信号51により送信された画像データを正常に受信できたことを、MFP1に知らせるための信号である。
MFP1は、MCF信号53を受信した場合に、被呼側装置200へ送信すべき画像データが、結合原稿画像メモリ13hや原稿画像メモリ13dの中に複数残っていれば、PIX信号51と、MPS信号52との送信を繰り返して、画像データが生成された順番に、一つずつ各画像データを被呼側装置200へ送信する。そして、最後の画像データを送信する場合に、PIX信号51と、EOP信号54とを被呼側装置200へ送信する。
一方、MFP1は、最後の画像データを送信した後にMCF信号53を受信すると、閉結中の電話回線を開放することを表すDCN信号55を被呼側装置200へ送信し、電話回線を開放する。
以上説明したように、MFP1と被呼側装置200との間で各種信号の送受信が行われて、ファクシミリ通信が行われる。
次に、図5(a)を参照して、MFP1のCPU11により実行されるFAX送信処理について説明する。
図5(a)は、MFP1のFAX送信処理を示すフローチャートである。このFAX送信処理は、原稿の画像を被呼側装置200へ送信するための処理であり、複数の原稿の画像を被呼側装置200へ送信する場合に、原稿の画像を1枚分ずつ、原稿の画像を2枚分ずつ結合して、または、原稿の画像を4枚分ずつ結合して、被呼側装置200へ送信するための処理である。なお、このFAX送信処理は、送信設定画面表示キー15aが押下された場合に実行される処理である。
FAX送信処理では、まず、RAM13の各メモリ13a〜13hを初期化する(S1)。次に、フラッシュメモリ14の結合モード設定メモリ14bに記憶されている結合モード番号と、画質設定メモリ14cに記憶されている画質とを取得して、その内容を示すFAX送信設定画面をLCD16に表示する(S2)。
ここで、図5(b)を参照して、LCD16に表示されるFAX送信設定画面について説明する。
図5(b)は、FAX送信設定画面の内容の一例を示すイメージ図である。FAX送信設定画面には、FAX番号情報31と、画質情報32と、結合送信情報33と、結合モード情報34とが表示されている。
FAX番号情報31は、原稿の画像を送信する送信先を示す情報である。送信先選択キー15bによって送信先が選択された場合には、その選択された送信先のFAX番号と、送信先の名称とが表示される。また、数字キー15cによって、送信先のFAX番号が入力された場合には、その入力されたFAX番号が表示される。例えば、送信先選択キー15bによって、A社が送信先として選択された場合は、「FAX番号 052−XXXX−XXXX(A社)」と表示される。
画質情報32は、送信先の被呼側装置200へ送信する画像の画質を示す情報である。画質設定メモリ14cに画質が「標準」と記憶されている場合は、「画質: 標準」と表示される。なお、画質選択キー15dが押下される度に、画質の設定が順番に変更される。例えば、「標準」→「ファイン(写真)」→「スーパーファイン」→「標準」という順番で画質の設定が変更される。画質の設定が変更された場合は、その変更された画質が画質設定メモリ14cに記憶される。
結合送信情報33は、原稿の画像を結合して被呼側装置200へ送信するか否かを示す情報である。例えば、結合モード設定メモリ14bに記憶されている結合モード番号が「1」〜「5」である場合は、「結合画像送信: ON」と表示される。また、記憶されている結合モード番号が「6」〜「9」である場合は、「結合画像送信: OFF」と表示される。
結合モード情報34は、被呼側装置200へ送信する画像の結合形式を示す情報である。例えば、結合モード設定メモリ14bに記憶されている結合モード番号が「1」である場合は、「結合モード: A4×2枚 → A3×1枚」と表示される。なお、結合モード選択キー15eが押下される度に、結合モード設定メモリ14bに記憶されている結合モード番号の設定が順番に変更される。例えば、「1」→「2」→「3」・・・→「9」→「1」という順番で結合モード番号の設定が変更される。結合モード番号が変更された場合は、その変更された番号が、結合モード設定メモリ14bに記憶される。
上述したように、操作者は、このFAX送信設定画面がLCD16に表示されている場合に、送信先選択キー15bや、数字キー15cや、画質選択キー15dや、結合モード選択キー15eなどの各種キーを操作することで、送信先や、送信先へ送信する画像の画質や、画像を結合して送信するか否かの設定や、画像の結合形式などを指定することができる。そして、そのFAX送信設定画面がLCD16に表示されている場合に、FAX送信開始キー15fが押下されると、FAX送信設定画面の表示内容に従って原稿の画像データが送信される。
ここで、図5(a)の説明に戻る。S2の処理が終了すると、次に、送信先選択キー15bや数字キー15cなどの各種キーが操作されて原稿の送信先が指定され、FAX送信開始キー15fが押下されたかを判定する(S3)。そして、原稿の送信先が指定され、FAX送信開始キー15fが押下されるまで待機する(S3:No)。一方、原稿の送信先が指定され、FAX送信開始キー15fが押下された場合は(S3:Yes)、送信画像サイズ決定処理を実行し(S4)、次いで、原稿読取処理を実行する(S5)。
送信画像サイズ決定処理(S4)は、送信先の被呼側装置200へ送信する画像データの画像サイズを決定するための処理であり、原稿読取処理(S5)は、送信先の被呼側装置200へ送信する原稿の画像を、スキャナ20によって読み取るための処理である。なお、スキャナ20によって複数の原稿の画像が読み取られた場合は、各原稿の画像に応じた画像データが、スキャナ20によって読み取られた順番に、RAM13の原稿画像メモリ13d(図2(b)参照)に記憶される。
S5の処理が終了すると、次に、RAM13の結合送信フラグメモリ13gに記憶されている結合送信フラグがオンであるかを判定し(S6)、結合送信フラグがオンである場合は(S6:Yes)、画像結合処理を実行する(S7)。
画像結合処理(S7)は、原稿読取処理(S5)において読み取った原稿の画像を2枚分ずつ結合した、または、4枚分ずつ結合した結合画像を生成するための処理である。なお、複数の結合画像が生成された場合は、各結合画像に応じた結合画像データが、その生成された順番に、RAM13の結合画像メモリ13h(図2(c)参照)に記憶される。
S7の処理が終了すると、次に、結合画像メモリ13hに記憶されている結合画像データを、結合画像が生成された順番に、被呼側装置200へ送信して、電話回線100を開放し(S8)、このFAX送信処理を終了する。
S6の処理において、結合送信フラグがオフである場合は(S6:No)、RAM13の原稿画像メモリ13dに記憶されている画像データを、スキャナ20によって読み取られた順番に、被呼側装置200へ送信して、電話回線100を開放し(S9)、このFAX送信処理を終了する。
以上の図5(a)のフローチャートのFAX送信処理により、複数の原稿の画像を被呼側装置200へ送信する場合に、原稿の画像を1枚分ずつ、原稿の画像を2枚分ずつ結合して、または、原稿の画像を4枚分ずつ結合して、被呼側装置200へ送信することができる。
また、複数の原稿の画像を結合することで、スキャナ20で読み取ることが可能な最大の原稿サイズを超える大きさの結合画像を生成することができる。すなわち、スキャナ20の読み取り能力を超える原稿サイズの画像データを、被呼側装置200へ送信することができる。例えば、読み取り可能な原稿サイズが小さい(例えば、「A5」)小型のスキャナ20を利用しても、その原稿サイズよりも大きい原稿サイズ(例えば、「A3」)の画像データを被呼側装置200へ送信することができるので、MFP1の装置全体の大きさを小さくすることができるとともに、製造コストも削減することができる。
次に、図6を参照して、MFP1のCPU11により実行される送信画像サイズ決定処理(S4)について説明する。
図6は、MFP1の送信画像サイズ決定処理(S4)を示すフローチャートである。この送信画像サイズ決定処理(S4)は、被呼側装置200へ送信する画像データの画像サイズを決定するための処理である。
この送信画像サイズ決定処理(S4)では、まず、フラッシュメモリ14の結合モード設定メモリ14bに記憶されている結合モード番号を取得し、その結合モード番号に対応する結合モードテーブル(図3(a)参照)の原稿サイズを、RAM13の原稿サイズメモリ13bに記憶する(S11)。次に、その取得した結合モード番号に対応する結合モードテーブルの結合画像サイズを、RAM13の結合画像サイズメモリ13fに記憶する(S12)。
そして、送信先の被呼側装置200を呼び出して、電話回線100を閉結する(S13)。図4(a)で上述したように、MFP1は、CNG信号43を被呼側装置200へ送信する。被呼側装置200は、CNG信号43を受信すると、CED信号44と、CSI信号45と、DIS信号46とをMFP1へ送信する。そして、MFP1は、被呼側装置200から送信されるDIS信号46を受信すると、そのDIS信号46に含まれる複数の情報から被呼側装置200で受信可能な原稿サイズを取得し、RAM13の被呼側原稿サイズメモリ13eに記憶する(S5)。
次に、結合画像送信が選択されているかを判定する(S15)。すなわち、結合モード設定メモリ14bに記憶されている結合モード番号が、「1」〜「5」であるかを判定する。S15の処理において、結合モード番号が「1」〜「5」である場合は(S15:Yes)、被呼側装置200で受信可能な原稿サイズが、結合画像サイズメモリ13fに記憶されている結合画像サイズ以上であるかを判定する(S16)。具体的には、被呼側原稿サイズメモリ13eの原稿サイズと、結合画像サイズメモリ13fの結合画像サイズとが比較される。
S16の処理において、被呼側原稿サイズメモリ13eの原稿サイズが、結合画像サイズメモリ13fの画像サイズ以上である場合は(S16:Yes)、RAM13の結合送信フラグメモリ13gの結合送信フラグをオンに設定し(S17)、DCS信号48を被呼側装置200へ送信し、結合画像サイズメモリ13fの結合画像サイズで、画像データを送信することを被呼側装置200へ通知する(S18)。すなわち、スキャナ20で読み取った複数の原稿の画像を2枚分ずつ結合して、または、4枚分ずつ結合して被呼側装置200へ送信するのである。そして、この送信画像サイズ決定処理を終了する。
S15の処理において、結合モード番号が「6」〜「9」である場合(S15:No)、および、S16の処理において、被呼側原稿サイズメモリ13eの原稿サイズが、結合画像サイズメモリ13fの結合画像サイズ未満である場合は(S16:No)、操作者が送信を所望する結合画像サイズの結合画像データを被呼側装置200へ送信することができないので、結合送信フラグメモリ13gの結合送信フラグをオフに設定する(S19)。
そして、DCS信号48を被呼側装置200へ送信し、原稿サイズメモリ13bの原稿サイズ(スキャナ20で読み取った原稿サイズ)で、画像データを送信することを被呼側装置200へ通知し(S20)、この送信画像サイズ決定処理を終了する。
以上の図6のフローチャートの送信画像サイズ決定処理により、操作者が送信を所望する結合画像サイズと、被呼側装置200で受信可能な原稿サイズとを比較して、被呼側装置200で受信可能な原稿サイズが、操作者が送信を所望する結合画像サイズ以上である場合に、その結合画像サイズで結合画像データを被呼側装置200へ送信することができ、それ以外の場合は、原稿サイズメモリ13bの原稿サイズで画像データを送信することができる。
次に、図7を参照して、MFP1のCPU11により実行される原稿読取処理(S5)について説明する。
図7は、MFP1の原稿読取処理(S5)を示すフローチャートである。この原稿読取処理(S5)は、被呼側装置200へ送信する原稿の画像をスキャナ20によって読み取るための処理である。
この原稿読取処理(S5)では、まず、RAM13の結合送信フラグメモリ13gの結合送信フラグがオンであるかを判定する(S31)。結合送信フラグがオンである場合は(S31:Yes)、フラッシュメモリ14の結合モード設定メモリ14bに記憶されている結合モード番号を取得し、その結合モード番号に対応する結合モードテーブル(図3(a)参照)の原稿の結合枚数が、「2枚」であるかを判定する(S32)。なお、本実施形態では、原稿の結合枚数は「2枚」または「4枚」しかなく、「2枚」の場合には、原稿の画像の主走査方向Xを読み取る解像度と、原稿の画像の副走査方向Yを読み取る解像度とを入れ替える。
S32の処理において、原稿の結合枚数が「2枚」である場合は(S32:Yes)、フラッシュメモリ14の画質設定メモリ14cに記憶されている画質を取得し、その画質に対応する送信解像度テーブル(図3(c)参照)の主走査方向解像度と、副走査方向解像度とを抽出する。そして、抽出した主走査方向解像度を、RAM13の読取解像度メモリ13aの副走査解像度メモリ13a2に記憶し、抽出した副走査方向解像度を、主走査方向解像度メモリ13a1に記憶する(S33)。すなわち、抽出した主走査方向解像度と、副走査方向解像度とを、通常の場合と入れ替えて、読取解像度メモリ13aに記憶する。
S31の処理において、結合送信フラグがオフである場合(S31:No)、および、S32の処理において、原稿の結合枚数が「2枚」以外ある場合は(S32:No)、画質設定メモリ14cの画質を取得し、その画質に対応する送信解像度テーブルの主走査方向解像度と、副走査方向解像度とを抽出する。そして、抽出した主走査方向解像度を入れ替えずに主走査解像度メモリ13a1に記憶し、抽出した副走査方向解像度を入れ替えずに副走査方向解像度メモリ13a2に記憶する(S34)。
次に、読取解像度メモリ13aに記憶されている各解像度と、原稿サイズメモリ13bに記憶されている原稿サイズとに従って、スキャナ20によって原稿の画像を読み取る。すなわち、原稿サイズメモリ13bの原稿サイズに応じた(スキャナ20の載置用ガラス板上の)領域において、原稿の結合枚数が「2枚」であれば、主走査方向Xおよび副走査要項Yの解像度を入れ替えて原稿の画像を読み取り、原稿の結合枚数が「4枚」であれば、主走査方向Xおよび副走査方向Yの解像度を入れ替えずに原稿の画像を読み取る。そして、読み取った画像に応じた画像データを原稿画像メモリ13dに記憶する(S35)。
次に、RAM13の原稿枚数メモリ13cの値に「1」を加算し(S36)、原稿の読み取りが終了したかを判定する(S37)。例えば、操作者が1枚ずつ原稿の読み取り開始指示を入力してスキャナ20によって原稿を読み取らせ、操作者によって原稿の読み取り終了指示が入力された場合に、原稿の読み取りが終了したと判定する。また、自動原稿搬送機構(ADF:Auto Document Feeder、以下、「ADF」と称す)を設けておく。そして、操作者によってADFに複数の原稿がセットされたら、読み取る原稿が無くなるまでスキャナ20で原稿を繰り返し読み取らせ、読み取る原稿が無くなった場合に、原稿の読み取りが終了したと判定する。
S37の処理において、原稿の読み取りが終了していない場合は(S37:No)、S35の処理の戻り、上述したS35〜S37の各処理を繰り返す。なお、複数の原稿が読み取られる場合は、各原稿の画像に応じた画像データが、原稿の読み取られた順番に、原稿画像メモリ13d(図2(b)参照)に記憶される。S37の処理において、原稿の読み取りが終了した場合は(S37:Yes)、この原稿読取処理を終了する。
以上の図7のフローチャートの原稿読取処理により、被呼側装置200へ送信する複数の原稿の画像をスキャナ20によって読み取り、各原稿の画像に応じた画像データを、原稿を読み取った順番に、原稿画像メモリ13dに記憶することができる。
また、原稿の結合枚数が「2枚」であれば、主走査方向Xおよび副走査方向Yの解像度を入れ替えて原稿の画像を読み取り、原稿の結合枚数が「4枚」であれば、主走査方向Xおよび副走査方向Yの解像度を入れ替えずに原稿の画像を読み取ることができる。
結合画像データは、画質が「標準」であれば、主走査方向の結合画像の解像度を「203.2dpi」で構成し、副走査方向の結合画像の解像度を「97.7dpi」で構成しなければならないので、原稿の画像を結合する前に各画像の解像度を変更する処理や、原稿の画像を結合した後に結合画像の解像度を変更する処理を行わなければならない。しかし、上述したように、予め、原稿の主走査方向Xの画像および副走査方向Yの画像を、所定の解像度で読み取ることで、画像の解像度を変更する処理を行わなくて良い。よって、結合画像を生成する時間を軽減することができるとともに、画像の解像度を変更する処理によって画像の潰れなどが生じる可能性を抑制することができる。
次に、図8を参照して、MFP1のCPU11により実行される画像結合処理(S7)について説明する。
図8は、MFP1の画像結合処理(S7)を示すフローチャートである。この画像結合処理(S7)は、原稿読取処理(S5)において読み取った原稿の画像を2枚分ずつ結合した、または、4枚分ずつ結合した結合画像を生成するための処理である。
この画像結合処理(S7)では、まず、フラッシュメモリ14の結合モード設定メモリ14bに記憶されている結合モード番号を取得し、その結合モード番号に対応する結合モードテーブル(図3(a)参照)の原稿の結合枚数が、「2枚」であるかを判定する(S41)。
S41の処理において、原稿の結合枚数が「2枚」である場合は(S41:Yes)、RAM13の原稿画像メモリ13d(図2(b)参照)に記憶されている画像データを、原稿を読み取った順番に2つ読み取る(S42)。ここで、画像データを1つしか読み取れない場合、すなわち、2つ目の画像データが存在しない場合は、白無地の原稿をスキャナ20で読み取った場合に生成される白のみの画像データ(以下、「白紙画像データ」と称する)を、2つ目の画像データとして用いる。
次に、2つの画像データの画像をそれぞれ右回りに90度回転させ(S43)、結合モード設定メモリ14bの結合モード番号に対応する結合モードテーブル(図3(a)参照)の画像配列パターンに従って、その2つの画像データの画像を結合した結合画像を生成する(S44)。
ここで、図9を参照して、原稿の画像を2枚分ずつ結合する処理の一例について説明する。
図9(a)は、原稿の画像を2枚分ずつ結合する場合に、結合画像メモリ13hに記憶される結合画像データの内容の一例を示すイメージ図である。図9(b)は、原稿の画像を2枚分ずつ結合する場合に、原稿画像メモリ13dに記憶される画像データの内容の一例を示すイメージ図である。
上述したように、被呼側装置200へ送信する画像データは、送信する画像の画質が「標準」であれば、画像サイズに関係なく、主走査方向Xの画像を解像度「203.2dpi」で構成し、副走査方向Yの画像を解像度「97.7dpi」で構成しなければならない。すなわち、図9(a)に示すように、2つの画像を結合した結合画像の主走査方向Xの解像度を「203.2dpi」で構成し、副走査方向Yの解像度を「97.7dpi」で構成しなければならない。
本実施形態では、原稿の画像を2枚分ずつ結合して被呼側装置200へ送信する場合に、予め、原稿の画像の主走査方向Xを読み取る解像度と、副走査方向Yを読み取る解像度とを入れ替えて、原稿の画像を読み取っている。よって、図9(b)に示すように、原稿の画像の主走査方向Xが「97.7dpi」で構成され、副走査方向Yが「203.2dpi」で構成される画像データが生成されて、原稿画像メモリ13dに記憶される。
このようにすれば、原稿の画像を結合する前に画像の解像度を変換したり、画像を結合した後に結合画像の解像度を変換する必要がないので、画像の解像度を変換する場合と比較して、結合画像の画像データを解像度の劣化を生じさせずに早く生成することができる。
ここで、図8のフローチャートの説明に戻る。S44の処理が終了すると、次に、生成した結合画像に応じた結合画像データを、RAM13の結合画像メモリ13h(図2(c)参照)に記憶し(S45)、原稿枚数メモリ13cに記憶されている値から「2」を減算する(S46)。
次に、その原稿枚数メモリ13cの値が「1」以上であるかを判定し(S47)、「1」以上である場合は(S47:Yes)、結合されていない画像の画像データが原稿画像メモリ13dの中に残っているので、S42の処理に戻り、上述したS42〜S47の各処理を繰り返す。一方、原稿枚数メモリ13cの値が「1」未満である場合は(S47:No)、この画像結合処理を終了する。
S41の処理において、原稿の結合枚数が「4枚」である場合は、RAM13の原稿画像メモリ13dに記憶されている画像データを、画像データが生成された順番に4つ読み取る(S48)。ここで、画像データを1〜3つしか読み取れない場合、すなわち、2〜4つ目の画像データが存在しない場合は、上述した白紙画像データを、2〜4つ目の画像データとして用いる。
次に、結合モード設定メモリ14bの結合モード番号に対応する結合モードテーブルの画像配列パターンに従って、その4つの画像データの画像を結合した結合画像を生成する(S49)。
ここで、図10を参照して、原稿の画像を4枚分ずつ結合する処理の一例について説明する。
図10(a)は、原稿の画像を4枚分ずつ結合する場合に、結合画像メモリ13hに記憶される結合画像データの内容の一例を示すイメージ図である。図10(b)は、原稿の画像を4枚分ずつ結合する場合に、原稿画像メモリ13dに記憶される画像データの内容の一例を示すイメージ図である。
図10(a)に示すように、被呼側装置200へ送信する4つの画像を結合した結合画像は、主走査方向Xの画像の解像度が「203.2dpi」で構成され、副走査方向Yの画像の解像度が「97.7dpi」で構成されていなければならない。
本実施形態では、原稿の画像を4枚分ずつ結合して送信する場合に、予め、原稿の主走査方向Xの画像を解像度「203.2dpi」で読み取り、副走査方向Yの画像を解像度「97.7dpiで読み取っている。よって、図10(b)に示すように、原稿の画像の主走査方向Xが「203.2dpi」で構成され、副走査方向Yが「97.7dpi」で構成される画像データが生成され、原稿画像メモリ13dに記憶される。
このようにすれば、原稿の画像を結合する前に画像の解像度を変換したり、画像を結合した後に結合画像の解像度を変換する必要がないので、画像の解像度を変換する場合と比較して、結合画像の画像データを解像度の劣化を生じさせずに早く生成することができる。
ここで、図8のフローチャートの説明に戻る。S49の処理が終了すると、次に、生成した結合画像に応じた結合画像データを、RAM13の結合画像メモリ13hに記憶し(S50)、原稿枚数メモリ13cに記憶されている値から「4」を減算する(S51)。
そして、原稿枚数メモリ13cの値が「1」以上であるかを判定し(S52)、「1」以上である場合は(S52:Yes)、結合されていない画像の画像データが原稿画像メモリ13dの中に残っているので、S48の処理に戻り、上述したS48〜S52の各処理を繰り返す。一方、原稿枚数メモリ13cの値が「1」未満である場合は(S52:No)、この画像結合処理を終了する。
以上の図8のフローチャートの画像結合処理により、原稿読取処理(S5)において読み取った原稿の画像を2枚分ずつ結合した、または、4枚分ずつ結合した結合画像を生成することができる。
また、複数の原稿の画像は、結合モードテーブルの画像配列パターンに従って配置されて結合されるので、複数の原稿の画像が無規則に配置されて結合される場合と比較して、その結合された結合画像の内容を見る受信者が、各原稿の画像の内容を理解し易い。
また、原稿の結合枚数分の画像データを、RAM13の原稿画像メモリ13dから読み取れない場合には、不足した画像データの代用として白紙画像データが用いられる。生成する結合画像データの結合画像サイズを、全て同じ原稿サイズに統一しておけば、被呼側装置200へ各結合画像データが送信された後に、被呼側装置200において全て同じ原稿サイズの記録用紙に各結合画像データの画像が記録されることになる。よって、その記録用紙を読む相手が、同じ原稿サイズの記録用紙で各結合画像データの結合画像を確認することができるので、原稿サイズの異なる記録用紙が混在する場合よりも、結合画像を確認し易い。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施形態では、操作者が結合モード選択キー15eを操作して、結合モード番号を選択した場合に、結合する原稿の画像の数が設定されるが、原稿の画像が結合可能な最大数で結合されるように構成しても良い。例えば、スキャナ20で原稿を読み取る場合に原稿のサイズを判別して原稿の画像を読み取る。そして、被呼側装置200で受信可能な原稿サイズの中に、原稿の画像全体を配置可能な原稿の画像の最大数を算出する。そして、読み取った原稿の画像を、算出した最大数分ずつ結合した結合画像を生成し、被呼側装置200へ送信するように構成する。このように構成することで、操作者が結合モード番号を選択するなどの設定の手間を省くことができる。また、原稿の画像を最大数分ずつ結合して送信するので、最大数以下で結合して送信する場合と比較して、送信時間を軽減することができる。また、原稿の画像が欠けたり又は切れたりせずに各原稿の画像全体が結合された結合画像の結合画像データを被呼側装置200へ送信することができる。
また、本実施形態では、操作者が結合モード選択キー15eを操作して、結合モード番号を選択した場合に、結合する原稿の画像の数が設定されるが、結合可能な原稿の画像の種類を全てLCD16に表示して、操作者が任意に選択できるように構成しても良い。例えば、スキャナ20で原稿を読み取る場合に原稿のサイズを判別して原稿の画像を読み取る。そして、被呼側装置200で受信可能な原稿サイズの中に配置可能な原稿の画像の最大数を算出する。例えば、最大数が「4」であれば、「1枚(結合しない)」、「2枚」、「4枚」というように、結合可能な数を全てLCD16に表示させ、キー操作などで何れか1つを選択できるように構成する。このように構成することで、被呼側装置200へ送信可能な結合枚数が確定した後に、操作者が任意に結合枚数を選択することができるので、予め結合枚数を設定していたにもかかわらず、その結合枚数で画像を結合して被呼側装置200へ送信できなかったというような不都合を抑制することができる。また、操作者は、LCD16に表示される結合枚数の中から、容易に一の結合枚数を選択することができるので、使い勝手が良い。
また、本実施形態では、読み取った原稿の画像を拡大(縮小)せずに、そのまま結合しているが、拡大した画像を結合しても良いし、縮小した画像を結合してもよい。また、拡大(縮小)していないそのままの画像や、拡大した画像や、縮小した画像をそれぞれ任意に組み合わせて結合しても良い。例えば、画像サイズが同一である画像(拡大した画像同士、縮小した画像同士、そのままの画像同士)を複数結合させる場合に、結合する画像の数をXとし、2を底とするXの対数を求めて、小数点以下を切り上げた整数をnとする。そのnが奇数で有れば、図7のS33の処理のように、主走査方向Xおよび副走査方向Yの解像度を入れ替えて原稿の画像を読み取る。nが偶数であれば、S34の処理のように、主走査方向Xおよび副走査方向Yの解像度を入れ替えずに原稿の画像を読み取る。このように構成することで、結合枚数が「2枚」や「4枚」だけでなく、結合枚数が「2を底とした指数n(nは1以上の整数)」で示される場合に、本実施形態を適用することができる。また、原稿の画像の結合に規則性を持たせた結合画像を生成することができる。
また、本実施形態では、複数の原稿の画像を結合して被呼側装置200へ送信する場合に、原稿の結合枚数は「2枚」または「4枚」であるが、原稿の結合枚数は任意の数であっても良い。
また、被呼側装置200へ送信される結合画像をLCD16に表示するように構成しても良い。例えば、結合画像の全体が表示されても良いし、一部が表示されても良い。操作者は、LCD16に表示される結合画像を見ることで、結合画像が適切に生成された画像であるかを簡単に認識することができる。
また、本実施形態では、結合させる画像データが存在しなない場合(不足している場合)は、白紙画像データを用いて結合しているが(図8のS42の処理、S48の処理)、結合できた分だけ結合画像データを結合して送信し、結合できない分の画像データは、1つずつ被呼側装置200へ送信するように構成しても良い。
また、上述した実施形態では、原稿サイズとして、「A3」や「A4」や「B4」のような用紙寸法の名称を用いているが、実際の用紙寸法であっても良いし、原稿サイズを識別できるものなら記号でも数値でも何でも良い。
また、本実施形態では、被呼側装置200との通信の開始後に被呼側装置200から送信されるDIS信号46を受信してから原稿を読み取っているが、送信先毎に送信先の被呼側装置200で受信可能な原稿サイズを記憶しておき、操作者によって送信先が選択されてから、その送信先の被呼側装置200との通信を開始する前に原稿を読み取るように構成しても良い。具体的には、各原稿を読み取ったら、各原稿の画像データをRAM13の原稿画像メモリ13dに記憶するとともに、その送信先の被呼側装置200で受信可能な原稿サイズに応じた結合画像データを生成して結合原稿画像メモリ13hに記憶する。その後、被呼側装置200との通信を開始して、DIS信号46を受信し、被呼側装置200で受信可能な原稿サイズが、生成した結合画像データの結合画像サイズ以上であるかを判定する。被呼側装置200で受信可能な原稿サイズが、生成した結合画像データの結合画像サイズ以上であれば、結合原稿画像メモリ13hに記憶した各結合画像データを一つずつ送信し、被呼側装置200で受信可能な原稿サイズが、生成した結合画像データの結合画像サイズ未満であれば、原稿画像メモリ13dに記憶した各画像データを一つずつ送信する。このように構成すれば、被呼側装置200との通信の開始後に、原稿を読み取る処理を実行しなくて良いので、被呼側装置200との通信時間をさらに軽減することができる。