JP4940717B2 - ポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルム - Google Patents

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本発明は、ポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムに関するものである。さらに詳細には、高温下での寸法安定性に優れるポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムに関するものである。
従来から、ポリプロピレン系フィルムは、光学特性や機械特性に優れていることから、食品等の包装材料として用いられている。例えば、特開2000−233475号公報には、水蒸気バリアー性の改善を目的とするポリプロピレン系フィルムであって、基材層と表面層がポリプロピレン系樹脂を含有し、表面層にポリプロピレン系樹脂のMFRが5g/10min以上で、かつアイソタクッチク指数(II)が95%以上ものであるポリプロピレン系フィルムが記載されている。
特開2000−233475号公報
しかし、上記の公報に記載されているポリプロピレン系フィルムの寸法安定性については、特に高温下での寸法安定性についてさらなる改良が望まれていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、高温下での寸法安定性に優れるポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムを提供することにある。
本発明者等は、かかる実状に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
融点が145℃以上164℃以下であるプロピレン系樹脂(A)からなる基材層の少なくとも一面に、プロピレン系樹脂(A)の融点より高い融点を有し、該融点が160℃以上であるプロピレン系樹脂(B)からなる表層が積層されてなるポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムに係るものである。また、そのポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムを二軸に延伸してなるフィルムに係るものである。
本発明によれば、高温下での寸法安定性に優れるポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムを得ることができる。
プロピレン系樹脂(A)の融点は145℃以上164℃以下であり、好ましくは150℃以上163℃以下、より好ましくは155℃以上162℃以下である。プロピレン系樹脂(A)の融点が145℃未満の場合、加熱収縮率が大きくなることがあり、164℃を超えた場合、延伸性が悪化することがある。
プロピレン系樹脂(B)の融点はプロピレン系樹脂(A)の融点より高く、該融点は160℃以上である。好ましくは162℃以上、より好ましくは163℃以上である。プロピレン系樹脂(B)の融点がプロピレン系樹脂(A)の融点より低い場合や160℃未満の場合、加熱収縮率が大きくなることがある。
プロピレン系樹脂(A)またはプロピレン系樹脂(B)の20℃キシレン可溶部量(CXS)として、好ましくは、加熱収縮率が大きくならないようにするという観点から3%以下であり、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。
プロピレン系樹脂(A)またはプロピレン系樹脂(B)としては、プロピレン単独重合体、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとプロピレンとの共重合体等が挙げられる。
プロピレン系樹脂(A)として、好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピレンと1−ブテンの共重合体、より好ましくはプロピレンと1−ブテンの共重合体である。
プロピレン系樹脂(B)として、好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピレンと1−ブテンの共重合体、より好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレンと1−ブテンの共重合体である。
プロピレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)の融点の差は、加熱収縮率の改良効果を高めるという観点や基材層と表層の収縮率の差によってフィルムが変形するということを防止するという観点から好ましくは1〜10℃であり、より好ましくは2〜10℃、さらに好ましくは3〜8℃である。
プロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)として、好ましくは、押出加工時の流動性を高めるという観点や延伸時の破断を防止するという観点から、0.1〜20g/10分であり、より好ましくは0.1〜10g/10分であり、さらに好ましくは1〜5g/10分である。
プロピレン系樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)として、好ましくは、流動性や粘度を良好にして良好に積層させるという観点から、2〜150g/10分であり、より好ましくは3〜100g/10分であり、さらに好ましくは3〜20g/10分である。
プロピレン系樹脂(A)またはプロピレン系樹脂(B)の製造方法としては、公知の重合用触媒を用いて公知の重合方法によって製造する方法が挙げられる。
公知の重合触媒としては、例えば、
(1)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒、
(2)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分とを組み合わせた触媒系
(3)メタロセン系触媒等が挙げられる。
好ましくはマグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と電子性供与性化合物とを組み合わせた触媒系である。
マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分としては例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載された固体触媒成分が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物およびテトラエチルジアルモキサン等が挙げられる。
電子供与性化合物としては、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等が挙げられる。
公知の重合方法としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素に代表される不活性溶剤を用いる溶剤重合法、液状のモノマーを溶剤として用いる塊状重合法、気体のモノマー中で行う気相重合法等が挙げられる。好ましくは、後処理が容易であることから塊状重合法、気相重合法である。
重合温度は通常20〜150℃であり、生産性を高めるという観点から、好ましくは35〜95℃である。
プロピレン系樹脂(A)またはプロピレン系樹脂(B)には、必要に応じて、重合の後処理として触媒の失活、脱溶剤、脱モノマー、乾燥、造粒等の処理を行っても良い。
プロピレン系樹脂(A)またはプロピレン系樹脂(B)には、必要に応じて添加剤やその他の樹脂を添加しても良い。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収材、帯電防止剤、滑剤、造核剤、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
その他の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂や、プロピレン系樹脂(A)およびプロピレン系樹脂(B)以外のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
本発明のポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムは、プロピレン系樹脂(A)からなる基材層の少なくとも一面に、プロピレン系樹脂(B)からなる表層が積層されてなるシートまたはフィルムである。
本発明のポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムの層構成として、好ましくは2種2層または2種3層であり、より好ましくは2種3層である。
本発明のポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムの表層の厚みと基材層の厚みの比(表層の厚み/基材層の厚み)としては、延伸性を良好にするという観点や加熱収縮率を十分に改良するという観点から、好ましくは1/1〜1/100であり、より好ましくは1/1〜1/50である。
本発明のポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムの製造方法としては、通常用いられるインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等が挙げられる。多層化する方法としては、通常、用いられる押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。また、事前に成形して得られたフィルムまたはシートを延伸してフィルムを製造する方法が挙げられ、延伸方法としては、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等により一軸または二軸に延伸する方法が挙げられる。フィルムの透明性、剛性などの物性バランスの観点から、好ましくは未延伸の共押出成形方法、または、二軸延伸方法である。本発明のポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムとして、好ましくは、ポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムを二軸に延伸してなるフィルムである。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。実施例および比較例で用いた試料の調整方法および物性の測定方法を下記に示した。
(1)1−ブテン含有量(単位:重量%)
高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第619頁に記載されているIRスペクトル測定を行い、1−ブテン含有量を求めた。
(2)20℃キシレン可溶成分量(CXS、単位:重量%)
試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、20℃に降温、4時間放置した。その後、これを析出物と溶液とに濾別し、濾液を乾固して減圧下70℃で乾燥し、残存物を得た。得られた残存物の重量を測定して、20℃キシレン可溶成分量(CXS)を求めた。
(3)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(4)融点(Tm、単位:℃)
ポリプロピレンを熱プレス成形(230℃で5分間予熱後、3分間かけて50kgf/cm2まで昇圧し2分間保圧した後、30℃、30kgf/cm2で5分間冷却)して、厚さ0.5mmのシートを作成した。示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用い、作成されたシートの10mgを窒素雰囲気下220℃で5分間熱処理後、降温速度300℃/分で150℃まで冷却し、150℃において1分間保温し、さらに降温速度5℃/分で50℃まで冷却し、50℃において1分間保温した後、50℃から180℃まで昇温速度5℃/分で加熱した際に得られた融解曲線において、最大吸熱ピークを示す温度(℃)を測定した。
(5)トリアドタクティシティー([mm]、単位:%)
プロピレン系樹脂(A)のトリアドタクティシティーは、Journal of Applied Polymer Science, Vol.80, 1880−1890 (2001)に記載の方法に従って測定した。
プロピレン系樹脂(B)のトリアドタクティシティーは、Macromolecules, Vol.8, 687−689 (1975)に記載の方法に従って測定した。
(6)アイソタクチックインデックス(I.I.、単位:%)
ペレット100gに粉末にしたドライアイスを加え、粉砕機にて粉砕した。粉砕した試料を20メッシュ網篩いで篩い分けし、20メッシュ以下を測定に使用した。90℃に保った真空乾燥機で試料を4時間乾燥させた。試料5gをソックスレー抽出器でn−ヘプタンを溶媒として24時間抽出した(抽出循環回数は15〜20回/hrになるように調整した)。残存物をアセトンで洗浄し、90℃で7時間乾燥させて重さを測定し、残存重量の割合をアイソタクチックインデックスとした。
(7)加熱収縮率(単位:%)
長軸が縦方向(MD)と平行になるように、A4サイズのフィルムを採取し、縦方向(MD)および横方向(TD)にそれぞれ20cmの標線を引き、規定温度に保温しているオーブン中で吊るして15分間保持した。その後、フィルムを取り出し、室温にて30分間冷却した後に、試験片の標線長さを測定した。各方向に対する加熱収縮率を、次の計算式から算出した。
加熱収縮率(%)={(20−加熱後の標線長さ)/20}×100
加熱収縮率が小さいことは、高温下での寸法安定性に優れることを示す。
[実施例1]
[固体触媒の合成]
内容積200Lの攪拌機付きのSUS製反応容器を窒素で置換した後、ヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モルおよびテトラブトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とした。次に濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51Lを反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後室温でさらに1時間攪拌した後、室温で固液分離し、トルエン70Lで3回洗浄を繰り返した。
次いで、スラリー濃度が0.6kg/Lになるようにトルエンを抜き出した後、n−ブチルエーテル8.9モルと四塩化チタン274モルの混合液を加えた後、更にフタル酸クロライドを20.8モル加え110℃で3時間反応を行った。反応終了後、95℃のトルエンで2回洗浄を行った。
次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、フタル酸ジイソブチル3.13モル、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離した後、95℃のトルエン90Lで2回洗浄を行った。
次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行った。
次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。
反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行った後、更にヘキサン90Lで3回洗浄した後、減圧乾燥して固体触媒成分11.0kgを得た。
固体触媒成分はチタン原子1.89重量%、マグネシウム原子20重量%、フタル酸エステル8.6重量%、エトキシ基0.05重量%、ブトキシ基0.21重量%を含有した微紛のない良好な粒子性状を有していた。
[固体触媒の予備活性化]
内容積3Lの攪拌機付きのSUS製オートクレーブに充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン3.75ミリモルおよび上記固体触媒成分15gを添加し、槽内温度を5〜15℃に保ちながらプロピレン15gを30分かけて連続的に供給し予備活性化を行った後、得られた固体触媒スラリーを内容積200Lの攪拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタン140Lを加えて希釈し5℃以下の温度で保存した。
[プロピレン系樹脂(A)の重合]
内容積1m3の攪拌機付き気相流動床反応器において、流動床の重合体保持量80Kg、重合温度80℃、重合圧力1.8MPa、気相部の水素濃度を1.6vol%、気相部の1−ブテン濃度を1.2vol%に保持するようにプロピレン、水素、1−ブテンが供給された条件下に、予備活性化された固体触媒成分0.93g/h、トリエチルアルミニウム48ミリモル/hr、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン6ミリモル/hrを供給しながら、連続気相重合を行うことにより、プロピレン共重合体の粉末23.5Kg/hrを得た。得られた重合体の1−ブテン含有量は、2.4重量%であった。
[プロピレン系樹脂(A)のペレット化]
上記の重合で得られたプロピレン共重合体の粉末100重量部に対してハイドロタルサイト 0.01重量部、イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製) 0.15重量部、イルガフォス168(チバスペシャリティーケミカルズ社製) 0.10重量部を混合して溶融混練してペレット(A)を得た。得られたペレット(A)の物性を表1に示した。
[プロピレン系樹脂(B)の重合]
固体触媒および固体触媒の予備活性化はプロピレン系樹脂(A)と同様の触媒および同様の方法で実施した。
内容積1m3の攪拌機付き気相流動床反応器において、流動床の重合体保持量80Kg、重合温度80℃、重合圧力1.8MPa、気相部の水素濃度を2.5vol%に保持するようにプロピレン、水素が供給された条件下に、予備活性化された固体触媒成分1.23g/h、トリエチルアルミニウム42ミリモル/hr、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン6.3ミリモル/hrを供給しながら、連続気相重合を行うことにより、プロピレン単独重合体の粉末20.9Kg/hrを得た。
上記の重合で得られたプロピレン単独重合体を、プロピレン系樹脂(A)と同様の方法で溶融混練してペレット(B)を得た。得られたペレット(B)の物性を表1に示した。
[二軸延伸フィルムの作成]
上記で得られたペレット(A)を基材層用に、ペレット(B)を表層用に使用し、各々別の押出機を用いて、ペレット(A)を65mmφの押出機から260℃で溶融混練し、ペレット(B)を40mmφおよび50mmφの押出機から240℃で溶融混練し、共押出Tダイを備えた押出機に供給した。このTダイから、表層/基材層/表層となる2種3層構成で押出された樹脂を、30℃の冷却ロールにて急冷、固化することにより、厚さ1mmのキャストシートを得た。
得られたキャストシートを145℃で加熱しながら縦延伸機のロール周速差により縦方向に5倍延伸し、次いで加熱炉にて延伸温度157℃で横方向に8倍延伸した後、165℃で熱処理を行い、厚さ2μm/21μm/2μmの多層二軸延伸フィルムを得た。得られた多層二軸延伸フィルムの物性を表2に示した。
[実施例2]
基材層用樹脂と表層用樹脂の吐出量を変更して、基材層の厚みと表層の厚みの比を5μm/15μm/5μmに変更した以外は、実施例1と同様に二軸延伸フィルムを作成した。得られた二軸延伸フィルムの物性を表2に示した。
[比較例1]
表層用の押出機を停止し、樹脂(A)を単層で押出した以外は、実施例1と同様に二軸延伸フィルムを作成した。得られた二軸延伸フィルムの物性を表2に示した。
Figure 0004940717
Figure 0004940717
本発明の要件を満足する実施例1、2の二軸延伸フィルムは、高温下での寸法安定性に優れるものであることが分かる。
これに対して、本発明の要件である層構成を有していない比較例1は、MD方向の加熱収縮率およびTD方向の加熱収縮率のいずれもが大きく、高温での寸法安定性が不充分であることが分かる。
本発明のポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムを二軸に延伸してなる二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ラミネート用フィルム、バリア性フィルム、水性インキ印刷用フィルム、剥離シート用フィルム、表面保護フィルム、食品包装用フィルム等に利用することができる。

Claims (2)

  1. 融点が145℃以上164℃以下であり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分であるプロピレンと1−ブテンの共重合体(A)からなる基材層の面に、該プロピレンと1−ブテンの共重合体(A)の融点より高い融点を有し、該融点が160℃以上であるプロピレン単独重合体(B)からなる表層が積層されてなるポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルム。
  2. 請求項1に記載のポリプロピレンシートまたはポリプロピレンフィルムを二軸に延伸してなるフィルム。
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