JP4939260B2 - 長尺部材の地中への挿入方法 - Google Patents

長尺部材の地中への挿入方法 Download PDF

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Description

本発明は、トンネルの構築領域などの地盤に長尺部材を挿入する長尺部材の地中への挿入方法に関するものである。
従来、トンネルを構築する際における地山などの補強のために、長尺部材を地山などの地盤に挿入することがある。このような長尺部材の挿入方法として、たとえば特許文献1に開示された地山補強工法や特許文献2に開示された地山の補強方法がある。
このうち、特許文献1に開示された地山補強工法では、先端にセンタービットが取り付けられた中空のドリルヘッドを中空のドリルロッドに取り付け、センタービットを回転させることによってドリルロッドを地山に挿入する。それから、所定長のドリルロッドが地山に挿入されたらドリルロッドの中空部に補強材を挿入し、ドリルロッドからドリルヘッドを切り離してドリルロッドを引き抜くというものである。
また、特許文献2に開示された地山の補強方法では、穿孔ロッドとこの穿孔ロッド中に軸方向に挿入されているロック棒を用いる。これらの穿孔ロッドとロック棒とは、互いの軸方向の相対的な移動を可能にするとともに、相対的な回転を阻止するように互いに係合する非円形断面部を有しており、ロック棒の回転が穿孔ロッドに伝達されて地山を穿孔するとともに、ロック棒が所定長地山に挿入された後は、ロック孔から穿孔ロッドを引き抜いてロック棒をロック孔の中に残すことによって地山を補強するものである。
特許第3298845号公報 特許第2735650号公報
しかし、上記特許文献1に開示された地山補強工法では、補強材を挿入した後、センタービット(削孔ビット)を地山に残存させることとなる。このセンタービットは、補強材としての役割をほとんど果たさないので、結局、センタービットを無駄にしてしまうという問題があった。
また、上記特許文献2に開示された地山の補強方法では、ロック孔の掘削が済んだ後、ロック棒(内管)を残して穿孔ロッド(外管)を引き抜くようにしている。この穿孔ロッドを引き抜く際には、ロック棒はフリーな状態にあるため、穿孔ロッドの引き抜きとともにロック棒も共抜けしてしまうという問題があった。
そこで、本発明の課題は、地盤の補強を行うにあたり、削孔内に削孔ビットを残存させることによる無駄を防止することができる長尺部材の地中への挿入方法を提供することにある。また、他の課題は、削孔から外管を引き抜くにあたり、内管の共抜けを防止することができる長尺部材の地中への挿入方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る長尺部材の地中への挿入方法は、先端にそれぞれ削孔ビットが設けられた外管と内管とを備えるボーリングロッドに回転掘削力を付与することによって地盤を掘削して削孔を形成し、削孔を形成した後、外管に対して相対的に内管を後退させて外管から内管を引き抜き、外管の内側面に沿って長尺部材を外管に挿入し、削孔から外管を引き抜いて、長尺部材を削孔に存置させる方法であり、外管を引き抜くにあたり、長尺部材を削孔にアンカーとして固定し、削孔に長尺部材の反力をとって外管を引き抜く方法であり、外管と内管とによって削孔を形成した後、内管を外管に対して相対的に前進させてアンカー用余掘り部を形成し、内管を引き抜いた後、アンカー用余掘り部に長尺部材の先端を固定することを特徴とする。
本発明に係る長尺部材の地中への挿入方法では、先端にそれぞれ削孔ビットが設けられた外管と内管とを用いて削孔を行っている。このため、削孔が終了した後、削孔から内管を引き抜く際に、内管に設けられた削孔ビットが内管とともに取り出される。また、内管の引き抜きが終了し、長尺部材を挿入した後、削孔から外管を引き抜く際には、外管に設けられた削孔ビットが外管とともに取り出される。このため、削孔ビットが削孔内に残存しないようにすることができるので、削孔内に削孔ビットを残存させることによる無駄を防止することができる。
なお、本発明における長尺部材とは、外管に沿って挿入される長尺なものであり、その断面形状は特に問われない。したがって、棒状のものや板状のもの、あるいはケーブル、パイプなどとすることができる。また、長尺部材は剛性の高いもののほか、たとえばフレキシブル管など、可とう性の高いものとすることもできる。さらに、本発明における回転掘削力とは、地盤を掘削するための回転力、打撃力、推進力などを意味するものである。
ここで、外管を引き抜くにあたり、長尺部材を削孔にアンカーとして固定し、削孔に長尺部材の反力をとって外管を引き抜く態様とすることができる。
このように、長尺部材を削孔にアンカーとして固定し、削孔に長尺部材の反力をとって外管を引き抜くことにより、外管を引き抜く際の長尺部材の共抜けを防止することができる。
また、外管と内管とによって削孔を形成した後、内管を外管に対して相対的に前進させてアンカー用余掘り部を形成し、内管を引き抜いた後、アンカー用余掘り部に長尺部材の先端を固定する態様とすることができる。
このように、内管に対して外管を相対的に前進させることにより、削孔の前方にアンカー用余掘り部を形成することができる。このアンカー用余掘り部を形成することにより、内管を引き抜いた後、長尺部材を削孔に固定する際に、その長尺部材の固定を容易に行うことができる。
さらに、外管と内管とによって削孔を形成した後、外管を内管に対して相対的に後退させて削孔の一部をアンカー用余掘り部とし、内管を引き抜いた後、アンカー用余掘り部に前記長尺部材の先端を固定する態様とすることもできる。
このように、外管を内管に対して相対的に後退させて削孔の一部をアンカー用余掘り部とすることにより、内管を引き抜いた後、長尺部材を削孔に固定する際に、その長尺部材の固定を容易に行うことができる。また、アンカー用余掘り部をさらに削孔する手間を省くことができる。
また、長尺部材の先端に、アンカー部材として流体圧で半径方向へ膨張できる袋状物が設けられており、長尺部材を削孔に挿入した後、アンカー用余掘り部で袋状物を膨張させて、長尺部材を削孔に固定する態様とすることができる。
このような袋状物を用いることにより、長尺部材をアンカー用余掘り部に容易に固定することができる。
さらに、長尺部材を外管に挿入するにあたり、外管の内側面に沿って長尺部材を挿入する際の案内をするガイド部材が長尺部材に設けられている態様とすることができる。
このガイド部材が設けられていることにより、長尺部材を削孔の中心位置に精度よく配置することができるとともに、長尺部材を外管に円滑かつ確実に挿入することができる。
また、地盤が、トンネル掘削領域の周囲における地山である態様とすることができる。かかる長尺部材の挿入は、トンネル掘削領域の周囲における地盤における地盤補強や水抜き管の埋設において好適に行うことができる。
さらに、トンネル掘削領域の周囲における地盤が、トンネルの切羽である態様とすることができる、このように、トンネルの切羽における地盤補強や水抜き管の埋設に好適に用いることができる。
また、外管および内管がスイベルジョイントを介して削岩機に接続されており、削岩機によってボーリングロッドに回転掘削力を付与する態様とすることができる。このように、スイベルジョイントを用いて外管および内管を削岩機に接続することにより、削岩機として汎用削岩機を用いることができる。このため、トンネル内の施工効率を高めることができる。
さらに、外管および内管のうちの少なくとも一方を構成する管体が、端部をねじ部によって接続される継手によって接続された単位管を複数接続して形成されており、管体を削孔から引き抜くに当たり、削岩機に対して、スイベルジョイントに代えて、一の部材を把持する把持部材および他の部材を回転させる回転部材を備える回転クランプ装置を取り付け、複数の単位管のうち、削孔側の単位管を把持部材によってクランプするとともに、削岩機側の単位管を回転部材によって回転させて、削孔側の単位管から削岩機側の単位管を切り離す態様とすることができる。
このように、把持部材および回転クランプ装置を用いることにより、ねじ接続された外管や内管の接続を容易に外すことができる。
また、長尺部材が、地中に埋設される補強部材であり、外管を削孔から引き抜いた後、削孔にグラウトを注入して硬化させる態様とすることができる。外管を削孔から引き抜いた後、削孔にグラウトを注入して硬化させることにより、地盤を強固に補強することができる。
さらに、長尺部材が、地中に埋設される補強部材であり、長尺部材の内側にグラウト流通路が形成されているとともに、長尺部材の外周にグラウト注入孔が形成されており、長尺部材におけるグラウト流通路を通じてグラウトを送り込み、グラウト注入孔から削孔へ注入する態様とすることもできる。
このように、削孔にグラウトを注入するにあたり、長尺部材の外周に形成されたグラウト注入孔から削孔へグラウトを注入することにより、削孔に対して容易にグラウトを注入することができる。
本発明に係る長尺部材の地中への挿入方法によれば、地盤の補強を行うにあたり、削孔内に削孔ビットを残存させることによる無駄を防止することができる。また、削孔から外管を引き抜くにあたり、内管の共抜けを防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。本実施形態では、長尺部材の地中への挿入方法について、地盤補強工法を用いて説明する。本実施形態に係る地盤補強では、いわゆる無水削孔を行っている。図1は地盤補強工法を行う状況を示すトンネルの側断面図、図2は地盤補強を行う装置の側断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る地盤補強工法は、ボーリングロッド10をトンネル掘削領域の周囲における地山Gに対して埋設することによって行われる。ボーリングロッド10は、削岩機(汎用削岩機)であるドリルジャンボ20における掘削装置21に取り付けられている。ボーリングロッド10は、外管11および内管12を備えている。図1では、ボーリングロッド10の外管11が図示されている。図1に示すように、外管11は、複数の単位外管11Aを接続して形成されている。単位外管11Aの前後両端部には、それぞれねじ部を備える継手部が形成されており、この継手部がカップリング11Bに接続されることにより、単位外管11Aが接続されて外管11が形成される。同様に、内管12も単位内管12A(図2)がカップリング12Bを介して接続されて形成されている。また、ボーリングロッド10を打ち込んだ後は、ボーリングロッド10を引き抜き、ボーリングロッドを打ち込んだ位置に補強部材を埋設するとともにグラウトを注入することにより、地盤補強部Hを形成する。
また、ボーリングロッド10は、図2に示すように、外管11と内管12とを備え、外管11の内側に内管12が挿入された二重管構造をなしており、外管11の外径は95mmとされている。外管11は、単位外管11Aを複数接続して構成されている。これらの単位外管11Aは、カップリング11Bによってねじ結合されている。さらに、内管12も同様に、単位内管12Aを複数接続して構成されている。これらの単位内管12Aは、カップリング12Bによってねじ結合されている。なお、外管11において、カップリング11Bを用いることなく、単位外管11A同士の接続部分の一方に雄ネジを形成し、他方に雌ネジを形成する態様とすることもできる。内管12についても同様に、カップリング12Bを用いることなく、単位内管12A同士の接続部分の一方に雄ネジを形成し、他方に雌ネジを形成する態様とすることもできる。
また、外管11の先端および内管12の先端には、それぞれ削孔ビット13,14が設けられている。ドリルジャンボ20における掘削装置21を回転させることによりボーリングロッド10が回転され、また掘削装置21からボーリングロッド10に推進力や打撃力が付与されることによって伝達されるボーリングロッド10の回転掘削力によって地山の掘削が行われる。
さらに、内管12には、エア流通路15が形成されており、内管12の先端部における削孔ビット14が形成された位置を避けた位置にエア噴出口が形成されている。内管12の後端部からはエアが供給され、供給されたエアはエア流通路15を流通して先端側に移動し、エア噴出口から噴出される。
また、外管11と内管12との間には、くり粉流通路16が形成されている。エア噴出口から噴出されたエアは、削孔ビット13,14によって掘削された土砂とともに、くり粉流通路16を通じて、スイベルジョイント30側に移送される。
このボーリングロッド10は、図1に示すように、ドリルジャンボ20における掘削装置21にスイベルジョイント30を介して接続されている。スイベルジョイント30は、図2に示すように、スイベルボディ31およびスイベルアダプタ32を備えている。スイベルボディ31は、筒状の部材であり、その内部にスイベルアダプタ32が設けられ、スイベルアダプタ32はスイベルボディ31に対して相対的に回動可能とされている。
また、スイベルジョイント30のスイベルアダプタ32は、内側回転軸32Aと外側回転軸32Bを備えており、内側回転軸32Aには、内管12の後端部がねじ結合によって固定され、外側回転軸32Bには、外管11の後端部がねじ結合されて固定されている。スイベルアダプタ32の後端部には、削岩装置21の回転軸が取り付け可能とされており、また、内側回転軸32Aと外側回転軸32Bとは、相互に独立して回転可能とされている。このため、ボーリングロッド10の外管11と内管12とが相互に独立して回転可能とされている。
削岩装置21の回転軸が回転すると、回転軸の回転力が伝達されてスイベルアダプタ32が回転する。スイベルアダプタ32の回転により、内側回転軸32Aおよび外側回転軸32Bが回転する。このとき、内側回転軸32Aのみを回転させることもできるし、外側回転軸32Bのみを回転させることもできる。あるいは、内側回転軸32Aと外側回転軸32Bを同時に回転させることもできる。その場合に、内側回転軸32Aと外側回転軸32Bとを同じ回転数で回転させることもできるし、異なる回転数で回転させることもできる。
さらに、スイベルアダプタ32には、エア通路33が形成されており、スイベルボディ31には、エア通路33に連通するエア流入口34が設けられている。エア流入口34には、圧縮エアを供給するコンプレッサCが接続されている。ボーリングロッド10によって地山を削孔する際に、コンプレッサCから圧縮エアを供給し、ボーリングロッド10の先端に形成されたエア噴出口からエアを噴出する。また、スイベルアダプタ32には、くり粉排出口35が形成されており、くり粉排出口35は、ボーリングロッド10におけるくり粉流通路16に連通している。くり粉流通路16を介して移送されたくり粉は、くり粉排出口35から外部に排出される。
また、ボーリングロッド10による削孔が進み、外管11が所定長分だけ地山に埋められたら、外管11から内管12を引き抜いた後、外管11に対して、図3に示す補強部材40を挿入する。
図3に示すように、補強部材40は、補強部材本体41およびガイド部材42を備えている。補強部材本体41は中空の棒状をなしており、その軸方向に沿った中央部にグラウト流通孔43が形成されている。また、補強部材本体41の外周面には、グラウト注入孔44が形成されている。グラウト注入孔44は、グラウト流通孔43と連通しており、グラウト流通孔43を通じて供給されるグラウトがグラウト注入孔44から削孔内に注入される。
また、補強部材本体41の前方位置には、ガイド部材42が設けられている。ガイド部材42は、その外径がボーリングロッド10における外管11の内径よりもわずかに小さい径とされている。補強部材40をボーリングロッド10の外管11に挿入するにあたり、ガイド部材42が設けられていることにより、外管11に対してボーリングロッド10を円滑に挿入することができる。
さらに、補強部材本体41の先端部には、補強部材40を削孔に固定するための固定部材となる袋状物45が取り付けられている。袋状物45は、流体、たとえば水などの液体を流入させることによって膨らむものである。また、袋状物45には、水管46の一端部が接続されており、水管46の他端部は、図示しないポンプに接続される。このポンプを作動させることにより、水管46を介して袋状物45に水が供給される。
次に、本実施形態に係る地盤補強工法の手順について図4〜図6を参照して説明する。
本実施形態に係る地盤補強工法では、まず、ドリルジャンボ20における掘削装置21によってスイベルジョイント30を介してボーリングロッド10に回転掘削力を付与し、図4(a)に示すように、ボーリングロッド10の先端に設けられた削孔ビット13,14によって地山Gの掘削を行って削孔Sを形成する。ボーリングロッド10による掘削を行う際には、コンプレッサCによって圧縮エアを供給し、ボーリングロッド10の先端からエアを噴出させて、土砂の排出を促進する。地山Gを所定長さまで掘り進んだら、ボーリングロッド10の全体による掘進を終了する。
続いて、図4(b)に示すように、ボーリングロッド10の内管12のみに回転掘削力を付与して、内管12を外管11に対して相対的に回転させ、前進させることによってアンカー用余掘り部Yを形成する。このとき、外管11は停止させたままとする。ここで、ボーリングロッド10はスイベルジョイント30によってドリルジャンボ20に接続されていることから、容易に内管12のみを回転させることができる。
ボーリング余掘り部Yを形成したら、図4(c)に示すように、外管11を削孔S内に残したまま、外管11から内管12を引き抜く。外管11から内管12を引き抜く際には、内管12を引き抜くための回転クランプ装置Pをドリルジャンボ20に取り付けて用いる。ここで、回転クランプ装置Pについて、図7および図8を参照して説明する。回転クランプ装置Pは、図7および図8(a)に示すように、一の部材を把持する把持部材であるパワークランプ50および回転部材であるロッドブレーカ60を備えており、挿入されたボーリングロッド10の長手方向に沿って離間して配置されている。パワークランプ50、単位外管11A、単位内管12A、カップリング11B,12Bなどの一の部材を把持することができる。また、ロッドブレーカ60は単位外管11A、単位内管12A、カップリング11B,12Bのうち、一の部材となる部材以外の他の部材を回転させる。これらのパワークランプ50およびロッドブレーカ60によって回転クランプ装置Pが構成される。
パワークランプ50は、図8(b)にも示すように、内側面が略円形状のフレーム51を備えており、このフレーム51の内径は外管11および内管12が挿通可能となる径とされている。また、フレーム51の内周面には、外管11や内管12などの部材を把持するロッドガイド52が取り付けられている。さらに、フレーム51の側部には、クランプボルト53およびクランプナット54が設けられており、クランプボルト53はクランプナット54に対してねじ込みが可能とされている。また、クランプボルト53をクランプナット54にねじ込むことにより、ロッドガイド52の把持径を小さくすることができる。逆に、クランプボルト53のネジを緩めることにより、ロッドガイド52の把持径を大きくすることができる。また、フレーム51はロアフレーム55上に載置された状態で取り付けられており、ロアフレーム55を介してドリルジャンボ20に取り付け可能とされている。
ロッドブレーカ60は、図8(c)に示すように、パワートング61を備えている。パワートング61は、先端部がノギス状部とされており、外管11や内管12などの部材を把持することができるようになっている。また、パワートング61は、その把持径を調整可能とされており、把持径を調整することにより外管11や内管12など、径の異なる部材を把持することができる。
また、ロッドブレーカ60は、ブレーカシリンダ62を備えている。ブレーカシリンダ62は、シリンダロッド62Aと、このシリンダロッド62Aを挿入可能なシリンダ本体62Bを備えている。さらに、ブレーカシリンダ62におけるシリンダロッド62Aの先端部は、パワートング61の後端部に回動ピン63を介して取り付けられている。こうして、ブレーカシリンダ62におけるシリンダロッド62Aをシリンダ本体62Bに対して伸縮させることにより、パワートング61は、図7に仮想線で示すように、回動ピン63周りに回動可能となるようにされている。
さらに、ロッドブレーカ60は、ブレーカフレーム64を備えており、ブレーカシリンダ62におけるシリンダ本体62Bは、揺動ピン65を介してブレーカフレーム64に揺動可能に取り付けられている。こうして、ブレーカシリンダ62を伸縮させることにより、ブレーカシリンダ62が揺動ピン65周りに揺動可能とされている。また、ブレーカフレーム64は、ドリルジャンボ20に取り付け可能とされており、パワートング61におけるブレーカフレーム64は、ドリルジャンボ20に取り付け可能とされている。
内管12は、カップリング12Bを介して複数の単位内管12Aをねじ接合することによって形成されているため、内管12を引き抜く際には、これらの単位内管12Aを個々に切り離す必要がある。このとき、接続される2本の単位内管12Aの一方を、他方の単位内管12Aに対して相対的に回転させることによって、カップリング12Bにおけるねじ接合を離脱させる。回転クランプ装置Pは、ここで、2本の単位内管12Aを切り離す際に用いられる。
2本の単位内管12Aを切り離す手順について説明すると、まず、図9(a)に示すように、切羽よりもドリルジャンボ20側に配置された単位内管12Aをパワークランプ50におけるフレーム51に貫通させるとともに、ロッドブレーカ60のパワートング61の位置に配置する。また、パワークランプ50におけるフレーム51の位置に、単位内管12A同士を接合するカップリング12Bを配置する。
単位内管12A同士を切り離す際には、単位内管12Aをロッドガイド52によって把持し、カップリング12Bをロッドブレーカ60のパワートング61によって把持する。単位内管12Aを把持する際には、クランプボルト53をクランプナット54にねじ込み、ロッドガイド52の把持径を調整する。また、カップリング12Bを把持する際には、パワートング61のノギス状部の把持径を調整する。
こうして、図9(b)に示すように、ロッドガイド52によって単位内管12Aを把持し、パワートング61によってカップリング12Bを把持する。このとき、図10(a)に示すように、ロッドブレーカ60のブレーカシリンダ62は、伸長させた状態とする。続いて、ロッドブレーカ60のブレーカシリンダ62を収縮させる。ロッドブレーカ60のブレーカシリンダ62が収縮することにより、パワートング61が回動ピン63周りに回転し、パワートング61の回転に伴ってカップリング12Bが回転する。一方、単位内管12Aはパワークランプ50のロッドガイド52に把持されたままであるので、カップリング12Bが単位内管12Aに対して相対的に回転し、この回転によってカップリング12Bと単位内管12Aとのねじ接合が緩められる。
それから、図10(b)に示すように、ブレーカシリンダ62を最短となるまで収縮させたら、パワートング61のノギス状部を緩めてカップリング12Bを解放する。その後、一端ブレーカシリンダ62を伸長させるとともに、パワートング61を回動ピン63周りに回動させることにより、パワートング61のノギス状部にカップリング12Bを位置させる。この間、単位内管12Aは、ロッドガイド52に把持されたままの状態としておく。それから、パワートング61のノギス状部でカップリング12Bを把持し、ブレーカシリンダ62を収縮させることによってパワートング61を回動させる。なお、単位内管12Aおよびカップリング12Bを回転させる際には、ブレーカシリンダ62を収縮させた状態でパワートング61にカップリング12Bを把持させ、ブレーカシリンダ62を伸長させることによってカップリング12Bを回転させる態様とすることもできる。
ここで切り離されたカップリング12Bは、その後方(ドリルジャンボ20側)の単位内管12Aにねじ接合されたままとなっている。こうして、単位内管12A同士が切り離される。それから、前方に位置していた単位内管12Aの先端に接合されるカップリング12Bがロッドブレーカ60の位置にくるまで、内管12を後退させる。以後、同様の工程を繰り返すことにより、単位内管12Aからカップリング12Bを切り離す。このように、内管12における複数の単位内管12Aを同様の方法で切り離すことにより、単位内管12A同士を容易に切り離すことができる。
こうして内管12を外管11から引き抜いたら、図5(a)に示すように、外管11に対して補強部材40を挿入する。このとき、補強部材40には、ガイド部材42が設けられていることから、外管11に対して円滑に挿入することができる。こうして、補強部材40の先端に設けられた袋状物45がアンカー用余掘り部Yに進入するまで、補強部材40を挿入する。
補強部材40を挿入したら、ポンプを作動して袋状物45に水を供給し、袋状物45を膨らませる。袋状物45が膨らむと、図5(b)に示すように、袋状物45がアンカー用余掘り部Yに沿って変形し、アンカー用余掘り部Yに密着する。このとき、袋状物45には内側から水圧がかかっていることから、袋状物45はアンカー用余掘り部Yに固定された状態となる。
袋状物45を膨らませたら、図5(c)に示すように、外管11を削孔Sから引き抜く。外管11を引き抜く際には、内管12を引き抜く際と同様に、ドリルジャンボ20に回転クランプ装置Pを取り付け、単位ロッド間の切り離しを行う。ここで、回転クランプ装置Pにおけるパワークランプ50のロッドガイド52やロッドブレーカ60のパワートング61は、その把持径を調整可能とされている。このため、内管12と外管11のいずれについても把持することができる。
こうして、外管11を削孔Sから引き抜くにあたり、削孔Sに補強部材40の反力をとって外管11を引き抜くことができる。このため、外管11を引き抜く際に、補強部材40が共抜けしてしまうことを防止することができる。また、内管12および外管11を引き抜くことができ、削孔ビット13,14は内管12および外管11の先端に設けられている。したがって、削孔Sから削孔ビット13,14を完全に取り出すことができるので、削孔内に削孔ビット13,14を残存させることによる無駄を防止することができる。
外管11を引き抜いたら、図6(a)に示すように、補強部材40における補強部材本体41のグラウト流通孔43にグラウトを供給し、補強部材本体41に形成されたグラウト注入孔44からグラウトJを削孔S内に注入する。ここで、グラウトとしては、セメントミルク、モルタル、水ガラス、ウレタンなど、全ての定着材(充填材や注入材を含む)を用いることができる。
グラウトの注入が済んだら、図6(b)に示すように、削孔S内にグラウトが充満し、地盤補強部Hが形成される。こうして、補強部材40とグラウトJによって地山の補強が完了する。
このように、本実施形態に係る地盤補強工法では、ボーリングロッド10によって形成した削孔に補強部材40を配設して地山を補強するにあたり、ボーリングロッド10における外管11および内管12のそれぞれに削孔ビット13,14を設けている。そして、内管12を引き抜いた後、外管11に補強部材40を挿入しさらにその後に外管11を引き抜いている。このように、補強部材40を地山に挿入するにあたって、外管11および内管12を引き抜いていることから、削孔ビット13,14を埋め残さないようにすることができる。したがって、削孔内に削孔ビット13,14を残存させることによる無駄を防止することができる。
また、外管11を引き抜くにあたり、補強部材40の先端に設けられた袋状物45を膨らませ、アンカー用余掘り部Yに補強部材40を固定することによって補強部材40を削孔にアンカーとして固定し、削孔Sに補強部材40の反力をとって外管11を引き抜いている。このため、外管11を引き抜く際に補強部材40が共抜けしてしまうことを好適に防止することができる。
さらに、袋状物45を固定するにあたり、削孔Sの先端部にアンカー用余掘り部Yを形成している。このアンカー用余掘り部Yを形成することにより、袋状物45を容易に固定することができる。さらに、アンカー用余掘り部Yは、外管11を停止させた状態で内管12を前進させることによって形成している。このため、アンカー用余掘り部Yを容易に形成することができる。
また、補強部材40を地山に固定する際に、袋状物45を用いている。このため、補強部材40を挿入した後、アンカー用余掘り部Yにおいて袋状物45を膨らませるのみで補強部材40を削孔Sに固定することができるので、補強部材40を削孔Sに容易に固定することができる。
さらに、補強部材40には、補強部材本体41を外管11内に挿入する際の案内をするガイド部材42が設けられている。ガイド部材42が設けられていることにより、補強部材40を外管11に円滑かつ確実に挿入することができる。
また、ボーリングロッド10は、スイベルジョイント30を介してドリルジャンボ20に接続されている。スイベルジョイント30を用いることにより、ドリルジャンボ20を用いた場合でも外管11と内管12とを独立して回転させることができる。また、スイベルジョイント30を用いていることにより、いわゆる汎用削岩機であるドリルジャンボ20を用いた場合でも、トンネル内におけるボーリングロッド10の打ち込みが可能となる。したがって、ボーリングロッド10を打ち込むための専用機を用いる必要がないので、工期の短縮に大いに寄与することができる。
さらに、補強部材40を地山に埋めた後、削孔SにグラウトJを注入している。このため、地山をより強固に補強することができる。また、補強部材40の補強部材本体41およびガイド部材42には、グラウト注入孔が形成されている。このため、削孔SにグラウトJを容易に注入することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、外管11を停止させた状態で内管12を前進させてアンカー用余掘り部Yを形成しているが、内管12を停止させた状態、または内管12とともに外管11を後退させることにより、削孔Sにおける先端部をアンカー用余掘り部とする態様とすることもできる。この態様によっても、袋状物45によって補強部材を容易に固定することができる。
また、上記実施形態では、補強部材40を削孔Sに固定するにあたり、袋状物を用いているが、その他の固定装置を用いることもできる。たとえば、図11(a)に示すように、補強部材の先端から削孔Sの軸方向に沿って延在する軸部材71が突出し、その軸部材71からその半径方向に羽根72が突出し、羽根72がアンカー用余掘り部Yに刺さることによって、補強部材40が固定される態様とすることもできる。あるいは、図11(b)に示すように、同様の軸部材73の周方向に離間して配置された複数の骨部材74が傘状に展開し、その展開方向に付勢力が付与された固定部材を用いる態様とすることもできる。この固定部材では、補強部材40が後退しようとすると、骨部材74が削孔に刺さるようになるので、好適に補強部材を削孔に固定することができる。あるいは、図11(c)に示すように、補強部材40の先端に突き刺し部75を形成し、この突き刺し部75を削孔に突き刺すことによって補強部材40を固定する態様とすることもできる。
さらに、上記実施形態では、トンネル掘削領域の切羽、その内側周面などに補強部材を設ける例について説明したが、そのほか、トンネルの掘削を開始する際の法面の補強などに用いることもできる、また、上記実施形態では、補強部材を設置する例について説明したが、たとえば水抜き管などを同様の方法によって設置する態様とすることもできる。この場合、削孔内に設置される長尺部材は、剛性を有するものでなく、可とう性を有するフレキシブル管などとすることもできる。
また、上記実施形態では、地山にエアを噴出するいわゆる無水削孔を行っているが、その削孔方式については特に限定されることなく、種々の形式に対応することができる。たとえば、削孔部に水を供給する有水削孔や霧状の液体を供給する削孔方式などにも対応することができる。
さらに、上記実施形態では補強部材として本体が棒状を用いているが、棒状のほか、板状のものを用いることができる。また補強部材としてはケーブルやパイプなどを用いることもできる。また、ガイド部材としては円筒状に限らず、図12(a)に示すように断面傘状のガイド部材81、図12(b)に示すように断面星状のガイド部材82などとすることもできる。さらに、グラウトを注入する際に補強部材の内側にグラウトを流通させているが、補強部材とは別個にグラウト注入用のホースを設け、このホースを補強部材に抱かせて削孔に挿入する態様とすることもできる。
地盤補強工法を行う状況を示すトンネルの側断面図である。 地盤補強を行う装置の側断面図である。 補強部材の側面図およびその一部断面図である。 補強部材を削孔に挿入するために、ボーリングロッドによる掘削を行う工程を側断面から示す工程図である。 削孔に補強部材を挿入する工程を側断面から示す工程図である。 削孔に補強部材を挿入した後、削孔にグラウトを注入する工程を側断面から示す工程図である。 回転クランプ装置Pの斜視図である。 (a)は回転クランプ装置Pの側面図、(b)はパワークランプの正面図、(c)はロッドブレーカの側面図である。 回転クランプ装置によって内管の単位内管同士を切り離す工程を示す工程図である。 図9に続く工程を示す工程図である。 (a)〜(c)は、補強部材の他の例を示す側面図である。 (a)、(b)は、ガイド部材の他の例を示す側面図である。
符号の説明
10…ボーリングロッド
11…外管
11A…単位外管
11B…カップリング
12…内管
12A…単位内管
12B…カップリング
13,14…削孔ビット
15…エア流通路
16…くり粉流通路
20…ドリルジャンボ
21…掘削装置
30…スイベルジョイント
31…スイベルボディ
32…スイベルアダプタ
32A…内側回転軸
32B…外側回転軸
33…エア通路
34…エア流入口
35…粉排出口
40…補強部材
41…補強部材本体
42…ガイド部材
43…グラウト流通孔
44…グラウト注入孔
45…袋状物
46…水管
50…パワークランプ
51…フレーム
52…ロッドガイド
53…クランプボルト
54…クランプナット
55…ロアフレーム
60…ロッドブレーカ
61…パワートング
62…ブレーカシリンダ
62A…シリンダロッド
62B…シリンダ本体
63…回動ピン
64…ブレーカフレーム
65…揺動ピン
C…コンプレッサ
G…地山
H…地盤補強部
J…グラウト
P…回転クランプ装置
S…削孔
Y…アンカー用余掘り部

Claims (8)

  1. 先端にそれぞれ削孔ビットが設けられた外管と内管とを備えるボーリングロッドに回転掘削力を付与することによって地盤を掘削して削孔を形成し、
    前記削孔を形成した後、前記外管に対して相対的に前記内管を後退させて前記外管から前記内管を引き抜き、
    前記外管の内側面に沿って長尺部材を前記外管に挿入し、
    前記削孔から前記外管を引き抜いて、前記長尺部材を前記削孔に存置させる方法であり、
    前記外管を引き抜くにあたり、前記長尺部材を前記削孔にアンカーとして固定し、
    前記削孔に前記長尺部材の反力をとって前記外管を引き抜く方法であり、
    前記外管と内管とによって削孔を形成した後、前記内管を前記外管に対して相対的に前進させてアンカー用余掘り部を形成し、
    前記内管を引き抜いた後、前記アンカー用余掘り部に前記長尺部材の先端を固定することを特徴とする長尺部材の地中への挿入方法。
  2. 先端にそれぞれ削孔ビットが設けられた外管と内管とを備えるボーリングロッドに回転掘削力を付与することによって地盤を掘削して削孔を形成し、
    前記削孔を形成した後、前記外管に対して相対的に前記内管を後退させて前記外管から前記内管を引き抜き、
    前記外管の内側面に沿って長尺部材を前記外管に挿入し、
    前記削孔から前記外管を引き抜いて、前記長尺部材を前記削孔に存置させる方法であり、
    前記外管を引き抜くにあたり、前記長尺部材を前記削孔にアンカーとして固定し、
    前記削孔に前記長尺部材の反力をとって前記外管を引き抜く方法であり、
    前記外管と内管とによって削孔を形成した後、前記外管を前記内管に対して相対的に後退させて前記削孔の一部をアンカー用余掘り部とし、
    前記内管を引き抜いた後、前記アンカー用余掘り部に前記長尺部材の先端を固定することを特徴とする長尺部材の地中への挿入方法。
  3. 前記長尺部材の先端に、アンカー部材として流体圧で半径方向へ膨張できる袋状物が設けられており、
    前記長尺部材を前記削孔に挿入した後、前記アンカー用余掘り部で前記袋状物を膨張させて、前記長尺部材を前記削孔に固定する請求項1または請求項2に記載の長尺部材の地中への挿入方法。
  4. 前記長尺部材を前記外管に挿入するにあたり、前記外管の内側面に沿って前記長尺部材を挿入する際の案内をするガイド部材が前記長尺部材に設けられている請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の長尺部材の地中への挿入方法。
  5. 先端にそれぞれ削孔ビットが設けられた外管と内管とを備えるボーリングロッドに回転掘削力を付与することによって地盤を掘削して削孔を形成し、
    前記削孔を形成した後、前記外管に対して相対的に前記内管を後退させて前記外管から前記内管を引き抜き、
    前記外管の内側面に沿って長尺部材を前記外管に挿入し、
    前記削孔から前記外管を引き抜いて、前記長尺部材を前記削孔に存置させる方法であり、
    前記地盤が、トンネル掘削領域の周囲における地山であり、
    前記外管および前記内管がスイベルジョイントを介して削岩機に接続されており、
    前記削岩機によって前記ボーリングロッドに回転掘削力を付与する方法であり、
    前記外管および内管のうちの少なくとも一方を構成する管体が、端部をねじ部によって接続される継手によって接続された単位管を複数接続して形成されており、
    前記管体を前記削孔から引き抜くに当たり、前記削岩機に対して、前記スイベルジョイントに代えて、一の部材を把持する把持部材および他の部材を回転させる回転部材を備える回転クランプ装置を取り付け、
    前記複数の単位管のうち、前記削孔側の単位管を前記把持部材によってクランプするとともに、前記削岩機側の単位管を前記回転部材によって回転させて、前記削孔側の単位管から前記削岩機側の単位管を切り離すことを特徴とする長尺部材の地中への挿入方法。
  6. 前記トンネル掘削領域の周囲における地盤が、トンネルの切羽である請求項5に記載の長尺部材の地中への挿入方法。
  7. 前記長尺部材が、地中に埋設される補強部材であり、
    前記外管を前記削孔から引き抜いた後、前記削孔にグラウトを注入して硬化させる請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の長尺部材の地中への挿入方法。
  8. 前記長尺部材が、地中に埋設される補強部材であり、
    前記長尺部材の内側にグラウト流通路が形成されているとともに、前記長尺部材の外周にグラウト注入孔が形成されており、
    前記長尺部材におけるグラウト流通路を通じてグラウトを送り込み、前記グラウト注入孔から削孔へ注入する請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項に記載の長尺部材の地中への挿入方法。
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