以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本実施例のパチンコ機GMを示す斜視図である。このパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。この前枠3には、遊技盤5が、裏側からではなく、表側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
ガラス扉6の外周には、LEDランプなどによる電飾ランプが、略C字状に配置されている。一方、ガラス扉6の下側には、スピーカが配置されている。
前面板7には、発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠3の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータと連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8の外周面には、チャンスボタン11が設けられている。このチャンスボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくチャンスボタン11を操作できる。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する度数表示部と、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5の表面には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その略中央には、背面側に延びる中央開口HOが設けられている。そして、中央開口HOの奥底には、液晶カラーディスプレイで構成された表示装置DISPが配置されている。
また、表示装置DISPの前面に形成される空間には、演出可動体AMU(図6〜図7参照)が昇降自在に配置されている。演出可動体AMUは、昇降機構ALVに保持されて昇降される固定部材FIXと、固定部材FIXに支持されて回転する回転部材ROTとで構成されている。なお、通常時には、演出可動体AMUは、昇降機構ALVに吊り上げられた状態で待機している。
遊技領域5aの適所には、図柄始動口15、大入賞口16、普通入賞口17、ゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
表示装置DISPは、大当り状態に係わる特定図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。この表示装置DISPは、中央部に特別図柄表示部Da〜Dcと右上部に普通図柄表示部19を有している。そして、特別図柄表示部Da〜Dcでは、大当り状態の招来を期待させるリーチ演出が実行されたり、特別図柄表示部Da〜Dc及びその周りでは、当否結果を不確定に報知する予告演出などが実行される。
普通図柄表示部19は普通図柄を表示するものであり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート18の通過時点において抽出された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。
図柄始動口15は、左右一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで開閉されるよう例えば構成され、普通図柄表示部19の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、開閉爪が所定時間だけ、若しくは、所定個数の遊技球を検出するまで開放されるようになっている。
図柄始動口15に遊技球が入賞すると、特別図柄表示部Da〜Dcの表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口15への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄で停止する。なお、特別図柄表示部Da〜Dc及びその周りでは、一連の図柄演出の間に、予告演出が実行される場合がある。また、予告演出の一種として、演出可動体AMUが中央開口HOの位置に降下してくることがある。そして、降下した演出可動体AMUは、時計方向又は反時計方向に回転した後、元の位置に上昇する。
大入賞口16は、例えば前方に開放可能な開閉板16aで開閉制御されるが、特別図柄表示部Da〜Dcの図柄変動後の停止図柄が「777」などの大当り図柄のとき、「大当りゲーム」と称する特別遊技が開始され、開閉板16aが開放されるようになっている。
大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このような動作は、最大で例えば15回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。なお、特別図柄表示部Da〜Dcの変動後の停止図柄が特別図柄のうちの特定図柄であった場合には、特別遊技の終了後のゲームが高確率状態となるという特典が付与される。
図3は、本実施例のパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図である。図中の一点破線矢印は、主に、直流電圧ラインを示している。
図示の通り、このパチンコ機GMは、AC24Vを受けて各種の直流電圧やシステムリセット信号SYSなどを出力する電源基板20と、遊技制御動作を中心統括的に担う主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出を実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DISPを駆動する液晶制御基板23と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMD”に基づいて払出モータMを制御して遊技球を払い出す払出制御基板24と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板25と、を中心に構成されている。
但し、この実施例では、主制御基板21が出力する制御コマンドCMDは、コマンド中継基板26と演出インターフェイス基板27を経由して、演出制御基板22に伝送される。また、演出制御基板22が出力する制御コマンドCMD’は、演出インターフェイス基板27を経由して、液晶制御基板23に伝送され、主制御基板21が出力する制御コマンドCMD”は、主基板中継基板28を経由して、払出制御基板24に伝送される。なお、演出インターフェイス基板27と演出制御基板22とは、ケーブルを使用することなくコネクタによって直結されている。
これら主制御基板21、演出制御基板22、液晶制御基板23、及び払出制御基板24には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、これらの制御基板21〜24に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、本明細書では、主制御部21、演出制御部22、液晶制御部23、及び払出制御部24と言うことがある。なお、演出制御部22、液晶制御部23、及び払出制御部24の全部又は一部がサブ制御部である。
ところで、このパチンコ機GMは、図3の破線で囲む枠側部材GM1と、遊技盤5の背面に固定された盤側部材GM2とに大別されている。枠側部材GM1には、ガラス扉6や前面板7が枢着された前枠3と、その外側の木製外枠1とが含まれており、機種の変更に拘わらず、長期間にわたって遊技ホールに固定的に設置される。一方、盤側部材GM2は、機種変更に対応して交換され、新たな盤側部材GM2が、元の盤側部材の代わりに枠側部材GM1に取り付けられる。なお、枠側部材GM1を除く全てが、盤側部材GM2である。
図3の破線枠に示す通り、枠側部材GM1には、電源基板20と、払出制御基板24と、発射制御基板25と、枠中継基板32と、外部端子基板OTと、球貸機UTとのインターフェイス基板IFとが含まれており、これらの回路基板が、前枠3の適所に各々固定されている。一方、遊技盤5の背面には、主制御基板21、演出制御基板22、液晶制御基板23が、表示装置DISPやその他の回路基板と共に固定されている。そして、枠側部材GM1と盤側部材GM2とは、一箇所に集中配置された接続コネクタCN1〜CN4によって電気的に接続されている。
図3に示す通り、電源基板20は、接続コネクタCN2を通して、主基板中継基板28に接続され、接続コネクタCN3を通して、電源中継基板30に接続されている。そして、主基板中継基板28は、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYS、RAMクリア信号、電圧降下信号、バックアップ電源、DC12V、DC32Vを、そのまま主制御部21に出力している。同様に、電源中継基板30も、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYSや、交流及び直流の電源電圧を、そのまま演出インターフェイス基板27に出力している。なお、演出インターフェイス基板27は、受けたシステムリセット信号SYSを、そのまま演出制御部22と液晶制御部23に出力している。
一方、払出制御基板24は、中継基板を介することなく、電源基板20に直結されており、主制御部21が受けると同様の、システムリセット信号SYS、RAMクリア信号、電圧降下信号、バックアップ電源を、その他の電源電圧と共に直接的に受けている。
ここで、電源基板20が出力するシステムリセット信号SYSは、電源基板20に交流電源24Vが投入されたことを示す信号であり、この信号によって各制御部21〜24のワンチップマイコンその他のIC素子が電源リセットされるようになっている。主制御部21及び払出制御部24が、電源基板20から受けるRAMクリア信号は、各制御部21,24のワンチップマイコンの内蔵RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、係員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
主制御部21及び払出制御部24が、電源基板20から受ける電圧降下信号は、交流電源24Vが降下し始めたことを示す信号であり、この電圧降下信号を受けることによって、各制御部21、24では、停電や営業終了に先立って、必要な終了処理を開始するようになっている。また、バックアップ電源は、営業終了や停電により交流電源24Vが遮断された後も、主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンの内蔵RAMのデータを保持するDC5Vの直流電源である。したがって、主制御部21と払出制御部24は、電源遮断前の遊技動作を電源投入後に再開できることになる(電源バックアップ機能)。このパチンコ機では少なくとも数日は、各ワンチップマイコンのRAMの記憶内容が保持されるよう設計されている。
一方、演出制御部22と液晶制御部23には、上記した電源バックアップ機能が設けられていない。しかし、演出制御部22と液晶制御部23には、システムリセット信号SYSが共通して供給されており、他の制御部21,24と、ほぼ同期したタイミングで電源リセット動作が実現される。
図3及び図4に示す通り、演出インターフェイス基板27は、コマンド中継基板26と、電源中継基板30と、枠中継基板31と、演出制御基板22と、ランプ接続基板34と、液晶制御基板23と、インバータ基板33とに接続されている。
図4に示すように、演出制御部22は、音声演出・ランプ演出・演出可動体による予告演出・データ転送などの処理を実行するワンチップマイコン40と、ワンチップマイコン40の制御プログラムなどを記憶するEPROM41と、ワンチップマイコン40からの指示に基づいて音声信号を再生して出力する音声再生出力回路42と、再生される音声信号の元データである圧縮音声データを記憶する音声用メモリ43と、ウォッチドッグタイマWDTとを備えて構成されている。
ワンチップマイコン40には、パラレル入出力ポートPIOが内蔵されている。そして、パラレルポートPIOからは、制御コマンドCMD’及びストローブ信号STB’と共に、演出可動体AMUを機能させる駆動データΦ1〜Φ4も出力されている。演出可動体AMUは、昇降機構ALVを構成する昇降モータMOaによって昇降され、固定部材FIXに配置された回転モータMObによって回転駆動される。なお、昇降モータMOaや回転モータMObは、ステッピングモータで構成されており、各々、ドライバ回路45A,45Bを経由して駆動される。また、回転モータMObに関連して、原点スイッチORGが設けられており、そのスイッチ信号SNは、パラレルポートPIOに入力されている。
ウォッチドッグタイマWDTは、ワンチップマイコン40から定期的に供給されるクリアパルスでリセットされるが、プログラムの暴走などによって、このクリアパルスが途絶えると、リセット信号RESETを出力するようになっている。その結果、ワンチップマイコン40は、初期状態に強制的にリセットされ、プログラムの暴走状態などが解消される。
図4に示す通り、演出制御基板22のワンチップマイコン40には、主制御基板21から出力された制御コマンドCMDとストローブ信号(割込み信号)STBとが、演出インターフェイス基板27のバッファ48を経由して供給されている。割込み信号STBは、ワンチップマイコンの割込み端子INTに供給されている。そして、ストローブ信号STBによって起動される受信割込み処理によって、演出制御部22は、制御コマンドCMDを取得することになる。
演出制御部22が取得する制御コマンドCMDには、(a)エラー報知その他の報知用制御コマンドなどの他に、(b)図柄始動口への入賞に起因する各種演出動作の概要を特定する制御コマンド(変動パターンコマンド)が含まれている。ここで、変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当り抽選における当否結果とが含まれている。なお、これらに加えて、リーチ演出や予告演出の有無などを含めて変動パターンコマンドで特定しても良いが、この場合でも、演出内容の具体的な内容は特定されていない。
そのため、演出制御部22では、変動パターンコマンドCMDを取得すると、これに続いて演出抽選を行い、取得した変動パターンコマンドで特定される演出概要を更に具体化している。
例えば、リーチ演出や予告演出について、その具体的な内容が決定される。そして、決定された具体的な遊技内容にしたがい、LED群などの点滅によるランプ演出や、スピーカによる音声演出の準備動作を行うと共に、液晶制御部23に対して、ランプやスピーカによる演出動作に同期した図柄演出に関する制御コマンドCMD’を出力する。また、演出可動体AMUを使用する予告動作時には、昇降モータMOaを回転させた後、回転モータMObを回転させる。
なお、昇降モータMOaを回転させるタイミングでは、回転モータMObへの駆動制御も開始され、回転モータMObは、自由回転可能な非駆動状態から、静止姿勢を維持する駆動状態に変化する。したがって、仮に、演出可動体AMUを迅速に昇降させても、停止時に、演出可動体AMUの水平姿勢が崩れるおそれはない。
このような演出動作に同期した図柄演出を実現するため、演出制御部22は、液晶制御部23に対するストローブ信号(割込み信号)STB’と共に、制御コマンドCMD’を演出インターフェイス基板27に向けて出力する。なお、演出制御部22は、表示装置に関連する報知用制御コマンドや、その他の制御コマンドを受信した場合は、その制御コマンドを、そのまま割込み信号STB’と共に演出インターフェイス基板27に向けて出力する。
上記した演出制御基板22の構成に対応して、演出インターフェイス基板27は、8ビット長の制御コマンドCMD’と1ビット長の割込み信号STB’を受けるよう構成されている。そして、これらのデータCMD’,STB’は、バッファ回路46を経由して、そのまま液晶制御基板23に出力される。また、演出インターフェイス基板27は、演出制御部22から出力されるランプ駆動用の信号を受け、これを、ランプ接続基板34を経由してLEDランプ群に供給する。その結果、主制御部21が出力した制御コマンドCMDに対応するランプ演出が実現される。
図5(a)は、演出制御基板22に搭載されたドライバ回路45Bと、回転モータMObとの接続関係を示す回路図である。回転モータMObは、例えば、二相励磁されるステッピングモータで構成され、ドライバ回路45Bは、ダーリントン接続されたトランジスタTrとダンパーダイオードDpとを有して構成されている。なお、この実施例では、回転モータMObにギア結合された回転部材ROTが、360/245°ピッチで回転しており、回転モータMObが245ステップの駆動パルスΦ1〜Φ4を受けると、回転部材ROTが一回転することになる。
回転モータMObの回転速度は、駆動パルスΦ1〜Φ4を変化させる駆動速度に比例して増加するが、一方、回転モータMObの回転トルクは、回転速度に対応して低下する。これは、回転速度を速めるには、回転モータMObの励磁コイルLx,Lyに流れる励磁電流を迅速に変化させる必要があるが、励磁コイルLx,Lyに蓄積された磁気エネルギーによる慣性によって、回転に寄与する励磁電流が実質的に減少するからである。
本実施例では、回転モータMObの回転軸AXが、原点位置に達したことを検出する原点スイッチORGが配置されている。そのため、演出部材ROTに対して、回転モータMObの回転トルクが不足気味となっても、演出部材ROTを正確に一回転させることができる。すなわち、回転モータMObの回転トルクが不十分であると、245ステップの駆動パルスでは、演出部材ROTを正確に一回転させることができない可能性があるが、原点スイッチORGを設けることで、回転角度360°を駆動パルスのステップ数で制御する必要がなくなる。本実施例では、ギア結合で回転速度を増速させた分だけ、回転トルクが減少するので、原点スイッチORGを設けた意義は大きい。
原点スイッチORGは、具体的には、発光部と受光部とを有するフォトインタラプタPHと、発光部から放射された検査光を遮断する遮光片SHiとで構成されている。なお、発光部はフォトダイオードで構成され、受光部はフォトトランジスタで構成されている(図5(b)参照)。そのため、検出スイッチ信号SNは、フォトトランジスタの出力として、通常時はLレベル(OFFレベル)であるが、原点位置を検出した遮光時にはHレベル(ONレベル)となる。
但し、ONレベルの検出スイッチ信号SNには、遮光片SHiの板幅に対応して、所定のパルス幅が生じる(図7(b)参照)。この実施例では、本来の原点位置に対して約±30.9°の範囲で検査信号が遮光片SHiによって遮断されるよう構成されている。先に説明した通り、回転部材ROTのステップ角は、360/245°であるので、真の原点位置から約±21ステップ、駆動パルスが供給されている間は、原点検出状態となる。
ところで、遊技盤に配置された原点スイッチORGは、遊技者の操作などに起因して機械的な振動を受ける可能性がある。例えば、興奮した遊技者が、遊技機を叩く可能性も否定できない。このような場合、フォトインタラプタPHと、遮光片SHiとの位置関係が微妙に変化することで、検出信号SNの立上りエッジや立下りエッジにチャタリングが生じる可能性がある。また、検出スイッチ信号SNは、比較的長い伝送路を通って演出制御基板22に伝送されるので、この意味でも、チャタリングが生じる可能性がある。
ここで、電子回路的に発生する後者のチャタリングは、伝送路の特性インピーダンスと、演出制御基板における終端抵抗とを整合させることで解消させているが、機械的に発生する前者のチャタリングについては、本実施例が採用した対策を採らないと解消できない。なお、本実施例が採用したチャタリング対策については後述する。
図6〜図8は、演出可動体AMUの構成を示す図面である。図6(a)に示す通り、演出可動体AMUは、回転モータMObを保持する固定部材FIXと、回転モータMObとギア結合されて回転する回転部材ROTとで構成されている。そして、回転モータMObの駆動軸には、駆動ギアG1が固着され、回転部材ROTの回転軸AXには従動ギアG2が固着されている。
本実施例では、駆動ギアG1と従動ギアG2のギア比N:1を、N>1に設定することで増速動作を実現している。したがって、小型の回転モータMObによって、比較的速い回転動作を実現することができる。もっとも、N<1に設定して、減速動作を実現して、回転トルクを高めるのも好適である。
固定部材FIXは、その左右両端が不図示の昇降機構ALVに保持されている。そのため、昇降モータMOa(不図示)が回転すると、固定部材FIXは、水平状態を維持した状態で昇降される。また、固定部材FIXの一方側(正面視で左側)には、永久磁石MG1が配置されている。
一方、回転部材ROTは、従動回転する回転軸AXと一体回転するよう構成されており、回転軸AXの基端は、固定部材FIXに軸支されている。また、回転部材ROTには、固定部材FIXの永久磁石MG1に対面する位置に、磁性体MG2が配置されている。そのため永久磁石MG1と磁性体MG2とが互いに吸引されることになり、その結果、回転部材ROTの水平姿勢は、磁気吸引力(磁着力)によって安定化されている。なお、回転演出開始時には、回転モータMObは、静止状態を維持する駆動状態となっている。
このように、本実施例では、水平姿勢の回転部材ROTが磁着力などによって確実に保持されているので、演出可動体AMUを素早く昇降させても、停止時の慣性力に拘わらず回転部材ROTの水平姿勢が崩れない。但し、回転部材ROTの回転始動時には、この磁着力を超える始動トルクが必要となる。本実施例では、ギア結合や磁性体MG2の関係で、静止状態(水平姿勢)において、正面視で反時計方向にトルクが加わっているので、特に、時計方向に回転始動させる場合には、反時計方向に回転始動させる場合より、大きな起動トルクが必要となる。なお、特に限定されないが、本実施例では、大きな起動トルクを必要とする時計方向の回転を、逆方向(reverse)とし、反時計方向の回転を順方向(forward)としている(図10(b)参照)。
図7(b)に示す通り、回転軸AXには遮光片SHiが装着され、遮光片SHiの回転軌道上に、フォトインタラプタPHを配置することで、原点スイッチORGを構成している。回転部材ROTが水平姿勢であると、遮光片SHiが原点に位置して、原点スイッチORGがON状態となるが(図7(b))、回転部材ROTが回転すると(図7(c)参照)、原点スイッチORGがOFF状態となる。但し、遮光片SHiの板幅と、フォトインタラプタPHの受光特性から、正確な水平姿勢から約±31°の範囲で原点スイッチがON状態を維持するのは前述の通りである。
回転部材ROTの水平姿勢は、2つの磁性体MG1,MG2の磁着力によって保持されるが、回転部材ROTが回転を開始した場合に、事実上、磁着力が及ぶ範囲は、原点スイッチORGのON状態の範囲より狭い範囲となる(図5(b)参照)。すなわち、原点スイッチORGがOFF状態となれば、固定部材FIXと回転部材ROTの間に磁着力が全く作用していないと考えることができる。なお、図8は、回転部材ROTが、水平姿勢から、正面視で時計方向に90°回転した状態を示している。
図9〜図10は、上記した演出可動体AMUの演出動作を実現する演出制御部22の動作内容を説明するフローチャートである。
図9に示す通り、演出制御部22の動作は、電源投入後に開始されるメイン処理(a)と、4mS毎に起動されるタイマ割込み処理(b)と、2mS毎に起動されて演出可動体AMUの動作を制御するタイマ割込み処理(c)と、ストローブ信号STBによって起動される受信割込み処理(不図示)とを含んで実行されている。なお、図9(d)には、受信コマンド解析処理の詳細が図示されている。
図9(a)に示す通り、メイン処理では、ワンチップマイコン40内部の初期設定を実行した後(ST1)、音声再生出力回路42について、必要な初期設定を実行する(ST2)。その後、ワンチップマイコン40のCPUを割込み許可状態に設定した後(ST3)、4mS間隔のタイマ割込みを待機する(ST4)。
図9(b)に示す通り、4mS間隔でタイマ割込みが生じる毎に、割込みフラグINTがセットされるので(ST9)、メイン処理のステップST4の処理では、割込みフラグINTが1になるのを繰り返しチェックすることになる。そして、割込みフラグINT=1となると、これをリセットした後に(ST5)、受信コマンド解析処理を実行する(ST6)。
受信コマンドには、変動パターンコマンド、予告演出コマンド、報知用制御コマンドなどが含まれている。そこで、受信コマンド解析処理では、図9(d)に示す通り、先ず、変動パターンコマンドを新規に受信したか否かを判定し(ST10)、変動パターンコマンドを受信している場合には、演出内容を具体的に特定する演出抽選を実行する(ST12)。そして、これから実行すべき演出シナリオについて初期設定処理を実行する(ST13)。その他、予告演出コマンドを受信した場合にも、予告演出のシナリオについて初期設定をする(ST11、ST13)。予告演出には演出可動体AMUを回転させる演出が含まれている。そして、このようにして初期設定された演出シナリオは、その他のランプ演出処理などと共に、メイン処理において、4mS間隔で進行される(ST7〜ST8)。
メイン処理に並行して、2mS毎に、図9(c)に示すタイマ割込み処理が実行される。2mS間隔のタイマ割込みが生じると、先ず、演出可動体AMUの演出を開始すべきタイミングか否かが判定される(ST20)。そして、回転開始タイミングであれば、モータ動作フラグFLGを1にセットした後(ST21)、回転制御テーブルTBLの該当欄を特定するべく、ポインタPTを初期設定する(ST22)。なお、本実施例では、回転制御テーブルTBLの各行がNバイトで構成されているので、ポインタPTの初期値は、該当欄の先頭行(START)に対して、START−Nに設定される。
また、演出可動体AMUの演出時には、実際の回転動作が開始されるまで、初期レベルの駆動データΦ1〜Φ4が回転モータMObに連続して供給されることで、回転部材ROTの水平姿勢が強固に維持される。
図11に示す通り、回転制御テーブルTBLは、演出可動体AMUの回転演出を具体的に特定するものであり、回転速度、回転方向、回転角度などを特定している。そして、回転制御テーブルTBLは、EOF(end of file)データで区切られて、演出可動体AMUの回転スピードSPDと、回転角度の上限値TMRと、回転態様(ステイタス)STSを特定している。
ここで、ステイタス値STSは、8ビット長であって、図9(e)に示す通り、停止状態を意味するQUT動作(quiet)と、スイッチ信号SNの立上り検出時まで回転を継続するPO_ED動作(positive edge)と、スイッチ信号SNの立下り検出時まで回転を継続するNG_ED動作(negative edge)と、スイッチ信号SNのON/OFF状態に拘わらず回転を継続するCONT動作(continuous)とが、ステイタス値STSの上位2ビットで特定されている。
また、ステイタス値STSの下位2ビットでは、停止状態を意味するSTP動作(Stop)と、順方向回転を意味するFR動作(Forward)と、逆方向回転を意味するRV動作(Reverse)とが特定されている。
例えば、演出可動体AMUを順方向に一回転させる場合、図11の第一行では、ステイタス値STSによってNG_ED動作とFR動作とが指示されている。また、スピード値SPDが12/2であり、タイマ上限値TMRが200であると特定されている。そのため、第一行は、(a)タイマ上限値TMR=200に至るまで、スピード値SPD=6で順方向に回転すること、但し、(b)その途中で、スイッチ信号SNが立下れば、そのタイミングで第一行の動作を終えることが規定されることになる。なお、スピード値SPDは、その値が大きいほど回転速度が遅くなる。
図11の第二行は、第一行に続く動作を規定しており、スイッチ信号SNのON/OFFに拘わらず、タイマ上限値TMR=10に至るまで、スピード値SPD=4で順方向に回転することを意味している。その後の動作も同様に解釈され、第三行では、(a)タイマ上限値TMR=400に至るまで、スピード値SPD=2で順方向に回転すること、但し、(b)その途中でスイッチ信号SNが立上れば、そのタイミングで第三行の動作を終えることが規定されている。なお、図5(c)に示す通り、この実施例では、回転部材ROTは、245ステップの駆動パルスΦ1〜Φ4を受けて一回転するので、上記した第三行の動作は、演出可動体AMUを、ほぼ一回転させて、原点付近に戻すことを意味している。
続く第四行では、スイッチ信号SNのON/OFFに拘わらず、タイマ上限値TMR=21に至るまで、スピード値SPD=2で順方向に回転することが規定されている。図5(b)に示す通り、この実施例では、原点位置を中心に、駆動パルス±21ステップの範囲で、スイッチ信号がON状態となるので、第四行の動作によって、演出可動体AMUを、初期状態の原点位置に位置決めすることになる。
続く第五行では、タイマ上限値TMR=250に至るまで、停止動作を継続することが規定されている。この停止動作では、回転モータMObに、同一レベルの駆動パルスΦ1〜Φ4が、所定時間(1秒間=4*250mS)継続して供給されるので、磁性体MG1,MG2による磁着力と相まって、演出可動体AMUを確実に水平姿勢に維持することができる。したがって、例えば、演出可動体AMUを急上昇させても、水平姿勢がずれることがない。
なお、第六行には、EOFデータが記憶されているので、それ以上の駆動動作は存在せず、第五行の動作後は、回転モータMObが非駆動状態を維持することになる。
以上の動作をまとめると、最初、原点スイッチORGがON状態の原点位置から低速(SPD=6)で順回転を開始し、その後、原点スイッチORGがOFF状態になると回転速度を少し速め(SPD=4)、少し順回転した後で、更に回転速度を速め(SPD=2)、その速度で、原点位置まで回転させることになる。図5(c)は、この関係を図示したものであり。原点位置HPから順回転して、スイッチ信号SNの立下りを検出した後、少しだけ、CONT動作(continuous)を実行する状態を示している。
以上、演出可動体AMUを順方向に一回転させる動作を説明したが、逆に、演出可動体AMUを逆方向に一回転させて、荷重トルクに逆らって原点位置に停止させる場合には、「CNT,RV」のステイタス値を有する「終了回転(過回転制御)」に特徴がある。
この場合にも、終了回転に先行する定常回転では、該当欄の第三行目において、(a)タイマ上限値TMR=400に至るまで、スピード値SPD=2で逆方向に回転させ、(b)その途中でスイッチ信号SNが立上れば、そのタイミングで定常回転を終えることが規定されている。なお、この点は、前記した順方向回転の場合と同じである。
しかし、続く第四行では、過回転制御を実行する終了回転について、スイッチ信号SNのON/OFFに拘わらず、タイマ上限値TMR=26に至るまで、スピード値SPD=2で逆方向に回転することが規定されている。図5(b)に示す通り、この実施例では、原点位置を中心に、駆動パルス±21ステップの範囲で、スイッチ信号がON状態となるので、本来は、タイマ上限値TMR=21とすれば、演出可動体AMUが、初期状態の原点位置に戻るはずである。
しかし、本実施例では、(a)目標位置たる原点位置が、水平線上に位置するため、特に、逆回転における終了回転においては、荷重トルクの影響を受けやすい。また、(b)始動回転時とは異なり、終了回転時には、回転部材ROTを、スピード値SPD=2で、比較的高速に回転させているので回転トルクが相対的に低い。更にまた、本実施例では、(c)回転モータMObと回転部材ROTとがギア結合されているので、バックラッシュの影響を受ける。
以上(a)〜(c)の問題を解消するため、回転部材ROTのステップ角が、本来の値(=360/245°)より不足する可能性を考慮して、本実施例では、タイマ上限値TMRを、21ではなく26に設定している。そのため、場合によっては、回転部材ROTが本来の原点位置を超えてオーバーランする可能性もある。
しかし、該当欄の第五行目に規定された駆動状態の停止動作の後には、ステッピングモータたる回転モータMObが非駆動状態となって自由回転可能となるので、磁性体MG1,MG2の磁着力によって、正確は原点位置に戻ることができる。なお、オーバーランが事実上解消できるのは、ギアに設けられているバックラッシュに基づくものであり、本実施例の回転部材ROTでは、回転方向に10°程度の遊びが設けられている。したがって、オーバーランの場合に限らず、回転角度が多少不足した場合でも、その不足分は、バックラッシュと磁性体の磁着力とによって解消することができる。
以上説明した終了回転については、「安定状態から角度αだけ順方向に回転し、所定の停止後、逆方向に回転して安定状態に戻る場合」にも採用されている(該当欄の第5行参照)。すなわち、図12(c)に図示した逆回転時において、過回転制御が実行されている。
なお、図11の回転制御テーブルTBLには、演出可動体AMUの回転演出動作が各種規定されているが、何れも、始動時には低速動作となっている。このように本実施例では、演出可動体AMUを低速度で始動回転させるので、高トルクで始動させることができ(図5(a)参照)、永久磁石の磁着力を強くして静止状態を安定化しても始動時に問題が生じない。
また、スイッチ信号が変化した後には、必ず、過渡動作や終了動作などとしてCONT動作を実行させるので、チャタリングの発生に拘わらず、誤動作することがない。
この点を説明するため、上記したCONT動作を設けることなく演出可動体を二回転させる場合を想定する。この場合には、例えば、回転制御テーブルTBLには、以下に示す(a)制御データ〜(e)制御データを記憶させることになる。(a)スイッチ信号が、ON状態からOFF状態に変化するまで、順方向に始動回転(21ステップ)→(b)スイッチ信号がON状態に変化するまで、順方向に定常回転→(c)スイッチ信号がOFF状態に変化するまで継続回転(42ステップ)→(d)スイッチ信号がON状態に変化するまで順方向に定常回転→(e)スイッチ信号ON状態で終了回転(21ステップ)。
しかし、チャタリングが発生すると、スイッチ信号SNがON→OFF→ON→OFF→ONと推移したと誤認されることで意図した回転が実現されないことがある。なお、この弊害は、図10の説明に関連して更に後述する。
図10は、図9(d)に示すモータ処理(ST23)を更に詳細に説明するフローチャートである。モータ処理では、先ず、モータ動作フラグFLGの値が1であるか判定され(ST31)、もしFLG=0ならそのまま処理を終える。なお、モータ動作フラグFLGは、回転演出開始時に、ステップST21の処理で1にセットされる。
そこで、モータ動作フラグFLG=1の場合には、回転時間変数TMRの値がゼロか否か判定される(ST32)。ここで、回転時間変数TMRは、ステップST34の処理において、回転制御テーブルTBLのタイマ上限値が設定された後、ステップST49の処理において、2mS毎に更新(デクリメント)される。
ステップST32の処理で、TMR=0と判定された場合には、回転制御テーブルTBLの該当行を指示するポインタPTの値を、正方向に更新する(ST33)。次に、ポインタPTが指示する回転制御テーブルTBLの該当行から必要なデータを読み出して、各変数を初期設定する(ST34)。具体的には、回転速度変数SPDにスピード値を設定し、回転時間変数TMRにタイマ上限値を設定し、ステイタス変数STSにステイタス値を設定する。
次に、回転速度変数SPDに設定された値がEOFデータであれば、モータ動作フラグFLGをゼロに設定すると共に、ドライバ回路45Bにクリアデータを出力して処理を終える(ST35,ST36)。その結果、回転モータMObは、非駆動状態となって停止トルクが消滅する。但し、本実施例では、水平姿勢の回転部材ROT及び固定部材FIXが、磁性体MG1,MG2によって磁着されているので、回転部材ROTの水平姿勢が崩れることはない。
一方、SPD≠EOFであれば、再度、回転速度変数SPDが判定され(ST37)、回転速度変数SPD=0であれば、ステイタス変数STSの下位2ビットの値が判定される(ST38)。ステイタス変数STSの下位2ビットによって、回転の有無と回転方向とが特定されるので(図9(e)、図10(b)参照)、特定された回転方向に対応して、回転モータMObに出力すべき駆動データΦ1〜Φ4を更新する(ST39,ST40)。なお、停止動作STPが指示されている場合には、駆動データΦ1〜Φ4の更新処理がスキップされる。
続いて、更新又は維持された駆動データΦ1〜Φ4の値を出力バッファに転送する(ST41)。また、回転制御テーブルTBLにおいて、ポインタPTが指示するスピード値を、回転速度変数SPDに初期設定する(ST42)。次に、回転速度変数SPDの値を−2する(ST43)。ここで、回転速度変数SPDを−2するのは、モータ処理が2mS毎に起動されるためである。
本実施例では、(a)回転速度変数SPDが2mS毎に−2され、(b)回転速度変数SPDがゼロになる毎に駆動データΦ1〜Φ4が更新されるので(ST37〜ST41)、回転速度変数SPDは、演出可動体AMUの回転速度を規定していることになる。
例えば、SPD=12/2に初期設定される始動動作では、12mSに一回、駆動データΦ1〜Φ4が更新される。そして、この実施例では、回転部材ROTのステップ角θが360/245°であるから、演出可動体AMUは、2.94秒(=12*245)で一回転する低速度で始動されることになる。この低速回転によって、高い駆動トルクが発揮されて、磁性体MG1,MG2の拘束から円滑に離脱できることは、先に説明した通りである。
このような意義を有する回転速度変数SPDについて、その更新処理が終われば(ST43)、ステイタス変数STSの上位2ビットが判定される(ST44)。この上位2ビットによって、停止状態を意味するQUT動作か、スイッチ信号SNの立上り検出時まで回転を継続するPO_ED動作か、スイッチ信号SNの立下り検出時まで回転を継続するNG_ED動作か、スイッチ信号SNのON/OFFに拘わらず回転するCONT動作かが特定される(図9(e)、図10(b)参照)。
そこで、立下りエッジを検出すべきNG_ED動作が指示されている場合には、原点スイッチORGのスイッチ信号SNを判定して(ST46)、OFF状態の場合には、回転時間変数TMRをゼロクリアする(ST48)。逆に、スイッチ信号SNがON状態の場合には、タイマ上限値に初期設定されている回転時間変数TMRをデクリメントする(ST49)。
また、立上りエッジを検出すべきPO_ED動作が指示されている場合には、原点スイッチORGのスイッチ信号SNを判定して(ST45)、ON状態の場合には、回転時間変数TMRをゼロクリアする(ST47)。逆に、スイッチ信号SNがOFF状態の場合には、タイマ上限値に初期設定されている回転時間変数TMRをデクリメントする(ST49)。なお、停止状態を意味するQUT動作や、無条件回転を意味するCONT動作が指示されている場合にも、停止時間や回転時間に初期設定されている回転時間変数TMRをデクリメントする(ST49)。
そして、ステップST41の処理で出力バッファに格納された駆動データΦ1〜Φ4が、ドライバ回路45Bに出力されることで駆動パルスが生成される。そして、更新された駆動パルスを受けた回転モータMObは、ステッピングモータのステップ角だけ回転し、回転モータMObにギア結合された回転部材ROTは、単位角度θ=360/245°だけ回転する。
ところで、ステップST47やステップST48の処理から明らかな通り、PO_ED動作やNG_ED動作では、十分に大きい数値を、回転時間変数TMRに初期設定すると共に、スイッチ信号SNのレベルが変化すると、そのタイミングで回転時間変数TMRをゼロクリアしている。そして、回転時間変数TMRがゼロになると、回転制御テーブルTBLの参照行が進行する(ST33)。そのため、立上りエッジや立下りエッジで、チャタリングが生じると、回転制御テーブルTBLの参照行が実行されることなくスキップされてしまうおそれがある。
しかし、本実施例では、エッジ検出後には、必ず、10ステップのCONT動作(無条件回転動作)を設けている。そのため、スイッチ信号SNのレベルに拘わらず、回転動作を継続させるので、例え、チャタリングが生じても、回転制御テーブルTBLの参照行がスキップされることはない。すなわち、エッジ検出後は、図11の「CONT,FR動作」や「CONT,RV動作」によって、過渡回転や終了回転を実行しているので、設計通りの回転動作を正しく実現することができる。
ここで、無条件回転動作(CONT)が短すぎると、チャタリングの影響を回避できない可能性がある。一方、無条件回転動作(CONT)が長すぎると、その後に検出すべき本来のエッジを読み落とすおそれがある。
この点を踏まえた本発明者の実験によれば、遊技機を如何に強く叩いても、±5°以上(駆動パルスでは±3.4ステップ分)は、原点センサORGがズレないことが確認された。そこで、CONT動作により回転させるべき演出可動体AMUの回転角度βは、10≦βとすべきであり、これをステップ数NUMに換算すると、7≦NUMとなるので、本実施例では、その後に検出すべき本来のエッジを読み落とすおそれがない範囲で、NUM=10又はそれ以上の値に設定している。
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、実施例では、演出制御部22において演出可動体AMUを回転駆動したが、この構成に代えて、演出インターフェイス基板や主制御基板において回転駆動してもよいのは勿論である。
また、実施例では、回転部材ROTを有する回転演出を例示したが、例えば、ラックとピニオンを使用して可動演出を実行するのも好適である。この場合には、ピニオンは回転モータMObによって回転駆動され、ピニオンに歯合するラックには可動体が連結される。そして、この可動体が移動することで可動演出が実行される。
なお、如何なる実施形態を採っても、可動演出を実行する遊技機は、弾球遊技機に限定されないのは勿論であり、スロットマシンなどにも本発明は好適に適用可能である。