JP4936030B2 - 磁気センサ - Google Patents

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Description

本発明は、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子を利用した磁気センサに関する。
近年、磁気抵抗効果素子(MR素子)を用いた電流センサが注目されている。このような電流センサは、DC磁界を検知できるため、ハイブリッド車のバッテリ制御などの幅広い分野に適用可能である。
本来、MR素子は、線形特性が優れず、また、外部磁界検知の有効感度範囲が狭いという特徴を有している。したがって、MR素子を磁気センサに適用する場合、特許文献1及び2に開示されているように、例えば、MR素子にバイアス磁界を印加することによって線形特性の良好な領域に動作点をシフトさせる必要があった。しかしながら、この技術によると、MR素子の出力などに制限が加わることから、設計の自由度が低減されてしまうという問題があった。
そこで、磁気センサの分野では、この問題を解決するものとして、磁気平衡方式が広く用いられている。磁気平衡方式とは、MR素子の周辺にコイルを設けておき、フィードバック制御によって、該コイルに外部磁界を相殺する測定用磁界を発生させるように電流を流し、この電流値から測定対象である外部磁界の強度を得る方式である(参考:特許文献3)。磁気平衡方式によれば、原理上、優れた線形特性と広い有効感度範囲とを確保することができるため、この方式は、ハイブリッド車のバッテリ監視など、高圧直流電流を計測する電流センサに好適である。
このように、MR素子は、磁気センサの分野への応用が期待されているが、ハードディスクの磁気ヘッドの発展に伴う高性能なスピンバルブ型MR素子の開発に至り、この期待はますます高まりをみせている。スピンバルブ型MR素子としては、巨大磁気抵抗効果を利用し、膜面内に電流が流れるCIP(Current In‐Plane)型GMR素子、膜面に対して垂直に電流を流すCPP(Current Perpendicular to Plane)型GMR素子、ならびに、膜面に対して垂直に電圧をかけて生ず
るトンネル効果で電流を流すTMR素子がある。
なかでも、TMR素子は、出力特性が格段に優れており、これを磁気センサの分野に応用することによって、システムのS/N比の改善や回路構成の簡易化などの効果が望まれている。
しかしながら、スピンバルブ型MR素子は、上述した線形特性が優れないだけでなく、保持力Hcが大きく、ヒステリシスの特性を有している。したがって、上記の磁気平衡方式を適用した場合、制御電流のオーバーシュートが発生すると、外部磁界を正常に測定することができなくなるという問題が存在する。すなわち、オーバーシュートによって、MR素子がひとたび磁化飽和に達すると、その履歴の影響によって、その後、ヒステリシス曲線上の本来とは異なるルート部分において磁界の検出処理が行われてしまうから、おおよそ保持力Hc分の磁界強度の測定誤差が発生するのである。
特開平10−319103号公報 特開平6−294853号公報 特開平11−64474号公報
本発明の課題は、ヒステリシスの影響を受けずに外部磁界を正常に検出しうる高性能な磁気センサを提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る磁気センサは、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子と、電圧検出部と、コイルと、電流制御部とを含む。
前記コイルは、電流が流れることによって前記スピンバルブ型磁気抵抗効果素子に測定用磁界を与える。前記電圧検出部は、前記スピンバルブ型磁気抵抗効果素子の出力電圧が所定の電圧値となったことを検出したとき、検出信号を前記電流制御部に出力する。
前記電流制御部は、前記測定用磁界の強度を初期値から一方的に増加、または一方的に減少させるように前記電流を制御して、前記検出信号が入力されたとき、前記測定用磁界の強度を前記初期値に戻すように前記電流を制御する。
まず、本発明に係る磁気センサは、スピンバルブ型MR素子を用いて外部の磁界を測定するから、上述したように測定性能を大幅に向上させ、小型化をはかることができる。
次に、本発明に係る磁気センサによると、コイルは、電流が流れることによってスピンバルブ型磁気抵抗効果素子に測定用磁界を与えるとともに、電流制御部は、この測定用磁界の強度を初期値から一方的に増加、または一方的に減少させるように電流を制御するから、測定対象の磁界を相殺し、あるいはその一部を打ち消すことができる。
そして、電圧検出部は、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子の出力電圧が所定の電圧値となったことを検出するから、上述した磁気平衡方式と同様に、このときのコイルの電流値に基づいて、測定対象の磁界の強度を算出することができる。
もっとも、上記の所定の電圧値は、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子の与えられた磁界
と出力電圧の関係に基づいて適当に決定される必要がある。好適には、所定の電圧値は、コイルから発生する磁界の強度が、測定対象の磁界の強度と等しくなった場合に検出される値とするのがよい。言い換えれば、所定の電圧値は、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子に与えられた磁界がない場合に検出される値とするのがよい。
本発明の特徴的な構成は、上記の初期値が、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子に飽和磁化を与える磁界の強度であり、電圧検出部が、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子の出力電圧が所定の電圧値となったことを検出すると、検出信号を電流制御部に出力し、電流制御部は、この検出信号が入力されると、磁界の強度を初期値に戻すようにコイルの電流を制御する点にある。そして、本願発明は、この点において、負帰還回路によるフィードバック制御を行う磁気平衡方式とは大きく異なる。
この特徴的な構成によると、測定が完了するたびに、与えられる磁界の強度が初期値に戻されるとともに、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子が磁化飽和されるから、電流制御の動作点は、常に、ヒステリシス曲線の線形性を有するルート部分のうち、一定のルート部分で行われることになる。このため、仮に、何らかの原因でコイルに流れる電流がオーバーシュートし、本来とは異なるルート部分において磁界の検出が行われたとしても、その次の測定では、本来のルート部分において行われる。
したがって、本発明に係る磁気センサによれば、磁気抵抗効果素子の出力電圧と与えられる磁界の強度を、ヒステリシスの影響を受けることなく、1対1の対応関係として、外部磁界を測定することができる。
以上述べたように、本発明によれば、ヒステリシスの影響を受けずに外部磁界を正常に検出しうる高性能な磁気センサを提供することができる。
本発明に係る磁気センサの回路図である。 MR素子回路の変形例を示す回路図である。 MR素子回路の他の変形例を示す回路図である。 電流制御方法を示すスピンバルブ型磁気抵抗効果素子のヒステリシス曲線である。 電流制御方法を示す時間−磁界強度のグラフである。 他の実施形態に係る電流制御方法を示すスピンバルブ型磁気抵抗効果素子のヒステリシス曲線である。 他の実施形態に係る電流制御方法を示す時間−磁界強度のグラフである。
図1は、本発明に係る磁気センサの回路図である。磁気センサは、磁気抵抗効果素子回路1(以下、MR素子回路1)と、分圧用抵抗21,22と、電圧検出部3と、電流制御部4と、発振器5と、サンプリングホールド回路(S/H)6と、演算回路7と、コイル8とを含む。
この回路は、上記の磁気平衡方式のように、電流制御部4によりコイル8に流れる電流Iを制御して、これにより発生する測定用のコイル磁界HによってMR素子回路1の周囲の被測定磁界Hoを相殺し、このときの電流値Ioに基づいて被測定磁界Hoの強度を検出するものである。最初に回路の各構成とその作用を説明し、次に電流制御の詳細を説明する。
MR素子回路1は、直列接続された2個のMR素子11,12を備え、一方のMR素子11の端子が電源Vccに接続されるとともに他方のMR素子12の端子が接地されている。MR素子11,12は、それぞれ、TMR素子やGMR素子などの2端子のスピンバルブ型MR素子であって、これらのピンド層の磁化方向は互いに180度異なっている。
そして、その出力電圧Vは、MR素子11,12同士の接続点から電圧検出部3に入力される。つまり、MR素子回路1は、MR素子11,12のハーフブリッジ回路を有しているのである。もっとも、このような回路構成に限らず、例えば図2に示されるように、グランド側のMR素子12に代えて抵抗器13を設けてもよいし、あるいは、図3に示されるように、電源Vcc側のMR素子11に代えて抵抗器14を設けてもよい。さらには、フルブリッジ回路も適用可能であるのはいうまでもない。
MR素子回路1は、外部の被測定磁界Hoに曝される検出ヘッド部に設けられている。周知の通り、MR素子11,12は、与えられる磁界によって抵抗値が変化する性質を有しているから、電圧検出部3に出力される出力電圧Vは、周囲の磁界の強度、すなわち被測定磁界Hoコイル磁界Hの合成磁界に応じた電圧値となる。
電圧検出部3は、MR素子回路1の出力電圧値Vと基準電圧値Vrefを比較することによって、出力電圧値Vが基準電圧値Vrefになったことを検出する。基準電圧値Vrefは、電源Vccとグランドの間で直列接続された分圧抵抗21,22によって電圧検出部3の(−)端子に与えられ、(+)端子に与えられた出力電圧値Vと比較される。
電圧検出部3の機能は、端的には、コイル磁界H被測定磁界Hoを相殺したことを検出して、検出信号Sを出力することである。したがって、基準電圧値Vrefは、コイル磁界Hの強度が、被測定磁界Hoの強度と等しくなった場合に検出される値、すなわち、MR素子11,12に与えられた磁界がない場合に検出される値に予め設定すればよい。
もっとも、これは、被測定磁界Hoコイル磁界Hによって相殺する方式を採用した場合であって、コイル磁界Hの強度を所定値だけオフセットさせて測定を行う場合においては、コイル磁界H被測定磁界Hoの一部のみを打ち消せばよいので、この限りではない。この場合は、当該オフセット値に基づいて基準電圧値Vrefを設定する必要がある。なお、基準電圧値Vrefは、上記の分圧抵抗21,22に代えて、所定量の電荷が充電されたコンデンサから電圧検出部3に与えてもよい。
また、電圧検出部3としては、このような比較器、つまりコンパレータに限定されず、例えばトランジスタ回路を採用してもよい。
電圧検出部3は、出力電圧値Vが、基準電圧値Vrefと等しくなるか、それより大きくなったとき、検出信号Sを電流制御部4とサンプルホールド回路6とに出力する。つまり、電圧検出部3は、被測定磁界Hoを検出すると検出信号Sを出力するのである。
電流制御部4は、カウンタ回路41と、デジタルアナログ変換部42と、コイルドライバ43とを含む。
カウンタ回路41は、多段接続されたフリップフロップで構成され、発振器5から入力されるパルス信号CLKに従って一定時間ごとに増加、または減少するカウンタ値N(=最小値0〜最大値Nmax)をデジタルアナログ変換部42に出力する。カウンタ回路41は、検出信号Sが入力されると、カウンタ値Nを0、またはNmaxにリセットする。
発振器5としては、例えば水晶発振器を採用することができ、その発振周波数は、回路
の測定処理時間に影響するから、目標とする測定性能に基づいて決定される。
デジタルアナログ変換部42は、トランジスタや増幅器などから構成され、デジタル信号であるカウンタ値Nをアナログ信号である電圧値Eに変換して抵抗制御器43に出力する。
コイルドライバ43は、入力される電圧値Eに応じて、コイル8に流れる電流Iの電流値を制御する。つまり、コイルドライバ43は、電流Iを、カウンタ値Nに応じた電流値に制御するのである。コイルドライバ43としては、電流制御LSIなどを採用することができる。
コイル8は、コイルドライバ43とグランドの間に接続されている。コイル8は、MR素子回路1の周囲に配置されて、電流Iが流れることによってMR素子11,12にコイル磁界Hを与える。ここで、コイル8の巻数nは、コイル磁界Hの強度に影響するため、目標とする測定性能に基づいて決定される。
また、サンプルホールド回路6は、検出信号Sが入力されると、コイルドライバ43から制御電流値Ioを取得して保持する。制御電流値Ioは、コイル磁界H被測定磁界Hoを相殺したときの電流Iの電流値である。サンプルホールド回路6は、フリップフロップを含むラッチ回路などから構成される。
演算回路7は、演算処理が実行可能な演算増幅器やCPUを含む回路であって、サンプルホールド回路6から周期的に制御電流値Ioを取得し、この電流値Ioに基づいて被測定磁界Hoの強度を算出する。ここで、磁界Hoの強度は、一般的に、コイル8の巻数nと電流値Iの乗算から算出される。
次に、電流制御部4の電流制御について説明する。図4は、電流制御方法が示されたMR素子11,12のヒステリシス曲線である。
このヒステリシス曲線のうち、正面視で図中右方向に向かう矢印が付された曲線部を第1のルート部分R1とし、正面視で図中左方向に向かう矢印が付された曲線部を第2のルート部分R2として定義する。本実施形態では、電流制御の動作点は、第1のルート部分R1にあるものとする。
電流制御部4は、コイル磁界Hの強度を初期値Hsから一方的に増加させるようにコイル8の電流Iを制御する。つまり、コイルドライバ43は、カウンタ値Nの増加、または減少に伴って電流Iが増加するように制御する。電流Iの電流値、つまりコイル磁界Hの強度は、カウンタ値Nの増加、または減少に対して一次関数的に増加してもよいし、二次関数的に増加してもよい。なお、このように電流を一方的に増加させる方法は、従来のフィードバック制御方式において電流を増減させる方法とは異なっている。
この制御の様子は、図中、ヒステリシス曲線に付された起点P0から検出点Poに至る経路a1として表されている。検出点Poでは、コイル磁界H被測定磁界Hoを相殺し、これにより出力電圧Vが基準電圧Vref以上となるため、電圧検出部3から検出信号Sが出力される。
そして、電流制御部4は、検出信号Sが入力されたとき、コイル磁界Hの強度を初期値Hsに戻すように電流を制御する。つまり、コイルドライバ43は、検出信号Sによってカウンタ値Nが0、またはNmaxにリセットされると、コイル8の電流Iの電流値を初期値Hsに戻す。この制御の様子は、例えば、図中、ヒステリシス曲線に付された検出点
Poから起点P0に至る経路a2として表されている。
一方、仮にコイル8の電流Iが、ノイズなどの原因によってオーバーシュートして、ヒステリシス曲線における電流制御の動作点が、いったん飽和点P1に到達してしまった場合、周知のヒステリシスの特性のため、本来とは異なる第2のルート部分R2に移行してしまう。この場合、上述したように、検出点Poと同じ磁束密度Boとなる誤検出点Pxにおいて検出信号Sが出力され、誤った磁界の強度Hxに基づいて被測定磁界Hoを検出してしまう可能性がある。この様子は、図中のヒステリシス曲線に付された飽和点P1から誤検出点Pxに至る経路b1として表されている。
そして、電流制御部4は、やはり、検出信号Sが入力されたとき、コイル磁界Hの強度を初期値Hsに戻すように電流を制御する。この制御の様子は、図中、ヒステリシス曲線に付された誤検出点Pxから起点P0に至る経路b2として表されている。
そこで、本発明に係る磁気センサでは、上記の初期値Hsが、MR素子11,12に飽和磁化を与える磁界の強度に設定されている。このため、いったん検出信号Sが出力されると、ヒステリシス曲線における動作点が、正常な経路a1を辿るか、異常な経路b1を辿るかに関わらず、常に、MR素子11,12が磁化飽和されることになる。したがって、その次の測定では、必ず、動作点が本来の第1のルート部分R1にあることになるのである。
これは、被測定磁界Hoが存在しない場合であっても、コイル磁界Hが約0(Oe)となるようにコイル8の電流Iが約0(A)に制御されて、検出信号Sが出力されるから、同様である。もっとも、仮に何らかの原因で検出信号Sが出力されなかった場合に備えて、電流制御部4は、所定の時間内に検出信号Sが出力されなければ、コイル磁界Hが初期値Hsに戻るように、カウンタ値Nを自己リセットしてもよい。
図5は、上述した電流制御の様子を時間−磁界強度のグラフに表したものである。ここで、実線はコイル磁界Hの強度を、点線は被測定磁界Hoの強度をそれぞれ表し、黒丸は磁界の検出点を表している。図示されるように、コイル磁界Hは、時間t1〜t10の各々において初期値Hsにリセットされ、全体として鋸波形となっている。
これまで述べた電流制御は、ヒステリシス曲線における動作点を、他方の第2のルート部分R2においた場合であっても同様である。図6は、この場合における電流制御方法が示されたMR素子のヒステリシス曲線である。
電流制御部4は、コイル磁界Hの強度を初期値Hsから一方的に減少させるようにコイル8の電流Iを制御する。つまり、コイルドライバ43は、カウンタ値Nの増加、または減少に伴って電流Iが減少するように制御する。この制御の様子は、図中、ヒステリシス曲線に付された起点P0から検出点Poに至る経路c1として表されている。
そして、電流制御部4は、検出信号Sが入力されたとき、コイル磁界Hの強度を初期値Hsに戻すように電流を制御する。つまり、コイルドライバ43は、検出信号Sによってカウンタ値Nが0、またはNmaxにリセットされると、コイル8の電流Iの電流値を初期値に戻す。この制御の様子は、例えば、図中、ヒステリシス曲線に付された検出点Poから起点P0に至る経路c2として表されている。
一方、仮に動作点がいったんヒステリシス曲線で飽和点P1に到達してしまった場合、本来とは異なる第1のルート部分R1に移行してしまうが、上述したように、最終的には検出信号Sが入力されることによって、コイル磁界Hの強度は初期値Hsとなる。この様
子は、図中のヒステリシス曲線に付された飽和点P1から誤検出点Pxに至る経路d1と、誤検出点Pxから起点P0に至る経路d2として表されている。
ここで、上記の初期値Hsは、やはり、MR素子11,12に飽和磁化を与える磁界の強度に設定されているため、上記と同様の効果が得られる。
図7は、図5と同様に、この電流制御の様子を時間−磁界強度のグラフに表したものである。図示されるように、コイル磁界Hは、この場合も全体として鋸波形となっている。
最後に本発明から得られる効果について述べると、まず、本発明に係る磁気センサは、スピンバルブ型MR素子11,12を用いて被測定磁界Hoを測定するから、上述したように測定性能を大幅に向上させ、小型化をはかることができる。
次に、本発明に係る磁気センサによると、コイル8は、電流Iが流れることによってスピンバルブ型磁気抵抗効果素子1にコイル磁界Hを与えるとともに、電流制御部4は、このコイル磁界Hの強度を初期値から一方的に増加、または一方的に減少させるように電流Iを制御するから、被測定磁界Hoを相殺し、あるいはその一部を打ち消すことができる。
そして、電圧検出部3は、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子11,12の出力電圧Vが所定の電圧値Vrefとなったことを検出するから、上述した磁気平衡方式と同様に、このときのコイルの電流値Ioに基づいて、被測定磁界Hoの強度を算出することができる。
もっとも、上記の所定の電圧値Vrefは、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子11,12の与えられた磁界と出力電圧の関係に基づいて適当に決定される必要がある。好適には、所定の電圧値は、コイルから発生するコイル磁界Hの強度が、被測定磁界Hoの強度と等しくなった場合に検出される値とするのがよい。言い換えれば、所定の電圧値Vrefは、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子11,12に与えられた磁界がない場合に検出される値とするのがよい。
本発明の特徴的な構成は、上記の初期値Hsが、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子11,12に飽和磁化を与える磁界の強度であり、電圧検出部3が、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子11,12の出力電圧が所定の電圧値Vrefとなったことを検出すると、検出信号Sを電流制御部4に出力し、電流制御部4は、この検出信号Sが入力されると、コイル磁界Hの強度を初期値Hsに戻すようにコイルの電流Iを制御する点にある。そして、本願発明は、この点において、負帰還回路によるフィードバック制御を行う磁気平衡方式とは大きく異なる。
この特徴的な構成によると、測定が完了するたびに、与えられるコイル磁界Hの強度が初期値Hsに戻されるとともに、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子11,12が磁化飽和されるから、電流制御の動作点は、常に、ヒステリシス曲線の線形性を有するルート部分R1,R2のうち、一定のルート部分で行われることになる。このため、仮に、何らかの原因でコイルに流れる電流Iがオーバーシュートし、本来とは異なるルート部分R1,R2において被測定磁界Hoの検出が行われたとしても、その次の測定では、本来のルート部分R1,R2において行われる。
したがって、本発明に係る磁気センサによれば、磁気抵抗効果素子11,12の出力電圧Vと与えられるコイル磁界Hの強度を、ヒステリシスの影響を受けることなく、1対1の対応関係として、被測定磁界Hoを測定することができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
11,12 MR素子
3 電圧検出部
4 電流制御部
41 カウンタ回路
8 コイル
I 電流
V 出力電圧
Vref 基準電圧
S 検出信号
コイル磁界
Ho 被測定磁界
CLK パルス信号

Claims (6)

  1. スピンバルブ型磁気抵抗効果素子と、電圧検出部と、コイルと、電流制御部とを含む磁気センサであって、
    前記コイルは、電流が流れることによって前記スピンバルブ型磁気抵抗効果素子に測定用磁界を与え、
    前記電圧検出部は、前記スピンバルブ型磁気抵抗効果素子の出力電圧が所定の電圧値となったことを検出したとき、検出信号を前記電流制御部に出力し、
    前記電流制御部は、前記測定用磁界の強度を初期値から一方的に増加、または一方的に減少させるように前記電流を制御して、前記検出信号が入力されたとき、前記測定用磁界の強度を前記初期値に戻すように前記電流を制御し、
    前記初期値は、前記スピンバルブ型磁気抵抗効果素子に飽和磁化を与える磁界の強度である、
    磁気センサ。
  2. 請求項1に記載された磁気センサであって、
    前記所定の電圧値は、前記測定用磁界の強度が、測定対象の磁界の強度と等しくなった場合に検出される値である、
    磁気センサ。
  3. 請求項1に記載された磁気センサであって、
    前記所定の電圧値は、前記スピンバルブ型磁気抵抗効果素子に与えられた磁界がない場合に検出される値である、
    磁気センサ。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載された磁気センサであって、
    前記電流制御部は、
    パルス信号の入力に従って増加、または減少するカウンタ値を出力するカウンタ回路を含み、
    前記電流を、前記カウンタ値に応じた電流値に制御し、
    前記検出信号が入力されると、前記カウンタ値をリセットする、
    磁気センサ。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載された磁気センサであって、
    前記電圧検出部は、前記出力電圧と前記所定の電圧値を比較することによって、前記出力電圧が前記所定の電圧値になったことを検出する、
    磁気センサ。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載された磁気センサであって、
    前記検出信号が前記電流制御に入力されたときの前記電流の電流値に基づいて測定対象の磁界の強度を算出する演算回路を含む、
    磁気センサ。
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