JP4935403B2 - 冷媒流量制御装置 - Google Patents

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本発明は、開度に応じて蒸発器に流入する冷媒量を制御する電子膨張弁と、冷媒が蒸発器を通過するよう配設した管路に、蒸発器の入口部からの距離が互いに異なるよう配設した第1温度センサおよび第2温度センサと、第1温度センサで検知した冷媒の温度と、第2温度センサで検知した冷媒の温度との温度差が、予め設定した下限閾値よりも小さい場合には電子膨張弁の開度を縮小し、温度差が、予め設定した上限閾値よりも大きい場合には電子膨張弁の開度を拡大する弁開度調節手段とを備える冷媒流量制御装置に関するものである。
例えば、商品を冷却した状態で陳列販売するショーケースにおいては、収容庫の内部に蒸発器が設けられ、かつ収容庫の外部に圧縮機、凝縮器、および電子膨張弁が設けられており、これら蒸発器、圧縮機、凝縮器および電子膨張弁に冷媒を供給循環することによって冷凍サイクルを構成し、この冷凍サイクルで収容庫の内部を所定の温度状態に維持するようにしている。
この種のショーケースにおいては、例えば蒸発器における冷媒の出口部に第2冷媒温度センサ(第2温度センサ)が設けられ、かつ蒸発器における冷媒の入口部に第1冷媒温度センサ(第1温度センサ)が設けられている。
そして、このショーケースでは、それらの冷媒温度センサの検知結果に応じて電子膨張弁で蒸発器に流入する冷媒量を制御することによって、冷却効率が低下することを防止するとともに、蒸発器の出口部から液体の冷媒と気体の冷媒とが混合したものが吐出されて圧縮機に入る、いわゆる液バックと呼ばれる現象が発生するのを防止するようにしている。
具体的には、第2冷媒温度センサによって検知した第2温度から、第1冷媒温度センサによって検知した第1温度を差し引いた温度差に応じて以下に記載するよう電子膨張弁の開度を変更する。
予め設定した下限閾値である1[K]より温度差が小さい場合には、電子膨張弁の開度を縮小することで上記温度差を大きくし、液バックが発生することに起因した圧縮機の破損を防止することができる。
一方、予め設定した上限閾値である5[K]より温度差が大きい場合には、電子膨張弁の開度を拡大することで上記温度差を小さくし、冷却効率を向上させることができる。
また、温度差が、下限閾値以上であって上限閾値以下である場合には電子膨張弁の開度を維持していた(例えば、特願2006−179966参照)。
ところで、上述したように、2つの冷媒温度センサの検知結果に基づいて電子膨張弁の開度を縮小したり、拡大したりすることで冷凍サイクルの運転を行っていたとしても、下限閾値と上限閾値とによって決定される設定温度差領域の幅が、季節に応じた負荷の変動、および蒸発器の着霜の状態等の現在の運転環境に合わない場合には、以下に記載する問題が発生することとなる。
先ず、現在の運転環境に対して、設定温度差領域の幅が狭い場合を説明する。例えば、上記冷凍サイクルにおいて、現在の温度差が上限閾値を上回った場合、ショーケースは、現在の温度差が過大であると判断して電子膨張弁の開度を拡大する。
電子膨張弁の開度を拡大することによって温度差が小さくなり、やがて、温度差は、設定温度差領域内となるが、設定温度差領域の幅が狭いためにそこに留まらず、下限閾値を下回ることとなる。
この状態になるとショーケースは、液バックと判断し、電子膨張弁の開度を縮小する。電子膨張弁の開度を縮小することによって温度差が大きくなり、やがて、温度差は、設定温度差領域内となるが、設定温度差領域の幅が狭いためにそこに留まらず、上限閾値を上回ることとなる。
以下同様に、温度差が一方の設定温度差領域外から他方の設定温度差領域外となり、その後、他方の設定温度差領域外から一方の設定温度差領域外となることを繰り返す。
そして、温度差が一方の設定温度差領域外から他方の設定温度差領域外となる回数が多い状態でショーケースを運転した場合には、温度差が下限閾値を下回った状態となることに起因して圧縮機を破損する虞れが生じ、かつ温度差が上限閾値を上回った状態となることに起因して冷却効率が低下することとなり、省エネルギー運転に反することとなる。
一方、現在の運転環境に対して、設定温度差領域の幅が広い場合には、温度差が一方の設定温度差領域外から他方の設定温度差領域外となる回数が少なく、温度差が設定温度差領域内に留まる時間の割合が多い。しかしながら、温度差が設定温度差領域内に留まっていたとしても、上限閾値との差が小さい状態で温度差が維持された場合には、冷却効率が低下することとなる。
そこで、本発明は上記実情を鑑み、圧縮機が破損することを防止することができるとともに、定常的に冷却効率が低下することを防止することができる冷媒流量制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、開度に応じて蒸発器に流入する冷媒量を制御する電子膨張弁と、冷媒が前記蒸発器を通過するよう配設した管路に、前記蒸発器の入口部からの距離が互いに異なるよう配設した第1温度センサおよび第2温度センサと、前記第1温度センサで検知した冷媒の温度と、前記第2温度センサで検知した冷媒の温度との温度差が、予め設定した下限閾値よりも小さい場合には前記電子膨張弁の開度を縮小し、前記温度差が、予め設定した上限閾値よりも大きい場合には前記電子膨張弁の開度を拡大する弁開度調節手段と、予め設定した単位時間に、前記温度差が下限閾値を下回るハンチング回数をカウントし、そのカウントしたハンチング回数に応じて前記下限閾値と前記上限閾値とで決定される設定温度差領域の幅を変更する設定温度差領域変更手段とを備える冷媒流量制御装置であって、前記弁開度調節手段は、前記温度差が下限閾値を下回った場合、その後、前記温度差が上限閾値を上回っても、前記温度差が下限閾値を下回った時点から予め設定した規制時間を経過するまでは、前記電子膨張弁の開度の拡大を規制することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る冷媒流量制御装置は、上記請求項1において、前記設定温度差領域変更手段は、前記下限閾値を下回るハンチング回数が、予め設定したハンチング下限回数以下の場合、設定温度差領域の幅を狭くし、前記下限閾値を下回るハンチング回数が、予め設定したハンチング上限回数以上の場合、設定温度差領域の幅を広くし、かつ前記下限閾値を下回るハンチング回数が、予め設定したハンチング下限回数よりも多く、ハンチング上限回数よりも少ない場合、設定温度差領域の幅を維持するものであることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る冷媒流量制御装置は、上記請求項1において、前記第1温度センサは、前記蒸発器の入口部に位置し、かつ前記第2温度センサは、前記蒸発器の出口部に位置することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る冷媒流量制御装置は、上記請求項1において、前記第1温度センサは、前記蒸発器の入口部と出口部との間の中間部に位置し、かつ前記第2温度センサは、前記蒸発器の出口部に位置することを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る冷媒流量制御装置は、上記請求項において、冷媒が前記蒸発器を通過するように配設した管路に配設し、前記蒸発器の入口部に位置する第3温度センサを備え、前記弁開度調節手段は、前記第3温度センサで検知した冷媒の温度と、前記第1温度センサで検知した冷媒の温度との温度差が、前記中間部の下流側に蒸発完了点が位置するように設定した所定の閾値以上である場合、前記電子膨張弁の開度を拡大する一方、前記第3温度センサで検知した冷媒の温度と、前記第1温度センサで検知した冷媒の温度との温度差が、前記所定の閾値より小さい場合、前記第1温度センサで検知した冷媒の温度と、前記第2温度センサで検知した冷媒の温度との温度差に基づいて前記電子膨張弁の開度を調節することを特徴とする。
本願発明によれば、冷媒流量制御装置が、予め設定した単位時間に、温度差が下限閾値を下回るハンチング回数をカウントし、そのカウントしたハンチング回数に応じて下限閾値と上限閾値とで決定される設定温度差領域の幅を変更する設定温度差領域変更手段を備えるため、季節に応じた負荷の変動、および蒸発器の着霜の状態等の現在の運転環境が変化した場合でも設定温度差領域の幅を変えることができる。よって、現在の運転環境に比して設定温度差領域の幅が広い場合には、設定温度差領域変更手段で、その幅を狭くすることができるため、定常的に冷却効率が低下することを防止することができる。しかも、現在の運転環境に比して設定温度差領域の幅が狭い場合には、設定温度差領域変更手段で、その幅を広くすることができるため、液バックが発生することに起因して圧縮機が破損することを防止することができるとともに、冷却効率が低下することを防止することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る冷媒流量制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷媒流量制御装置を適用した冷却装置の構成を示す説明図である。ここで例示する冷却装置は、収容庫10の内部に収容した商品を冷却した状態で陳列販売するオープンショーケース11に適用するもので、オープンショーケース11の収容庫10に蒸発器12を備える一方、オープンショーケース11の外部に圧縮機15、凝縮器14、および電子膨張弁13を備えている。
これら蒸発器12、圧縮機15、凝縮器14、および電子膨張弁13は、それぞれの間が冷媒供給管路16によって接続してあり、冷媒が循環供給される冷凍サイクルを構成している。すなわち、この冷却装置では、圧縮機15から吐出された高温高圧のガス冷媒が凝縮器14において冷却されて高温高圧の液冷媒となる。この高温高圧の液冷媒は、電子膨張弁13により断熱膨張されて低温低圧の気液2相冷媒となり、収容庫10の蒸発器12に供給される。蒸発器12に供給された低温低圧の気液2相冷媒は、送風ファン17によって供給された収容庫10の空気と熱交換し、空気から吸熱することで低温低圧のガス冷媒となることにより収容庫10の冷却を行う。蒸発器12から吐出された低温低圧のガス冷媒は、圧縮機15に吸入され、再び高温高圧のガス冷媒となって凝縮器14に供給される。本実施形態では、電子膨張弁13として開度指令が与えられた場合にその開度指令に応じて開度を変更し、蒸発器12に流入する冷媒量を調節することのできるものを適用している。蒸発器12の内部には、冷媒が通過するよう管路12aを配設してある。
電子膨張弁13と蒸発器12とに接続した冷媒供給管路16における蒸発器12の入口部には、第1冷媒温度センサ(第1温度センサ)20が設置してある。この第1冷媒温度センサ20は、蒸発器12の入口部を通過する冷媒の温度を検知するものである。
蒸発器12と圧縮機15とに接続した冷媒供給管路16における蒸発器12の出口部には、第2冷媒温度センサ(第2温度センサ)21が設置してある。この第2冷媒温度センサ21は、蒸発器12の出口部を通過する冷媒の温度を検知するものである。
上述したように、この冷媒流量制御装置の蒸発器12では、管路12aの入口部から出口部までにおいて、入口部からの距離が互いに異なる態様で2つの冷媒温度センサ20,21が設置してある。しかも、第1冷媒温度センサ20は、第2冷媒温度センサ21に比して蒸発器12の入口部に近接している。
この冷媒流量制御装置は、制御手段19を備えている。制御手段19は、記憶手段25と、弁開度調節手段30とを備えている。
記憶手段25には、冷媒流量制御装置を運転するためのプログラムやデータが格納してある。また、この記憶手段25には、下限閾値および上限閾値が格納してある。この実施形態では、例えば下限閾値として1[K]が格納してあり、上限閾値の初期値として5[K]が格納してある。さらに、この記憶手段25には、後述するハンチング下限回数およびハンチング上限回数が格納してある。この実施形態1では、例えばハンチング下限回数として0回が格納してあり、ハンチング上限回数として3回が格納してある。また、この記憶手段25には、後述する単位時間を格納してある。この実施形態1では、例えば上記単位時間として5分が格納してある。
弁開度調節手段30は、例えば冷媒温度センサ20,21の検知結果に基づいて電子膨張弁13の開度を調節するもので、温度差測定部31、および弁開度設定部33を備えている。
温度差測定部31は、第2冷媒温度センサ21の検知した冷媒の温度(以下、「出口部冷媒温度T2」という)から、第1冷媒温度センサ20の検知した冷媒の温度(以下、「入口部冷媒温度T1」という)を差し引いた温度差Δt1を算出するものである。
弁開度設定部33は、上記温度差Δt1および記憶手段25に格納してあるデータに基づいて電子膨張弁13の開度を設定するものである。
このような冷却装置は、冷却効率を向上することを目的とし、温度差Δt1を可及的に小さくすることで蒸発器12を有効利用することができる。しかしながら、温度差Δt1が小さい状態が維持されると以下に説明する液バックが発生する虞れがある。
蒸発器12における冷媒の温度分布を示したグラフを図2に示す。図2に示すように、蒸発器12における冷媒の温度分布は、過熱蒸気部分及び気液2相部分において温度変化がそれぞれ小さく、過熱蒸気部分と気液2相部分との境界部(蒸発完了点)において急激に変化する特徴を有する。この蒸発完了点は、上記温度差Δt1が大きい場合には蒸発器12の入口部に近接する一方、上記温度差Δt1が小さい場合には蒸発器12の出口部に近接することとなる。
よって、電子膨張弁13の開度を拡げることで温度差Δt1を徐々に小さくした場合、図2(a)〜図2(c)に示すように、蒸発完了点が蒸発器12の出口部に徐々に近接する。さらに、図2(d)に示すように、温度差Δt1が0[K]となった状態が維持されると、蒸発器12の出口部から気体の冷媒と液体の冷媒とが混合したものが吐出されて圧縮機15に入る、いわゆる液バックとよばれる現象が発生する。この液バックという現象が発生すると圧縮機15を破損させる虞れある。一方、温度差Δt1が0[K]より大きい場合、液バックは発生しない。しかしながら、温度差Δt1が大きい値となった状態が維持されると、冷却装置の冷却効率が低下する。
従って、冷却装置では、液バックが発生することに起因して圧縮機を破損させないよう可及的に温度差Δt1が小さい状態で運転することで、省エネルギー運転を実現することができる。そこで、上記運転を実現するため、この発明に係る冷却装置では、弁開度調節手段30によって、以下に説明する電子膨張弁13の開度調節処理を行っている。
図3は、図1に示した弁開度調節手段30が実施する電子膨張弁13の開度調節処理の内容を示すフローチャートである。以下、図3を参照しながら、冷媒流量制御装置の動作について説明する。
冷却装置が運転状態にある場合、弁開度調節手段30は、例えばある一定時間毎に、冷媒温度センサ20,21を通じてそれぞれの冷媒の温度を検知し(ステップS101)、温度差測定部31を通じて算出した温度差Δt1が、予め設定した下限閾値L[K]以上であるか否かを判断する(ステップS102)。
温度差Δt1が下限閾値L[K]以上でない場合、すなわち温度差Δt1が下限閾値L[K]より小さい場合(ステップS102:No)、弁開度調節手段30は、電子膨張弁13の開度を縮小してから(ステップS103)、手順をリターンさせる。
電子膨張弁13の開度を縮小すると、温度差Δt1が大きくなる。この結果、温度差Δt1は、下限閾値L[K]を上回るよう推移することとなる。
一方、温度差Δt1が下限閾値L[K]以上の場合(ステップS102:Yes)、手順をステップS104に移行する。
次に、弁開度調節手段30では、温度差Δt1が、予め設定した上限閾値U[K]以下であるか否かを判断する(ステップS104)。
温度差Δt1が上限閾値U[K]以下でない場合、すなわち温度差Δt1が上限閾値Uより大きい場合(ステップS104:No)、弁開度調節手段30は、電子膨張弁13の開度を拡大してから(ステップS105)、手順をリターンさせる。
電子膨張弁13の開度を拡大すると、温度差Δt1が小さくなる。この結果、温度差Δt1は、上限閾値U[K]を下回るよう推移することとなる。
一方、温度差Δt1が上限閾値U[K]以下の場合(ステップS104:Yes)、手順をそのままリターンさせる。
この弁開度調節手段30が行う判断と、電子膨張弁13の開度調節処理とをまとめると、図4に示すようになる。すなわち、弁開度調節手段30は、温度差Δt1が、下限閾値L[K]より小さい場合には、液バックと判断して電子膨張弁13の開度を縮小し、温度差Δt1が、上限閾値U[K]より大きい場合には、温度差Δt1が過大であると判断して電子膨張弁13の開度を拡大し、かつ温度差Δt1が、下限閾値L[K]以上であり、かつ上限閾値U[K]以下の場合には、温度差Δt1が適正であると判断して電子膨張弁13の開度を維持する。よって、この冷媒流量制御装置によれば、弁開度調節手段30によって、温度差Δt1が下限閾値L[K]よりも小さい状態が維持されることを防止できるので、液バックが発生することに起因して圧縮機15が破損することを防止することができる。しかも、温度差Δt1が上限閾値U[K]よりも大きい状態が維持されることを防止できるので、冷却効率が低下することを防止することができる。
また、この冷媒流量制御装置の制御手段19は、下限閾値L[K]と上限閾値U[K]とによって決定される設定温度差領域Tの幅を変更する図1に示す設定温度差領域変更手段40を備えている。設定温度差領域変更手段40は、下限閾値下回り回数測定部42と、上限閾値設定部43とを備えている。
下限閾値下回り回数測定部42は、上述した単位時間の間に、温度差Δt1が下限閾値L[K]を下回る回数(以下、単位時間の間に下限閾値L[K]を下回る回数を「ハンチング回数N」という)をカウントするものである。
上限閾値設定部43は、下限閾値下回り回数測定部42でカウントしたハンチング回数Nに応じて、設定温度差領域Tの幅が適当であるか否かを判断し、カウントしたハンチング回数Nに応じて設定温度差領域Tの幅を変更するものである。
図5は、図1に示した設定温度差領域変更手段40が実施する設定温度差領域変更処理の内容を示すフローチャートである。以下、図5を参照しながら、冷媒流量制御装置の動作について説明する。
冷却装置が運転状態にある場合、設定温度差領域変更手段40は、例えば適宜の時間を経過する度毎に、下限閾値下回り回数測定部42によって、単位時間である5分間にハンチング回数Nをカウントし(ステップS201)、そのカウントしたハンチング回数Nが、予め設定したハンチング下限回数である0回より大きいか否かを判断する(ステップS202)。
ハンチング回数Nが0回より大きくない場合(ステップS202:No)、すなわち、ハンチング回数が0回である場合、設定温度差領域変更手段40は、設定温度差領域Tの幅が過大であると判断し、上限閾値設定部43により、現在の上限閾値Uから減算定数である1[K]を減算して新たな上限閾値Uを設定した後、手順をリターンさせる。例えば、上限閾値Uが初期値の5[K]である場合、その5[K]から1[K]を減算した4[K]が新たな上限閾値として設定される。
上限閾値U[K]に減算処理を行うことで、設定温度差領域Tの幅は小さくなり、冷却効率が低下することを防止することができる。
一方、ハンチング回数Nが0回よりも大きい場合(ステップS202:Yes)、設定温度差領域変更手段40は、手順をステップS204に移行する。
次に、設定温度差領域変更手段40では、ハンチング回数Nが、予め設定したハンチング上限回数である3回より大きいか否かを判断する(ステップS204)。
ハンチング回数Nが3回より大きくない場合、すなわち、ハンチング回数Nが1回または2回である場合(ステップS204:Yes)、設定温度差領域変更手段40は、設定温度差領域Tの幅が適正であると判断し、手順をそのままリターンさせる。
一方、設定温度差領域変更手段40は、ハンチング回数Nが、3回以上の場合(ステップS204:No)、設定温度差領域Tの幅が過小であると判断し、上限閾値設定部43により、現在の上限閾値Uから加算定数である1[K]を加算して新たな上限閾値Uを設定する。例えば、上限閾値Uが初期値の5[K]である場合、その5[K]に1[K]を加算した6[K]が新たな上限閾値Uとして設定される。
上限閾値U[K]に加算処理を行うことで、設定温度差領域Tの幅が大きくなる。よって、ハンチング回数Nが減少し、冷却装置を安定して運転することができる。
この設定温度差領域変更手段40が行う判断と、上限閾値設定部43が行う処理とをまとめると、図6に示すようになる。すなわち、設定温度差領域変更手段40は、ハンチング回数Nが、ハンチング下限回数である0回の場合には、設定温度差領域Tの幅が過大であると判断して、上限閾値設定部43で上限閾値Uの減算処理を行うことで設定温度差領域Tの幅を狭くし、ハンチング回数Nが、ハンチング上限回数である3回以上の場合には、設定温度差領域Tの幅が過小であると判断して、上限閾値設定部43で上限閾値Uの加算処理を行うことで設定温度差領域Tの幅を広くし、ハンチング回数Nが、ハンチング下限回数より大きく、かつハンチング上限回数より小さい場合には、設定温度差領域Tの幅が適正であると判断して、設定温度差領域Tの幅を維持する。
よって、この冷媒流量制御装置によれば、季節に応じた負荷の変動、および蒸発器12の着霜の状態等により現在の運転環境が変化したとしても、その環境の変化に応じて設定温度差領域変更手段40により設定温度差領域Tの幅を変えることができる。よって、定常的に冷却効率が低下することを防止することができるとともに、液バックが発生することに起因して圧縮機15が破損することを防止することができ、冷却装置を安定して運転することができる。
また、上述した実施の形態1には、設定温度差領域変更手段40によって、ハンチング回数に応じて任意に設定温度差領域Tの幅を変更するもので説明した。しかし、この発明は、それに限られず、例えば、上限閾値Uに加算処理を行うことを規制する最大上限閾値を設けても良い。
さらに、上述した実施の形態1には、ハンチング下限回数を0回と設定するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、ハンチング下限回数は、任意の回数に設定しても良い。
また、上述した実施の形態1には、ハンチング上限回数を3回と設定するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、ハンチング上限回数は、上記ハンチング下限回数と異なる回数であれば、任意の回数に設定しても良い。
さらに、上述した実施の形態1には、ハンチング回数をカウントする単位時間を5分と設定するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、単位時間は任意の時間に設定しても良い。
また、上述した実施の形態1には、温度差Δt1の下限閾値Lを1[K]と設定するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、温度差Δt1の下限閾値Lは、任意に設定しても良い。ただし、上述したように、温度差Δt1が0[K]となった状態が維持されると、液バックが発生する虞れが生じることから、下限閾値Lは、0[K]より大きい値で、可及的に小さいものが好ましい。
さらに、上述した実施の形態1には、温度差Δt1の上限閾値Uを5[K]と設定するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、温度差Δt1の上限閾値Uは、下限閾値Lよりも大きい値であれば任意に設定しても良い。ただし、上述したように、温度差Δt1が大きい場合には、冷却効率が低下するため、液バックが発生する虞れがない値で、可及的に小さいものが好ましい。
また、上述した実施の形態1には、上限閾値設定部43で行う加算処理の加算定数が1[K]であるもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、加算定数は1[K]に限られない。
さらに、上述した実施の形態1には、上限閾値設定部43で行う減算処理の減算定数が1[K]であるもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、減算定数は1[K]に限られない。
ところで、蒸発器12の入口部と出口部との間における管路12aでは、図7に示すように、管路12aにおいて発生する圧力損失により、下流側に向かうに従って管表面温度が低下する。よって、冷媒の温度も同様に低下することとなる。この冷媒の温度低下は、上記温度差Δt1に影響を及ぼすものであるが、上述したように制御を行った場合、圧力損失分ΔTを考慮できずに電子膨張弁13の開度が制御される。この結果、温度差Δt1が、設定温度差領域Tの範囲内となるよう電子膨張弁の開度を制御しても、実質的には圧力損失分ΔTだけ大きくなった温度差Δt1が基準となるため、冷却効率の向上を図る上で問題となる。
[実施の形態2]
そこで、冷却効率のさらなる向上を図った冷媒流量制御装置を以下に説明する。図8は、本発明の実施形態2の冷媒流量制御装置を適用した冷却装置の構成を示す説明図である。図8に示す冷却装置において、図1に示した冷却装置と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
冷媒流量制御装置が備える蒸発器12′は、中間冷媒温度センサ(第1温度センサ)22を備えている。
中間冷媒温度センサ22は、管路12aにおける入口部と出口部との間の中間部に設置してある。この中間冷媒温度センサ22は、中間部を通過する冷媒の温度を検知するものである。本実施形態2では、入口部よりも出口部に近接する位置に中間冷媒温度センサ22を配置してある。
冷媒流量制御装置が備える弁開度調節手段30′は、温度差測定部31′と弁開度設定部33とを備えている。
温度差測定部31′は、第2冷媒温度センサ21の検知した出口部冷媒温度T2から、中間冷媒温度センサ22の検知した冷媒の温度(以下、「中間部冷媒温度T3」という)を差し引いた温度差Δt2を算出するものである。
この冷媒流量制御装置が備える弁開度調節手段30′は、実施の形態1で説明した電子膨張弁13の開度調節処理において、温度差Δt1を温度差Δt2に代え、同様の開度調節処理を行っている。
従って、弁開度調節手段30′は、温度差Δt2が、下限閾値L[K]より小さい場合には、電子膨張弁13の開度を縮小し、温度差Δt2が、上限閾値U[K]より大きい場合には、電子膨張弁13の開度を拡大し、かつ温度差Δt2が、下限閾値L[K]以上であり上限閾値U[K]以下の場合には、電子膨張弁13の開度を維持する。
このように電子膨張弁13の開度調節処理を行えば、上述した効果を奏することに加え、管路12aの圧力損失の影響を受けることなく電子膨張弁13の開度を正確に制御することができる。
また、この冷媒流量制御装置が備える設定温度差領域変更手段40′は、実施の形態1で説明した設定温度差領域変更処理において、温度差Δt1を温度差Δt2に代え、同様の設定温度差領域変更処理を行っている。すなわち、設定温度差領域変更手段40′は、予め設定した単位時間の間に、温度差Δt2が下限閾値L[K]を下回るハンチング回数N′をカウントし、そのカウントしたハンチング回数N′に応じて設定温度差領域Tの幅を変更するものである。具体的には、設定温度差領域変更手段40は、単位時間の間に、温度差Δt2が下限閾値L[K]を下回るハンチング回数N′をカウントし、ハンチング回数N′が、ハンチング下限回数である0回以下の場合には、上限閾値設定部43で上限閾値Uの減算処理を行うことで設定温度差領域Tの幅を狭くし、ハンチング回数N′が、ハンチング上限回数である3回以上の場合には、上限閾値設定部43で上限閾値Uの加算処理を行うことで設定温度差領域Tの幅を広くし、ハンチング回数N′が、ハンチング下限回数より大きく、かつハンチング上限回数より小さい場合には、設定温度差領域Tの幅を維持している。
上述したように設定温度差領域変更手段40′によって設定温度差領域変更処理を行えば、上述した効果を奏することに加え、圧力損失の影響を受けることなく設定温度差領域Tの幅を正確に制御することができる。
なお、上述した実施の形態2に示した冷媒流量制御装置においても、実施の形態1と同様、種々の数値を任意の数値に変更しても同様の作用・効果を奏することができる。もちろん、実施の形態2で示した冷媒流量制御装置に、実施の形態1で説明した冷媒流量制御装置と同様の変更を適用しても良い。
また、上述した実施の形態2には、第2冷媒温度センサ21が蒸発器12′の出口部に位置し、かつ中間冷媒温度センサ22が蒸発器12′の中間部に位置するもので説明した。しかし、上記冷媒温度センサ21,22の位置は上記に限られず、蒸発器12′の入口部からの距離が互いに異なるように位置すれば良い。
また、上述した実施の形態2には、第2冷媒温度センサ21および中間冷媒温度センサ22の検知結果に基づいて、電子膨張弁13の弁開度調節処理を行うもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、それらの冷媒温度センサ21,22の検知結果に加え、第1冷媒温度センサ20の検知結果に基づき、電子膨張弁13の開度を変更しても良い。
そのような電子膨張弁13の開度の変更を行う冷媒流量制御装置の第1変形例を以下に説明する。図9は、その第1変形例の冷媒流量制御装置を適用した冷却装置の構成を示す説明図である。図9に示す冷却装置において、図1に示した冷却装置、および図8に示した冷却装置と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
この冷媒流量制御装置が有する記憶手段25′は、上記記憶手段25に比して、管路12aの中間部の下流側に蒸発完了点が位置するよう設定した蒸発閾値LLをさらに格納している。なお、本変形例では、例えば蒸発閾値LLとして0[K]を記憶手段25′に格納してあるものとして説明する。また、下限閾値Lの初期値として1[K]を記憶手段25′に格納してあり、上限閾値Uの初期値として4[K]を記憶手段25′に格納してあるものとして説明する。
この冷媒流量制御装置の弁開度調節手段30aは、第2温度差測定部35を備えている。第2温度差測定部35は、中間冷媒温度センサ22の検知した中間部冷媒温度T3から、第1冷媒温度センサ20の検知した入口部冷媒温度T1を差し引いた温度差Δt3を算出するものである。
この冷媒流量制御装置が備える弁開度調節手段30aは、上記温度差Δt2,Δt3に基づいて電子膨張弁13の開度を変更するものである。以下、図10を用いて、この弁開度調節手段30aが行う電子膨張弁13の開度調節処理を以下に説明する。
冷却装置が運転状態にある場合、弁開度調節手段30aは、所定の時間が経過する毎に、第1冷媒温度センサ20、第2冷媒温度センサ21、および中間冷媒温度センサ22を通じてそれぞれの冷媒温度T1,T2,T3を検知し(ステップS301)、第2温度差測定部35を通じて算出した温度差Δt3が予め設定した蒸発閾値LLである0[K]以上であるか否かを判断する(ステップS302)。
温度差Δt3が蒸発閾値LL以上である場合、(ステップS302:Yes)、弁開度調節手段30aは、電子膨張弁13の開度を拡大させる処理を実施し(ステップS303)、その後、温度差Δt3が蒸発閾値LL以下となるまで待機する。一方、温度差Δt3が蒸発閾値LL以上でない場合(ステップS302:No)、すなわち温度差Δt3がLLより小さい場合、弁開度調節手段30aは、そのまま手順をステップS304に移行させる。蒸発閾値LLを0[K]と設定してあるため、温度差Δt3がLL以上でない場合、すなわち、温度差Δt3がLLより小さい場合には、図11(b)〜(d)に示すように、蒸発完了点が、中間部よりも下流側の管路12aに位置する一方、温度差Δt3がLL以上である場合には、図11(a)に示すように、蒸発完了点が中間部よりも上流側に位置する。
上述したように電子膨張弁13の開度を拡大させる処理を実施することで、この冷媒流量制御装置は、常時、蒸発完了点が、中間部よりも下流側に位置するように制御している。
次に、弁開度調節手段30aは、温度差測定部31′を通じて算出した温度差Δt2が下限閾値L[K]より小さい場合(ステップS304:No)、電子膨張弁13の開度を縮小してから(ステップS305)、手順をリターンさせる。
電子膨張弁13の開度を縮小すると、温度差Δt2が大きくなる。この結果、温度差Δt2は、下限閾値L[K]を上回るよう推移することとなる。
一方、温度差Δt2が下限閾値L[K]以上の場合(ステップS304:Yes)、弁開度調節手段30aは、手順をステップS306に移行する。
次に、弁開度調節手段30aでは、温度差Δt2が、予め設定した上限閾値U[K]以下であるか否かを判断する(ステップS306)。
温度差Δt2が上限閾値U[K]より大きい場合(ステップS306:No)、弁開度調節手段30aは、電子膨張弁13の開度を拡大してから(ステップS307)、手順をリターンさせる。
電子膨張弁13の開度を拡大すると、温度差Δt2が小さくなる。この結果、温度差Δt2は、上限閾値U[K]を下回るよう推移することとなる。
一方、温度差Δt2が上限閾値U[K]以下の場合(ステップS306:Yes)、弁開度調節手段30aは、手順をそのままリターンさせる。
上述したように電子膨張弁13の開度を変更することで温度差Δt3を制御することにより、蒸発完了点が、中間部よりも下流側であって、かつ出口部よりも上流側に位置することとなる。このように制御することで、管路12aの圧力損失分ΔTの影響を受けずに、蒸発器12′を有効に利用することが可能となり、液バックが発生することに起因して圧縮機15が破損することを防止することができるとともに、冷却効率が低下することを確実に防止することができる。
ところで、実施の形態1で説明したように弁開度調節手段30で電子膨張弁13の開度調節処理を行ったとしても、温度差Δt1が下限閾値L[K]を下回り、その状態が維持された場合には、液バックが発生することとなる。液バックが発生した状態で、電子膨張弁13の開度を急激に縮小し、液バックを回避した直後は、蒸発完了点の位置が著しく不安定となる。
このように蒸発完了点の位置が不安定な状態で、設定温度差領域変更手段40で設定温度差領域Tの幅を変更した場合には、液バックの発生頻度が増加する虞れがある。例えば、図12に示すように、弁開度調節手段30によって、単に、温度差Δt1が下限閾値L[K]より小さい場合には電子膨張弁13の開度を縮小し、かつ温度差Δt1が上限閾値Uよりも大きい場合には電子膨張弁13の開度を拡大するだけでは、温度差Δt1が下限閾値L[K]を下回り、その状態が維持されることで液バックが発生してしまうと、蒸発完了点が安定せず、連続して液バックが発生することとなる。
そこで、上述した実施の形態2の冷媒流量制御装置において、弁開度調節手段30′,30aは、温度差Δt2が下限閾値L[K]を下回った場合、予め設定した例えば5分間である休止時間を経過するまで、電子膨張弁13の開度を拡大することを規制するように制御しても良い。なお、この休止時間は、記憶手段25′に格納する。
そして、上記規制時間を設定した冷媒流量制御装置によれば、下限閾値L[K]を下回った場合、電子膨張弁13の開度を縮小して液バックを回避し、液バックを回避してから一定の時間は、電子膨張弁13の開度の拡大を規制する。よって、液バックが発生する虞れがある状態で、電子膨張弁13の開度の拡大を行わないことで、温度差Δt2が低下することを防止することができる。従って、液バックの発生頻度が増加することを防止することができる。例えば、このような制御を行えば、図13に示すように、液バックの発生頻度が増加することを防止することができる。なお、図12および図13において、細線は、電子膨張弁の開度の大きさを示し、太線は、液バックの有無を示し、破線は、上限閾値Uを示している。
なお、上述した実施の形態2には、休止時間を5分間とするもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、各冷媒流量制御装置における蒸発完了点が安定するまでの時間に適宜変更しても良い。
また、実施の形態1で説明した弁開度調節手段30に規制時間を設定しても、同様の作用・効果を奏することができる。
ところで、上述した冷媒流量制御装置の第2変形例を説明する。この冷媒流量制御装置は、第2冷媒温度センサ21の検知した出口部冷媒温度T2から、中間冷媒温度センサ22の検知した中間部冷媒温度T3を差し引いた温度差Δt2を算出する温度差測定部31′と、中間冷媒温度センサ22の検知した中間部冷媒温度T3から、第1冷媒温度センサ20の検知した入口部冷媒温度T1を差し引いた温度差Δt3を算出する第2温度差測定部35とを備えている。
また、この冷媒流量制御装置が備える弁開度調節手段は、温度差Δt3が上限閾値U[K]以上であれば、温度差Δt3が過大と判断して電子膨張弁13の開度を拡大し、温度差Δt3が上限閾値U[K]以下で、かつ温度差Δt2が下限閾値L[K]以上の場合、温度差Δt3,Δt2が適当であると判断して電子膨張弁13の開度を維持し、温度差Δt3が上限閾値U[K]以下で、かつ温度差Δt2が下限閾値L[K]以下の場合、液バックと判断して電子膨張弁13の開度を縮小する。
この冷媒流量制御装置によれば、蒸発器12の管路12aが比較的長くても、圧力損失の影響を受けず、液バックの発生の有無を正確に判断することができる。
ところで、上述した第2実施形態の冷媒流量制御装置の第3変形例を説明する。この
冷媒流量制御装置は、上述した第1変形例と同様に、温度差Δt2が下限閾値L[K]を下回った場合、規制時間を経過するまでは、電子膨張弁の開度の拡大を規制するものである。
この冷媒流量制御装置は、予め設定した第2単位時間(例えば10分間)内に温度差Δt2が下限閾値L[K]を下回ったことがある状態で、温度差Δt2が上限閾値U[K]を上回っている場合には、設定温度差領域変更手段が、設定温度差領域Tの幅が狭いと判断し、上限閾値U[K]に加算定数である1を加算処理することで設定温度差領域Tの幅を大きくするとともに、弁開度調節手段30aが電子膨張弁13の開度を維持する。
このように設定温度差領域の幅を大きくすることで、温度差Δt2が下限閾値L[K]を下回る可能性を小さくすることができる。従って、液バックが発生する危険性を低減することができる。
また、この冷媒流量制御装置は、予め設定した第2単位時間内に温度差Δt2が下限閾値L[K]を下回ったことがある状態で、温度差Δt2が下限閾値L[K]を上回り、かつ上限閾値U[K]を下回っている場合には、設定温度差領域変更手段が、設定温度差領域Tの幅が適当であると判断し、上限閾値U[K]の大きさを維持する。
一方、この冷媒流量制御装置は、予め設定した第2単位時間に、温度差Δt2が下限閾値L[K]を上回っている状態を維持したとき、換言すれば、予め設定した第2単位時間に、温度差Δt2が下限閾値L[K]を下回ることが1度もなく、かつ温度差Δt2が下限閾値L[K]を上回り、かつ上限閾値U[K]を下回っている状態が維持されたときには、設定温度差領域変更手段が、設定温度差領域Tの幅が過大であると判断し、上限閾値U[K]から減算定数である1を減算処理することで設定温度差領域Tの幅を狭くする。設定温度差領域Tの幅を狭くすることで、省エネルギー運転を実現することができる。
ただし、上限閾値U[K]を小さく設定した場合、ハンチングを発生させる虞れがあるため、弁開度調節手段30aは、温度差Δt2に最小下限値を設定し、この最小下限値を温度差Δt2が下回ることを規制している。
本発明の実施の形態1である冷媒流量制御装置を適用した冷却装置の構成を示す説明図である。 図1に示した冷却装置の蒸発器における冷媒の温度分布を示すグラフである。 図1に示した冷媒流量制御装置が備える弁開度調節手段が実施する開度調節処理の内容を示すフローチャートである。 図1に示した冷媒流量制御装置によって電子膨張弁の開度を調節した場合において、弁開度調節手段が行う温度差Δt1の判断と、その判断により行う制御との関係を示す図表である。 図1に示した冷媒流量制御装置が備える設定温度差領域変更手段が実施する設定温度差領域変更処理の内容を示すフローチャートである。 図1に示した冷媒流量制御装置によって設定温度差領域変更処理を実施した場合において、設定温度差領域変更手段が行う設定温度差領域の幅の判断と、その判断により行う制御との関係を示す図表である。 図1に示した冷却装置が備える蒸発器における冷媒の温度分布を示したグラフである。 本発明の実施の形態2である冷媒流量制御装置を適用した冷却装置の構成を示す説明図である。 図8に示した冷却装置の変形例の構成を示す説明図である。 図9に示した冷媒流量制御装置が備える弁開度調節手段が実施する開度調節処理の内容を示すフローチャートである。 図10に示した冷却装置が備える蒸発器における冷媒の温度分布を示したグラフである。 実施の形態1で示した冷却装置において、電子膨張弁の開度の大きさと時間との関係、液バックの有無と時間との関係、および上限閾値と時間との関係を示すグラフである。 実施の形態2で示した冷却装置において、電子膨張弁の開度の大きさと時間との関係、液バックの有無と時間との関係、および上限閾値と時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 収容庫
11 オープンショーケース
12 蒸発器
12a 管路
13 電子膨張弁
14 凝縮器
15 圧縮機
16 冷媒供給管路
17 送風ファン
19 制御手段
20 第1冷媒温度センサ(第1温度センサ)
21 第2冷媒温度センサ(第2温度センサ)
22 中間冷媒温度センサ(第1温度センサ)
25 記憶手段
25′ 記憶手段
30 弁開度調節手段
30′ 弁開度調節手段
30a 弁開度調節手段
31 温度差測定部
31′ 温度差測定部
33 弁開度設定部
35 第2温度差測定部
40 設定温度差領域変更手段
40′ 設定温度差領域変更手段
42 下限閾値下回り回数測定部
43 上限閾値設定部
L 下限閾値
LL 蒸発閾値
N ハンチング回数
N′ ハンチング回数
T 設定温度差領域
1 入口部冷媒温度
2 出口部冷媒温度
3 中間部冷媒温度
U 上限閾値
ΔT 圧力損失分
Δt1 温度差
Δt2 温度差
Δt3 温度差

Claims (5)

  1. 開度に応じて蒸発器に流入する冷媒量を制御する電子膨張弁と、
    冷媒が前記蒸発器を通過するよう配設した管路に、前記蒸発器の入口部からの距離が互いに異なるよう配設した第1温度センサおよび第2温度センサと、
    前記第1温度センサで検知した冷媒の温度と、前記第2温度センサで検知した冷媒の温度との温度差が、予め設定した下限閾値よりも小さい場合には前記電子膨張弁の開度を縮小し、前記温度差が、予め設定した上限閾値よりも大きい場合には前記電子膨張弁の開度を拡大する弁開度調節手段と
    め設定した単位時間に、前記温度差が下限閾値を下回るハンチング回数をカウントし、そのカウントしたハンチング回数に応じて前記下限閾値と前記上限閾値とで決定される設定温度差領域の幅を変更する設定温度差領域変更手段
    を備える冷媒流量制御装置であって、
    前記弁開度調節手段は、前記温度差が下限閾値を下回った場合、その後、前記温度差が上限閾値を上回っても、前記温度差が下限閾値を下回った時点から予め設定した規制時間を経過するまでは、前記電子膨張弁の開度の拡大を規制することを特徴とする冷媒流量制御装置。
  2. 前記設定温度差領域変更手段は、
    前記下限閾値を下回るハンチング回数が、予め設定したハンチング下限回数以下の場合、設定温度差領域の幅を狭くし、
    前記下限閾値を下回るハンチング回数が、予め設定したハンチング上限回数以上の場合、設定温度差領域の幅を広くし、かつ
    前記下限閾値を下回るハンチング回数が、予め設定したハンチング下限回数よりも多く、ハンチング上限回数よりも少ない場合、設定温度差領域の幅を維持するものであることを特徴とする請求項1に記載の冷媒流量制御装置。
  3. 前記第1温度センサは、前記蒸発器の入口部に位置し、かつ
    前記第2温度センサは、前記蒸発器の出口部に位置することを特徴とする請求項1に記載の冷媒流量制御装置。
  4. 前記第1温度センサは、前記蒸発器の入口部と出口部との間の中間部に位置し、かつ
    前記第2温度センサは、前記蒸発器の出口部に位置することを特徴とする請求項1に記載の冷媒流量制御装置。
  5. 冷媒が前記蒸発器を通過するように配設した管路に配設し、前記蒸発器の入口部に位置する第3温度センサを備え、
    前記弁開度調節手段は、前記第3温度センサで検知した冷媒の温度と、前記第1温度センサで検知した冷媒の温度との温度差が、前記中間部の下流側に蒸発完了点が位置するように設定した所定の閾値以上である場合、前記電子膨張弁の開度を拡大する一方、前記第3温度センサで検知した冷媒の温度と、前記第1温度センサで検知した冷媒の温度との温度差が、前記所定の閾値より小さい場合、前記第1温度センサで検知した冷媒の温度と、前記第2温度センサで検知した冷媒の温度との温度差に基づいて前記電子膨張弁の開度を調節することを特徴とする請求項4に記載の冷媒流量制御装置。
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