JP4934770B2 - 有機太陽電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機太陽電池に関し、詳しくは、有機材料を含む半導体層の光電変換作用を利用した有機太陽電池を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
有機太陽電池は、シリコンなどの無機半導体を利用した太陽電池と異なり、合成高分子などの有機材料からなる有機半導体を利用する。
有機半導体は、無機半導体に比べて材料が安価で製造が容易であるなどの利点を有している。但し、現段階では無機半導体に比べて光電変換効率が低いため、実用化を目指して光電変換効率の高い有機半導体の開発が進められている。
有機半導体を構成する有機材料、例えば導電性高分子や増感作用のある色素などの分子構造や配合を様々に改良することで、光電変換効率の向上が図られている。しかし、単独の有機材料では、光電変換効率の向上には限界があるとして、複数の有機材料を組み合わせることが考えられた。
【0003】
特許文献1には、アルミニウム、インジウムなどの電極材層の上に2種類のポフィリン誘導体色素が混合された有機半導体層を積層することで、光電変換効率の向上を図る技術が示されている。
非特許文献1には、導電性高分子であるポリチオフェンとメロシアニン色素との混合層とAl層との積層構造からなるショットキー障壁型太陽電池が提案されている。導電性高分子に色素を組み合わせることで、光電変換効率が向上できるとされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−252379号公報
【0005】
【非特許文献1】
高橋他著、Sol,Energy.Master.&Sol.Cells.,76,115(2003)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した先行技術の有機太陽電池でも、その光電変換効率は不十分であり、実用性あるいは商品価値の高い太陽電池とは言い難い。
例えば、特許文献1の技術では、1種類の色素だけを使用するのに比べると光電変換効率は向上するが、色素のみでは充分な光電変換作用を果たすことができない。
非特許文献1の技術では、導電性高分子と色素との組み合わせによって、微弱な太陽光の照射下では比較的高い光電変換効率を示すことが確認されている。しかし、強い光が照射されると、Al層の酸化が起こり、太陽電池の劣化が著しい。これでは、強い日射のもとに長期間使用される実用的な太陽電池には使用し難い。
【0007】
導電性高分子や色素の材料を種々に変更することで、光電変換効率の向上を図る試みがなされているが、何れも十分な成果は得られていない。
本発明の課題は、複数の有機材料を組み合わせた有機太陽電池における光電変換効率向上の限界を超えて、さらに光電変換効率が高く、経時的な性能の低下も少なく、製造も容易な有機太陽電池を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる有機太陽電池は、有機材料を含む半導体層の光電変換作用で発電する有機太陽電池であって、一対の電極層と電極層間に配置された半導体層とを備え、前記半導体層が、前記電極層の間に配置され実質的に透明な無機酸化物層と、前記無機酸化物層に隣接して配置され導電性高分子と色素とが混合されてなる有機混合物層とを含み、前記無機酸化物層が厚み30〜500nmのTiO 層であり、前記有機混合物層が導電性高分子であるポリチオフェン系の導電性高分子と色素であるメロシアニン系もしくはポルフィリン系の色素とを含む厚み30〜100nmの混合物層である
〔有機太陽電池〕
基本的には、有機材料を含む半導体の光電変換作用により発電する有機太陽電池であれば、通常の有機太陽電池と共通する技術を組み合わせて構成できる。
【0009】
有機太陽電池の基本構成は、一対の電極層と電極層間に配置された半導体層とを備える。一方の電極層側から半導体層に照射された太陽光などの光のエネルギーが、光電変換作用を果たす半導体層で電気エネルギーに変換され、一対の電極層間に起電力を発生する。
本発明では、半導体層に、実質的に透明な無機酸化物層と、無機酸化物層に隣接して配置され導電性高分子と色素とが混合されてなる有機混合物層とを含む。
〔有機混合物層〕
光電変換作用を果たす導電性高分子と色素とが混合されていれば、材料の選択や配合は特に限定されない。
【0010】
導電性高分子としては、通常の有機太陽電池における有機半導体の材料に使用されているのと同様の材料が使用できる。ポリアセチレン系、ポリピロール系、ポリチオフェン系、ポリパラフェニレン系、ポリパラフェニンビニレン系、ポリチエニレンビニロン系、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)系、ポリフルオレン系、ポリアニリン系、ポリアセン系が挙げられる。具体例として、ポリチオフェンPth:ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)[poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl)]が挙げられる。
色素としては、通常の有機太陽電池における有機半導体の材料に使用されているのと同様の材料が使用できる。シアニン系、メロシアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、キノン系、キノイシン系、キナクドリン系、スクアリリウム系、トリフェニルメタン系、キサンテン系、ポルフィリン系、ペリレン系、インジコ系の物資が挙げられる。具体例として、MC:メロシアニン、Zntpp:5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン亜鉛錯体[5,10,15,20-tetraphenylporphyrinatozinc]、H2tpp:5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリンが挙げられる。
【0011】
導電性高分子および色素はそれぞれ、単独の材料を使用してもよいし、複数の材料を組み合わせて使用することもできる。
有機混合物層における導電性高分子と色素との配合割合は、それぞれの材料が有する機能が良好に発揮できるように設定すればよい。通常は、導電性高分子の単位ユニットに対する色素のモル比を0.1〜0.9に設定できる。好ましくは、前記モル比が0.2〜0.6である。
有機混合物層の厚みは、導電性高分子および色素による光電変換機能が良好に達成できる範囲に設定できる。具体的には20〜1000nmに設定できる。好ましくは30〜100nmである。
【0012】
〔無機酸化物層〕
前記有機混合物層との相互作用によって、光電変換効率を向上させる。
無機酸化物層の側から有機混合物層へと効率的に光が送り込まれるように、実質的に透明な層であることが好ましい。具体的には、可視光領域における平均光透過率が50%以上の層が好ましい。より好ましくは平均光透過率80%以上である。可視光領域とは、通常、波長450〜900nmの領域である。光透過率は、無機酸化物の材料選択および層厚みによって変わる。
無機酸化物として、TiO2、SnO2、ZnO、Nb25等が挙げられる。光照射に対して変質や劣化を起こし難いなど、安定な材料が好ましい。無機酸化物の材料は、有機混合物層を構成する導電性高分子および色素との組み合わせの適性によって選択できる。
【0013】
無機酸化物層の形態としては、無機酸化物が一様な膜を構成しているもののほか、粒子状、ロッド状、チューブ状などをなす微細な無機酸化物が堆積して一体化された状態のものも使用できる。微細な無機酸化物同士の間には空隙を存在させておくことができる。無機酸化物層の表面は、平滑面であってもよいし、微細な凹凸を設けておくこともできる。多孔質構造の無機酸化物層が採用できる。
無機酸化物層の厚みは20〜10000nmに設定できる。30〜500nmが好ましい。
〔電極層〕
基本的には通常の太陽電池における電極材料および構造が採用できる。
【0014】
一対の電極層のうち、光が入射する側の電極層は、透明導電体からなる透明電極層が好ましい。他方の電極層は、透明性は要求されず、通常の集電極層が使用できる。
<透明電極層>
基本的には、通常の有機太陽電池における透明電極層と共通する材料および構造が採用できる。
通常、透明なガラスやプラスチックフィルムの表面に、透明な導電材料からなる透明電極層を形成したものが使用される。
【0015】
透明電極層の材料としては、有機太陽電池に照射される光を効率的に半導体層に供給できる光透過性の高い材料が好ましい。また、半導体層で生成された電気エネルギーを効率的に取り出すことができる導電性の高い材料が好ましい。実用的に使用できる耐久性や強度、生産性、経済性なども必要である。
透明電極の材料として、ITO(indium tin oxide)、FTO(F doped tin oxide)等の導電性金属酸化物や炭素薄膜などが挙げられる。工業的に利用し易く性能的にもバランスのとれたITO、FTOが好ましい材料である。複数の材料層を積層して構成することもできる。
【0016】
透明電極層の厚みは、通常、1〜10000nmに設定できる。好ましくは、10〜300nmである。
透明電極の光透過性は、材料の特性と前記厚みによっても変わるが、通常は、前記した可視光領域における平均光透過率70%以上に設定する。好ましくは、平均光透過率75〜100%である。
透明電極層は、通常、無機酸化物層に隣接して配置される。透明電極層から無機酸化物層を経て有機混合物層へと光が送り込まれる。
<集電極層>
透明電極層と同じように有機半導体層で発生した電力を取り出す機能を果たす。但し、光を透明電極層の側から入射させるので、集電極層には光透過性は必要とされない。
【0017】
前記機能を果たすことができれば、通常の有機太陽電池で利用されている集電極層と同様の材料や構造が採用できる。集電極層の材料として、導電性を有する金属、無機および有機材料が使用できる。具体的には、Pt、Au、Ag、Al、Caが挙げられる。
集電極層の厚みは、導電性を良好にし電気エネルギーの損失が少なくなるように十分な厚みを設けておくことができる。但し、厚みが分厚過ぎると不経済である。通常は、1〜100000nmの範囲に設定できる。好ましくは、10〜50nmである。
【0018】
〔エネルギー準位の組み合わせ〕
前記した各層の材料は、それぞれの材料が有するエネルギー準位の違いによって、良好な光電変換機能を果たすことができる。逆にいうと、適切なエネルギー準位条件を満足する材料を選択することで、光電変換効率の高い有機太陽電池が構成できる。
具体的には、色素の励起−重項状態のエネルギー準位が、無機酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位よりも高く、かつ、色素の基底状態のエネルギー準位が導電性高分子の価電子帯上端のエネルギー準位よりも低いことが望ましい。このようなエネルギー準位条件を満足することで、色素から導電性高分子へのホール移動が発生し、色素に残った電子が無機酸化物層へとスムーズに移動でき、光電変換作用が良好に達成される。
【0019】
導電性高分子のフェルミエネルギー準位が、有機混合物層に隣接する集電極層を構成する導電性材料の仕事関数よりも小さいことが好ましい。これによって、導電性高分子と集電極層とがオーミック接触になり、電気抵抗が小さくなる。
各種材料のエネルギー準位は、その分子構造、構成元素の電子軌道などから理論的に算出した値で評価することができる。また、各材料を組み合わせて作製された有機太陽電池を分析することで実際のエネルギー準位を測定することもできる。
〔有機太陽電池の製造〕
通常の有機太陽電池と同様に、各層を構成する材料を順次積層形成することによって製造できる。
【0020】
基本的には、透明ガラスなどの基板に、透明電極層、無機酸化物層、有機混合物層および集電極層を順番に層形成すればよい。
層形成の手段は、CVD、PVDなどの薄膜形成手段、可溶性材料のスピンコートなど、それぞれの層材料に適した膜形成手段を組み合わせることができる。スピンコート技術は、充分な厚みの層を効率的かつ経済的に作製でき、有機混合物層などの作製に適している。
無機酸化物層、有機混合物層を含む光電変換作用に関与する構造部分を繰り返し積層する構造も採用できる。半導体層と集電極層との間などに、別の機能層を介在させることができる。各層を支持する支持基板を設けることができる。有機太陽電池を保護する保護層を設けることもできる。
【0021】
一対の電極層には、外部に電気エネルギーを取り出すための配線を接続しておくことができる。
〔光電変換作用〕
本発明の有機太陽電池における光電変換作用は、以下のように推定される。
(a) 光照射によって、色素分子内に電子とホールのペアが生成する。
(b) 前記(a)過程で生じた光生成ホールが、導電性高分子へ光誘導電荷移動する。
(c) 混合物層に形成された電場を駆動力として、色素分子内に残った電子が無機酸化物へ注入される。無機酸化物に注入された電子は、隣接する電極層に送られる。これと同時に、導電性高分子内のホールは、有機混合物層に隣接する電極層に運ばれる。
【0022】
(d) このようにして、色素分子内に生成した電子とホールとが電荷分離して電極層から外部回路につながる配線に取り出される。太陽エネルギーが電気エネルギーに変換されることになる。
前記した各層におけるエネルギー準位の違いが、上記の光電変換作用を効率的に実現させることになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔有機太陽電池の構造〕
図1は、有機太陽電池の模式的構造を示している。
図に白矢印で示すように、下から上へと光が照射されるものとする。
下から順に、ガラス基板10、FTO等からなる透明電極層20、TiO2等からなる無機酸化物層34、ポリチオフェンとメロシアニンとの混合物等からなる有機混合物層32、および、Au等からなる集電極層40を備えている。透明電極層20と集電極層40には、外部に電力を取り出すための配線50、50が接続されている。
【0024】
光は、ガラス基板10側から入射され、透明電極層20を経て無機酸化物層34から有機混合物層32へと供給される。無機酸化物層34および有機混合物層32で、光エネルギーが電気エネルギーに変換されて起電力が発生する。発生した起電力は、集電極層40および透明電極層20から配線50、50を経て外部に取り出される。
【0025】
【実施例】
図1に示す構造の有機太陽電池を具体的に作製し、その性能を評価した。
〔有機太陽電池の作製〕
表1、2に示す層構造の有機太陽電池をそれぞれ作製した。
まず、透明電極基板〔FTO基板(日本板硝子社製、8Ω/□)〕を用意した。この基板は、ガラス基板の表面に、SnO2にFがドープされた透明導電材料の層が形成されている。透明導電材料の層すなわち透明電極層の厚みは1000nm、平均光透過率は80%であった。
【0026】
透明電極基板の上に、無機酸化物層になるTiO2を、厚み1000nmで形成した。具体的には、予め調製されたTiO2前駆体溶液をスピンコートし加熱乾燥および焼成する工程を複数回繰り返して行った。TiO2層の平均光透過率は95%であった。
TiO2層の上に、表1、2に示す有機化合物の単独材料層あるいは混合物層を形成した。具体的には、各材料のクロロホルム溶液を、スピンコータ(1H−D7、ミカサ社製)を用いて、スピンコートした。
Pth:ポリ(3−ヘキシルチオフェノン−2,5−ジル)[poly(3-hexylthiophexne-2,5-diyl]、平均分子量87000、アルドリッチケミカル社より入手。
【0027】
MC(1):メロシアニン色素(商品番号NK2468、林原生物化学研究所社製、C18H37,CH2COOH)
MC(2):メロシアニン色素(商品番号NK1247、林原生物化学研究所社製、C2H5,CH2H5)
H2tpp:5,10,15,20−テトラフェニルポフィリン(常法により合成)
Zntpp:5,10,15,20−テトラフェニルポフィリン亜鉛錯体(常法により合成)
Pth+MC混合物:MC(1)/Pth=0.29(モル比)
最後に、集電極層であるAu層を、厚み25nmで真空蒸着により形成した。
【0028】
各層の膜厚は、前記走査型プローブ顕微鏡AFMで測定した。
光透過率は、光度計(UV−3100、島津製作所社製)を用いて、波長領域450〜900nmの平均光透過率を測定した。
〔性能評価〕
作製された有機太陽電池について、以下の試験を行なった。
500Wのキセノンランプ(ウシオ社製)から照射された光を、分光フィルター(Oriel社製、AM1.5)に通すことで、擬似太陽光を得る装置(関西科学機械社製)を用いた。擬似太陽光の強度は、100mW/cm2であった。
【0029】
光電変換面5mm×6mmの有機太陽電池に対して、各電極にワニ口クリップを接続して、発生した電気を電流電圧測定装置で測定した。測定装置は、電流計:アドバンテスト社製R8240、ファンクションジェネレータ:北斗電工社製HB−111、ポテンシオスタッド:北斗電工社製HA−151を備えている。
開放光電圧(Voc)、短絡光電流密度(Jsc)、フィルファクター(FF)などが測定され、これらの値から下式でエネルギー変換効率(η)を算出した。
フィルファクター(FF)=
〔太陽電池の最大起電力〕/(Voc×Jsc) …(1)
ここで、太陽電池の最大起電力は、
〔太陽電池の最大起電力〕=〔(電流値×電圧値)の最大値〕である。
エネルギー変換効率η(%)=
Voc×Jsc×FF/100(mW/cm2)×100 …(2)
試験の結果を表1、2に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004934770
【0031】
【表2】
Figure 0004934770
【0032】
<エネルギー準位>
各実施例で使用された層材料の真空基準でのキーとなるエネルギー準位を実測した。
TiOの伝導帯下端:−4.2V
Pthの価電子帯上端:−5.0V
MC(1)のHOMO:−5.05V、MC(1)のLUMO:−2.98V
MC(2)のHOMO:−5.05V、MC(2)のLUMO:−2.98V
H2tppのHOMO:−5.33V、H2tppのLUMO:−3.43V
ZntppのHOMO:−5.09V、H2tppのLUMO:−3.02
【0033】
<評価>
(1) 実施例1〜4は何れも、光電変換効率ηなどの性能に優れたものである。導電性高分子または色素の一方のみを用いた比較例1,2に比べて、格段に優れた性能を発揮できている。導電性高分子と色素とを組み合わせても無機酸化物層を有しない比較例3では、光電変換機能は全く発揮できない。
(2) 特に、無機酸化物層あるいは導電性高分子と色素との有機混合物層による単独での光電変換機能に比べて、無機酸化物層と有機混合物層とを組み合わせることで、単なる性能の足し合せとは言えない相乗的な性能の向上が達成されている。
【0034】
(3) 各実施例の有機太陽電池は、強い光照射を長い時間続けても、性能の低下は認められなかった。無機酸化物層の変質や劣化は生じていなかった。経時的に安定した性能が発揮できていた。
(4) 各実施例で使用された材料のエネルギー準位の値をみれば、特定のエネルギー準位条件を満足する材料の組み合わせが有効であることが判る
【0035】
【発明の効果】
本発明にかかる有機太陽電池は、光電変換機能を果たす半導体層が、無機酸化物層と、導電性高分子と色素とが混合されてなる有機混合物層とを組み合わせて構成されていることにより、単に、導電性高分子や色素の材料を種々に変更したり組み合わせを変えたりして光電変換効率を向上させる技術の限界を超えて、さらに光電変換効率の高い有機太陽電池を提供することができる。
特に、無機酸化物層は、有機混合物層における光電変換機能をさらに向上させることができると同時に、光の照射などによって酸化などの変質を受けることがなく、強力な光エネルギーを長期間にわたって受け続けても、性能の低下を招くことがなく、実用的耐久性に優れた有機太陽電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表す有機太陽電池の模式的構造断面

Claims (3)

  1. 有機材料を含む半導体の光電変換作用で発電する有機太陽電池であって、
    一対の電極層と電極層間に配置された半導体層とを備え、
    前記半導体層が、前記電極層の間に配置され実質的に透明な無機酸化物層と、前記無機酸化物層に隣接して配置され導電性高分子と色素とが混合されてなる有機混合物層とを含み、
    前記無機酸化物層が厚み30〜500nmのTiO 層であり、
    前記有機混合物層が導電性高分子であるポリチオフェン系の導電性高分子と色素であるメロシアニン系もしくはポルフィリン系の色素とを含む厚み30〜100nmの混合物層である、
    有機太陽電池。
  2. 前記一対の電極層が、前記無機酸化物層に近い側に配置された厚み1〜1000nmの透明電極層と、前記有機混合物層に近い側に配置された厚み1〜1000nmの集電極層である請求項1に記載の有機太陽電池。
  3. 前記無機酸化物層、可視光領域における平均光透過率が50%以上である請求項1または2に記載の有機太陽電池。
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