JP4934626B2 - 廃プラスチック油スラリーの製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック廃棄物を有効利用するための廃プラスチック油スラリーの製造方法及び装置に関するものである。
近年、産業廃棄物や一般ゴミ廃棄物として、大量のプラスチックが廃棄され、その処理が社会的に問題となっている。この廃プラスチックの処理方法としては、埋め立て、焼却、サーマルリサイクル、マテリアルリサイクルが知られている。
埋め立ては、有効成分が回収されないばかりか、プラスチックは嵩密度が低いため、広大な埋め立て場所を必要とする。また、環境上も好ましくない。
プラスチックの焼却は、高熱を出すため、焼却炉を損傷しやすい。また、NOxなどの有害物質の発生もある。
サーマルリサイクルは、廃プラスチックを油化、或いはガス化して燃料として使用するもので、例えば、特許文献1には、廃プラスチックを高温高圧下で水素化分解し、軽質油化する方法が開示されている。
マテリアルリサイクルは、廃プラスチックを再生利用するものと、他の有用化学品に変える場合(ケミカルリサイクル)があるが、後者の場合、例えば、特許文献2には、廃プラスチックをコールタール等と共に、高温高圧下で水素化分解した後、反応生成物を環化触媒存在下で反応させてベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)を回収する方法が開示されている。
このように、サーマルリサイクルあるいはケミカルリサイクルする際に、廃プラスチックの前処理方法として、例えば、廃プラスチックを重油等の油に混合させてスラリー化する方法があるが、従来の方法は、廃プラスチックを微細に粉砕して粉状(例えば、200ミクロン以下)とし、この廃プラスチック粉末を重油等の油に混合させてスラリー化する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、廃プラスチックを200ミクロン以下に微粉砕するには、冷凍粉砕等の特殊な方法が必要であり、粉砕コストが非常に高くなるという問題があった。また、廃プラスチックは、低密度のため、重油等の油と容易に混ざり合わず、そのスラリー化が容易でない。更に、廃プラスチックは、密度が低いため、スラリー濃度を高くすると、廃プラスチックスラリーが流動化を失い、ポンプでの送液ができない等の問題があった。廃プラスチックの粉末を重油等の油に単純に混合させた廃プラスチックスラリーは、スラリー濃度が20wt%以下の場合しかポンプ輸送できない。
特開平5−186632号公報 特開2003−321682号公報 特開2004−346107号公報
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、その目的の一つは、高温高圧の水添反応器(例えば、圧力5.0〜1.5MPa、温度350〜480℃)内に、連続的な安定したポンプ送液が可能な廃プラスチック油スラリーの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、廃プラスチック濃度の高い廃プラスチック油スラリーを、確実に安価に短時間で製造できる廃プラスチック油スラリーの製造方法及び装置を提供することにある。
本願の請求項1に係る廃プラスチック油スラリーの製造方法は、廃プラスチックを溶剤に溶解させて油スラリー化する廃プラスチック油スラリーの製造方法において、溶剤を攪拌しながら設定温度に加熱する過程で、一定量の廃プラスチックを数回乃至数十回に小分けして溶剤に溶解させることを特徴とする。
本願の請求項2に係る廃プラスチック油スラリーの製造方法は、請求項1において、タンク内の溶剤が一定温度に昇温後、1〜20℃ずつ上昇する毎に、小分けした廃プラスチックを溶剤中に投入することを特徴とする。
本願の請求項3に係る廃プラスチック油スラリーの製造方法は、請求項1又は2において、タンク内に投入された廃プラスチック上に、溶剤を噴射させることを特徴とする。
本願の請求項4に係る廃プラスチック油スラリーの製造方法は、請求項1において、溶剤を、廃プラスチックの大部分が溶剤に溶け、かつ、廃プラスチックや溶剤がガス化しない温度域に昇温制御することを特徴とする。
本願の請求項5に係る廃プラスチック油スラリーの製造方法は、請求項1において、廃プラスチックの溶解中に気化した成分を、凝縮して溶剤に戻すことを特徴とする。
本願の請求項6に係る廃プラスチック油スラリーの製造方法は、請求項1において、廃プラスチックを、溶剤に溶解させて油スラリーとした後、該油スラリーを後工程の廃プラスチックスラリー供給タンクに供給すると共に、廃プラスチックスラリー供給タンクに供給された油スラリーを廃プラスチックスラリー供給タンクと該廃プラスチックスラリー供給タンクの外部に設けた循環パイプとの間で循環させることを特徴とする。
本願の請求項7に係る廃プラスチック油スラリーの製造装置は、スラリー調製タンクに、タンク内の溶剤を攪拌する攪拌装置と、タンク内に廃プラスチックを供給する廃プラスチックタンクと、タンク内の溶剤温度を計測する温度センサとを設けると共に、前記スラリー調製タンクと廃プラスチックタンクを接続する廃プラスチック投入管にバルブを設け、該バルブをタンク内の溶剤が一定温度に昇温後、1〜20℃ずつ上昇する毎に開閉して、タンク内に一定量の廃プラスチックを供給することを特徴とする。
本願の請求項8に係る廃プラスチック油スラリーの製造装置は、請求項7において、スラリー調製タンクを、有蓋円筒状のタンク本体と逆円錐台状のタンク絞り部により形成すると共に、攪拌装置をタンク本体の蓋部を貫通してタンク絞り部の出口に達する回転軸と該回転軸に多段に設けた攪拌翼により形成し、かつ、少なくとも最上部の攪拌翼には、溶液をタンク下方に降下させる機能を持たせ、最下部の攪拌翼には、溶液をタンク上方に上昇させる機能を持たせたことを特徴とする。
本願の請求項9に係る廃プラスチック油スラリーの製造装置は、請求項7において、タンク内の溶剤が1〜20℃ずつ上昇する毎に廃プラスチックタンクのバルブを開閉して、タンク内に一定量の廃プラスチックを供給することを特徴とする。
本願の請求項10に係る廃プラスチック油スラリーの製造装置は、請求項7において、スラリー調製タンクの上部に、溶剤を噴射するノズルを設けたことを特徴とする。
本願の請求項11に係る廃プラスチック油スラリーの製造装置は、請求項7において、スラリー調製タンクの上部に、廃プラスチックの溶解中に気化した成分を凝縮してスラリー調製タンクに戻す軽質留分回収装置を設けたことを特徴とする。
本願の請求項12に係る廃プラスチック油スラリーの製造装置は、請求項7において、スラリー調製タンクの下流側に、廃プラスチックスラリー供給タンクを設け、前記スラリー調製タンクで製造した油スラリーを廃プラスチックスラリー供給タンクに供給すると共に、廃プラスチックスラリー供給タンク内の油スラリーを、廃プラスチックスラリー供給タンクと該廃プラスチックスラリー供給タンクの外部に設けた循環パイプとの間で循環させることを特徴とする。
本願の請求項1に係る発明は、廃プラスチックを溶剤に溶解させて油スラリー化する廃プラスチック油スラリーの製造方法において、溶剤を攪拌しながら設定温度に加熱する過程で、一定量の廃プラスチックを数回乃至数十回に小分けして溶剤に溶解させるので、カサ密度の小さい廃プラスチックの溶剤への混合及び溶解等がスムーズに促進され、廃プラスチック濃度の高い廃プラスチック油スラリーを確実に安価に短時間で製造することができる。
本願の請求項2に係る発明は、タンク内の溶剤が一定温度に昇温後、1〜20℃ずつ上昇する毎に、小分けした廃プラスチックを溶剤中に投入するので、請求項1に係る発明と同様に、廃プラスチックの溶剤への混合及び溶解がスムーズに促進され、廃プラスチック濃度の高い廃プラスチック油スラリーを、確実に安価に短時間で製造することができる。
本願の請求項3に係る発明は、タンク内に投入された廃プラスチック上に、溶剤を噴射させるので、密度の小さい廃プラスチックが溶剤に濡れ、タンク内の溶剤と馴染み易くなることから、廃プラスチックが溶剤に溶解し易くなる。
本願の請求項4に係る発明は、溶剤を、廃プラスチックの大部分が溶剤に溶け、かつ、廃プラスチックや溶剤がガス化しない温度域に昇温制御するので、廃プラスチックの溶解が促進され、廃プラスチック濃度の高い廃プラスチックスラリーを確実に安価に短時間で製造すると共に、廃プラスチックや溶剤のガス化によるトラブル(供給ポンプのキャビテーションやスラリーの変質等)を防止することができる。
本願の請求項5に係る発明は、廃プラスチックの溶解中に気化した成分を、凝縮して溶剤に戻すので、廃プラスチックスラリー中の廃プラスチック及び溶剤の初期組成を維持することができる。
本願の請求項6に係る発明は、廃プラスチックを溶剤に溶解させて油スラリーとした後、該油スラリーを後工程の廃プラスチックスラリー供給タンクに供給すると共に、廃プラスチックスラリー供給タンクに供給された油スラリーを、廃プラスチックスラリー供給タンクと該廃プラスチックスラリー供給タンクの外部に設けた循環パイプとの間で循環させるので、貯蔵時のガム発生等を防止することができると共に、高温高圧の水添反応器への高圧スラリーポンプでの連続的な送液に背圧を与え、また、未溶解固形分の分離を防ぐことで、より安定的な連続送液が可能となる。
本願の請求項7に係る発明は、スラリー調製タンクに、タンク内の溶剤を攪拌する攪拌装置と、タンク内に廃プラスチックを供給する廃プラスチックタンクと、タンク内の溶剤温度を計測する温度センサとを設けると共に、前記スラリー調製タンクと廃プラスチックタンクを接続する廃プラスチック投入管にバルブを設け、該バルブをタンク内の溶剤が一定温度に昇温度後、1〜20℃ずつ上昇する毎に開閉して、タンク内に一定量の廃プラスチックを供給するので、カサ密度の小さい廃プラスチックと溶剤が効率よく混合されて溶解が促進され、廃プラスチック濃度の高い廃プラスチック油スラリーを確実に安価に短時間で製造することができる。
本願の請求項8に係る発明は、スラリー調製タンクを、有蓋円筒状のタンク本体と逆円錐台状のタンク絞り部により形成すると共に、攪拌装置をタンク本体の蓋部を貫通してタンク絞り部の出口に達する回転軸と該回転軸に多段に設けた攪拌翼により形成し、かつ、少なくとも最上部の攪拌翼には、溶液をタンク下方に降下させる機能を持たせ、最下部の攪拌翼には、溶液をタンク上方に上昇させる機能を持たせたので、スラリー調製タンク内に未溶解の廃プラスチックを沈降させたり、溶剤表面に浮遊させることなく、速やかに溶解させることができる。
本願の請求項9に係る発明は、タンク内の溶剤が1〜20℃ずつ上昇する毎に廃プラスチックタンクのバルブを開閉して、タンク内に一定量の廃プラスチックを供給するので、廃プラスチックを小分けしてスラリー調製タンクに供給することができる。そのため、カサ密度の小さい廃プラスチックと溶剤が効率よく混合されて溶解が促進され、廃プラスチック濃度の高い廃プラスチック油スラリーを、確実に安価に短時間で製造することができる。
本願の請求項10に係る発明は、スラリー調製タンクの上部に溶剤を噴射するノズルを設けたので、ノズルから降らせた溶剤によって密度の小さい廃プラスチックが濡れ、タンク内の溶剤と馴染み易くなることから、廃プラスチックが溶剤に溶解し易くなる。
本願の請求項11に係る発明は、スラリー調製タンクの上部に廃プラスチックの溶解中に気化した成分を凝縮してスラリー調製タンクに戻す軽質留分回収装置を設けたので、油スラリー化の最中に気化した成分の減少を防止することができ、廃プラスチックスラリー中の廃プラスチック及び溶剤の初期組成を維持することができる。
本願の請求項12に係る発明は、スラリー調製タンクの下流側に廃プラスチックスラリー供給タンクを設け、前記スラリー調製タンクで製造した油スラリーを廃プラスチックスラリー供給タンクに供給すると共に、廃プラスチックスラリー供給タンク内の油スラリーを、廃プラスチックスラリー供給タンクと該廃プラスチックスラリー供給タンクの外部に設けた循環パイプとの間で循環させるので、貯蔵時のガム発生等を防止すると共に、高温高圧の水添反応器への高圧スラリーポンプの連続的な送液に背圧を与え、また、未溶解固形分の分離を防ぐことで、より安定的な連続送液が可能となる。
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1に示すように、廃プラスチック油スラリーの製造装置1は、スラリー調製タンク2と、その下流側に位置させた廃プラスチックスラリー供給タンク3を備えている。スラリー調製タンク2は、タンク2内の溶剤aを攪拌する攪拌装置4と、タンク2内に廃プラスチックbを供給する廃プラスチックタンク5と、タンク2内の溶剤温度を計測する温度センサ6と、タンク2を加熱するための電熱ヒータ7を備えている。
溶剤としては、タール油等の重質油や水素化溶剤が好ましく使用される。また、溶剤には、予め、酸化鉄や銑鉱スラグ等のFe系の触媒が一定量混入されている。
廃プラスチックタンク5は、当該タンク5とスラリー調製タンク2とを接続する廃プラスチック投入管8にバルブ9を設け、温度センサ6からの入力信号に基づいて作動する制御装置10によってバルブ9の開閉を制御するようになっている。
制御装置10は、スラリー調製タンク2内の溶剤aが一定温度に昇温後、1〜20℃ずつ上昇する毎に廃プラスチックタンク5のバルブ9を開閉して、一定量の廃プラスチックをタンク内に供給する一方、廃プラスチックの大部分が溶剤に溶け、かつ、廃プラスチックや溶剤がガス化しない温度域(例えば、140〜240℃、好ましくは、170〜220℃)になるまで昇温するように電熱ヒータ7を制御するようになっている。
また、温度センサ6は、スラリー調製タンク2内に投入された廃プラスチックの溶解に起因する溶剤液面の温度低下を計測し易くするため、溶剤の液面直下からタンク中央部までの間に設置することが肝要である。
廃プラスチックは、水素化分解反応で低分子の炭化水素を生成しうるものであればよく、ほとんどのプラスチック及びそれらの混合物が対象となる。これは熱可塑性樹脂に限らず、熱硬化性樹脂も対象となる。主対象は、ポリオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びそれらの混合物等であるが、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが混入していてもよい。これらの塩素含有樹脂中の塩素分は、水添分解においては触媒作用を示し、より軽質油分の多い液化生成物が得られる。
この発明では、一般都市ゴミ中の廃プラスチックを破砕・処理して得られる一定の粒径(例えば、0.3〜5mm)に破砕した廃プラスチックがそのまま適用できる。
上記スラリー調製タンク2は、有蓋円筒状のタンク本体11と逆円錐台状のタンク絞り部12により形成され、タンク絞り部12の出口13(下端部)に出口バルブ14を設けている。
上記攪拌装置4は、タンク本体11の蓋部15を貫通してタンク絞り部12の出口13に達する回転軸16と、回転軸16に多段に設けた攪拌翼群17により形成されている。各攪拌翼群17は、回転軸16に放射状に設けた複数本の攪拌翼18により形成されているが、最上段の攪拌翼18aは、図2に示すように、仰角αを有し(符号Xは、攪拌翼の回転方向)、溶液を攪拌すると同時に溶液を回転軸16に沿って下方に流下させるようになっている。他方、最下段の攪拌翼18bは、図3に示すように、俯角βを有し、溶液を攪拌すると同時に溶液をスラリー調製タンク2の壁面に沿って上方に押し戻し、未溶解の廃プラスチックがタンクの出口付近に堆積するの防止するようになっている。
最上段の攪拌翼18aの迎角αとしては、30〜80°の範囲が好ましい。迎角αが30°未満の場合は、攪拌力が不足し、また、溶液を回転軸16に沿って下方に流下させる力も不足する。逆に、迎角αが80°を超えると、攪拌翼の攪拌抵抗が大になるが、溶液を回転軸16に沿って下方に流下させる力が不足する。
他方、最下段の攪拌翼18bの俯角βとしては、30〜80°の範囲が好ましい。俯角βが30°未満の場合は、攪拌力が不足し、また、溶液をスラリー調製タンク2の壁面に沿って上方に押し戻す力も不足する。逆に、俯角βが80°を超えると、攪拌翼の攪拌抵抗が大になるが、溶液をスラリー調製タンク2の壁面に沿って上方に押し戻す力が不足する。尚、中間部に位置する攪拌翼18cは、溶液を攪拌できるものであればよく、通常の手段で良い。
攪拌装置の回転軸16は、電動モータ7によって所定の方向に回転されるが、その回転数は、10〜500rpmの範囲が望ましい。回転軸の回転数が10rpm未満の場合は、溶剤の攪拌や廃プラスチックの巻き込み力が不足し、回転軸の回転数が500rpmを超えると、攪拌翼の攪拌抵抗が大になる。
また、スラリー調製タンク2は、その天板に溶剤噴射ノズル20を設け、タンク絞り部12に設けた溶剤抜出し管21から抜き出した溶剤aを溶剤噴射ノズル20を用いて廃プラスチックの上に吹き付けるようになっている。溶剤噴射ノズルの設置位置としては、溶剤噴射ノズル20から噴射させた溶剤が廃プラスチック投入管8から投下した廃プラスチックの上にかかるように、攪拌翼18の回転方向に向いて廃プラスチック投入管の下流側に位置させることが望ましい。
また、スラリー調製タンク2の上部に軽質留分回収装置22を設け、廃プラスチックの溶解中に気化した成分を、再凝縮してスラリー調製タンク2に戻すようになっている。軽質留分回収装置22は、凝縮器の一種であり、スラリー調製タンク2の上部に設けた排気管23の途中にある軽質留分回収装置22のジャケット部24に、冷却水cを供給することによって回収装置22内を急冷するようになっている。更に、スラリー調製タンク2は、その上部側面にバルブ25を有する溶剤供給管26を備えている。
上記スラリー調製タンク2は、出口バルブ14に接続させたスラリー供給管30を介して廃プラスチックスラリー供給タンク3の天板31に接続している。廃プラスチック供給タンク3は、電動モータ32によって駆動される攪拌機33を備えると共に、その側面に電熱ヒータ34を備えている。
更に、廃プラスチックスラリー供給タンク3は、その外部にタンク底部の出口35とタンク3の天板31とを連通する循環パイプ36を設け、タンク3内の油スラリーdを、廃プラスチック供給タンク3と廃プラスチック供給タンク3の外部に設けた循環パイプ36との間で循環させるようになっている。また、この循環パイプ36から分岐させた分岐管37から高圧スラリーポンプ40により、タンク3内の油スラリーdを図示しない高温高圧の水添反応器(圧力5.0〜1.5MPa、温度350〜480℃)に、分岐管41から供給するようになっている。
ここで、油スラリーの濃度(成分)は、例えば、廃プラスチック10〜40wt%、触媒(Fe系)0〜10wt%、溶剤(タール油)50〜90wt%となっている。
前記スラリー供給管30には、第1スラリー遠心ポンプ(スラリー移送ポンプ)38を配し、循環パイプ36には、第2スラリー遠心ポンプ(スラリー移送ポンプ)39を配し、分岐管37には、高圧スラリーポンプ(プランジャーポンプ等の往復動式ポンプ)40を配している。
次に、廃プラスチック油スラリーの製造装置の運転について説明する。
溶剤供給管26からスラリー調製タンク2に、触媒(Fe系)を含んだ所定量の溶剤(例えば、タール油)aが一定量供給されると、制御装置10の指令により電熱ヒータ7が発熱して、タンク2内の溶剤aが一定温度まで加熱される。
そして、溶剤aが第1設定温度(例えば、150℃)に達すると、制御装置10によって廃プラスチック投入管8のバルブ9が一定時間だけ開閉され、その間にバルブ9を通過した少量(例えば、投入総量の数分の1乃至数十分の1)の一定量の廃プラスチックbが、スラリー調製タンク2内に投入され、溶剤と混合されて溶解される。
タンク2内に投入された廃プラスチックは、溶剤噴射ノズル20から噴射された溶剤を浴びて濡れるため、タンク2内の溶剤と馴染み易くなると共に重量が増加することから、タンク2内に沈降溶解し易くなる。また、最上段の攪拌翼18aの引き込み力によってタンク2内の溶剤a内に引き込まれ、溶解し易くなる。
廃プラスチックbがタンク2内に投入され一部が溶解すると、タンク2内の溶剤の液面温度が、若干、降下するが(図4参照)、更に加熱されてタンク2内の溶剤温度が第2設定温度(例えば、160℃)に達すると、制御装置10によって廃プラスチック投入管8のバルブ9が再度一定時間だけ開閉され、その間にバルブ9を通過した少量(例えば、投入総量の数分の1乃至数十分の1)の一定量の廃プラスチックbがスラリー調製タンク2内に投入され、溶剤と混合されて溶解される。
上記の廃プラスチック投入作業を繰り返し行って、予め設定した廃プラスチックの全量を投入したら、タンク2内の溶剤温度を設定値(例えば、150〜240℃、好ましくは170〜220℃)に保持しながら、攪拌装置4によってタンク2内を攪拌して、廃プラスチックbの大部分を溶剤a内に溶解させる。
スラリー調製タンクにおける廃プラスチック溶解作業終了後、スラリー調製タンク2の出口バルブ14を開くと共に、第1スラリー遠心ポンプ38を駆動して、スラリー調製タンク2内の廃プラスチック油スラリーdを、廃プラスチックスラリー供給タンク3に全量移送する。
廃プラスチック油スラリーを移送後、スラリー調製タンク2の出口バルブ14を閉じると共に第1スラリー遠心ポンプ38を停止する。その後、スラリー調製タンク2においては、廃プラスチックの溶解作業を同様に再開する。
他方、廃プラスチックスラリー供給タンク3では、廃プラスチックスラリーdをヒーター34によりタンク2内と同一の設定温度に保持しながら、第2スラリー遠心ポンプ39を稼働して、廃プラスチックスラリー供給タンク3内の廃プラスチック油スラリーdを、タンク3とタンク外部の循環パイプ36の間で常時循環させ、廃プラスチック油スラリーdのガム発生等を防止すると共に、高圧スラリーポンプ40により、タンク3内の廃プラスチック油スラリーdを、図示しない高温高圧の水添反応器(圧力5.0〜1.5MPa、温度350〜480℃)に一定流量で連続的に供給する。
ここで、タンク3とタンク外部の循環パイプ36の間での廃プラスチックスラリーdの循環は、高圧スラリーポンプヘ背圧を与えて、また、未溶解固形分の分離を防いで、その安定供給を可能にしている。
本発明に係る廃プラスチック油スラリーの製造装置の概略構成図である。 最上段の攪拌翼の仰角の説明図である。 最下段の攪拌翼の俯角の説明図である。 本発明に係る廃プラスチック油スラリーの製造装置の運転方法を示す図である。
符号の説明
a 溶剤
b 廃プラスチック
d 油スラリー

Claims (7)

  1. タンク内の溶剤を加熱攪拌しながら廃プラスチックを投入し、前記廃プラスチックを溶剤に溶解させて油スラリー化する廃プラスチック油スラリーの製造方法において、前記溶剤を初期設定温度に昇温させた後、前記溶剤が1〜20℃ずつ昇温する毎に、廃プラスチックを投入総量の数分の1乃至数十分の1に小分けして溶剤に投入して溶解させ、全量投入後、前記溶剤を最終設定温度域に昇温させることを特徴とする廃プラスチック油スラリーの製造方法。
  2. タンク内に投入された廃プラスチックに溶剤を噴射して廃プラスチックの沈降を助長させることを特徴とする請求項1記載の廃プラスチック油スラリーの製造方法。
  3. 溶剤を、廃プラスチックの大部分が溶剤に溶け、かつ、廃プラスチックや溶剤がガス化しない最終設定温度域に昇温制御することを特徴とする請求項記載の廃プラスチック油スラリーの製造方法。
  4. 廃プラスチックの溶解中に気化した成分を、冷却ジャケットを備えた回収装置によって再凝縮して溶剤に戻すことを特徴とする請求項1記載の廃プラスチック油スラリーの製造方法。
  5. 加熱手段を備えたスラリー調整タンクと、該スラリー調整タンク内の溶剤を攪拌する攪拌装置と、前記スラリー調整タンク内に廃プラスチックを供給する廃プラスチックタンクを備えた廃プラスチック油スラリーの製造装置において、前記廃プラスチックタンクと前記スラリー調整タンクを接続する廃プラスチック投入管にバルブを設け、前記バルブを、溶剤が初期設定温度に到達後、1〜20℃ずつ昇温する毎に、制御装置によって開閉し、廃プラスチックを投入総量の数分の1乃至数十分の1に小分けして前記スラリー調整タンク内に投入し、全量投入後、前記溶剤を最終設定温度域に昇温させることを特徴とする廃プラスチック油スラリーの製造装置。
  6. スラリー調整タンクの上部に、溶剤を噴射する溶剤噴射ノズルを設けると共に、該溶剤噴射ノズルを廃プラスチック投入管の下流側に配したことを特徴とする請求項記載の廃プラスチック油スラリーの製造装置。
  7. スラリー調整タンクの上部に、廃プラスチックの溶解中に気化した成分を凝縮してスラリー調整タンクに戻す軽質留分回収装置を設けたことを特徴とする請求項記載の廃プラスチック油スラリーの製造装置。
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