JP4934504B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、容器口部に螺子締結され、容器内容物の取り出しに使用されるコネクタに関するものである。
従来、各種医薬が充填されたバッグなどの容器は、その口部に螺子締結されたキャップを取り外し、該口部に中空筒状形状のコネクタを接続し、このコネクタに点滴用のチューブを接続し、容器内の医薬を投与するという手段が採用されている。
このようなコネクタは、一般に、容器口部に巻き締めて螺子締結されるものであり、例えば特許文献1には、内壁面に容器口部の外面に形成されている螺条と係合するネジ山を備えたコネクタが開示されている。
特開2006−42856号
ところで、上記のような公知のコネクタは、これを容器口部に360度以上回転させて巻き締めて固定している。従って、1回の回転で巻き締め固定することができず、途中でコネクタを持ち変えてコネクタを回転させなければならないという煩わしさがあった。
従って、本発明の目的は、持ち変えることなく、誰でも1周未満の回転で容易に容器口部に巻き締め固定することが可能なコネクタを提供することにある。
本発明によれば、外面に螺条が形成された容器口部に螺子締結され且つ該容器口部に螺子締結された状態で容器口部内空間と連通する貫通口を供えたコネクタにおいて、該コネクタの内面壁には、螺条が360度以上にわたって形成されており、該コネクタの螺条よりも上側部分には、該コネクタが容器口部に巻き締められたときに容器口部の上端に当接する当接部が形成されており、該コネクタを容器口部に巻き締めたとき、容器口部の上端が前記当接部に当接することによって画定される巻き締め状態において、該コネクタの螺条と容器口部の螺条とは、180度乃至270度にわたって互いに係合しており、前記コネクタの内面壁には、該コネクタの螺条の上端と前記当接部との間の位置に高さ方向に延びているリブが形成されている、ことを特徴とするコネクタが提供される。
本発明のコネクタは、医薬等の内容物が充填された容器の口部に被せて、これを巻き締めて容器口部の外面に螺子係合させることにより固定されるが、このような巻き締めは、1周(360度)以上にわたって回転させる必要はなく、半周(180度)乃至3/4周(270度)の回転でよい。従って、容器口部にコネクタを巻き締めて固定する際に、誰でもコネクタを持ち変えることなく、容易に容器口部に固定することができる。
また、本発明においては、コネクタの内面壁に、該コネクタの螺条の上端と前記当接部との間の位置に高さ方向に延びているリブを設けることにより、容器口部に螺子固定されたコネクタのガタツキを防止して、容器口部に安定に保持することができる。
本発明を、以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のコネクタの側断面図であり、
図2は、図1のコネクタを容器口部に巻き締めた状態を示す側断面図であり、
図3は、従来公知のコネクタを容器口部に巻き締めた状態での螺子係合状態を説明するための展開図であり、
図4は、図1の本発明のコネクタを容器口部に巻き締めた状態での螺子係合状態を説明するための展開図であり、
図5は、本発明において好適なコネクタを容器口部に巻き締めた状態を示す要部側断面図である。
図1を参照して、全体として1で示す本発明のコネクタは、全体的に中空筒状の形態を有しているものであり、その下方部分に形成されている基筒3と基筒3の上端に一体に連なっている連結筒5とからなっており、基筒3から連結筒5にわたって貫通口6が形成されている。
基筒3は、その内部に後述する容器口部30が挿入されて巻き締め固定される部分であり、その内壁面には、螺条7が形成され、その外面には、巻き締めに際しての滑り止め防止用のローレット9が形成されている。
連結筒5は、ホース乃至チューブ等の部材が接続される部分であり、上部にいくにしたがって小径となっているテーパー形状を有しており、その外面には、ホース乃至チューブを接続したときの抜けを防止するための周方向に延びる突起11が軸方向に複数個設けられている。
上記のコネクタ1の内壁には、基筒3と連結筒5との境界部分に段差部13が形成されている。この段差部13は、コネクタ1を容器口部に巻き締めたときに容器口部30の上端との当接部となる部分であり、連結筒5の内面から段差部13よりも下方に延びたリング15が設けられており、コネクタ1を巻き締めたときに、このリング15の外周面が容器口部30内周面に当接し、段差部13は容器口部30の上端に当接することとなり、これにより、コネクタ1の巻き締め状態が安定に保持され容器口部30とコネクタ1とのシール性が確保されることとなる。
また、図2を参照して、容器口部30は、ボトルのように容器と一体に形成されるものであったり、或いは袋状容器の開口部にヒートシールなどにより接着固定されるスパウトと呼ばれるものであり、その外面には、少なくとも180度以上にわたって延びている螺条31が形成されており、螺条31の下方には、この容器口部30に装着されるキャップに設けられたタンパーエビデントバンドを切り離すためのラチェット33や容器の搬送等に用いるサポートリング35などが設けられている。
かかる容器口部30には、図示されていないが、螺条31との螺子係合によりキャップが巻き締め固定され、これにより、容器内が密封されるようになっている。従って、コネクタ1は、キャップを取り外した後に、その基筒3を容器口部30に被せ、閉栓方向に回転させて螺条31にコネクタ1の螺条7を螺子係合せしめることにより、容器口部30に巻き締められることとなる。この巻き締め状態においては、前述したように、リング15の外周面が容器口部30内周面に当接し、容器口部30の上端が段差部13に当接することとなる。
即ち、一般に、図2に示すような巻き締め状態で、コネクタ1の連結筒5にホースやチューブ等の部材を接続し、容器口部30の開口からコネクタ1の貫通口6を介して医薬等の容器内容物が排出され、接続されたホースやチューブから例えば患者に医薬等の内容物が投与されるわけである。
本発明においては、コネクタ1の螺条7が360度以上にわたって形成されているが、図2の巻き締め状態において、コネクタ1の螺条7と容器口部30の螺条31とが180度乃至270度にわたって互いに係合していることが重要であり、このような角度幅で螺条7と螺条31とが係合するように、螺条7の下端位置が設定されている。
図3は、従来公知のコネクタを容器口部30に巻き締めた状態での螺子係合状態を示す展開図であるが、図3から理解されるように、容器口部30の上端が段差部13に当接している巻き締め状態では、コネクタ1の螺条7は、360度以上にわたって容器口部30の螺条31と係合しており、螺条7の全体が螺条31の下側に入り込んだ状態となっている。このような螺子係合状態は、キャップと容器口部30との螺子係合状態と全く同様であり、これにより、十分な螺子係合幅を確保し、良好なシール性を確保しているわけである。
しかしながら、上記のような螺子係合状態とするためには、少なくとも1周にわたってコネクタ1を回転させなければならず、従って、人によっては、コネクタ1を巻き締める際に、コネクタ1を持ち変えなければならないという煩わしさがある。
これに対して、本発明では、巻き締め状態において、コネクタ1の螺条7と容器口部30の螺条31との係合幅が180度乃至270度の範囲に設定されているため、上記のような煩わしさはない。例えば図4には、係合幅を180度に設定した場合について、螺条7の180度分が螺条31の下側に位置し、残りの部分が螺条31の上側に位置した状態に保持されている。即ち、このような巻き締め状態とするためには、コネクタ1を半回転すればよく(係合幅を270度に設定した場合には、3/4回転させればよい)、従って、巻き締めの途中でコネクタ1を持ち変える必要はなく、誰でも容易に、巻き締めを行なうことが可能となるものである。
尚、本発明においては、螺子係合幅が360度未満(180度乃至270度)に設定されているため、螺子係合の観点からは、螺条7の長さを360度未満に設定することは可能である。しかしながら、この場合には、コネクタ1を成形する際、成形後の型抜き時において、コネクタ1の内面に螺条7が形成されていない部分が存在するため、型抜きによって発生する応力が不均等になり、この結果、コネクタ1自体が変形してしまうという不都合を生じることがある。このような成形時の不都合を防止するため、螺条7は、360度以上の長さとすべきである。
また、本発明においては、従来公知のコネクタと比較すると螺子係合幅が短くなっているが、コネクタ1は、容器内容物を密封保存するために使用されるものではないため、螺子係合幅が短いことによるシール性低下に関する問題は全くない。
さらに、本発明のコネクタ1において、螺子係合幅が短いためにコネクタ1を容器口部30に巻き締めたときにガタツキなどの問題が生じるような場合には、図5の好適例に示すように、コネクタ1の基筒3の内面壁にリブ20を設けるのがよい。このリブ20は、容器口部30との当接部となる段差部13と螺条7の上端との間の位置に設けられ、且つ高さ方向に延びているものであり、巻き締めたときに、容器口部30の内面に接触乃至近接するように設けられている。このようなリブ20を基筒3の内面壁の全周にわたって均等に配置しておくことにより、巻き締められたコネクタ1が傾むこうとすると、リブ20によって矯正され、正常な状態に維持され、コネクタ1のガタツキ等を確実に防止することができ、容器口部30に安定に保持することが可能となる。
上述した本発明のコネクタ1は、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表される各種熱可塑性プラスチックを用いての射出成形等の公知の手段によって容易に成形され、例えば各種医薬が充填された医療用包装バッグなどの容器の口部に巻き締められ、このコネクタ1にホースやチューブ等の管を接続して患者等への医薬の投入に利用される。勿論、ボトルなどの飲料容器などの口部に接続し、コネクタ1から直接容器内容物を喫飲するなどの用途に適用することも可能である。
本発明のコネクタの側断面図。 図1のコネクタを容器口部に巻き締めた状態を示す側断面図。 従来公知のコネクタを容器口部に巻き締めた状態での螺子係合状態を説明するための展開図。 図1の本発明のコネクタを容器口部に巻き締めた状態での螺子係合状態を説明するための展開図。 本発明において好適なコネクタを容器口部に巻き締めた状態を示す要部側断面図。
符号の説明
1:コネクタ
7:螺条
13:段差部(当接部)
20:リブ
30:容器口部
31:螺条

Claims (1)

  1. 外面に螺条が形成された容器口部に螺子締結され且つ該容器口部に螺子締結された状態で容器口部内空間と連通する貫通口を供えたコネクタにおいて、
    該コネクタの内面壁には、螺条が360度以上にわたって形成されており、該コネクタの螺条よりも上側部分には、該コネクタが容器口部に巻き締められたときに容器口部の上端に当接する当接部が形成されており、
    該コネクタを容器口部に巻き締めたとき、容器口部の上端が前記当接部に当接することによって画定される巻き締め状態において、該コネクタの螺条と容器口部の螺条とは、180度乃至270度にわたって互いに係合しており、
    前記コネクタの内面壁には、該コネクタの螺条の上端と前記当接部との間の位置に高さ方向に延びているリブが形成されている、
    ことを特徴とするコネクタ。
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