JP4934213B2 - エレクトロルミネッセンス素子用部材 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子用部材 Download PDF

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Description

本発明は、エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」という)素子内の所定の気体成分を除去するためのEL素子用部材に関するものである。
従来より、モバイル機器等の各種機器のディスプレーや発光素子等には、発光体としてEL素子(電界発光素子)が用いられている。しかしながら、EL素子には、高温条件下や一定期間を経ることにより、発光輝度,発光均一性等の発光性能が初期に比べて著しく劣化するという欠点がある。このような発光性能の劣化は、EL素子内部において、その構成部品や構成材料の表面等に吸着している水分や外部から浸入した水分,酸素や有機系のガスが原因となって、発光しない部分(ダークスポット)が発生するためであると知られている。
そこで、上記発光性能の劣化(ダークスポットの発生)の原因をなくすために、EL素子内に、化学的に水分を吸着するとともに吸湿しても固体状態を維持する化合物により形成されている乾燥手段を備えたEL素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このものは、乾燥手段となる化合物を固形化してEL素子内に固定したものである。
特開平9−148066号公報
しかしながら、上記EL素子では、乾燥手段となる化合物を固形化するための工程が必要となるため、その固形化のための時間や設備を要する。したがって、製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、EL素子の製造コストを抑えることができるEL素子用部材の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のEL素子用部材は、下側基板と、この下側基板と対面した状態で設けられ上記下側基板との間で密封空間をつくる上側基板と、上記下側基板の内表面に設けられ有機発光層を有する積層体とを備えたEL素子に内蔵されるEL素子用部材であって、それ自体の上下両面に接着を有する接着部材と、所定の気体成分を除去する除去剤と、この除去剤の面の少なくとも一部を被覆する通気部付きのシート材とを備え、上記接着部材が、その面の接着を利用して上記上側基板の内表面に接着固定され、面の接着を利用して上記除去剤の面側を接着固定し、上記除去剤が上記接着部材と上記通気部付きのシート材との間に挟持された状態で、上記通気部付きのシート材の周縁部が上記接着部材に接着されているという構成をとる。
すなわち、本発明のEL素子用部材は、所定の気体成分を除去する除去剤と、それ自体の上下両面に接着面を有する接着部材と、上記除去剤の下面の少なくとも一部を被覆する通気部付きのシート材とを備え、上記接着部材が、その上面の接着面を利用して上記上側基板の内表面に接着固定され、下面の接着面を利用して上記除去剤の上面側を接着固定し、上記除去剤を上記接着部材と上記シート材との間に挟持した状態で、上記シート材の周縁部が上記接着部材に接着されている。このように、EL素子用部材は、除去剤と接着部材と通気部付きのシート材とからなる簡単な構造であるため、EL素子用部材の作製を簡単に行なうことができる。したがって、EL素子用部材の製造コストを抑えることができるとともに、EL素子の製造コストを抑えることができる。
また、本発明のEL素子用部材において、通気部がポリテトラフルオロエチレンからなる多孔体である場合には、耐熱性に優れた材料であるため、EL素子が加熱環境に置かれても、安定して使用できる。
また、本発明のEL素子用部材において、通気部が結晶構造を有する高分子からなる多孔体である場合には、その結晶構造を有する高分子が多孔体の孔径制御を容易とする材料であるため、EL素子内部における所定の気体成分を除去する性能を容易に制御することができる。
また、本発明のEL素子用部材において、通気部が熱可塑性樹脂からなる多孔体である場合には、その熱可塑性樹脂が加工性に優れる材料であるため、通気部の加工を簡単にすることができる。
また、本発明のEL素子用部材において、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合には、そのポリオレフィン系樹脂が多孔体の孔径制御を容易とする材料であるため、EL素子内部における所定の気体成分を除去する性能を容易に制御することができる。さらに、ポリオレフィン系樹脂は、安価であるため、EL素子の製造コストをより抑えることができる。しかも、リサイクルが容易であるため、使用後はリサイクルすることにより、ごみを減少させることができる。
また、シート材が、中央部分が通気部からなり、その通気部の外側が非多孔体からなっている場合には、通気部と非多孔体との面積比等を変えることにより、シート材の強度や気体成分の透過性の制御を、通気部のみで制御するよりも、広範囲で行なうことができる。
また、本発明のEL素子用部材において、接着部材の25℃における弾性率が1×103 〜1×1010Paの範囲である場合には、充分に柔軟であるため、EL素子が使用されている温度域では充分に接着している。
また、本発明のEL素子用部材において、それ自体の25℃における弾性率が1MPa以上である場合には、EL素子用部材の剛性が充分に高いため、EL素子用部材の固定時の作業性が向上し、EL素子の製造において自動化に対応することができる。特に、上記弾性率を1MPa〜1×106 MPaの範囲に設定すると、上記作業性をより向上させることができるため、上記範囲に設定することが好適である。ただし、上記弾性率の上限は特に限定されるものではない。
また、本発明のEL素子用部材において、取扱い等の観点から、それ自体の厚みは、5mm以下、好適には5μm〜5mmの範囲、より好適には50μm〜3mmの範囲である。ただし、上記厚みの下限は特に限定されるものではない。
以上のように、本発明のEL素子用部材によれば、所定の気体成分を除去する除去剤と、それ自体の上下両面に接着面を有する接着部材と、上記除去剤の下面の少なくとも一部を被覆する通気部付きのシート材とを備え、上記接着部材が、その上面の接着面を利用して上記上側基板の内表面に接着固定され、下面の接着面を利用して上記除去剤の上面側を接着固定し、上記除去剤を上記接着部材と上記シート材との間に挟持した状態で、上記シート材の周縁部が上記接着部材に接着されている。このように、EL素子用部材は、除去剤と接着部材と通気部付きのシート材とからなる簡単な構造であるため、EL素子用部材の作製を簡単に行なうことができる。したがって、EL素子用部材の製造コストを抑えることができるとともに、EL素子の製造コストを抑えることができる。
また、通気部が結晶構造を有する高分子からなる多孔体である場合には、その結晶構造を有する高分子が多孔体の孔径制御を容易とする材料であるため、EL素子内部における所定の気体成分を除去する性能を容易に制御することができる。また、通気部が熱可塑性樹脂からなる多孔体である場合には、その熱可塑性樹脂が加工性に優れる材料であるため、通気部の加工を簡単にすることができる。そして、上記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合には、多孔体の孔径制御が容易となるうえ、ポリオレフィン系樹脂が安価であるため、EL素子の製造コストをより抑えることができる。しかも、リサイクルが容易であるため、使用後はリサイクルすることにより、ごみを減少させることもできる。
また、シート材が、中央部分が通気部からなり、その通気部の外側が非多孔体からなっている場合には、通気部と非多孔体との面積比等を変えることにより、シート材の強度や気体成分の透過性の制御を、通気部のみで制御するよりも、広範囲で行なうことができる。
また、本発明のEL素子用部材において、接着部材の25℃における弾性率が1×103 〜1×1010Paの範囲である場合には、充分に柔軟であるため、EL素子の使用温度域においても接着力を維持できる。
また、本発明のEL素子用部材において、それ自体の25℃における弾性率が1MPa以上である場合には、EL素子用部材の剛性が充分に高いため、長尺のセパレータ上に複数のEL素子用部材を作製し、そのEL素子用部材をセパレータから、変形させることなく簡単にピックアップすることができるようになり、EL素子製造の自動化に対応することができるようになる。その結果、EL素子の製造時間の短縮およびコストダウンを実現することができる。
また、本発明のEL素子用部材において、それ自体の厚みが5mm以下である場合には、EL素子用部材が取扱いやすくなる。
本発明のEL素子用部材およびそれを内蔵したEL素子の実施の形態に用いる基本形態を示す説明図である。 上記EL素子用部材の製法を示す説明図である。 上記製法を上から見た説明図である。 本発明のEL素子用部材の第1の実施の形態を示す説明図である。 本発明のEL素子用部材の実施の形態に用いる他の基本形態を示す説明図である。 上記他の基本形態のEL素子用部材を下から見た説明図である。 本発明のEL素子用部材の第2の実施の形態を示す説明図である。 本発明のEL素子用部材の第3の実施の形態を示す説明図である。 本発明のEL素子用部材の第4の実施の形態を示す説明図である。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明のEL素子用部材およびそれを内蔵したEL素子の実施の形態に用いる基本形態を示している。この基本形態におけるEL素子は有機EL素子であり、表面基板(下側基板)1および背面基板(上側基板)2がそれぞれを対峙させて封止材3により封止されたものであって、その表面基板1の皿状の凹所上面には、陽極4,有機発光層5および陰極6の順で積層体7が形成され、上記背面基板2の皿状の凹所下面(内面)には、所定の気体成分を除去するためのEL素子用部材が固定されている。このEL素子用部材は、所定の気体成分を除去する板状の除去剤8と、この除去剤8に接着固定されている接着部材11とからなっており、この接着部材11により上記背面基板2に接着されている。また、上記接着部材11は、内部に1層の基材層12を有する3層(基材層12およびこの基材層12の両面の接着剤層13)の積層体となっている。
より詳しく説明すると、上記接着部材11を構成する接着剤層13の接着剤は、特に限定されるものではなく、感圧性接着剤(粘着剤),ホットメルト接着剤,紫外線や放射線や熱や湿度等によって硬化する接着剤,2液混合型の接着剤,常温硬化型接着剤等が用いられる。特に、感圧性接着剤としては、シリコーン系,アクリル系およびゴム系材料が好適である。
上記基材層12は、熱可塑性プラスチックフィルム,熱硬化性プラスチックフィルム,金属箔,ネット,不織布等からなる基材で構成されている。
上記除去剤8としては、特に限定するものでなく、例えば、吸着剤,吸湿剤(乾燥剤),脱酸素剤(酸素吸収剤)等として汎用される化合物が用いられる。なかでも、上記除去剤8が、水蒸気,酸素,有機物蒸気からなる群から選ばれた少なくとも一つを除去する化合物が好ましい。そして、上記乾燥剤としては、例えば、物理的に水分を吸着する化合物や化学的に水分と反応する化合物のいずれも使用できる。このような化合物として、例えば、シリカゲル,モレキュラーシーブ(分子ふるい:ゼオライト等),活性アルミナ,アルカリ金属酸化物,アルカリ土類金属酸化物,硫酸塩,金属ハロゲン化物,過塩素酸塩,有機物,炭酸塩,五酸化リン,水素化カルシウム,水素化アルミニウムリチウム,活性金属等があげられる。特に、コバルトイオンを吸着させたシリカゲルは、無水状態で青、吸湿するとピンクに変色するため吸湿状況の判断が容易にできて便利である。また、上記脱酸素剤としては、例えば、活性炭,シリカゲル,モレキュラーシーブ,酸化マグネシウム,酸化鉄等があげられる。また、有機ガスの吸着剤としては、例えば、活性炭,シリカゲル,モレキュラーシーブがあげられる。さらに、上記除去剤8は、上記に例示した化合物を複数混合して用いてもよい。
そして、上記EL素子用部材は、つぎのようにして作製され、EL素子内に固定される。すなわち、図2および図3に示すように、長尺のセパレータ14上に接着部材11を所定の形状に順次形成したのち、その接着部材11上に上記除去剤8を接着固定する。このようにして、上記セパレータ14上にEL素子用部材を作製する。そののち、自動装着機により、上記セパレータ14上のEL素子用部材をピックアップし、上記背面基板2に接着することによりEL素子に固定される。
このように、上記基本形態によれば、EL素子用部材は、上記除去剤8と接着部材11とからなる簡単な構造であるため、EL素子用部材の作製を簡単に行なうことができる。したがって、EL素子用部材の製造コストを抑えることができる。しかも、EL素子用部材の固定が接着という簡単な作業により行なわれるため、EL素子の製造コストを抑えることができる。
そして、接着部材11には、内部に基材層12を有しているため、接着部材11の弾性率を大きくすることができる。したがって、セパレータ14からEL素子用部材を簡単にピックアップすることができるようになるため、そのピックアップやそれに続く背面基板2への接着を自動装着機を用いて行なうことができる。このように、上記EL素子用部材を用いることにより、EL素子の製造において自動化に対応することができるため、EL素子の製造を短時間に行なうことができ、EL素子の製造コストを抑えることができる。
図4は、本発明のEL素子用部材の第1の実施の形態を示している。この実施の形態では、EL素子用部材は、上記基本形態における接着部材11に、除去剤8を被覆するようにして、通気性を有する通気部10aからなるシート材10がその周縁部で接着されているものである。それ以外の部分は、上記基本形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
より詳しく説明すると、上記シート材10の通気部10aは、通気性(透湿性を含む)を有するものであれば特に限定されるものではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる多孔体,結晶構造を有する高分子からなる多孔体,熱可塑性樹脂からなる多孔体等であることが好ましい。なお、通気度が小さくてもよい場合には、これらからなる非多孔体を通気部10aとして用いることもできる。また、上記通気部10aは、上記多孔体の材料を2種以上混合して作製してもよいし、複数の層構造としたものでもよいし、2種以上の多孔体を複合したものでもよい。この通気部10aの厚みおよび気孔率は、限定されるものではないが、通常、前者は1〜5000μm、後者は2〜98%である。さらに、上記通気部10aの孔径は、上記除去剤8が透過しない大きさであれば限定されるものではないが、0.01〜100μmの範囲であることが好ましい。特に、シート材10がEL素子の陰極6に接触する可能性がある場合には、シート材10はクッション性を有することが好ましい。また、通気部10aがPTFEからなる多孔体である場合には、弾性率向上の観点から、その厚みが3μm以上であることが好ましい。そして、上記結晶構造を有する高分子および熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリ4−メチル−ペンテン−1,ポリ−1−ブテン等のポリオレフィン系樹脂やポリフッ化ビニリデンが好適に用いられる。また、これらのポリオレフィン系樹脂は、単体で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよいし、さらに、積層して用いてもよい。
図4に示す本発明のEL素子用部材は、例えば、つぎのようにして作製され、EL素子に固定される。すなわち、上記基本形態において、長尺のセパレータ14上に接着部材11を所定の形状に順次形成し、その接着部材11上に除去剤8を接着固定したのち、上記接着部材11上に上記除去剤8を被覆するようにして上記シート材10をその周縁部で接着する。このようにして、上記セパレータ14上に複数のEL素子用部材を作製する。そののち、自動装着機により、上記セパレータ14上のEL素子用部材をピックアップし、上記背面基板2の皿状の凹所に接着することによりEL素子に固定される。
そして、このような第1の実施の形態によっても、上記基本形態と同様の作用・効果を奏する。
また、上記第1の実施の形態によれば、通気性を有する通気部10aを備えたシート材10が除去剤8を被覆するようにして接着部材11に接着されている。したがって、固形化されていない除去剤8を使用することもできる。
そして、上記シート材10により除去剤8を被覆しているため、固形化されていない除去剤8を使用してもその飛散が防止される。その結果、除去剤8によるEL素子への悪影響を抑えることができる。
特に、通気部10aが上記ポリテトラフルオロエチレンからなる多孔体である場合には、耐熱性に優れた材料であるため、EL素子が加熱環境に置かれても、安定して使用できる。
また、通気部10aが上記結晶構造を有する高分子からなる多孔体である場合には、その結晶構造を有する高分子が多孔体の孔径制御を容易とする材料であるため、EL素子内部における所定の気体成分を除去する性能を容易に制御することができる。
また、通気部10aが上記熱可塑性樹脂からなる多孔体である場合には、その熱可塑性樹脂が加工性に優れる材料であるため、通気部10aの加工を簡単にすることができる。特に、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合には、そのポリオレフィン系樹脂が多孔体の孔径制御を容易とする材料であるため、EL素子内部における所定の気体成分を除去する性能を容易に制御することができる。さらに、ポリオレフィン系樹脂は、安価であるため、EL素子の製造コストをより抑えることができる。しかも、リサイクルが容易であるため、使用後はリサイクルすることにより、ごみを減少させることができる。
図5および図6は、本発明のEL素子用部材の実施の形態に用いる他の基本形態を示している。この実施の形態では、上記図1〜図3に示す基本形態における除去剤8の形状が4角形の環状体となっているものである。それ以外の部分は、図1に示す基本形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
そして、このような基本形態によっても、図1に示す基本形態と同様の作用・効果を奏する。
図7は、本発明のEL素子用部材の第2の実施の形態を示している。この実施の形態では、接着部材21は、上記第1の実施の形態における接着部材11において、シート材10を接着している側の接着剤層22が基材層12の周縁部に形成されているものである。そして、除去剤8は、シート材10と基材層12との間で挟持固定されている。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
そして、このような第2の実施の形態によっても、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
図8は、本発明のEL素子用部材の第3の実施の形態を示している。この実施の形態では、接着部材25が上記第1の実施の形態における接着剤層13からなり、内部に基材層を有していないものである。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
図9は、本発明のEL素子用部材の第4の実施の形態を示している。この実施の形態では、シート材31は、中央部分が上記第1の実施の形態と同様の通気部10aからなり、その通気部10aの外側が非多孔体32からなっている。また、この非多孔体32の材料としては、プラスチックや金属フィルム等が用いられる。そして、通気部10aと非多孔体32との接合には、接着剤が用いられ、非多孔体32の材料が熱可塑性樹脂等である場合には、熱融着を用いることができる。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
このようなEL素子用部材によれば、通気部10aと非多孔体32との面積比等を変えることにより、シート材の強度や気体成分の透過性の制御を、通気部10aのみで制御するよりも、広範囲で行なうことができる。このシート材31の強度の制御は、セパレータ14からのピックアップ率向上に反映させることができ、気体成分の透過性の制御は、気体成分の処理速度制御に反映させることができる。また、それ以外にも、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
なお、上記各実施の形態では、表面基板1の皿状の凹所上面に、陽極4,有機発光層5および陰極6の順で積層体7を形成したが、これらの層の他に電子輸送層や正孔輸送層や正孔注入層等が形成されていてもよく、これらの層が複数形成されてもよい。
また、EL素子内の空間は、密封気体が封入されてもよいし、真空状態にしてもよい。
また、上記熱可塑性樹脂からなる多孔体の製法は、特に限定されるものではなく、例えば押出しフィルムを延伸して作製する方法,良溶媒中に溶かした樹脂を貧溶媒中に析出させて作製する方法,粒状樹脂を加温状態で加圧成形して得られた多孔体成形物を切削してフィルムを作製する方法等があげられる。
本発明のEL素子用部材は、EL素子内において、EL素子の発光性能の劣化の原因となる気体成分を除去することに利用可能である。
2 上側基板
8 除去剤
10 シート材
11 接着部材
12 基材層
13 接着剤層

Claims (9)

  1. 下側基板と、この下側基板と対面した状態で設けられ上記下側基板との間で密封空間をつくる上側基板と、上記下側基板の内表面に設けられ有機発光層を有する積層体とを備えたエレクトロルミネッセンス素子に内蔵されるエレクトロルミネッセンス素子用部材であって、それ自体の上下両面に接着を有する接着部材と、所定の気体成分を除去する除去剤と、この除去剤の面の少なくとも一部を被覆する通気部付きのシート材とを備え、上記接着部材が、その面の接着を利用して上記上側基板の内表面に接着固定され、面の接着を利用して上記除去剤の面側を接着固定し、上記除去剤が上記接着部材と上記通気部付きのシート材との間に挟持された状態で、上記通気部付きのシート材の周縁部が上記接着部材に接着されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  2. 通気部がポリテトラフルオロエチレンからなる多孔体である請求項1記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  3. 通気部が結晶構造を有する高分子からなる多孔体である請求項1記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  4. 通気部が熱可塑性樹脂からなる多孔体である請求項1記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  5. 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項4記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  6. シート材が、中央部分が通気部からなり、その通気部の外側が非多孔体からなっている請求項1〜5のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  7. 接着部材の25℃における弾性率が1×103 〜1×1010Paの範囲である請求項1〜6のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  8. それ自体の25℃における弾性率が1MPa以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
  9. それ自体の厚みが5mm以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子用部材。
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