以下、本発明に係る玩具の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る玩具10の斜視図である。図2は、図1における基台20の構成を示す斜視図である。なお、図1において、一端側とは右側(搬送機構40が配置されている側)を指し、他端側とは左側(支柱69が配置されている側)を指すものとする。また、図2において、一端側とは右斜め上方を指し、他端側とは左斜め下方を指すものとし、上方とは右斜め上方を指し、下方とは左斜め下方を指すものとする。
玩具10は、図1に示すように、基台20と、移動体30と、基台20上に配置される搬送機構40と、搬送機構40と所定距離だけ離して配置される支柱69と、搬送機構40と支柱69との間を行き来しながら移動体を下方に移動させる循環路70と、から主に構成されている。
基台20は、図2に示すように、基台本体22と、その両側に設けられた補助台24と、から構成されている。基台本体22は、ぶななどの木材の一枚板を材料としており、直方体の形状を有している。また、基台本体22の底面22aにおける一端側近傍には上下方向に沿うように溝部22bが設けられている。基台本体22の厚さは約4cmとなっている。また、基台本体22の四隅の外側面にはRが形成されている。
補助台24は、高さが約1.5cmで断面が略長方形の直方体形状をした部材である。補助台24は、図2に示すように、溝部22bに、基台本体22の側面22c,22dから当該側面22aおよび側面22bに対して垂直下方および垂直上方に向かって補助台24の両端が突出するように嵌め込まれる。補助台24は、基台本体22の側面22c,22dから同じ長さだけ突出しており、基台本体22を左右対称に支持している。基台20における基台本体22aの底面22aと補助台24の底面24aとは同一平面上に存在している。
図3は、図1中の移動体30の構成を示す図であり、(a)は、その側面図であり、(b)は、その平面図である。なお、図3において、一端側とは右側を指し、他端側とは左側を指すものとする。
移動体30は、ボディ32に2つの車輪体34,36が回転可能に軸支された四輪車となっている。
ボディ32は、木材を材料とし、一方向に長い略直方体形状を有する。ボディ32の長さ方向両端部には、一対の面を貫通するように、一対の貫通孔32a,32bが設けられている。
一方の車輪体34は、車軸34aの両端に設けられる一組の車輪34b,34cとを有する。車軸34aは、ボディ32に設けられる貫通孔32aより細く、かつ長い。車軸34aは、貫通孔32aに回転可能に挿入される。また、車軸34aの両端は、ボディ32の両側面から突出する。車輪34b,34cはプラスチック製である。一組の車輪34b,34cは、ボディ32の長さ方向中央部の厚さより大径の円板形状に形成されている。一組の車輪34b,34cは、ボディ32の両側面から突出する車軸34aの両端に取り付けられる。また、各車輪34b,34cは、車軸34aに取り付けられた状態において外側となる面が、曲面形状に形成されている。各車輪34b,34cは、画鋲の頭部のように、その中心部から周縁部に向かうにつれて厚さが薄くなっている。他方の車輪体36も、車輪体34と同様、ボディ32の貫通孔32bに回転可能に挿入される車軸36aと、車軸36aの両端に設けられる一組の車輪36b,36cと、を有する。
ボディ32に二組の車輪体34,36が取り付けられると、移動体30は、その二組の車輪体34,36で接地する。また、ボディ32の上下を裏返しても、移動体30は、その二組の車輪34,36で接地する。ボディ32の長さ方向両端部の上下の両面には、テーパ面加工が施されている。ボディ32の前後部となる長さ方向両端は、先細りの形状となり、ボディ32の長さ方向中央部の厚さより薄くなる。また、図3に示すように、ボディ32の長さ方向の一端は一方の組の車輪34b,34cの間に隠れ、ボディ32の長さ方向の他端は他方の組の車輪36b,36cの間に隠れる。なお、図3におけるボディ32において長さ方向に沿った上方の面と車輪36の接地部36dとの間の幅を厚みZと規定する。
図4は、図1中の搬送機構40の斜視図である。図5は、図1中の搬送機構40の側断面図である。また、図6は、図5における搬送機構40をA−Aに沿って切断した状態を示す断面図である。図7は、図1中の筐体本体43を開口側から見た状態を示す平面図である。なお、図4から図7の各図において、上下左右前後の呼び名を使用する。
搬送機構40は、図1に示すように、基台20の上に配置されており、図4から図6に示すように、筐体42と、滑車45と、滑車46と、ベルト部材48と、ハンドル部材50とから主に構成されている。
筐体42は、図4および図6に示すように、筐体本体43と、蓋部材44とから構成されている。筐体本体43は、一端が開口した略箱型形状をしており、略長方形の形状をした板部材である幅広側面43aの外縁から、縦長側面43b,43cと上面43dと底面43eの4つの面が開口側に向かって立設されている。縦長側面43bの上下両端には、開口側から幅広側面に向かって断面が四角形となるように切り欠かれた到着口(搬入口)43fと出発口(搬出口)43gが設けられている。
筐体本体43における上面43d、縦長側面43cおよび底面42eの内側面は、図7に示すように、出発口43gの上部43nから到達口43fの下部43pにかけてなめらかに繋がるような壁面を形成しており、頂部43q,43r近傍における内側面にはRが形成されている。幅広側面43aにおいて縦長側面43bが存在する部位の左側には、窓部43hが設けられている。窓部43hは、図5および図7に示すように、縦長側面43cに沿うように設けられた縦長の長穴部43iと、その両端に続いて設けられる円弧状の円弧穴部43j,43kとから構成されている。
また、幅広側面43aには、縦長側面43bから窓部43h近傍にかけて、当該幅広側面43aから開口側に向かって突出する平板状の平板部43sが突出形成されている。平板部43sにおける右側の上下両端部は円弧状に切り欠かれた切欠部43t,43uが形成されている。平板部43sにおける左右の略中央部には、上下方向に沿うような、仕切り部43vが平板部43sから手前側に向かって突出形成されている。幅広側面43aにおける切欠部43tの上方には断面円形状の挿通孔43wが形成されており、幅広側面43aにおける切欠部43uの下方には、挿通孔43wと同径となる円柱状にえぐられた円形穴43xが形成されている。また、平板部43sにおいて挿通孔43wの左側の部位には断面円形状のローラ穴43yが設けられている。また、平板部43sにおいて仕切り部43vの右側の部分には回転穴43zが上下に6つ並んで設けられている。
蓋部材44は、略長方形の形状をした平板状の板部材である。当該蓋部材44は、筐体本体43の開口部に被せられ、ネジ止めにより筐体本体43に固定される。また、図4に示すように、窓部44aは窓部43hと同様、縦長側面43cに沿うように設けられた長穴部44bと、その両端に続いて設けられる円弧状の円弧穴部44c,44dとから構成されている。蓋部材44を筐体本体43に被せた状態では、窓部43hと窓部44aは対向した位置関係となる。蓋部材44において筐体本体43と対向する側の面には、挿通孔43wおよび円形穴43xと対向する位置に、円柱形状にえぐられた円形穴44e,44fが形成されている(図6参照)。
図8は、図1中の滑車45,46を示す図であり、(a)は、滑車45の構成を示す斜視図であり、(b)は、滑車46の構成を示す斜視図である。なお、図8において、一端側とは右側を指し、他端側とは左側を指すものとする。
滑車45,46は、筐体42の内部における切欠部43tの上方および切欠部43uの下方に配置されている。滑車45は、滑車本体45aと摩擦部材45bとから構成されている。滑車本体45aは、木材を材料とし、図8(a)に示すように、大径の円柱形状をした大径円柱部45cと、大径円柱部45cの中央部から一端側に沿って突出する断面円形状の突起部45dと、大径円柱部45cの中央部から他端側に向かって突出し、突起部45dと同径であり、かつ突起部45dより軸方向に向かって長い小径円柱部45eと、から構成される。また、図6に示すように、大径円柱部45cの外周面には、当該外周面の周方向に全周に亘って断面半円形状に切り欠かれた溝部45fが軸方向に向かって2つ設けられている。当該溝部45fには、ゴム等の弾性体からなるリング状の摩擦部材45bが係合している(図8(a)参照)。
滑車46も滑車45とほぼ同様の構成となっており、滑車本体46aと摩擦部材45bとから構成されている。滑車本体46aは、大径の円柱形状をした大径円柱部46cと、大径円柱部46cの中央部から一端側と他端側の双方に向かって突出し、大径円柱部46cの径より小径となる断面円形状の突起部46dと、から構成される。また、大径円柱部46cの外周面にも、2つの溝部46fが形成され、当該溝部46fには、摩擦部材45bが係合している(図8(b)参照)。
滑車45は、図6に示すように、突起部45dが、円形穴44eの内部に配置されると共に、小径円柱部45eが挿通孔43wに挿通されるように筐体42の内部に配設されている。また、挿通孔43wおよび円形穴44eの径は、突起部45dおよび小径円柱部45eの径より大きい。そのため、滑車45は、筐体42に対して回転可能に軸支されている。一方、滑車46は、突起部46d,46dが、円形穴43x,44fの内部に配置されるよう筐体42に配設されている。また、円形穴43x,44fの径は、突起部46dの径より大きい。そのため、滑車46は、筐体42の内部に回転可能に軸支されている。
ベルト部材48は、図5に示すように、ゴム等の弾性体からなるリング形状をした部材である。ベルト部材48の断面形状は、図6に示すように円形である。ベルト部材48は、滑車45,46において、摩擦部材45b,45bの間に位置するように、滑車45および滑車46との間に張架されている(図5,図6参照)。そのため、ベルト部材48は、滑車45,46に接触すると共に摩擦部材45b,45bとも接触している(図6参照)。
図9は、図1中のハンドル部材50の構成を示す斜視図である。
ハンドル部材50は、図9に示すように、ハンドル本体50aと、把持部50bとから構成されている。
ハンドル本体50aは、板厚約1.5cmの略直方体をした木製部材である。ハンドル本体50aの一方の側面となる外側面50cにおける一端側には、係止穴50dが設けられている。係止穴50dは、外側面50cから他方の側面となる内側面50eに向かって形成される断面円形状の小径空間部50fと、その内側面50e側に隣接して形成される小径空間部50fの径より大径となる断面円形状の大径空間部50gとから構成されている(図6参照)。また、内側面50eにおける他端側には断面円形状の円形穴50hが設けられている。
把持部50bは、手で把持する部分となる略円柱状の柱状部50iと、その一端に設けられた当該柱状部50iより大径の円盤形状をした円盤部50jとから構成されている。円盤部50jは、大径空間部50gの内部に配置され、柱状部50iにおいて円盤部50jと隣接する部分は小径空間部50fの内側に配置される。円盤部50jおよび柱状部50iの径の大きさは、それぞれ大径空間部50gおよび小径空間部50fの径の大きさよりやや小径となっている。そのため、把持部50bは、係止穴50dに対して回転可能に取り付けられている。また、円盤部50jは、小径空間部50fより大径となっている。このため、把持部50bが外側方向へ引っ張られても、柱状部50iと円盤部50jとの境界部となる境界周部50kと小径空間部50fと大径空間部50gとの境界部となる境界壁50mとが当接することにより、把持部50bの係止穴50dからの抜けが防止される。また、円形穴50hには、滑車45の小径円柱部45が嵌合されているため、把持部50を手で握ってハンドル部材50を回転させると、滑車45が回転する。
また、滑車45と滑車46の外側には、ベルト部材48が張架されているため、滑車45が回転すると、当該ベルト部材48と滑車45との間に作用する大きな摩擦力に起因して、ベルト部材48は滑車45との間で空回りすることなく、滑車45および滑車46の周囲を周回する。そして、ベルト部材48の周回により、ベルト部材48と滑車46との間における大きな摩擦力に起因して、ベルト部材48と滑車46との間で空回りすることなく、滑車46は、ベルト部材48を送りながら回転する。
図5において滑車45の左側に隣接する位置には、ローラ部材52が配置されている。ローラ部材52は、円柱形状をした円柱部の中心に当該円柱部の両端から外方に突出する中心軸を有している。また、円柱部の両端には、円盤状の鍔部が形成されている。また、円柱部の外周面には弾性体からなる表面部材53が外周面全体に渡って取り付けられている。
図5において筐体43に設けられた仕切り部43vの右側には、滑車45から滑車46の間に縦方向に並ぶように6つの回転部材54が配置されている。回転部材54は、ローラ部材52の円柱部と比較して小径となる円柱形状をした円柱部の中心に、当該円柱部の両端から外方に突出する中心軸を有している。また、円柱部の両端には、円盤状の鍔部が形成されている。
図10は、図6中の板部材56の平面図である。なお、図10において、一端側とは右側を指し、他端側とは左側を指すものとする。
板部材56は、ローラ部材52と回転部材54とを回転可能に軸支するための部材である。板部材56は、長方形の形状をした平板の一端側かつ長手方向の両端が略円弧状に切り欠かれた円弧状切欠部56a,56bを有する部材である。円弧状切欠部56aの他端側には、ローラ部材52の中心軸の一方が挿通される挿通孔56cが設けられている。また、板部材56の一端側には、回転部材54の中心軸の一方が挿通される挿通孔56dが上下方向に並ぶように6つ設けられている。また、板部材56における略中央部にはネジ穴56eが上下方向に並ぶように3つ設けられている。
ローラ部材52および回転部材54の一方の中心軸が筐体本体43に設けられたローラ穴43yおよび回転穴43zに挿入されると共に、滑車45,46が筐体本体43に配置され、当該滑車45,46にベルト部材48が張架された状態で、板部材56は、それらの上から被せられる。そして、板部材56は、ネジをネジ穴56eに螺入させて仕切り部43vにネジ止めされる。板部材56が被せられた状態では、ローラ部材52および回転部材54の他方の中心軸は、挿通孔56cおよび挿通孔56dに挿通されている。また、板部材56を被せた状態において、ローラ穴43yおよび回転穴43zと、挿通孔56cおよび挿通孔56dとは、それぞれ対向する位置関係となっているので、ローラ部材52および回転部材54は、筐体本体43および板部材56によって回転可能に軸支されている。また、当該状態において、ローラ部材52に取り付けられた表面部材53は、ベルト部材48と接触している。一方、回転部材54は、移動体30が通過しない状態では、ベルト部材48とは接触していない。さらに、筐体本体43において上部43nから下部43pに渡る内壁面を形成する上側壁面55a、縦側壁面55bおよび下側壁面55cと、ベルト部材48との間の空間が通路55を形成している。通路55の幅は、移動体30の厚みZよりもやや小さく形成されている。
板部材56が被せられた状態で、さらに、蓋部材44が筐体本体43の上に被せられる。この状態では、滑車45および滑車46の突起部45dおよび他方の突起部46dは、円形穴44eおよび円形穴44fの内部に配置される。一方、小径円柱部45eは挿通孔43wに挿通され、一方の突起部46dは円形穴43xの内部に配置されている。また、蓋部材44を被せた状態において、挿通孔43wおよび円形穴43xと、円形穴44eおよび円形穴44fとは対向する位置関係となっているので、滑車45および滑車46は、筐体本体43および蓋部材44によって回転可能に軸支されている(図6参照)。
縦長側面43bの外側の面には、図4および図5に示すように、移動体30が走行するための循環路70を構成するレール部材65を架けるための4つのレール架け部材58,59,60,61が取り付けられている。
レール架け部材58は、図4に示すように、断面が台形形状をした木製のブロック部材である。また、図5に示すように、レール架け部材58における側面58aの略中央には、側面58aと対向する面となる側面58bに向かってネジ止め穴58cが形成されている。レール架け部材58は、ネジ止め穴58cにネジを挿入し、側面58b側においてネジ止めにより縦側側面43bに対して固定されている。上面58dは、筐体本体43の上面43dに対して、図5においてやや左斜め下方に傾斜した平面となっている。そのため、出発口43gから搬出された移動体30は、自重によってレール部材65へ導かれる。また、レール架け部材58における手前側の面と奥側の面の上方には、手前側および奥側に突出するように木製のビス58eが嵌めこまれている(図4参照)。
レール架け部材59,60は、図4に示すように、略直方体を形成する1つの面が曲面状に切り欠かれた曲面59a,60aを有する木製のブロック部材である。図5に示すように、レール架け部材59,60における曲面59a,60aの上方には側面59b,60bに向かってネジ止め穴59c,60cが形成されている。レール架け部材59,60は、ネジ止め穴59c,60cにネジを挿入し、曲面59a,60aと対向する面となる側面59b,60b側においてネジ止めにより縦側側面43bに対して固定されている。また、レール架け部材59,60における手前側の面と奥側の面には、上下に並ぶように手前側および奥側に突出するような木製のビス59d,59e,60d,60eが2つずつ嵌めこまれている(図4参照)。
レール架け部材61は、図4に示すように、略直方体を形成する上面61aを当該上面61aに対して鋭角に切り欠いた傾斜面61bを有する木製のブロック部材である。また、レール架け部材61における側面61cは、接着剤により縦側側面43bに対して固定されている。上面61aは、傾斜面61bと同方向にやや傾斜した平面となっている。そのため、到着口43fに搬入されてきた移動体30は、自重によって筐体42の内部へと導かれる。また、レール架け部材61における手前側の面と奥側の面の上方には、手前側および奥側に突出するように木製のビス61dが嵌めこまれている。
図1に示すように、支柱69は、循環路70を間に挟んで搬送機構40の他端側に配設されている。支柱69は、搬送機構40の長手方向に対して略平行に配置されている。支柱69と搬送機構40との間の距離は約50cmである。
図11は、図1中の支柱69の分解斜視図である。
支柱69は、図11に示すように、基台となる台部62と、柱の部分を構成する柱部63,64と、頭柱部65と、台部62、柱部63,64および頭柱部65を接合する3つの接合部66と、頭部67とから構成されている。
台部62は、直径が約15cmで高さが2cmの円盤状をした円盤部62aと、その中心から、垂直上方に立設された断面円形状の棒状部材となる棒状部62bとから構成されている。図11における棒状部62bの上側の端面には、当該端面に対して垂直上方に棒状部62bの直径より断面が小径となる突起部62cが設けられている。
柱部63と柱部64は、同一の形状をした部材であり、長手方向に約8cmの長さを有する円柱状の円柱部63a,64aと、それらの両端面から上下方向に向かって突出形成されている断面円形状の突起部63b,64bとから構成されている。
頭柱部65は、長手方向に約1.5cmの長さを有する円柱状の円柱部65aと、それらの両端面から上下方向に向かって突出形成されている断面円形状の突起部65bとから構成されている。
接合部66の外形は、レール架け部材59,60の外形と左右対称の形状を有している。接合部66は、略直方体を形成する1つの面が曲面状に切り欠かれた曲面66aを有する木製のブロック部材である。図11に示すように、接合部66の上端面66bの略中央には断面円形状の円形穴66cが設けられている。また、下端面の略中央にも不図示の円形穴が設けられている。接合部66における手前側の面と奥側の面には、上下に並ぶように手前側および奥側に突出する木製のビス66d,66eが嵌めこまれている。
頭部67は、略円柱形状をした円柱部67aの上部に半球状の半球部67bを有する木製の部材である。頭部67は、円柱部67aと半球部67bとが一体として形成されている。また、頭部67の下端面67cには、不図示の円形穴が設けられている。
支柱69は、上記各部材62〜67を組み立てることにより形成される。支柱69の組み立てと分解は、手によって容易に行える。以下に、支柱69の組み立て方法を説明する。
まず、台部62の上から接合部66を、当該接合部66の不図示の円形穴に突起部62cが挿入されるように配置する。不図示の円形穴の直径は突起部62cの直径よりやや大きいため、接合部66は台部62から容易に着脱可能である。
次に、台部62の上方に配置された接合部66の円形穴66cに柱部63の一方の突起部63bを挿入する形で、柱部63を接合部66の上方に配置する。さらに、柱部63の上方から他の接合部66を、当該接合部66の不図示の円形穴に他方の突起部63bが挿入されるように配置する。さらに、上述した場合と同様に、接合部66の上方に柱部64を配置させ、さらに柱部64の上方に残りの接合部66を配置させる。
次に、柱部64の上方に配置された接合部66の円形穴66cに頭柱部65の一方の突起部65bが挿入されるように、頭柱部65を接合部66の上方に配置させる。さらに、頭部67に設けられた不図示の円形穴に頭柱部65に設けられた他方の突起部65cが挿入する形で頭部67を頭柱部65の上方に配置する。
以上のようにして、図1に示すような支柱69が形成される。また、支柱69における各円形穴66cおよび不図示の円形穴の直径は、各突起部62c,63b,64b,65bの直径よりやや大きめに形成されているため、支柱69の組み立てと分解は、手によって容易に行うことが可能である。
図1に示すように、レール架け部材58〜61と接合部66との間にレール部材68を架け渡すことで循環路70が形成される。
図12は、図1中のレール部材68の斜視図である。
レール部材68は、平板形状を有する平板部68aと、この平板部68aの両端から突出し、かつ両側の端面に沿って立設される一対のガード部68bとを有する。ガード部68bにおいて平板部68aの両端から突出した各突出部68cの下端面には、略半円状に切り欠かれた半円切欠部68dが形成されている。半円切欠部68dは一対のガード部68bにおいて対向するように形成されている。
循環路70は、6つのレール部材68をレール架け部材58〜61と接合部66との間に架け渡すことにより形成される。レール部材68は、レール架け部材58と頭柱部65の下側に配置される接合部66との間、頭柱部65の下側に配置される接合部66とレール架け部材59との間、レール架け部材59と柱部64の下方に配置される接合部66との間、柱部64の下方に配置される接合部66とレール架け部材60との間、レール架け部材60と台部61の上方に配置される接合部66との間および台部62の上方に配置される接合部66とレール架け部材61との間に配置される。
各レール部材68のレール架け部材58〜61および接合部66との接合は、各レール部材68の一端側に形成されている半円切欠部68dをレール架け部材58〜61に嵌め込まれているビス58e,59d,59e,60d,60e,61dに係合させると共に、各レール部材68の他端側に形成されている半円切欠部68dを接合部66に嵌め込まれているビス66d,66e,66d,66e,66d,66eに係合させることによって行われる。
次に、玩具10における移動体30の動作について説明する。
循環路70を走行し、到着口43fに到達した移動体30は、到着口43fから筐体本体43の内部に侵入する。その後、移動体30は、下側壁面55cの傾斜によって滑車46の下方に到達する。滑車46の下方に到達すると、図5における矢示Dで示すように、移動体30は、そのボディ32の表面がベルト部材48と接した状態で滑車46の下方で停止する。
その状態で、ハンドル部材50を、図5における紙面手前側から紙面奥側に向かって見て反時計回り方向に回すと、ベルト部材48が滑車45,46の周りを反時計回り方向に周回する。すると、ボディ32とベルト部材48との間に摩擦力が作用し、その摩擦力により移動体30は、通路55に送り込まれる。移動体30が通路55に送り込まれた状態では、当該移動体30は、そのボディ32がベルト部材48と接触しており、車輪34b,34c,36b,36cが下側壁面55cと接触している。したがって、移動体30は、下側壁面55c上を摺動する形で通路55内を移動する。
さらに、ハンドル部材50を回転させると、移動体30は、図5における矢示Eで示すように、通路55内においてベルト部材48と縦長壁面55bとが形成する領域に搬送される。移動体30が当該領域に搬送されると、ベルト部材48と縦長壁面55bとの間の幅は、移動体30の厚みZよりも狭いため、移動体30によってベルト部材48が回転部材54に押し付けられる。移動体30が回転部材54に押し付けられると、移動体30はその反力を受ける。その反力により移動体30は縦長壁面55bにほどよい力で押し付けられる。したがって、移動体30はベルト部材48と縦長壁面55bとの間に、ほどよい力によって狭持された状態となり、移動体30の自重で落下しないようになる。かかる状態において、ハンドル部材50を回転させると、移動体30は、縦長壁面55b上を上方に向かって摺動する。
さらに、ハンドル部材50を回転させ続けると、移動体30は、通路55内においてベルト部材48と上側壁面55aとが形成する部分に搬送される。そして、移動体30は、図5における矢示Fで示すように、ベルト部材48から離れて、通路55から出発口43gに搬出される。
出発口43gに搬出された移動体30は、レール架け部材58を通過して、レール架け部材58と頭柱部65の下側に配置される接合部66との間に架け渡されたレール部材68(以下、第1レール部材68という。)上を走行する。レール架け部材58の上端面および第1レール部材68は、図1に示すように、ほぼ同じ傾斜角度で他端側下方に向かって傾斜している。そのため、移動体30は、自重により第1レール部材68上を走行できる。
第1レール部材68がレール架け部材58と頭柱部65の下側に配置される接合部66との間に架け渡された状態では、第1レール部材68に設けられた突出部68cと、平板部68aの他端側の端面と、接合部66における曲面66aと、によって略長方形状の落込孔が形成されている。したがって、移動体30が、第1レール部材68の他端側に到達すると、移動体30は、落込孔に入り、曲面66aによって頭柱部65の下側に配置される接合部66とレール架け部材59との間に架け渡されたレール部材68(以下、第2レール部材68という。)に導かれる。このとき、移動体30の上下は、第1レール部材68を走行していた状態と裏返っている。このようにして、移動体30は、残りのレール部材68を順次走行し、再度、到着口に到達する。
以上のように構成された玩具10では、ハンドル部材50を回転させることで、ベルト部材48が、滑車45および滑車46の周りを周回する。かかる構成となっているため、移動体30は、周回するベルト部材48との間に作用する摩擦力によって到着口43fから出発口43gに搬送される。したがって、ベルト部材48の摩擦力を利用して移動体30を搬送することができ、機構を単純化できると共にコストを低減することが可能となる。また、ハンドル部材50を回転させるという容易な手段で移動体30を到着口から出発口に搬送することができるため、乳幼児でも安全かつ手軽に遊ぶことが可能となる。
さらに、玩具10では、ベルト部材48と上側壁面55a、縦長壁面55b、下側壁面55cとの間の空間に、通路55が形成されている。そのため、移動体30が通路55を通過する際には、終始、ベルト部材48と接する。したがって、ベルト部材48の摩擦力のみを利用して移動体30を到着口43fから出発口43gに搬送できる。
また、玩具10では、滑車45,46の表面には全周に亘って、ベルト部材48と接触するように摩擦部材45bが取り付けられている。そのため、滑車45,46が回転すると、摩擦部材45bとベルト部材48との間に大きな摩擦力が作用する。したがって、当該摩擦力により、ベルト部材48が確実に滑車45,46の周りを周回する。
また、玩具10では、滑車45に対して図5における左側に隣接する位置には、ローラ部材52が配置され、ベルト部材48は、ローラ部材52の表面に取り付けられた表面部材53と摩擦部材45bの双方により狭持されている。このため、ベルト部材48は、表面部材53と摩擦部材45bとの双方に接触しており、滑車45およびローラ部材52が回転すると、ベルト部材48と表面部材53およびベルト部材48と摩擦部材45bとの間に、それぞれ大きな摩擦力が発生する。したがって、ベルト部材48は、滑車45の回転により滑車45とローラ部材52との間に確実に送り込まれ、滑車45,46の周りを確実に周回する。
また、玩具10では、回転部材54を設けることにより、通路55内に搬入した移動体30は、ベルト部材48と縦長壁面55bとの双方に確実に接触する。すなわち、通路55内に搬入した移動体30はベルト部材48と縦長壁面55bとの間に狭持された状態となり、移動体30の自重で落下しない。したがって、ハンドル部材50を回転させると、移動体30は、縦長壁面55b上を上方に向かって移動する。
また、玩具10では、移動体30が通路55を通過する際には、ボディ32の表面の一方が、その長さ方向に沿ってベルト部材48と接触すると共に、車輪34b,34c,36b,36cが上方壁面55a、縦長壁面55b下側壁面55c上に接地する。したがって、ベルト部材48とボディ32との間には摩擦力が作用し、この摩擦力よって、移動体30は、そのボディ32の長さ方向に沿って上方壁面55a、縦長壁面55bおよび下側壁面55c上を移動することが可能となる。特に、車輪34b,34c,36b,36cが上記壁面55a,55b,55c上を転がるので、移動体30と当該壁面55a,55b,55cとの間の摩擦力が必要以上に高くならないようにすることができる。ハンドル部材50を回転した際に、滑車45,46の表面とベルト部材48との間に働く摩擦力の方が、ベルト部材48と壁面55a,55b,55cとによって挟まれている移動体30に働く摩擦力よりも大きい。このため、滑車45,46を空回りさせずに、移動体30を上方に搬送できる。
また、玩具10では、筐体42に、通路に沿うように形成された窓部43h,44aが設けられている。このため、操作者は、移動体30が通路55を通過するのを、玩具10の外側から視認することが可能となる。したがって、長期間にわたって乳幼児などの興味を維持できる。
また、玩具10では、出発口43gから到着口43fまで移動体30が走行する循環路70が設けられている。このため、出発口43gから搬出された移動体30は、循環路70を移動して、再度、到着口43fに到達することが可能となる。したがって、操作者は、搬送機構40によって移動体30を到着口43fから出発口43gに搬送することによって、何度でも移動体30を循環路上に走行させることが可能となる。
また、玩具10では、支柱69および循環路70は容易に組み立ておよび分解することが可能となっている。したがって、玩具10を分解すれば、持ち運びに便利となる。また、循環路70と各種異なる循環路を搬送機構40に取り付けることが可能となり、玩具10のバリエーションを増やすこともできる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
上述の実施の形態では、移動体30は、自動車の形状を有しているが、これに限ることなく、球、バス等の大型自動車または電車等他の形状を有する移動体としても良い。
また、上述の実施の形態では、玩具10のほとんどの部品が木製であるが、玩具10のほとんどの部品をプラスチックなどで成形するようにしても良い。ただし、プラスチックで部品を成形する場合、予め金型を作成しておけば大量生産する場合コストの低減を図ることができる。
また、上述の実施の形態では、循環路70を構成するためにレール部材48を6つ採用いているが、これに限ることなく、5つ以下としても良いし、7つ以上としても良い。また、レール部材48を直線状のものに限らず、カーブを形成するような曲線状のものや直線と曲線の両方を有するものを採用しても良い。この場合支柱69の数を複数配置させることにより循環路70をより平面的に広げることが可能となる。
また、上述の実施の形態では、ローラ部材52を滑車45に隣接する位置に1つ配置しているが複数配置するようにしても良い。また、ローラ部材52を滑車45に隣接する位置に限らず、滑車46に隣接する位置に配置するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、摩擦部材45bおよび表面部材53にはゴム製部材を採用しているが、これに限らず、樹脂製部材を採用しても良いし、表面に凹凸形状を有する他の部材を採用しても良い。また、摩擦部材45bおよび表面部材53を滑車45,46およびローラ部材52の全周に亘って取り付けることなくその一部分に取り付けるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、搬送機構40は、移動体30を上下方向に搬送させているが、図13に示すように、移動体30を斜め上方に搬送させるような構成を有する搬送機構(以後、「搬送機構80」と称する。)としても良い。この場合、搬送機構80内の2つの滑車を、搬送する方向と同方向となる斜め方向に配置させ、それら2つの滑車の周りにベルト部材を張架する構成を採用することとなる。また、搬送路の傾斜角度は、移動体の大きさや長さに応じて調節すればよい。例えば、移動体を3両編成の列車とした場合には傾斜角度αをやや大きめの110〜150°とするのが好適である。
また、搬送機構40を、図14に示すように、移動体30を水平方向に搬送させるような構成を有する搬送機構(以後、「搬送機構90」と称する。)としても良い。また、水平よりやや傾いた斜め方向に移動体30を搬送させるような構成としても良い。この場合、搬送機構90に使用される滑車やベルト部材の構成は本実施の形態と同様の構成となる。