JP4933485B2 - NOx排出量予測方法とこの方法を利用したガス化発電プラントの運転方法及びガス化発電プラント - Google Patents

NOx排出量予測方法とこの方法を利用したガス化発電プラントの運転方法及びガス化発電プラント Download PDF

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Description

本発明は、NOx排出量予測方法とこの方法を利用したガス化発電プラントの運転方法及びガス化発電プラントに関する。さらに詳述すると、本発明は、ガス化発電プラントから排出されるNOx排出量を予測して低減するのに好適なガス化発電プラントの運転方法とガス化発電プラントに関する。
ガス化発電プラントでは、ガス化原料をガス化剤でガス化して得られる生成ガスを、ガス精製装置により精製してガス化ガス燃料とし、これを燃焼装置に供給して燃焼させることにより動力を発生させ、この動力を利用して発電機を運転して発電する。また、これに加えて、燃焼装置からの燃焼排ガスの熱を利用して発生させた蒸気により蒸気タービンを駆動させて発電するガス化複合サイクル発電プラントを構成することにより、プラント全体としての発電効率の向上を図ることも行われている。
ところで、ガス化原料をガス化剤でガス化して得られる生成ガスには、窒素化合物(概ねNHである)が含まれており、燃焼装置にて燃焼させると窒素化合物に起因するフュエルNOxが発生する。NOxは大気汚染源となる窒素酸化物であることから、NOx量を十分に低減した上で、ガス化発電プラントから排出する必要がある。
そこで、生成ガスを水スクラバーを利用した湿式精製により精製してNHを除去し、フュエルNOxの発生要因であるNHが除去されたガス化ガス燃料を燃焼装置に供給する方法が知られている。この場合、燃焼装置(例えばガスタービン燃焼器)では、高温化による高効率化が図られてきたが、その際、作動媒体である空気中の窒素(N2)が酸化して発生するサーマルNOxが生成される。このサーマルNOxは、希薄予混合燃焼に代表される均一燃焼手法により局所高温領域をできるだけ小さくするなどの方法を採用することで、抑制することができる(例えば、非特許文献1)。しかしながら、生成ガスを湿式精製しても、NHは完全に除去できるわけではなく、残留しているNHに起因してフュエルNOxが発生してしまう。
また、特許文献1では、NHをNに還元する触媒を利用した触媒燃焼法により、燃焼装置での燃焼中にガス化ガス燃料中のNHを減らして、フュエルNOxの発生を抑制する方法が提案されている。しかしながら、この方法には、触媒の寿命等の問題があり、実プラントで採用された例はない。また、NHをNに100%還元できるわけではなく、フュエルNOxの発生を完全に抑えることはできない。
そこで、従来は、燃焼装置から排出される燃焼排ガスを排煙脱硝設備により触媒脱硝方式で脱硝処理した後に排出するようにしていた。または、NH等の還元剤を燃焼排ガスに供給してNOxを気相において還元脱硝する無触媒脱硝方式で脱硝処理した後に、排煙脱硝設備により触媒脱硝方式で脱硝処理するようにしていた。
特開2002−66230号公報 長谷川武治、他、「石炭ガス化中カロリー燃料用ガスタービン燃焼器(第2報 希薄燃焼によるNOx低減強化型燃焼器の高圧燃焼特性)」、日本機械学会論文集B編、69巻、686号、pp.2337-2345、2003.
ガス化ガス燃料の組成等は、ガス化原料の種類、ガス化剤の種類、ガス化剤の酸素含有量、ガス化炉の形式及びガス化炉負荷等により異なる。例えば、表1及び表2に示すように、ガス化ガス燃料の組成は、水素(H)と一酸化炭素(CO)とが大部分を占めているものの、その組成比自体は大きくばらついている。また、発熱量についても、2〜13MJ/Nmの低〜中カロリーの間でばらつきが見られる。
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ここで、ガス化発電プラントの汎用性を高める上では、化石燃料だけでなく様々なガス化原料を使用可能とすることが要求され、また、大小の様々な規模のプラントが立地条件により必要となる。このことから、ガス化ガス燃料の組成等の変動による燃焼排ガスのNOx濃度の変動は避けられない問題である。
しかしながら、従来の排煙脱硝設備を用いた触媒脱硝方式による脱硝処理では、燃焼排ガスのNOx濃度の変動による排煙脱硝設備への負荷変動に対して十分に対応できない。即ち、触媒脱硝方式で脱硝処理を行う場合、燃焼排ガスのNOx濃度に変動が生じると、触媒の処理能力を超えてしまい、規制値を超える濃度のNOxが排出されてしまう虞がある。NH等の還元剤を燃焼排ガスに供給してNOxを気相において還元脱硝する無触媒脱硝方式の脱硝処理を併用したとしても、燃焼排ガスのNOx濃度に変動が生じれば、規制値を超える濃度のNOxが排出されてしまう虞はある。また、無触媒脱硝方式の脱硝処理を併用した場合、燃焼排ガスに供給されるNH等の還元剤の量が燃焼排ガス中のNOx濃度に対して過剰となった結果として、還元剤がガス化発電プラント外に排出されてしまう虞もある。
また、小規模なガス化発電プラントでは、高度なガス精製を採用することは費用対効果から難しい場合が多く、粉塵の除去以外にはガス精製を行わない場合もある。この場合にも、ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物量が多いと、多量のフュエルNOxが発生する場合がある。したがって、触媒脱硝方式で脱硝処理を行うことは、触媒の寿命および費用等の観点から好ましいとは言えない。また、無触媒脱硝方式の脱硝処理についても、燃焼排ガスのNOx濃度の変動等により、還元剤の供給量や脱硝反応自体を制御することが難しいという問題がある。
したがって、ガス化ガス燃料の組成等に起因する燃焼排ガスのNOx濃度の変動を予め予測し、この予測結果に応じてNOxを低減することのできる技術の確立が急務である。
そこで、本発明は、ガス化ガス燃料の組成等に起因する燃焼排ガスのNOx濃度の変動を事前に予測することのできる方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ガス化ガス燃料の組成等に起因する燃焼排ガスのNOx濃度の変動に影響されることなく、還元剤の過剰な供給を防ぎながらも、プラントからのNOx排出量を十分に低減することのできるガス化発電プラントの運転方法とガス化発電プラントを提供することを目的とする。
かかる目的を解決するため、本願発明者等が鋭意研究した結果、燃焼装置においてガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させた場合に、ガス化ガス燃料に含まれるNHの燃焼装置でのNOxへの転換率が、ガス化ガス燃料の水素濃度と一義的な関係を有していることを見出した。しかも、この関係が、ガス化ガス燃料の大部分を占めるCOとHのモル比、即ちCOとHの組成ばらつきには影響されないことを知見した。このことから、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれるNHの燃焼装置でのNOxへの転換率との間に示される相関関係を予め把握することにより、ガス化ガス燃料の水素濃度の測定値から、燃焼装置から排出されるNOxの量を事前に予測できることを知見し、本願発明に至った。
かかる知見に基づく請求項1記載のNOx排出量予測方法は、ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との関係を示す相関関数を予め求めておき、ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を取得し、水素濃度測定値と相関関数とに基づいて燃焼装置から排出される燃焼排ガスのNOx濃度を予測するようにしている。
したがって、請求項1記載のNOx排出量予測方法によると、ガス化ガス燃料の水素濃度の測定値から、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数に基づいて、燃焼排ガスのNOx濃度を予測することができる。
尚、本明細書におけるガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物とは、燃焼装置で燃焼させた際に、フュエルNOxの発生源となる窒素化合物を意味している。通常、窒素化合物はほとんどがNHであるが、場合によってはHCN等のNH以外のものも含んでおり、これらを含めた全窒素化合物のフュエルNOxへの転換率を意味している。
次に、請求項2記載のNOx排出量予測方法は、ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との関係を示す相関関数をガス化ガス燃料の窒素化合物濃度条件毎に予め求めておき、ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を取得し、ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度を測定して窒素化合物濃度測定値を取得し、窒素化合物濃度測定値に適合する窒素化合物濃度条件の相関関数を選択し、水素濃度測定値と選択された相関関数とに基づいて燃焼装置から排出される燃焼排ガスのNOx濃度を予測するようにしている。
したがって、請求項2記載のNOx排出量予測方法によると、ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度が変動した場合でも、ガス化ガス燃料の水素濃度の測定値から、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数に基づいて、燃焼排ガスのNOx濃度を予測することができる。
次に、請求項3記載のガス化発電プラントの運転方法は、ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との関係を示す相関関数を予め求めておき、ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を取得し、水素濃度測定値と相関関数とに基づいて燃焼装置から排出される燃焼排ガスのNOx濃度予測値を得て、NOx濃度予測値に応じて燃焼排ガスへの還元剤の供給量を制御するようにしている。
また、請求項6記載のガス化発電プラントは、ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数を記憶する記憶装置と、ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を得る水素濃度測定装置と、水素濃度測定値と相関関数とに基づいて燃焼排ガスのNOx濃度計算値を得る演算装置と、燃焼排ガスに還元剤を供給する還元剤供給手段と、NOx濃度計算値に基づいて還元剤供給手段から供給される還元剤の量を制御する制御手段とを備えるものである。
したがって、請求項3記載のガス化発電プラントの運転方法及び請求項6記載のガス化発電プラントによると、ガス化ガス燃料の水素濃度の測定値から、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数に基づいて、燃焼排ガスのNOx濃度を予測することができる。よって、この予測値に応じて最適な量の還元剤を供給することで、燃焼排ガスのNOx濃度を低減することができる。
次に、請求項4記載のガス化発電プラントの運転方法は、ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との関係を示す相関関数をガス化ガス燃料の窒素化合物濃度条件毎に予め求めておき、ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を取得し、ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度を測定して窒素化合物濃度測定値を取得し、窒素化合物濃度測定値に適合する窒素化合物濃度条件の相関関数を選択し、水素濃度測定値と選択された相関関数とに基づいて燃焼装置から排出される燃焼排ガスのNOx濃度予測値を得て、NOx濃度予測値に応じて燃焼排ガスへの還元剤の供給量を制御するようにしている。
また、請求項8記載のガス化発電プラントは、ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との相関についてガス化ガス燃料の窒素化合物濃度毎に予め求められた複数の相関関数を記憶する記憶装置と、ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を得る水素濃度測定装置と、ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度を測定して窒素化合物濃度測定値を得る窒素化合物濃度測定装置と、窒素化合物濃度測定値に適合する窒素化合物濃度条件の相関関数を選択すると共に、水素濃度測定値と選択された相関関数とに基づいて燃焼排ガスのNOx濃度計算値を得る演算装置と、燃焼排ガスに還元剤を供給する還元剤供給手段と、NOx濃度計算値に基づいて還元剤供給手段から供給される還元剤の量を制御する制御手段とを備えるものである。
したがって、請求項4記載のガス化発電プラントの運転方法及び請求項8記載のガス化発電プラントによると、ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度が変動した場合でも、ガス化ガス燃料の水素濃度の測定値から、ガス化ガス燃料の水素濃度とガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の燃焼装置でのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数に基づいて、燃焼排ガスのNOx濃度を予測することができる。よって、この予測値に応じて最適な量の還元剤を供給することで、燃焼排ガスのNOx濃度を低減することができる。
ここで、請求項5、7及び9記載の発明のように、燃焼排ガス中のNOxの還元に最適な反応温度と燃焼排ガスのCO濃度との相関関係について予め求めておき、燃焼排ガスのCO濃度を測定してCO濃度測定値を取得し、CO濃度測定値と上記相関関係とに基づいて最適反応温度予測値を得て、最適反応温度予測値に適合する温度帯域の燃焼排ガスに還元剤を供給することが好ましい。
燃焼装置から排出される燃焼排ガスの温度は、燃焼装置出口からガス化発電プラントの後段に向かうに従い低下する。したがって、還元剤の供給量を燃焼排ガスのNOx濃度に対して最適な量としつつ、NOxの還元反応に最適な温度帯域にある燃焼排ガスに還元剤を供給することで、燃焼排ガスのNOx濃度を確実に低減することができる。
請求項1または2記載のNOx排出量予測方法によれば、燃焼排ガスのNOx濃度を予測することができるので、燃焼排ガスのNOx濃度を低減するための対策を実施しやすくなり、ガス化発電プラントの運用性を向上することができる。
また、請求項3または4記載のガス化発電プラントの運転方法及び請求項6または8記載のガス化発電プラントによれば、燃焼排ガスのNOx濃度を予測し、この予測結果に応じて最適な量の還元剤を供給することが可能となる。したがって、ガス化ガス燃料の組成等に起因する燃焼排ガスのNOx濃度の変動に依らずに、ガス化発電プラントからのNOxの排出量を低減することができる。しかも、燃焼排ガスのNOx濃度予測値に応じて最適な量の還元剤を供給することができるので、還元剤の過剰供給を防ぐことができ、還元剤がガス化発電プラント外へ排出されることを防ぐことができる。
さらに、請求項5記載のガス化発電プラントの運転方法及び請求項7または9記載のガス化発電プラントによれば、燃焼排ガスのNOx濃度を予測と、NOxの還元に最適な反応温度の予測とを行い、この予測結果に応じて最適な量の還元剤を最適な位置に供給することが可能となる。したがって、ガス化ガス燃料の組成等に起因する燃焼排ガスのNOx濃度の変動に依らずに、ガス化発電プラントからのNOxの排出量を確実に低減することができる。しかも、燃焼排ガスのNOx濃度の予測値に応じて最適な量の還元剤を供給することができるので、還元剤の過剰供給を確実に防ぐことができ、還元剤がガス化発電プラント外へ排出されることを確実に防ぐことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態では、ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物をNHとして説明するが、NH以外の他の窒素化合物に対して本発明を適用することも可能である。
(第一の実施形態)
本発明のガス化発電プラントは、ガス化ガス燃料の水素濃度の測定値を利用して燃焼排ガスのNOx濃度を予測し、この予測結果に基づいて最適な量の還元剤を燃焼排ガスに供給することによって、還元剤の過剰供給を防止して、還元剤のプラントからの漏洩を防ぎながらも、燃焼排ガスのNOx濃度を低減することができる点に特徴がある。より具体的には、ガス化装置に供給されるガス化原料の種類が変わった場合や、ガス化条件(ガス化剤の種類、ガス化剤の酸素含有量、ガス化炉の形式等)が変動したことにより、燃焼ガスFGのNOx濃度が変動した場合であっても、その変動をガス化ガス燃料の水素濃度から事前に予測し、この予測結果に応じて最適な量の還元剤を燃焼排ガスに供給し、還元剤をガス化発電プラント外へ漏洩させることなく、燃焼排ガスのNOx濃度を低減できるものである。
本発明のガス化発電プラントの第一の実施形態を図1に示す。尚、本実施形態では、燃焼装置としてガスタービンを例に挙げて説明するが、燃焼により動力を発生する燃焼装置であれば、ガスタービンに限らず使用することができる。例えば、ボイラやガスエンジン(レシプロエンジン)等を燃焼装置として使用することもできる。
第一の実施形態のガス化発電プラントは、ガス化原料1をガス化剤2によりガス化して生成ガス4を得るガス化装置3と、生成ガス4を精製してガス化ガス燃料4aを得るガス精製装置5と、ガス化ガス燃料4aを燃焼させるガスタービン6(6a〜6c)とを備えている。ガスタービン6では、作動媒体である空気ARを圧縮する空気圧縮機6aから供給される圧縮空気HAをガス化ガス燃料4aと共にガスタービン燃焼器6bに供給して燃焼させ、高温・高圧の燃焼ガスGを膨張タービン6cに導入して駆動させ、膨張タービン6cに結合されている発電機7により発電する。ガスタービン6(6a〜6c)から排出される燃焼排ガスFGのNOx濃度を予測するための装置構成は以下の通りである。即ち、ガス化ガス燃料4aの水素濃度とガス化ガス燃料4aに含まれるNHのガスタービン6でのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数を記憶する記憶装置16と、ガス化ガス燃料4aの水素濃度を測定する水素濃度測定装置17と、水素濃度測定装置17で測定された水素濃度から記憶装置16に記憶されている相関関数に基づいて燃焼排ガスAのNOx濃度を算出する演算装置11とにより、ガスタービン燃焼器6bから排出される燃焼ガスG及び膨張タービン6cから排出される燃焼排ガスAのNOx濃度予測値が得られる。
尚、燃焼排ガスAとは、ガスタービン燃焼器6bから排出される燃焼ガスG及び膨張タービン6cから排出される燃焼排ガスFGの総称である。つまり、本発明でいうところの、「燃焼装置から排出される燃焼排ガス」を意味している。
本実施形態にかかるガス化発電プラントでは、燃焼排ガスAに含まれるNOxを気相にてNに還元分解して除去するために還元剤10を供給する還元剤供給手段13が備えられ、演算装置11により算出されたNOx濃度に基づいて還元剤供給手段13から供給される還元剤10の量を制御手段14により制御するようにしている。そして、NOxがNに分解除去された燃焼排ガスFGは、煙突9から排出される。
尚、本実施形態におけるガス化発電プラントでは、燃焼排ガスFGの熱を回収する排熱回収装置8と、復水器15から供給される復水FWを利用して排熱回収装置8により水蒸気STを発生させ、水蒸気STにより蒸気タービン20を駆動させて発電する蒸気サイクルによる蒸気発電を併用するようにしている。但し、蒸気サイクル発電を併用するこの構成はガス化発電プラントの高効率化を図るためのものであり、ガス化発電プラントにおける必須の構成ではない。
以下、本実施形態にかかるガス化発電プラントをさらに詳細に説明する。
ガス化原料1としては、例えば、石炭、石油、バイオマス、廃棄物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ガス化剤2は、例えば、酸素、空気、酸素富化空気等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ガス化装置3は、ガス化原料1をガス化剤2によりガス化して、生成ガス4を得る装置であれば、特に限定されるものではない。例えば、固定床、噴流床方式のガス化炉等を使用することができる。
ガス精製装置5としては、生成ガス4から硫黄や灰分等の夾雑物を除去する乾式精製装置、生成ガス4から硫黄や灰分等の夾雑物のみならずNHを除去する湿式精製装置が挙げられる。また、使用する燃焼装置及びガス化発電設備によっては、フィルタ等により煤塵のみを除去するガス精製装置も含まれる。
ガスタービン(燃焼装置)6は、ガス化ガス燃料4aを量論混合比以下で燃焼させ、発電機7を運転する動力を発生させるものである。ここで、「ガス化ガス燃料4aを量論混合比以下で燃焼させる」の意味は、還元燃焼方式で燃焼させる燃焼方式ではないことを意味している。換言すると、ガス化ガス燃料4aと当量(化学量論量)以上の酸素又は当量以上の酸素を含むガスにより燃焼させることを意味している。具体例としては、ガスタービンやエンジン機関等で最も一般的に利用されている拡散燃焼や、部分希薄予混合燃焼に代表される疑似均一燃焼が挙げられるが、これらに限られるものではない。
ガス化ガス燃料4aを量論混合比以下で燃焼させる場合、ガス化ガス燃料4aに含まれるNHに起因するフュエルNOxが発生する。即ち、ガス精製装置5によって生成ガス4を湿式精製する場合であってもNHを完全に除去できるわけではなく、NHの残留分に起因してフュエルNOxが発生する。また、ガス精製装置5によって生成ガス4を乾式精製または煤塵のみを除去する精製を行う場合には、生成ガス4からNHは除去されず、これに起因してフュエルNOxが発生する。本発明は、燃焼排ガスAのフュエルNOx濃度の指標となる値、即ちガス化ガス燃料4aに含まれるNHのガスタービン燃焼器6bでのNOxへの転換率とガス化ガス燃料4aの水素濃度との相関を示す相関関数に基づいて燃焼排ガスAのNOx濃度を予測するものである。
例えば、近年、燃焼装置としてレシプロエンジン等のガスエンジンを採用した小規模発電設備の検討も行われつつある。このような小規模発電設備においては、ガス化ガス燃料の顕熱の損失を防ぐ観点から、乾式精製あるいは粉塵のみを除く精製処理がされたガス化ガス燃料が用いられる場合が多い。また、レシプロエンジン等のガスエンジンでは、ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させるのが一般的である。したがって、ガス化発電プラントからフュエルNOxが発生しやすい状況になることが懸念されるが、本発明は、このような状況下においても、ガスエンジンから排出される燃焼排ガスのNOx濃度を予測することができるものである。
次に、記憶装置16は、例えば、ハードディスク、RAM等である。記憶装置16には、ガス化ガス燃料4aの水素濃度とガス化ガス燃料4aに含まれるNHのガスタービン燃焼器6bでのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数が記憶されている。
水素濃度測定装置17は、ガス化ガス燃料4aの水素濃度を測定することができる装置であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ガスクロマトグラフ装置(装置名:AG-1000TTH、メーカー名:ヤナコ分析工業株式会社)を使用すればよい。尚、ガス化ガス燃料4aの水素濃度の測定は、ガス化ガス燃料4aが燃焼装置6に供給される前に行う。これにより、燃焼装置6で燃焼されるガス化ガス燃料4aに由来する燃焼排ガスAのNOx濃度を事前に予測することができる。
演算装置11及び制御手段14は、CPU(中央演算装置)またはMPU(超小型演算装置)により構成される。
演算装置11では、記憶装置16に記憶されている相関関数と、水素濃度測定装置17から入力される水素濃度測定データとに基づいて演算処理が行われ、演算結果に基づいて制御手段14により還元剤供給手段13に命令信号が送られ、その動作が制御されて、還元剤10が燃焼排ガスAに供給される。本実施形態では、排煙脱硝設備12を燃焼排ガスAの流路に設けて、排煙脱硝設備12に還元剤10を供給することによって燃焼排ガスA中のNOxを還元するようにしているが、還元剤10の供給方法はこれに限定されるものではない。例えば、燃焼排ガスAが流通するラインに還元剤10を直接供給するようにしてもよいし、燃焼排ガスAが流通するラインと排煙脱硝設備12の双方に還元剤10を供給するようにしてもよい。
還元剤10としては、NOxを還元しうる物質であれば特に限定されないが、例えば、アンモニア(NH)や尿素を用いることができる。
還元剤供給手段13は、還元剤10を貯留するタンク13aと、開閉動作によってタンク13aから燃焼排ガスAへの還元剤10の供給を制御するバルブ13bとを備えている。本実施形態では、還元剤10を排熱回収装置8と排煙脱硝設備12とに流入する燃焼排ガスAに供給するようにして、無触媒脱硝方式による脱硝処理と触媒脱硝方式による脱硝処理とを併用するようにしているが、必ずしもこの形態に限定されるものではない。例えば、還元剤10の供給を排熱回収装置8よりも前段で行うようにしてもよい。また、排煙脱硝設備12よりも前段で燃焼排ガスAのNOx濃度が十分に低下する場合には、排煙脱硝設備12への還元剤10の供給ラインを省略してもよい。制御手段14からの命令信号に応答して駆動するソレノイド等が組み込まれており、ソレノイドの駆動に伴ってバルブ13bが開閉動作するように構成されている。また、還元剤10の供給量の制御は、還元剤供給手段13のバルブ13bの開度により調整してもよいし、開時間を調整することで制御するようにしてもよい。また、還元剤10を供給する際には、還元剤10を水等の媒体で希釈し、ノズル等から噴霧して燃焼ガスAの全体に還元剤10が接触するようにすることが好適である。
還元剤10の供給量については、燃焼排ガスAのNOx濃度と当量に相当する量とすればよい。例えば、還元剤10としてNHを使用する場合には、以下の化学反応式1より、1モルのNOxの還元に必要なNHは理論的には1モルであるから、NOxと当モル量のNHを供給すればよい。但し、NOxの還元分解率よりも還元剤10の分解率が低い場合には、これらの比率を考慮した上で、燃焼排ガスAのNOx濃度と当量に相当する量となるように、還元剤10の供給量を少なく調整することが好適である。
(化学反応式1)NO+NH+1/4O → N+3/2H
このように、燃焼排ガスAのNOx濃度の予測値に応じて還元剤10を供給することによって、過剰な還元剤の供給を防ぎながら、燃焼排ガスAに含まれるNOxの濃度を十分に低減することができる。したがって、排煙脱硝設備12に流入する前の段階において燃焼排ガスAのNOx濃度を低下させて、排煙脱硝設備12の触媒にかかる負荷を大幅に低減することができ、触媒の交換間隔の長期間化や、排煙脱硝設備12の管理にかかる手間及びコストを低減できる。また、排煙脱硝設備12の前段において、過剰な還元剤の供給を防ぎながら、燃焼排ガスAに含まれるNOxの濃度を十分に低減して規制値以下とできる場合には、排煙脱硝設備12の省略が可能となる。
次に、ガス化ガス燃料4aの水素濃度とガス化ガス燃料4aに含まれるNHのガスタービン燃焼器6bでのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数から、燃焼排ガスAのNOx濃度を求める方法について詳細に説明する。
ガス化ガス燃料4aの水素濃度とガス化ガス燃料4aに含まれるNHのガスタービン燃焼器6bでのNOxへの転換率との相関は、以下のようにして求めることができる。即ち、ガスタービン燃焼器6bにおける燃焼条件を一定とし、且つガス化ガス燃料4aのNH濃度を一定とした場合に、ガス化ガス燃料4aの水素濃度条件を複数として、それぞれの水素濃度条件におけるNHのNOxへの転換率を計測することで、ガス化ガス燃料4aの水素濃度条件とNHのNOxへの転換率との一義的な関係を求めることができる。
ガス化ガス燃料4aに含まれるNHのガスタービン燃焼器6bでのNOxへの転換率(C.R.)は、以下に示す数式1で表される。
Figure 0004933485
数式1において、[NOx]は燃焼装置(ガスタービン燃焼器6b)の燃焼排ガスAの総NOx濃度であり、[NOxth]はサーマルNOx濃度であり、[NH]はガス化ガス燃料のNH濃度である。フュエルNOx濃度は、[NOx]と[NOxth]の差として求められる。
サーマルNOx濃度は、燃焼装置に供給するガス化ガス燃料のNH濃度を0としたときの燃焼排ガスのNOx濃度を測定することで求めることができる。NOx濃度の測定は、例えば堀場製作所製MEXA9100分析計を利用した化学発光法により行うことができる。
NH濃度は一定値としているので、その値を適用すればよい。
燃焼排ガスAの総NOx濃度は、上記と同様、例えば堀場製作所製MEXA9100分析計を利用した化学発光法により行うことができる。
燃焼排ガスAの総NOx濃度を複数の水素濃度条件のガス化ガス燃料4aに対して測定し、データを取得することで、ガス化ガス燃料4aの水素濃度とNHのNOxへの転換率との関係を一義的に求めることができる。具体的には、水素濃度が低濃度(例えば30vol%以下)の領域では、水素濃度が高まるにつれて転換率が直線的に低下し、水素濃度が高濃度(例えば30vol%超)の領域では、水素濃度が高まるにつれて転換率が緩やかに上昇する。この関係から、例えば最小二乗法により近似式を求めることができる。
したがって、この近似式を利用することで、燃焼装置(ガスタービン燃焼器6b)の燃焼条件及びNH濃度条件が一定の場合に、ガス化ガス燃料4aの水素濃度の測定値を得ることによって、NHのNOxへの転換率を求めることができる。そして、NHのNOxへの転換率から、フュエルNOx濃度とサーマルNOx濃度を加味した総NOx濃度を予測することができる。
ここで、上述の予測方法では、ガス化ガス燃料4aのNH濃度を一定としたが、ガス化ガス燃料4aの水素濃度とガス化ガス燃料4aに含まれるNHのガスタービン燃焼器6bでのNOxへの転換率との相関を、NH濃度条件毎に複数求めるようにしてもよい。この場合には、ガス化ガス燃料4aのNH濃度を測定し、NH濃度の測定値と同条件のNH濃度としたときに得られた相関関数を選択し、この相関関数を用いてガス化ガス燃料4aの水素濃度の測定値から、NHのNOxへの転換率を求めることができる。つまり、ガス化ガス燃料4aのNH濃度の測定値に適合する相関関数を選択し、これをNHのNOxへの転換率を求めるための相関関数として採用するようにしてもよい。この場合には、あらゆるNH濃度に対してNHのNOxへの転換率を予測することが可能となる。尚、ガス化ガス燃料中のNH濃度を0〜3000ppm程度まで変化させた場合、NH濃度の増加に伴い転換率は低下する傾向があることが本願発明者の実験により確認されている。
この場合には、図1に示すガス化発電プラントに、燃焼装置6に供給される前のガス化ガス燃料4aのNH濃度を測定する装置(例えば、イオン選択電極法によるアンモニア濃度計(NH-26:京都電子工業株式会社))をさらに備え、記憶装置16には、NH濃度条件毎の複数の相関関数を記憶させ、NH濃度を測定する装置により測定されたNH濃度と合致するNH濃度条件の相関関数を演算装置11で選択して、水素濃度測定値からNHのNOxへの転換率を求めることができる。
(第二の実施形態)
本発明のガス化発電プラントの第二の実施形態を図2に示す。
第二の実施形態にかかるガス化発電プラントは、第一の実施形態にかかるガス化発電プラントとは、以下の点で異なる。
即ち、記憶装置16には、ガス化ガス燃料4aの水素濃度とガス化ガス燃料4aに含まれるNHのガスタービン燃焼器6bでのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数のみならず、NOxの還元に最適な反応温度とCO濃度との相関関係も記憶されている。
また、燃焼排ガスAのCO濃度を測定するCO濃度測定装置18が備えられている。
さらに、還元剤供給手段13の構成が異なる。即ち、第二の実施形態にかかるガス化発電プラントの還元剤供給手段13では、燃焼排ガスAの温度が異なる位置に還元剤10を供給しうる複数の還元剤供給部13cが備えられている。そして、制御手段14では、還元剤供給手段13から供給される還元剤10の量を制御するだけでなく、複数の還元剤供給部13cのうち最適反応温度に適合する位置の還元剤供給部13cを選択する制御が行われる。
要するに、第二の実施形態にかかるガス化発電プラントでは、第一の実施形態における燃焼排ガスAのNOx濃度に応じた還元剤10の供給量の制御の他に、上記化学反応式1の最適反応温度に影響を与える燃焼排ガスAのCO濃度を測定し、CO濃度の測定値から、還元剤10の最適供給位置を決定する点に特徴がある。燃焼排ガスAに存在するCOは、ガスタービン燃焼器6bにおける未燃焼成分である。そして、燃焼排ガスAはガスタービン燃焼器6bの出口から煙突に向かうまでの間に徐々に温度が低下していることから、上記化学反応式1の正方向(化学反応式1の右辺に向かう方向)の反応を促進する最適反応温度帯域の燃焼排ガスに還元剤10を供給することで、確実にNOx濃度を低減するものである。
NOxの還元に最適な反応温度とCO濃度との相関関係は、以下のようにして求めることができる。即ち、複数の反応温度帯域において、CO濃度を振りながら上記化学反応式1を進行させ、NOxのNへの還元分解と、NHのNへの分解とが最も効率良く起こる反応温度帯域、即ち、「反応窓」を探索してこれを最適反応温度帯域とする。そして、最適温度帯域とCO濃度との関係を求めることにより、NOxの還元に最適な反応温度とCO濃度との相関関係が得られる。この相関関係は実験的に求めてもよいし、素反応を考慮した数値解析を利用し、理論計算により求めてもよい。また、複数の文献を利用してデータベースを作成することによって求めるようにしてもよい。
CO濃度測定装置18は、CO濃度を測定することができる装置であれば、特に限定されるものではないが、例えば、非分散赤外線吸収法(IRA-106:島津製作所)を使用すればよい。尚、CO濃度の測定は、ガスタービン燃焼器6bの出口付近で行うことが好ましい。
CO濃度測定装置18によりCO濃度を測定することで、記憶装置16に記憶されている相関関係に基づき、NOxの還元に最適な反応温度が予測される。
次に、還元剤供給手段13の還元剤供給部13cには、熱電対(不図示)が備えられており、還元剤供給部13cの各位置における燃焼排ガスAの温度が制御手段14に送信される。そして、燃焼排ガスAのNOx濃度の予測結果と、最適反応温度の予測結果とに基づき、還元剤10の供給量の制御と、最適反応温度に適合する燃焼排ガスの温度帯域の還元剤供給部13cを選択する制御が制御手段14で行われる。
以上の構成により、ガス化発電プラントから排出されるNOx量を確実に低減することができる。したがって、排煙脱硝設備12に流入する前の段階において燃焼排ガスAのNOx濃度を低下させて、排煙脱硝設備12の触媒にかかる負荷を大幅に低減することができ、触媒の交換間隔の長期間化や、排煙脱硝設備12の管理にかかる手間及びコストを低減できる。また、排煙脱硝設備12の前段において、過剰な還元剤の供給を防ぎながら、燃焼排ガスAに含まれるNOxの濃度を十分に低減して規制値以下とし易いので、排煙脱硝設備12の省略が実現し易い。即ち、本実施形態では排煙脱硝設備12と排煙脱硝設備12に還元剤10を供給するラインが設けられているが、排煙脱硝設備12の前段において、過剰な還元剤の供給を防ぎながら、燃焼排ガスAに含まれるNOxの濃度を十分に低減して規制値以下とできる場合には、排煙脱硝設備12と排煙脱硝設備12に還元剤10を供給するラインを省略することができる。
上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、燃焼排ガスAに含まれるNOやNO成分、さらにはCHやH成分がNOxの還元反応に与える影響を加味した上で、気相脱硝反応の適正化を行うようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、フュエルNOxの発生要因たる窒素化合物をNHとして説明したが、HCN等、フュエルNOxの発生要因たる他の窒素化合物を含めた全窒素化合物のNOxへの転換率に対して本願発明を適用するようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態におけるNOx排出量の予測方法では、ガス化発電プラントの燃焼装置における燃焼条件は通常一定とすることから、燃焼条件を加味することなくNOx排出量を予測するようにしていたが、ガス化ガス燃料4aの水素濃度とガス化ガス燃料4aに含まれるNHのガスタービン燃焼器6bでのNOxへの転換率との複数の相関を、燃焼条件毎に複数求めるようにしてもよい。この場合には、燃焼装置を作動させる燃焼条件と同一の燃焼条件としたときに得られた相関関数を選択し、この相関関数を用いてガス化ガス燃料4aの水素濃度の測定値から、NHのNOxへの転換率を求めることができる。つまり、燃焼装置を作動させる燃焼条件に適合する相関関数を選択し、これをNHのNOxへの転換率を求めるための相関関数として採用するようにしてもよい。この場合には、あらゆる燃焼条件に対してNHのNOxへの転換率を予測することが可能となる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
(実施例1)
内側を耐火材で覆った内径90mm、長さ1000mmの円筒型の燃焼室31、一次空気導入部32および燃料噴射ノズル33からなる燃焼器30(図3参照)を用いて実験を行った。燃焼用空気はすべて一次空気導入部32から供給した。
本実験で使用した供試バーナは、口径1.5mm×12、吹き出し角度θ=90゜の燃料噴射ノズルと内径24.0mm、外径36.4mm、旋回角度45゜の一次空気旋回器から構成した。スワール数Sは0.84とした。
はじめに、燃焼器30を使用して、ガス化ガス燃料の燃料発熱量(HHV:高位発熱量)とガス化ガス燃料に含まれるNHの燃焼器30でのNOxへの転換率(以下、NHのNOxへの転換率と呼ぶ)との関係について、ガス化ガス燃料の主要な可燃性成分であるCOとHのモル比をパラメータとして検討した。
実験条件は以下の通りとした。ガス化ガス燃料中のNH濃度は1000ppmvとし、CH濃度は0ppmとした。燃焼器から排出されるガスの平均温度(Tex)は1773Kに維持した。ガス化ガス燃料中のCO/H(モル比)は0.43,1.00及び2.33とし、この条件を維持しつつ、Nによる希釈によってガス化ガス燃料の燃料発熱量を調整し、燃焼温度Texは空気供給量によって調整した。
燃焼排ガスは、燃焼室出口ダクト中心軸上に挿入した水冷プローブ(1点)によりサンプリングし、CO、COについては非分散赤外線吸収法により、NOx、O、THCはそれぞれ化学発光法、磁気圧力法、水素炎イオン検出法により濃度を測定した(堀場製作所製MEXA9100分析計を使用)。また、実験はすべて大気圧にて実施した。
結果を図4に示す。尚、図4において、Tairは供給空気の温度(K)であり、Tfuelは供給されたガス化ガス燃料の温度(K)であり、Vfuelはガス化ガス燃料の燃焼器30への燃料ノズルにおける噴射速度(m/s)である。
図4に示される結果から、COとHのモル比によって、NHのNOxへの転換率に差が見られることが確認された。このことから、ガス化ガス燃料の高位発熱量に対してNHのNOxへの転換率を整理しても、一義的なものとはならないことが明らかとなった。
そこで、燃焼排ガスのNOx濃度が変動する要因を各種パラメータから検討した結果、図4で示された結果を、ガス化ガス燃料の水素濃度を横軸とし、NHのNOxへの転換率を縦軸とすることによって、ガス化ガス燃料の水素濃度とNHのNOxへの転換率との間に、一義的な相関関係があることが明らかとなった。結果を図5に示す。
図5に示される結果から、ガス化ガス燃料の水素濃度とNHのNOxへの転換率との間の一義的な相関関係が、ガス化ガス燃料の主要な成分であるCOとHのモル比によらないことが明らかとなった。
次に、図5に示される結果から最小二乗法を用いて近似式を求めた。
C.R.(%)= −5.9×10−4×X 3+0.086×X2−4.0×X+100 ・・・(近似式1)
ここで、Xはガス化ガス燃料中の水素濃度(vol%)である。また、この場合の標準偏差は2.7%であった。
しかしながら、図5に示される関数は、ある水素濃度で最小値を示し、それよりも水素濃度が低くなった場合も、高くなった場合も転換率が高くなる傾向を示していることから、図5に示される関数の物理現象を説明する上では、近似式を水素濃度の2乗の関数として表すのがふさわしいと考えられた。そこで、最小二乗法により近似式を再計算し、以下の式を得た。
C.R.= 0.02×X2−1.8×X+80 ・・・(近似式2)
この場合の標準偏差は3.6%であった。
近似式2からの偏差の要因は、反応ガス中の成分としてCOとNが存在することと、実験誤差との重層であると考えられる。
以上、ガス化ガス燃料の水素濃度とNHのNOxへの転換率とが、ガス化ガス燃料の主要な成分であるCOとHのモル比によらず、一義的な関係を示すことが明らかとなった。
尚、本実施例で得られた結果は、ガス化ガス燃料中のNH濃度を1000ppmvで一定とし、CO/Hモル比を0.43〜2.33の範囲とし、燃焼平均温度を1500℃で一定とする条件下において燃料発熱量を変化させた場合におけるガス化ガス燃料中の水素濃度とNHのNOxへの転換率との物理的関係を解析的に検討した結果であるが、燃焼温度、NH濃度などの条件が他の条件の場合にも同様の手法で相関関数を求めることができる。
但し、燃焼温度、NH濃度などの条件が変わった場合には、ガス化ガス燃料の水素濃度とNHのNOxへの転換率との物理的関係は保たれるものの、ガス化ガス燃料の水素濃度とNHのNOxへの転換率との関係を示す式の係数は変化するので、予め必要な条件においてガス化ガス燃料の水素濃度とNHのNOxへの転換率との関係を示す式を求めておくことにより、燃焼器出口でのNHのNOxへの転換率を予測することができる。
以上、本実施例の結果から、COとHを主要な可燃性成分とし、微量のCHを含み、残りのほとんどはCO、NとHOであるガス化ガス燃料、例えば、CHの含有率が0.1vol%未満のガス化ガス燃料において、ガス化ガス燃料の水素濃度とNHのNOxへの転換率とが、ガス化ガス燃料の主要な成分であるCOとHのモル比によらず、一義的な関係を示すことが明らかとなり、この一義的な関係を利用することで、ガス化ガス燃料の水素濃度から、燃焼器出口でのNHのNOxへの転換率を予測できることが明らかとなった。
また、本実施形態では、窒素化合物をNHとしたが、窒素化合物をHCNとした場合であっても、NHの場合と同様、ガス化ガス燃料の水素濃度とHCNのNOxへの転換率とが、ガス化ガス燃料の主要な成分であるCOとHのモル比によらず、一義的な関係を示すことが推定された。
即ち、反応素解析を行った結果、NHの場合と同様、HCNもNOxに酸化されること、NHの分解開始もHCNの分解開始もOHやOやH基が主導すること、OHやOやH基の生成量および生成速度が速くなる時間は反応温度に依存すること、OHやOやH基を生成する反応温度が最も低いのがH成分であること、空気中へのHの拡散係数は、CHやOの4倍以上の以上あることから、NHの場合と同様、ガス化ガス燃料の水素濃度とHCNのNOxへの転換率とが、ガス化ガス燃料の主要な成分であるCOとHのモル比によらず、一義的な関係を示すことが推定された。
したがって、窒素化合物にNHとHCNが含まれている場合においても、ガス化ガス燃料の水素濃度と窒素化合物全体のNOxへの転換率との間には一義的な相関関係があるものと推定された。
(実施例2)
燃焼排ガスのCO濃度とNOxを還元するための最適反応温度との関係について、数値解析と実験の両面から検討した。
まず、数値解析を行い、燃焼排ガスのCO濃度がNOxの還元に及ぼす影響について検討した。
数値解析には、MillarとBowmanによって提案された素反応スキームを使用した(文献名:Miller,J.A., and Bowman,C.T., 1989, “Mechanism and modeling of nitrogen chemistry in combustion,” Prog. Energy Combust. Sci., Vol.15, pp.287-338.)。この文献の素反応スキームは、248式の素反応からなり、考慮されている化学種は50成分である。
熱力学データは、JANAFの熱力学物性値を使用し、不明の物性値については、Gibbsの標準生成エネルギーと化学平衡定数の関係から導出した。即ち、50成分の化学種が含まれる化学反応式系から、反応時間に対する各化学種濃度を求める微分方程式が50式作成できる。この50式の非線形微分方程式系をGear法を用いて解くことにより、任意の反応時間後の各化学種濃度を求めた。また、反応過程において、すべての化学種は均一に混合されているものとし、拡散・混合過程は考慮せず、反応は一定温度で進行するものとした。尚、数値解法は、Gear法に限定されるものではなく、ルンゲクッタ法等の他の数値解法を用いてもよい。
また、一般に、NOxの殆どはNOであることから、NOxをNOとして数値解析を行った。
数値解析の条件は以下の通りとした。即ち、反応温度を800℃で一定とし、NO濃度150ppmvに対して半分の75ppmvに相当するNHを供給する条件下において、CO濃度を変えた場合について行った。燃焼排ガス中のCO2およびH2O濃度は約13%、O2濃度は約3%とし、残りはN2ガスで調整した。燃焼排ガスのCO濃度条件は、0、50、100ppmvとした。
結果を図6に示す。この結果から、CO濃度が0ppmvから100ppmvに変化すると、反応時間は1/10に減少することが明らかとなった。つまり、CO濃度の上昇により、反応速度が向上する傾向が見られた。
次に、実験により、燃焼排ガスのCO濃度とNOxを還元するための最適反応温度との関係について検討した。石英管を電気炉に入れ、混合したガス(NH:0.1vol%、NO:0.1vol%、O:0.5vol%、ベースガス:N)を石英管に流した。そして、電気炉により1000℃まで昇温して2.2秒間保持した後に降温し、NHとNOのモル分率を計測した。また、この実験は、混合したガスにCOを流通しない場合(0ppmv)と、COを1000ppmv流通した場合とについて実施した。
結果を図7に示す。COを流通しない場合(0ppmv)においてNH及びNO双方のモル分率が最も低くなったのは、900℃付近であった。また、COを1000ppmv流通した場合においてNH及びNO双方のモル分率が最も低くなったのは、800℃付近であった。
この実験結果から、CO濃度によって最適反応温度がシフトし、CO濃度が高まると最適反応温度が低下することが確認された。尚、図7において、極小値が0とならなかった理由について数値解析により検討した結果、混合ガスを常温から1000℃まで昇温する過程に起因するものであることが明らかとなった。
以上より、上記化学反応式1で表される気相脱硝反応を効率良く適用するには、反応温度と反応時間を適切に設定することが好ましいことがわかった。
本発明のガス化発電プラントの第一の実施形態の概略図である。 本発明のガス化発電プラントの第二の実施形態の概略図である。 本実施例において使用した燃焼器の構成概略図である。 高位発熱量(HHV)に対するNHのNOx転換率を示す図である。 ガス化ガス燃料の水素濃度に対するNHのNOx転換率を示す図である。 燃焼排ガス中の無触媒脱硝反応に及ぼすCO濃度の影響についての数値解析結果を示す図である。 燃焼排ガスのCO濃度とNOxを還元するための最適反応温度との関係について実験した結果を示す図である。
符号の説明
1 ガス化原料
2 ガス化剤
3 ガス化装置
4 生成ガス
4a ガス化ガス燃料
5 ガス精製装置
6 燃焼装置(ガスタービン)
6a ガスタービンの空気圧縮機
6b ガスタービン燃焼器
6c ガスタービンの膨張タービン
7 発電機
10 還元剤
11 演算装置
13 還元剤供給手段
13a 還元剤供給部
14 制御手段
16 記憶装置
17 水素濃度測定装置
18 CO濃度測定装置
FG 燃焼排ガス(ガスタービン排出ガス)
G 燃焼ガス(ガスタービン燃焼器排気ガス)
A 燃焼排ガス

Claims (9)

  1. ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、前記生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、前記ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、前記動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度と前記ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の前記燃焼装置でのNOxへの転換率との関係を示す相関関数を予め求めておき、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を取得し、
    前記水素濃度測定値と前記相関関数とに基づいて前記燃焼装置から排出される燃焼排ガスのNOx濃度を予測することを特徴とするNOx排出量予測方法。
  2. ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、前記生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、前記ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、前記動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度と前記ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の前記燃焼装置でのNOxへの転換率との関係を示す相関関数を前記ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度条件毎に予め求めておき、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を取得し、
    前記ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度を測定して窒素化合物濃度測定値を取得し、
    前記窒素化合物濃度測定値に適合する窒素化合物濃度条件の前記相関関数を選択し、
    前記水素濃度測定値と前記選択された相関関数とに基づいて前記燃焼装置から排出される燃焼排ガスのNOx濃度を予測することを特徴とするNOx排出量予測方法。
  3. ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、前記生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、前記ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、前記動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度と前記ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の前記燃焼装置でのNOxへの転換率との関係を示す相関関数を予め求めておき、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を取得し、
    前記水素濃度測定値と前記相関関数とに基づいて前記燃焼装置から排出される燃焼排ガスのNOx濃度予測値を得て、前記NOx濃度予測値に応じて前記燃焼排ガスへの還元剤の供給量を制御することを特徴とするガス化発電プラントの運転方法。
  4. ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、前記生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、前記ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、前記動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度と前記ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の前記燃焼装置でのNOxへの転換率との関係を示す相関関数を前記ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度条件毎に予め求めておき、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を取得し、
    前記ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度を測定して窒素化合物濃度測定値を取得し、
    前記窒素化合物濃度測定値に適合する窒素化合物濃度条件の前記相関関数を選択し、
    前記水素濃度測定値と前記選択された相関関数とに基づいて前記燃焼装置から排出される燃焼排ガスのNOx濃度予測値を得て、前記NOx濃度予測値に応じて前記燃焼排ガスへの還元剤の供給量を制御することを特徴とするガス化発電プラントの運転方法。
  5. 請求項3または4に記載のガス化発電プラントの運転方法において、
    前記燃焼排ガス中のNOxの還元に最適な反応温度と燃焼排ガスのCO濃度との関係について予め求めておき、
    前記燃焼排ガスのCO濃度を測定してCO濃度測定値を取得し、
    前記CO濃度測定値と前記関係とに基づいて最適反応温度予測値を得て、
    前記最適反応温度予測値に適合する温度帯域の前記燃焼排ガスに前記還元剤を供給することを特徴とするガス化発電プラントの運転方法。
  6. ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、前記生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、前記ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、前記動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度と前記ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の前記燃焼装置でのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数を記憶する記憶装置と、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を得る水素濃度測定装置と、
    前記水素濃度測定値と前記相関関数とに基づいて前記燃焼排ガスのNOx濃度計算値を得る演算装置と、
    前記燃焼排ガスに還元剤を供給する還元剤供給手段と、
    前記NOx濃度計算値に基づいて前記還元剤供給手段から供給される前記還元剤の量を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするガス化発電プラント。
  7. ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、前記生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、前記ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、前記動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度と前記ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の前記燃焼装置でのNOxへの転換率との相関について予め求められた相関関数と、燃焼排ガス中のNOxの還元に最適な反応温度と燃焼排ガスのCO濃度との相関関係とを記憶する記憶装置と、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を得る水素濃度測定装置と、
    前記燃焼排ガスのCO濃度を測定してCO濃度測定値を得るCO濃度測定装置と、
    前記水素濃度測定値と前記相関関数とに基づいて前記燃焼排ガスのNOx濃度予測値を得ると共に、前記CO濃度測定値と前記相関関係とに基づいて最適反応温度予測値を得る演算装置と、
    前記燃焼排ガスの温度が異なる位置に還元剤を供給しうる複数の還元剤供給部が備えられている還元剤供給手段と、
    NOx濃度予測値と前記最適反応温度予測値とに基づいて前記還元剤供給手段から供給される前記還元剤の量を制御すると共に、前記複数の還元剤供給部のうち前記最適反応温度予測値に適合する位置の前記還元剤供給部を選択して前記還元剤を供給する制御手段とを備えることを特徴とするガス化発電プラント。
  8. ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、前記生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、前記ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、前記動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度と前記ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の前記燃焼装置でのNOxへの転換率との相関について前記ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度毎に予め求められた複数の相関関数を記憶する記憶装置と、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を得る水素濃度測定装置と、
    前記ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度を測定して窒素化合物濃度測定値を得る窒素化合物濃度測定装置と、
    前記窒素化合物濃度測定値に適合する窒素化合物濃度条件の前記相関関数を選択すると共に、前記水素濃度測定値と前記選択された相関関数とに基づいて前記燃焼排ガスのNOx濃度計算値を得る演算装置と、
    前記燃焼排ガスに還元剤を供給する還元剤供給手段と、
    前記NOx濃度計算値に基づいて前記還元剤供給手段から供給される前記還元剤の量を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするガス化発電プラント。
  9. ガス化原料をガス化剤によりガス化して生成ガスを得るガス化装置と、前記生成ガスを精製してガス化ガス燃料を得るガス精製装置と、前記ガス化ガス燃料を量論混合比以下で燃焼させて動力を発生させる燃焼装置と、前記動力を利用して発電する発電機とを少なくとも備えるガス化発電プラントにおいて、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度と前記ガス化ガス燃料に含まれる窒素化合物の前記燃焼装置でのNOxへの転換率との相関について前記ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度毎に予め求められた複数の相関関数と、燃焼排ガス中のNOxの還元に最適な反応温度と燃焼排ガスのCO濃度との相関関係とを記憶する記憶装置と、
    前記ガス化ガス燃料の水素濃度を測定して水素濃度測定値を得る水素濃度測定装置と、
    前記ガス化ガス燃料の窒素化合物濃度を測定して窒素化合物濃度測定値を得る窒素化合物濃度測定装置と、
    前記窒素化合物濃度測定値に適合する窒素化合物濃度条件の前記相関関数を選択すると共に、前記水素濃度測定値と前記選択された相関関数とに基づいて前記燃焼排ガスのNOx濃度予測値を得て、さらに前記CO濃度測定値から前記相関関係に基づいて最適反応温度予測値を得る演算装置と、
    前記燃焼排ガスの温度が異なる位置に還元剤を供給しうる複数の還元剤供給部が備えられている還元剤供給手段と、
    NOx濃度予測値と前記最適反応温度予測値とに基づいて前記還元剤供給手段から供給される前記還元剤の量を制御すると共に、前記複数の還元剤供給部のうち前記最適反応温度予測値に適合する位置の還元剤供給部を選択して前記還元剤を供給する制御手段とを備えることを特徴とするガス化発電プラント。
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