図1から図4には、本発明の実施例1である照射角可変照明装置の照明光学系の構成を示している。本実施例では、閃光を発光する放電管を用いている。図1〜図3は、照明光学系を示す縦断面図、図4は照明光学系を示す斜視図である。なお、図1〜図3には、光源中心から射出した光線をトレースした光線トレース図も併せて示している。
また、図5には、本実施例の照明装置とこれを装着した撮像装置により構成される撮像システムの構成を示す。
まず、図5において、1は一眼レフカメラであり、その前部には交換レンズとしての撮影レンズ11が装着されている。カメラ1内には、各種の光学部品、機械部品及び電気部品と、フィルム又はCCDセンサ,CMOSセンサ等の撮像素子である感光部材9とが収納されている。
2は主ミラーであり、ファインダ観察状態では撮影レンズ11から感光部材9に至る撮影光路内に斜めに配置され、撮影状態では撮影光路外に退避する。25はサブミラーであり、主ミラー2とともファインダ観察状態では撮影光路内に斜めに配置され、撮影状態では撮影光路外に退避する。主ミラー2はその少なくとも一部がハーフミラーであり、該主ミラー2が撮影光路内に配置されているときは、被写体からの光束の一部がハーフミラー部を透過し、サブミラー25で反射して後述する焦点検出ユニット26に導かれる。
3,4,5はそれぞれ、ファインダ光学系を構成するピント板、ペンタプリズム及び接眼レンズである。ピント板3は、撮影レンズ11の予定結像面に配置されている。ペンタプリズム4は、ピント板3からの光束を複数回反射して接眼レンズ5に導く。撮影者は接眼レンズ5を通してピント板3を観察することで、被写体を観察することができる。
6,7はそれぞれ、ファインダ観察画面内の被写体輝度を測定するための結像レンズと測光センサである。結像レンズ6は、ペンタプリズム4内の反射光路を介してピント板3と測光センサ7とを共役に関係付けている。8は感光部材9の前側に配置されたフォーカルプレーンシャッタである。
焦点検出ユニット26は、2次結像ミラー27、2次結像レンズ28及びラインセンサ29等により構成されている。2次結像ミラー27及び2次結像レンズ28は、撮影レンズ11からの光束の2次結像面をラインセンサ29上に形成する。焦点検出ユニット26は、例えば、位相差検出法によって撮影レンズ11の焦点状態を検出し、その検出結果を撮影レンズ11の焦点調節制御を行う不図示のカメラコントローラに出力する。
カメラ1と撮影レンズ11とは、不図示のレンズマウントに設けられた接点群を介して通信可能に接続されている。
撮影レンズ11において、12〜14は撮影光学系を構成するレンズであり、15は絞りである。第1レンズ12は光軸方向に移動してピント調整を行うフォーカスレンズである。第2レンズ13は、光軸方向に移動して変倍を行うズームレンズである。第3レンズ14は固定されたレンズである。
16は第1レンズ12を光軸方向に移動させるフォーカス駆動モータであり、上記コントローラからの指令信号に応じて作動する。17は絞り駆動モータであり、カメラコントローラからの指令信号に応じて絞り15の開口径を変化させるようにこれを駆動する。第1及び第2レンズ12,13の位置はそれぞれ、不図示のエンコーダ又は位置検出器によって検出される。カメラコントローラは、第2レンズ13の位置から得られる焦点距離情報と第1レンズ12の位置から得られるピント位置情報とに基づいて被写体距離を得ることができる。
30はカメラ1に対して着脱可能な本実施例の照明装置である。該照明装置は、カメラコントローラからの信号に応じて発光及び照射角変更制御を行う照明コントローラを有する。
照明装置30において、31は閃光を発する閃光発光管(キセノン管)であり、不図示のコンデンサに蓄積された電気エネルギを放電することで光を発する。32は閃光発光管31の前方(被写体側又は光照射方向)に配置された第1の光学部材である。33は照明装置30の外観の一部である発光窓を構成する第2の光学部材である。34は第1の光学部材32と第2の光学部材33の間に配置された第3の光学部材である。35は閃光発光管31の後方に配置された反射傘である。これら光学部品32〜35の作用によって、閃光放電管31からの光を効率良く被写体に向けて照射する。
39はカメラ1と照明装置30との通信インターフェイスとなるホットシューに設けられた接点群である。
なお、照明装置30の光学系を除く各部の構成及び機能については公知であるので、ここでは詳しい説明は省略する。また、本発明は、本実施例にて説明する機械的構成要素以外の構成要素を有する場合でも適用することができる。
次に、照明装置30の光学系を構成する要素について、図4を用いてさらに詳しく説明する。図4において、閃光放電管31は、その有効発光部が円筒形状を有し、該有効発光部から放射状に発散光を発する。
第1の光学部材32は、閃光放電管31から発せられた発散光を、そのうちの複数の角度成分が別々の光路を辿るように分割すると共に、各光路を経て射出面から射出した光を所定距離の位置にて収斂させる作用を有する。収斂して集光点(収斂領域)を形成した後の光は、所定の拡がり角を有する光となる。第1の光学部材32は、後述するように、複数の面により構成される入射面と、複数の反射面と、複数のシリンドリカルレンズ面(光学部)が形成された射出面とを有する。
第2の光学部材33は、第1の光学部材32から射出した光を集光する作用を有し、該光を必要とされる所定の配光特性を有する光に変換する。第2の光学部材33は、複数のシリンドリカルレンズ面(光学部)が形成された入射面と、フレネルレンズ面が形成された射出面とを有する。
反射傘35は、閃光放電管31から後方に発せられた光を前方に向けて反射する。反射傘35は、内面が高反射率を有する光輝アルミ等の金属材料又は内面に高反射率の金属蒸着面が形成された部材により形成されている。
閃光放電管31、反射傘35及び第1の光学部材32は、不図示の保持ケースによって一体的に保持されている。該保持ケースを不図示の駆動機構によって、該照明装置の照射光軸AXLに平行な方向である照射光軸方向に移動させることで、閃光放電管31、反射傘35及び第1の光学部材32と第2の光学部材33との間の距離が変化する。これら第1及び第2の光学部材32,33間の距離変化と第3の光学部材34の移動とによって、照明装置30からの射出光の集光度合いを連続的に変化させることができる。
また、第3の光学部材34は、その射出面に複数のシリンドリカルレンズ面(光学部)を有する集光作用を持った光学部材である。第3の光学部材34を、第1及び第2の光学部材32,33の間に配置して有効に機能させることにより、限られたスペースに収まる小型の照明光学系としながらも照射角の可変範囲を大きくすることができる。
なお、第1、第2及び第3の光学部材32〜34は、アクリル樹脂等の透過率の高い光学用樹脂材料又はガラス材料で構成されている。
カメラ1において照明装置30の発光が可能なモードがセットされている場合には、レリーズボタンの操作に応じて測光センサ7で測定された外光の明るさと、感光部材9の感度とに基づいて、照明装置30を発光させるか否かをカメラコントローラが判断する。カメラコントローラが「照明装置30を発光させる」と判断した場合には、該カメラコントローラは照明装置30に対して発光信号を出力する。発光信号を受けた照明コントローラは、トリガーリード線を介して閃光放電管31を発光させる。
閃光放電管31から発せられた光は、反射傘35を介して又は直接、第1の光学部材32に入射し、第3の光学部材34及び第2の光学部材33を通過して被写体に照射される。このとき、第2の光学部材33から射出される光は、撮影レンズ11の焦点距離情報に応じた配光特性を有する光に変換される。この配光特性は、本実施例では、第1、第2及び第3の光学部材32〜34の相対移動によって変更される。
特に、本実施例では、撮影レンズ11が超広角レンズである場合、望遠レンズである場合、又は超広角から望遠の焦点距離を設定可能なズームレンズである場合を含めて、焦点距離に応じて第1、第2及び第3の光学部材32〜34の相対位置関係を変化させる。これにより、主として上下方向(図1及び図4における上下方向)の照射角を撮影レンズ11の焦点距離に対応させて可変設定することができる。
次に、図1〜図3を用いて、本実施例の照明装置において照射角を変更するための基本的な考え方について説明する。なお、図1〜図3は、閃光放電管31の長手方向に対して直交する断面を示している。
ここで、本実施例の照明装置の説明に先立って、従来の照明装置の構成について図14〜図16を用いて簡単に説明する。該従来の照明装置では、2つの光学部材の相対位置関係を変更することで照射角を変更する。
これらの図において、101は閃光放電管、102は第1の光学部材、103は第2の光学部材である。また、105は反射傘である。
図14には、収斂作用を有する第1の光学部材102による集光点と第2の光学部材103の射出面に形成された凸レンズ面の焦点位置とをほぼ一致させた状態を示す。この状態は、第1の光学部材102から射出する光が最も集光した状態である。すなわち、図示のように、第1の光学部材102の入射面及び反射面によって照射光軸方向に平行となるように変換された光は、射出面の凸レンズ面で3つの点に集光する。そして、これらの集光点から第2の光学部材103の凸レンズ面までの距離が、この凸レンズ面の焦点距離に一致する。これにより、光源中心から射出した光を全て照射光軸方向に平行に進む光に変換する最も指向性の高い照明光学系が構成される。
次に、図15には、第2の光学部材103の入射面が第1の光学部材102による集光点の位置に一致するように配置した状態を示す。この場合、図14の状態に比べて広い照射角に対して均一な分布の配光特性で光を照射することができる。ここで、図14から図15の状態に移る間は、上下方向の配光特性を均一に保ったまま照射角を連続的に広げる(すなわち徐々に増加させる)ことができる。
さらに、図16には、第1及び第2の光学部材102,103を図15の状態よりもさらに接近させた状態を示す。第1及び第2の光学部材102,103をより接近させることで、本来は照射角をさらに広げることができるはずである。しかし、図15の状態と図16の状態とでは、第1及び第2の光学部材102,103間の距離は大きく変化しているにもかかわらず、照射角はそれほど大きく変化していない。また、配光特性についても、図16の状態では、中心部の光量が低下した不均一な配光特性となり易く、必ずしも理想的な配光特性が得られない。このため、超広角レンズに対応した広い照射角を得るためには不十分な構成であり、配光特性も改善する必要がある。
なお、超広角レンズに対応する照射角を得る方法として、第1の光学部材102の射出面(凸レンズ面)のパワーを強くすることが考えられる。しかし、実際には、凸レンズ面のパワーを強めると、第1の光学部材102内での全反射によって不要な迷光が増えるだけで、効率良く照射角を広げることはできない。また、第2の光学部材103の射出面の前に拡散パネルを配置することも可能であるが、前述したような問題がある。
そこで、本実施例の照明装置30では、限られた光学部材の移動空間の中で、拡散パネル等の特別な部材を用いることなく、超広角レンズから望遠レンズまで対応可能な、照射角変化量が大きく、かつ均一な配光分布が得られるようにしている。また、本実施例は、反射作用と屈折作用とを用いた効率の良い照明装置を実現すると共に、望遠レンズに対応する集光状態においても集光度合いを低下させない照明装置を実現する。
次に、本実施例の照明装置30における照明光学系の特徴的な形状を、図1から図3を用いて説明する。
反射傘35における閃光放電管31の後面に近接する部分は、閃光放電管31とほぼ同心の半円筒形状を有する。これは、該部分での反射光を閃光放電管31の中心付近に戻すのに有効な形状である。また、このような形状によって、閃光放電管31のガラスの屈折による悪影響を受けにくくすることができる。そして、この形状を有する反射傘による反射光は、閃光放電管31から直接、前方に射出する光とほぼ同一点からの射出光として扱えるため、前方の光学系の全体形状を小型化することに有効である。また、半円筒形状を採用した理由は、これよりも小さいと、閃光放電管31から側方に向かった光束を集光するために反射傘が大型化し、逆にこれ以上大きいと、反射傘の内部にこもる光束が増えて効率が低下するためである。
第1の光学部材32は、その上下方向中央部分(照射光軸AXLを含む部分)に、第1の入射面32aと、該第1の入射面32aからの光を射出する第1の射出面32bとを有する。これら両面には、図1〜図3の断面において正の屈折力を有するシリンドリカルレンズ面が形成されている。閃光放電管31の中心から第1の入射面32aに入射し、第1の射出面32bから収斂するように射出した光は、この断面において集光点Pにて集光する。なお、集光点Pは、1つの点という意味だけでなく、ある高さ及び長さを有する領域としての意味も有する。また、集光点Pは、図1〜図3に対して直交する断面で見た場合、閃光放電管31の長手方向に延びる直線状の集光線(又は集光帯)となる。
第1の光学部材32における照射光軸AXLから上下に離れた部分には、2つの第2の入射面32c,32c′と、該第2の入射面32c,32c′からの光を前方に向けて反射する反射面32d,32d′とが形成されている。また、該反射面32d,32d′からの光を射出する第2の射出面32e,32e′も形成されている。
平面形状の第2の入射面32c,32c′から第1の光学部材32内に入射した光は、反射面32d,32d′で反射することで、照射光軸AXLと平行な光に変換されて第2の射出面32e,32eに入射する。第2の射出面32e,32eには、正の屈折力を有するシリンドリカルレンズ面が形成されている。このため、閃光放電管31の中心から射出した光束は、この断面では集光点Q,Q′にてそれぞれ集光する。なお、集光点Qも、1つの点という意味だけでなく、ある高さ及び長さを有する領域としての意味も有する。また、集光点Qは、図1〜図3に対して直交する断面で見た場合、閃光放電管31の長手方向に延びる直線状の集光線(又は集光帯)となる。
第2の光学部材33は、その上下方向中央部分に第1の入射面33aを、また照射光軸AXLから上下に離れた部分に2つの第2の入射面33b,33b′を有する。これら3つの入射面33a,33b,33b′は、図1〜図3の断面において正の屈折力を有するシリンドリカルレンズ面が形成されている。入射面33a,33b,33b′はそれぞれ、第1の光学部材32の射出面32b,32e,32e′及び後述する第3の光学部材34の3つの射出面34a,34b,34b′を介した光束が入射する位置に設けられている。つまり、入射面33a,33b,33b′の数は、第1及び第3の光学部材32,34の射出面の数と同じである。
また、第2の光学部材33の射出面33cには、入射面のシリンドリカルレンズ面の母線方向(閃光放電管31の長手方向)に平行な断面において集光作用を有するフレネルレンズ面が形成されている。
第3の光学部材34は、平面形状の入射面34cを有するとともに、上下方向中央部分に第1の射出面34aを、また照射光軸AXLから上下に離れた部分に2つの第2の射出面34b,34b′を有する。これら3つの射出面34a,34b,34b′には、図1〜図3の断面において正の屈折力を有するシリンドリカルレンズ面が形成されている。射出面34a,34b,34b′はそれぞれ、第1の光学部材32の射出面32b,32e,32e′からの光束が入射する位置に設けられている。
次に、第1〜第3の光学部材32〜34の位置関係と光学作用との関係について説明する。
図1に示すように、超望遠レンズに対応する最も集光した状態と図2に示す標準レンズに対応した集光度合いの状態との間で位置関係を変更する場合について説明する。
この場合、第1の光学部材32と第3の光学部材34は、互いの距離を一定に保ったまま第2の光学部材33に対して照射光軸方向に移動する。このときの第1の光学部材32に対する第3の光学部材34の照射光軸方向での位置(特に、射出面の位置)は、第1の光学部材32の射出面32b,32e,32e′に形成されたシリンドリカルレンズ面により形成される集光点P,Q,Q′の位置に一致する。なお、ここにいう「一致」は、完全な一致だけでなく、光学的に一致しているとみなせる範囲でずれている場合も含む。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
このように、第3の光学部材34を、その射出面を第1の光学部材32によって形成される集光点に一致する位置に配置した場合、第3の光学部材34の射出面34a,34b,34b′に形成されたシリンドリカルレンズ面のうち最も屈折力の弱い部分、すなわち中央部を光束が通る。このため、第3の光学部材34のシリンドリカルレンズ面による屈折作用を最少に抑えることができる。また、この移動の間、第1の光学部材32と第2の光学部材33との間の距離は連続的に変化する。このため、第1の光学部材32によって形成された3つの集光点P,Q,Q′から前方に進む光束は、第2の光学部材33の入射面部33a,33b,33b′に形成されたシリンドリカルレンズ面の作用によって、その照射角が変更される。このようにして、照明装置30からの照射角を、超望遠レンズの画角に対応する照射角と標準レンズの画角に対応する照射角との間で連続的に、かつ光の利用効率が良いまま変化させることができる。
次に、図2に示す標準レンズに対応する状態の位置から、図3に示す超広角レンズに対応した状態に位置関係を変更する場合について説明する。
この場合、第2の光学部材33と第3の光学部材34とは最も接近(又は当接)した状態のまま位置が固定され、第1の光学部材32が第3の光学部材34に対して徐々に接近する。これにより、第1の光学部材32によって形成される集光点よりも第1の光学部材32に近い側に、第3及び第2の光学部材34,33に形成された正の屈折力を有するシリンドリカルレンズ面(34a,34b,34b′,33a,33b,33b′)が位置する。このため、各光束成分は、これら2つの正レンズ面の合成屈折力によって、光束に対して大きな拡散力を与えることができる。この結果、超広角レンズに対応した広い照射角を得ることができる。
この図2の状態から図3の状態への変化は連続的であり、照明装置30からの照射角を、標準レンズの画角に対応する照射角から超広角レンズの画角に対応する照射角に至るまで滑らかに変化させることができる。
一方、この照射角の変化は、第3の光学部材34に着目して見た場合には、以下のような動作として説明することができる。
図2の状態では、第3の光学部材34における各射出面の中央部のみを光束が通っており、第1の光学部材32と第3の光学部材34とが接近するにつれて、第3の光学部材34を通る光束の領域が徐々に広がっていく。このことから、第3の光学部材34における利用領域が大きくなるほど、照射角を広げるのに有効であると言える。
このように、本実施例では、第3の光学部材34を第1及び第2の光学部材32,33の間に介在させて、その位置を第1及び第2の光学部材32,33の相対的な移動(位置関係)に応じて変化させて第3の光学部材34における光束が通る領域を変化させる。これにより、大きな照射角可変動作を行わせることができる。また、このとき照明光学系全体の体積は変化しておらず、大きな照射角可変動作を限られたスペースの中で効率良く行わせることができる。
さらに、本実施例では、第3の光学部材34の移動方向が、第1の光学部材32と同様に照射光軸方向であるため、第3の光学部材34を移動させる機構の構成を簡素化できる。また、各光学部材間の間隔のみを変化させれば良いため、第1及び第3の光学部材32,34を精度良く移動させることができる。
また、広い照射角に対応した照明光学系を実現するために、極端な拡散作用を有する拡散面を用いる必要がないため、必要照射角外に照射される光束、すなわち光のロスが少ない効率の良い照明光学系を実現できる。
以下、第1〜第3の光学部材32〜34の形状により得られる光学的な特性と光線の具体的な挙動について、光線トレース図を用いて詳細に説明する。
図1〜図3には、閃光放電管31として、その有効発光部としてのガラス管の内外径線を示している。閃光放電管31の実際の発光現象としては、効率を向上させるため、ガラス管の内側全体から発光させる場合が多く、ガラス管の内側全体に存在する発光点からほぼ均一に発光していると考えて差し支えない。しかし、説明を容易にするため、ガラス管の中心(以下、光源中心という)から射出した光束を代表光束と考え、光線トレース図でも該代表光束のみを示している。実際には、図に示したような代表光束に加え、ガラス管内の周辺部の発光点から射出した光束によって、配光特性は全体として若干広がる方向に変化するが、配光特性の傾向としてはほとんど一致するため、以下、この代表光束について説明する。
まず、第1の光学部材32の各面の形状と光線の挙動について説明する。図1及び図2に示すように、光源中心から照射光軸AXLに対して第1の角度θ1より小さい角度をなすように射出した光束成分は、非球面シリンドリカルレンズ面として形成された第1の入射面32aによって照射光軸AXLに対して平行な光束となる。なお、ここにいう「平行」とは照射光軸AXLに対して完全に平行である場合だけでなく、平行とみなせる範囲で完全な平行からずれている場合も含む。このことは、本実施例の他の光束及び後述する他の実施例でも同じである。そして、該平行光束は、非球面シリンドリカルレンズ面として形成された第1の射出面32bにより収斂(収束)光束に変換され、第1の射出面32bからの射出後に集光点Pにて集光する。
また、光源中心から照射光軸AXLに対して第1の角度θ1より大きな角度をなすように射出した光束成分は、平面である第2の入射面32c,32c′で屈折した後、反射面32d,32d′で反射することで、照射光軸AXLに対して平行な光束となる。そして、該平行光束は、非球面シリンドリカルレンズ面として形成された第2の射出面32e,32e′により収斂(収束)光束に変換され、第2の射出面32e,32e′からの射出後に集光点Q,Q′にて集光する。
第1の光学部材32の反射面32d,32d′に入射光束を導く第2の入射面32c,32c′は、第1の光学部材32の形状を最小化するために、照射光軸AXLと平行な平面とすることが望ましい。これは以下の理由による。第2の入射面32c,32c′に入射する光束成分に対する屈折の効果は、該第2の入射面32c,32c′の照射光軸AXLに対する角度が小さいほど大きく、該光束成分を照射光軸AXLに対してより大きな角度をなすように屈折させることができる。このため、第1の光学部材32の全長をより短くすることができる。また、第2の入射面32c,32c′は、曲面であってもよい。この場合、該曲面の接線の照射光軸AXLに対する最大角度ができるだけ小さい方がよい。
但し、実際には、第2の入射面32c,32c′の照射光軸AXLに対する傾き角度は、第1の光学部材32の成形条件によってほぼ決定される。この傾き角度が小さいほど成形条件は厳しくなるが、この第2の入射面32c,32c′の傾き角度の最大値Φは、この面が平面か曲面かにかかわらず、以下の範囲に存在することが望ましい。
0≦Φ<2° …(1)
第2の入射面32c,32c′の照射光軸方向の長さが短く、かつその面形状が平滑面であるため、上記範囲を達成することは容易である。このように、第2の入射面32c,32c′の傾き角度を制限することによって、効率低下を招くことなく第1の光学部材32の入射部の上下方向の開口面積を最小とすることができる。
次に、反射面32d,32d′の形状について説明する。図に示すように、反射面32d,32d′で全反射した光束は、照射光軸AXLに平行に導かれる。この場合、射出面32e,32e′に入射する光線の分布は上下方向外側ほど粗になるが、反射面32d,32d′を上下で対をなすように設けているため、全体としての配光分布は上下で対称となり、全体としての配光分布に偏りは生じない。
また、射出面32a,32e,32e′から射出した3つの光束成分は、非球面シリンドリカルレンズ面の屈折力によって、集光点P,Q,Q′に集光(収斂)する。ここで、3つの非球面シリンドリカルレンズ面は、それぞれにより形成する集光点P,Q,Q′が照射光軸方向において同一位置に位置するように、すなわち照射光軸AXLに対して直交する同一平面上に位置するように屈折力が設定されている。なお、ここにいう「同一位置」は、完全な同一の位置だけでなく、光学的に一致しているとみなせる範囲でずれている場合も含む。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
一方、図示しないが、閃光放電管31からの射出光のうち反射傘35の半円筒部に向かった光束は、該半円筒部が閃光放電管31に対して同心形状を有するため、該半円筒部で反射した後、再度閃光放電管31に入射する。そして、該閃光放電管31のほぼ中心を通って前方に導かれる。この光源中心に戻った後の光束は、上述した光源中心から直接、第1の光学部材32に入射した光束と同様の挙動を示す。
なお、本実施例では、光源中心から射出した光束を一度第1の光学部材32の中で照射光軸AXLに平行な光束に変換しているが、必ずしも照射光軸AXLに対して平行にする必要はない。言い換えれば、照射光軸AXLに対して直交する同一平面内に複数の集光点が形成され、かつそれぞれの最大射出角度を一致させることができれば、各面への屈折力の与え方は特に限定されない。このため、必ずしも射出面32a,32e,32e′を非球面シリンドリカルレンズ面としなくてもよく、球面レンズ面や円筒レンズ面を組み合わせてもよい。
次に、第2の光学部材33の形状について説明する。この第2の光学部材33は、このまま照明装置30の外観部材としても使用可能な板状の部材であり、3つの入射面33a,33b,33b′のそれぞれに正の屈折力を有するレンズ面が形成されている。これら3つのレンズ面は、前述した第1の光学部材32における3つの正の屈折力を持つレンズ面(32a,32e,32e′)によって集光された光束の集光度合いをそれぞれ一定の割合で変えることができる形状を有する。これにより、第1の光学部材32と第2の光学部材33の離間距離に応じて、第2の光学部材33から射出される3つの光束成分の照射角が同じように変化する。
また、各レンズ面の形状は、図1に示すように、集光点P,Q,Q′から射出した光束を、該レンズ面で屈折させることで照射光軸AXLと平行にするような非球面シリンドリカルレンズである。このような形状とすることで、図1に示すように、最も集光された状態(最集光状態)を達成することができる。
このように、第2の光学部材33の開口面積を許され得る最大限の大きさで利用して光束を制御することにより最集光状態を得ることは、大光量の照明装置を得る上で重要な要件である。これにより、小型で効率の良い照明光学系及び照明装置を実現することができる。
なお、第1〜第3の光学部材32〜34の材料としては、成形性やコスト、さらには光学特性の観点から、アクリル樹脂等の光学樹脂材料を用いることが最も適している。
また、本実施例の特徴は、超広角レンズに対応したきわめて広い照射角の状態から超望遠レンズに対応したきわめて狭い照射角の状態まで、連続的に均一な光量分布が得られること、すなわち配光特性が良好であることである。さらに、従来の照射角可変照明装置に比べて、照射角の可変範囲に対する光学部材の必要移動量が小さいことも特徴である。
まず、照射角がきわめて広い状態からきわめて狭い状態まで連続的に配光特性が良好に維持されるのは以下の理由による。すなわち、超望遠レンズ対応状態から標準レンズ対応状態までは第3の光学部材34を機能しにくい位置に配置し、標準レンズ対応状態から超広角レンズ対応状態に至る過程では、第3の光学部材34を、第2の光学部材33とともに有効に機能する位置に配置していることである。
また、移動量が小さい理由は、光源からの光束が辿る光路を複数に分け、それぞれの光路において形成される光学系を互いに独立した小型の光学系としているため、照射角変更のための必要移動量も縮小できるからである。
以上のように構成することで、必要照射角外に照射される光、つまりは光のロスを最小限に抑えつつ、良好な配光特性を得ることができる。
そして、これにより、小型の照明装置30に適したスペース効率の良い照明光学系を実現することができ、また従来に比べて大幅な追加部品を必要とせず、安価に構成することができる。
なお、本実施例では、第2の光学部材33の入射面に正の屈折力を有するレンズ面を形成した場合について説明したが、射出面に正の屈折力を有するレンズ面を形成してもよい。このように構成することによって、全体形状のさらなる小型化を図ることができる。
また、第2の光学部材33の入射面と射出面のうち一方にのみ正の屈折力を有するレンズ面を形成するのではなく、両面にレンズ面を形成してもよい。このように入射面と射出面とに屈折力を配分することによって、光学性能の向上と小型化の両方に対して有効な照明光学系とすることができる。
図6から図9には、本発明の実施例2である照射角可変照明装置の照明光学系の構成を示している。本実施例は、実施例1において説明した第3の光学部材の形状を一部変更した例であり、特に標準レンズ対応状態から超望遠レンズ対応状態における効率の改善を図った例である。
図6〜図8は、本実施例の照明光学系の縦断面図である。図6は、第1の光学部材と第2の光学部材が離れた最も照射角の狭い状態(最集光状態)を示し、図8は第1及び第2の光学部材が最も接近した照射角の広い状態を示している。また、図7は、標準レンズに対応した図6と図8の中間の照射角が設定された状態を示している。図9は、本実施例の照明光学系を示す斜視図である。なお、図6〜図8には、光源中心から射出した光線をトレースした光線トレース図も併せて示している。また、本実施例において、実施例1と共通する構成要素には、実施例1と同符号を付している。
上述した実施例1では、光源からの光は常に3つの光学部材に入射する。しかし、本来、超望遠レンズに対応した最集光状態は、図14にも示したように、2つの光学部材で実現することができる。そして、3つの光学部材を用いることによって、かえって表面反射による光量ロスが増加し、高効率を得るためには理想的ではない。
このため、本実施例では、超広角レンズに対応したきわめて広い照射角が得られるととともに、超望遠レンズに対応したきわめて狭い照射角に集光した状態でも高い効率が得られる照明光学系を実現している。
図6〜図9において、44は第1及び第2の光学部材32,33の間に配置された第3の光学部材である。他の構成は、実施例1と同じである。
第3の光学部材44は、実施例1とは異なり、射出面44a,44b,44b′をシリンドリカルレンズ面とする3つのレンズ部の中心領域に、スリット状の開口44c,44d,44d′を有する。各スリット開口は、シリンドリカルレンズ面の母線方向、すなわち閃光放電管31の長手方向(図の紙面に垂直な方向)に平行に延びている。
以下、光線トレース図を用いて、本実施例における各光学部材の機能について説明する。
図6に示すように、超望遠レンズに対応した最集光状態では、光源である閃光放電管31の中心(光源中心)から射出した光束は、第1の光学部材32の収斂作用によって、3つの集光点P,Q,Q′に集光する。
この状態では、第3の光学部材44は、スリット開口44c,44d,44d′の位置が集光点P,Q,Q′の位置にそれぞれ一致するように配置される。したがって、第1の光学部材32からの光束は、集光点P,Q,Q′及びその付近においてスリット開口44c,44d,44d′内を通過(素通り)して、第3の光学部材44による屈折を受けることなく第2の光学部材33に向かう。
このように、第1の光学部材32と第2の光学部材33との間に第3の光学部材44を配置しているにもかかわらず、第3の光学部材44の影響を受けずに第2の光学部材33から光束を射出する。したがって、超望遠レンズに対応した照射角の狭い状態においても、効率良く集光することができる。
この状態は、第1の光学部材32と第3の光学部材44との間隔を第1の光学部材32におけるシリンドリカルレンズ面の焦点距離に一致させることで維持することで可能である。このため、図6に示す状態から図7に示す状態までは、この状態が保されつつ、第1及び第3の光学部材32,44が第2の光学部材33に対して照射光軸方向に移動する。これにより、超望遠レンズ対応のきわめて狭い照射角が得られるとともに、効率の良い照明光学系を実現することができる。
一方、図7に示す標準レンズ対応状態と図8に示す超広角レンズ対応状態との間では、第2の光学部材33と第3の光学部材44が近接(又は当接)し、第1の光学部材32と第3の光学部材44との距離が連続して徐々に変化する。
そして、図7に示す状態から図8に示す状態に移行する過程では、第3の光学部材44における光束が入射する領域、すなわちレンズ部として機能する領域の面積が徐々に増加する。つまり、図7に示す状態で第3の光学部材44における機能領域の面積が最も狭く、図8に示す状態で該機能領域の面積が最も広くなる。
図8に示す状態では、光束が3つの光学部材32,33,44の入射面及び射出面を通過するため、表面反射による光量ロスが多少大きくなるものの、きわめて広い照射角を得ることができる。
一般に、超広角レンズに対応する照射角を得るためには、拡散度合いの強い拡散板を使用して光量ロスよりも照射角を広げることを優先する場合が多い。このため、必要照射角外に向かう光束が多くなり、必ずしも効率の良い照明光学系ではない。
これに対し、本実施例では、3つの光学部材を介して光束を照射するため、表面反射による光量ロスは発生するが、拡散板のように必要照射角外まで光束を拡散させずに、屈折によって効率良く必要照射角に対応した照射角を得ている。このため、拡散板を用いる場合に比べて効率が良く、しかも連続的に照射角を変化させることができる。
このように、本実施例では、標準レンズに対応する集光状態から超望遠レンズに対応した最集光状態まで、効率の良い集光を行うことができる。また、超広角レンズに対応したきわめて広い照射角を得る状態でも、良好な効率を確保することができる。
また、最集光状態から照射角がきわめて広い状態まで、照射角を連続的に変化させることができるので、様々な焦点距離の撮影レンズを使用する場合に都合が良い。
図10から図13には、本発明の実施例3である照射角可変照明装置の照明光学系の構成を示している。本実施例は、実施例1において説明した第3の光学部材の移動形態を変更した例であり、効率と光学特性の改善を図った例である。
図10〜図12は、本実施例の照明光学系の縦断面図である。図10は、第1の光学部材と第2の光学部材が離れた最も照射角の狭い状態(最集光状態)を示し、図12は第1及び第2の光学部材が最も接近した照射角の広い状態を示している。また、図11は、標準レンズに対応した図10と図12の中間の照射角が設定された状態を示している。図13は、本実施例の照明光学系を示す斜視図である。なお、図10〜図12には、光源中心から射出した光線をトレースした光線トレース図も併せて示している。また、本実施例において、実施例1と共通する構成要素には、実施例1と同符号を付している。
実施例2でも説明したように、光源からの光が常に3つの光学部材に入射する実施例1では、2つの光学部材でも実現可能な最集光状態における表面反射による光量ロスの増加が問題となる可能性がある。
このため、本実施例では、超広角レンズに対応したきわめて広い照射角が得られるととともに、超望遠レンズに対応したきわめて狭い照射角に集光した状態でも高い効率が得られる照明光学系を実現している。
一方、実施例2では、超広角レンズに対応したきわめて広い照射角が得られるとともに、最集光状態でも効率良く光束を利用することができる。しかし、実施例2において、閃光放電管31が実際にはその中心付近の狭い領域からだけでなく、その内側の全体から発光することを考慮すると、全ての光束が集光点P,Q,Q′に集光するわけではなく、ある程度の広がりを持って集光する。この場合、最集光状態においても、一部の光束は第3の光学部材44に形成されたスリット開口44c,44d,44d′以外の部分に入射し、実施例2のように制御しきれない可能性がある。
このため、本実施例では、最集光状態から標準レンズ対応状態までは第3の光学部材が完全に機能せず、超広角レンズ対応状態でのみ、効率良く照射角を広げることができる構成を採用している。
図10〜図13において、54,55,56は本実施例における第3の光学部材である。他の構成は、実施例1と同じである。
第3の光学部材54,55,56の入射面にはそれぞれ、正の屈折力を有するフレネルレンズ面が形成されている。
そして、これら第3の光学部材54,55,56は、第1の光学部材32と第2の光学部材33間の距離の変化に応じて、第1の光学部材32から第2の光学部材33への光路に対して出入りする。
第3の光学部材54,55,56が光路外に退避することで、第3の光学部材54,55,56の光束への影響を排除でき、表面反射による光のロスを低減することができる。一方、第3の光学部材54,55,56を光路内に配置することで、第3の光学部材54,55,56の機能による照射角の拡大作用を得ることができる。
特に、第3の光学部材54,55,56に正の屈折力を有するフレネルレンズ面を形成することにより、狭い空間の中でより大きな屈折力を与えることができ、小型でありながらも超広角レンズに最適な配光特性を得ることができる。
具体的には、図10に示す超望遠レンズ対応の最集光状態から図11に示す標準レンズ対応状態までは、第3の光学部材54,55,56は、第1の光学部材32と第2の光学部材33の各レンズ面の境界を結んだライン上又はその付近に、照射光軸AXLと平行になるように退避している。但し、退避した状態の第3の光学部材54,55,56は、必ずしも照射光軸AXLと平行でなくてもよい。
一方、図11に示す標準レンズ対応状態から図12に示す超広角レンズ対応状態に変化する過程では、第3の光学部材54,55,56は、閃光放電管31の長手方向(図の紙面に垂直な方向)に平行な軸回りで回動し、光路内に挿入される。光路内に挿入された第3の光学部材54,55,56は、第2の光学部材33に近接(又は当接)する。そして、前述したように、第3の光学部材54,55,56に設けられた正の屈折力を有するフレネルレンズ面と第2の光学部材33のレンズ面との合成屈折力によって、実施例1,2と同様に、超広角レンズに対応したきわめて広い照射角を得ることができる。
3つの第3の光学部材54,55,56を回動させる不図示の駆動機構は、第1の光学部材32と第2の光学部材33とが図11に示す距離だけ離れた状態で、これらを互いに同期させて回動させるように構成されている。また、該駆動機構は、図10及び図11に示すように光路から退避した状態及び図12に示す光路内に挿入された状態で、それ以上の回動が行われないようにするためのストッパを有する。
以上のように構成することで、図10から図11の状態では、効率良く、かつ連続的に照射角を変更することができる。また、図12の状態では、限られた空間の中で効率良く照射角を広げることができる。
なお、本実施例では、第3の光学部材にフレネルレンズ面を形成した場合について説明したが、フレネルレンズ面に代えて、実施例1,2と同様に、シリンドリカルレンズ面を形成してもよい。
以上説明したように、上記各実施例によれば、従来のように2つの光学部材を用いる場合に比べて、光学部材を追加することよる光量ロスなどの悪影響を小さく抑えつつ、より広い照射角を得ることができる。したがって、超広角レンズから超望遠レンズに至る幅広い焦点距離の撮影レンズに対応した照射角が得られる効率の良い照明光学系及び照明装置を実現することができる。
また、超広角レンズに対応した照射角を得るための光学配置が、従来の照明光学系と同様のスペース内で実現できるため、より広い照射角を小型の照明光学系及び照明装置で得ることができる。
さらに、拡散板を用いなくてもきわめて広い照射角が得られるため、拡散板の着脱の手間をなくすることができ、拡散板の紛失や撮影画角と照射角とのミスマッチによる失敗撮影を未然に防止することができる。
また、第1の光学部材の反射面での全反射を利用するため、光の利用効率が高く、小型化しても光学特性は低下しない。これにより、従来と同じ発光量の光源を用いた場合でも、必要照射角内に照射される光量を増加させることができる。
なお、上記各実施例では、第1の光学部材の3つのレンズ面によって3つの集光点を形成し、第2及び第3の光学部材に該集光点と同数のレンズ面を形成する場合について説明した。しかし、本発明では、各光学部材に1つのレンズ面を形成する場合にも適用することができる。さらに、本発明は、各光学部材に4つ以上のレンズ面(集光点)を形成する場合にも適用することができる。特に、集光点の数を増やすと、照射角変更に伴う光学部材の移動量を減少させることができ、照明光学系及び照明装置のさらなる小型化を実現することができる。
さらに、上記各実施例では、撮像装置に対して着脱可能な照明装置について説明したが、本発明は、撮像装置に内蔵される照明装置にも適用することができる。