JP2003005261A - 照射角可変の照明装置、及びそれを用いた撮影装置 - Google Patents

照射角可変の照明装置、及びそれを用いた撮影装置

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JP2003005261A
JP2003005261A JP2001186157A JP2001186157A JP2003005261A JP 2003005261 A JP2003005261 A JP 2003005261A JP 2001186157 A JP2001186157 A JP 2001186157A JP 2001186157 A JP2001186157 A JP 2001186157A JP 2003005261 A JP2003005261 A JP 2003005261A
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Ryoji Tenmyo
良治 天明
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源の長手方向の照射角可変を必要照射範囲
外への光量ロスを最小限とし効率良く行なう。1つの動
作で、垂直水平の照射角可変を同時に行う。照射角可変
時に必要とされる光学系の大きさの変化をなくし、同一
スペース内で行う。 【解決手段】 光源と、光射出面を正の屈折力を持つ曲
面形状としたプリズムと、この射出面形状に対応した入
射面形状を持つ光学パネルとから構成され、光学パネル
をプリズムの曲面に沿って移動させる。また、正の屈折
力を持つプリズムの射出面の垂直方向の面にも屈折力を
持たせトーリック面とすることにより、移動方向と垂直
方向の照射角範囲も同時に変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明装置、特に、
照射角を変化させることができる照射角可変の照明装
置、及びそれを用いた撮影装置に関する。例えばカメラ
本体の一部に装着して、カメラ本体の撮影動作と連動さ
せて照明光(閃光)の照射角を目的に応じて変化させて
被写体側へ効率良く照射して撮影するビデオカメラ、フ
ィルム用カメラ、デジタルカメラなどの光学機器に好適
に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】カメラなどの撮影装置に用いられている
照明装置に関して、光源から様々な方向に射出した光束
を効率よく必要照射画角内に集光させるために、従来よ
り種々の提案がなされている。特に近年、従来は光源の
前に配置されていたフレネルレンズのかわりに、プリズ
ム・ライトガイドなどの全反射を利用した光学部材を配
置することによって、集光効率の向上、小型化を図った
ものが提案されている。
【0003】一方、撮影装置が高倍率ズーム化の傾向に
あるが、このような撮影装置に固定照射範囲の照明装置
を利用すると、必要照射範囲の狭いテレ状態においても
最も広い照射範囲の照明が行われる為、エネルギロスが
大きくなってしまう。この現象を解消する為、従来より
撮影範囲に対応した照明を行うような各種照射角可変の
照明装置が提案されている。
【0004】上記2種の技術を応用した照明系の公知技
術としては、特開平4−138439号公報で提案され
ているように、光学プリズムで全反射を行う集光光学系
に対して、光学プリズムと光源の位置関係を相対的に変
化させるようにして、全反射面と屈折の切り替えを行い
照射範囲を変化させるものがあった。
【0005】また、光源の長手方向の照射角可変につい
ては、光源の長手方向にフレネルレンズで集光効果を持
たせた第1の光学部材に対して、光源の長手方向かつ逆
方向に移動可能な一対の第2の光学部材を用いて、集光
・発散を行わせる照射角度可変装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プリズム・ライトガイ
ドなどの全反射を利用した光学部材を発光手段の前に配
置することによって、集光効率の向上、小型化を図り、
かつ照射角度を可変させる照明装置の提案としては、特
開平4−138439号公報に示すような、光学プリズ
ムで全反射を行う集光光学系に対して、光学プリズムと
光源の位置関係を相対的に変化させるようにして、全反
射面と屈折の切り替えを行い照射範囲を変化させるもの
があったが、上記提案は光源の短手方向の集光発散につ
いてのものであり、光源の長手方向の集光発散について
言及するものではなかった。
【0007】また、光源の長手方向の集光発散を目的と
した提案としては、光源の長手方向にフレネルレンズで
集光効果を持たせた第1の光学部材に対して、光源の長
手方向かつ逆方向に移動可能な一対のプリズム列を備え
た第2の光学部材を用いて、集光・発散を行わせる照射
角度可変装置がある。しかし、第1の光学部材の光源長
手方向の集光をフレネルレンズを用いて行っている為、
フレネルエッジ部で本来光学的に集光に寄与しない光束
が多く発生しており、必ずしも理想的な集光光学系にな
っていない。また、照射角可変に関しても光源中心部付
近の制御面が光源に近く、必ずしも効率良く集光を行わ
せる構成にはなっていなかった。さらに、照射角可変動
作においても、ワイド状態に対応させる光発散状態では
必要画角外の光束が多く、必ずしも効率の良い照射角度
可変が行われていなかった。
【0008】以上のことから、本発明が解決しようとす
る課題は、 ・光源の長手方向の集光発散を大幅に変化させることが
可能な照射角可変の照明装置を提供すること。 ・第1の光学部材にフレネルレンズのエッジ部などの不
連続で有効な光制御ができない面をなくし、効率の良い
基本集光光学系を構成すること。 ・光源の大きさが全体光学系に対して大きいことを考慮
し、光源中心部付近は光源と第1の光学部材の制御面と
の間の距離を一定距離以上とり、効率の良い集光形状と
すること。 ・照射角可変動作に当たっては、各状態に合わせて必要
画角外へ照射される光束を最小限とし、効率よく機能さ
せる形状とすること。特に、光学部材間での隙間や形状
の違いによる考慮外の方向に向かう光束を極力減少させ
ること。
【0009】さらに、 ・照射角可変に伴う光学部材の移動範囲を、退避専用の
スペースを必要とせず、常に照明光学系の一部として有
効に機能させた構成とすること。 ・必要画角に応じて照明光学系の照射角度を連続的に変
化させることが可能なことである。
【0010】以上、本発明の目的は、光源からの射出光
束を効率良く利用し、照射範囲の広い状態から狭い集光
状態まで連続した配光特性を得られる照射角可変の照明
装置を提供することである。特に、現在まで配光制御が
難しかった光源の長手方向の配光特性を必要画角外へ向
かう光束を極力少なくした照射角可変の照明装置を提供
することである。また、各ズームポイントで均一な配光
特性を得ると共に、簡単で安価な構成のスチルカメラ、
ビデオカメラ、デジタルカメラなどの光学機器に好適な
照射角可変の照明装置、及びそれを用いた撮影装置を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の照射角
可変の照明装置は、光源手段からの光束を光学手段を介
して、所定の照射角に変換して照射する照射角可変の照
明装置において、該光源手段は水平方向に長い管状の発
光体を有し、該光学手段は該光源手段の被写体側に位置
し、被写体側へ順に、第1の光学部材と第2の光学部材
を有し、該第1の光学部材の射出面に中央部と周辺部で
形状が異なる少なくとも2種の曲面を有し、該第2の光
学部材の入射面は、第1の光学部材の射出面に対向し、
第1の光学部材の射出面に沿って移動可能なことを特徴
としている。
【0012】請求項2の発明は請求項1に記載の照射角
可変の照明装置において、前記第1の光学部材の射出面
の2種の曲面は、少なくとも一部が連続した曲面である
ことを特徴としている。
【0013】請求項3の発明は請求項2に記載の照射角
可変の照明装置において、前記第1の光学部材の連続し
た曲面は、水平方向の中央部と周辺部で形状が異なって
いることを特徴としている。
【0014】請求項4の発明は請求項1に記載の照射角
可変の照明装置において、前記第1の光学部材の射出面
は少なくとも一部に正の屈折力を有し、前記第2の光学
部材は射出面に正の屈折力を有し第1の光学部材の射出
面に沿って移動可能なことを特徴としている。
【0015】請求項5の発明は請求項4に記載の照射角
可変の照明装置において、前記第1の光学部材の射出面
の少なくとも一部は水平方向に正の屈折力を有し、前記
第2の光学部材の射出面は水平方向に正の屈折力を有
し、該第2の光学部材は第1の光学部材の射出面に沿っ
て水平方向に移動可能なことを特徴としている。
【0016】請求項6の発明は請求項1に記載の照射角
可変の照明装置において、前記第1の光学部材の射出面
の少なくとも一部は正の屈折力を有し、前記第2の光学
部材は射出面に正の屈折力を有し、光学手段の射出光軸
に対して対称に一対備えられており、該一対の第2の光
学部材は第1の光学部材の射出面に沿って、かつ該射出
光軸に対して略対称に移動可能であることを特徴として
いる。
【0017】請求項7の発明は請求項6に記載の照射角
可変の照明装置において、前記一対の第2の光学部材は
第1の光学部材の射出面に沿って、かつ射出光軸に対し
て略対称に水平方向に移動可能であることを特徴として
いる。
【0018】請求項8の発明は請求項1〜3の何れか1
項に記載の照射角可変の照明装置において、前記曲面
は、円筒面、トーリック面であることを特徴としてい
る。
【0019】請求項9の発明は請求項4又は6に記載の
照射角可変の照明装置において、前記第1の光学部材の
正の屈折力を有する方向と前記第2の光学部材の正の屈
折力を有する方向は略一致していることを特徴としてい
る。
【0020】請求項10の発明は請求項9に記載の照射
角可変の照明装置において、前記第1の光学部材と前記
第2の光学部材の射出面は、いずれも水平方向に正の屈
折力を有することを特徴としている。
【0021】請求項11の発明は請求項4又は6に記載
の照射角可変の照明装置において、前記第2の光学部材
の正の屈折力を有する方向と、移動方向は略同一方向で
あることを特徴としている。
【0022】請求項12の発明は請求項11に記載の照
射角可変の照明装置において、前記第2の光学部材は水
平方向に正の屈折力を有し、かつ水平方向に移動可能と
したことを特徴としている。
【0023】請求項13の発明は請求項1、4〜7、9
又は10の何れか1項に記載の照射角可変の照明装置に
おいて、前記第2の光学部材の入射面の面積は、前記第
1の光学部材の射出面の面積に対して小さく、前記第2
の光学部材の移動領域は、前記第1の光学部材の射出面
に対応する領域の範囲内であることを特徴としている。
【0024】請求項14の発明は請求項1、4〜7、9
又は10の何れか1項に記載の照射角可変の照明装置に
おいて、前記第2の光学部材が前記第1の光学部材の周
辺部に位置する場合に照射角度範囲は狭い状態に対応
し、中央寄りにある場合に照射角度範囲は広い状態に対
応していることを特徴としている。
【0025】請求項15の発明は請求項14に記載の照
射角可変の照明装置において、前記第1の光学部材の周
辺部とは水平方向の周辺部であり、前記中央寄りとは水
平方向の中央寄りであることを特徴としている。
【0026】請求項16の発明は請求項1、4〜7、
9、10又は14の何れか1項に記載の照射角可変の照
明装置において、前記第2の光学部材は射出面に正の屈
折力を持つフレネルレンズ面を有することを特徴として
いる。
【0027】請求項17の発明は請求項16に記載の照
射角可変の照明装置において、前記フレネルレンズ面は
水平方向に正の屈折力を有することを特徴としている。
【0028】請求項18の発明は請求項1、4〜7、
9、10又は14の何れか1項に記載の照射角可変の照
明装置において、前記第1の光学部材の射出面の少なく
とも一部に垂直方向に集光作用を有する第1の光学素子
を垂直方向に連なって複数配置し、前記第2の光学部材
の入射面に垂直方向に発散作用を有する第2の光学素子
を垂直方向に連なって複数配置したことを特徴としてい
る。
【0029】請求項19の発明は請求項1、4〜7、
9、10又は14の何れか1項に記載の照射角可変の照
明装置において、前記第1の光学部材の射出面の少なく
とも一部に垂直方向に集光作用を有する第1の光学素子
を垂直方向に連なって複数配置し、前記第2の光学部材
の入射面に垂直方向に集光作用を有する第2の光学素子
を垂直方向に連なって複数配置したことを特徴としてい
る。
【0030】請求項20の発明は請求項1、4〜7、
9、10又は14の何れか1項に記載の照射角可変の照
明装置において、前記第1の光学部材の射出面の少なく
とも一部に垂直方向に発散作用を有する第1の光学素子
を垂直方向に連なって複数配置し、前記第2の光学部材
の入射面に垂直方向に集光作用を有する第2の光学素子
を垂直方向に連なって複数配置したことを特徴としてい
る。
【0031】請求項21の発明は請求項18〜20の何
れか1項に記載の照射角可変の照明装置において、前記
第1の光学素子は前記第1の光学部材の射出面の水平方
向の少なくとも周辺部に形成されていることを特徴とし
ている。
【0032】請求項22の発明の照射角可変の照明装置
は、光源手段からの光束を光学手段を介して、所定の照
射角に変換して照射する照射角可変の照明装置におい
て、該光源手段は水平方向に長い管状の発光体を有し、
該光学手段は該光源手段の被写体側に位置し、被写体側
へ順に、射出面に形成した連続曲面で集光効果を与える
固定光学部材、該固定光学部材より小さく部分的に集光
効果を与える可動光学部材を備え、該可動光学部材の位
置を前記固定光学部材に沿って移動させることによって
照射角を変化させることを特徴としている。
【0033】請求項23の発明は請求項1又は22に記
載の照射角可変の照明装置において、前記光源手段の発
光体中心軸の後方に、該発光体からの射出光束を反射さ
せる反射傘を配置すると共に、該反射傘の形状が前記発
光体中心軸と略同心形状の反射面を少なくとも一部に形
成していることを特徴としている。
【0034】請求項24の発明は請求項1又は22に記
載の照射角可変の照明装置において、前記光源手段は、
直管状の閃光放電管であることを特徴としている。
【0035】請求項25の発明の照射角可変の照明装置
において、請求項1から24の何れか1項に記載の照射
角可変の照明装置は、垂直水平方向の照射角を変更する
ことを特徴としている。
【0036】請求項26の発明の撮影装置は、請求項1
〜25の何れか1項に記載の照射角可変の照明装置を有
していることを特徴としている。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。
【0038】(第1の実施の形態)図1から図6は、本
発明の第1の実施の形態による照明装置、特に本実施例
では閃光発光装置を示している。図1は本発明を適用し
た部分断面図を含むカメラの外観斜視図、図2は閃光発
光装置の主要光学系のみの要部斜視図、図3、図4は閃
光発光装置の光学系を構成する要部水平断面図、図5、
図6は閃光発光装置の光学系を構成する要部垂直断面
図、尚、図3〜図6では光源(閃光放電管2)中心から
射出した代表光線の光線トレース図も合わせて示してい
る。
【0039】図1に示すように、本発明による閃光発光
装置はカメラ本体の上部に配置され、カメラ使用時はカ
メラ本体の上方に突出するように構成されている。図1
において、1は閃光発光装置、11は撮影装置本体、1
2は撮影レンズを備えるレンズ鏡筒、13はレリーズボ
タン、14は撮影レンズをズーミングする為の操作部材
であり、この操作部材を前側に倒すとテレ方向に、後ろ
側に倒すとワイド方向にそれぞれズームさせることがで
きる。15はカメラの各種のモードを切り替えるための
操作ボタン、16はカメラの動作をユーザーに知らせる
為の液晶表示窓、17は外光の明るさを測定する測光装
置の覗き窓、18はファインダーの覗き窓である。な
お、閃光発光装置1を除くそれぞれの機能については公
知の技術であるので、ここでは詳しい説明は省略する。
なお、本発明の機械的構成要素は前述の構成に限定され
るものではない。
【0040】次に、本発明の閃光発光装置1の光学特性
を規定する構成要素について、図2、図3そして図4を
用いて更に詳しく説明する。
【0041】同図において、2は閃光を発する長手方向
を有する直管状(円筒形状)の閃光放電管(キセノン
管)である。3は閃光放電管2から射出した光束のうち
照射方向の後方(被写体側と反対方向)に向かう光束を
照射方向(被写体側)に反射させる反射傘であり、内面
が高反射率面で形成された光輝アルミなどの金属材料、
または内面に高反射率の金属蒸着面が形成された樹脂材
料などで構成されている。4は、射出面の水平方向の一
部に正の屈折力を持った複数のシリンドリカルレンズ面
4c、4c´を形成した固定光学部材としてのプリズム
(第1の光学部材)である。5、5´は、入射面に該第
1の光学部材4のシリンドリカルレンズ面4c、4c´
の屈折力を打ち消すような負の屈折力を持つ複数のシリ
ンドリカルレンズ面5c、5c´(図5、図6)が形成
され、さらに射出面にフレネルレンズ面5d、5d´が
形成された可動光学部材としての光学パネル(第2の光
学部材)である。尚、第2の光学部材5、5´は、第1
の光学部材4の射出面に対して、一定の間隔を保って配
置され、閃光放電管2の長手方向、かつ第1の光学部材
4の曲面に沿って移動可能に構成されている。尚、この
曲面には接触或いは近接して第1の光学部材4に沿って
移動している。
【0042】上記構成で、閃光放電管2、反射傘3、第
1の光学部材4を不図示の保持ケースなどで一体化させ
て発光部ユニットとし、第2の光学部材5、5´を所定
の光学配置位置まで適宜移動させることによって、集光
度合を連続的に変化させることが可能になる。尚、第1
の光学部材4、第2の光学部材5、5´の材料として
は、アクリル樹脂などの透過率の高い光学用樹脂材料、
またはガラス材料が適している。
【0043】上記構成において、撮影装置11は、従来
公知の技術であるように、例えば、カメラが「ストロボ
オートモード」にセットされている場合には、レリーズ
ボタン13がユーザーによって押された後に、不図示の
測光装置で測定された外光の明るさと装填されたフィル
ムの感度によって、閃光発光装置1を発光させるか否か
を不図示の中央演算装置が判断する。中央演算装置が撮
影状況下において「閃光発光装置1を発光させる」と判
定した場合には、中央演算装置が発光信号を出し、反射
傘3に取り付けられたトリガーリード線を介して閃光放
電管2を発光させる。発光された光束は、照射方向(被
写体側)と反対方向に射出された光束は反射傘3を介し
て、また、照射方向に射出した光束は前面(被写体側)
に配置した第1の光学部材4から入射し、この第1の光
学部材4および第2の光学部材5、5´などを介して所
定の配光特性に変換された後、被写体側に射出される。
この配光特性の変化は、本実施例では、第2の光学部材
5、5´の閃光放電管2の長手方向かつ第1の光学部材
4の射出面に沿った移動によって行われる。
【0044】本発明は、特に撮影装置の撮影レンズがズ
ームレンズである場合に、その焦点距離に応じて第2の
光学部材5、5´の移動量を適宜調整することによっ
て、垂直、水平の両方向の配光特性を同時に撮影レンズ
の撮影範囲に対応させるようにした照明装置の提案であ
り、以下、図3から図6を用いてこの最適形状の設定方
法に関してさらに詳しく説明する。
【0045】図5、図6は、本発明の第1の実施の形態
の閃光発光装置1の閃光放電管2の径方向の垂直断面図
であり、垂直方向の照射角可変の基本的な考え方を示す
図である。なお、図5(a)、図5(b)は、図3のA
A断面・BB断面に、図6(a)、図6(b)は、図4
のCC断面・DD断面にそれぞれ対応し、図中の各部の
番号は、図2、図3そして図4に対応している。
【0046】また、図2からもわかるように、第1の光
学部材4の射出面の水平方向の周辺部に形成された正の
屈折力を持つ複数のシリンドリカルレンズ面4c、4c
´は、閃光放電管2の長手方向の周辺部に対応する略半
分の領域にのみ形成され、第1の光学部材4の射出面の
水平方向の中央部付近は水平方向に屈折力を持つ円筒面
(シリンドリカルレンズ面)4bで構成されている。
【0047】まず最初に、図3、図4について、閃光放
電管2の長手方向の集光発散の状態について説明する。
図3は、本発明の最も集光した状態を示す図であり、照
射角度可変部材である第2の光学部材5、5´の端面
が、第1の光学部材4の両端部に一致するまで移動した
状態を示している。
【0048】この状態では、発光体中心軸の長手方向の
中心から射出した光線トレース図からもわかるように、
第1の光学部材4の水平方向の中央部は、第1の光学部
材4の射出面に形成した水平方向に屈折力を持つシリン
ドリカルレンズ面4bによって、水平方向にある程度集
光されている。また、周辺部は、上記第1の光学部材4
の射出面の水平方向の周辺部に形成されたシリンドリカ
ルレンズ面4c、4c´の屈折力に加え、第2の光学部
材5、5´の射出面に形成したフレネルレンズ面5d、
5d´によってさらに強い水平方向の屈折力を与えるこ
とにより、射出光軸方向に集光している。
【0049】また、図4は、本発明の水平方向に最も照
射範囲の広い状態を示す図であり、照射角度可変部材で
ある第2の光学部材5、5´が、水平方向の中央部で当
接するまで接近した状態を示している。この状態では、
図中に示した光線トレース図からもわかるように、水平
方向の中央部は、第1の光学部材4の射出面に形成した
水平方向に屈折力を持つシリンドリカルレンズ面4b
(図3)と第2の光学部材5、5´の射出面の水平方向
に屈折力を持つフレネルレンズ面5d、5d´の両方の
レンズの効果により、発光体中心軸の水平方向の中央部
から射出した光束は過集光気味の状態、即ち、射出光軸
を境にして一度交錯した後、ある程度発散された状態で
被写体側に照射される。また、周辺部は、第1の光学部
材4の射出面の水平方向の周辺部に形成された垂直方向
に屈折力を持つ複数のシリンドリカルレンズ面4c、4
c´を通過し、必要照射角度範囲の周辺部に向かう。ま
た、フレネルレンズ面を使用していない為、不要なフレ
ネルエッジ面による光量損失もなく、必要画角外への不
要な照射光を極力排斥した理想的な照明光学系を得るこ
とができる。このように本実施例の光学系は、光の射出
方向をある程度限定できる周辺部において、最も効率良
く集光を行わせることができると共に、最も画角の広い
状態に対応させた場合でも、効率良く水平方向の周辺部
に光束が達するように各部の形状を設定している。
【0050】尚、図3、図4では、水平方向に最も極端
な集光状態または発散状態を示しているが、照射角可変
の動作はこの2つの状態に限定されるわけではなく、第
2の光学部材5、5´の移動量を上記2つの状態の間の
任意の位置に設定することも可能であり、その移動量に
応じて照射角度を連続的に変化させることも可能であ
る。
【0051】次に、上述した発光体中心軸の長手方向の
集光を大きく左右する射出面の水平方向の中央部に水平
方向に屈折力を持つシリンドリカルレンズ面4bの形
状、さらには光学系を形成する各部の大きさとの関係に
ついてさらに詳しく説明する。まず、第1の光学部材4
の射出面の水平方向の中央部に設けた水平方向に屈折力
を持つシリンドリカルレンズ面4bの形状に関しては、
もし仮に第1の光学部材4の射出面の水平方向の中央部
付近に水平方向に屈折力の大きな面を形成すると、閃光
放電管2の水平方向の中央部から射出した光束に関して
は効率良く集光できるものの、閃光放電管2の水平方向
の周辺部から射出した光束に関しては屈折力が強すぎて
逆に発散してしまったり、また、全反射によって思いが
けない方向に向かってしまう光束が増加してしまい必ず
しも効率の良い光学系を形成できない。また、この場合
の最適な曲率は、光学系として許しうる大きさによって
も左右される。
【0052】即ち、小型化を優先した照明光学系では、
光学系の奥行き方向の寸法にも余裕がない為、一定曲率
で形成された第1の光学部材4のシリンドリカルレンズ
面4bの屈折力も極力小さい値に抑えたい。しかし、水
平方向の中央部付近に到達する光束を効率良く集光させ
る為には、ある程度の屈折力を持たせなければ水平方向
に集光させることができない。このような関係から、大
きさが許す範囲でシリンドリカルレンズ面4bの屈折力
を強めることが集光を効率良く行う為に有効である。し
かしこの一方、屈折力の上限にもある程度の規制があ
る。即ち、上述したように、シリンドリカルレンズ面4
bの屈折力を必要以上に大きく取り過ぎると、閃光放電
管2の水平方向の中央部から射出した光束についてはそ
れほど大きな問題はないが、上述したように、閃光放電
管2の水平方向の両端子部付近から射出した光束の一部
が第1の光学部材4のシリンドリカルレンズ面4bによ
って全反射を起こし、所定の照射範囲内に入らない損失
光となってしまうことである。この為、このような不要
な光束を発生させず、かつ、許容できる大きさの中で、
極力大きな屈折力が得られるシリンドリカルレンズ面4
bの屈折力を設定することが望ましい。
【0053】一方、光学系の水平方向の周辺部は、この
第1の光学部材4に形成されたシリンドリカルレンズ面
4bの屈折力に加えて第2の光学部材5、5´の射出面
に形成されたフレネルレンズ面5d、5d´によって、
さらに集光度合いを強め射出光軸付近に向かう光束とな
っていることがわかる。このように、閃光放電管2の長
手方向の周辺部に関しては、発光体中心軸から射出する
光束の方向をある程度限定できるため、強い屈折力を与
えても不要な全反射光束とならず、効率良く集光させる
ことが可能である。
【0054】このような関係に基づき、次に上記条件を
考慮して光学系を構成する場合の各部の大きさの関係に
ついて説明する。まず、この閃光放電管2の端子部付近
から射出した光束が全反射しない為の条件としては、シ
リンドリカルレンズ面4bの曲率をR、第1の光学部材
4の材料の屈折率をn、閃光放電管2の有効アーク長を
Lとすると、以下の範囲にあることが必要である。
【0055】 L/〔2cos{sin-1(1/n)}〕≦R・・・(1) また、光学系の全体形状とのバランスから、シリンドリ
カルレンズ面の奥行き方向の長さをE、及びシリンドリ
カルレンズ面の開口幅Fは、以下の関係式で規制される
範囲にあることが望ましい。
【0056】 0.4・L≦E≦1.2・L ・・・(2) 1.2・L≦F≦3.0・L ・・・(3) 上記範囲に設定することによって、大きさと性能がバラ
ンスし、効率の良い光学系を形成することができる。
尚、上式(2)、(3)の値を規定している理由として
は、下限値以下では性能面で問題があり、上限値以上で
は大きさが大きすぎて全体形状に対しバランスが取れな
くなる為であり、何れも製品として好ましいバランスが
とれない。本第1の実施の形態では、上記条件を考慮
し、許しうる奥行きと、閃光放電管2の有効アーク長の
バランスから上記条件式(2)(3)の略中心値で構成
している。
【0057】次に、この図3、図4に示す閃光放電管2
の長手方向の照射範囲の変化に同期して変化させる閃光
放電管2の径方向の照射角度可変について、図5、図6
を用いて説明する。同図において、閃光放電管2として
ガラス管の内外径を示している。この種の閃光発光装置
1の実際の閃光放電管2の発光現象としては、効率を向
上させるため、内径一杯に発光させる場合が多く、閃光
放電管2の内径一杯の発光点から略均一に発光している
と考えて差し支えない。しかし、説明を容易にするた
め、発光体中心軸から射出させた光束を代表光束と考
え、図中ではあえて発光体中心軸から射出した光束のみ
を示している。実際の配光特性としては、図に示したよ
うな代表光束に加え、閃光放電管2の径方向の周辺部か
ら射出した光束によって、配光特性は全体として若干広
がる方向に変化するが、配光特性の傾向としてはほとん
ど一致するため、以下この代表光束に従って説明する。
【0058】まず、上記構成の閃光発光装置1の光学系
の特徴的な形状を順を追って説明する。反射傘3は、発
光体中心軸後方(被写体側と反対方向)の形状を閃光放
電管2と略同心形状の半円筒形状としている。これは、
反射傘3での反射光を再度発光体中心軸付近に戻すのに
有効な形状であり、閃光放電管2のガラスの屈折による
悪影響を受けにくくさせる効果がある。また、このよう
に構成することによって、反射傘3による反射光を発光
体中心軸からの直接光と略等価な射出光として扱えるた
め考えやすく、この後に続く光学系の全体形状を小型化
することも可能となり都合がよい。また、形状をちょう
ど半円筒としている理由は、これより小さいと側方光を
集光させる為には第1の光学部材4が大型化してしま
い、逆にこれ以上大きいと反射傘3の内部にこもる光束
が増え効率低下が生じることからそれぞれ望ましくない
為である。
【0059】一方、反射傘3の上下の垂直方向の周辺部
は第1の光学部材4の後方に回り込むような形態となっ
ているが、これは、以下の理由による。即ち、発光体中
心軸から射出させた光束は、図示のように裏面の反射面
4d、4d´によって理想的な全反射を行わせることが
できるが、図中発光体中心軸より右側から射出した光束
(被写体側の光束)は、特に閃光放電管2の内径が大き
い場合に、全反射しきれずに、反射面4d、4d´より
射出してしまう光束があり、このような光束を有効に利
用するためである。即ち、反射傘3の形態を図示のよう
に、第1の光学部材4の背面まで伸ばし、また、反射面
4d、4d´の形状に沿わせることによって、全反射し
きれずに一度反射面4d、4d´より射出した光束を再
入射させることができ、反射後の光束も所定の照射範囲
に効率良く導くことができる為である。
【0060】また、第1の光学部材4は、第1の実施の
形態では以下のような形状となるように設定している。
まず、射出光軸付近に向かう光束は、第1の光学部材4
の入射面に垂直方向に正の屈折力を与えるシリンドリカ
ルレンズ面4aを形成することによって、図示のよう
に、この断面において一度射出光軸と平行となるように
変換される。一方、射出光軸に対して大きな角度を持っ
た光束は、第1の光学部材4の入射面4e、4e´で屈
折後、その後方に位置する反射面4d、4d´で全反射
し、こちらも同様に発光体中心軸から射出した光束は、
この断面において射出光軸と平行になるように変換され
ている。
【0061】このように、発光体中心軸から射出された
光束はこの断面において、一旦、射出光軸に対して平行
化されるが、この後、図5、図6に示すように第1の光
学部材4の射出面の形状と第2の光学部材5、5´の入
射面の形状とを適宜に規定することによって照射角度範
囲を連続的に変換させることができる。
【0062】まず、図5(a)に示す水平方向の中央部
付近においては、第1の光学部材4の射出面4bは、こ
の断面に関してはパワーを持たず、最も集光した状態が
維持される。また、図5(b)に示す水平方向の周辺部
においても、第1の光学部材4の射出面の水平方向に形
成された垂直方向に正の屈折力を持つ複数のシリンドリ
カルレンズ面4c、4c´と、このパワーを打ち消すよ
うに第2の光学部材5、5´の入射面に形成された垂直
方向に負の屈折力を持つ複数のシリンドリカルレンズ面
5c、5c´が形成されている為、この場合にも最も集
光した状態が維持される。この結果、図3に対応する第
2の光学部材5、5´が第1の光学部材4の水平方向の
両端部に位置する最も離れた状態では、すべての領域
が、図5(a)、または図5(b)に示す集光状態にあ
り、この結果、最も集光された状態となる。
【0063】一方、図4に示すように、第2の光学部材
5、5´が水平方向の中央部で最も接近した状態にある
場合には、図6(a)に示す水平方向の中央部付近にお
いては第1の光学部材4はこの断面に関してはパワーを
持たないが、第2の光学部材5、5´は垂直方向に負の
屈折力を持つ複数のシリンドリカルレンズ面5c、5c
´によって構成されている為、この両者を通過した後の
光束は、シリンドリカルレンズ面5c、5c´によって
発散された状態となる。また、図6(b)に示す第1の
光学部材4の水平方向の周辺部においても、第1の光学
部材4の射出面の水平方向に形成された垂直方向に正の
屈折力を持つ複数のシリンドリカルレンズ面4c、4c
´により、照射角の広い状態になり、この前面には第2
の光学部材5、5´が移動していて存在しない為、この
発散状態が維持される。この結果、図4に対応する第2
の光学部材5、5´が最も接近した状態では、すべての
領域が、図6(a)、または図6(b)の垂直方向に発
散状態にあり、この結果、最も垂直方向への照射角度範
囲の広い状態を得ることができる。
【0064】また、上記2つの状態以外の各移動ポイン
トでは、この集光領域範囲と発散領域範囲の割合が連続
的に変化し、全体としての照射角度も連続的に変化させ
ることが可能になる。このように、垂直方向の配光特性
は、固定された第1の光学部材4に対し、第2の光学部
材5、5´を第1の光学部材4の射出面のシリンドリカ
ルレンズ面に沿って水平方向に必要量移動させることに
よって連続的に照射角度を変化させることができる。こ
のような構成で得られる実際の配光特性図を図7、図8
に示す。図7が、図3、図5に対応する水平方向の照射
角度範囲の狭い状態、図8が図4、図6に対応する水平
方向の照射角度範囲の広い状態である。
【0065】図示のように、照射角度範囲が垂直水平方
向の両方共に大幅に変化していることがわかる。また、
上記図では、最も集光した状態(図7)と、最も発散し
た状態(図8)の配光特性図を示しているが、本実施形
態で得られる配光特性はこの2つの状態に限定されるわ
けではなく、第2の光学部材5、5´の移動量に応じて
上記2つの状態の間の特性も連続的に得ることができ
る。
【0066】上記実施例の第2の光学部材5、5´の動
きは、射出光軸に対して水平方向に左右対称の動きを示
したが、第2の光学部材5、5´の動きは必ずしもこの
ような対称形状の動きに限定されない。例えば、撮影光
軸と照明光学系の位置が異なる場合、所定距離で撮影光
軸と照明光学系の光軸中心とを一致させる必要がある
が、この照明光軸を傾ける操作(パラ補正)を行う為、
意図的に移動量を異ならせ、左右非対称の配光特性を得
ることも可能である。
【0067】また、上記実施例では、第1の光学部材4
の射出面の水平方向の周辺部に垂直方向に正の屈折力を
持つ複数のシリンドリカルレンズ面4c、4c´を形成
し、第2の光学部材5、5´の入射面に垂直方向に負の
屈折力を持つ複数のシリンドリカルレンズ面を形成して
いるが、必ずしもこの形態に限定されるわけではなく、
例えば、第1の光学部材4の射出面を垂直方向に負の屈
折力を持つシリンドリカルレンズ面とし、第2の光学部
材5、5´の入射面に垂直方向に正の屈折力を持つシリ
ンドリカルレンズ面で構成してもよい。特有の利点とし
て、第1の光学部材4と第2の光学部材5、5´との間
隔が狭いため、漏れによる光量損失が少なく、効率の良
い照明光学系を形成することができる。また、前記第2
の光学部材の入射面の面積は、前記第1の光学部材の射
出面の面積に対して小さく、前記第2の光学部材の移動
領域は、前記第1の光学部材の射出面に対応する領域の
範囲内に限定されている。
【0068】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態を説明する。図9〜図13は、本発明の第
2の実施の形態による照明装置、特に本実施例では閃光
発光装置を示している。図9は閃光発光装置1の主要光
学系のみの外観斜視図、図10、図11は閃光発光装置
1の光学系を構成する要部水平断面図、図12、図13
は閃光発光装置1の光学系を構成する要部垂直断面図で
ある。尚、図10〜図13では光源から射出した代表光
線の光線トレース図も合わせて示している。
【0069】同図において、2は閃光放電管(キセノン
管)、3は反射傘をそれぞれ示し、第1の実施の形態と
略同様である。24は、射出面の水平方向の周辺部に垂
直方向に正の屈折力を持った複数のシリンドリカルレン
ズ面24c、24c´を形成した第1の光学部材であ
り、第1の実施の形態に対してシリンドリカルレンズ面
のピッチ間隔を狭く設定したものである。25、25´
は、入射面に第1の光学部材24の射出面のシリンドリ
カルレンズ面24c、24c´と略同一のピッチ間隔・
形状を持った垂直方向に正の屈折力を有する複数のシリ
ンドリカルレンズ面25c、25´cが形成され、射出
面にはフレネルレンズ面25d、25d´が形成された
第2の光学部材である。尚、第2の光学部材25、25
´は、第1の光学部材24の射出面に対して、一定の間
隔を保って配置され、閃光放電管2の長手方向かつ第1
の光学部材24の水平方向の曲面に沿って移動が可能な
ように構成されている。
【0070】上記構成で、閃光放電管2、反射傘3、第
1の光学部材24を不図示の保持ケースなどで一体化さ
せ発光部ユニットとし、第2の光学部材25、25´を
水平方向の曲面に沿って所定の回転軸まわりに回動さ
せ、所定の光学配置位置まで適宜移動させることによっ
て、集光度合を連続的に変化させることが可能になる。
尚、第1の光学部材24、第2の光学部材25、25´
の材料としては、アクリル樹脂などの透過率の高い光学
用樹脂材料、またはガラス材料が適している。
【0071】本第2の実施の形態も第1の実施の形態と
同様、撮影装置の撮影レンズがズームレンズである場合
に、その焦点距離に応じて第2の光学部材25、25´
の水平方向の曲面に沿った回転動作の移動量を適宜調整
することによって、垂直水平方向の配光特性を同時に撮
影レンズの撮影範囲に対応させるようにした照明装置の
提案であり、以下図9から図13を用いてこの最適形状
の設定方法に関してさらに詳しく説明する。
【0072】図12、図13は、本発明の第2の実施の
形態の閃光放電管2の径方向の垂直断面図であり、垂直
方向の照射角可変の基本的な考え方を示す図である。な
お、図12(a)・図12(b)は、図10のGG断面
・HH断面に、図13(a)・図13(b)は、図11
のII断面・JJ断面にそれぞれ対応し、図中の各部の
番号は、図10、図11に対応している。
【0073】ここで、第1の光学部材24の射出面に形
成された垂直方向に正の屈折力を持つ複数のシリンドリ
カルレンズ面24c、24c´は、水平方向の周辺部に
対応する領域にのみ形成されている。また、第1の光学
部材24の射出面の水平方向の中央部付近に円筒面24
bが上記周辺部の複数のシリンドリカルレンズ面24
c、24c´に対して突出するように形成されている
が、これは、第1の光学部材24から射出した光束が、
第2の光学部材25、25´に入射する前に隙間から射
出して光量損失してしまう光束を極力防止する為にこの
間隔を詰めたものである。
【0074】まず最初に、図10、図11を用いて、閃
光放電管2の長手方向の集光発散の状態について説明す
る。図10は、本発明の最も集光した状態を示す図であ
り、図示のように、照射角度可変を行う第2の光学部材
25、25´が水平方向の左右に開いて、第1の光学部
材24の水平方向の周辺部に対応する位置まで移動した
状態を示している。これは第1の実施の形態の最集光状
態と略同様の光学配置であるが、第1の光学部材24と
第2の光学部材25、25´との間隔がある一定距離離
れている点が異なっている。後述するが、機能上、この
間隔はある一定値以下に減少させることはできないが、
第2の光学部材25、25´が、閃光放電管2の発光体
中心軸の水平方向の中央部に対して、水平方向に略半円
弧状に移動している為、この隙間から抜け出る光束は実
際には少ない。この為、第1の実施の形態と略同様に、
第1の光学部材24の射出面の水平方向の周辺部に設け
たシリンドリカルレンズ面24c、24c´により、さ
らにこれに加えて水平方向の周辺部は、第2の光学部材
25、25´の射出面に設けたフレネルレンズ面25
d、25d´の収斂効果により、図10の光線トレース
図に見られるように、効率良く集光させることができ
る。
【0075】次に、図11を用いて、最も照射角度範囲
の広い状態を説明する。ここで示す状態は、照射角度可
変を行う動作部材である第2の光学部材25、25´
を、第1の光学部材24の水平方向の中央部に当接する
位置まで移動させた状態である。図示のように、水平方
向の中央部付近は、第1の光学部材24と第2の光学部
材25、25´の2種のレンズが重なって照射範囲が規
定され、合成の屈折力が強く、集光というよりある一定
の範囲に光束が発散されるような状態になる。一方、水
平方向の周辺部は、第2の光学部材25、25´に形成
したフレネルレンズ面25d、25d´が全く関与しな
いため、配光特性は第1の光学部材24の射出面の水平
方向の周辺部に形成されたシリンドリカルレンズ面24
c、24c´のみによって規制される。このとき、この
水平方向の周辺部に達する比較的入射角度の大きな光束
に対しては、この第1の光学部材24に形成したシリン
ドリカルレンズ面24c、24c´の屈折力は弱い為、
必要とされる照射範囲に対して、その周辺部に達する光
束が多くなる。この結果、図11に示す状態は、図10
で得られる射出光軸に向かう光束の多い状態に比べ、射
出角度分布としてはより広い領域を照明するのに適した
配光特性を得ることができる。
【0076】次に、この図10、図11に示す閃光放電
管2の長手方向の照射範囲の変化に同期して変化させる
閃光放電管2の径方向の照射角度可変について、図1
2、図13を用いて説明する。尚、同図において、図1
0、図11の各部品と同一部品に対しては、同一番号で
示している。
【0077】図12、図13に示す垂直断面形状の特徴
は、第1の実施の形態の形状が、第1の光学部材24の
射出面と第2の光学部材25、25´の入射面が対応す
る凹凸のレンズ面で構成されていたのに対し、本第2の
実施の形態は両方共に凸レンズで構成している点であ
る。以下この構成を中心に説明する。
【0078】まず、発光体中心軸から射出した光束は、
第1の光学部材24の各面の作用により、一度射出光軸
と平行な光束に変換される。その後、第1の光学部材2
4と第2の光学部材25、25´の組み合わせによっ
て、集光・発散状態を変化させることができるが、この
各状態を順を追って説明する。
【0079】まず、図12(a)に示す水平方向の中心
部付近において、第1の光学部材24はこの断面では屈
折力を持たず、第2の光学部材25、25´もこの位置
では存在しない為、第1の光学部材24による最も集光
した状態が維持される。また、図12(b)に示す水平
方向の周辺部においても、第1の光学部材24の射出面
に形成された垂直方向に正の屈折力を持つ複数のシリン
ドリカルレンズ面24c、24c´と、このシリンドリ
カルレンズ面24c、24c´と等しいピッチ、同一形
状の第2の光学部材25、25´に形成された垂直方向
に正の屈折力を持つ複数のシリンドリカルレンズ面25
c、25c´とが、ちょうど焦点位置Kに対して対称に
配置されている為、図示のようにこの場合にも最も集光
した状態が維持される。この結果、図10に対応する第
2の光学部材25、25´が第1の光学部材24の水平
方向の両端部に対応する位置まで回動した状態では、す
べての領域が、図12(a)、または図12(b)に示
す集光状態にあり、この結果、最も集光された状態とな
る。
【0080】一方、図11に示すように、第2の光学部
材25、25´が水平方向で最も接近した位置にある状
態では、図13(a)に示す第1の光学部材24の射出
面の水平方向の中央部付近においては、第1の光学部材
24はこの断面に関してはパワーを持たないが、第2の
光学部材25、25´の入射面は垂直方向に正の屈折力
を持つ複数のシリンドリカルレンズ面25c、25c´
によって構成されている為、この両者を通過した後の光
束は、シリンドリカルレンズ面25c、25c´によっ
て垂直方向に発散した状態となる。また、図13(b)
に示す第1の光学部材24の射出面の水平方向の周辺部
においても、第1の光学部材24の射出面に形成された
垂直方向に正の屈折力を持つ複数のシリンドリカルレン
ズ面24c、24c´により発散され、またこの被写体
側には第2の光学部材25が存在しない為、発散された
状態となる。この結果、図11に対応する第2の光学部
材25、25´が最も接近した状態では、すべての領域
が、図13(a)、または図13(b)の発散状態にあ
り、この結果、垂直方向に最も照射角度範囲の広い状態
を得ることができる。また、上記2つの状態以外の各移
動ポイントでは、この集光領域範囲と発散領域範囲の割
合が連続的に変化し、全体としての照射角度も連続的に
変化させることが可能になる。
【0081】このように、垂直方向の配光特性は、固定
された第1の光学部材24に対し、第2の光学部材2
5、25´を水平方向の曲面に沿った回転軸まわりに必
要量回動させることによって連続的に照射角度を変化さ
せることができる。尚、本第2の実施の形態では、第1
の実施の形態に比べて、垂直方向に正の屈折力を持つ複
数のシリンドリカルレンズ面24c、24c´、及び2
5c、25c´のピッチ間隔を狭めている。
【0082】次にこの理由を説明する。図12(b)に
示すように、本第2の実施の形態の集光動作は、図中に
示す線Kに一度集光させた後、第2の光学部材25、2
5´のシリンドリカル面25c、25c´に入射させて
集光をさせる形態をとっている。この為、どうしてもこ
のレンズ間隔を一定値以上とって配置する必要がある
が、上述したように、この間隔が離れすぎるとレンズ間
から抜け出て有効に機能しない光束が増えてしまう。そ
こで、上記光学系の集光動作に影響を与えず、この損失
光束を極力減少させる手段として、本第2の実施の形態
では、シリンドリカルレンズ面24c、24c´及び2
5c、25c´のピッチ間隔を狭めることで、この問題
を解決している。
【0083】また、上記実施例の第2の光学部材25、
25´の動きは、射出光軸に対して水平方向に左右対称
の動きを示したが、第2の光学部材25、25´の動き
は必ずしもこのような対称形状の動きに限定されない。
意図的に移動量を異ならせ、左右非対称の配光特性を得
ることも可能である。
【0084】また、上記実施例では、第2の光学部材2
5、25´の射出面にフレネルレンズ面25d、25d
´を設けて集光作用を持たせているが、この射出面の形
状は、このような、フレネルレンズ面25d、25d´
に限定されわけではなく、例えば、一定の曲率を持った
シリンドリカルレンズ面で構成しても良く、このように
構成することによって、光量ロスのさらに少ない光学系
を形成することもできる。また、前記第2の光学部材の
入射面の面積は、前記第1の光学部材の射出面の面積に
対して小さく、前記第2の光学部材の移動領域は、前記
第1の光学部材の射出面に対応する領域の範囲内に限定
されている。
【0085】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態を説明する。図14〜図18は、本発明の
第3の実施の形態による照明装置、特に本実施例では閃
光発光装置1を示している。図14は閃光発光装置1の
主要光学系のみの外観斜視図、図15、図16は閃光発
光装置1の光学系を構成する要部水平断面図、図17、
図18は閃光発光装置1の光学系を構成する要部垂直断
面図である。尚、図15〜図18では閃光放電管2から
射出した代表光線の光線トレース図も合わせて示してい
る。
【0086】ここで、本実施例の特徴は、上記第1、第
2の実施の形態で用いた正の屈折力を持つ複数の微小シ
リンドリカルレンズ面を用いていないことであり、同様
の機能を持たせる為、第1の光学部材の周辺部の射出面
を垂直方向に負の屈折力を持った単一のトーリック面で
代用したことである。このことによって、微少レンズを
用いた場合に発生しやすい光量損失(光源の大きさや各
光学部品の製造・組み立て誤差による形状誤差によって
隣接する隣の領域に入った場合に生じる予想外の方向に
向かってしまう光束の発生)を未然に防止することがで
き、無理のない効率の良い光学系を構成することができ
る。一方、第1の光学部材34の射出面の水平方向の中
央部に垂直方向に負の屈折力を持つレンズ34bを形成
し、第2の光学部材の入射面に垂直方向に正の屈折力を
持つレンズ35c、35c´を形成した理由は、照明光
学系の全体形状を小型化する為である。即ち、第1の光
学部材は水平方向の上下に全反射面が形成され水平方向
の周辺部ぎりぎりまで利用しているのに対し、中央部
は、光源側に形成したシリンドリカルレンズ面34aで
集光制御が完了している。この為、第1の光学部材34
の水平方向の中央部を内側にえぐっても配光特性に与え
る影響は少なく、第1の光学部材の射出面の水平方向の
中央部に正の屈折力を持つレンズを形成する場合に比べ
て大幅に小型化することが可能になる。
【0087】同図において、2は閃光放電管(キセノン
管)、3は反射傘をそれぞれ示し、第1の実施の形態と
略同様である。34は、閃光放電管2の長手方向に関し
ては収斂効果を持たせる為の正の屈折力を持たせ、閃光
放電管2の径方向に関しては、射出面の水平方向の周辺
部に垂直方向に負の屈折力を持たせたトーリックレンズ
面34c、34c´の複数のトーリックレンズ面による
3次元曲面で構成された第1の光学部材である。35、
35´は、入射面に第1の光学部材34のトーリックレ
ンズ面34c、34c´の閃光放電管2の径方向の屈折
力を相殺するような形状、即ち、この断面に関して垂直
方向に正の屈折力を持ったトーリックレンズ面35c、
35c´が形成され、射出面にはフレネルレンズ面35
d、35d´が形成された第2の光学部材である。尚、
第2の光学部材35、35´は、第1の光学部材34の
射出面に対して、一定の間隔を保って配置され、閃光放
電管2の長手方向、かつ第1の光学部材34の水平方向
の曲面に沿って移動が可能なように構成されている。
【0088】上記構成で、閃光放電管2、反射傘3、第
1の光学部材34を不図示の保持ケースなどで一体化さ
せ発光部ユニットとし、第2の光学部材35、35´を
水平方向の曲面に沿って所定の回転軸まわりに回動さ
せ、所定の光学配置位置まで適宜移動させることによっ
て、集光度合を連続的に変化させることが可能になる。
尚、第1の光学部材34、第2の光学部材35、35´
の材料としては、第1、第2の実施の形態と同様、アク
リル樹脂などの透過率の高い光学用樹脂材料、またはガ
ラス材料が適している。
【0089】本第3の実施の形態も第1、第2の実施の
形態と同様、撮影装置の撮影レンズがズームレンズであ
る場合に、その焦点距離に応じて第2の光学部材35、
35´の回転動作の移動量を適宜調整することによっ
て、垂直、水平の両方向の配光特性を同時に撮影レンズ
の撮影範囲に対応させるようにした照明装置の提案であ
り、以下図14から図18を用いてこの最適形状の設定
方法に関してさらに詳しく説明する。
【0090】図17、図18は、本発明の第3の実施の
形態の閃光発光装置1の閃光放電管2の径方向の垂直断
面図であり、垂直方向の照射角可変の基本的な考え方を
示す図である。なお、図17(a)・図17(b)は、
図15のMM断面・NN断面に、図18(a)・図18
(b)は、図16のQQ断面・PP断面にそれぞれ対応
し、図中の各部の番号は、図15、図16に対応してい
る。
【0091】ここで、第1の光学部材34の射出面に形
成された垂直方向に負の屈折力を持つトーリックレンズ
面は、水平方向の周辺部に対応する領域にのみ形成され
ている。また、第1の光学部材34の射出面の水平方向
の中央部付近にはトーリックレンズ面34c、34c´
の最薄部に接する形でシリンドリカルレンズ面34bが
形成され、第2の光学部材35、35´が曲面に沿って
水平方向に移動した場合でも干渉しないような構成をと
っている。
【0092】まず最初に、図15、図16を用いて、閃
光放電管2の長手方向の集光発散の状態について説明す
る。図15は、本発明の最も集光した状態を示す図であ
り、図示のように、照射角度可変を行う第2の光学部材
35、35´が左右に開いて、第1の光学部材34の水
平方向の周辺部に対応する位置まで移動した状態を示し
ている。図示のように、第1、第2の実施の形態と略同
様に、第1の光学部材34の射出面に設けたトーリック
レンズレンズ面34c、34c´及びシリンドリカルレ
ンズ面34bにより、さらにこれに加えて水平方向の周
辺部は、第2の光学部材35、35´の射出面に設けた
フレネルレンズ面35d、35d´の収斂効果により、
図15の光線トレース図に見られるように、効率良く集
光させることができる。
【0093】次に、図16を用いて、水平方向に最も照
射角度範囲の広い状態を説明する。ここで示す状態は、
照射角度可変を行う動作部材である第2の光学部材3
5、35´を、第1の光学部材34の水平方向の中央部
に当接する位置まで移動させた状態である。図示のよう
に、中央部付近は、第1の光学部材34と第2の光学部
材35、35´の2種のレンズが重なって照射範囲が規
定されるが、合成の屈折力が強く、集光というよりある
一定の範囲に光束が発散されるような状態になる。一
方、水平方向の周辺部は、第2の光学部材35、35´
の射出面に形成したフレネルレンズ面35d、35d´
が全く関与しないため、配光特性は第1の光学部材34
の射出面の水平方向の周辺部に形成されたに垂直方向に
正の屈折力を有するトーリックレンズ面34c、34c
´のみによって規制される。このとき、周辺部に達する
比較的入射角度の大きな光束に対しては、この第1の光
学部材34に形成したトーリックレンズ面34c、34
c´の水平方向の屈折力が弱い為、必要とされる照射範
囲に対して、その周辺部に達する光束が多くなる。この
結果図16に示す状態は、図15で得られる射出光軸に
向かう光束の多い状態に比べ、射出角度分布としてはよ
り広い領域を照明するのに適した配光特性を得ることが
できる。
【0094】次に、この図15、図16に示す閃光放電
管2の長手方向の照射範囲の変化に同期して変化させる
閃光放電管2の径方向の照射角度可変について、図1
7、図18を用いて説明する。尚、同図において、図1
5、図16の各部品と同一部品に対しては、同一番号で
示している。図17、図18に示す垂直断面形状の特徴
は、第1、第2の実施の形態の第1の光学部材の射出面
4c、4c´、24c、24c´と第2の光学部材の入
射面5c、5c´、25c、25c´の形状が、微小な
シリンドリカルレンズ面で構成されていたのに対し、本
第3の実施の形態は単一のレンズ面で構成している点で
ある。
【0095】まず、発光体中心軸から射出した光束は、
第1の光学部材34の各面の作用により、一度射出光軸
と平行な光束に変換される。その後、第1の光学部材3
4と第2の光学部材35、35´の組み合わせによっ
て、集光・発散状態を変化させることができるが、この
各状態をトレース図を用いながら順を追って説明する。
まず、図17(a)に示す水平方向の中央部付近におい
て、第1の光学部材34はこの断面では屈折力を持た
ず、第2の光学部材35、35´もこの位置では存在し
ない為、第1の光学部材34による最も集光した状態が
維持される。また、図17(b)に示す水平方向の周辺
部においても、第1の光学部材34の射出面の水平方向
の周辺部に形成された負の屈折力を持つトーリックレン
ズ面34c、34c´と、このトーリックレンズ面と形
状の対応した第2の光学部材35、35´の入射面に形
成された正の屈折力を持つトーリックレンズ面35c、
35c´とが、ちょうどそれぞれの屈折力を相殺するよ
うに機能する為、図示したようにこの場合にも最も集光
した状態が維持される。この結果、図15に対応する第
2の光学部材35、35´が第1の光学部材34の水平
方向の両端部に対応する位置まで回動した状態では、す
べての領域が、図17(a)、または図17(b)に示
す垂直方向に集光状態にあり、この結果、最も集光され
た状態となる。
【0096】一方、図16に示すように、第2の光学部
材35、35´が水平方向の中央部に最も接近した位置
にある状態では、図18(a)に示す水平方向の中央部
付近においては、第1の光学部材34はこの断面に関し
ては屈折力を持たないが、第2の光学部材35は垂直方
向に正の屈折力を持つレンズで構成されている為、この
両者を通過した後の光束は、シリンドリカルレンズ面3
5c、35c´によって発散された状態となる。また、
図18(b)に示す水平方向の周辺部においても、第1
の光学部材34の射出面の水平方向の周辺部に形成され
た垂直方向に負の屈折力を持つトーリックレンズ部34
c、34c´により発散され、またこの前面には第2の
光学部材35が移動していて存在しない為、発散された
状態となる。この結果、図16に対応する第2の光学部
材35、35´が最も接近した状態では、すべての領域
が、図18(a)、または図18(b)の発散状態にあ
り、この結果、垂直方向に最も照射角度範囲の広い状態
を得ることができる。
【0097】また、上記2つの状態以外の各移動ポイン
トでは、この集光領域範囲と発散領域範囲の割合が連続
的に変化し、全体としての照射角度も連続的に変化させ
ることが可能になる。このように、垂直方向の配光特性
は、固定された第1の光学部材34に対し、第2の光学
部材35、35´を回転軸まわりに必要量回動させるこ
とによって連続的に照射角度を変化させることができ
る。
【0098】尚、上記実施例の第2の光学部材35、3
5´の動きは、射出光軸に対して左右対称の動きを示し
たが、第2の光学部材35、35´の動きは必ずしもこ
のような対称形状の動きに限定されず、意図的に移動量
を異ならせ、左右非対称の配光特性を得ることも可能で
ある。
【0099】また、上記実施例では、第2の光学部材3
5、35´の射出面に水平方向に屈折力を持つフレネル
レンズ面35d、35d´を設けて集光作用を持たせて
いるが、この射出面の形状は、このような、フレネルレ
ンズ面に限定されわけではなく、例えば、一定の曲率を
持ったシリンドリカルレンズ面で構成しても良く、この
ように構成することによって、光量ロスのさらに少ない
光学系を形成することもできる。
【0100】上記第3の実施の形態では、第1の光学部
材および第2の光学部材に微小な光学レンズを使用せ
ず、極力的な曲面によってのみ構成している。このよう
な光学系の利点として、急激な照射角度可変は望めない
ものの、有効画角外への無駄な照射を減少させることが
でき、効率の良い照明光学系を形成できると共に、照射
角度可変についても連続的な配光特性変化が無理なく行
うことができる点が挙げられる。また、前記第2の光学
部材の入射面の面積は、前記第1の光学部材の射出面の
面積に対して小さく、前記第2の光学部材の移動領域
は、前記第1の光学部材の射出面に対応する領域の範囲
内にある。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
有効発光部の長い光源に対して、効率良く照射角度可変
を行わせることができる。
【0102】特に、照射角度可変手段である第2の光学
部材が、常に各光学配置状態で機能し、特別な退避場所
を必要としない為、照射角度可変に要するスペースが限
定されるような小型で薄型の照明光学系に適用した場合
に極めて有効となる。しかも、簡単な構成で大幅な照射
角度可変を行わせることができる。
【0103】さらに、閃光発光装置1の照射角度可変機
構に応用した場合に、垂直方向の照射角度可変と同期さ
せて水平方向の照射角度も制御できる為、スペースを大
きくせず垂直水平の両方向の照射角度可変が可能にな
り、集光状態で大幅なガイドナンバーのアップが望め
る。
【0104】また、配光特性の変化も連続的に切り換え
が可能であること、またすべてのズームポイントで均一
な配光を得ることができるなど、光学特性にもすぐれた
照射角可変の照明装置を提供することができるようにな
った。
【0105】さらに本発明による照射角可変の照明光学
系は、設計自由度が高く、製品として要求される大きさ
・メカ精度・光学特性などに応じて最適な照射角可変機
構の設計を容易に行うことができる。
【0106】また、構成要素が少なく、照射角可変機構
が安価に構成できることや、その応用光学系も広く、各
種照明光学系に応用できるなど極めて汎用性の高い技術
になっており、光源からのエネルギを高い効率で利用し
たスチルカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラなどの
光学機器に好適な照明装置、及びそれを用いた撮影装置
を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の閃光発光装置を適用したカメラの外
観斜視図。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の閃光発光装置の
光学系の要部斜視図。
【図3】 本発明の第1の実施の形態の水平方向に狭い
照射角度に対応した時の閃光発光装置の水平断面図。
【図4】 本発明の第1の実施の形態の水平方向に広い
照射角度に対応した時の閃光発光装置の水平断面図。
【図5】 本発明の第1の実施の形態の水平方向に狭い
照射角度に対応した時の閃光発光装置の垂直断面図。
【図6】 本発明の第1の実施の形態の水平方向に広い
照射角度に対応した時の閃光発光装置の垂直断面図。
【図7】 本発明の第1の実施の形態の水平方向に狭い
照射角度に対応した時の閃光発光装置の配光特性図。
【図8】 本発明の第1の実施の形態の水平方向に広い
照射角度に対応した時の閃光発光装置の配光特性図。
【図9】 本発明の第2の実施の形態の閃光発光装置の
光学系の要部斜視図。
【図10】 本発明の第2の実施の形態の水平方向に狭
い照射角度に対応した時の閃光発光装置の水平断面図。
【図11】 本発明の第2の実施の形態の水平方向に広
い照射角度に対応した時の閃光発光装置の水平断面図。
【図12】 本発明の第2の実施の形態の水平方向に狭
い照射角度に対応した時の閃光発光装置の垂直断面図。
【図13】 本発明の第2の実施の形態の水平方向に広
い照射角度に対応した時の閃光発光装置の垂直断面図。
【図14】 本発明の第3の実施の形態の閃光発光装置
の光学系の要部斜視図。
【図15】 本発明の第3の実施の形態の水平方向に狭
い照射角度に対応した時の閃光発光装置の水平断面図。
【図16】 本発明の第3の実施の形態の水平方向に広
い照射角度に対応した時の閃光発光装置の水平断面図。
【図17】 本発明の第3の実施の形態の水平方向に狭
い照射角度に対応した時の閃光発光装置の垂直断面図。
【図18】 本発明の第3の実施の形態の水平方向に広
い照射角度に対応した時の閃光発光装置の垂直断面図。
【符号の説明】
1 閃光発光装置 2 閃光放電管(発光体) 3 反射傘 4、24、34 第1の光学部材(プリズム) 5、5´、25、25´、35、35´ 第2の光学部
材(光学パネル) 11 撮影装置本体 12 レンズ鏡筒

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源手段からの光束を光学手段を介し
    て、所定の照射角に変換して照射する照射角可変の照明
    装置において、該光源手段は水平方向に長い管状の発光
    体を有し、該光学手段は該光源手段の被写体側に位置
    し、被写体側へ順に、第1の光学部材と第2の光学部材
    を有し、該第1の光学部材の射出面に中央部と周辺部で
    形状が異なる少なくとも2種の曲面を有し、該第2の光
    学部材の入射面は、第1の光学部材の射出面に対向し、
    第1の光学部材の射出面に沿って移動可能なことを特徴
    とする照射角可変の照明装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の光学部材の射出面の2種の曲
    面は、少なくとも一部が連続した曲面であることを特徴
    とする請求項1に記載の照射角可変の照明装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の光学部材の連続した曲面は、
    水平方向の中央部と周辺部で形状が異なっていることを
    特徴とする請求項2に記載の照射角可変の照明装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の光学部材の射出面は少なくと
    も一部に正の屈折力を有し、前記第2の光学部材は射出
    面に正の屈折力を有し第1の光学部材の射出面に沿って
    移動可能なことを特徴とする請求項1に記載の照射角可
    変の照明装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の光学部材の射出面の少なくと
    も一部は水平方向に正の屈折力を有し、前記第2の光学
    部材の射出面は水平方向に正の屈折力を有し、該第2の
    光学部材は第1の光学部材の射出面に沿って水平方向に
    移動可能なことを特徴とする請求項4に記載の照射角可
    変の照明装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の光学部材の射出面の少なくと
    も一部は正の屈折力を有し、前記第2の光学部材は射出
    面に正の屈折力を有し、光学手段の射出光軸に対して対
    称に一対備えられており、該一対の第2の光学部材は第
    1の光学部材の射出面に沿って、かつ該射出光軸に対し
    て略対称に移動可能であることを特徴とする請求項1に
    記載の照射角可変の照明装置。
  7. 【請求項7】 前記一対の第2の光学部材は第1の光学
    部材の射出面に沿って、かつ射出光軸に対して略対称に
    水平方向に移動可能であることを特徴とする請求項6に
    記載の照射角可変の照明装置。
  8. 【請求項8】 前記曲面は、円筒面、トーリック面であ
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の
    照射角可変の照明装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の光学部材の正の屈折力を有す
    る方向と前記第2の光学部材の正の屈折力を有する方向
    は略一致していることを特徴とする請求項4又は6に記
    載の照射角可変の照明装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の光学部材と前記第2の光学
    部材の射出面は、いずれも水平方向に正の屈折力を有す
    ることを特徴とする請求項9に記載の照射角可変の照明
    装置。
  11. 【請求項11】 前記第2の光学部材の正の屈折力を有
    する方向と、移動方向は略同一方向であることを特徴と
    する請求項4又は6に記載の照射角可変の照明装置。
  12. 【請求項12】 前記第2の光学部材は水平方向に正の
    屈折力を有し、かつ水平方向に移動可能としたことを特
    徴とする請求項11に記載の照射角可変の照明装置。
  13. 【請求項13】 前記第2の光学部材の入射面の面積
    は、前記第1の光学部材の射出面の面積に対して小さ
    く、前記第2の光学部材の移動領域は、前記第1の光学
    部材の射出面に対応する領域の範囲内であることを特徴
    とする請求項1、4〜7、9又は10の何れか1項に記
    載の照射角可変の照明装置。
  14. 【請求項14】 前記第2の光学部材が前記第1の光学
    部材の周辺部に位置する場合に照射角度範囲は狭い状態
    に対応し、中央寄りにある場合に照射角度範囲は広い状
    態に対応していることを特徴とする請求項1、4〜7、
    9又は10の何れか1項に記載の照射角可変の照明装
    置。
  15. 【請求項15】 前記第1の光学部材の周辺部とは水平
    方向の周辺部であり、前記中央寄りとは水平方向の中央
    寄りであることを特徴とする請求項14に記載の照射角
    可変の照明装置。
  16. 【請求項16】 前記第2の光学部材は射出面に正の屈
    折力を持つフレネルレンズ面を有することを特徴とする
    請求項1、4〜7、9、10又は14の何れか1項に記
    載の照射角可変の照明装置。
  17. 【請求項17】 前記フレネルレンズ面は水平方向に正
    の屈折力を有することを特徴とする請求項16に記載の
    照射角可変の照明装置。
  18. 【請求項18】 前記第1の光学部材の射出面の少なく
    とも一部に垂直方向に集光作用を有する第1の光学素子
    を垂直方向に連なって複数配置し、前記第2の光学部材
    の入射面に垂直方向に発散作用を有する第2の光学素子
    を垂直方向に連なって複数配置したことを特徴とする請
    求項1、4〜7、9、10又は14の何れか1項に記載
    の照射角可変の照明装置。
  19. 【請求項19】 前記第1の光学部材の射出面の少なく
    とも一部に垂直方向に集光作用を有する第1の光学素子
    を垂直方向に連なって複数配置し、前記第2の光学部材
    の入射面に垂直方向に集光作用を有する第2の光学素子
    を垂直方向に連なって複数配置したことを特徴とする請
    求項1、4〜7、9、10又は14の何れか1項に記載
    の照射角可変の照明装置。
  20. 【請求項20】 前記第1の光学部材の射出面の少なく
    とも一部に垂直方向に発散作用を有する第1の光学素子
    を垂直方向に連なって複数配置し、前記第2の光学部材
    の入射面に垂直方向に集光作用を有する第2の光学素子
    を垂直方向に連なって複数配置したことを特徴とする請
    求項1、4〜7、9、10又は14の何れか1項に記載
    の照射角可変の照明装置。
  21. 【請求項21】 前記第1の光学素子は前記第1の光学
    部材の射出面の水平方向の少なくとも周辺部に形成され
    ていることを特徴とする請求項18〜20の何れか1項
    に記載の照射角可変の照明装置。
  22. 【請求項22】 光源手段からの光束を光学手段を介し
    て、所定の照射角に変換して照射する照射角可変の照明
    装置において、該光源手段は水平方向に長い管状の発光
    体を有し、該光学手段は該光源手段の被写体側に位置
    し、被写体側へ順に、射出面に形成した連続曲面で集光
    効果を与える固定光学部材、該固定光学部材より小さく
    部分的に集光効果を与える可動光学部材を備え、該可動
    光学部材の位置を前記固定光学部材に沿って移動させる
    ことによって照射角を変化させることを特徴とする照射
    角可変の照明装置。
  23. 【請求項23】 前記光源手段の発光体中心軸の後方
    に、該発光体からの射出光束を反射させる反射傘を配置
    すると共に、該反射傘の形状が前記発光体中心軸と略同
    心形状の反射面を少なくとも一部に形成していることを
    特徴とする請求項1又は22に記載の照射角可変の照明
    装置。
  24. 【請求項24】 前記光源手段は、直管状の閃光放電管
    であることを特徴とする請求項1又は22に記載の照射
    角可変の照明装置。
  25. 【請求項25】 請求項1から24の何れか1項に記載
    の照射角可変の照明装置は、垂直水平方向の照射角を変
    更することを特徴とする照射角可変の照明装置。
  26. 【請求項26】 請求項1〜25の何れか1項に記載の
    照射角可変の照明装置を有していることを特徴とする撮
    影装置。
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