JP2003021861A - 照明装置および撮影装置 - Google Patents

照明装置および撮影装置

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JP2003021861A
JP2003021861A JP2001206728A JP2001206728A JP2003021861A JP 2003021861 A JP2003021861 A JP 2003021861A JP 2001206728 A JP2001206728 A JP 2001206728A JP 2001206728 A JP2001206728 A JP 2001206728A JP 2003021861 A JP2003021861 A JP 2003021861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の照明装置は、厚み方向の小型化(薄型
化)が十分でなく、例えばカードサイズカメラの内部に
収納できない。 【解決手段】 光源2と、この光源の前側に配置されて
光源から射出された光束に光学作用を及ぼす光学部材4
と、光源の後側から光源と光学部材との間の前側空間を
覆うように配置されて光源から射出された光束を前側に
反射させる反射部材3とを有し、さらに上記光学部材の
入射面側に、照射光軸付近において光源から入射する光
束に正の屈折力を与える正屈折部4aと、この正屈折部
よりも周辺側であって上記反射部材における上記の前側
空間を覆う部分で反射した光束が通過する領域よりも照
射光軸側に設けられ、前記光源から入射する光束を前側
に反射させる反射部(プリズム部)4d,4d’とを設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチルカメラやビ
デオカメラといった撮影装置に好適な照明装置に関し、
さらに詳しくはいわゆるカードサイズカメラ等の厚みが
きわめて薄い撮影装置に好適な照明装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】カメラ等の撮影装置に用いられている照
明装置は、光源と、反射傘と、フレネルレンズ等の光学
部品とで構成されことが多い。
【0003】このような照明装置において、光源から様
々な方向に射出した光束を、効率よく必要な照射画角内
に集光させるために、従来種々の提案がなされている。
特に、近年では、光源の前に配置していたフレネルレン
ズの代わりに、プリズムやライトガイド等の全反射を利
用した光学部材を配置することによって、集光効率の向
上や小型化を図っている。
【0004】この種の照明装置としては、本出願人が特
開2000−250102号公報にて提案しているよう
に、光源から前方に射出された光束を正の屈折力を有す
るシリンドリカルレンズを用いて集光するとともに、光
源から上下方向へ射出する光束を一度屈折させた後にそ
の上下に配置した反射面で前方にほぼ全反射させること
により、それぞれ光源中心からの光束分布が略一致する
ようにして同一の射出面から照射する照明光学系があ
る。この照明装置では、プリズムの入射面毎の射出光束
分布を一致させることにより、小型化と集光効率の向上
とを図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、カメラ等の撮影
装置においては、装置自体の小型・薄型化が従来にも増
して一層進む傾向にある。そしてこの究極の形態とし
て、いわゆるカードサイズカメラというこれまでにない
極めて薄い形態のデジタルカメラも提案されつつある。
【0006】これに伴い、ストロボ光を発光する照明装
置にも小型化・薄型化が必要となっており、小型および
薄型であって光学性能を低下させないようにした照明装
置が強く望まれている。
【0007】このような背景から、超小型化を達成でき
る照明装置として、上記特開2000−250102号
公報にて提案の照明装置が考えられている。このように
照明装置を構成することで、光源からの直接光と反射面
において略全反射した反射光とをそれぞれ分離して独立
に配光特性制御することが可能となり、従来方式の照明
装置に対して大幅な小型化を図ることが可能である。
【0008】しかしながら、上記公報にて提案の照明装
置でも、厚み方向の小型化(薄型化)が十分でなく、カ
ードサイズカメラの内部に完全に収納できる奥行きまで
に薄型化されていない。
【0009】このため、従来タイプに対してかなり薄型
化されているものの、カードサイズカメラ若しくはカー
ドタイプストロボに搭載する照明装置としては、必ずし
も理想的な構成であるとは言えない。
【0010】そこで、本発明は、装置全体を薄型化しつ
つ、照明光の必要照射範囲での配光特性を均一に保つこ
とができ、さらには必要照射範囲内に照射される有効エ
ネルギを増加させることができる照明装置および撮影装
置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本願第1の発明の照明装置は、光源と、この光源
の前側に配置されて光源から射出された光束に光学作用
を及ぼす光学部材と、光源の後側から光源と光学部材と
の間の前側空間を覆うように配置されて光源から射出さ
れた光束を前側に反射させる反射部材とを有し、さらに
上記光学部材の入射面側に、照射光軸付近において光源
から入射する光束に正の屈折力を与える正屈折部と、こ
の正屈折部よりも周辺側であって上記反射部材における
上記の前側空間を覆う部分で反射した光束が通過する領
域よりも照射光軸側に設けられ、前記光源から入射する
光束を前側に反射させる反射部とを設けている。
【0012】また、本願第2の発明の照明装置は、光源
と、この光源の前側に配置されて光源から射出された光
束に光学作用を及ぼす光学部材と、光源の後側から光源
と光学部材との間の前側空間を覆うように配置されて光
源から射出された光束を前側に反射させる第1の反射部
材とを有し、さらに上記光学部材の入射面側に、照射光
軸付近において光源から入射する光束に正の屈折力を与
える正屈折部を設けるとともに、光学部材の入射面近傍
における上記正屈折部よりも周辺側であって上記第1の
反射部材の前側空間を覆う部分で反射した光束が通過す
る領域よりも照射光軸側に配置され、光源から入射した
光束を前側に反射させる第2の反射部材とを設けてい
る。
【0013】これら第1および第2の発明の照明装置で
は、光源から様々な方向に射出される光束のうち、光学
部材の正屈折部および反射部材(第1の反射部材)によ
っては必要照射範囲に向けて照射制御しきれない光束
を、光学部材の反射部若しくは第2の反射部材により上
記必要照射範囲に向けて照射制御することが可能となる
ため、必要照射範囲内に照射される有効エネルギを増加
させて照明装置の効率を向上させることが可能となる。
【0014】しかも、反射部材若しくは第1の反射部材
と光学部材の反射部若しくは第2の反射部材とにより照
射光軸に直交する方向に複数の反射層を構成しているた
め、1つの反射層を照射光軸方向に長く延ばす場合に比
べて照明装置を薄型化することが可能である。
【0015】さらに、光学部材の正屈折部、反射部材若
しくは第1の反射部材および光学部材の反射部若しくは
第2の光学部材の形状をそれぞれ自由に設定することが
可能であるため、これらによる照明光束の配光分布をそ
れぞれ独立にかつきめ細かく制御することが可能とな
る。したがって、必要照射範囲内での配光分布を容易に
均一化することが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1〜図5に
は、本発明の第1実施形態である照明装置、特に本実施
形態ではカメラに内蔵されるストロボ光を発光する装置
を示している。なお、図1は上記照明装置の光学系の縦
断面図、図2は上記照明装置の場合と上記照明装置の特
徴的構成を有さないとした場合とを比較するための説明
図、図3は上記照明装置の光学系を放電管の中心軸を含
む平面で切ったときの断面図、図4は上記照明装置の光
学系の分解斜視図、図5は上記照明装置に用いられる光
学部材の背面側からの斜視図である。また、図6には、
上記照明装置が搭載されているカメラを示している。
【0017】また、図1〜図3には、光源中心から射出
した代表光線の光線トレース図も合わせて示しており、
特に図1および図2は、同一断面形状について、光源中
心から射出した光束の様子を光学部材への入射位置に応
じて分けて示している。
【0018】まず図6(a)には、本実施形態の照明装
置を内蔵したいわゆるコンパクトカメラを示しており、
図6(b)には、本実施形態の照明装置を内蔵したいわ
ゆるカードサイズカメラを示している。
【0019】これらの図において、11はカメラ本体で
あり、12はカメラ本体11の前面ほぼ中央に設けられ
た撮影レンズ鏡筒である。1はカメラ本体11の上部向
かって右側に配置された本実施形態の照明装置である。
【0020】13はレリーズボタン、17は外光の明る
さを測定する測光装置の覗き窓、18はファインダーの
覗き窓である。
【0021】また、図6(a)において、14は撮影レ
ンズをズーミングするための操作部材であり、この操作
部材を前側に倒すとテレ方向に、後側に倒すとワイド方
向にそれぞれズームさせることができる。15はカメラ
の各種モードを切り替えるための操作ボタン、16はカ
メラの動作をユーザーに知らせるための液晶表示パネル
である。なお、本発明の照明装置が搭載されるカメラは
図6に示すカメラに限られず、他のカメラ(一眼レフカ
メラやビデオカメラ等)に搭載することもできる。
【0022】次に、本実施形態の照明装置の光学特性を
決める構成要素について、図1〜図5を用いて説明す
る。
【0023】これらの図において、2は円筒直管形状の
発光放電管(キセノン管)である。3は発光放電管2か
ら射出した光束のうち照射光軸L方向の後方および上下
方向に向かう成分を前方に反射させる反射傘(反射部
材、第1の反射部材)であり、内側の面が高反射率面で
形成された光輝アルミ等の金属材料又は内側の面に高反
射率の金属蒸着面が形成された樹脂材料等で構成されて
いる。
【0024】4は透明体により一体形成された光学部材
である。この光学部材4の入射面側のうち照射光軸Lの
付近には、発光放電管2の長手方向に略直交する方向に
正の屈折力を有するシリンドリカルレンズ面(正屈折
部)4aが、上下の周辺部4b,4b’には平行平板面
がそれぞれ形成されており、さらにシリンドリカルレン
ズ面4aと上下の周辺部4b,4b’との間には、それ
ぞれ屈折面(入射面)4c,4c’と反射面4d,4
d’を有する一対のプリズム部(反射部)が形成されて
いる。
【0025】この光学部材4の形状をわかり易くするた
め、図5にはこの光学部材4を背面から見た斜視図を示
している。上記光学部材4の材料としては、アクリル樹
脂等の透過率の高い光学用樹脂材料またはガラス材料が
適している。
【0026】上記構成のカメラおよび照明装置におい
て、カメラの動作モードが例えば「ストロボオートモー
ド」にセットされている場合には、レリーズボタン13
がユーザーによって押された後に、不図示の測光装置で
測定された外光の明るさと、装填されたフィルムやCC
D等の撮像素子の感度とに応じて、照明装置1を発光さ
せるか否かを不図示の中央演算装置が判断する。
【0027】中央演算装置が撮影状況下において「照明
装置を発光させる」と判定した場合には、中央演算装置
は発光信号を出力し、不図示の発光制御回路から反射傘
3に取り付けられたトリガーリード線を介して発光放電
管2を発光させる。
【0028】発光放電管2から射出した光束のうち、照
射光軸L方向後方および上下方向に射出された光束は反
射傘3での反射を介して、また、照射光軸L方向前方に
射出した光束は直接、前側に配置された光学部材4に入
射してこの光学部材4により所定の配光特性に変換され
た後、被写体側に照射される。
【0029】次に、図1から図3を用いて、薄型であ
り、かつ照明光を必要照射範囲に均一に効率良く照射す
ることができる本実施形態の照明装置における光学系の
最適な設定方法について説明する。
【0030】図1および図2は、本実施形態の照明装置
の発光放電管の径方向における縦断面を示しており、上
下方向の配光特性の最適化を図るための基本的な考え方
を示す図である。なお、図1(a),(b)および図2
(a),(b)は、同一の断面における光線トレース部
を場合分けして示したものであり、図中の各部の符号は
図3および図4に対応している。
【0031】同図においては、発光放電管2として、こ
の発光放電管2のガラス管の内外径を示している。この
種の照明装置の実際の発光放電管の発光現象としては、
効率を向上させるため、内径一杯に発光させる場合が多
く、放電管の内径一杯の発光点からほぼ均一に発光して
いると考えて差し支えない。しかし、説明を容易にする
ため、発光放電管2すなわち光源の中心から射出した光
束を代表光束と考え、図中ではこの代表光束のみを示し
ている。実際の配光特性としては、図に示したような代
表光束に加え、発光放電管2の周辺部から射出した光束
によって、配光特性は全体として若干広がる方向に変化
するが、配光特性の傾向としてはほとんど一致するた
め、以下この代表光束を用いて説明する。
【0032】まず、反射傘3は、光源中心に対して照射
光軸L方向後方の部分を発光放電管2とほぼ同心の半円
筒形状(以下、半円筒部3aという)としている。これ
は、反射傘3での反射光を再度光源の中心部付近に戻す
のに有効な形状であり、発光放電管2のガラス部の屈折
による悪影響を受けにくくさせる効果がある。
【0033】また、このように構成することによって、
反射傘3による反射光を光源からの直接光とほぼ等価な
射出光として扱え、この後に続く光学系の全体形状を小
型化することも可能となる。
【0034】また、形状をちょうど半円筒としている理
由は、これより小さいと上下方向に向かう光束を集光さ
せるために光学部材4が大型化してしまい、逆にこれ以
上大きいと反射傘3の内部にこもる光束が増え、効率低
下が生じることためである。
【0035】一方、反射傘3の上下の周辺部3b,3
b’は、発光放電管2と光学部材4との間の前側空間を
覆うように形成されており、この周辺部で反射した後の
光束が、ある一定の均一な配光特性となるような曲面形
状に形成されている。
【0036】次に、本照明装置の配光特性に最も影響を
与える光学部材4の形状について説明する。本実施形態
では、最も光軸方向に薄い形状で、かつ必要照射範囲内
において均一な配光分布を得るため、以下のような構成
を採用している。
【0037】まず、図1(a)に示すように、光学部材
4の入射面側における照射光軸L付近は、照射光軸Lに
直交する面内において正の屈折力を有するシリンドリカ
ルレンズ面4aとなっている。これにより、発光放電管
2から射出された光束のうち照射光軸L付近を進む光束
は、所定の角度範囲に均一な配光分布を持った光束に変
換された後、光学部材4の射出面4eから射出する。
【0038】ここで、均一な配光特性を持たせるため、
光学部材4のシリンドリカルレンズ面4aの形状を、放
電管2の中心からの射出角度と光学部材4を通過した後
の射出角度との間に比例関係が成立するような連続的な
非球面形状とし、一定の割合で集光するように構成して
いる。
【0039】次に、図1(b)に示すように、放電管2
の中心から射出する光束のうち光軸に対する角度が大き
く、直接に反射傘3の周辺部3b、3b’に入射する成
分について説明する。ここで、反射傘3の周辺部3b、
3b’の形状は、上記成分が反射した後、図1(a)と
ほぼ同様の照射角度範囲と均一な広がりとを持つように
設定されている。
【0040】反射傘3の周辺部3b,3b’で反射した
後の光束は、光学部材4の周辺部4b,4b’から光学
部材4内に入射し、射出面4eから射出する。但し、光
学部材4の周辺部4b,4b’は、照射光軸Lに直交す
る方向においてはパワーを持っておらず、この部分を通
過する光束は反射傘3の周辺部3b,3b’によって配
光調整された配光特性を保ったまま照射されることにな
る。
【0041】このように、反射傘3の周辺部3b,3
b’は、放電管2から直接入射する光束を一定の角度範
囲に均一に集光させるとともに、反射後の光束を光学部
材4の周辺部4b,4b’という狭い通過領域に導くと
いう方向変換の機能を合わせ持っている。この結果、図
1(a)と同様に、必要照射範囲に対して均一な配光分
布を得ることができる。また、反射傘3の周辺部3b,
3b’とシリンドリカルレンズ面4aとは互いに独立し
た全く別々の光路を形成して集光(照射)制御を行うこ
とができる。
【0042】次に、図2(a)を用いて、本実施形態に
おいて最も特徴的な構成であるプリズム部を介した光路
について説明する。なお、説明を明確化させるため、上
記プリズム部を設けなかった場合の例を図2(b)に示
す。
【0043】まず図2(b)に示すように、上記図1
(a)に示したシリンドリカルレンズ面4aによる屈折
領域と、図1(b)に示した反射傘3による反射領域だ
けでこの断面の光学系を構成しようとした場合、これら
によって必要照射範囲に照射制御しきれない過渡的な光
束がどうしても生じてしまう。
【0044】すなわち、図中に2点鎖線A,A’,B,
B’で示した光束がそれであり、この構成のまま効率良
く集光作用を持たせようとすると、反射傘3や光学部材
4をかなり大型化させる必要がある。
【0045】このような大型化された光学系の例として
は、反射傘を光源中心をほぼ焦点とする半楕円形状と
し、この反射傘による反射光の照射角度分布と反射傘の
開口によって制限される直接光の分布とを一致させるよ
うな光学系が考えられる。
【0046】しかしこの場合には、光学系の奥行き方向
の寸法をかなり深いものにしなければ成り立たない。
【0047】これに対し、図2(a)に示すように、光
学部材4の入射面側におけるシリンドリカルレンズ面4
aと周辺部4b,4b’との間にプリズム部を設けた場
合、平面からなる屈折面4c,4c’に入射した光束
(図2(b)においては2点鎖線A,A’,B,B’で
示すように進む光束)は、屈折面4c,4c’で屈折し
ながらプリズム部内に入射した後、所定の曲面で構成し
た反射面4d,4d’でほぼ全反射し、上記図1
(a),(b)の照射角度分布とほぼ等価の配光特性を
持った光束に変換される。
【0048】ここで、図示のように、屈折面4c,4
c’に入射する光束の入射角度範囲は、図1(a),
(b)に示す光束の角度範囲に比べてかなり狭い範囲で
ある。このため、屈折面4c、4c’に入射する光束の
照射角度範囲を図1(a),(b)に示した照射角度範
囲と合わせ込むためには、反射面4c,4c’の形状
を、反射光束の照射角度範囲を一定の割合でかなり広げ
るような形状に設定する必要がある。
【0049】この考え方に基づき、本実施形態では、反
射面4d,4d’の形状を最適化した非球面形状とする
ことにより、図示のように、屈折面4c,4c’に入射
する光束の照射角度範囲を図1(a),(b)で示した
照射角度範囲と略一致させるようにしている。
【0050】このように、本実施形態では、放電管2の
中心から射出されたすべての光束は、放電管2の長手方
向に対して略直交する方向において、図1(a)に示し
たシリンドリカルレンズ面4aと、図1(b)に示した
反射傘3の周辺部3b,3b’と、図2(a)に示した
プリズム部(屈折面4c,4c’および反射面4d,4
d’)の各光学作用によって、それぞれ均一な配光分布
を持った光束に変換されると共に、この3種、計5層の
配光分布を重なり合わせることによって効率良く、全体
として均一な配光特性を得ることができる。
【0051】一方、前述したように、放電管2の中心か
ら後方に射出された光束は、反射傘3の半円筒部3aで
反射して再度、放電管2の中心を通った後、照射光軸L
方向に射出される。この後の光線の振る舞いは、図1
(a),(b)および図2(a)にて説明したものと同
様である。
【0052】ここで、光学部材4のシリンドリカルレン
ズ面4a、反射傘3および光学部材4のプリズム部の領
域の最適な配分割合について、図2(a)を用いて説明
する。
【0053】本実施形態では、図1(a)に示すシリン
ドリカルレンズ面4aの領域と、図1(b)に示す反射
傘3による反射領域とが基本的な集光光学系を形成し、
これらの間のつなぎの最小部分を図2(a)に光路を示
すプリズム部による全反射作用を利用した反射光学系
(以下、全反射領域という)で構成することが望まし
い。
【0054】このプリズム部による全反射領域として
は、放電管2の中心とプリズム部による全反射領域の各
端部とを結ぶ直線と、照射光軸Lとのなす角度αが以下
の角度範囲に存在することが望ましい。
【0055】20°≦α≦70° ・・・(1) ここで、角度αが式(1)の下限である20°より小さ
いと、反射光学系において反射面4d,4d’でほとん
どの入射光束を全反射させること自体が困難となる。す
なわち、角度αが20°より小さいと、プリズム部の角
度が極めて鋭くなると同時に厚み方向に深い形状を必要
とすることになる。このため、本実施形態の主眼である
薄型光学系を構成することが困難になるばかりでなく、
製造も困難となる。
【0056】また、角度αが式(1)の上限である70
°より大きくなると、反射傘3による集光領域が減少
し、反射領域を反射傘3による反射領域とプリズム部に
よる反射領域とに分割した意味自体が減少してしまう。
すなわち、今回提案した光学系によって光路分割が可能
となり、反射傘による独立制御により必要照射角度範囲
に均一な配光制御が可能になったのにもかかわらず、こ
の領域の光路を有効に使わないことになってしまう。ま
た、上限値の70°以上になると光学系の上下の開口が
大型化してしまい、薄型化は図れたものの上下の開口が
大きくなり過ぎてしまうため、光学系の全体形状がかえ
って大きくなってしまい、好ましい形態にまとまらな
い。
【0057】理想的な形態としては、この全反射領域を
必要最小限まで狭め、かつ光量ロスのない形態にまとめ
ることが望ましく、このように構成することで、厚み方
向を最短まで短縮しつつ、形状的にもシンプルとなり、
加工し易いものとすることができる。
【0058】本実施形態では、このような状況に鑑み、
この全反射領域を40°〜60°の約20°の範囲で形
成し、最適化を図っている。
【0059】次に、図2(a)に示すプリズム部の反射
面4d,4d’に光束を導く、屈折面4c,4c’の最
適な形状について説明する。
【0060】図2(a)からわかるように、放電管2の
中心から射出した光束は、屈折面4c,4c’で大きく
屈折し、照射光軸Lから離れる方向に向かい、反射面4
d,4d’に到達する。この屈折面4c,4c’の理想
的な形状としては、放電管2から射出される光束をでき
るだけ多く反射面4d,4d’に導く構成を採ることで
あり、このためには、光束を屈折面4c,4c’で急激
に屈折させる構成が有効である。
【0061】このことはまた、反射面4d,4d’を短
くし、光学系の厚み方向の寸法を短縮させることにもつ
ながる。
【0062】具体的な形状としては、平面である屈折面
4c,4c’の照射光軸Lに対する傾きが0°の平面と
なることが望ましい。しかし、光学部材4の成型性の問
題から、0°の平面とすることは加工精度の関係からも
困難である。そこで、本実施形態では、加工的な用件も
含め、この屈折面4c,4c’の光軸に対する傾きθを
4°以下の平面で構成している。なお、屈折面4c,4
c’として、加工し易い曲面で構成してもよい。
【0063】一方、本実施形態のように光制御領域を細
分化し、各制御領域からの照射範囲を重なり合わせるこ
とによって、従来にはない本実施形態特有の特徴と効果
も得ることができる。
【0064】まず、第1に、反射面を従来のように照射
光軸方向に連続的に配置するのではなく、不連続な異種
の材料の面で構成し、かつ照射光軸に略直交する方向に
複数層重なるように反射層を配置している点である。
【0065】このように構成することによって、本実施
形態の最大の特徴である、照明光学系の奥行き方向の厚
みを極めて短縮することができる。すなわち、図1
(a),(b)および図2(a)を用いて説明すると、
第1の反射層としての反射面4d,4d’をまず配置
し、この外側(周辺側)でかつ照明光軸L方向の位置が
オーバーラップする位置に、第2の反射層である反射傘
3の周辺部3b,3b’を配置することによって、全体
として反射面の光軸L方向の長さを短縮することを可能
にしている。
【0066】第2に、光学部材4自体を極めて薄型化で
きることである。すなわち、光学部材4に必須の構成
は、照射光軸L付近の正の屈折力を有するシリンドリカ
ルレンズ面4aと、放電管2から直接入射する光束と反
射傘3により反射される光束とを分離するためのプリズ
ム部のみであり、最も周辺の領域である周辺部4b,4
b’は薄く構成でき、形状的にも簡易な形状で十分に機
能させることができるため、光学部材4の全体厚を極め
て薄く抑えることが可能になる。
【0067】このことによって、光学部材4の成型性が
向上するばかりでなく、樹脂材料を通過する際の光量低
下を最小限に抑えることができる。さらに、この照明装
置を搭載する撮影装置その他の光学機器の軽量化にも寄
与する。しかも、最外周の面の形状が極めてシンプルで
あり、光学上の制約の少ない面で構成されているため、
光学部材4の保持が容易であり、各種光学機器に搭載し
た場合でも特殊な保持構造を採る必要がなく、大変取り
扱い易い形態となっている。
【0068】第3に、複数の反射層を持つことによっ
て、従来のライトガイドタイプストロボの問題点、すな
わち樹脂光学材料で形成した光学部材を光源近くに配置
した場合に、光源から発する熱によって光学部材が変形
し、発光条件によっては本来の光学特性を得ることがで
きないという問題点をも未然に回避することができる。
つまり、このように複数層の反射面を持つことによっ
て、最も熱に弱い光学部材の屈折面と反射面との境界部
であるエッジ面を光源から遠ざけて配置することがで
き、また、発光放電管2回りの空間も広げることができ
るため、連続発光時に生じる放射熱、対流熱による樹脂
材料(光学部材4)への影響をも最小限に抑えることが
でき、光学特性の劣化を防止することができる。
【0069】このように、本実施形態によれば、反射傘
3と光学部材4という少ない構成部品でありながら、小
型かつ薄型で、必要照射範囲外への照射による光量損失
の少ない極めて効率の良い照明光学系を構成することが
できる。
【0070】次に、図3を用いて、本実施形態の放電管
長手方向での集光作用について説明する。
【0071】図3は、発光放電管2の中心軸を含む平面
で光学系を切ったときの断面を示しており、発光放電管
2の長手方向中央かつ径方向中心からの光線トレース図
も合わせて示している。
【0072】図示のように、光学部材4の射出面側は、
放電管長手方向の中央部付近に形成された、両斜面が等
角度のプリズム部4fと、周辺部に形成されたフレネル
レンズ部4g,4g’とから構成されている。なお、本
実施形態では、中央部付近のプリズム部4fの各頂角を
105°と一定に設定している。
【0073】このような角度設定で形成した光学部材4
の中心部付近のプリズム部4fには、入射角度の比較的
大きな成分(入射後のプリズム部内での角度が30°〜
40°前後の成分)を、入射面で屈折した角度のままの
状態で射出面から射出させる、すなわち射出面での屈折
の影響をほとんど受けずに射出面から射出させるような
効果があり、入射光束をある一定の照射角度範囲の光束
として集光させる効果がある。
【0074】なお、本実施形態では、このプリズム部4
fの頂角を105°に一定とした場合について説明して
いるが、必ずしもこの角度に限定されるわけではなく、
この角度より角度の立った、例えば90°に設定すれ
ば、光学部材4を射出した後の照射角度範囲をより狭く
設定することが可能となる。また、逆に頂角を広げる、
例えば120°に設定すれば、光学部材4を射出した後
の照射角度範囲をより広く設定することができる。
【0075】一方、図3にも示すように、プリズム部4
fに入射した光束の一部はプリズム面でほぼ全反射して
再度、放電管2側に戻される。この光束は、反射傘3で
反射した後、再度光学部材4に入射し、プリズム部4f
又はフレネルレンズ部4g,4g’で所定の角度成分に
変換された後、被写体面上に照射される。
【0076】このように、放電管2の中心から射出され
た光束のほとんどがある一定の角度分布の光束に変換さ
れて、光学部材4から射出されることになる。この際の
照明光の配光分布は、プリズム部4fの頂角の角度設定
のみに依存し、プリズム部4fのピッチ等には影響を受
けない。このため、光軸L方向の深さを必要とせず、非
常に浅い領域の中で集光制御ができるため、光学系全体
を大幅に小型化することができる。
【0077】さらに、図示のように光学部材4の射出面
側の周辺部にはフレネルレンズ部4g,4g’が形成さ
れている。光学部材4は、形状が薄く構成されているも
のの、この周辺部では、ある程度の光束の指向性が得ら
れる領域であり、この部分にフレネルレンズ部を形成す
ることによって、比較的効率良く集光作用を生じさせる
ことができる。
【0078】図3では、この部分の顕著な集光作用は見
られないが、これは、放電管2の中心から射出した光束
のみを示したためであり、放電管2の両端の端子部付近
から射出した光束に関しては、かなりの光束が照射光軸
L付近に集まる成分に変換される。
【0079】このように、光学部材4の各部の射出面形
状を工夫することで、放電管2に近い極めて薄い光学系
でも、照射光束をある一定角度範囲内に効率良く集光さ
せることができる。
【0080】また、発光放電管2の長手方向の配光分布
は、光学部材4の射出面側のプリズム部4fおよびフレ
ネルレンズ部4g,4g’での集光作用により制御さ
れ、発光放電管2の長手方向に対して直交する方向の配
光分布は、光学部材4の入射面側のシリンドリカルレン
ズ面4aとプリズム部および反射傘3での効率的な集光
作用により制御される。これにより、従来にない、非常
に薄型で、しかも光学特性が優れた照明光学系を得るこ
とができる。
【0081】なお、本実施形態では、放電管2の長手方
向に対して直交する方向の配光分布を、光学部材4の入
射面側に設けたシリンドリカルレンズ面4aとプリズム
部および反射傘3による3種5層の領域に分けて制御
し、各領域の配光分布が互いに全く重なる(一致する)
ように設定した場合について説明したが、必ずしもこの
ような形態でなくてもよい。
【0082】すなわち、光源がある一定値以上の大きさ
を持つ場合は、各配光分布制御範囲を異ならせた方が都
合が良い場合もあり得る。例えば、光源の近くに位置す
るシリンドリカルレンズ面は、光源の大きさが大きい場
合に照射角度がかなり広がる傾向にある一方、光源から
一番遠い位置の反射傘によって制御される光束成分は、
光源の大きさがある程度大きくなっても、集光度合いは
低下せず、最初に設定した照射角度分布からは大きく外
れない分布となる。
【0083】このことから、光源に近い位置に配置され
たシリンドリカルレンズ面は、光源中心から射出する光
束の分布が、予め所望の配光分布より狭くなるように設
定することが望ましい。同様に、反射傘およびプリズム
部に関しても、一律に配光分布を一致させるのではな
く、光源中心からの位置によって反射後の配光分布を順
次設定することが望ましい。
【0084】つまり、光源から近い位置に存在する領域
については、光源中心からの光束の射出角度範囲が予め
狭くなるように設定しておき、光源から遠い位置のプリ
ズム部に関しては,光源中心からの配光特性が、所望の
配光特性となるように設定することが、大きさを無視で
きないある有限の大きさを持った光源に本実施形態と同
様な照明光学系を適用する場合に望ましい。
【0085】また、このようにすべての配光分布を重ね
合わせるようにせず、領域ごとに照射範囲を定めて、全
体として合成した際に均一な分布が得られるように構成
してもよい。
【0086】また、第1実施形態では、光学部材の入射
面側の各面の構成および射出面側の各面の構成が、光軸
Lに関してすべて対称形状となる場合について示した
が、必ずしもこのような対称形状に限定されるものでは
ない。
【0087】例えば、光学部材4の入射面側のプリズム
部は、光軸Lを境にして対称に構成しているが、必ずし
もこのように同じ位置に形成する必要はなく、非対称形
状にしてもよい。これは、プリズム部だけに言えること
ではなく、反射傘3の形状や光軸付近のシリンドリカル
レンズ面4aの形状に関しても同様である。
【0088】さらに、同様に、射出面側における放電管
長手方向の中央に形成したプリズム部4fに関しても、
左右の角度設定が異なるプリズムを用い、左右方向の配
光特性に変化を持たせたり、周辺部のフレネルレンズ部
4g,4g’に関しても、集光度合いに変化を持たせ
て、全体の配光特性に変化を持たせてもよい。
【0089】さらに、第1実施形態では、反射傘3の周
辺部3b,3b’の形状を、光源中心から射出した光束
が照射面上で均一な角度分布になるような非球面形状と
する場合について説明したが、反射傘3の形状はこのよ
うな形状に限定されない。例えば、光源中心を焦点位置
とするような半楕円形状の面でもよい。
【0090】このように半楕円面で反射傘3の周辺部を
構成し、半楕円面のもう一方の焦点位置を光学部材4の
射出面の近傍に位置させることによって、反射傘3で制
御された光束を狭い範囲で収束させることができ、照明
光学系の上下方向の開口を最少形状まで小さくすること
も可能になる。
【0091】また、第1実施形態では、光学部材4の中
央部に形成されたシリンドリカルレンズ面4aが非球面
形状である場合について説明したが、必ずしも非球面形
状に限定されるわけではなく、円筒面で形成してもよ
い。また、放電管2の長手方向での集光性も考慮してト
ーリックレンズ面としてもよい。
【0092】(第2実施形態)図7および図8には、本
発明の第2実施形態である照明装置、特に本実施形態で
はカメラに内蔵されるストロボ光を発光する装置を示し
ている。なお、図7および図8は上記照明装置の光学系
の縦断面図であり、光源中心から射出した代表光線の光
線トレース図も合わせて示している。また、図7および
図8は、同一断面形状について、光源中心から射出した
光束の様子を光学部材への入射位置によって分けて示し
ている。
【0093】同図において、22は発光放電管(キセノ
ン管)、23は反射傘である。反射傘23は第1実施形
態の反射傘3とほぼ同様の形状に形成されており、反射
傘23の光源中心に対して照射光軸L方向後方の部分は
発光放電管22とほぼ同心の半円筒形状(以下、半円筒
部23aという)に形成されている。また、反射傘23
の周辺部23b,23b’は、発光放電管22と光学部
材24との間の前側空間を覆うように形成されており、
この周辺部で反射した後の光束が、光学部材24の上下
の周辺部23b,23b’に集まるような略楕円形状の
2次曲面で構成されている。
【0094】ただし、図示の形状からもわかるように、
半円筒部23aと周辺部23b,23b’との割合が第
1実施形態とは異なっている。すなわち、反射傘23の
半円筒部23aは円筒のちょうど半分の形状ではなく、
それよりもやや狭い領域(図示の構成では約160°の
領域)をカバーするような形状とし、この不足分を補う
ために周辺部23b,23b’の形状を変形させた構成
としている。
【0095】半円筒部23aの形状を小さくしている理
由は、この半円筒部23aで反射した光束は基本的に再
度、発光放電管22のガラス管に再入射する成分であ
り、この際に生じる悪影響を防止するためである。
【0096】ここにいう悪影響とは、発光放電管22へ
の再入射時に、ガラス管を通って入射出するが、この際
に平均4回程度の表面反射による本来意図する方向とは
異なった方向に向かうロス成分が発生し、有効に利用で
きる光束が減少することである。そして、この損失光を
できるだけ減少させるため、本実施形態では、周辺部2
3b,23b’を延長し、反射傘23による反射光のう
ち発光放電管22を介さずに直接、光学部材24に導か
れる成分を増加させることによって、表面反射による迷
光を極力排除し、効率の良い光学系としている。
【0097】24は透明体により一体形成された光学部
材である。この光学部材24の入射面側のうち照射光軸
Lの付近には、発光放電管22の長手方向に略直交する
方向に正の屈折力を有するシリンドリカルレンズ面(正
屈折部)24aが、上下の周辺部24b,24b’には
平行平板面がそれぞれ形成されており、さらにシリンド
リカルレンズ面24aと上下の周辺部24b,24b’
との間には、それぞれ屈折面(入射面)24c,24
c’と反射面24d,24d’を有する二対のプリズム
部(反射部)が形成されている。
【0098】本実施形態における最も特徴的な構成は、
この二対のプリズム部を光学部材24に形成したことで
ある。
【0099】これは、上述したように反射傘23の前方
の反射面部分を延長させたとしても、照明光学系の光軸
方向の寸法を厚くしない、すなわち上記第1実施形態に
て説明した照明光学系とほぼ同様の照明光学系の厚みを
保つために有効な構成である。すなわち、上記前方反射
面で制御できる照射範囲をこのままの状態で単純に広げ
ると、反射傘23の上下の開口が広いものになってしま
うと同時に、光軸方向の寸法も厚いものになってしま
う。この状態を回避するため、光学部材24のプリズム
部によって制御する光束の角度範囲を広げ、これを吸収
しようとするものである。このプリズム部による制御範
囲を広げ、かつ光軸方向の寸法を厚くしない構成とし
て、本実施形態では、光学部材24にプリズム部を複数
層形成する方法を採用している。
【0100】以下、図7および図8に示す光線トレース
図を使って、光学系の詳細形状について説明する。
【0101】同図において、発光放電管22としてガラ
ス管の内外径を示している。第1実施形態と同様に、説
明を容易にするため、光源中心から射出した光束を代表
光束と考え、図中にはこの代表光束のみを示している。
実際の配光特性としては、図に示したような代表光束に
加え、発光放電管の周辺部から射出した光束によって、
配光特性は全体として若干広がる方向に変化するが、配
光特性の傾向としてはほとんど一致するため、以下この
代表光束に従って説明する。
【0102】図7(a)に示すように、光学部材24の
入射面側における照射光軸L付近は、照射光軸Lに直交
する面内において正の屈折力を有するシリンドリカルレ
ンズ面24aとなっている。これにより、発光放電管2
2から射出された光束のうち照射光軸L付近を進む光束
は、所定の角度範囲に均一な配光分布を持った光束に変
換された後、光学部材24の射出面24gから射出す
る。
【0103】ここで、均一な配光特性を持たせるため、
光学部材24のシリンドリカルレンズ面24aの形状
を、放電管22の中心からの射出角度と光学部材24を
通過した後の射出角度との間に比例関係が成立するよう
な連続的な非球面形状とし、一定の割合で集光するよう
に構成している。
【0104】次に、図7(b)に示すように、放電管2
2の中心から射出する光束のうち光軸に対する角度が大
きく、直接に反射傘23の周辺部23b,23b’に入
射する成分について説明する。ここで、反射傘23の周
辺部23b,23b’の形状は、上記成分が反射した
後、図7(a)とほぼ同様の照射角度範囲と均一な広が
りとを持つように設定されている。
【0105】反射傘23の周辺部23b,23b’で反
射した後の光束は、光学部材24の周辺部24b,24
b’から光学部材24内に入射し、射出面24gから射
出する。但し、光学部材24の周辺部24b,24b’
は、照射光軸Lに直交する方向においてはパワーを持っ
ておらず、この部分を通過する光束は反射傘23の周辺
部23b,23b’によって配光調整された配光特性を
保ったまま照射されることになる。
【0106】このように、反射傘23の周辺部23b,
23b’には、放電管22から直接入射する光束を一定
の角度範囲に均一に集光させるとともに、反射後の光束
を光学部材24の周辺部24b,24b’という狭い通
過領域に導くという方向変換の機能を合わせ持ってい
る。この結果、図7(a)と同様に、必要照射範囲に対
して均一な配光分布を得ることができる。また、反射傘
23の周辺部23b,23b’とシリンドリカルレンズ
面24aとは互いに独立した全く別々の光路を形成して
集光(照射)制御を行うことができる。
【0107】次に、図8(a),(b)に示す本実施形
態の最も特徴的なプリズム部を介した光路について説明
する。
【0108】図8(a)に示すように、光学部材24の
入射面側におけるシリンドリカルレンズ面24aと周辺
部24b,24b’との間に設けられた上下のプリズム
部のうち、光軸に対し内側のプリズム部の平面からなる
屈折面24c,24c’に入射した光束は、屈折面24
c,24c’で屈折しながらプリズム部内に入射した
後、所定の曲面で構成した反射面24d,24d’でほ
ぼ全反射し、上記図7(a),(b)の照射角度分布と
ほぼ等価の配光特性を持った光束に変換される。
【0109】ここで、図示のように、屈折面24c,2
4c’に入射する光束の入射角度範囲は、図7(a),
(b)に示す光束の角度範囲に比べてかなり狭い範囲で
ある。このため、屈折面24c,24c’に入射する光
束の照射角度範囲を図7(a),(b)に示した照射角
度範囲と合わせ込むためには、反射面24d,24d’
の形状を、反射光束の照射角度範囲を一定の割合でかな
り広げるような形状に設定する必要がある。
【0110】この考え方に基づき、本実施形態では、反
射面24d,24d’の形状を最適化した非球面形状と
することにより、図示のように、屈折面24c,24
c’に入射する光束の照射角度範囲を図7(a),
(b)で示した照射角度範囲と略一致させるようにして
いる。
【0111】また、図8(b)に示すように、上下のプ
リズム部のうち、光軸に対し外側のプリズム部の平面か
らなる屈折面24e,24e’に入射した光束は、屈折
面24e,24e’で屈折しながらプリズム部内に入射
した後、所定の曲面で構成した反射面24f,24f’
でほぼ全反射し、上記図7(a),(b)の照射角度分
布とほぼ等価の配光特性を持った光束に変換される。
【0112】このように、本実施形態では、放電管22
の中心から射出されたすべての光束は、放電管22の長
手方向に対して略直交する断面において、図7(a)に
示したシリンドリカルレンズ面24aと、図7(b)に
示した反射傘23の周辺部23b,23b’と、図8
(a)、(b)に示した上下のプリズム部(屈折面24
c,24c’,24e,24e’および反射面24d,
24d’,24f,24f’)の各光学作用によって、
それぞれ均一な配光分布を持った光束に変換されると共
に、この4種、計7層の配光分布を重なり合わせること
によって効率良く、全体として均一な配光特性を得るこ
とができる。
【0113】一方、前述したように、放電管22の中心
から後方に射出された光束は、反射傘23の半円筒部2
3aで反射して再度、放電管22の中心を通った後、照
射光軸L方向の前方に射出される。この後の光束の振る
舞いは図7および図8と同様である。
【0114】なお、本実施形態における放電管22の長
手方向の形状に関しては、第1実施形態と同様である。
【0115】以上説明した本実施形態によれば、第1実
施形態の照明装置と同様に、反射傘23と光学部材24
という少ない構成部品でありながら、小型かつ薄型で、
必要照射範囲外への照射による光量損失の少ない極めて
効率の良い照明光学系を構成することができる。
【0116】しかも、本実施形態では、反射傘23の周
辺部23b,23b’を、放電管22の後側まで回り込
む位置まで延ばし、かつ光学部材24のプリズム部を上
下に2層ずつ形成することによって、第1実施形態に比
べて、照明光学系の全体形状をほとんど大型化させるこ
となく、放電管22からの発光エネルギをより有効に利
用した照明光学系を構成することができる。
【0117】(第3実施形態)図9から図11には、本
発明の第3実施形態である照明装置、特に本実施形態で
はカメラに内蔵されるストロボ光を発光する装置を示し
ている。なお、図9および図10は上記照明装置の光学
系の縦断面図であり、図9(a),(b)および図10
(a)には、光源中心から射出した代表光線の光線トレ
ース図も合わせて示している。また、図9(a),
(b)および図10(a)は、同一断面形状について、
光源中心から射出した光束の様子を光学部材への入射位
置によって分けて示している。さらに、図11は上記照
明装置の光学系の分解斜視図である。
【0118】これらの図において、32は発光放電管
(キセノン管)、33は反射傘(第1の反射部材)であ
る。この反射傘33は第1又は第2実施形態の反射傘と
ほぼ同様の形状に形成されている。
【0119】また、34は透明体により一体形成された
光学部材である。この光学部材34の入射面側における
照射光軸L付近には、放電管32の長手方向に略直交す
る方向について正の屈折力を有するシリンドリカルレン
ズ面(正屈折部)34aが形成され、上下の周辺部34
b,34b’には平行平板面がそれぞれ形成されてい
る。この光学部材34の材料としては、第1および第2
実施形態と同様に、アクリル樹脂等の透過率の高い光学
用樹脂材料又はガラス材料が適している。
【0120】また、35,35’は光学部材34の入射
面近傍におけるシリンドリカルレンズ面34aと周辺部
34b,34b’との間の領域に配置された反射板(第
2の反射部材)であり、放電管長手方向に略直交する面
での断面が曲面で構成されている、また、この反射板3
5,35’は少なくとも内面側が反射率の高い材料で構
成され、反射傘33に比べて十分に薄く形成されてい
る。
【0121】次に、図9および図10を用いて、薄型で
あり、かつ照明光を必要照射範囲に均一に効率良く照射
することができ、さらには光学部材34の形状を可能な
かぎり簡素化して加工し易くした本実施形態の照明装置
における光学系の最適な設定方法について説明する。
【0122】図9は、本実施形態の照明装置を放電管径
方向に切断したときの縦断面図であり、上下方向の配光
特性を狭い照射角度範囲に狭めるための基本的な考え方
を示す図である。なお、図9(a),(b)および図1
0(a)は、同一の断面における光線トレース部を場合
分けして示したものであり、図中の各部の符号は図11
に対応している。
【0123】これらの図において、発光放電管32とし
てガラス管の内外径を示している。第1および第2実施
形態と同様に、説明を容易にするため、光源すなわち放
電管32の中心から射出した光束を代表光束と考え、以
下この代表光束に従って説明する。
【0124】反射傘33における放電管32の中心に対
して照射光軸L方向後側の部分は、放電管32とほぼ同
心の半円筒形状(以下、半円筒部33aという)となっ
ている。これは、反射傘33での反射光を再度光源の中
心部付近に戻すのに有効な形状であり、発光放電管31
のガラス部の屈折による悪影響を受けにくくさせる効果
がある。一方、反射傘33の上下の周辺部33b,33
b’は、反射した後の光束がある一定の均一な配光特性
を得るような曲面形状に形成されている。
【0125】また、光学部材34および反射板35の各
部を以下に説明するような形状とすることによって、光
軸L方向に薄く、必要照射範囲内で均一な配光分布が得
られる。
【0126】まず、図9(a)に示すように、放電管3
2から射出して照射光軸L付近に向かう光束は、シリン
ドリカルレンズ面34aによって所定の角度範囲にて均
一な配光分布を持った光束に変換された後、光学部材3
4の射出面34cから射出する。
【0127】ここで、均一な配光特性を持たせるため、
光学部材34のシリンドリカルレンズ面34aの形状
を、放電管32の中心からの射出角度と光学部材34を
通過した後の射出角度との間に比例関係を持たせるよう
な連続的な非球面形状に設定し、射出光束が一定の割合
で集光するように構成している。
【0128】次に、図9(b)に示すように、放電管3
2の中心から射出する光束のうち光軸Lに対する角度が
大きく、直接に反射傘33の周辺部33b,33b’に
入射する成分について説明する。反射傘33の周辺部3
3b,33b’の形状は、上記成分が周辺部33b,3
3b’で反射した後、図9(a)とほぼ同様の照射角度
範囲でかつ均一な広がりを持つように設定されている。
【0129】反射傘33の周辺部33b,33b’で反
射した後の光束は、光学部材34の周辺部34b,34
b’から光学部材34内に入射し、射出面34cから射
出される。ただし、光学部材34の周辺部34b,34
b’は、放電管32の長手方向に略直交する方向に関し
てはパワーを持っておらず、この部分を通過する光束は
反射傘33の周辺部33b,33b’によって配光調整
された配光特性を保ったまま照射されることになる。
【0130】このように、反射傘33の周辺部33b,
33b’は、放電管32からの直接光を一定の角度範囲
に均一に集光させると共に、反射後の光束を光学部材3
4の周辺部34b,34b’の狭い通過領域に導くとい
う方向変換の機能を合わせ持っている。この結果、図9
(a)と同様に、必要照射範囲に対して均一な配光分布
を得ることができる。また、反射傘33の周辺部33
b,33b’とシリンドリカルレンズ面34aとは互い
に独立した全く別々の光路を形成して集光(照射)制御
を行うことができる。
【0131】次に、図10(a)を用いて、本実施形態
において最も特徴的な構成である反射板35を介した光
路について説明する。
【0132】図示のように、反射板35,35’は、上
記説明の2つ光路の境界領域を進む光束を制御してい
る。この反射板35,35’は、反射傘33の内側に配
置され、さらに開口部が光学部材34のシリンドリカル
レンズ部34aよりも周辺側にある一定距離隔てて形成
されるように、不図示の保持部材によって位置決め保持
されている。
【0133】そして反射板35,35’は、図示のよう
に、この断面に関しては照射光軸L側に凹となる曲面で
構成され、放電管32の中心からこの反射板35,3
5’に入射した光束は、一定の角度分布に変換された
後、光学部材34の周辺部34b,34b’に入射し、
射出面34cから射出する光路をとる。この結果、図9
(a),(b)の照射角度分布とほぼ等価の配光特性を
持った光束に変換される。
【0134】ここで、図示のように、反射板35,3
5’に入射した光束の角度範囲は、図9(a),(b)
に示した光束の角度範囲に比べてかなり狭い範囲である
が、反射板35,35’の形状を最適化して角度範囲を
一定の割合で広げるように設定することによって、照射
角度範囲は図9(a),(b)に示した照射角度範囲と
略一致させることができる。
【0135】このように、放電管32の中心から射出さ
れたすべての光束は、放電管32の長手方向に対して略
直交する方向において、図9(a)に示したシリンドリ
カルレンズ面34aと、図9(b)に示した反射傘33
の周辺部33b,33b’と、図10(a)に示した反
射板35,35’の各光学作用によって、それぞれ均一
な配光分布を持った光束に変換されると共に、この3
種、計5層の配光分布を重なり合わせることによって効
率良く、全体として均一な配光特性を得ることができ
る。
【0136】一方、前述したように、放電管32の中心
から後方に射出した光束は、反射傘33の半円筒部33
aで反射して再度、放電管32の中心を通った後、照射
光軸L方向前方に射出される。この後の光線の振る舞い
は図9(a),(b)および図10(c)と同様であ
る。
【0137】ここで、光学部材34のシリンドリカルレ
ンズ面34a、反射傘33および反射板35,35’の
領域の最適な配分割合について、図10(d)を用いて
説明する。
【0138】本実施形態では、図9(a)に示すシリン
ドリカルレンズ面34aの領域と、図9(b)に示す反
射傘33による反射領域とが基本的な集光光学系を形成
し、これらの間のつなぎの最小部分を図10(a)に光
路を示す反射板35,35’による反射作用を利用した
反射集光光学系で構成することが望ましい。
【0139】この反射板35,35’による反射集光領
域としては、放電管32の中心と反射板35,35’に
よる反射集光領域の各端部とを結ぶ直線と、照射光軸L
とのなす角度βが以下の角度範囲に存在することが望ま
しい。
【0140】35°≦β≦70° ・・・(2) ここで、角度βが式(2)の下限である35°より小さ
いと、放電管32の中心とシリンドリカルレンズ面34
aの縁端点Aとを通る直線が光学部材34の周辺部34
b,34b’の入射面と交わる点をBとするとき、点A
−Bの間の距離Hが長くなってしまい、本実施形態の目
的とする照明光学系の薄型化を十分に達成することがで
きない。また、上限である70°より大きくなると、反
射傘33による集光領域が減少し、反射傘33と反射板
35,35’に分割した意味が半減する。
【0141】理想的な形態としては、この反射板35,
35’の集光領域を必要最小限まで狭め、かつ光量ロス
のない形態にまとめることが望ましく、このように構成
することで、厚み方向を最短まで短縮しつつ、形状的に
もシンプルとなるため、加工し易いものとすることがで
きる。
【0142】本実施形態では、このような状況に鑑み、
この反射集光領域を42°〜60°の約18°の領域で
形成し、最適化を図っている。この領域は、第1実施形
態の全反射領域よりも狭いが、これは以下の理由によ
る。
【0143】すなわち、第1実施形態では、光束はプリ
ズム部の反射面に至る前に一度屈折面を介して光軸から
離れる方向に曲げられた後に、反射面で反射して集光制
御される。このため、上記A−B間に相当する部分の距
離を比較的小さく抑えることが可能である。これに対
し、本実施形態では、反射板35、35’に至るまでに
屈折面を持たないので、上記A−B間の距離Hが大きく
なる傾向にあり、これによって反射板35,35’で制
御可能な角度範囲も狭くなるためである。
【0144】以上のように構成した本実施形態の照明装
置の特有の効果としては、まず、第1に、反射面を従来
のように照射光軸方向に連続的に配置するのではなく、
不連続な異種の材料の面で構成し、かつ照射光軸に略直
交する方向に複数層重なるように反射層を配置している
点である。
【0145】このように構成することによって、本実施
形態の最大の特徴である、照明光学系の奥行き方向の厚
みを極めて短縮することができる。
【0146】第2に、光学部材34自体を極めて薄型化
できることである。すなわち、光学部材34に必須の構
成は、照射光軸L付近の正の屈折力を有するシリンドリ
カルレンズ面34aのみであり、周辺部34b,34
b’は薄く構成でき、また形状的にも簡易な平面形状で
十分に機能させることができるため、光学部材34の全
体厚を極めて薄く抑えることが可能になる。
【0147】このことによって、光学部材34の成型性
が向上するばかりでなく、樹脂材料を通過する際の光量
低下を最小限に抑えることができる。さらに、この照明
装置を搭載する撮影装置その他の光学機器の軽量化にも
寄与する。しかも、最外周の面の形状が極めてシンプル
であり、光学上の制約の少ない面で構成されているた
め、光学部材34の保持が容易であり、各種光学機器に
搭載した場合でも特殊な保持構造を採る必要がなく、大
変取り扱い易い形態となっている。
【0148】第3に、複数の反射層を金属製の反射部材
で構成することによって、従来のライトガイドタイプス
トロボの問題点、すなわち樹脂光学材料で形成した光学
部材を光源近くに配置した場合に、光源から発する熱に
よって光学部材が変形し、発光条件によっては本来の光
学特性を得ることができないという問題点をも未然に回
避することができる。つまり、このように光源に近い反
射面を金属反射部材で構成することによって、光源から
の発生熱自体では金属反射部材の形状変化が生じないた
め、安定した光学特性を得ることができると共に、発光
放電管回りの空間も広げることができるため、連続発光
時に生じる放射熱、対流熱による樹脂材料としての光学
部材への影響をも最小限に抑えることができる。
【0149】このように、本実施形態によれば、小型か
つ薄型で、必要照射範囲外への照射による光量損失の少
ない極めて効率の良い照明光学系を構成することができ
る。
【0150】次に図11を用いて、本実施形態の照明装
置における放電管長手方向の集光作用について簡単に説
明する。
【0151】図11に示すように、放電管長手方向の集
光は、光学部材34の射出面側に形成されたフレネルレ
ンズ部34d,34d’によって行われる。このフレネ
ルレンズ部34d,34d’は、図示のように長手方向
左右の周辺部のみに形成され、中央部には形成されてい
ない。これは、光源である発光放電管32の有効発光部
が左右方向に長く、中央部付近にフレネルレンズを形成
しても必ずしも効率良く集光できないためである。
【0152】これに対し、フレネルレンズ部34d,3
4d’を形成した長手方向周辺部は、放電管32からの
射出光束の方向をある程度限定することができ、このよ
うな位置にフレネルレンズを形成することによって、比
較的効率良く集光させることができる。
【0153】なお、本実施形態では、放電管長手方向に
略直交する方向について、光学部材34の入射面側に設
けたシリンドリカルレンズ面34aと、反射傘33の周
辺部33b,33b’と、反射板35,35’の3種5
層の領域で制御される光束の配光分布がすべて全く重な
る(一致する)ように設定した場合について説明した
が、必ずしもこの実施形態のような設定に限定されるも
のではなく、各部の配光特性を異ならせてもよく、また
上下非対称としたり、各部の集光度合いを異ならせたり
してもよい。
【0154】また、本実施形態では、光学部材34にシ
リンドリカルレンズ面34aを設けた場合について説明
したが、レンズ形状としては、このようなシリンドリカ
ルレンズに限定されるわけではなく、放電管長手方向に
も屈折力を有するトーリックレンズ、さらには、等価な
屈折効果を有するフレネルレンズを用いてもよい。
【0155】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1および第
2の発明によれば、光源から様々な方向に射出される光
束のうち、光学部材の正屈折部および反射部材若しくは
第1の反射部材によっては必要照射範囲に向けて照射制
御しきれない光束を、光学部材の反射部若しくは第2の
反射部材により上記必要照射範囲に向けて照射制御する
ことができるため、必要照射範囲内に照射される有効エ
ネルギを増加させて照明装置の効率を向上させることが
できる。
【0156】しかも、反射部材若しくは第1の反射部材
と光学部材の反射部若しくは第2の反射部材とにより照
射光軸に直交する方向に複数の反射層を構成しているた
め、1つの反射層を照射光軸方向に長く延ばす場合に比
べて照明装置を薄型化することができる。したがって、
超薄型のカードタイプカメラやカードタイプストロボに
も搭載することができる。
【0157】また、光学部材の形状を単純なパネル形状
に近い形として形状の簡素化および薄型化を図ることも
可能であるため、光学部材の材料として光学樹脂材料を
用いた場合でも、成形時間の短縮や型代の削減が可能に
なるなど、加工面でのコストダウンを十分に期待するこ
とができる。
【0158】さらに、光学部材の正屈折部、反射部材若
しくは第1の反射部材および光学部材の反射部若しくは
第2の光学部材の形状をそれぞれ自由に設定することが
可能であるため、これらによる照明光束の配光分布をそ
れぞれ独立にかつきめ細かく制御することができる。し
たがって、必要照射範囲内での所望の配光分布を容易に
得ることができ、例えば配光分布を容易に均一化するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である照明装置の放電管
径方向の縦断面図。
【図2】上記第1実施形態の照明装置の放電管径方向の
縦断面図。
【図3】上記第1実施形態の照明装置の放電管長手方向
の断面図。
【図4】上記第1実施形態の照明装置の分解斜視図。
【図5】上記第1実施形態の照明装置の背面からみた斜
視図。
【図6】上記第1実施形態の照明装置を備えたカメラの
斜視図。
【図7】本発明の第2実施形態である照明装置の放電管
径方向の縦断面図。
【図8】上記第2実施形態の照明装置の放電管径方向の
縦断面図。
【図9】本発明の第3実施形態である照明装置の放電管
径方向の縦断面図。
【図10】上記第3実施形態の照明装置の放電管径方向
の縦断面図。
【図11】上記第3実施形態の照明装置の分解斜視図。
【符号の説明】
2,22,32 発光放電管 3,23,33 反射傘 4,24,34 光学部材 4a,24a,34a シリンドリカルレンズ面 4d,4d’,24d,24d’,24f,24f’
反射面 35 反射板 11 カメラ本体 12 撮影レンズ鏡筒 13 レリーズボタン 16 液晶表示窓 17 測光装置の覗き窓 18 ファインダー覗き窓

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、この光源の前側に配置されて前
    記光源から射出された光束に光学作用を及ぼす光学部材
    と、前記光源の後側および前記光源と前記光学部材との
    間の前側空間を覆うように配置されて前記光源から射出
    された光束を前側に反射させる反射部材とを有し、 前記光学部材の入射面側に、 照射光軸付近において前記光源から入射する光束に正の
    屈折力を与える正屈折部と、 この正屈折部よりも周辺側であって前記反射部材の前記
    前側空間を覆う部分で反射した光束が通過する領域より
    も照射光軸側に設けられ、前記光源から入射する光束を
    前側に反射させる反射部とを設けたことを特徴とする照
    明装置。
  2. 【請求項2】 前記反射部は、入射面とこの入射面から
    入射した光束をほぼ全反射させる反射面とを有するプリ
    ズム状に形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の照明装置。
  3. 【請求項3】 前記反射部の入射面が、照射光軸に対す
    る傾きが4°以下の平面により構成されていることを特
    徴とする請求項2に記載の照明装置。
  4. 【請求項4】 前記反射部の反射面が、平面又は曲面に
    より構成されていることを特徴とする請求項2又は3に
    記載の照明装置。
  5. 【請求項5】 前記反射部が、照射光軸を挟んで一対又
    は複数対設けられていることを特徴とする請求項1から
    4のいずれかに記載の照明装置。
  6. 【請求項6】 前記光源の中心から射出されて前記反射
    部に入射する光束の照射光軸に対してなす角度αが、 20°≦α≦70° の範囲に含まれることを特徴とする請求項1から5のい
    ずれかに記載の照明装置。
  7. 【請求項7】 前記光源が直管形状を有しており、 前記反射部材における前記光源の後側の部分が、前記光
    源と同心の略半円筒形状を有することを特徴とする請求
    項1から6のいずれかに記載の照明装置。
  8. 【請求項8】 前記反射部材における前記前側空間を覆
    う部分が、2次曲面状の曲面形状を有することを特徴と
    する請求項1から7のいずれかに記載の照明装置。
  9. 【請求項9】 前記反射部材における前記前側空間を覆
    う部分が、前記光源の中心を焦点とする半楕円状の曲面
    形状を有することを特徴とする請求項1から7のいずれ
    かに記載の照明装置。
  10. 【請求項10】 光源と、この光源の前側に配置されて
    前記光源から射出された光束に光学作用を及ぼす光学部
    材と、前記光源の後側から前記光源と前記光学部材との
    間の前側空間を覆うように配置されて前記光源から射出
    された光束を前側に反射させる第1の反射部材とを有
    し、 前記光学部材の入射面側に、照射光軸付近において前記
    光源から入射する光束に正の屈折力を与える正屈折部を
    設けるとともに、 前記光学部材の入射面近傍における前記正屈折部よりも
    周辺側であって前記第1の反射部材の前記前側空間を覆
    う部分で反射した光束が通過する領域よりも照射光軸側
    に配置され、前記光源から入射した光束を前側に反射さ
    せる第2の反射部材とを設けたことを特徴とする照明装
    置。
  11. 【請求項11】 前記第2の反射部材が、平面又は曲面
    の反射面を有することを特徴とする請求項10に記載の
    照明装置。
  12. 【請求項12】 前記第2の反射部材が、照射光軸を挟
    んで一対又は複数対設けられていることを特徴とする請
    求項10又は11に記載の照明装置。
  13. 【請求項13】 前記光源の中心から射出されて前記第
    2の反射部材に入射する光束の照射光軸に対してなす角
    度αが、 20°≦α≦70° の範囲に含まれることを特徴とする請求項10から12
    のいずれかに記載の照明装置。
  14. 【請求項14】 前記光源が直管形状を有しており、 前記第1の反射部材における前記光源の後側の部分が、
    前記光源と同心の略半円筒形状を有することを特徴とす
    る請求項10から13のいずれかに記載の照明装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の反射部材における前記前側
    空間を覆う部分が、2次曲面状の曲面形状を有すること
    を特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の照
    明装置。
  16. 【請求項16】 前記第1の反射部材における前記前側
    空間を覆う部分が、前記光源の中心を焦点とする半楕円
    状の曲面形状を有することを特徴とする請求項10から
    14のいずれかに記載の照明装置。
  17. 【請求項17】 前記光源が直管形状を有しており、 前記光学部材の正屈折部が、前記光源の長手方向に対し
    略直交する面内において正の屈折力を有するシリンドリ
    カルレンズ又はトーリックレンズとして構成されている
    ことを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の
    照明装置。
  18. 【請求項18】 請求項1から17のいずれかに記載の
    照明装置を備えたことを特徴とする撮影装置。
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