JP2000250102A - 照明装置及びそれを用いた撮影装置 - Google Patents

照明装置及びそれを用いた撮影装置

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JP2000250102A JP5070499A JP5070499A JP2000250102A JP 2000250102 A JP2000250102 A JP 2000250102A JP 5070499 A JP5070499 A JP 5070499A JP 5070499 A JP5070499 A JP 5070499A JP 2000250102 A JP2000250102 A JP 2000250102A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】照明光学系の小型軽量化を図ると共に被写体側
の必要照射範囲を効率良く照射することができる照明装
置及びそれを用いた撮影装置を得ること。 【解決手段】光源手段と、該光源手段からの光束を被照
射方向に照射する為の光学プリズムとを有した照明装置
において、該光学プリズムは該光源手段からの光束のう
ち、射出光軸近傍に射出した光束を入射させる第1入射
面と、該第1入射面からの光束を直接入射させる射出面
と、該光源手段からの光束のうち、該射出光軸近傍より
大きな角度で射出した一部の光束を入射させる第2の入
射面と、該第2の入射面からの光束を傾斜させて該射出
面より射出させる全反射面とを有し、これらの各面は該
光源手段の光源中心から射出した光線が該射出光軸に対
してなす角度と該射出面を通過後の該射出光軸に対する
射出角度との間にある一定の相関関係を持たせるように
した面形状で構成すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明装置及びそれ
を用いた撮影装置に関し、例えばビデオカメラ,フィル
ムカメラ,デジタルカメラ等においてカメラ本体(撮影
本体)の一部に装着して、カメラ本体の撮影動作と連動
させて照明光(閃光)を被写体側へ効率よく照射し、撮
影させる際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来のカメラ等の撮影装置に用いられて
いる照明装置は、光源と、この光源から発せられた光束
を前方(被写体側)に導く反射鏡やフレネルレンズ等の
光学部品とで構成されている。
【0003】このような照明装置のうち、光源から様々
な方向に射出した光束を、効率よく必要照射画角内に集
光させるようにした照明装置が、従来より種々の提案さ
れている。
【0004】特に、近年、光源の前側(被写体側)に配
置されていたフレネルレンズのかわりに、プリズム・ラ
イトガイド等の全反射を利用した光学部材を配置するこ
とによって、集光効率の向上、小型化を図ったものが提
案されている。
【0005】本出願人は例えば、特開平4−13843
8で示したように、光源から前方に射出された光束を正
の屈折力を有するレンズによって、又光源から側方へ射
出する光束を光学部材に入射後前方に向けて反射させる
全反射面によってそれぞれ集光させ、同一の射出面から
(すなわち、光源からの光学部材への入射面位置で光路
分割された光束を同一射出面から)射出させる小型で集
光効率の高いプリズムを用いた照明光学系を提案してい
る。
【0006】また、この改良の提案として、特開平8−
262537号公報において、プリズムを光源よりも前
側に配置し、照明光学系の全体形状を小型化したもの
や、プリズムの全反射光に対応する射出面を光軸に対し
て傾斜させたものが提案されている。
【0007】さらに、本出願人は、特開平8−2342
77号公報において、光源の近傍でライトガイドを利用
した光束を光学部材に取り込み、その後この光学部材内
で全反射を繰り返すことによって集光かつ均一な配光に
変換する、全反射を利用した光損失の少ない照明光学系
を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、カメラ等の撮影
装置においては、装置自体の小型・軽量化が進む一方、
撮影レンズは、高付加価値を持たせるために高倍率ズー
ム化の傾向にある。一般的に、このような撮影装置の小
型化かつ高倍率化によって撮影レンズは徐々に暗くなる
傾向にあり、補助光源を使用しないで今までと同じ明る
さの条件で撮影をしようとすると、手ぶれを起こしやす
く、思い通りの写真にならない場合が多かった。
【0009】この状況を補う為、通常、カメラ等の撮影
装置では、補助光源として照明装置(以下ストロボ装
置)が内臓されているが、上記のような状況からこの補
助照明装置の使用頻度が従来までに比べて大幅に増加す
ると共に一回の撮影に必要とされる発光量も増える傾向
にあった。すなわち、通常カメラ等の撮影装置におい
て、2回に1回の割でストロボを発光させると仮定する
と、この照明の為に消費されるエネルギは、カメラ全体
の消費量の80%を占めるとも言われている。
【0010】上記のようなストロボの使用頻度の増加
は、装置全体に占めるストロボ部での消費電力の割合の
増加に更に拍車をかけるものになっている。また、撮影
レンズが暗くなっているため、同じ距離の被写体を同じ
明るさで撮影するためには、より多くの光量が必要とさ
れる反面、撮影装置の小型化に伴って照明装置の形状そ
のものは小型化しなければならないなど、この種の照明
装置に課せられた課題は今までになく厳しいものになっ
ていた。このような背景から、先の特開平4−1384
38号公報では、閃光発光装置の前面に、主に光源の側
方に射出した光束を光学部材に入射させた後、全反射さ
せ一定方向に集光させる上下二つの面と、これとは別に
正面に形成した正の屈折力を持ち集光させる面で構成
し、それぞれの面によって集光させた後、同一射出面か
ら被写体側に効率良く射出させる形態の照明光学系を提
案した。
【0011】しかし、この提案では、照明を行う被写体
の中心部付近の照度を向上させるのに大変効果がある。
【0012】また、特開平8−262537号公報にお
いては、先の提案の照明装置を改良した照明装置が開示
されている。又、特開平8−234277号公報では、
光源の長手方向の集光を、ライトガイド内部で全反射を
繰り返すことによって得られるように構成し、均一で光
損失の少ない照明光学系を形成している。
【0013】本発明は、本出願人が先に種々と提案した
照明装置を更に改良し、撮影装置の照明光学系の全体形
状を極端に小型化しつつ、そのときの必要照射範囲の配
光特性を均一に保つこと、さらに、光学特性を低下させ
ず、むしろ画角内に照射される有効エネルギを増加させ
ることのできる照明装置及びそれを用いた撮影装置の提
供を目的とする。
【0014】本発明の更なる目的は、今までの照明光学
系に比べて極端に小型、薄型化、そして軽量化を図ると
共に、光源からのエネルギを高い効率で利用し、照射面
上で均一な配光特性を保った照明ができるスチルカメ
ラ、ビデオカメラ等に好適な照明装置及びそれを用いた
撮影装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の照明装
置は、光源手段と、該光源手段からの光束を被照射方向
に照射する為の光学プリズムとを有した照明装置におい
て、該光学プリズムは該光源手段からの光束のうち、射
出光軸近傍に射出した光束を入射させる第1入射面と、
該第1入射面からの光束を直接入射させる射出面と、該
光源手段からの光束のうち、該射出光軸近傍より大きな
角度で射出した一部の光束を入射させる第2の入射面
と、該第2の入射面からの光束を傾斜させて該射出面よ
り射出させる全反射面とを有し、これらの各面は該光源
手段の光源中心から射出した光線が該射出光軸に対して
なす角度と該射出面を通過後の該射出光軸に対する射出
角度との間にある一定の相関関係を持たせるようにした
面形状で構成することを特徴としている。
【0016】請求項2の発明の照明装置は、光源手段
と、該光源手段からの光束を被照射方向に照射する為の
光学プリズムとを有した照明装置において、該光学プリ
ズムは該光源手段からの光束のうち、射出光軸近傍に射
出した光束を入射させる第1入射面と、該第1入射面か
らの光束を直接入射させる射出面と、該光源手段からの
光束のうち、該射出光軸近傍より大きな角度で射出した
一部の光束を入射させる第2の入射面と、該第2の入射
面からの光束を傾斜させて該射出面より射出させる全反
射面とを有し、これらの各面は該光源手段の光源中心か
ら射出した光線が該射出光軸に対してなす角度と該射出
面を通過後の射出光軸に対する射出角度との間にある一
定の相関関係を持たせるようにすると共に、該全反射面
の射出面近傍側で反射した成分を射出光軸に交差させる
方向の最大角度成分に対応させ、該全反射面の光源近傍
側で反射した成分を上記方向とは逆の方向の最大角度成
分に対応させるような面形状で構成したことを特徴とし
ている。
【0017】請求項3の発明の照明装置は、光源手段
と、該光源手段からの光束を被照射方向に照射する為の
光学プリズムとを有した照明装置において、該光学プリ
ズムは該光源手段からの光束のうち、射出光軸近傍に射
出した光束を入射させる第1入射面と、該第1入射面か
らの光束を直接入射させる射出面と、該光源手段からの
光束のうち、該射出光軸近傍より大きな角度で射出した
一部の光束を入射させる第2の入射面と、該第2の入射
面からの光束を傾斜させて該射出面より射出させる全反
射面とを有し、これらの各面は該光源手段の光源中心か
らの該射出光軸に対する射出角度をθ、第一入射面によ
って制御され、該射出面からの射出後の照射角度をα、
第二入射面と全反射面によって制御後の光学プリズムか
ら射出後の該射出面をβとすると、 α=f(θ) または、 β=g(θ) で表わされる形状で構成されていることを特徴としてい
る。
【0018】請求項4の照明装置は、光源手段と、該光
源手段からの光束を被照射方向に照射する為の光学プリ
ズムとを有した照明装置において、該光学プリズムは該
光源手段からの光束のうち、射出光軸近傍に射出した光
束を入射させる第1入射面と、該第1入射面からの光束
を直接入射させる射出面と、該光源手段からの光束のう
ち、該射出光軸近傍より大きな角度で射出した一部の光
束を入射させる第2の入射面と、該第2の入射面からの
光束を傾斜させて該射出面より射出させる全反射面とを
有し、これらの各面は該光源手段の光源中心から射出し
た光線が該射出光軸に対してなす角度と該射出面からの
通過後の射出光軸に対する射出角度との間にある一定の
相関関係を持たせると共に、第一入射面で制御された最
大射出角度成分αmaxと第二入射面及び全反射面で制御
された最大射出角度成分βmaxとの間に 0.8≦|βmax/αmax|≦1.2 の関係を満たすような形状で構成したことを特徴として
いる。
【0019】請求項5の発明の照明装置は、光源手段
と、該光源手段からの光束を被照射方向に照射する為の
光学プリズムとを有した照明装置において、該光学プリ
ズムは該光源手段からの光束のうち、射出光軸近傍に射
出した光束を入射させる第1入射面と、該第1入射面か
らの光束を直接入射させる射出面と、該光源手段からの
光束のうち、該射出光軸近傍より大きな角度で射出した
一部の光束を入射させる第2の入射面と、該第2の入射
面からの光束を傾斜させて該射出面より射出させる全反
射面とを有し、これらの各面は該光源手段の光源中心か
ら射出した光線が射出光軸に対してなす角度と上記光学
プリズム通過後の射出光軸に対する射出角度との間にあ
る一定の相関関係を持たせかつ、第一入射面からの光束
を射出光軸近傍の成分に対応させ、第二入射面から入射
した光束を必要照射範囲の周辺部分に対応させると共
に、第一入射面で制御された最大射出角度成分αmax
第二入射面及び全反射面で制御された最小射出角度成分
のうち射出光軸と交わる成分β min、それとは逆方向の
成分γminとの間に 0.8≦|βmin/αmax|≦1.2 0.8≦|γmin/αmax|≦1.2 の関係が成立するような形状で構成したことを特徴とし
ている。
【0020】請求項6の発明は請求項1から5のいずれ
か1つの発明において、前記第一入射面の形状は前記光
源手段からの光束が、該第1入射面に入射時の該射出光
軸となす角度をθ、射出面から射出する射出角度をα、
必要照射角に応じた比例定数kとすると、 α=k・θ 及び前記第二入射面及び全反射面の形状は該光源手段か
らの光束が該第2入射面に入射時の該射出光軸となす角
度θ、射出面から射出する射出角度をβ、必要照射角に
応じた比例定数hとすると、 β=h・(θ−90°) の関係にあることを特徴としている。
【0021】請求項7の発明は請求項1から5のいずれ
か1つの発明において、前記第一入射面の形状は前記光
源手段からの光束が、該第1入射面に入射時の該射出光
軸となす角度をθ、射出面から射出する射出角度をα、
必要照射角に応じた比例定数kとすると、 α=k・θ 及び前記第二入射面及び全反射面の形状は該光源手段か
らの光束が該第2入射面に入射時の該射出光軸となす角
度θ、射出面から射出する射出角度をβ,第一入射面と
第二入射面の境界と光源中心とを結ぶ角度をθbdr、必
要照射角に応じた比例定数hとすると、 β=h・{θ−(45°+θbdr/2)} の関係にあることを特徴としている。
【0022】請求項8の発明は、請求項1から7のいず
れか1つの発明において、前記光学プリズムの第一入射
面の形状または全反射面の形状を、光源中心からの射出
角度と相関関係を持った連続非曲面形状を近似する面形
状の組み合わせによって形成したことを特徴としてい
る。
【0023】請求項9の発明は、請求項3から8のいず
れか1つの発明において、前記光学プリズムの第一入射
面と第二入射面との境界線と、光源中心とを結ぶ線分の
射出光軸に対する傾きθbdrが、 25°≦θbdr≦45° の範囲にあること特徴としている。
【0024】請求項10の発明は、請求項1から8のい
ずれか1つの発明において、前記光学プリズムの全反射
面は、射出光軸方向に関して前記光源手段の光源中心と
略一致する方向まで伸びていることを特徴としている。
【0025】請求項11の発明は、請求項1から8のい
ずれか1つの発明において、前記光学プリズムの全反射
面と第二入射面とが直接交わり、鋭角を形成しているこ
とを特徴としている。
【0026】請求項12の発明は、請求項1から8のい
ずれか1つの発明において、前記光源手段は、直管状の
閃光放電管であることを特徴としている。
【0027】請求項13の発明は、請求項1から8のい
ずれか1つの発明において、前記光源手段の射出光軸に
沿った後方に、該光源手段からの射出光束を反射させる
反射傘を配置すると共に、該反射傘は光源手段の中心を
中心とするほぼ同心形状の反射面を少なくとも一部に形
成していることを特徴としている。
【0028】請求項14の発明は、請求項1から8のい
ずれか1つの発明において、前記光源手段の射出光軸に
沿った後方に、該光源手段からの射出光束を反射させる
反射傘を配置すると共に、該反射傘は、前記光学プリズ
ムの全反射面の少なくとも一部の背面に回り込むように
配置して構成したことを特徴としている。
【0029】請求項15の発明は、請求項1から8のい
ずれか1つの発明において、前記光学プリズムの第二入
射面は平面であり、その射出光軸に対する傾きをφとし
たとき、 0≦φ<2° を満足することを特徴としている。
【0030】請求項16の発明の撮影装置は請求項1〜
15のいずれか1項記載の照明装置を有することを特徴
としている。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態1を説明する。図1,図2は本発明の閃光発光装
置の実施形態1の要部断面図、図3から図6は、本発明
の実施形態1による照明装置、本実施例では閃光発光装
置を示し、図3は本発明の閃光発光装置をカメラに適用
したカメラの斜視図、図4は図3の閃光発光装置のみを
前方からみた斜視図、図5は図3の閃光発光装置のみを
前方からみた分解斜視図、図6は図3の閃光発光装置を
背面からみた分解者斜視図である。
【0032】なお、図1,図2は形状は同一形状であ
り、光源の中心から射出した光線が光学部材の各入射面
に入射した場合に、その後どのような光の軌跡を描くか
を示したものである。
【0033】図3において、11は閃光発光装置の光学
プリズムであり、照射光が出射する出射窓に相当してい
る。21はレリーズボタン、22はカメラの各種のモー
ドを切り替えるための操作スイッチ、23はカメラの動
作をユーザーに知らせる為の液晶表示窓、24は外光の
明るさを測定する測光装置の覗き窓(測光窓)、25は
ファインダーの覗き窓(観察窓)、26はカートリッジ
型のフィルムを装填するためのカートリッジ装填蓋、2
7は撮影レンズを備えるレンズ鏡筒、28はカメラ本体
である。
【0034】なお、閃光発光装置を除くそれぞれの機能
については公知の技術であるので、ここでは詳しい説明
は省略する。なお、本発明の機械的構成要素は前述の構
成に限定されるものではない。
【0035】また、図4において、15は閃光発光装置
をカメラに取り付ける為の固定部材、16は固定部材1
5の蓋、17はキセノン管や反射傘に取り付けるリード
線である。図5及び図6は、図3に示した閃光発光装置
101の内部構造を説明するために分解斜視図で示した
ものであり、簡単化するため、図4の上面の蓋16とリ
ード線17は示していない。
【0036】図5,図6において、11は光学プリズム
であり、閃光発光装置101の射出方向に配置された上
下・左右を一部材で同時に制御するのに最適な形状とし
ている。光学プリズム11は、アクリル樹脂等の透過率
の高い光学用樹脂材料で構成され、閃光発光装置からの
照明光の配光特性を制御するためのプリズム部材より成
っている。
【0037】光学プリズム11の被写体側の前面には、
左右方向(X方向)の配光特性を制御するプリズム面1
1dが形成されている。また、上下方向(Y方向)の配
光特性の制御は、主に照射光軸前方に射出された光束を
入射させ屈折によって所望の配光特性に変換させる正面
入射面11aと、主に照射光軸に対して上下方向に射出
された成分を入射させる上方入射面11b、側方入射面
11bから入射した光束を全反射させる全反射面11cに
よって行われている。形状に関しては後で詳しく説明す
る。
【0038】同図において、12は閃光を発する直管状
の閃光放電管(キセノン管)であり、13は該閃光放電
管12から射出した光束のうち光射出方向の後方に射出
された成分を射出方向に反射させる反射傘であり、内面
が高反射率を有する光輝アルミ等の金属材料で形成され
ている。
【0039】14は反射傘13を閃光放電管12に押し
つけ位置規制をすると共に閃光放電管12のネサコート
部と端子半田付け部とのリークを防止するための弾性部
材である。
【0040】上記構成において、カメラ本体28は、従
来公知の技術であるように、たとえば「ストロボオート
モード」にカメラ本体28がセットされている場合に
は、レリーズボタン21がユーザーによって押された後
に、前述の測光装置で測定された外光の明るさと装填さ
れたフィルムの感度によって、閃光発光装置101を発
光させるか否かをカメラ本体28内の中央演算装置が判
断する。
【0041】中央演算装置が撮影状況下において「閃光
発光装置を発光させる」と判定した場合には、中央演算
装置が発光信号を出し、反射傘に取り付けられてトリガ
ーリード線17を介して閃光放電管12を発光させる。
発光された光は、照射光軸と反対方向に射出された光束
は、後方に配置された反射傘13を介して、また、照射
方向に射出した光束は直接、前面に配置した光学プリズ
ム11の入射面11aに入射し、所定の配光特性に変換
後、被写体側に照射される。
【0042】このとき、被写体に対して上下方向は光学
プリズム11の入射面11a、11b、及び全反射面1
1cによって、また、左右方向には、被写体側に形成し
たプリズム面11dによってそれぞれ制御され、所望の
配光特性に成るように変更される。
【0043】本実施形態は、この上下方向(Y方向)の
配光特性を最適化させるため光学プリズムの形状を適切
に設定している。以下図1,図2を用いて光学プリズム
11の最適形状の設定方法に関して詳しく説明する。
【0044】図1,図2は閃光発光装置101の閃光放
電管12の径方向(X方向)の縦断面図である。1は配
光を制御するための光学プリズムであり、図3〜図6の
光学プリズム11に相当している。
【0045】2は円筒形状の閃光放電管、3は閃光放電
管と同心の略半円筒の反射傘を示す。また、図1,図2
には、同時に閃光放電管3の内径中心部より射出させた
代表光線の追跡も同時に示しており、図1では射出光軸
(照明光軸,光軸)1Zに近い成分を光学プリズム1で
屈折のみによって制御する成分の光線トレースを示し、
図2は閃光放電管2の中心部から射出光軸1Zに対して
主に上下方向に大きな角度で射出した成分の光線レース
を示している。
【0046】なお、図1,図2では光線以外のすべての
光学系の構成および形状は同一である。ここに示す実施
形態1は、上下方向(Y方向)の配光特性を均一に保ち
つつ、上下方向の開口高さを最小にできるという特徴が
ある。以下、その形状の特性、及びそのときの光線がど
のような挙動を示すかを詳細に説明する。
【0047】まず、図1において、閃光放電管2はガラ
ス管の内外径が示されている。この種の閃光発光装置の
実際の閃光放電管の発光現象としては、効率を向上させ
るため、内径一杯に発光させる場合が多く、閃光放電管
の内径一杯にほぼ均一に発光していると考えて差し支え
ない。
【0048】しかし、設計段階では、この閃光放電管
(光源)2から射出される光を効率よく制御させるため
には、この内径全部の光束を同時に考えるより、理想的
に光源中心に点光源があることを仮定し、光学系の形状
を設計し、その後に、光源が有限の大きさを持っている
こと考慮した補正を行うと効率よく設計することが可能
となる。
【0049】本発明もこの考え方に基づき、光源2の発
光部中心を形状決定の基準値と考え、以下のような光学
プリズム1の各部の形状を設定している。
【0050】まず、光学プリズム1の材料としては、成
形性の面、コストの面、さらには光学特性の面からもア
クリル樹脂等の光学樹脂材料を用いることが最適であ
る。しかし、この種の閃光発光装置においては、光源か
ら光の発生と同時に多量の熱が発生される。この熱の影
響を、一回の発光に発生する熱エネルギと最短発光周期
とを考慮して、光学材料の選定および放熱空間の設定を
行う必要がある。
【0051】このとき、実際に最も熱の影響を受けやす
いのは、光源から最も近く位置する光学プリズムの各入
射面であり、光源とこの入射面との最少距離をまず最初
に決める必要がある。実施形態1では、光源中心からの
射出角度が射出光軸に近い角度成分を直接屈折によって
制御する第1の入射面1aと光源との最少距離をd、射
出光軸(光軸)1Zから離れた角度成分で全反射によっ
て制御される光を入射させる第2の入射面1bと光源と
の最少距離をeとしてその間隔を規制する。
【0052】次に、光学プリズム1の全反射面1c,1
eに入射光を導く第2の入射面1bの形状を決定する。
この第2の入射面1bの形状として、光学プリズムの形
状を最小にするためには、光軸1Zと平行な平面である
ことが望ましい。
【0053】すなわち、光源から射出した光束のうち、
射出光軸とは異なった方向に進む成分は、この入射面1
bで一度屈折するが、この面の角度が光軸の方向に近い
ほど屈折の効果が大きく、屈折によって入射光が一度光
軸から離れる方向に導くことができ、光学プリズムの全
長を短く抑えることができるためである。
【0054】この第2の入射面1bの光軸1Zに対する
傾きは、光学プリズムの成形条件によって決定される。
この角度が少ないほど実際の成形条件としては厳しくな
るが、この入射面1bの角度の最大値の角度φの理想形
状としては、この入射面1bが平面か曲面かに関わらず
以下の範囲に存在することが望ましい。
【0055】0≦φ<2° ……(1) ここで角度φ=0は入射面1bが光軸1Zと平行のとき
を示している。
【0056】上記範囲は、一見厳しそうな設定値だが、
上記第2の入射面の距離が短いこと、また、面形状が平
滑面であることから、十分可能な数値である。このよう
に第2の入射面1bの傾きを規制することによって、上
下方向の開口面積を最小にかつ効率低下を招くことなく
実現している。
【0057】次に、第1の入射面1aの入射面形状を決
定する。本実施形態では、最小形状で必要照射範囲を均
一な配光とする為、以下のような方法でこの第1の入射
面1aの形状を規定している。
【0058】実施形態1では、光束の光源の中心からの
射出角度と光学プリズム1を通過後の射出角度との間に
ある一定の相関関係を持たせるような形状、すなわち、
光源中心Oからの射出角度をθ、屈折面1aによって制
御後の光学プリズム1からの射出後の照射角度をαとす
ると、 α=f(θ) ……(2) で表わされる連続非球面形状で光学プリズムの入射面1
aの形状を規定している。
【0059】特に本実施形態では、その相関関係の中で
も、比例関係にあるように設定を行っている。
【0060】すなわち、入射面1aの入射時の光軸1Z
となす角度をθ、射出面1dから射出する射出角度を
α、必要照射角に応じた比例定数をkとすると、 α=k・θ ……(3) であらわされるような形状としている。
【0061】一方、第2の入射面1bの面形状及び、全
反射面1cの形状は、本実施形態では最小形状で必要照
射範囲を均一な配光とする為、以下のような方法で規定
している。
【0062】実施形態1では、光束の光源の中心からの
射出角度と光学プリズム1を通過後の射出角度との間に
ある一定の相関関係を持たせるような形状、すなわち、
光源中心からの射出角度をθ、全反射面1cによって制
御後の光学プリズム1から射出後の照射角度をβとする
と、 β=g(θ) ……(4) で表わされる連続非球面形状で形成されている。
【0063】特に本実施形態では、その相関関係の中で
も、比例関係にあるように設定されいる。
【0064】すなわち、入射時の光軸となす角度θ、射
出面1dから射出する射出角度をβ、必要照射角に応じ
た比例定数をhとすると、 β=−h・{(90°×|θ|−θ2)}/θ =h(θ−90°) であらわされるような形状としている。
【0065】本実施形態では、射出面から射出する射出
角度をβ,第一入射面と第二入射面の境界と光源中心と
を結ぶ角度をθbdr、必要照射角に応じた比例定数hと
すると、 β=h・{θ−(45°+θbdr/2)} の関係にあるようにしている。
【0066】上式(2)の意味するところは、まず射出
光軸1Z近傍の角度成分を入射させる入射面1aから入
射した光束は、まず、光源中心から射出光軸に向かう光
線は、そのまま光学プリズム1を通過する。
【0067】ここを基点として、光源中心からの射出角
度θに応じて光学プリズムの射出面1dからある比例定
数k倍されて射出面から射出される。ここで、比例定数
kは0から1までの定数である。
【0068】ここで、k=0は射出光束がすべて射出光
軸と平行に変換された最も集光された状態を意味し、k
=1は、光学プリズムへの入射時の角度θと射出時の角
度αが等しい角度変換のない形状、すなわち、光学プリ
ズムへの入射出前後で屈折率の影響を受けないそれぞれ
の面のパワーをキャンセルするような形状、たとえば入
射出面をそれぞれ平面とするような形状を意味する。
【0069】一方、(5)式は以下のような意味を持っ
ている。まず、光源中心から照射光軸に対して上方に射
出した光束が、入射面1bから入射した後、全反射面1
cで反射後、光射出面1dから射出される。このとき、
光源からの光学プリズム1に入射する射出角度の最も大
きい成分、すなわち射出光軸1Zに対して垂直方向の成
分が照射光軸とほぼ平行の最も光軸の方向に近い成分に
変換される。
【0070】一方、入射面1aとの交点に近い部分から
入射した光線は、射出光軸1Zに対して最も大きな角度
βをもって交錯する成分に変換される。この中間の領域
は射出角度に比例して上記角度範囲内を徐々に変化す
る。この場合も上記同様、比例定数hは0から1まで変
化し、h=0は射出光すべてが射出光軸と平行に変換さ
れることを意味し最も集光した状態となる。また、h=
1は、入射角の変化量と射出角度の変化量のない面、す
なわち、光学プリズム内で集光効果を持たない照射方向
のみを変化させることを意味する。すなわち、空気中に
置かれた平面鏡のような効果を持たせる面構成である。
【0071】次に、上記方法で形成された入射面1aに
よる屈折光による配光分布と、入射面1b、全反射面1
cによる全反射光による配光分布との関係について説明
する。上記説明のように、この両者の配光分布はそれぞ
れの面形状によって独立に制御できる。そして、光源の
内径が十分に小さい場合や、光源に対して、光学プリズ
ムが十分に大きいとみなせる場合には、上記方法で、か
なり効率よく配光分布の制御が可能となる。
【0072】しかし、実際の配光特性を考えてみた場
合、光源の有効発光部である内径の大きさは無視できる
ほどには小さくない場合が多く、この影響が全体の配光
特性に与える影響は大きい。特に、光源の近くにある制
御面、例えば、光軸近傍の角度成分を入射させる入射面
1aや、全反射面1cでも光源に近いプリズム後端部で
の反射光束は、この光源が有限の大きさを持つことによ
って配光に一定の広がりを生じるため、この要因をある
程度加味して形状設定を行う必要がある。
【0073】一方、全反射面1cでも射出部に近い成分
は光源から遠く離れた位置で射出方向が制御される為、
このブレが少なく、かなり効率良く意図する範囲に配光
制御することができる。このような特性を考慮しつつ、
上記、各入射面、および全反射面の形状を定義する必要
がある。
【0074】上記理由から各入射面によって制御される
配光の特性は各々異なり独立に制御可能であるが、上記
実施形態1では、この特性のうち光源の上側に向かった
光束は、入射面1bに入射後、全反射面1cで反射後、
射出光軸1Zから下側へ必要照射角まで均一に角度変換
し、逆に光源の下側に向かった光束は、入射面1b′に
入射後、全反射面1c′で反射後、射出光軸1Zから上
側に必要照射角まで均一に角度変換したものである。
【0075】また、射出光軸付近に向かった光束は、上
記側方から入射した成分による配光分布とほぼ一致する
ように入射面1aの形状を設定してある。このように、
上記各入射面からの配光分布は特殊な配光分布を必要さ
れるとき以外は、ある程度一致させると小型で効率の良
い配光分布に変換することができる。このことから、一
般に上記配光特性の実用的な規制方法としては、各入射
面での制御角度の最大角を規定する以下の領域内に各値
が存在することが望ましい。
【0076】入射面1aで屈折光による最大角度成分;
αmax、全反射面1cで全反射光による最大射出角度成
分;βmaxとしたとき、 0.8≦|βmax/αmax|≦1.2 ……(6) とすることである。次に、上記入射面の境界面の位置に
ついて説明する。上述したように、上記入射面の樹脂材
料に対する熱の影響を考慮した上で効率良く、また最小
の光学系を形成するための条件としては、第1の入射面
1aと第2の入射面1bの交点の座標と光源の中心を結
ぶ直線の角度がある一定の範囲内にあることが望まし
い。
【0077】すなわち、この角度が所定角度より小さい
と第1の入射面1aへの距離が離れ、光源の大きさによ
る影響を受けにくくなるため屈折による集光効率は上が
るが、第2の入射面1bへの入射角度が大きくなり入射
面での表面反射によるロスが生じやすくなる。
【0078】一方、この角度が所定角度より大きいと光
源に近い面で制御が必要な第1入射面1aからの入射光
束が増え、光源の大きさによっては、十分な集光効果が
得られにくい。そこで、上記直線の角度が、以下のよう
な数値範囲に収まることが望ましい。すなわち、上記光
学プリズム1の正面に向かった光を屈折のみによって制
御する入射面1aと主に光源から斜め前方に射出した光
を全反射面1cに導く入射面1bとの境界線と、光源中
心とを結ぶ線分の傾きθbdrとすると、 25°≦θbdr≦45° ……(7) の範囲にあることが、効率面や集光制御の観点から望ま
しい。
【0079】次に、光学プリズム1の入射面1bと全反
射面1cとの交点の形状について説明する。
【0080】本発明の実施形態1では、この交点が直接
交わって鋭角を形成するような形状とし、かつ、この交
点と光源の中心位置とが前後方向にほぼ一致するように
構成されている。
【0081】このような構成は、光学プリズムの形状を
最小にしつつ配光制御を効率良く行うのに有効な手段で
ある。すなわち、例えば、この入射面1bと全反射面1
cとの間に異なった特性の面、例えば、特開平8−26
2537号公報に示されるように光軸に垂直な面を形成
するとすると、その面は、光学系としては機能しないば
かりでなく、光学プリズムの上下方向また、奥行き方向
の大型化につながる。
【0082】一方、本実施形態ではこの交点の位置と光
源中心の前後方向の位置とを一致させているが、これ
は、光学系全体を小型化すると共に、効率アップに必要
な形状であり、プリズム内での全反射角度との関係、及
び光源に応じた反射傘の形状とも密接な関係があり形状
を規制しているものである。
【0083】すなわち、プリズム内での全反射を入射面
1bの角度を0°付近に設定し、光学プリズムを樹脂材
料とするとその屈折率は1.5前後であり、これより後
方までプリズム面の交点を伸ばすと、全反射しきれずに
プリズムの後方に射出する成分が生じる。これは、光源
の内径が大きいほど生じやすく、光源中心より前方から
射出した成分の一部が全反射面1cから抜け出ることに
なる。
【0084】本実施形態ではこの全反射面1cの後方に
抜け出る光を再度、光学プリズム1内に戻す反射傘3を
一部全反射面1cの後方まで伸ばした構成をとってい
る。そして、反射傘として有効に機能する最大の大きさ
まで反射傘3を伸ばし、あとは光学プリズム1の入射面
に入射させるように構成している。
【0085】その最適な反射傘の形状とは、光源である
閃光放電管2と同心の半円筒状の反射傘を採用し、この
反射傘の開口部の前端を光源中心の前後方向とほぼ一致
させ、かつ光学プリズムの後端もほぼ光源の中心と一致
させることである。
【0086】反射傘の形状を光源中心と同心とし、その
前端を光源中心と一致させる理由としては、まず、閃光
放電管のガラス部分での影響が挙げられる。今回の実施
例のような極めて小型の発光光学系においては、光源か
ら後方に向かった光束を反射傘で反射させて、照射方向
に向かわせる必要があるが、光学系全体が小型化である
為、反射傘での反射光をすべて、閃光放電管の内部を介
さずに閃光放電管の外側をまわして配光制御を行う為の
スペース的な余裕がない為、閃光放電管のガラス管内に
再入射させる光路を利用する必要がある。
【0087】このとき、閃光放電管へ再入射した成分は
閃光放電管のガラス部での屈折や全反射により影響を受
け、光学プリズムへの入射成分にも大きな影響を与え
る。特にこのガラス厚が厚いほど顕著であり、光源形状
と反射傘の形状が適切に対応していないと反射傘からの
反射光の分布が必要以上に広がってしまうことになる。
【0088】このことから、反射傘を光源形状に対応し
た円筒状にし、かつ上記閃光放電管の円筒形状のガラス
部と同心形状にすると、閃光放電管への再入射時の入射
角度が小さくなり、ガラス管表面での表面反射によるロ
スが少なく、また、再入射後の光束のガラス管内で全反
射する成分が少なくなり効率がよい。
【0089】特に、光源2に対して隙間が少ないと反射
傘3での反射後の角度変化が少なく特に有効である。ま
た、反射傘を、光源中心の位置とほぼ一致する半円筒状
にする理由としては、反射傘をこれ以上長くすると反射
傘が前まで回り込んでしまい、反射傘内に光がこもるの
で効率が低下してしまうこと、また、反射傘を光源中心
よりも短くしてしまうと、前述のように光学プリズムの
後端が後方まで延び、光量ロスとなるばかりでなく、光
学系全体が大きくなってしまい好ましい構成とはならな
い。
【0090】次に、実施形態1における光源からの光束
の射出角度と光学プリズム1を通過後の射出面1dから
の射出角度の関係について具体的な数値を用いて説明す
る。
【0091】まず、上記発光の際に生じる熱の影響を考
慮し、閃光放電管2(外径φ2.0、内径φ1.3)に
対して光学プリズム1の入射面1a,1bの距離d,e
をそれぞれ0.5mm離して配置した。
【0092】また、簡単の為、全反射面1cに導く上面
の入射面1bの形状は、射出光軸1Zの後方側に広がる
傾き1°の平面とした。この値は条件式(1)を満たす
範囲内に存在する値である。
【0093】また、光源中心部から射出された光束が、
各入射面及び全反射面での全反射によって制御され光射
出面1dから射出される、配光分布が均一でかつ照射角
αmaxmaxの最大値がそれぞれ20°となるような形
状を例にとって説明する。
【0094】すなわち、|βmax/αmax|=1であり条
件式(6)の関係を満たしている。まず、この条件で最
適化された形状において、入射面1aと入射面1bの境界
線と光源中心とを結ぶ線分の傾きθbdr、上下方向の集
光に寄与する反射傘を含めた深さf、上下方向の集光に
寄与する上下開口g、はそれぞれ、 θbdr=37.44° 、 f=4.40 、 g=
6.70 であり、傾きθbdrは上記(7)式を満たす範囲内にあ
る。また、上記値に示すように従来タイプの閃光発光装
置の発光光学系に比べて極めて小型に構成することがで
きる。
【0095】また、同図においては、実際の製品を想定
して、光学プリズムの前側部分に光学プリズムを外観部
に出す為の形状、すなわち光学プリズムの全反射面の延
長上に全周にわたる細いリブ1e,1e′が一体的に形
成されている。
【0096】これは、不図示の外観部材との合わせの形
状であり、光学プリズムと外観部品の隙間から不要な内
部部品が見えるのを防止すると共に以下の目的で付加し
たものである。
【0097】すなわち、金属でできた反射傘と外装部品
として使用される金属カバーとの間、または、光学プリ
ズムと外観部品との隙間の延長上に配された導伝性の物
との間で、トリガーリークが発生し発光ができなくなる
ことを未然に防止する為である。
【0098】一般に、本発明のような閃光発光装置にお
いては、閃光放電管に高電圧トリガー信号を反射傘に直
接与え、この反射傘に接触した放電管のネサコート部を
介して発光を開始させているが、本発明のように小型化
した光学系ではこの反射傘と金属で成形された外装部品
や製品外部の導電性の物との距離が近い為、トリガーリ
ーク現象を起こしやすかった。
【0099】上述のように光学プリズムの全反射面延長
部にリブ1e、1e′を付加することで縁面距離を伸ば
すことができ、上記トリガーリーク現象を未然に防止す
ることができる。
【0100】またこれと同時に、外部からのゴミや水滴
の侵入の防止、特に水滴は、内部の高圧部品との間での
感電の危険性があるが、このような危険性も同時に未然
に防止することができる。この付加部分の長さi、及び
外観開口部の長さjとすると、 i=1.0 j=6.5 であり、外観開口部の長さjは、上下方向の集光に寄与
する上下開口gより若干狭くなっている。
【0101】これは、全反射面1c,1c′の先端付近
で全反射した成分は射出光軸の方向にかなり大きな角度
で交錯する成分であり、このことから外観開口部の長さ
を狭めることが十分に可能になる。
【0102】また、上記付加部分の先端部には、左右方
向の配光制御を行う為の縦プリズムが図3に示すように
形成されている。
【0103】一方、同図における光線トレースからも明
らかなように、本発明の一つの目的である均一配光特性
に関しても十分に特性をみたしていることがわかる。ま
ず、図1に示されるように、光源中心から射出し、射出
光軸1Zに近い角度で射出した光束は、入射面1aで屈
折制御されるが、この時の変換は、入射角θと光射出面
1dからの射出角αとの間に(3)式が成り立ち、その
時の係数kは、 k=amax/θbdr=20.0°/37.44°=0.5
34 であるから、一般式は、 α=0.534・θ (ただし−37.44°≦θ≦3
7.44°) で表わされ、光源からの射出成分が射出角度に応じて均
等に割り振られ、光学プリズム1の射出面1dから射出
していることがわかる。
【0104】一方、図2に示されるように、光源中心O
から射出し、射出光軸1Zに対して上方に進む光束は、
入射面1bで屈折後、全反射面1cで全反射によって制
御されるが、この時の変換は、入射角θと光射出面1d
からの射出角βとの間に(5)式が成り立ち、その時の
係数hは、 h=βmax/(90°−θbdr)=20.0°/52.5
6°=0.381 であるから、一般式は、 β=−0.381・{(90°*|θ|−θ**2)/
θ} (ただし37.44°≦|θ|≦90°)で表わされ、
光源からの射出成分が射出角度に応じて均等に割り振ら
れ、先に示した射出光軸に近い角度で射出した成分の分
布とは異なる密度分布で、均一に光学プリズム1の射出
面1dから射出していることがわかる。
【0105】一方、図示していないが、閃光放電管2の
射出光軸1Zの後方に進んだ光束の光路について説明す
る。射出光軸後方には光源中心Oと同心の円筒状の反射
傘3があり、また、閃光放電管2のガラス管も光源中心
に対して同心形状である為、光源中心から後方に射出し
た光束はすべてガラス管による屈折の影響を受けずに再
度光源中心に戻って来ることになる。
【0106】また、光源中心に戻って来た後の光線の振
る舞いについては、図1及び図2に示した光線トレース
とほぼ同等の特性を持って照射すべき被写体に均一に照
射される。
【0107】また、反射傘3は、光学プリズム1の全反
射面1cの後方、光源である閃光放電管のほぼ前端まで
回り込み、かつその形状は、反射面1cとほぼ同一形状
としているが、この理由は、閃光放電管の発光部である
ガラス管内径部は光源中心から前側にも存在するが、こ
の前側から射出した光束の一部が全反射面1cで全すべ
て全反射しきれずに外部に出てしまうのを防止する為で
ある。
【0108】このように、全反射面とほぼ同一形状と
し、全反射面のすぐ後方に配置することにより、全反射
面1cの効果とほぼ同等となり、必要照射範囲に効率よ
く均一な分布にすることが可能となる。
【0109】次に、上記定義に基づく光学プリズムの非
球面形状の近似値について説明する。まず、入射面1a
の形状は頂点をPとしここを原点とした場合、以下の式
でほぼ近似できる。
【0110】Y=-4.422×10-3×X+3.248×10-1×X2-2.3
14×10-2×X3-1.327×10-1×X4+8.698×10-2×X5-1.803
×10-2×X6 また、全反射面1cも同様にして近似式で表わすと、原
点を光源中心Oとすると、 Y=-3.354×X+4.202×X2-2.308×X3+7.493×10-1×X4-
1.255×10-1×X5+8.574×10-3×X6+4.276×10-1 で表される。
【0111】しかし、光源を点光源と仮定すると上記形
状に一致させることが望ましいが、実際には光源は閃光
放電管の内径部にあたるような有限の大きさを持ってい
るため、ここまで厳密に形状を規制しなくてもほぼ同等
の配光特性が得ることができる。
【0112】たとえば、上記形状を近似した単一もしく
は複数の円筒面、さらには楕円等の2次曲面を用いて
も、上記形状で得られる配光特性とほぼ同等の効果が得
られる形状が存在する。
【0113】このため、本発明における上記入射面1
a,1b及び全反射面1cの形状は、上記式を厳密に満
足する形状に限定するわけではなく、光学プリズムの各
面の形状を近似的に満たすような形状を含めて規定する
するものとする。
【0114】また、このような近似形状で光学プリズム
を形成することによって、実際加工されたものが設計値
通りできているかの測定が、面形状が非球面である場合
に比べて極めて容易にできる、という利点がある。
【0115】実際、このような近似形状で製作した光学
プリズムを用いても上式に示した形状とそれほど大きな
配光特性の相違は生じていない。
【0116】次に、上記実施形態1の考え方に基づいて
光学プリズムの形状を規制したいくつかの他の実施形態
について説明する。
【0117】図7,図8は、本発明の閃光発光装置の実
施形態2の要部平面図である。同図は比較的広い照射範
囲を均一に照明するための光学系の主要断面図と、この
形状における光線トレース図を示したものである。
【0118】同図において、4は光学プリズム、5は反
射傘であり、各図は光学系の形状は同一で、光線トレー
ス部のみをそれぞれの入射面4aと入射面4bと別に示
している。
【0119】特に、実施形態2は、光源から上下方向に
射出した光束を反射させる全反射面4c,4c′の角度
が(1)に示す範囲の最小値、また、各入射面で制御さ
れる光学プリズムの通過後のそれぞれ射出最大角度の関
係を示す(6)式に示す範囲の中心値、さらに、全反射
面4c,4c′に入射面4bの境界線と光源中心とを結
んだ線分と射出光軸となす角度が(7)で示した範囲の
中で最大値、すなわち φ=0° |βmax/αmax|=1.0 θbdr=45° の状態を示したものである。
【0120】また、光源中心Oから照射光軸1Zに近い
角度成分を入射させる入射面4aは、射出光軸に垂直な
平面とし、また、全反射面4cは、(5)式を満たし、
かつ、光学プリズム4を通過することによって光線の方
向のみを変換しての角度分布は変化させないような、す
なわち、空気中に置かれた平面鏡のような特性を持たせ
るような面構成となっている。
【0121】すなわち、(3)式の係数k、(5)式の
係数hはそれぞれ、以下の値をとったときの形状であ
る。
【0122】k=1.0 h=1.0 また、実施形態1と同様、反射傘5は、光源2と同心形
状の円筒面5aと、光学プリズム4の全反射面4c,4
c′の後方に回り込む曲面形状部5bとによって構成さ
れている。
【0123】上記構成において、各状態の光線の振る舞
いについて説明する。まず、図7に示す光源2から入射
面4aに入射した光束は、図示のように入射面4aと射
出面4dが共に射出光軸1Zに対して垂直なお互い平行
な平面である為、光学プリズム4で入射、射出時に屈折
はするものの、光線の角度自体は変化していない。
【0124】すなわち、光学プリズム4を通過すること
によって、厳密には各面での表面反射によって幾分光量
ロスは生じるものの、光学プリズム4の通過前後で基本
的には集光、拡散の効果はなく、光源2からの配光特性
がそのまま照射面上に反映される。
【0125】一方、入射面4b,4b′から入射した光
束は、前述のように、全反射面4cによって光学プリズ
ム4からの射出後の角度分布は一定で照射方向のみを変
えるように変換されている。
【0126】すなわち、光源中心Oから光学プリズム4
の後方の頂点付近に向かった光束はほぼ射出光軸の方向
に変換され、また、入射面4aとの交点付近に向かった
光束は、入射面4aからの射出光の最大角度と一致し、
方向は照射光軸1Zに対してちょうど対称形となるよう
な方向に変換されるように構成している。
【0127】また図示はしていないが、光源中心Oから
射出光軸1Zの後方に向かった光束は、光源と同心状に
形成されて反射傘5によって、再度光源中心Oに戻るよ
うに構成されている。この為、光源中心Oにもどされた
光束は、図7,図8に示すような光線トレースを描い
て、均一な配光分布に変換される。
【0128】上記構成の光学系を使用することによっ
て、ほぼ光源中心から射出した光束は、−45°から4
5°にわたる90°の範囲を均一に照射することができ
る。また、実際には、光源の発光点は光源中心だけでは
なく光源の内径全体で発光している。この為、実際の配
光特性は、上記範囲より幾分広がることになる。
【0129】また、このように、光源が光学系全体の形
状に対して無視できないくらい大きい場合には、ここで
設定した光源中心より前側の部分から前方に射出した光
束の一部が、全反射面4cで全反射しきれずに光学プリ
ズム4外に射出してしまう成分がありえる。
【0130】この全反射面4cからの射出光束を光学プ
リズム4へ再入射させる為の反射面が、反射傘2の全反
射面4cの後方に配置した反射面5bであり、図示のよ
うに全反射面4cとほぼ同一形状とし至近位置に配置す
ることによって、全反射面4cによる配光分布とほぼ同
等の均一な配光特性が得られる。
【0131】上記実施形態2の構成は、光源中心Oから
射出した光束を均一な配光特性に変換する光学系のう
ち、特に最小形状を示したものであり、この時の具体的
数値を以下に示す。閃光放電管の内径、外径は実施形態
1と同様それぞれ、φ1.3、φ2.0とすると、光源
と光学プリズムの各入射面までの最短距離をそれぞれ
d,e、また、光学系全体の奥行きf、光学プリズムの
上下の開口をgはそれぞれ以下のようである。
【0132】d=0.3 e=0.3 f=3.3
g=4.7 光学プリズムをこのように光源に対して極めて小型に構
成することが可能となる。また、この時の配光特性は均
一で、光源中心から360°の方向に射出された光束を
その約1/4の90°の角度範囲に狭めることが可能に
なる。
【0133】次に、本発明の実施形態3について説明す
る。図9,図10は、本発明の実施形態3の要部断面図
である。実施形態2に対しての変更点は、光源中心Oか
らの光学プリズム6の通過後の射出光束の範囲を約半分
に狭めたことである。同図において、6は光学プリズ
ム、7は反射傘であり、各構成要素は実施形態2と同様
であり、閃光放電管2に対する反射傘7の関係は、光学
プリズム6で制御しきれない光束を効率よく利用するよ
うな構成となっている。
【0134】また、入射面6b,6b′の光軸1Zに対
する角度φ、各入射面で制御後のそれぞれ射出最大角度
の関係、さらに、入射面の境界線と光源中心とを結んだ
線分と射出光軸となす角度θbdrとすると、本実施例は
それぞれ以下の値をとった時の状態を示したものであ
る。
【0135】φ=0°|βmax/αmax|=1.0
θbdr=38.7° 一方、本実施形態においても、入射面6a,6bは、
(3)式、(5)式に基づいて形成され、各係数k,h
は、以下の数値になるように各形状を規制している。
【0136】k=0.60 h=0.45 また、光学系の全体形状としては、閃光放電管の内径、
外径は実施形態1と同様それぞれ、φ1.3、φ2.0
とすると、光源と光学プリズム6の各入射面までの最短
距離をそれぞれd,e、また、光学系全体の奥行きf、
光学プリズムの上下の開口をgはそれぞれ以下のようで
ある。
【0137】d=0.3 e=0.3 f=
3.9 g=5.7 このように光学プリズム6の各形状を設定することによ
って、配光特性は均一で、光源中心から360°の方向
に射出された光束をその約1/8の46°の角度範囲に
狭めることが可能になる。
【0138】実際には、光源には、ある有限の大きさを
持っている為、光源の発光部の大きさに応じて、配光特
性も全体に広がることになる。
【0139】次に、本発明の実施形態4について説明す
る。
【0140】図11,図12は、本発明の実施形態4の
要部断面図である。実施形態2に対しての変更点は、光
源中心Oからの光学プリズム8の通過後の射出光束の範
囲を極端に狭めたことである。同図において、8は光学
プリズム、9は反射傘であり、各構成要素は実施形態2
と同様であり、閃光放電管2に対する反射傘9の関係
は、光学プリズム8で制御しきれない光束を効率よく利
用するような構成となっている。
【0141】また、入射面8c,8c′の角度φ、各入
射面で制御後のそれぞれ射出最大角度の関係、さらに、
入射面の境界線と光源中心とを結んだ線分と射出光軸と
なす角度θbdrとすると、本実施形態はそれぞれ以下の
値をとった時の状態を示したものである。
【0142】一方、本実施例においても、入射面8a,
8bは、(3)式,(5)式に基づいて形成され、各係
数k、hは、以下の数値になるように各形状を規制して
いる。
【0143】k=0.15 h=0.089 また、光学系の全体形状としては、閃光放電管の内径、
外径は実施形態1と同様それぞれ、φ1.3、φ2.0
とすると、光源と光学プリズムの各入射面までの最短距
離をそれぞれd,eまた、光学系全体の奥行きf、光学
プリズムの上下の開口をgはそれぞれ以下のようであ
る。
【0144】d=0.3 e=0.3 f=
4.8 g=7.1 このように光学プリズムの各形状を設定することによっ
て、配光特性は均一で、光源中心から360°の方向に
射出された光束をその約1/36の10°の角度範囲に
狭めることが可能になる。
【0145】実際には、光源には、ある有限の大きさを
持っている為、光源の発光部の大きさに応じて、配光特
性も全体に広がることになる。
【0146】次に、本発明の実施形態5について説明す
る。図13,図14は、本発明の実施形態5の要部断面
図である。図中31は光学プリズム、32は閃光放電
管、33は反射傘である。反射傘33は閃光放電管32
と同心形状の反射部33aと、光学プリズム31の全反
射面31c、31c′の後方にほぼ光学プリズム31の
形状に近似した形状からなる反射部33b、33b′と
から構成され、その他の各部の形状は、ほぼ上記実施例
と同様で、対応箇所は同一の記号で示している。
【0147】また、図13と図14は形状は同一形状で
あり、図中に示した光線トレース部のみが異なってお
り、図13は光軸1Z近傍に進んだ光束を入射させる入
射面31aから入射した成分を、図14は全反射面31
c、31c′に導く入射面31b、31b′に入射した
成分をそれぞれ示している。
【0148】本実施形態は、実施形態1とほぼ同等の配
光特性をもたせつつ、全反射面31c,31c′の形状
を工夫し、均一配光を得られるようにした変形光学系で
あり、実施形態1で示したような光学プリズム31の全
周に設けたリブ形状や光射出部の段差等は示していな
い。
【0149】本実施形態の最大の特徴は、光源中心Oか
ら射出される成分のうち特に全反射面31c,31c′
によって制御される成分を、それぞれの全反射面に対し
て必要最大角から最小角までの範囲に、均一に分配して
いることである。
【0150】すなわち、全反射面31cと31c′のそ
れぞれの面で制御された成分が、光源中心Oからの射出
角度に対応してある一定の割合で変換され、照射面上で
必要とされる最大角度から最小角度に対応する分布に変
換されていることである。
【0151】まず、図13を用いて、光学系の構成を説
明する。実施形態1と同様各部の形状を実際の数値で示
すと図中d,e,f,g,αmax,θbdrはそれぞれ以下
の値をとる。
【0152】d=0.5, e=0.5 f=4.
65 g=7.48 αmax=20° θbdr=37.44° また、この時の光源中心Oから射出した主に射出光軸1
Zに近い成分については、図示のように実施形態1とほ
ぼ同一の分布を示し、光源32から74.88°に広が
った光束を、約半分の範囲である40°の分布に変換す
ることができる。
【0153】実際の配光特性は、実施形態1でも説明し
たように光源の大きさが有限である為、光源の大きさに
よって広がるが、上記値を基に光源の大きさの補正を加
えることによって必要とされる配光特性が得られる形状
に変換することができる。
【0154】次に、本実施形態の最も特徴的な全反射光
の配光分布について、図14を用いて説明する。まず、
光源32の上方に進んだ光束は、実施形態1同様1°の
平面で構成された入射面31b,31b′を介して入射
する。
【0155】この入射面から入射した光束は、全反射面
31c,31c′に導かれ、光学プリズム31の後端の
反射成分が光源から離れる方向の最大成分に対応し、射
出部付近で反射した光束が射出光軸と交わる最大成分に
対応するように変換される。
【0156】特に、この時の変換が、射出光軸1Zから
離れる方向の成分の最大値γmax、射出光軸と交わる方
向の成分の最大値βmaxがそれぞれ以下関係の角度とな
り、また光源中心からの射出角度に応じて、一定の割合
で変換されるように形状を規制し、全体として均一な配
光となるような形状を工夫している。
【0157】αmax=βmax=γmax=20° 一方、図示していないが、光源中心Oから射出光軸1Z
後方に向かった光束は、上記実施例同様、後方に配置し
た反射傘33が光源32に対して同心形状に配置されて
いる為、基本的に光源中心の光束は反射後再度光源中心
に戻り、光源のガラス管の悪影響を最小限にして、所望
の配光特性を得られるような構成を達成することができ
る。
【0158】また、上記実施形態5の構成では、光源中
心Oから射出される光束が、それぞれの入射面及び全反
射面によってそれぞれ最大角が一致するように規制した
が、必ずしも完全に一致させる必要はなく、(6)式で
規制される角度、または 0.8≦|γmax/αmax|≦1.2 ……(7) の範囲にあれば、十分に均一で効率の良い配光特性をえ
ることが可能である。
【0159】このように、照射角度の最大値の範囲をあ
る一定の範囲を持たせている理由として、上述のように
光源がある一定の大きさを持っていることに起因してい
る。
【0160】すなわち、光源がある大きさを持っている
ことによって、全体の配光は広がる方向にブレるが、こ
のブレは、光源から近い位置に光線の射出方向を規制す
る面が存在するほど大きくなる。すなわち、光源から近
い入射面31aや、全反射面31cの後方で配光制御さ
れる成分は光源の大きさによるブレが生じ易やすく、実
際現象では上記規制では配光が広がりやすい成分であ
る。
【0161】一方、光源から遠い位置で制御された、全
反射面31c,31c′の射出面近傍で反射した成分は
光源からの立体角が十分に小さくブレを生じにくい成分
であり、光源が大きくても上記全反射面の形状規制によ
って効率良く必要照射角に変換できる部分である。
【0162】このようなことから、上記広がりやすい成
分の最大照射角、例えば、γmax,αmaxを必要照射角度
よりも狭めに設定することで、更に効率の良い角度変換
を行うことができる。
【0163】このことを関係式で示すと以下のようにな
る。
【0164】γmax≦βmax , αmax≦βmax 実施形態1と同様、上記光学プリズム31の各面の形状
を上記定義式にのっとって求めた形状の近似式は以下の
ようである。ただし、入射面31aの形状に関しては、
ほぼ実施形態1の形状と同一の為省略する。
【0165】全反射面31cを、近似式で表わすと、原
点を光源中心Oとすると、 Y=2.648×10-2×X+4.114×10-1×X2-1.630×10-1×X3+
6.701×10-2×X4-1.231×10-2×X5+9.664×10-4×X6+6.
718×10-1 で表わされる。
【0166】上記形状は実施形態1同様、厳密に上記近
似式に一致させた形状に限定されるわけではなく、上記
形状を近似する円筒面形状の組み合わせ等の近似形状で
もほぼ同一の効果を得ることができ、光源の大きさに伴
う許容範囲として、光学系の全体形状に対する光源の大
きさ程度の誤差範囲まで含むものとする。
【0167】また、上記実施例では、上下入射面31
b,31b′、及び全反射面31c,31c′は上下対
称形状としているが、特に対称形状に限定されるわけで
はなく、上下非対称形状としても良い。
【0168】この理由として、例えば、上記閃光発光装
置をカメラ等の撮影装置に装着して使用する場合、撮影
光軸と照明系の照明光軸が異なる為、被写体面上で視差
を生じるが、この場合照明系の照射光軸を被写体の距離
に応じてある一定量撮影光軸に傾ける必要がある。
【0169】この場合、上下の照射範囲の分布を上下非
対称として対応させた方が上記光学系では有効である。
また、上記説明のように、同一全反射面でも光源から離
れて位置に存在する面の方が、指向性が高く狭い範囲に
効率良く集光制御できる性質を利用して、光源付近に存
在する入射面や全反射面は所定量やや狭目に集光させる
ようにやや集光性を強めて構成することによって、各面
での配光分布を一致させ全体の配光特性を均一に、かつ
照射範囲外に照射される成分を最小にした効率の良い集
光光学系を形成することができる。
【0170】上記説明のように、実施形態1の考え方と
は異なる本実施形態のような光学プリズムの各面形状の
設定方法でも、光源中心からの射出光束を必要照射範囲
に対して均一に配分することができる。上記実施例の形
状は上下方向の開口部の高さgや光学系全体の奥行きf
は大型化するものの以下のような利点がある。
【0171】すなわち、上記説明のように各入射面毎の
照射範囲がほぼ一定であり、かつ連続した面形状となっ
ている為、不連続点が生じず、むらのない均一な配光特
性が得やすいこと、また、射出光軸中心に向かう成分、
すなわち中心光量を規定する成分が、各入射面、全反射
面の中心部付近の最も安定した領域を使用して指向させ
ている為、各面の周辺部分で中心方向に指向させる場合
に比べて中心光量変化に対する敏感度が低い、すなわ
ち、光学プリズムの加工精度のばらつきや、部品間の寸
法精度による位置関係の誤差等のによる部品間のばらつ
きが生じにくいので、安定して高い中心光量が得られる
という点が挙げられる。
【0172】次に、本発明の実施形態6について説明す
る。図15,図16は、本発明の実施形態6の要部断面
図である。41は光学プリズム、42は閃光放電管、4
3は反射傘である。
【0173】反射傘43は閃光放電管42と同心形状の
反射部43aと、光学プリズム41の全反射面41c,
41c′の後方にほぼ光学プリズムの形状に近似した形
状からなる反射部43b,43b′とから構成され、そ
の他の各部の形状は、ほぼ上記実施例と同様で、対応箇
所は同一の記号で示している。
【0174】また、図15と図16は各構成部品の形状
は同一であり、図中に示した光線トレース部のみが異な
っており、図15は光軸近傍に進んだ光束を入射させる
入射面41aから入射した成分を、図16は全反射面4
1c,41c′に導く入射面41b,41b′に入射し
た成分をそれぞれ示している。
【0175】本実施形態は、実施形態1とほぼ同等の配
光特性をもたせつつ、入射面及び全反射面の形状を工夫
し均一配光を得られるようにした変形光学系であり、実
施形態1で示したような光学プリズム全周に設けたリブ
形状や光射出部の段差等は示していない。
【0176】本実施形態の最大の特徴は、光源中心Oか
ら射出される成分のうち、射出光軸1Zに近い角度成分
は必要照射範囲の中心部分に集光させ、光源中心Oから
照射光軸1Zに対し上下方向に照射されたは必要照射角
度範囲の周辺部分に照射されるように各面形状を設定し
たものである。
【0177】特に、光源中心Oから照射光軸1Zに対し
上下方向に照射されたは成分のうち、光源42に近い側
の成分は光学プリズム41の通過後射出光軸1Zから離
れる方向に、射出面に近い側で全反射した成分は光学プ
リズム41の通過後射出光軸1Zに交わる方向に、それ
ぞれ光源からの射出角に応じて射出角度を変換している
点である。
【0178】そして、このように構成することによっ
て、上記複数の入射面から入射した光束が合成されて、
必要照射範囲に対して均一に照射されることになり、実
施形態1及び、実施形態5とほぼ同等の配光特性をえる
ことができる。
【0179】まず、図15を用いて、光学系の構成を説
明する。実施形態1と同様各部の形状を実際の数値で示
すと図中d,e,f,g,αmaxbdrはそれぞれ以下
の値をとる。
【0180】d=0.5 ,e=0.5 ,f=5.0
5 ,g=7.87 αmax=10° θbdr=34.65° また、この時の光源中心から射出した主に射出光軸1Z
に近い成分については、図示のようにこの入射面のパワ
ーを強め、実施形態1の半分の約10°に狭めている。
この為、光源中心Oからこの入射面41aに入射する成
分の最大値θbd rは3°程度狭くなっている。この為、
光源中心から69.3°に広がった光束を、約1/3の
範囲である20°の分布に変換することができる。
【0181】実際の配光特性は、実施形態1でも説明し
たように光源の大きさが有限である為、光源の大きさに
よって広がるが、上記値を基に光源の大きさの補正を加
えることによって必要とされる配光特性が得られる形状
に変換することができる。
【0182】次に、本実施形態の最も特徴的な全反射光
の配光分布について、図16を用いて説明する。まず、
光源の上下方向に進んだ光束は、実施形態1同様1°の
平面で構成された入射面41b,41b′を介して入射
する。
【0183】この入射面から入射した光束は、全反射面
41c,41c′に導かれ、光学プリズム41の後端の
反射成分が光源から離れる方向の最大成分に対応し、射
出部付近で反射した光束が射出光軸1Zと交わる最大成
分に対応するように変換される。ここまでは、実施形態
5と同様である。
【0184】しかし、その照射角度範囲が異なってい
る。すなわち、この時の変換が、射出光軸から離れる方
向の成分の最小値γmin,最大値γmaxであり、また射出
光軸と交わる方向の成分の最小値βmin、最大値βmax
それぞれ図示のようであり、実施形態5では存在した光
軸中心付近に向かう成分が抜けていることである。
【0185】実際に本実施例で採用した図中の各パラメ
ータは、以下のような数値設定を行ったものである。
【0186】αmax=βmin=γmin=10° , βmax
=γmax=20° また、上記区画された成分は、それぞれ各面で光源中心
Oからの射出角度に応じて一定の割合で変換されるよう
な形状で規制されている為、光源中心Oから射出される
光束は、全体として中心部と周辺部で重ね合わせが行わ
れ、全照射範囲にわたって均一な配光に制御することが
できる。
【0187】一方、図示していないが、光源中心Oから
射出光軸1Zの後方に向かった光束は、上記実施例同
様、後方に配置した反射傘43が光源42に対して同心
形状に配置されている為、基本的に光源中心の光束は反
射後再度光源中心に戻り、光源のガラス管の悪影響を最
小限にして、所望の配光特性を得られるような構成を達
成することができる。
【0188】また、上記実施形態6の構成では、光源中
心Oから射出される光束を、それぞれの入射面に応じて
制御し、境界線すなわち図中の光軸から10°の角度成
分で一致させるように構成しているが、必ずしもこの角
度で一致するように規制する必要はなく、両者の配光分
布を一部重ねあわせたり、光源が有限の大きさを持って
いることを考慮して各照射分布を狭めに設定し重ねあわ
せによって配光ムラが生じないような角度設定に便宜変
更してもかまわない。
【0189】実際に有効に機能する重ね合わせ量として
は、以下で規定される程度の設定を行うことが望まし
い。
【0190】0.8≦|βmin/αmax|≦1.2 0.8≦|γmin/αmax|≦1.2 上記説明のように、実施形態1の考え方とは異なる本実
施形態のような光学プリズムの各面形状の設定方法で
も、光源中心からの射出光束を必要照射範囲に対して均
一に配分することができる。
【0191】上記実施例の形状は上下方向の開口部の高
さgや光学系全体の奥行きfはさらに大型化するものの
以下のような利点がある。すなわち、上記説明のように
各入射面毎の照射範囲を任意の角度範囲に設定すること
ができる為、照射面上での配光分布を任意の分布に変換
できること、例えば、中心光量のみを上昇させたり、周
辺の配光を意図的に明るくするなど、照射面上での任意
の配光特性をえることができ、その応用範囲は広い。
【0192】上記各実施形態では、全反射面での配光分
布特性の制御を照射光軸1Zを挟む、上下2種の全反射
面で構成した例を示したが、必ずしも分割数はこの2面
に限定されるわけではなく異なる特性3面以上の面で構
成しても良い。
【0193】例えば、照射光軸近傍の成分を増やす為、
全反射面を3分割し、全反射光の一部を射出光軸中心に
向かわせるように構成しても良い。このようにすること
によって、例えば、中心光量のみが不足した場合、全体
配光を大きくいじらずこのポイントのみ集光性を上げら
れる為、必要配光特性を補正する際に特に有効である。
【0194】一方、逆にこの全反射によって制御される
成分を射出光軸から離れる方向または、射出光軸に交わ
る方向のどちらか1種類のみで構成し、射出光軸近傍に
向かった成分との合成で必要照射角範囲をカバーするよ
うに構成しても良い。
【0195】このように構成することによって開口部の
高さを狭くすることができ、光学系の全体形状をさらに
小型化することが可能となる。
【0196】また、上記各実施例では、光学プリズムか
らの射出角度が、光源中心から射出する角度θに比例す
るように各入射面、全反射面形状を設定してきたが、必
ずしも上記比例関係にあるように変換させるような面形
状に限定されるわけではない。
【0197】例えば、プリズム面に入射される際に生じ
る表面反射によりプリズム面入射出時に光量損失を生じ
るが、この光量損失をあらかじめ考慮した補正関数で規
定した各面構成として定義したり、照明光学系の照射す
べき被照射体が平面である場合、周辺部では光源中心か
ら距離が離れる為中心部に対して光量不足となるが、こ
の光量不足を解消するように、あらかじめ、周辺光量を
高めるような配光特性が得られるような各面形状を設定
を行っても良い。
【0198】さらに、以上の各実施形態では、プリズム
の材料として光学樹脂材料、特にアクリル樹脂を想定し
て説明してきたが、プリズムの材料としては、この材料
に限定されるものではなく、ガラス等の透過率の高い材
料や、透過率の高い液体を封入したような材料を用いて
もよく、上記材料に限定されるものではない。
【0199】
【発明の効果】本発明によれば、本出願人が先に種々と
提案した照明装置を更に改良し、撮影装置の照明光学系
の全体形状を極端に小型化しつつ、そのときの必要照射
範囲の配光特性を均一に保つこと、さらに、光学特性を
低下させず、むしろ画角内に照射される有効エネルギを
増加させることのできる照明装置及びそれを用いた撮影
装置を達成することができる。
【0200】又本発明によれば、今までの照明光学系に
比べて極端に小型、薄型化、そして軽量化を図ると共
に、光源からのエネルギを高い効率で利用し、照射面上
で均一な配光特性を保った照明ができるスチルカメラ、
ビデオカメラ等に好適な照明装置及びそれを用いた撮影
装置を達成することができる。
【0201】この他本発明によれば、照明光学系の集光
制御を光学プリズム内で行わせるため、所望の配光特性
を持たせた照明光学系を極端に小型化できると共に、そ
のときの必要照射範囲に対する配光特性を均一に保つこ
とが容易にできる。
【0202】また、光学プリズム内での集光を全反射を
利用して行っている為、同一光源に対するエネルギの利
用効率が高く、小型しても光学特性を低下させずむしろ
画角内に照射される有効エネルギを増加させることが可
能になる。
【0203】さらには、光学プリズムの各入射面及び全
反射面を本発明の手法によって最適化することにより、
必要画角内での照度分布を自由にコントロールすること
が可能な照明装置及びそれを用いた撮影装置を達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の光線分布を示す閃光発光
装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図2】本発明の実施形態1の他の光線分布を示す閃光
発光装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図3】本発明の実施形態1の閃光発光装置を適用した
カメラの斜視図
【図4】本発明の実施形態1の閃光発光装置を前方から
みた斜視図
【図5】本発明の実施形態1の閃光発光装置を前方から
みた分解斜視図
【図6】本発明の実施形態1の閃光発光装置を背面から
みた分解者斜視図
【図7】本発明の実施形態2の光線分布を示す閃光発光
装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図8】本発明の実施形態2の他の光線分布を示す閃光
発光装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図9】本発明の実施形態3の光線分布を示す閃光発光
装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図10】本発明の実施形態3の他の光線分布を示す閃
光発光装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図11】本発明の実施形態4の光線分布を示す閃光発
光装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図12】本発明の実施形態4の他の光線分布を示す閃
光発光装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図13】本発明の実施形態5の光線分布を示す閃光発
光装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図14】本発明の実施形態5の他の光線分布を示す閃
光発光装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図15】本発明の実施形態6の光線分布を示す閃光発
光装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【図16】本発明の実施形態6の他の光線分布を示す閃
光発光装置の閃光放電管径方向の縦断面図
【符号の説明】
1,4,6,8、11,31,41 光学プリズム 2,12,32,42 閃光放電管(光源手段) 3,5,7,9,33,43………反射傘 21 レリーズボタン 22 カメラのモード切り替えスイッチ 23 液晶表示窓 24 測光装置の覗き窓 25 ファインダー覗き窓 26 カートリッジ装填蓋 27 レンズ鏡筒 28 カメラ本体

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源手段と、該光源手段からの光束を被
    照射方向に照射する為の光学プリズムとを有した照明装
    置において、該光学プリズムは該光源手段からの光束の
    うち、射出光軸近傍に射出した光束を入射させる第1入
    射面と、該第1入射面からの光束を直接入射させる射出
    面と、該光源手段からの光束のうち、該射出光軸近傍よ
    り大きな角度で射出した一部の光束を入射させる第2の
    入射面と、該第2の入射面からの光束を傾斜させて該射
    出面より射出させる全反射面とを有し、これらの各面は
    該光源手段の光源中心から射出した光線が該射出光軸に
    対してなす角度と該射出面を通過後の該射出光軸に対す
    る射出角度との間にある一定の相関関係を持たせるよう
    にした面形状で構成することを特徴とする照明装置。
  2. 【請求項2】 光源手段と、該光源手段からの光束を被
    照射方向に照射する為の光学プリズムとを有した照明装
    置において、該光学プリズムは該光源手段からの光束の
    うち、射出光軸近傍に射出した光束を入射させる第1入
    射面と、該第1入射面からの光束を直接入射させる射出
    面と、該光源手段からの光束のうち、該射出光軸近傍よ
    り大きな角度で射出した一部の光束を入射させる第2の
    入射面と、該第2の入射面からの光束を傾斜させて該射
    出面より射出させる全反射面とを有し、これらの各面は
    該光源手段の光源中心から射出した光線が該射出光軸に
    対してなす角度と該射出面を通過後の射出光軸に対する
    射出角度との間にある一定の相関関係を持たせるように
    すると共に、該全反射面の射出面近傍側で反射した成分
    を射出光軸に交差させる方向の最大角度成分に対応さ
    せ、該全反射面の光源近傍側で反射した成分を上記方向
    とは逆の方向の最大角度成分に対応させるような面形状
    で構成したことを特徴とする照明装置。
  3. 【請求項3】 光源手段と、該光源手段からの光束を被
    照射方向に照射する為の光学プリズムとを有した照明装
    置において、該光学プリズムは該光源手段からの光束の
    うち、射出光軸近傍に射出した光束を入射させる第1入
    射面と、該第1入射面からの光束を直接入射させる射出
    面と、該光源手段からの光束のうち、該射出光軸近傍よ
    り大きな角度で射出した一部の光束を入射させる第2の
    入射面と、該第2の入射面からの光束を傾斜させて該射
    出面より射出させる全反射面とを有し、これらの各面は
    該光源手段の光源中心からの該射出光軸に対する射出角
    度をθ、第一入射面によって制御され、該射出面からの
    射出後の照射角度をα、第二入射面と全反射面によって
    制御後の光学プリズムから射出後の該射出面をβとする
    と、 α=f(θ) または、 β=g(θ) で表わされる形状で構成されていることを特徴とする照
    明装置。
  4. 【請求項4】 光源手段と、該光源手段からの光束を被
    照射方向に照射する為の光学プリズムとを有した照明装
    置において、該光学プリズムは該光源手段からの光束の
    うち、射出光軸近傍に射出した光束を入射させる第1入
    射面と、該第1入射面からの光束を直接入射させる射出
    面と、該光源手段からの光束のうち、該射出光軸近傍よ
    り大きな角度で射出した一部の光束を入射させる第2の
    入射面と、該第2の入射面からの光束を傾斜させて該射
    出面より射出させる全反射面とを有し、これらの各面は
    該光源手段の光源中心から射出した光線が該射出光軸に
    対してなす角度と該射出面からの通過後の射出光軸に対
    する射出角度との間にある一定の相関関係を持たせると
    共に、第一入射面で制御された最大射出角度成分αmax
    と第二入射面及び全反射面で制御された最大射出角度成
    分βmaxとの間に 0.8≦|βmax/αmax|≦1.2 の関係を満たすような形状で構成したことを特徴とする
    照明装置。
  5. 【請求項5】 光源手段と、該光源手段からの光束を被
    照射方向に照射する為の光学プリズムとを有した照明装
    置において、該光学プリズムは該光源手段からの光束の
    うち、射出光軸近傍に射出した光束を入射させる第1入
    射面と、該第1入射面からの光束を直接入射させる射出
    面と、該光源手段からの光束のうち、該射出光軸近傍よ
    り大きな角度で射出した一部の光束を入射させる第2の
    入射面と、該第2の入射面からの光束を傾斜させて該射
    出面より射出させる全反射面とを有し、これらの各面は
    該光源手段の光源中心から射出した光線が射出光軸に対
    してなす角度と上記光学プリズム通過後の射出光軸に対
    する射出角度との間にある一定の相関関係を持たせか
    つ、第一入射面からの光束を射出光軸近傍の成分に対応
    させ、第二入射面から入射した光束を必要照射範囲の周
    辺部分に対応させると共に、第一入射面で制御された最
    大射出角度成分αmaxと第二入射面及び全反射面で制御
    された最小射出角度成分のうち射出光軸と交わる成分β
    min、それとは逆方向の成分γminとの間に 0.8≦|βmin/αmax|≦1.2 0.8≦|γmin/αmax|≦1.2 の関係が成立するような形状で構成したことを特徴とす
    る照明装置。
  6. 【請求項6】 前記第一入射面の形状は前記光源手段か
    らの光束が、該第1入射面に入射時の該射出光軸となす
    角度をθ、射出面から射出する射出角度をα、必要照射
    角に応じた比例定数kとすると、 α=k・θ 及び前記第二入射面及び全反射面の形状は該光源手段か
    らの光束が該第2入射面に入射時の該射出光軸となす角
    度θ、射出面から射出する射出角度をβ、必要照射角に
    応じた比例定数hとすると、 β=h・(θ−90°) の関係にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項の照明装置。
  7. 【請求項7】 前記第一入射面の形状は前記光源手段か
    らの光束が、該第1入射面に入射時の該射出光軸となす
    角度をθ、射出面から射出する射出角度をα、必要照射
    角に応じた比例定数kとすると、 α=k・θ 及び前記第二入射面及び全反射面の形状は該光源手段か
    らの光束が該第2入射面に入射時の該射出光軸となす角
    度θ、射出面から射出する射出角度をβ,第一入射面と
    第二入射面の境界と光源中心とを結ぶ角度をθbdr、必
    要照射角に応じた比例定数hとすると、 β=h・{θ−(45°+θbdr/2)} の関係にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項記載の照明装置。
  8. 【請求項8】 前記光学プリズムの第一入射面の形状ま
    たは全反射面の形状を、光源中心からの射出角度と相関
    関係を持った連続非曲面形状を近似する面形状の組み合
    わせによって形成したことを特徴とする上記請求項第1
    〜7のいずれか1項の照明装置。
  9. 【請求項9】 前記光学プリズムの第一入射面と第二入
    射面との境界線と、光源中心とを結ぶ線分の射出光軸に
    対する傾きθbdrが、 25°≦θbdr≦45° の範囲にあること特徴とする請求項3〜8のいずれか1
    項の照明装置。
  10. 【請求項10】 前記光学プリズムの全反射面は、射出
    光軸方向に関して前記光源手段の光源中心と略一致する
    方向まで伸びていることを特徴とする請求項第1〜8の
    いずれか1項の照明装置。
  11. 【請求項11】 前記光学プリズムの全反射面と第二入
    射面とが直接交わり、鋭角を形成していることを特徴と
    する請求項第1〜8のいずれか1項の照明装置。
  12. 【請求項12】 前記光源手段は、直管状の閃光放電管
    であることを特徴とする請求項1〜8記載のいずれか1
    項の照明装置。
  13. 【請求項13】 前記光源手段の射出光軸に沿った後方
    に、該光源手段からの射出光束を反射させる反射傘を配
    置すると共に、該反射傘は光源手段の中心を中心とする
    ほぼ同心形状の反射面を少なくとも一部に形成している
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項の照明装
    置。
  14. 【請求項14】 前記光源手段の射出光軸に沿った後方
    に、該光源手段からの射出光束を反射させる反射傘を配
    置すると共に、該反射傘は、前記光学プリズムの全反射
    面の少なくとも一部の背面に回り込むように配置して構
    成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項の
    照明装置。
  15. 【請求項15】 前記光学プリズムの第二入射面は平面
    であり、その射出光軸に対する傾きをφとしたとき、 0≦φ<2° を満足することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1
    項の照明装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項記載の
    照明装置を有することを特徴とする撮影装置。
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