JP4932189B2 - 蓄光材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高温における残光特性に優れたユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料に関する。
蛍光体の中でも、残光時間の長いものは蓄光体として知られており、生活用品、弱照明夜間標識看板、時計などの分野で広く用いられている。ユーロピウムで賦活したアルミン酸ストロンチウム(SrAl)は、蛍光特性を有するものの、残光輝度が低く、蓄光体としては有用なものではなかった(例えば、非特許文献1を参照)。また、酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、炭酸ナトリウム、酸化ユーロピウムを原料に、ホストカチオンに対してユーロピウムを1モル%、ナトリウムを2モル%、そしてフラックスとして酸化ホウ素1モル%を混合し、加熱焼成してユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウムを製造したところ、蓄光が消失するか、若しくはナトリウム無添加の場合と較べ殆ど蓄光特性に変化が見られなかったことが報告されている(非特許文献2参照)。そのため、このものにジスプロシウム等の希土類元素を共賦活剤として更に添加することにより長残光性を付与して蓄光体として使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
「フォスファー・ハンドブック(Phosphor Handbook)」,(米国),シーアールシー・プレス(CRC Press),1998年,p.655 −656 「ジャーナル オブ ソリッド ステート ケミストリー(JOURNAL OF SOLID STATE CHEMISTRY )」 171(2003)p.114−122 特開平7−11250号公報、第2頁
しかしながら、上記特許文献1に記載の希土類元素を共賦活剤として含むユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウムは、熱ルミネッセンスのピークを60〜75℃温度範囲に有しているため、夏の自動車の車内(80℃程度の温度)で用いると熱発光のため長時間の残光が得られないといった問題点を有しており、高温において十分な輝度で長残光性を示す材料が求められている。
本発明者は、高温における残光特性に優れたユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料を見出すべく種々の研究を重ねたところ、該蓄光材料製造時にアルカリ金属化合物及び特定量のホウ素化合物を原料に混合して焼成することで得られる蓄光材料は、共賦活剤を用いなくとも、常温下での残光特性のみならず残光輝度の温度特性においても特徴的な挙動を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、23℃の温度下で光照射停止120分後の残光輝度Y23℃、120minが少なくとも0.007Cd/mであって、80℃の温度下で光照射停止10分後の残光輝度Y80℃と23℃の温度下で光照射停止10分後の残光輝度Y23℃との比Y80℃/Y23℃で表される残光輝度の温度特性(TD)が少なくとも1であることを特徴とするユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料である。
また、本発明は、上記ユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料において、アルカリ金属及びホウ素を含有し、ホウ素の含有量がアルカリ土類金属に対して3〜50モル%であることを特徴とする。
さらに、本発明は、上記ユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料を製造する方法であって、アルカリ金属化合物、アルミニウム化合物、アルカリ土類金属化合物、ユーロピウム化合物及びホウ素化合物を含有し、ホウ素の含有量がアルカリ土類金属に対して3〜50モル%である混合物を加熱焼成することを特徴とする。
本発明のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料は、ジスプロシウム等の高価な希土類元素を共賦活剤として用いなくとも、長残光性を有し、しかも幅広い温度範囲で熱ルミネッセンスを示すため、広い温度領域で使用することができるものであり、使用環境の制限を受け難いものである。
本発明は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウムから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属と、ホウ素と、ストロンチウムと、ユーロピウムと、を有し、ホウ素の含有量がストロンチウムに対して3〜50モル%であり、カルシウム及びバリウムを含まず、マグネシウムの含有量がストロンチウムに対してモル比で0〜0.004であり、母体結晶がスタッフド・トリジマイト構造を有し、23℃の温度下で光照射停止120分後の残光輝度Y23℃、120minが少なくとも0.007Cd/mであって、80℃の温度下で光照射停止10分後の残光輝度Y80℃と23℃の温度下で光照射停止10分後の残光輝度Y23℃との比Y80℃/Y23℃で表される残光輝度の温度特性(TD)が少なくとも1であることを特徴とする。
本発明において残光輝度Y23℃、120minは、以下の方法にて測定した値を用いる。
(Y23℃、120minの測定方法)
23℃の温度で約1日間暗所に保持した試料にD65蛍光ランプを用いて、200lxの照度の光を20分間照射した後、照射停止120分後の試料からの残光輝度を輝度計(株式会社 トプコン製:BM−5A)を用いて測定し、Y23℃、120minとした。なお、測定中は、試料の温度を23℃に保持する。
また、本発明において残光輝度の温度特性(TD)は、以下の方法にて測定した値を用いる。
(TDの測定方法)
23℃及び80℃の温度で各々約1日間暗所に保持した試料に、飽和励起した条件にするため、キセノンランプを用いて、15万lxの照度の光を3分間照射した後、照射停止10分後の試料からの残光輝度を輝度計(株式会社 トプコン製:BM−5A)を用いて測定し(各々Y23℃、Y80℃とする)、Y80℃/Y23℃を求め、TDとした。なお、測定中も試料の温度は、各々23℃及び80℃に保持する。
本発明の蓄光材料は、上記方法で測定した残光輝度Y23℃、120minが少なくとも0.007Cd/mである。0.007Cd/mの輝度は、暗所で視認可能な輝度であり、JISZ9107(安全標識板)においても、60分後でのりん光(残光)輝度が、0.007Cd/m以上と規定されている。
さらに、本発明の蓄光材料は、上記方法で測定した残光輝度の温度特性(TD)が少なくとも1である。現在用いられているジスプロシウム等の希土類元素を共賦活剤として用いたユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩は、常温では十分な残光特性を有するものの、高温(80℃)下では、残光輝度は減少し、TDで表せば1よりも小さな値となる。これに対し、本発明の蓄光材料は、TDが少なくとも1であって、常温下での蓄光特性よりも、むしろ高温(80℃)下での蓄光特性の方が優れているという特徴を有するものである。好ましくはTDが1〜4であり、より好ましくは、TDが2〜4である。
さらに本発明は、上記ユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料において、アルカリ金属及びホウ素を含有し、しかもホウ素の含有量がアルカリ土類金属に対して3〜50モル%であることを特徴とする。
本発明において賦活剤として含むユーロピウムの量は、アルカリ土類金属に対して0.002〜20モル%の範囲が好ましい。上記範囲よりユーロピウムの量が少ないと、長残光性を付与することが困難であり、また、上記範囲より多くても、更なる長残光性の改良を期待することができない。
また、本発明において含むアルカリ金属の量は、アルカリ土類金属に対して0.002〜30モル%の範囲が好ましい。上記範囲より多くとも、更なる高温の長残光性の改良を期待することができない。より好ましい範囲は、0.01〜5モル%である。本発明の蓄光材料においては、アルカリ金属としてリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウムをそれぞれ単独で含んでも、また複数種を含んでもよい。
本発明のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及び/又はバリウムとすることができるが、高温の長残光性を発現させる上ではストロンチウムとすることが好ましい。
さらに、ジスプロシウム、ネオジム、プラセオジム、テルビウム、及びスズから選ばれる少なくとも一種の共賦活剤をさらに含む本発明のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料は、高温における残光特性を維持しながら室温での残光輝度を一層高くすることができ、好ましい。
上記共賦活剤の含有量は、アルカリ土類金属に対して0.002〜20モル%とすることが好ましい。上記範囲より共賦活剤の量が少ないと、室温でのより一層の残光輝度向上が困難であり、また、上記範囲より多くても、更なる室温での輝度向上を期待することができないばかりか、かえって高温での蓄光特性を低下させることになる。共賦活剤のより好ましい範囲は0.002〜5モル%である。
本発明の蓄光材料の母体結晶の構造はアルカリ土類金属アルミン酸塩系のものであれば特に制約を受けるものではないが、より具体的には、MAl等のスタッフド・トリジマイト構造、MAl1425等の斜方構造等(Mはアルカリ土類金属を表す)が挙げられる。中でもスタッフド・トリジマイト構造は、比較的合成しやすいので好ましい構造である。
次の本発明は、カルシウム及びバリウムを含まず、マグネシウムの含有量がストロンチウムに対してモル比で0〜0.004であるユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料の製造方法であって、リチウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物、セシウム化合物、ルビジウム化合物から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属化合物、アルミニウム化合物、ストロンチウム化合物、ユーロピウム化合物及びホウ素化合物を含有し、ホウ素の含有量がストロンチウムに対して3〜50モル%であるとともにストロンチウム化合物とアルミニウム化合物の混合割合がアルミニウム元素に対するストロンチウム元素のモル比で0.37〜0.75である混合物を加熱焼成することを特徴とする。
原料として用いることのできるアルミニウム化合物としては、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、アルミン酸ストロンチウム等が挙げられ、潮解性もなく、化学的に安定な酸化アルミニウムの使用が好ましい。
アルカリ土類金属化合物としては、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、ストロンチウム化合物、バリウム化合物をそれぞれ単独また複数種を用いることができるが、ストロンチウム化合物を用いるのが好ましい。より具体的には、例えばストロンチウム化合物としては、炭酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、窒化ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、蓚酸ストロンチウム、クエン酸ストロンチウム、酸化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウムなどが挙げられ、潮解性もなく、化学的に安定な炭酸ストロンチウムの使用が好ましい。同様に、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、バリウム化合物としてもそれらの炭酸塩、水酸化物等、上記ストロンチウム化合物の例に準じて用いることができる。アルカリ土類金属化合物とアルミニウム化合物の混合割合は、モル比で0.02〜3.0の範囲が好ましく、より好ましくは0.08〜1.5である。また、スタッフド・トリジマイト構造のアルカリ土類金属アルミン酸塩を得るには、上記混合割合を0.37〜0.75の範囲とするのが好ましく、0.42〜0.70の範囲とするのがより好ましい。
ユーロピウム化合物としては、酸化ユーロピウム、塩化ユーロピウム、蓚酸ユーロピウム、硫化ユーロピウム、硫酸ユーロピウム、硝酸ユーロピウムなどが挙げられる。ユーロピウム化合物とアルカリ土類金属化合物の混合割合は、モル比で0.00002〜0.2の範囲が好ましい。
さらに、ホウ素化合物としては、ホウ酸、酸化ホウ素などが挙げられる。ホウ素化合物は、後述のアルカリ金属化合物との複合化合物、たとえば、メタホウ酸リチウム、テトラホウ酸リチウム、メタホウ酸カリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウムなどを使用してもよい。
そしてアルカリ金属化合物としては、リチウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物、セシウム化合物、ルビジウム化合物を用いることができる。より具体的には、リチウム化合物としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、蓚酸リチウム、クエン酸リチウム、酸化リチウム、アルミン酸リチウム、メタホウ酸リチウム、テトラホウ酸リチウム、弗化リチウムなどが挙げられる。ナトリウム化合物としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、蓚酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、弗化ナトリウムなどが挙げられる。カリウム化合物としては、炭酸カリウム、水酸化カリウム、窒化カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、酢酸カリウム、蓚酸カリウム、クエン酸カリウム、酸化カリウム、アルミン酸カリウム、テトラホウ酸カリウム、弗化カリウムなどが挙げられる。また、セシウム化合物としては、炭酸セシウム、水酸化セシウム、塩化セシウム、硫酸セシウム、硝酸セシウム、弗化セシウムなどが挙げられる。さらに、ルビジウム化合物としては、炭酸ルビジウム、水酸化ルビジウム、塩化ルビジウム、硫酸ルビジウム、硝酸ルビジウム、酢酸ルビジウム、蓚酸ルビジウム、酸化ルビジウム、弗化ルビジウムなどが挙げられる。上記アルカリ金属化合物とアルカリ土類金属化合物の混合割合は、モル比で0.00002〜0.5の範囲が好ましく、より好ましくは0.0005〜0.1である。
本発明においては、原料混合物中に、さらにジスプロシウム、ネオジム、プラセオジム、テルビウム及びスズから選ばれる少なくとも一種の共賦活元素の化合物を含むことが好ましい。
ジスプロシウム化合物としては、酸化ジスプロシウム、塩化ジスプロシウム、蓚酸ジスプロシウム、硫化ジスプロシウム、硫酸ジスプロシウム、硝酸ジスプロシウム、炭酸ジスプロシウムなどが挙げられる。ネオジム化合物としては、酸化ネオジム、塩化ネオジム、蓚酸ネオジム、硫化ネオジム、硫酸ネオジム、硝酸ネオジム、炭酸ネオジムなどが挙げられる。プラセオジム化合物としては、酸化プラセオジム、塩化プラセオジム、蓚酸プラセオジム、硫化プラセオジム、硫酸プラセオジム、硝酸プラセオジム、炭酸プラセオジムなどが挙げられる。テルビウム化合物としては、酸化テルビウム、塩化テルビウム、蓚酸テルビウム、硫化テルビウム、硫酸テルビウム、硝酸テルビウムなどが挙げられる。さらに、スズ化合物としては、酸化第一スズ、酸化第二スズ、塩化スズ、蓚酸スズ、硫酸スズ、硝酸スズなどが挙げられる。上記共賦活元素の化合物とアルカリ土類金属化合物の混合割合は、モル比で0.00002〜0.2の範囲が好ましく、より好ましくは0.0005〜0.1である。
次いで、上記原料の混合物を加熱焼成してユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料を得る。加熱焼成は非酸化性雰囲気で600℃〜1700℃の範囲の温度で行うのが好ましい。非酸化性雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴン、ネオン、クリプトン等の不活性雰囲気や、それらと水素とを混合した還元性雰囲気が挙げられる。なかでも、水素:窒素(体積比)で0:1〜1:0の不活性雰囲気若しくは還元性雰囲気が好ましく、より好ましくは0.0001:0.9999〜0.5:0.5の還元性雰囲気である。また、加熱焼成温度のより好ましい範囲は900℃〜1600℃、さらに好ましくは1100℃〜1500℃の範囲の温度である。加熱時間は特に限定されないが、好ましくは0.5〜10時間である。
加熱焼成によって得られた本発明のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料は、使用目的に応じて、適宜、公知の方法により粉砕処理して粒度を整えることができる。例えば、ピンミル粉砕、ボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、バンタムミル粉砕等、一般的な粉砕方法を採用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はそれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
5.019gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)及び0.2073gのテトラホウ酸リチウム(Li)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:B:Al=0.85:0.01:0.06:0.12:2である。次いで、得られた混合物をアルミナ製の坩堝に入れ、水素:窒素=3体積%:97体積%の弱還元性雰囲気下、1200℃の温度で4時間加熱焼成した。焼成物をメノウ乳鉢で粉砕して、本発明の蓄光材料(試料A−1)を得た。
実施例2
実施例1において、酸化ジスプロシウム(Dy)0.149gを追加した以外は、同様に処理し本発明の蓄光材料(試料A−2)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:Dy:B:Al=0.85:0.01:0.06:0.02:0.12:2である。
実施例3
実施例1において、酸化プラセオジム(Pr11)0.014gを追加した以外は、同様に処理し本発明の蓄光材料(試料A−3)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:Pr:B:Al=0.85:0.01:0.06:0.002:0.12:2である。
実施例4
実施例1において、酸化テルビウム(Tb)0.015gを追加した以外は、同様に処理し本発明の蓄光材料(試料A−4)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:Tb:B:Al=0.85:0.01:0.06:0.002:0.12:2である。
実施例5
実施例1において、酸化スズ(SnO)0.012gを追加した以外は、同様に処理し本発明の蓄光材料(試料A−5)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:Sn:B:Al=0.85:0.01:0.06:0.002:0.12:2である。
実施例6
実施例1において、テトラホウ酸リチウム0.2073gの使用に代えて、0.1979gのホウ酸(HBO)と0.1182gの炭酸リチウム(LiCO)を使用した以外は、実施例1と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−6)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:Li:B:Al=0.85:0.01:0.08:0.08:2である。
実施例7
実施例6において、炭酸リチウム(LiCO)を0.1182gから0.0074gに変更した以外は、実施例6と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−7)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:Li:B:Al=0.85:0.01:0.005:0.08:2である。
実施例8
5.610gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)、0.2956gの炭酸リチウム(LiCO)及び0.1296gのテトラホウ酸リチウム(Li)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:B:Al=0.95:0.01:0.239:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−8)を得た。
実施例9
5.846gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)、0.111gの炭酸カリウム(KCO)及び0.1979gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.99:0.01:0.04:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−9)を得た。
実施例10
5.846gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)、0.185gの炭酸ルビジウム(RbCO)及び0.1979gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Rb:B:Al=0.99:0.01:0.04:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−10)を得た。
実施例11
実施例9において、炭酸ストロンチウム(SrCO)5.846gを5.019gに、炭酸カリウム(KCO)0.111gを0.014gに変更した以外は、同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−11)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:K:B:Al=0.85:0.01:0.005:0.08:2である。
実施例12
実施例9において、炭酸ストロンチウム(SrCO)5.846gを5.787gに、炭酸カリウム(KCO)0.111gを0.028gに変更した以外は、同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−12)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:K:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.08:2である。
実施例13
実施例9において、炭酸ストロンチウム(SrCO)5.846gを5.315gに、炭酸カリウム(KCO)0.111gを0.249gに変更した以外は、同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−13)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:K:B:Al=0.90:0.01:0.09:0.08:2である。
実施例14
実施例10において、炭酸ストロンチウム(SrCO)5.846gを5.019gに、炭酸ルビジウム(RbCO)0.185gを0.023gに変更した以外は、同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−14)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:Rb:B:Al=0.85:0.01:0.005:0.08:2である。
実施例15
実施例10において、炭酸ストロンチウム(SrCO)5.846gを5.787gに、炭酸ルビジウム(RbCO)0.185gを0.046gに変更した以外は、同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−15)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:Rb:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.08:2である。
実施例16
実施例10において、炭酸ストロンチウム(SrCO)5.846gを5.315gに、炭酸ルビジウム(RbCO)0.185gを0.416gに変更した以外は、同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−16)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:Rb:B:Al=0.90:0.01:0.09:0.08:2である。
実施例17
5.787gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、0.0673gの酸化ネオジム(Nd)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)、0.0148gの炭酸リチウム(LiCO)及び0.198gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:Nd:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.01:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−17)を得た。
実施例18
5.787gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、0.021gの炭酸ナトリウム(NaCO)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)、0.0148gの炭酸リチウム(LiCO)及び0.198gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:Na:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.01:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−18)を得た。
実施例19
5.315gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、0.111gの炭酸カリウム(KCO)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)、0.0887gの炭酸リチウム(LiCO)及び0.198gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:Li:B:Al=0.90:0.01:0.04:0.06:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−19)を得た。
実施例20
実施例18において、炭酸ナトリウムを添加しない以外は、実施例18と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−20)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.08:2である。
実施例21
実施例9において、0.111gの炭酸カリウム(KCO)に代えて0.275gの炭酸セシウム(CsCO)にした以外は実施例9と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−21)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Cs:B:Al=0.99:0.01:0.04:0.08:2である。
実施例22
5.019gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)、0.0007gの炭酸リチウム(LiCO)及び0.1979gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:B:Al=0.85:0.01:0.0005:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い、本発明の蓄光材料(試料A−22)を得た。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:Li:B:Al=0.850:0.010:0.0009:0.082:1.95であった。
実施例23
実施例22において0.0007gの炭酸リチウム(LiCO)に代えて0.0028gの炭酸カリウム(KCO)にした以外は実施例22と同様に処理して、本発明の蓄光材料(試料A−23)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.85:0.01:0.001:0.08:2である。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.850:0.009:0.001:0.090:2.01であった。
実施例24
実施例22において0.0007gの炭酸リチウム(LiCO)に代えて0.0046gの炭酸ルビジウム(RbCO)にした以外は実施例22と同様に処理して、本発明の蓄光材料(試料A−24)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Rb:B:Al=0.85:0.01:0.001:0.08:2である。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:Rb:B:Al=0.850:0.010:0.0001:0.092:1.91であった。
実施例25
実施例22において0.0007gの炭酸リチウム(LiCO)に代えて1.106gの炭酸カリウム(KCO)にした以外は実施例22と同様に処理して、本発明の蓄光材料(試料A−25)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.85:0.01:0.4:0.08:2である。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.850:0.010:0.18:0.004:1.93であった。
実施例26
5.728gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)、0.042gの炭酸ナトリウム(NaCO)及び0.056gの酸化ホウ素(B)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.97:0.01:0.02:0.04:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−26)を得た。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.970:0.009:0.001:0.031:1.86であった。
実施例27
実施例26において、0.056gの酸化ホウ素(B)に代えて0.1979gのホウ酸(HBO)にした以外は実施例26と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−27)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.97:0.01:0.02:0.08:2である。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.970:0.009:0.007:0.073:2.03であった。
実施例28
実施例27において、5.728gの炭酸ストロンチウム(SrCO)を5.905gに、炭酸ナトリウム(NaCO)0.042gを0.021gに変更した以外は実施例27と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−28)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=1.00:0.01:0.01:0.08:2である。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=1.000:0.009:0.003:0.075:1.924であった。
実施例29
実施例28において、5.905gの炭酸ストロンチウム(SrCO)を5.787gに変更した以外は実施例28と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−29)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.08:2である。
実施例30
実施例29において、5.787gの炭酸ストロンチウム(SrCO)を5.610gに変更した以外は実施例29と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−30)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.95:0.01:0.01:0.08:2である。
実施例31
実施例28において、5.905gの炭酸ストロンチウム(SrCO)を5.019gに変更した以外は実施例28と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−31)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.85:0.01:0.01:0.08:2である。
実施例32
実施例31において炭酸ナトリウム(NaCO)0.021gを0.011gに変更した以外は実施例31と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−32)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.85:0.01:0.005:0.08:2である。
実施例33
実施例12において、0.197gのホウ酸(HBO)を0.099gに変更した以外は実施例12と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−33)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.04:2である。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.980:0.008:0.001:0.032:1.87であった。
実施例34
実施例33において、0.099gのホウ酸(HBO)を0.297gに変更した以外は実施例33と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−34)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.12:2である。
実施例35
実施例34において、0.297gのホウ酸(HBO)を0.396gに変更した以外は実施例34と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−35)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.16:2である。
実施例36
実施例12において、5.787gの炭酸ストロンチウム(SrCO)を5.905gに変更した以外は実施例12と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−36)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=1.00:0.01:0.01:0.08:2である。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=1.00:0.008:0.0005:0.067:1.88であった。
実施例37
5.846gのBa 10ppm以下の炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(α−Al)、0.0148gの炭酸リチウム(LiCO)及び0.198gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Li:B:Al=0.99:0.01:0.01:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−37)を得た。
実施例38
5.787gのBa 10ppm以下の炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(γ−Al)、0.028gの炭酸カリウム(KCO)及び0.198gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−37)を得た。
実施例39
実施例38において、0.006gの酸化マグネシウム(MgO)を追加した以外は実施例38と同様に処理して本発明の蓄光材料(試料A−39)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:B:Mg:Al=0.98:0.01:0.01:0.08:0.004:2である。
実施例40
5.669gのBa 10ppm以下の炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(α−Al)、0.021gの炭酸ナトリウム(NaCO)、0.149gの酸化ジスプロシウム(Dy)及び0.198gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Na:Dy:B:Al=0.96:0.01:0.01:0.02:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−40)を得た。
実施例41
5.787gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(γ−Al)、0.028gの炭酸カリウム(KCO)、0.075gの酸化ジスプロシウム(Dy)及び0.198gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:K:Dy:B:Al=0.98:0.01:0.01:0.01:0.08:2である。焼成は、実施例1と同様に行い本発明の蓄光材料(試料A−41)を得た。
比較例1
実施例1において、テトラホウ酸リチウム0.2073gの使用に代えて、0.1979gのホウ酸(HBO)を使用した以外は、実施例1と同様に処理して比較試料の蓄光材料(試料B−1)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:B:Al=0.85:0.01:0.08:2である。
比較例2
5.728gの炭酸ストロンチウム(SrCO)、0.070gの酸化ユーロピウム(Eu)、4.078gの酸化アルミニウム(λ−Al)、0.149gの酸化ジスプロシウム(Dy)及び0.198gのホウ酸(HBO)をメノウ乳鉢を用いて混合した。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Dy:B:Al=0.97:0.01:0.02:0.08:2である。次いで、得られた混合物をアルミナ製の坩堝に入れ、水素:窒素=3体積%:97体積%の弱還元性雰囲気下、1400℃の温度で2時間加熱焼成した。焼成物をメノウ乳鉢で粉砕して、比較試料の蓄光材料(試料B−2)を得た。
比較例3
実施例26において、酸化ホウ素(B)0.056gを、0.028gに変更した以外は実施例26と同様に処理して比較試料の蓄光材料(試料B−3)を得た。原料粉末の配合割合は、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.97:0.01:0.02:0.02:2である。得られた試料の元素分析をしたところ、モル比で表してSr:Eu:Na:B:Al=0.970:0.009:0.000:0.018:1.86であった。
比較例4
実施例29において、炭酸ナトリウム(NaCO)0.042g添加しなかった以外は、実施例29と同様に処理して比較試料の蓄光材料(試料B−4)を得た。なお、原料粉末の配合割合は、Sr:Eu:B:Al=0.98:0.01:0.08:2である。
実施例1〜41及び比較例1〜4で得られた試料A−1〜41及びB−1〜4をX線回折分析測定装置(RINT1000:株式会社リガク製)を用いて、粉末X線回折したところ、何れの試料も主生成相はスタッフド・トリジマイト構造を有していた。試料A−12の粉末X線回折図を図1に示した。
さらに、実施例1〜41及び比較例1〜4で得られた試料A−1〜41及びB−1〜4の蓄光特性(相対残光輝度)を以下のようにして評価し、配合組成と共に表1に示した。
(相対残光輝度の測定方法)
相対残高輝度の測定には、分光蛍光光度計(FR−6500・日本分光製)を用いた。
室温(25℃)にて時間変化測定モードて試料に400nmの波長の光を3分間光照射し、その後光照射を停止し10分後及び30分後の輝度を測定した。結果を、試料B−1の10分後の残光輝度を100とする相対強度で表わし表1に示した。
Figure 0004932189
Figure 0004932189
次に、残光輝度の時間変化を以下の方法により測定した。用いた試料は、試料A−1、A−2、A−12、A−9及びB−2である。先ず、プレスした試料を試料ホルダーにセットして、約1日間暗所に保持する。D65蛍光ランプにより、200lxで20分間試料を励起した後、試料からの残光輝度の時間変化を輝度計(株式会社 トプコン製:BM−5A)を用いて測定した。測定中は室温を23℃に維持した。結果を図2及び図3に示した。
また、下記方法にて熱ルミネッセンスを測定した。
キセノンランプを用い試料に15万lxの照度の光を3分間照射し、その後光照射を停止し0.2K/sの速度で昇温しながら試料からの発光をホトセンサ−を用いて測定した。試料A−9、A−12、及びB−2の結果を図4に示した。比較例の試料B−2が、50℃から70℃に熱ルミネッセンスを示すのに対して、本発明の試料A−9、A−12は、熱ルミネッセンスのピークを120℃前後の高温に示した。熱ルミネッセンスのピーク温度が高く強くなったことより、キャリアの捕獲準位が深いことがわかる。
さらに、前記した方法で測定した残光輝度Y23℃、120min及び温度特性TD(Y80℃/Y23℃)の結果を表2に示した。また、それらの相関図を図5に示した。
Figure 0004932189
図5より、本発明の蓄光材料は、残光輝度Y23℃、120minと温度特性TD(Y80℃/Y23℃)との関係において、特徴的な位置付けにあることがわかった。すなわち、従来技術においては、(1)ユーロピウムのみで賦活したアルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料は温度特性は優れているものの、残光輝度自体が低く、実用化できるものではない、(2)さらにジスプロシウムを共賦活したアルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料は、残光輝度自体は高く、実用化されているが、その温度特性は低く、そのため使用環境に制約を受けるものであるのに対し、本発明の蓄光材料は、残光輝度並びにその温度特性が共に優れていることが判った。そのため、本発明の蓄光材料は、常温下のみならず、高温環境下での使用にも適したものである。
本発明のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料は、通常の蓄光材料としての用途のみならず、高温下での使用にも適したものである。
試料A−12の粉末X線回折図である。 試料A−1及びA−9の残光輝度の時間変化を示す図である。 試料A−2、A−12及びB−2の残光輝度の時間変化を示す図である。 試料A−9、A−12、及びB−2の熱ルミネッセンスを示す図である。 残光輝度Y23℃、120minと温度特性TD(Y80℃/Y23℃)との関係を示す図である。

Claims (10)

  1. リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウムから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属と、
    ホウ素と、
    ストロンチウムと、
    ユーロピウムと、を有し、
    ホウ素の含有量がストロンチウムに対して3〜50モル%であり、
    カルシウム及びバリウムを含まず、マグネシウムの含有量がストロンチウムに対してモル比で0〜0.004であり、
    母体結晶がスタッフド・トリジマイト構造を有し、
    23℃の温度下で光照射停止120分後の残光輝度Y23℃、120minが少なくとも0.007Cd/m2であって、80℃の温度下で光照射停止10分後の残光輝度Y80℃と23℃の温度下で光照射停止10分後の残光輝度Y23℃との比Y80℃/Y23℃で表される残光輝度の温度特性(TD)が少なくとも1であることを特徴とするユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料。
  2. ユーロピウムをストロンチウムに対して0.002〜20モル%含むことを特徴とする請求項1に記載のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料。
  3. アルカリ金属をストロンチウムに対して0.002〜30モル%含むことを特徴とする請求項1に記載のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料。
  4. さらに、ジスプロシウム、ネオジム、プラセオジム、テルビウム、及びスズから選ばれる少なくとも一種の共賦活剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料。
  5. 共賦活剤をストロンチウムに対して0.002〜20モル%含むことを特徴とする請求項4に記載のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料。
  6. リチウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物、セシウム化合物、ルビジウム化合物から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属化合物、アルミニウム化合物、ストロンチウム化合物、ユーロピウム化合物及びホウ素化合物を含有し、ホウ素の含有量がストロンチウムに対して3〜50モル%であるとともにストロンチウム化合物とアルミニウム化合物の混合割合がアルミニウム元素に対するストロンチウム元素のモル比で0.37〜0.75である混合物を加熱焼成することを特徴とする、カルシウム及びバリウムを含まず、マグネシウムの含有量がストロンチウムに対してモル比で0〜0.004であるユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料の製造方法。
  7. 混合物が、さらに、ジスプロシウム、ネオジム、プラセオジム、テルビウム及びスズから選ばれる少なくとも一種の共賦活元素の化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料の製造方法。
  8. アルカリ金属化合物とストロンチウム化合物の混合割合がストロンチウム元素に対するアルカリ金属元素のモル比で0.00002〜0.5であり、ユーロピウム化合物とストロンチウム化合物の混合割合がストロンチウム元素に対するユーロピウム元素のモル比で0.00002〜0.2であることを特徴とする請求項6に記載のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料の製造方法。
  9. 共賦活元素の化合物とストロンチウム化合物の混合割合がストロンチウム元素に対する共賦活元素のモル比で0.00002〜0.2であることを特徴とする請求項7に記載のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料の製造方法。
  10. 非酸化性雰囲気下、600〜1700℃の範囲の温度で加熱焼成することを特徴とする請求項6に記載のユーロピウム賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩系蓄光材料の製造方法。
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