JP4931284B2 - 電子写真装置のローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に帯電ローラ,現像ローラ,転写ローラなどの電子写真装置の部材に使用される、導電剤を添加した塗膜を有する電子写真装置のローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンター,複写機,FAXなどの電子写真装置には、帯電ローラ,現像ローラ,転写ローラ,除電ローラ,現像ブレードなどの部材が用いられているが、これらの部材に対しては、いずれも半導電性領域の抵抗値を有することが要求されている。
一般に、上記半導電性部材の抵抗値を制御する方法としては、基材となる弾性体上に塗膜などから成る抵抗調整層を形成し、この抵抗調整層中にイオン,カーボン,金属酸化物等の導電物質を添加して、その添加量をコントロールする方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、イオンを用いた場合には、抵抗のバラツキが少ないものの、比較的高抵抗領域しかカバーできないだけでなく、抵抗が環境に左右されやすいといった問題点があった。その上、通電により抵抗が変化しやすく、また、イオンがブリードして汚染源になりやすいなどの問題を抱えている。
一方、カーボンや金属酸化物等の導電物質を用いた場合には、抵抗が環境に左右されにくい、通電による抵抗の変化が少ない、汚染問題が発生しにくい、必要とする抵抗領域をカバーできる、など多くのメリットがあるものの、抵抗のバラツキが大きいことや、抵抗の電圧依存性が大きいなどの問題を抱えている。そこで、抵抗の再現性・安定性を向上させるため、上記導電物質とともに分散剤を添加する試みが一部で検討されているが、上記添加剤自体が汚染源となりやすいといった新たな問題を生じさせている。
【0004】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、塗膜などから成る抵抗調整層に添加する導電剤を改質し、帯電ローラや現像ローラなどに好適に用いられる、バラツキが小さく、かつ安定した抵抗を有する半導電性部材と、上記半導電性部材を用いた電子写真装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、弾性体等の基材の表面に、所定の樹脂、好ましくはイオンを添加した所定の樹脂を予めコーティングしたカーボン,金属粉,金属酸化物等の導電剤を添加した塗膜から成る抵抗調整層を形成することにより、抵抗のバラツキの少ない電子写真装置のローラを安定的に得ることができることを見いだし、本発明に到ったものである。
すなわち、請求項1に記載の電子写真装置のローラは、基材表面に導電剤を添加した樹脂から成る塗膜層が形成された電子写真装置のローラであって、上記塗膜層を構成する樹脂に添加される導電剤には予めイオンを添加した樹脂がコーティングされていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の電子写真装置のローラは、上記樹脂のコーティング量を、上記導電剤に対して、0.01〜50wt%としたものである。
請求項3に記載の電子写真装置のローラは、上記導電剤を、カーボン,金属粉,金属酸化物の少なくとも1つあるいはこれらの混合物としたものである。
請求項4に記載の電子写真装置のローラは、上記樹脂がコーティングされた導電剤において、下記の関係式に示す、上記樹脂成分の溶剤不溶率を50%以上としたものである。
ここで、溶剤不溶率(%)=(B/A)×100
但し、A;樹脂コーティングした導電剤中の樹脂成分の溶剤浸漬前重量
B;樹脂コーティングした導電剤を、良溶媒中に、25℃,24hr
浸漬した後の樹脂成分の重量
請求項5に記載の電子写真装置のローラは、その表面粗さ(十点平均表面粗さRz)を4μm以下としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導電性部材は、プリンター,複写機,FAXなどの電子写真装置に用いられる帯電ローラ,現像ローラ,転写ローラ,除電ローラ,現像ブレードなど部材して用いられ、その形状としては、通常、ロール状のものが多く用いられている。ロール状の場合には、例えば、図1(a),(b)に示すように、金属あるいはプラスチック製のシャフト11と、このシャフト11の外周に形成された弾性層12と、上記弾性層12の表面に形成された、導電剤を添加した樹脂から成る塗膜層13とを備えた帯電ローラ10を例示することができる。
【0007】
本発明では、基材となる弾性体表面に、予め樹脂をコーティングした導電剤を添加した塗膜層を形成する。すなわち、上記導電剤として、予め樹脂をコーティングした導電剤を用いることにより、コーティングされていない導電剤である、通常のカーボンや金属酸化物などの導電剤をそのまま用いた場合に比べて、上記導電剤の分散性を制御することが容易となり、抵抗のバラツキや抵抗の電圧依存性を小さくすることができる。
このとき、上記樹脂のコーティング量としては、コーティングされる元の導電剤に対して、0.01〜50wt%、好ましくは0.01〜30wt%、更に好ましくは0.01〜20wt%が適当である。コーティング量が上記範囲よりも少ないと十分な分散性改良の効果は得られず、また、上記範囲よりも多いと、後述するように導電性が十分に得られない。
ところで、単に樹脂をコーティングすると、当然、上記導電剤の有する本来の導電性を損なう方向になり、分散性は制御できるものの、導電剤添加した塗膜などの抵抗調整層の導電性を発現しにくくなる。そこで、本発明においては、以下のような樹脂をコーティング樹脂として選択することにより、分散性と導電性という二律背反する問題を解決する。すなわち、上記導電剤にコーティングする樹脂にイオンを添加し、分散性は主に上記コーティングする樹脂によって制御し、導電性を上記イオンによって補償する。
【0008】
上記コーティングする樹脂は、後述するイオンが溶解ないしは分散すれば、いずれの樹脂種であってもよい。このコーティングする樹脂の例としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよく、特に、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルウレタン樹脂が好適である。また、後述する弾性層を構成する材料と同種の樹脂種を少なくとも1種含むことが好適である。
【0009】
また、コーティングする樹脂に添加するイオンとしては、テトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ドデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム),ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ステアリルトリメチルアンモニウム),ベンジントリメチルアンモニウム,変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム,ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。
これらイオンは、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよく、その添加量は特に制限はないが、上記樹脂100重量部に対して、通常0.01〜30重量部、好ましくは0.01〜15重量部の範囲で選ばれる。
【0010】
コーティングされる導電剤は、いわゆる導電性物質であり、カーボン、金属、金属酸化物などが挙げられる。例示すると、ケッチェンブラック,アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、あるいは、アンチモンドープの酸化錫,酸化チタン,酸化亜鉛、ニッケル,銅,銀,ゲルマニウム等の金属、金属酸化物などが挙げられる。
【0011】
また、上記樹脂をコーティングする方法としては、例えば、ディスパコート、コートマイザーなどが挙げられる。
ディスパコートは、上部に設けられた粉体供給部と、横方向から多段に液体を供給できる多段分散器とを備えたもので、この多段分散器の操作条件を制御して、上記粉体供給部から供給される導電性粉体の表面にコーティング樹脂を含む液体成分を付着させたり、導電性粉体表面を液で濡らす操作を非常に短時間で実施することができる。
コートマイザーは、ジェット噴流中にコーティングすべき導電性粉末を供給して分散層を作り、次に、これと並行する位置にコーティング樹脂を含む液滴の微粒子で作られた霧状の流れを形成して上記被コーティング導電性粉体と衝突させ、上記導電性粉体の表面を樹脂コーティングする方法である。
【0012】
また、上記樹脂をコーティングした導電剤に関して、下記の関係式に示す、上記樹脂成分の溶剤不溶率を50%以上、特に70%以上とすることが好ましい。
溶剤不溶率(%)=(B/A)×100
但し、A;樹脂コーティングした導電剤中の樹脂成分の溶剤浸漬前重量
B;樹脂コーティングした導電剤を、良溶媒中に、25℃,24hr浸漬した後の樹脂成分の重量
上記溶剤不溶率が50%未満では、本発明の半導電性部材を、プリンター,複写機,FAXなどの電子写真装置に装着される帯電ローラ,現像ローラ,転写ローラ,除電ローラなどの半導電性ローラ部として用いた場合に、OPCなどの感光体接触部位に汚染が発生し、画像上に不具合を生じる。
なお、上記溶剤不溶率測定用の溶剤としては、フッ素樹脂に対してはメチルエチルケトンなどを、ポリアミド樹脂に対してはメタノールなどを、アクリルウレタン樹脂に対してはメチルエチルケトン,トルエンなどを、メラミン樹脂に対してはアセトン,イソプロパノールなどを、また、シリコーン樹脂に対してはトルエンなどを用いることが好ましい。
【0013】
上記予め樹脂をコーティングした導電剤を添加する塗膜層を構成する樹脂としては、いずれの樹脂種であってもよい。例示すると、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよく、特に、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルウレタン樹脂が好適である。また、必要に応じてシリカ,炭酸カルシウムなどの充填剤、可塑剤、老化防止剤、着色剤などを適宜配合してもよい。
また、上記塗膜層は1層でも、あるいは複数層でもよく、厚みも適宜選択されるが、通常は、0.5〜500μmの範囲が使用される。
なお、この塗膜層の形成方法としては、塗料からのディッピング法やスプレー法あるいは溶融樹脂からの押出し法などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、上記塗膜層の抵抗は適宜選定されるが、104〜1014Ω・cm、特に、104〜109Ω・cmの半導電性領域に調整するのが好適である。この抵抗のバラツキの発生しやすい半導電性領域においては、本発明の予め樹脂をコーティングした導電剤を添加することにより、抵抗のバラツキを効果的に低減することができる。
【0014】
また、上記塗膜層の内部に設けられる弾性層を構成する弾性体としては、弾性機能を有するものであれば特に制限はないが、例示すれば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、特に、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムが好ましい。また、必要に応じてシリカ,炭酸カルシウムなどの充填剤、可塑剤、架橋促進剤、架橋遅延剤、老化防止剤、着色剤などを適宜配合してもよい。
なお、上記弾性体は発泡体でもよく、この場合には、密度としては0.05〜0.9g/cm3が適当である。
【0015】
また、本発明の目的とするとところは、抵抗のバラツキを低減することにあるので、形状的にも均一であることが望ましく、半導電性部材表面の表面粗さとしては、十点平均粗さRzが4μm以下となるようにすることが好ましい。
なお、本発明の半導電性部材は、例えば、プリンター,複写機,FAXなどの電子写真装置に用いられる帯電ローラ,現像ローラ,転写ローラ,除電ローラ,現像ブレードなど部材に好適に用いられるもので、具体的には、図2に示すように、感光ドラム(OPCドラム)20に、本発明の半導電性部材である帯電ローラ10を接触させつつ従動回転させるとともに、電圧印加手段30により、上記感光ドラム20と帯電ローラ10との間に、直流電圧、あるいは直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して上記感光ドラム20を帯電させるように構成されたプリンタの帯電装置を例示することができる。本発明の半導電性部材は、抵抗のバラツキが小さく、かつ安定した抵抗を有するだけでなく、汚染問題も発生しにくいので、良好な画像を得ることができる電子写真装置を安定して供給することができる。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
[実施例1]
導電性のウレタンフォームから成る弾性層の表面に、厚さ100μmの樹脂層Xを形成し、更にその上に、厚さ10μmの樹脂層Yを形成した帯電ローラを作製した。
樹脂層Xは、水分散性ポリエステル樹脂バイロナールMD1930(東洋紡製)と水分散性ウレタン樹脂U40(住友バイエルウレタン製)とを7対3の比率で混合した樹脂に、以下示す樹脂コーティングCBタイプAを30phr添加した塗料を用いて作製した。
樹脂層Yは、アクリルウレタン樹脂EAU65B(亜細亜工業製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX(亜細亜工業製)とを、固形分重量比で6対4なるように調整した樹脂に、以下に示す樹脂コーティングCBタイプBを12phr添加した塗料を用いて作製した。
上記樹脂コーティングCBタイプAは、#95カーボン(三菱化学製)を用い、予めコーティングする樹脂としてアクリルウレタン樹脂EAU65B(亜細亜工業製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX(亜細亜工業製)を選択した。なお、EAU65BとエクセルハードナーHXとの比率は、固形分重量比で6対4となるように調整して用いた。
コーティング方法は、スパイラルフロー装置(フロイント製)を用いて、#95カーボンを流動させた状態で、MEK溶剤中に上記アクリルウレタン樹脂と架橋剤とを混合した溶液を霧状で吹き込み、上記#95カーボン表面に上記樹脂をコーティングするとともに、加温し、予め樹脂をコーティングした#95カーボン粒子を作製した。
上記樹脂コーティングCBタイプBは、MA100カーボン(三菱化学製)を用い、予めコーティングする樹脂としてアクリルウレタン樹脂EAU65B(亜細亜工業製)/イオン:4級アンモニウムの過塩素塩KS555(花王製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX(亜細亜工業製)を選択した。なお、EAU65BとKS555とエクセルハードナーHXとの比率は、固形分重量比で6対0.48対4となるように調整して用いた。コーティング方法は、上記コーティングCBタイプAの場合と同様に、上記スパイラルフロー装置を用いて行った。
【0017】
[実施例2]
上記実施例1に用いた樹脂コーティングCBタイプBに代えて、上記樹脂コーティングCBタイプBにおける予めコーティングする樹脂を、ウレタン樹脂DP307(三洋化学製)/イオン:4級アンモニウムの過塩素塩KS555(花王製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX(亜細亜工業製)とした樹脂コーティングCBタイプCを用い、それ以外については上記実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。
なお、DP307とKS555とエクセルハードナーHXとの比率は、固形分重量比で4.5対0.36対1なるように調整して用いた。
【0018】
[参考例1]
上記実施例1に用いた樹脂コーティングCBタイプBに代えて、上記樹脂コーティングCBタイプBにおける予めコーティングする樹脂を、アクリルウレタン樹脂EAU65B(亜細亜工業製)/イオン:4級アンモニウムの過塩素塩KS555(花王製)のみとしたとした樹脂コーティングCBタイプDを用い、それ以外については上記実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。
[参考例2]
上記実施例1において、塗膜層Xを省略し、それ以外については上記実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。なお、この帯電ローラは、有機溶剤系塗料である塗膜層Yを直接ウレタンフォーム上にディッピング法により形成したので、上記ウレタンフォームが膨潤してしまった。
【0019】
[比較例1]
上記実施例1に用いた樹脂コーティングCBタイプBに代えて、樹脂コーティングCBタイプBにおける予めてコーティングする樹脂成分からイオンを除いた樹脂コーティングCBタイプEを用い、それ以外については上記実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。
[比較例2]
上記実施例2に用いた樹脂コーティングCBタイプBに代えて、樹脂コーティングCBタイプBにおいて予め樹脂をコーティングする樹脂成分から、イオンを除いた樹脂コーティングCBタイプFを用い、それ以外については上記実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。
[比較例3]
上記実施例1において、MA100カーボンを、樹脂コーティングをせずにそのまま用い、それ以外については上記実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。
【0020】
このようにして作製された実施例,参考例及び比較例のそれぞれの帯電ローラについて、各特性を測定するとともに、上記帯電ローラをプリンタに搭載して画像出しテスト及び汚染テストを行った結果を図3の表に示す。
なお、特性の測定及びテスト結果については、以下の基準に従って行った。
(1)コーティングされた樹脂量
予め樹脂をコーティングしたカーボンについて、TGA装置を用いて、昇温速度20℃/min.で800℃まで昇温し、その重量変化により、コーティングされた樹脂量を算出した。
(2)溶剤不溶率
予め樹脂コーティングしたカーボンについて、MEK溶液中に25℃で24時間浸漬した後、100℃で5時間乾燥させ、乾燥後の重量を測定した。上記TGAからの浸漬前の樹脂量、及び浸漬前後の重量変化により、以下の式にしたがって溶剤不溶率を算出した。
溶剤不溶率(%)=(B/A)×100
ここで、Aは樹脂コーティングした導電剤中の樹脂成分の溶剤浸漬前重量を示し、Bは良溶媒中に樹脂コーティングした導電剤を、25℃,24hr浸漬した後の樹脂成分の重量を示す。
(3)ローラ表面粗さ
作製した帯電ローラ表面を、表面粗さ測定装置(東京精密製サーフコム120A)を用い、十点平均粗さRzを測定した。
(4)ローラ抵抗及び抵抗のバラツキ
作製した弾性体ローラと金属ドラムとを500g荷重で圧接し、回転させた状態で、上記ローラと金属ドラム間に500Vを印加して上記ローラの抵抗を測定した。ローラ抵抗は平均値を、ローラ抵抗のバラツキはローラ1回転内における最大抵抗と最小抵抗との差とした。
(5)画像出しテスト及び汚染テスト
作製した帯電ローラを市販のLBPに装着し、画像出し(ハーフトーン画像)を行い、画像状態を目視判定した。
また、作製した帯電ローラとOPCドラムとを1000kg荷重で圧接し、40℃,85%RH環境下に10日間放置した後、上記OPCドラムをプリンタ装置に装着し、画像出しを10枚行い、この10枚のプリント時の画像不良具合にて汚染状態を判断した。このとき、上記圧接部位に相当する画像位置にライン状の不良が発生した場合をNGと判定した。
【0021】
図3に示した、特性測定結果及びテスト結果から明らかなように、本発明の実施例1,2の帯電ローラは、抵抗のバラツキが小さく、かつ安定した抵抗を有し、プリンターに搭載した際にも、良好な画像を得ることができるとともに、汚染問題も発生しなかった。
これに対して、上記実施例1,2のコーティング樹脂成分からイオンを除いた比較例1,2では、導電性が補償されないため、ローラ抵抗値が増加しただけでなく、抵抗のバラツキも大きくなり、プリンターに搭載した際にも、画像の均一性が得られなかった。また、カーボンをそのまま用いた比較例3では、ローラ抵抗値は調整できたものの、分散性が悪くローラ表面粗さが大きくなっただけでなく、抵抗のバラツキも1桁以上大きくなった。更に、プリンターに搭載した際にも、画像の均一性が最も悪かった。
一方、実施例1の架橋剤を省略した参考例1では汚染問題が発生し、実施例1の塗膜層Xを省略した参考例2では、上述したように、ウレタンフォームが膨潤してしまい、ローラ表面粗さが大きくなり、画像も若干劣化した。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、弾性体等の基材表面に導電剤を添加した樹脂から成る塗膜層が形成された電子写真装置のローラにおいて、上記塗膜層を構成する樹脂に添加される導電剤に、予めイオンを添加した樹脂をコーティングするようにしたので、抵抗のバラツキが小さく、かつ安定した抵抗を有する電子写真装置のローラを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる半導電性部材の構成を示す図である。
【図2】 本発明に係わるプリンタの帯電装置の概略構成図である。
【図3】 本発明に係わる半導電性部材の試作結果を示す図である。
【符号の説明】
10 帯電ローラ、11 シャフト、12 弾性層、13 塗膜層、20 感光ドラム、30 電圧印加手段。
Claims (5)
- 基材表面に導電剤を添加した樹脂から成る塗膜層が形成された電子写真装置のローラであって、上記塗膜層を構成する樹脂に添加される導電剤には、予めイオンを添加した樹脂がコーティングされていることを特徴とする電子写真装置のローラ。
- 上記樹脂のコーティング量を、上記導電剤に対して、0.01〜50wt%としたことを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置のローラ。
- 上記導電剤を、カーボン,金属粉,金属酸化物の少なくとも1つあるいはこれらの混合物としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真装置のローラ。
- 上記樹脂がコーティングされた導電剤において、下記の関係式に示す、上記樹脂成分の溶剤不溶率を50%以上としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子写真装置のローラ。
溶剤不溶率(%)=(B/A)×100
但し、A;樹脂コーティングした導電剤中の樹脂成分の溶剤浸漬前重量
B;樹脂コーティングした導電剤を、良溶媒中に、25℃,24hr
浸漬した後の樹脂成分の重量 - 表面粗さを4μm以下としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子写真装置のローラ。
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