JP4509957B2 - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浸漬槽内の塗布液に被塗布物を浸漬した後引き上げることによって、被塗布物の表面に塗膜を形成するための浸漬塗布法およびそのための装置に関する。
被塗布物表面に塗膜を形成するための一般的な方法として、塗膜材料を溶剤などに溶解もしくは分散させた塗布液に被塗布物を浸漬した後引き上げることにより塗膜を形成する方法、いわゆる浸漬塗布法がある。
塗布装置は、図1に示す構成のものが一般的である。この場合、循環ポンプPuで貯蔵タンクT内の塗布液を、配管を介してフィルターFで濾過しながら浸漬槽Dに送り込み、その上部からオーバーフローさせ、配管を介して貯蔵タンク内へ還流させる。このようにして塗布液を一定量循環させながら、浸漬槽に被塗布物を浸漬し引き上げることにより、被塗布物の表面に塗膜を形成する。
上述のような装置において、特に付着性の高い塗布液を使用した際、装置の内面に塗布液が付着し固化したものがやがて剥がれ落ちて塗布液に混入し、被塗布物に形成される塗膜の品質を阻害するようになることがあった。
主として、塗布装置は使用中塗布液に塵埃が混入してくるため、塗布装置には塵埃を除去するために塗布液の循環経路にフィルターが取り付けられている。フィルターの孔径が小さい程細かい塵埃まで除去できて好ましいが、孔径を小さくするには限度があり、また、塗布液が分散液である場合には孔径を例えば10μm程度以下にすることができないという制約もあり、フィルターによる塵埃除去には限度がある。また、浸漬槽中で付着が発生した際には、フィルターでは塗膜への影響を防止することが出来ない。また、一つの塗布装置において、多数個の製品への塗布を行なう際には、浸漬槽中の塗布液量が多くなるため、液流量が配管に比べて少なく、より付着・固化し易くなることもある。
従って、長期的に塗膜への異物混入等がなく、安定して塗布を行なうことが難しく、定期的に塗布装置を分解して、塗布工程中に装置内面に形成された塗膜を除去し、浸漬槽を清浄にし、塗布液を更新するメンテナンスが必要となる。これらの工程には多くの時間と労力を要していた。
この課題に対して、塗布装置の内面を、塗布液の表面張力よりも小さい臨界表面張力を持つ材料で被覆し、装置内面への塗布液の付着・固化を防止するという技術がある(特許文献1)。
しかしながら、浸漬槽のオーバーフローする面まで上記材料で被覆すると、塗布液のオーバーフロー面で、塗布液がハジキ易くなり、オーバーフローが均一になりにくく、塗膜にムラが発生することがあった。
特開平5−269418号公報
本発明の目的は、浸漬槽内面に塗布液が付着・固化したものにより塗膜品質が阻害されることなく、かつ、オーバーフローの均一性を向上させてより均一な塗布を行うことのできる浸漬塗布装置および方法を提供することである。
本発明により、貯蔵タンク、浸漬槽、貯蔵タンクから浸漬槽へ塗布液を送り浸漬槽からオーバーフローした塗布液を貯蔵タンクへ戻すための塗布液循環経路となる配管、および循環ポンプを備え、浸漬槽中の塗布液に被塗布物を浸漬し引き上げることにより、該被塗布物の表面に塗膜を形成する塗布装置において、
該浸漬槽の内面が、臨界表面張力が塗布液の表面張力よりも小さい材料で被覆されており、かつ、
該浸漬槽の塗布液がオーバーフローする面が、臨界表面張力が塗布液の表面張力以上の材料で形成されていること
を特徴とする塗布装置が提供される。
本発明により、貯蔵タンクから浸漬槽へ塗布液を送り、浸漬槽からオーバーフローした塗布液を貯蔵タンクへ戻しながら、浸漬槽中の塗布液に被塗布物を浸漬し引き上げることにより、該被塗布物の表面に塗膜を形成する塗布方法において、
内面が、臨界表面張力が塗布液の表面張力よりも小さい材料で被覆されており、かつ、
塗布液がオーバーフローする面が、臨界表面張力が塗布液の表面張力以上の材料で形成されている浸漬槽を用いる
ことを特徴とする塗布方法が提供される。
本発明によれば、浸漬槽内面に塗布液が付着・固化したものにより塗膜品質が阻害されることなく、かつ、オーバーフローの均一性を向上させてより均一な塗布を行うことのできる浸漬塗布装置および方法が提供される。
以下に本発明の形態を詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
本発明によれば、優れて均一に、品質の良い塗膜を形成できる。従って本発明は被塗布物表面に機能性の膜を塗膜として形成するために好適に用いることができる。例えば、電子写真用導電性部材の製造のために、被塗布物上に分散液状あるいは溶液状の塗布液を塗布して導電層を形成する際に好適に用いることができる。
以下では、電子写真用の導電性部材、特にはローラ形状の帯電部材(帯電ローラ)の表面被覆層の形成に関して詳述する。帯電部材以外の、現像剤担持部材、転写部材、クリーニング部材、除電部材等の被接触物を電気的にコントロールする導電性部材において、被覆層を形成する場合も、同様の考え方が適用されうる。また、帯電部材の帯電の形態について言えば、AC帯電のみならず、AC帯電よりも使用可能条件が厳しいと考えられるDC帯電の帯電ローラを製造する際にも、本発明は好適に利用できる。
(1)塗布装置
本発明に係る塗布装置は、浸漬槽の内面およびオーバーフロー面の臨界表面張力に関する点以外は、構造的には従来と同様のものでよい。例えば、図1に示した構成で、浸漬槽Dの内面が塗布液の表面張力より臨界表面張力の小さい材料で被覆されおり、かつ、オーバーフローする面(浸漬槽の最上面)D1が塗布液の表面張力と同じもしくは大きい臨界表面張力の材料のものである。そうして、従来と同様に、循環ポンプPuにより貯蔵タンクT内の塗布液を配管を介してフィルターFで濾過しながら浸漬槽に送り込み、その上部からオーバーフローさせ、オーバーフローした塗布液を配管を介して貯蔵槽タンク内へ還流させる。このようにして塗布液を一定量循環させながら、浸漬槽に被塗布物を浸漬し引き上げることにより、被塗布物の表面に塗膜を形成する。
被塗布物への塗膜形成を繰り返す毎に浸漬槽の上部からの塗布液のオーバーフロー量が変動するため、特にオーバーフロー量が少なくなった際に、オーバーフロー量が不均一になりやすい。しかしながら、本発明では、オーバーフロー面の臨界表面張力を塗布液の表面張力と同じか大きくしているため、低流量でも、オーバーフロー面での塗布液の濡れが良く、オーバーフローが均一に保たれる。Wは貯蔵タンク内の塗布液を攪拌して均質に保つための攪拌羽根である。
また、上記構成の他に、揮発した溶剤を補充するための機構、使用した塗布液を補充するための機構及び、塗布液温度を一定に保つための機構を塗布装置に設けることが実用上好ましい。
本発明において、浸漬槽の内面を被覆する材料の臨界表面張力が23mN/m以下であることが好ましい。なぜなら、導電性部材を形成する際に用いられる塗布液として、表面張力が24〜30mN/mの塗布液が好適に用いられるため、浸漬槽の内面を被覆する材料の臨界表面張力は23mN/m以下であることが望ましいためである。
浸漬槽の内面を被覆する材料がポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体であることが好ましい。なぜなら、上記材料は、臨界表面張力が23mN/m以下である材料として、化学安定性・加工性が特に優れているためである。
(2)導電性部材
例えば、導電性部材は図2に示すようにローラ形状である。ローラ形状の導電性部材(導電性ローラ)は、図2(a)に示すように、導電性支持体2aと、被覆層として、その外周に一体に形成された弾性層2bと表面層2cからなる2層を有することができる。弾性層2b及び抵抗層2dと表面層2cからなる3層(図2(b))、あるいはさらに抵抗層2dと表面層2cの間に第2の抵抗層2eを設けた4層(図2(c))、さらには5層以上を導電性支持体2aの上に形成した構成としてもよい。導電性部材の表面状態を制御するために、表面層を形成する際に本発明の手法を用いることが好ましい。
導電性支持体2aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム及びニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。更に、所望の導電性を損なわない範囲で、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わない。
弾性層2bの導電性は1010Ω・cm未満に調整されるのが好ましい。このために、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック、グラファイト及び導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤や、アルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加することができる。
弾性層2bの具体的な弾性材料としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコンーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)及びクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂及びシリコーン樹脂等も挙げられる。
直流電圧のみを印加して、被帯電体の帯電処理を行う帯電部材においては、帯電均一性を達成するために、特に中抵抗の極性ゴム(例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、CR及びウレタンゴム等)やポリウレタン樹脂を弾性材料として用いるのが好ましい。これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂は、ゴムや樹脂中の水分や不純物がキャリアとなり、僅かではあるが導電性をもつと考えられ、これらの導電機構はイオン伝導であると考えられる。但し、これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂に導電剤を全く添加しないで弾性層を作製した場合、得られた帯電部材は低温低湿(L/L)環境において、抵抗値が高くなり1010Ω・cm以上となってしまうものもある。この場合帯電部材に高電圧を印加しなければならなくなることが考えられる。そこでこの場合は、L/L環境で帯電部材の抵抗値が1010Ω・cm未満になるように、前述した電子導電機構を有する導電剤やイオン導電機構を有する導電剤を適宜添加して調整するのが好ましい。低温低湿環境は、温度15℃、相対湿度10%の環境である。
イオン導電機構を有する導電剤の方が、抵抗調整がし易く製法上好ましい。しかしながら、イオン導電機構を有する導電剤は抵抗値を低くする効果が小さく、特にL/L環境でその効果が小さい。そのため、イオン導電機構を有する導電剤の添加と併せて電子導電機構を有する導電剤を補助的に添加して抵抗調整を行ってもよい。また、弾性層2bはこれらの弾性材料を発泡成型した発泡体であってもよい。
抵抗層2dもしくは2eは、弾性層に接した位置に形成されるため弾性層中に含有される軟化油や可塑剤等の帯電部材表面へのブリードアウトを防止する目的で設けたり、帯電部材全体の電気抵抗を調整する目的で設けることができる。
被覆層が複数層(抵抗層、表面層)であるときに、抵抗層2dもしくは2eを構成する材料としては、例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー及び塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これらの材料は、単独又は2種類以上を混合してもよく、共重合体であってもよい。
導電性部材においては、抵抗層2dおよび2eは、導電性もしくは半導電性を有している。導電性、半導電性の発現のためには、各種電子伝導機構を有する導電剤(導電性カーボン、グラファイト、導電性金属酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉等)或いはイオン導電剤(アルカリ金属塩及びアンモニウム塩)を適宜用いることができる。この場合、所望の電気抵抗を得るためには、前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。抵抗層には、表面処理された無機微粒子及び導電剤を含有することが特に好ましく、表面層が抵抗層を兼ねる場合には、表面処理された無機微粒子及び導電剤を含有することが好ましい。
また、被覆層が複数層(抵抗層、表面層)であるときの表面層2cは、帯電部材の表面を構成し、被帯電体である感光体と接触するため、感光体を汚染しない適宜の材料で構成する。
表面層2cを形成するために結着樹脂材料を用いることができる。この結着樹脂材料としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)及びオレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等が挙げられ、特にはフッ素樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂及びフッ素、アクリル又はシリコーンで変性したウレタン樹脂等の滑り性や離型性に優れたものが好ましい。
これらの結着樹脂に静摩擦係数を小さくする目的で、グラファイト、雲母、二硫化モリブテン及びフッ素樹脂粉末等の固体潤滑剤、或いはフッ素系界面活性剤、ワックス又はシリコーンオイル等を添加してもよい。
表面層には、各種導電剤(導電性カーボン、グラファイト、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉及び金属酸化物である導電性酸化錫や導電性酸化チタン等)を適宜用いることができる。所望の電気抵抗を得るためには、前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。導電剤の粒径は平均粒径で1.0μm以下であることが好ましい。平均粒径が1.0μm以下であると、感光ドラム上にピンホールが存在した場合にピンホールリークが発生し易くなることを優れて防止でき、好ましい。また、導電剤粒子の比重が重い場合、平均粒径が1.0μm以下であると、塗料分散安定性が悪くなり、塗料中で沈降し易くなることを優れて防止でき、好ましい。
また、導電剤と結着樹脂の割合は質量比で0.1:1.0〜2.0:1.0であることが好ましい。結着樹脂に対して導電剤が0.1以上であると、導電剤を含有させたことによる効果が優れて発揮される。導電剤が2.0以下であると、表面層の機械的強度が低下し、層が脆くなったり、硬度が上がって柔軟性がなくなり易くなることを優れて防止できる。
表面層に無機微粒子を含有させることができる。無機微粒子としては、絶縁性無機微粒子が好ましく、例えば、酸化物、複酸化物、金属酸化物、金属、炭素、炭素化合物、フラーレン、ホウ素化合物、炭化物、窒化物、セラミックス及びカルコゲン化合物が挙げられる。前記各種無機微粒子を2種以上併用してもよい。また、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の絶縁性無機微粒子を用いることが好ましい。
導電剤の表面は、チタンカップリング剤或いはアルコキシシランカップリング剤等のカップリング剤またはフルオロアルキルアルコキシシランカップリング剤等のカップリング剤(珪素、チタン、アルミニウム及びジルコニウム等の中心金属は特に選ばない)、又はオイル、ワニス、有機化合物等で処理されていてもよい。
(表面層の塗工について)
本発明によって、表面層を形成するための塗工を行うことができる。表面層の作製方法の例について説明する。
まず前記したような各材料を有機溶剤中に添加し塗布液を作製する。塗布液を本発明の塗工装置に入れ、導電性ローラの表面層形成前のもの(例えば導電性支持体の周面に弾性層が形成されたもの)を浸漬槽内の塗布液に浸漬した後、引き上げることで、塗布液を塗布する。このようなディッピング法(浸漬塗布法)で作製することのできる表面層の厚みは例えばドライ膜厚で5〜50μmである。なお、塗布液の表面張力は例えば22〜40mN/mである。
本発明において、塗布液に用いることのできる有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン及びシクロヘキサノンのケトン類、キシレンやトルエン等の芳香族類、n−酢酸ブチルや酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ及びテトラヒドロピラン等のエーテル類が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
塗工液の作製において粉砕工程を加える場合は、ボールミル、サンドミル(ビーズミル)又は振動ミル等を用いることができる。
次に、上記のような塗布方法で作製したウエット状態の被覆層を乾燥機に移し、乾燥させて表面層を得る。乾燥機は、導電性部材を静置するバッチ式、導電性部材を乾燥機中を通過させる連続式等を採用することができる。
(実施例1)
図1に示した構成を有する塗布装置を用い、電子写真用帯電ローラの表面層を塗布形成する。浸漬槽内面は膜厚10μm程度のポリテトラフルオロエチレン(臨界表面張力18.5mN/m)で被覆し、オーバーフロー面に材料としてSUS304(臨界表面張力37.1mN/m)を使用した。
各種材料の表面張力は、静適法(セシルドロップ法)にて、既知の表面張力を有する材料に対する接触角を測定し、算出した。
被塗布物は下記の要領で作製した。
・エピクロルヒドリンゴム 100質量部
・四級アンモニウム塩 2質量部
・炭酸カルシウム 45質量部
・酸化亜鉛 5質量部
・脂肪酸 5質量部
以上の材料を60℃に調整した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに原料ゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのジベンゾチアジルスルフィド(商品名:ノクセラーDM、大内振興化学工業(株)社製)1質量部及びテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラーTS、大内振興化学工業(株)社製)0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練した。得られたコンパウンドを、外直径φ6mmステンレス製支持体の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱蒸気加硫した後、外直径φ8.5mmになるように研磨処理して弾性層を得た。ローラ長は228mmとした。
塗布液としては、下記の材料を混合し、分散させた液を使用した。
アクリルポリオール溶液(ダイセル化学社製、商品名:PLACCEL DC2016):100質量部、
イソシアネートA(IPDI)(デグサ社製、商品名:VESTANAT B1370):22質量部、
イソシアネートB(HDI)(旭化成ケミカルズ社製、商品名:DURANATE TPA−B80E):33質量部、
導電性粒子(戸田工業社製、商品名:CS−Bk100Y):56質量部、
酸化チタン(テイカ社製、商品名:SMT−150IB):18質量部、
PMMA粒子(積水化成品工業社製、商品名:MBX−12):21質量部、
変性ジメチルシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、商品名:SH28PA):1.7質量部、
メチルイソブチルケトン(臨界表面張力23.6mN/m):400質量部。
塗布液の表面張力は固形分比率が小さいので溶剤単独の場合と殆ど変わらず、24.5mN/mであった。
被塗布物への前記塗布液の塗布を1ヶ月間行なった。塗布開始日(1日目)に作製した帯電ローラおよび塗布開始から30日目に作製した帯電ローラについて次のように評価を行った。
図3に示す電子写真方式の画像形成装置に上記で得られた帯電ローラを取り付けた。これを用い、N/N環境(温度23℃/相対湿度55%)の環境下において、電子写真感光体の暗部電位Vdが−400V付近となるように印字電圧(直流電圧のみ)を設定してハーフトーン画像をプリントした。帯電ローラの表面層の塗布ムラ及び浸漬槽中の塗布液の固着物に由来する画像不良の発生について、得られた画像を目視して画像評価を行った。結果を表1に示す。
表中のAは得られた画像が非常に良い、Bは良い、Cはハーフトーン画像にやや濃度ムラあり、Dはハーフトーン画像に濃度ムラ及び凸によるポチ画像があることを示す。
以下に、図3に示す構成の画像形成装置について説明する。
1は円筒状の電子写真感光体であり、本実施例では直径24mmとした。この電子写真感光体1は、矢印方向に所定のプロセススピード(94mm/s)で回転駆動する。
2は帯電ローラである。S1は帯電ローラに直流電圧のみの電圧を印加するための電源である。帯電ローラ2は、電子写真感光体1に所定の押圧力(バネの圧力)で接触(当接)させてあり、電子写真感光体1の回転に対して順方向に回転駆動する(片側0.5Kg重、両端で合計1Kg重のバネによる押圧力で当接させている)。この帯電ローラ2には、電源S1から直流電圧−1000Vのみの電圧が印加されることで、電子写真感光体1の表面が−400Vに帯電(接触帯電)される。
3は露光手段としてのレーザービームスキャナーである。帯電ローラにより−400V(暗部電位)に帯電された電子写真感光体1の表面に、レーザービームスキャナー3による目的の画像情報に対応した露光により−400Vが選択的に−150V(明部電位)に減衰し、電子写真感光体1の表面に静電潜像が形成される。
4は現像装置(現像手段)である。現像装置4は、トナー(現像剤)を収容する現像容器の開口部に配設されてトナーを担持搬送するトナー担持体4aと、収容されているトナーを撹拌する撹拌部材4bと、トナー担持体4aのトナーの担持量(トナー層厚)を規制するトナー規制部材4cとを有する。現像装置4は、電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像の明部電位部に、−350V(現像バイアス)に帯電しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて、静電潜像をトナー像として可視化する。トナー担持体4aは、電子写真感光体と接触している、又は、担持するトナーを介して電子写真感光体
と接触している。つまり、接触現像方式を採る。そのため、トナー担持体4aは、接触安定性の確保という面から、導電性支持体上に導電性を付与した弾性被覆層(ゴム製)を設けた現像ローラとしている。もちろん、弾性被覆層には弾性材料として発泡体を用いても良いし、また、弾性被覆層上に別途、層を設けたり、表面処理(UVや電子線を用いた表面加工処理や、化合物等を表面に付着及び/又は含浸させる表面改質処理等)を施したりしてもよい。
5は転写手段としての転写ローラである。転写ローラ5は、導電性支持体上に中抵抗に調整された弾性樹脂層を被覆してなる転写ローラである。転写ローラ5は、電子写真感光体1に所定の押圧力で接触させて転写ニップ部を形成させてあり、電子写真感光体1の回転と順方向に電子写真感光体1の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転し、また電源S2からトナーの帯電特性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写ニップ部に対して、不図示の給紙機構部から転写材Pが所定のタイミングで給紙される。その転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラ5により、トナーも帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写ニップにおいて、電子写真感光体1の表面のトナー像が転写材Pの表面(電子写真感光体に対向する面)に静電転写される。
転写ニップ部でトナー像の転写を受けた転写材Pは電子写真感光体1の表面から分離されて、不図示の定着装置へ導入されて、トナー像の定着を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機構に導入されて転写ニップ部へ再導入される。
電子写真感光体1の表面の転写残りのトナーは、不図示のクリーニングブレードによって回収される。この後、電子写真感光体1は再び帯電ローラ2によって表面が帯電され、繰り返し画像形成を行う。
また、画像出し評価を始める前に、帯電ローラの抵抗測定を図4に示す構成の装置を用いて行った。結果を表1に示す。図4中、2は帯電ローラ、11はステンレス製の円筒電極、12は抵抗、13はレコーダーを示す。帯電ローラと円筒電極の間の押圧力は、上記画像形成装置における像担持体と帯電部材の間の押圧力と同様にし、外部電源S3から−200Vを印加した際の帯電ローラの抵抗値を、ローラ1周に対して20点測定し、その最大値と最小値の比を抵抗ムラとした。
(実施例2)
浸漬槽内面を膜厚10μm程度のテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(臨界表面張力22.0mN/m)で被覆し、オーバーフロー面に材料としてSUS304(臨界表面張力37.1mN/m)を使用した。
それ以外は実施例1と同様にして、塗布を行なって帯電ローラを作製し、また評価を行った。結果を表1示す。
(実施例3)
浸漬槽内面を膜厚10μm程度のポリテトラフルオロエチレン(臨界表面張力18.5mN/m)で被覆し、オーバーフロー面に材料としてポリプロピレン(臨界表面張力29.0mN/m)を使用した。
それ以外は実施例1と同様にして、塗布を行なって帯電ローラを作製し、また評価を行った。結果を表1示す。
(比較例1)
浸漬槽内面及びオーバーフロー面を膜厚10μm程度のポリテトラフルオロエチレン(臨界表面張力18.5mN/m)で被覆した。
それ以外は実施例1と同様にして、塗布を行なって帯電ローラを作製し、また評価を行った。結果を表1示す。
(比較例2)
浸漬槽内面及びオーバーフロー面を膜厚10μm程度のテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(臨界表面張力22.0mN/m)で被覆した。
それ以外は実施例1と同様にして、塗布を行なって帯電ローラを作製し、また評価を行った。結果を表1示す。
(比較例3)
浸漬槽全体にSUS304(臨界表面張力37.1mN/m)を使用した。
それ以外は実施例1と同様にして、塗布を行なって帯電ローラを作製し、また評価を行った。結果を表1示す。
実施例では、繰り返し塗工及び長期循環を行っても、浸漬槽への塗布液の固着の発生がないため、ローラへの固着物の付着による画像不良が発生せず、また、塗布液のオーバーフローが均一なため、塗布ムラが発生せず、抵抗周ムラが小さい帯電ローラが得られた。
比較例では、繰り返し塗工及び長期循環による浸漬槽への塗布液の固着が発生し、ローラへの固着物の付着による画像不良が発生した。また、塗布液のオーバーフローが不均一なため、塗布ムラが発生し、帯電ローラの抵抗周ムラが大きくなった。
塗布装置の概略構成の例を示す模式図である。 導電性ローラの例を示す模式的断面図である。 実施例で用いた画像形成装置を示す模式図である。 実施例で用いた、帯電ローラの抵抗測定装置を示す模式図である。
符号の説明
T:貯蔵タンク
D:浸漬槽
D1:浸漬槽のオーバーフロー面
Pu:循環ポンプ
F:フィルター
W:撹拌羽根
2a:導電性支持体
2b:弾性層
2c:表面層
2d:抵抗層
2e:抵抗層
1:像担持体(電子写真感光体)
2:帯電部材(帯電ローラ)
3:像露光手段
4:現像手段
5:転写手段(転写ローラ)
6:プロセスカートリッジ
S1、S2、S3:バイアス印加電源
P:転写材
L:露光光
11:円筒電極(金属ローラ)
12:固定抵抗器
13:レコーダー

Claims (4)

  1. 貯蔵タンク、浸漬槽、貯蔵タンクから浸漬槽へ塗布液を送り浸漬槽からオーバーフローした塗布液を貯蔵タンクへ戻すための塗布液循環経路となる配管、および循環ポンプを備え、浸漬槽中の塗布液に被塗布物を浸漬し引き上げることにより、該被塗布物の表面に塗膜を形成する塗布装置において、
    該浸漬槽の内面が、臨界表面張力が塗布液の表面張力よりも小さい材料で被覆されており、かつ、
    該浸漬槽の塗布液がオーバーフローする面が、臨界表面張力が塗布液の表面張力以上の材料で形成されていること
    を特徴とする塗布装置。
  2. 前記浸漬槽の内面を被覆する材料の臨界表面張力が23mN/m以下である請求項1記載の塗布装置。
  3. 該浸漬槽の内面を被覆する材料がポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体である請求項1または2に記載の塗布装置。
  4. 貯蔵タンクから浸漬槽へ塗布液を送り、浸漬槽からオーバーフローした塗布液を貯蔵タンクへ戻しながら、浸漬槽中の塗布液に被塗布物を浸漬し引き上げることにより、該被塗布物の表面に塗膜を形成する塗布方法において、
    内面が、臨界表面張力が塗布液の表面張力よりも小さい材料で被覆されており、かつ、
    塗布液がオーバーフローする面が、臨界表面張力が塗布液の表面張力以上の材料で形成されている浸漬槽を用いる
    ことを特徴とする塗布方法。
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