JP4930539B2 - 固体撮像素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、センサ上に層内レンズを形成して成る固体撮像素子の製造方法に係わる。
固体撮像素子の微細化に伴い、感度の向上が求められており、従来技術であるカラーフィルターの上の最上層のオンチップレンズのみでは感度向上が図れず、オンチップレンズとセンサ部との間にさらにレンズ(層内レンズ)を形成することが考えられている。
この層内レンズの一例として、転送電極等による段差を埋めて平坦化した面上に、表面側が凸面とされたレンズを形成する、層内凸レンズがある。
この層内凸レンズを製造方法の一つとして、層内凸レンズのレンズ材の膜とレジストとの積層膜をドライエッチングする方法がある。
これはレンズ材の膜を堆積し、その上にレジストをレンズの形状にパターニングし、その後ドライエッチングによりレジストによるレンズ形状をレンズ材の膜に転写する方法である。
しかしながら、上述のレンズ形状をレンズ材に転写する工程の際に、ドライエッチングのサイドエッチにより層内凸レンズ間のギャップが広がってしまう。
層内凸レンズ間のギャップに入射した光は、層内凸レンズによる集束がなされないためセンサ部に入射することができない。
従って、レンズ間のギャップ部が入射光にとって無効領域となってしまっていた。
このように無効領域が形成されることにより、その分固体撮像素子の感度が低くなってしまう。
上述した問題の解決のために、本発明においては、無効領域を低減することにより、高い感度を有する固体撮像素子を製造することができる固体撮像素子の製造方法を提供するものである。
本発明の固体撮像素子の製造方法は、各センサ部上に表面側が凸面とされたレンズを有する固体撮像素子を製造するに当たり、平坦化膜上にプラズマCVD膜により、SiN膜またはSiON膜から成る、レンズ材の膜を形成する工程と、このレンズ材の膜上に表面側が凸面とされたレンズ形状のレジストを形成する工程と、このレジストの表面側が凸面とされたレンズ形状をレンズ材の膜に凸レンズ間のギャップが広がるように転写する工程と、レンズ形状が転写されたレンズ材の膜上に、さらにプラズマCVD膜により同一のレンズ材の膜を成膜してレンズを形成する工程とを有するものである。
上述の本発明製法によれば、レンズ形状が転写されたレンズ材の膜上にさらに同一のレンズ材の膜を成膜してレンズを形成することにより、レンズ形状を転写する際に例えばサイドエッチングにより離れたレンズの間を埋めて、レンズの間隔を縮めることができ、レンズの間の無効領域を低減することができる。
上述の本発明によれば、入射光にとって無効領域となっていた凸レンズ間のギャップを狭めることができるので、有効領域を拡げて感度を向上させることができる。
従って、本発明により、感度の高い固体撮像素子を製造することができる。
また、本発明により、成膜するレンズ材の膜厚を任意に変更することにより、レンズの間のギャップ長を任意に調節することが可能である。
従って、様々な寸法のユニットセルを有する固体撮像素子に対して感度向上を図ることができる。
A〜C 本発明の固体撮像素子の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(断面図)である。 D〜F 本発明の固体撮像素子の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(断面図)である。 本発明を適用するCCD固体撮像素子の概略構成図(断面図)である。
本発明は、各センサ部上に表面側が凸面とされたレンズを有する固体撮像素子を製造する方法であって、平坦化膜上にプラズマCVD膜により、SiN膜またはSiON膜から成る、レンズ材の膜を形成する工程と、レンズ材の膜上に表面側が凸面とされたレンズ形状のレジストを形成する工程と、レジストの表面側が凸面とされたレンズ形状をレンズ材の膜に凸レンズ間のギャップが広がるように転写する工程と、レンズ形状が転写されたレンズ材の膜上に、さらにプラズマCVD膜により、同一のレンズ材の膜を成膜してレンズを形成する工程とを有する固体撮像素子の製造方法である。
図3は本発明製法を適用する固体撮像素子として、CCD固体撮像素子の概略構成図(断面図)を示す。
このCCD固体撮像素子1は、例えばシリコンから成る半導体基板4の表面に、フォトダイオードから成るセンサ部2が配され、半導体基板4上の酸化膜5を介して多結晶シリコンから成る転送電極11が形成されている。
この転送電極11上には酸化膜5が形成され、これの上に層間絶縁膜6として例えば酸化膜が形成されている。
層間絶縁膜6上には、Al膜或いは高融点金属膜(例えばタングステン、モリブデン、タンタル)から成る遮光膜3が形成されている。この遮光膜3には、センサ部2上に開口3aが形成されて、センサ部2に光が入射するようになっている。
遮光膜3を覆って全面的に平坦化膜7が形成され、平坦化膜7上に例えばプラズマCVDにより形成された絶縁膜(SiN膜またはSiON膜)8から成る層内レンズ9が形成されている。この層内レンズ9は表面側の上面9aが凸面、下面9bが平坦面となっており、前述した層内凸レンズを構成している。
層内レンズ9上には平坦化膜16を介して、カラーフィルタ17が形成されている。さらにその上には平坦化膜18を介してオンチップレンズ19が形成されている。
また、半導体基板4内には、垂直転送レジスタ10を構成するCCD転送チャネル15が形成され、また図示しないがセンサ部2とCCD転送チャネル15との間にチャネルストップ領域が形成される。
また、このCCD固体撮像素子1は、平面構造は図示しないが、画素に対応してセンサ部2が多数マトリクス状に配され、各センサ部2列の一側にそれぞれCCD転送チャネル15を有して成るCCD構造の垂直転送レジスタ10が配設される。
そして、このCCD固体撮像素子1の構成によれば、センサ部2上に層内レンズ9が形成されていることにより、オンチップレンズ19で集光した光をさらに層内レンズ9により集光させて、効率よくセンサ部2に入射させることができる。
即ちオンチップレンズ19と層内レンズ9とを設けたことにより、入射光を効率よくセンサ部2に入射させることができ、高い感度を有する。
続いて、本発明の固体撮像素子の製造方法の一実施の形態として、図3に示したCCD固体撮像素子1を本発明製法により製造する場合の製造工程を、図1及び図2を参照して説明する。
まず、図1Aに示すように、半導体基板4内に転送チャネル15やセンサ部2のフォトダイオードを形成し、転送電極11等遮光膜3までの各層を形成する。遮光膜3にはセンサ部2上に開口3aを形成する。
次に、図1Bに示すように、遮光膜3上を覆って平坦化膜7を形成する。
平坦化膜7としては、リフロー膜やHDP(高密度プラズマ)−CVD膜を用いることができ、これにより表面の平坦化を行うことができる。
尚、平坦化の方法に応じて、遮光膜3となる材料を選択する。
例えばリフロー膜を用いる場合には、平坦化のために高温リフローが必要となるため、遮光膜3に高融点金属を使用する。
一方、CVD膜で平坦化する場合には、遮光膜3をアルミ等で形成しても構わない。
続いて、図示しないCCD固体撮像素子の周辺回路部の配線を形成する。
その後、図1Cに示すように、平坦化膜7上にレンズ材となるプラズマCVD膜8を成膜する。
層内レンズ9の屈折率を1.9〜2.0とする場合にはプラズマCVD膜8としてプラズマSiN膜を成膜し、層内レンズ9の屈折率を1.5〜1.9とする場合にはプラズマCVD膜8としてプラズマSiON膜を成膜する。
そして、必要な層内レンズ9の高さに応じて、プラズマCVD膜8を0.5〜2.0μmの膜厚に成膜する。
次に、プラズマCVD膜8上にレジスト21を塗布し、所望のパターニングを行う。そして、レンズの形を得るためにレジスト21のリフローを140〜180℃で行う。
これにより、図2Dに示すレンズ形状のレジスト21が形成される。
次に、ドライエッチングを行うことにより、レジスト21のレンズ形状をプラズマCVD膜8に転写して、図2Eに示すように層内レンズ9を形成する。このとき、ドライエッチングのサイドエッチにより、凸レンズ間のギャップが広がる。
そこで、図2Fに示すように、層内レンズ9のレンズ材の膜(プラズマCVD膜8)と同種の膜即ちプラズマCVD膜22をプラズマCVD法により堆積させる。
これにより、凸レンズ間のギャップを狭めることができる。
このとき、プラズマCVD膜22の膜厚を任意に設定することが可能であり、ギャップ長を調節することができる。
この後は、層内レンズ9を覆って平坦化膜16を形成し、さらにカラーフィルタ17、平坦化膜18、オンチップレンズ19を順次形成して、図3に示したCCD固体撮像素子を製造することができる。
上述の本実施の形態によれば、ドライエッチングによりレジスト21のレンズ形状をプラズマCVD膜8に転写した後に、プラズマCVD膜8と同種のプラズマCVD膜22を成膜して層内レンズ9を形成することにより、層内レンズ9の間のギャップを狭めることができる。
そして、入射光にとって無効領域となっていた層内レンズ間のギャップを狭めることができるため、無効領域を低減して、入射光の集光効率を高めることができる。
従って、感度の高い固体撮像素子1を製造することができる。
さらに、プラズマCVD膜22の膜厚を任意に変更することにより、層内レンズ9の間のギャップ長を任意に調節することが可能である。
従って、様々な寸法のユニットセルを有する固体撮像素子1に対して、感度向上を図ることができる。
ところで、図3のオンチップレンズ19のようなオンチップレンズの材料には、通常レジストが用いられ、レジストを塗布してパターニングした後にリフローしてレンズ形状としている。
従って、本発明製法を通常のレジストから成るオンチップレンズに適用しようとすると、レジストをより薄く塗布することが難しく、任意にオンチップレンズのギャップを制御することは困難である。
これに対して、例えばオンチップレンズを無機膜により形成する構成とすれば、レンズ形状とした無機膜上に、容易に同種の無機膜を成膜することができる。
即ち無機膜例えばプラズマCVD膜にレジストからレンズ形状を転写した後に、その上に同種の無機膜例えばプラズマCVD膜を成膜して、オンチップレンズのギャップを狭めることができる。
これにより、無機膜を任意の膜厚で成膜して、オンチップレンズのギャップを任意に制御することが可能になる。
図3のCCD固体撮像素子1においては、オンチップレンズ19をプラズマCVD膜等の無機膜により形成することも可能であり、その場合本発明製法による層内レンズの形成方法を、層内レンズ9及びオンチップレンズ19に適用して、2つのレンズのそれぞれのギャップを狭めて感度を高くすることができる。
上述の実施の形態では、CCD固体撮像素子に本発明を適用したが、その他の構成の固体撮像素子、例えばMOS型の固体撮像素子においても、同様に本発明を適用することができる。
そして、本発明を適用して層内レンズのギャップを狭めて形成することができ、感度の高い固体撮像素子を製造することができる。
また、本発明製法による層内レンズは、固体撮像素子の他に、液晶表示素子にも適用することができる。
そして、例えば反射型液晶表示素子では外光の入射側に、透過型液晶表示素子ではバックライト等光源側に本発明製法による層内レンズを形成する。
これにより、液晶表示素子の例えばカラーフィルタの画素間のブラックマトリックス(遮光膜)により遮られていた光を液晶部を通過させて有効に利用することが可能になる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
1 CCD固体撮像素子、2 センサ部、3 遮光膜、4 半導体基板、5 酸化膜、6 層間絶縁膜、7,16,18 平坦化膜、8,22 プラズマCVD膜、9 層内レンズ、10 垂直転送レジスタ、11 転送電極、15 CCD転送チャネル、17 カラーフィルタ、19 オンチップレンズ、21 レジスト

Claims (2)

  1. 各センサ部上に表面側が凸面とされたレンズを有する固体撮像素子を製造する方法であって、
    平坦化膜上に、プラズマCVD膜により、SiN膜またはSiON膜から成る、レンズ材の膜を形成する工程と、
    上記レンズ材の膜上に表面側が凸面とされたレンズ形状のレジストを形成する工程と、
    上記レジストの表面側が凸面とされたレンズ形状を上記レンズ材の膜に凸レンズ間のギャップが広がるように転写する工程と、
    レンズ形状が転写された上記レンズ材の膜上に、さらにプラズマCVD膜により、同一のレンズ材の膜を成膜して上記レンズを形成する工程とを有する
    固体撮像素子の製造方法。
  2. 上記平坦化膜が、リフロー膜又は高密度プラズマCVD膜である、請求項1に記載の固体撮像素子の製造方法。
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