JP2014179446A - 半導体撮像素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】開口の広い溝を掘った底面からアライメントマークを示す開口の狭い穴を形成することにより、穴の開口の大きさに対する穴の深さのアスペクト比を軽減してアライメントマークへのクラックを抑制または防止すると共に、裏面からのマーク先端の距離を小さくまたは無くしてマーク視認性を向上させる。
【解決手段】半導体層3の表面に対して加工する際に用いる第1アライメントマークと、半導体層3の裏面に対して加工する際に用いる第2アライメントマークとを有し、第1アライメントマークは、半導体層3の表面に形成した開口の大きい溝9外の隣接平坦面の表面領域11に表面側から視認可能に形成され、第2アライメントマークは、開口の大きい溝9内の平坦面である底面領域10に裏面側からの視認可能に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】半導体層3の表面に対して加工する際に用いる第1アライメントマークと、半導体層3の裏面に対して加工する際に用いる第2アライメントマークとを有し、第1アライメントマークは、半導体層3の表面に形成した開口の大きい溝9外の隣接平坦面の表面領域11に表面側から視認可能に形成され、第2アライメントマークは、開口の大きい溝9内の平坦面である底面領域10に裏面側からの視認可能に形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、被写体からの画像光を光電変換して撮像する半導体素子で構成された半導体撮像素子およびその製造方法に関する。
CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの従来の固体撮像素子において、フォトダイオードが形成された半導体層の表面側に配線層を形成し、半導体層の裏面側にカラーフィルタやその上のオンチップレンズなどの光学素子を形成し、半導体層の裏面側からフォトダイオードに光を入射させて撮像できるようにしたことにより、受光のための開口率を高くした、所謂裏面照射型の固体撮像素子が知られている。
このような従来の裏面照射型の固体撮像素子の製造においては、配線層の形成時には表面側でアライメントを取る必要があると共に、光学素子の形成時には裏面側でアライメントを取る必要がある。従来の裏面照射型の固体撮像素子における表面側および裏面側でのアライメントについて特許文献1、2に開示されている。
図8は、特許文献1に開示されている従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
図8において、従来の固体撮像素子100は裏面照射型構造を有し、受光センサ部が形成されたシリコン層101の裏面側にレンズ102を有している。従来の裏面照射型固体撮像素子100において、撮像領域103の周辺のシリコン層101に絶縁層104,105が埋め込まれて形成されている。パッド部の電極層106と表面側の配線層107とを接続するコンタクト層108の周囲に絶縁層105が埋め込まれて形成されている。
また、撮像領域103の周辺およびパッド部のシリコン層101にそれぞれ溝を形成し、それぞれの溝に絶縁層104,105を埋め込み、この溝に埋め込まれた絶縁層105内に導電材料のコンタクト層108を埋め込んでパッド部の配線層107に接続し、撮像領域103の周辺の溝に埋め込まれた絶縁層104を位置合わせマークとし、シリコン層101の裏面側には、平坦化層109さらにカラーフィルタ110を介してレンズ102が形成されている。
シリコン層101の表面側には、絶縁層111、さらに絶縁層111内の多層の配線層112が設けられている。絶縁層111上には接着層113,114を介して支持基板115が配置されている。
これによって、特許文献1に開示されている上記従来の裏面照射型の固体撮像素子100は、表面側のフォトダイオードと裏面側のレンズ102の位置合わせ用のアライメントマークとして表面から裏面に貫通した絶縁層104を用いることができる。
図9は、特許文献2に開示されている従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
図9において、従来の固体撮像素子200は裏面照射型構造を有している。各々の固体撮像素子200は、半導体層201の表面201a側に配線202を含む多層配線部203が形成され、多層配線部203が支持基板204に支持されていると共に、半導体層201の裏面201b側に光学素子205が形成されている。
半導体層201には、P型不純物領域およびN型不純物領域を含む光電変換部としてのフォトダイオード206が多数規則的に配列されている。
また、半導体層201には、表面201aから裏面201b付近に向かって窪み部201cが形成されている。この窪み部201c内に、酸化シリコン(SiO2)などの絶縁体が埋め込まれている。この絶縁体が埋め込まれた窪み部201cにより、裏面201b側から識別可能なアライメントマークが形成されている。
多層配線部203は、フォトダイオード206に接続された変調素子207および配線202と、変調素子207および配線202間の層間膜208とを含んでいる。変調素子207はトランジスタを含んでおり、フォトダイオード206において発生した光起電力に応じて変調信号を出力する。配線202はアルミニウム(Al)などの金属によって形成され、層間膜208は酸化シリコン(SiO2)などの絶縁体によって形成されている。
支持基板204は、例えば単結晶のシリコンによって構成されている。支持基板204は、密着層209によって多層配線部203に密着して固定されている。
光学素子205は、カラーフィルタ210と、その上のマイクロレンズアレイ211とを有している。
窪み部201cは、裏面201b側に貫通せず、窪み部201cの最も深い位置から半導体層201の裏面201bまでの距離Xを有している。したがって、半導体層201の裏面201bには窪み部201cによって凹凸が形成されず、平坦であるため、裏面201bに光学素子205を高精度に形成することができる。
窪み部201cの最も深い位置から半導体層201の裏面201bまでの距離Xは、可視光によって裏面201b側からアライメントマーク(絶縁物を充填した窪み部201c)が識別可能な距離となるように形成されている。したがって、赤外光などを用いた特別な装置を使わなくても、通常の露光装置を用いて、光学素子205を形成するためのアライメントを行うことができる。より具体的には、露光装置において、可視光を裏面201b側から照射してアライメントマーク(絶縁物を充填した窪み部201c)を識別し、そのアライメントマークの位置を検出する。そのアライメントマークの位置を基準に、露光処理を行って、光学素子205を構成するカラーフィルタ210やその上のマイクロレンズアレイ211のパターンを形成する。このようにして、アライメントマーク(絶縁物を充填した窪み部201c)とカラーフィルタ210やマイクロレンズアレイ211の位置決めが行われる。
可視光によって裏面201b側からアライメントマークが識別可能な距離は、例えば、半導体層201における可視光の吸収率によって決定される。具体的には、半導体層201を構成するシリコンによる赤色光の吸収率が、厚さ3.0μmで50%であるとすれば、半導体層201の裏面201b側から入射したアライメント用の光(赤色光)が片道3.0μmの距離を往復すると、75%が吸収されるので、これより長い距離ではアライメントマークは識別困難である。したがって、窪み部201cの最も深い位置から半導体層201の裏面201bまでの距離Xの最大値は、3.0μmとすることができる。
窪み部201cの最も深い位置から半導体層201の裏面201bまでの距離Xは、より短い方がアライメントマークの識別は容易となる。窪み部201cの最も深い位置から半導体層201の裏面201bまでの距離Xの好ましい値は、1.0μm以下である。
但し、距離Xを0.1μm以下とし、なおかつ窪み部201cが裏面201b側に貫通しないように加工することは必ずしも容易ではない。したがって、窪み部201cの最も深い位置から半導体層201の裏面201bまでの距離Xの最小値は、例えば0.1μmとすることができる。
要するに、特許文献2には、フォトダイオード206が形成される単結晶シリコン層である半導体層201の表面201a側から裏面201b側に貫通しない穴(窪み部201c)を形成し、この穴(窪み部201c)に酸化膜などの絶縁物を充填してアライメントマークとすることが記載されている。上記アライメントマークは裏面201b側からは可視光により透過確認することができるため、表面201a側からも裏面201b側からも識別可能なアライメントマークとすることができる。
特許文献1に開示されている上記従来の裏面照射型の固体撮像素子100では、アライメントマークとして表面から裏面に貫通した絶縁層104を用い、シリコン層101の裏面を貫通するような直径と深さのアスペクト比の高い穴に絶縁膜の埋め込みを行った絶縁層104,105に対して、表面プロセスの熱処理や多層構造による膜ストレスで、アライメントマークとする絶縁層104にクラックが入って、裏面からのアライメントが困難になるという問題がある。
特許文献2に開示されている上記従来の裏面照射型固体撮像素子200では、半導体層201の裏面201b側付近まで到達するような直径と深さのアスペクト比の高い酸化膜の埋め込みを行った場合に、特許文献1に比べると多少はストレスが少ないものの、表面プロセスの熱処理や多層構造による膜ストレスで、アライメントマーク(絶縁物としての酸化物を充填した窪み部201c)とする酸化膜にクラックが入って、裏面201bからのアライメントが困難になるという問題がある。
特許文献1、2のアライメントマークのアスペクト比についてさらに説明する。
アライメントマークの深さは、できるだけ裏面に近づけた方が裏面側から光学的にはっきりと認識でき、裏面側と表面側とのアライメント精度が向上する。図10に示すように特許文献1のアライメントマーク(絶縁層104,105)が貫通するまでアライメントマークの深さY1を深くしている。ところが、アライメントマークにおけるアスペクト比(深さY1/径X)が大きくなると、前述したように表面プロセスの熱処理や多層構造による膜ストレスでアライメントマーク自体にクラックが入り、そのクラックが邪魔をして裏面からのアライメントが困難になる、また、熱処理の条件によっては、アライメントマークにクラックが入らない条件も有り得るが、表面プロセスを組む自由度が狭くなって表面プロセスが困難になる虞がある。
一方、図11に示すように特許文献2のアライメントマークでは、半導体層201の裏面201bにアライメントマーク(絶縁物としての酸化物を充填した窪み部201c)を貫通させずに深さY2を上記深さY1よりも浅く設定している。この特許文献2のアライメントマークの場合には、アライメントマークの径Xを同等とすればアライメントマークが貫通していない分だけ特許文献1のアスペクト比に比べてアスペクト比は軽減されるものの、アライメントマークが貫通していないことによって裏面からの光学的認識精度が低下するという問題がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、開口の広い溝を掘った底面からアライメントマークを示す開口の狭い穴を形成することにより、穴の開口の大きさに対する穴の深さのアスペクト比を軽減してアライメントマークへのクラックを抑制または防止すると共に、裏面からのマーク先端の距離を小さくまたは無くしてマーク視認性を向上させることができる半導体撮像素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体撮像素子は、半導体基板または半導体層の両面に対して加工を施して作製される半導体撮像素子において、該半導体基板または該半導体層の表面に対して加工する際に用いる第1アライメントマークと、該半導体基板または該半導体層の裏面に対して加工する際に用いる第2アライメントマークとを有し、該第1アライメントマークは、該半導体基板または該半導体層の表面に形成した開口の大きい穴領域外の隣接平坦面に該表面から視認可能に形成され、該第2アライメントマークは、該開口の大きい穴領域内の平坦面に該裏面からの視認可能に形成されているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の半導体撮像素子における第1アライメントマークおよび第2アライメントマークは、開口が小さく平面視同一形状で同一深さの一または複数の穴または穴形状で構成されている。
さらに、好ましくは、本発明の半導体撮像素子における開口が小さく平面視同一形状で同一深さの一または複数の穴の該開口の寸法に対する深さ寸法をアスペクト比とし、該アスペクト比が0.8以上2以下である。
さらに、好ましくは、本発明の半導体撮像素子における第1アライメントマークおよび前記第2アライメントマークはスクライブラインの領域に互いに隣接して配設されている。
さらに、好ましくは、本発明の半導体撮像素子における加工は、半導体基板または半導体層の内に表面側から素子分離部および複数の受光部を形成し、半導体基板または半導体層の表面上に表面パターンの多層配線部を形成し、半導体基板または半導体層の裏面上に裏面パターンを積層する。
本発明の半導体撮像素子の製造方法は、半導体基板または半導体層の両面に対して加工を施して作製する半導体撮像素子の製造方法において、該半導体基板または該半導体層の所定表面に形成した開口が大きく所定深さの穴を形成する穴形成工程と、同一マスクを用いて同時に、該開口が大きい穴領域内の平坦面に、裏面から視認可能な第2アライメントマークを形成すると共に、該開口が大きい穴領域外の隣接平坦面に、該表面から視認可能な第1アライメントマークを形成する第1および第2アライメントマーク形成工程とを有しているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の半導体撮像素子の製造方法における第1アライメントマークおよび第2アライメントマークとして、前記開口が大きい穴領域内にレジスト膜を成膜したときに穴中央領域で該レジスト膜が平坦化する領域に、該開口が小さく所定深さの一または複数の穴を形成する。
本発明の電子情報機器は、本発明の上記半導体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
本発明においては、半導体基板または半導体層の両面に対して加工を施して作製される半導体撮像素子において、半導体基板または半導体層の表面に対して加工する際に用いる第1アライメントマークと、半導体基板または半導体層の裏面に対して加工する際に用いる第2アライメントマークとを有し、第1アライメントマークは、半導体基板または半導体層の表面に形成した開口の大きい穴領域外の隣接平坦面に表面から視認可能に形成され、第2アライメントマークは、開口の大きい穴領域内の平坦面に裏面からの視認可能に形成されている。
これによって、開口の広い溝を掘った底面からアライメントマークを示す開口の狭い穴を形成することにより、穴の開口の大きさに対する穴の深さのアスペクト比が軽減されてアライメントマークへのクラックを抑制または防止すると共に、裏面からのマーク先端の距離を小さくまたは無くしてマーク視認性を向上させることが可能となる。
以上により、本発明によれば、開口の広い溝を掘った底面からアライメントマークを示す開口の狭い穴を形成するため、穴の開口の大きさに対する穴の深さのアスペクト比を軽減してアライメントマークへのクラックを抑制または防止すると共に、裏面からのマーク先端の距離を小さくまたは無くしてマーク視認性を向上させることができる。
以下に、本発明の半導体撮像素子およびその製造方法としての固体撮像素子およびその製造方法の実施形態1および、この固体撮像素子の実施形態1を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の実施形態2について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図における構成部材のそれぞれの厚みや長さなどは図面作成上の観点から、図示する構成に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における固体撮像素子の要部構成例を模式的に示す縦断面図である。図2は、半導体ウエハにおいて図1の4個の固体撮像素子を示す平面図である。
図1は、本発明の実施形態1における固体撮像素子の要部構成例を模式的に示す縦断面図である。図2は、半導体ウエハにおいて図1の4個の固体撮像素子を示す平面図である。
図1および図2において、本実施形態1の固体撮像素子20は半導体ウエハモジュール(チップ個片化前の状態)で構成されている。本実施形態1の固体撮像素子20として、半導体層3に複数の有効チップ領域1が平面視マトリクス状に配置されており、各有効チップ領域1間には各有効チップ領域1を個片化するためのスクライブライン部2が格子状に形成されている。各有効チップ領域1にはそれぞれ、被写体からの画像光を光電変換して撮像する図示しない複数の受光部(フォトダイオード)が2次元状に配設されている。
本実施形態1の固体撮像素子20の各有効チップ領域1はそれぞれ裏面照射型構造を有し、各有効チップ領域1の半導体層3の表面3A側に表面パターンの多層配線部4が形成されている。また、この固体撮像素子20の半導体層3上の多層配線部4上にはさらに接着層5を介して支持基板6が接着されて、支持基板6により半導体層3および多層配線部4が支持されている。また、半導体層3の裏面3B側には光学素子を含む裏面パターン7が形成されている。
各有効チップ領域1の半導体層3には、P型不純物領域およびN型不純物領域を含む光電変換部としての複数の受光部(フォトダイオード)が平面視マトリクス状に配列されている。各有効チップ領域1の外周側には、各有効チップ領域1を素子分離するための素子分離層8が配置されている。
各有効チップ領域1間の幅L(例えば100μm)にはスクライブライン部2が設けられ、スクライブライン部2における半導体層3には、幅Lまたは幅Lよりも狭い所定幅の溝9(ここでは平面視正方形状の穴)を形成して各有効チップ領域1間を分離している。このスクライブライン部2における半導体層3に形成された溝9の底面領域10と、溝9に隣接し溝9が設けられていない表面領域11とに同一のアライメントマークを示す一または複数の穴12がそれぞれ同時にフォトリソ工程により形成されている。底面領域10に設けられるのが裏面用のアライメントマークを示す一または複数の穴12であり、表面領域11に設けられるのが表面用のアライメントマークを示す一または複数の穴(図示せず)である。
底面領域10および表面領域11に形成されるアライメントマークを示す一または複数の穴12は、同一のレジストマスクを用いたフォトリソ工程により同時に同一形状に形成される。アライメントマークを示す一または複数の穴12は、平面視で多数の角穴または丸穴の他に角長穴または丸長穴、さらには溝であってもよい。半導体層3の表面3Aから裏面3B付近に向かってアライメントマークを示す一または複数の穴12(または溝)が形成される。この穴12(または溝)内に、酸化シリコン(SiO2)などの絶縁体が埋め込まれる。この絶縁体が埋め込まれたアライメントマークを示す表面領域11の図示しない一または複数の穴12(または溝)が表面3A側から識別可能であり、絶縁体が埋め込まれたアライメントマークを示す溝9の底面領域10の一または複数の穴12(または溝)が裏面3B側から識別可能である。
多層配線部4は、ゲートポリシリコン41および金属配線用の第1〜第5メタル層42〜46がそれぞれの間に層間絶縁膜47を介在して設けられている。第1〜第5メタル層42〜46はアルミニウム(Al)などの金属によって形成され、層間絶縁膜47は酸化シリコン(SiO2)などの絶縁体によって形成されている。
支持基板6は、例えば単結晶のシリコンによって構成されている。支持基板6は、密着層5によって多層配線部4上に密着して固定されている。
半導体層3の裏面3B側に設けられた表面パターン7は、遮光メタル層71、光学素子としてカラーフィルタ72およびその上のマイクロレンズアレイ73を設け、それぞれの下地層として平坦化膜74が設けられている。遮光メタル層71は、半導体層3の複数の受光部(図示せず)上に開口している。
上記構成による本実施形態1の固体撮像素子20の製造方法について説明する。
図3(a)は、図2の有効チップ領域1間の半導体層3における溝9の底面領域10を示す縦断面図、図3(b)は、図2の有効チップ領域1間の半導体層3における表面領域11を示す縦断面図である。図4(a)は図3(a)の溝9の底面領域10にアライメントマークを示す複数の穴を形成した場合を示す縦断面図、図4(b)は図3(b)の表面領域11にアライメントマークを示す複数の穴を形成した場合を示す縦断面図である。
まず、図3(a)に示すように、所定幅Lのスクライブライン部2の半導体層3の所定領域に、スクライブライン部2の幅Lまたは幅Lよりも狭い所定幅で所定深さの溝9を形成する。所定幅Lのスクライブライン部2において、図3(b)に示すように所定幅で所定深さの溝9に隣接する半導体層3の表面領域11には溝9は形成されない。溝9の開口部がスクライブラインの幅Lまたはそれ以下で同程度の幅を備える正方形(図2)または、スクライブラインの長手方向に沿って長い長方形状(図6)である。
次に、図4(a)に示すように溝9の底面領域10にアライメントマークを示す複数の穴12を所定深さに形成すると共に、図4(b)に示すように半導体層3の表面領域11に、図4(a)のアライメントマークと平面視形状およびその深さが同じアライメントマークを示す複数の穴12を所定深さに形成する。
即ち、底面領域10と表面領域11とに同じアライメントマークを示す複数の穴12をそれぞれ同時に形成する。アライメントマークを示す複数の穴12の形成は、図5に示すように、半導体層3および溝9上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜13を成膜する。所定パターンをマスクとして用いてフォトレジスト膜13を感光させて所定形状にパターニングする。このとき、溝9の底面領域10では、レジスト膜13に段差が発生する。溝9の幅をスクライブラインの幅Lと同等の100μm程度とすると、100μmよりも狭い中央範囲(例えば幅80μm程度)の溝9内部においてレジスト膜13の表面が平坦化して安定した領域13aが形成される。この領域13aに、アライメントマークを示す複数の穴を底面領域10に形成するための所定パターンを形成することができる。レジスト膜13の所定パターンをマスクとして底面領域10をエッチング加工することにより、アライメントマークを示す整列した複数の穴として、例えば幅80μm×400μm(溝9の幅が80μmの場合は幅60μm×400μm)の領域など、例えば図6(a)に示すような1辺が例えば5μmの正方形の複数の穴パターン(穴12)または、例えば図6(b)に示すような短辺が例えば5μmの長方形の複数の溝パターン(溝12a)、例えば図6(c)に示すような直径が例えば5μmの円形の複数の穴パターン(穴12b)を形成する。要するに、複数の穴または溝パターンの形状は裏面に貫通せず裏面から透過した形状が目で認識されやすい形状であればよい。もちろん複数の穴パターンまたは複数の溝パターンは裏面に貫通してもよい。複数の穴パターンまたは複数の溝パターンの全体として絵柄的に、回転も含めたアライメントマークとして機能する。
次に、表面領域11のアライメントマークを示す複数の穴12を基準にして、半導体層3内の素子分離部8や複数の受光部(図示せず)を形成する。さらに、半導体層3上に表面パターン(多層配線部4)として、ゲートポリシリコン41や第1〜第5メタル層42〜46を形成する。
その後、半導体基板(半導体ウエハ)上の多層配線部4上に接着層5を介して支持基板6を接着する。半導体基板(半導体ウエハ)をその裏面から裏面照射用に所定厚さまで研磨する。このとき、研磨して残す所定厚さは、底面領域10のアライメントマークを示す複数の穴12の底面が貫通せず、裏面から確認できる程度である。
続いて、表面パターン(多層配線部4)が作成され、支持基板6が接着された半導体ウエハモジュールを上下反転させて、光学素子を含む裏面パターン7を作成するが、このとき、裏面から光透過した底面領域10のアライメントマークを示す複数の穴12を基準にして、裏面パターン7としての遮光メタル71、カラーフィルタ72およびマイクロレンズアレイ73を順次形成する。カラーフィルタ72およびマイクロレンズアレイ73は、複数の受光部のそれぞれに正確に対応させる必要がある。
底面領域10のアライメントマークを示す複数の穴12と、表面領域11のアライメントマークを示す複数の穴12とは、同じレジストマスクにより、一括して同時に作成されるため、底面領域10のアライメントマークを示す複数の穴12と、表面領域11のアライメントマークを示す複数の穴12とは位置的に作成時の誤差はない。このため、底面領域10のアライメントマークを示す複数の穴12と、表面領域11のアライメントマークを示す複数の穴12にて位置合わせを行って作成したそれぞれの部分(例えば受光部とカラーフィルタ72およびマイクロレンズアレイ73)においてアライメントずれの発生を抑えることができる。このように、アライメントマークが表面領域11と裏面用の溝9の底面領域10との複数あってもアライメントずれが発生しない。
このように、裏面用の溝9の底面領域10に形成されるアライメンとマークを示す一または複数の穴12は、溝9内の底面領域10から下方に形成されるため、溝9の深さ分だけアスペクト比を小さく緩和できる。このため、アライメントマークの一または複数の穴12に埋め込まれた酸化膜(絶縁体)にクラックが入る問題を解決できる上、従来技術に比べて裏面側付近にさらに近くまでアライメントマークを形成できて、光透過時のアライメントマークの認識精度をさらにより向上させることができる。
図7は、図1のアライメントマークを示す穴断面のアスペクト比について説明するための縦断面図である。ここでは、アライメントマークを示す複数の穴のうち一の穴断面を示している。また、破線で示したカラーフィルタ72およびマイクロレンズアレイ73は半導体層3の裏面3B側に形成されることを示しているだけであって、破線で示したカラーフィルタ72およびマイクロレンズアレイ73は、実際は、アライメントマークを示す複数の穴に対応する裏面領域には存在しない。これは従来技術の図10および図11についても同様である。
図7において、アライメントマークを示す穴12は裏面3B側に貫通せず(貫通してもよいがここでは貫通させていない)、穴12の最も深い位置(底面)から半導体層3の裏面3Bまでの距離Zを有している。したがって、半導体層3の裏面3B側は、貫通しない穴12によって凹凸が形成されず、凹凸による影響もなく平坦であるため、裏面3B上に光学素子としてカラーフィルタ72やその上のマイクロレンズアレイ73を高精度に形成することができる。なお、カラーフィルタ72やその上のマイクロレンズアレイ73は、前述したが、スクライブライン2に形成される溝9に対応する裏面3B上には、実際は形成されていない。
アライメントマークを示す穴12の最も深い位置(底面)から半導体層3の裏面3Bまでの距離Zは、可視光によって裏面3B側からアライメントマークを示す穴12の底面が識別可能な距離となるように形成されている。
したがって、赤外光などを用いた特別な装置を使わなくても、通常の露光装置を用いて、光学素子としてカラーフィルタ72やその上のマイクロレンズアレイ73を形成するためのアライメントを行うことができる。より具体的には、露光装置において、可視光を裏面3B側から照射してアライメントマークを示す一または複数の穴12を識別し、そのアライメントマークを示す一または複数の穴12の位置を検出する。そのアライメントマークを示す一または複数の穴12の位置を基準に、露光処理を行って、光学素子を構成するカラーフィルタ72やその上のマイクロレンズアレイ73などの裏面パターンを形成することができる。このようにして、アライメントマークを示す一または複数の穴12とカラーフィルタ72やマイクロレンズアレイ73との位置決めが正確に行われる。
例えば図6(a)〜図6(c)ではアライメントマークを示す一または複数の穴の辺サイズや径サイズが5μmなど数μmの大きい場合を示したが、これに限らず、アライメントマークを示す一または複数の穴の辺サイズや径サイズが小さく細かいアライメントマークの方がアライメント精度がよい。アライメントマークを示す穴の辺サイズや径サイズが例えばX=0.8μmの小さい場合、例えば半導体層3の厚さが3μmで、溝9の深さが1.4μm、アライメントマークを示す穴12の底面から半導体層3の裏面3Bまでの距離Zの値として0.1μmとし、穴12の深さをY3=1.5μmとした場合に、アスペクト比=Y3/X=1.5/0.8<2である。アスペクト比が1.5/0.8ではクラックは発生しないが、スペクト比が2を超えるとクラック発生の虞がある。したがって、アスペクト比が0.8以上2以下であれば、アライメントマークの開口が小さい穴12へのクラックをより確実に防止することができる。一方、視認性では、アライメントマークを示す穴12の辺サイズや径サイズが例えばX=0.8μm、アライメントマークを示す穴12の底面から半導体層3の裏面3Bまでの距離Zの値として0.1μm、穴12の深さをY3=1.5μmであれば問題なく、アライメントマークを示す穴を視認することができる。この場合も、アスペクト比が0.8以上2以下であれば、アライメントマークの開口が小さい穴12の裏面からのマーク先端(穴12の底面)の視認性をより確実に向上させることができる。
また、視認できる限界としては、アライメントマークを示す穴の辺サイズや径サイズが例えばX=0.5μm、アライメントマークを示す穴12の底面から半導体層3の裏面3Bまでの距離Zの値として0μm(貫通)、穴12の深さをY3=0.4μmであれば視認できる。このとき、アスペクト比=Y3/X=0.4/0.5≧0.8である。よって、0.8≦アスペクト比≦2(より好ましくは1≦アスペクト比≦1.5)であれば、クラックが発生せず、アライメントマークを示す穴の視認性も問題ない。この場合に、アスペクト比が少なくなるほどクラックが発生しにくく、アスペクト比が小さいほど視認性が悪くなる。なお、距離Zの値が0μmで穴12が裏面に貫通する方が視認性がよいのは当然である。
以上により、本実施形態1によれば、半導体層3(または半導体基板;半導体ウエハ基板)の表面に対して加工する際に用いる第1アライメントマークと、半導体層3(または半導体基板;半導体ウエハ基板)の裏面に対して加工する際に用いる第2アライメントマークとを有し、第1アライメントマークは、半導体層3(または半導体基板;半導体ウエハ基板)の表面に形成した開口の大きい溝9(穴領域)外の隣接平坦面(表面領域11)に表面側から視認可能に形成され、第2アライメントマークは、開口の大きい溝9(穴領域)内の平坦面(底面領域10)に裏面側からの視認可能に形成されている。
これによって、開口が広い溝9(または穴領域)を掘った底面領域10から第2アライメントマークの狭い穴12を一または複数形成するため、従来技術に比べて第2アライメントマークの穴開口寸法に対する穴深さのアスペクト比を軽減することができて第2アライメントマークの開口が小さい穴12へのクラックを抑制または防止すると共に、裏面からのマーク先端(穴12の底面)の距離を小さくまたは貫通してマーク視認性を更に向上させることができる。
第1アライメントマークおよび第2アライメントマークは、開口が小さく平面視同一形状で同一深さの一または複数の穴で構成されており、開口が小さく平面視同一形状で同一深さの一または複数の穴の開口の寸法に対する深さ寸法をアスペクト比とし、アスペクト比が0.8以上2以下であれば、第2アライメントマークの開口が小さい穴12へのクラックをより確実に防止すると共に、裏面からのマーク先端(穴12の底面)の視認性をより確実に向上させることができる。
(実施形態2)
本実施形態2として、上記実施形態1の固体撮像素子を撮像部に用いた電子情報機器の場合について説明する。
本実施形態2として、上記実施形態1の固体撮像素子を撮像部に用いた電子情報機器の場合について説明する。
本実施形態2の電子情報機器は、上記実施形態1の固体撮像素子からの撮像信号を所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る固体撮像装置と、この固体撮像装置からのカラー画像信号を記録用に所定の信号処理した後にデータ記録可能とする記録メディアなどのメモリ部と、この固体撮像装置からのカラー画像信号を表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示可能とする液晶表示装置などの表示手段と、この固体撮像装置からのカラー画像信号を通信用に所定の信号処理をした後に通信処理可能とする送受信装置などの通信部と、この固体撮像装置からのカラー画像信号を印刷用に所定の印刷信号処理をした後に印刷処理可能とするプリンタなどの画像出力部とを有している。なお、この電子情報機器として、これに限らず、固体撮像装置の他に、メモリ部と、表示部と、通信部と、プリンタなどの画像出力部とのうちの少なくともいずれかを有していてもよい。
この電子情報機器としては、前述したように例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラ、ドアホンカメラ、車載用後方監視カメラなどの車載用カメラおよびテレビジョン電話用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、カメラ付き携帯電話装置および携帯端末装置(PDA)などの画像入力デバイスを有した電子機器が考えられる。
したがって、本実施形態2によれば、この固体撮像装置からのカラー画像信号に基づいて、これを表示画面上に良好に表示したり、これを紙面にて画像出力部により良好にプリントアウト(印刷)したり、これを通信データとして有線または無線にて良好に通信したり、これをメモリ部に所定のデータ圧縮処理を行って良好に記憶したり、各種データ処理を良好に行うことができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1、2を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1、2に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1、2の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、被写体からの画像光を光電変換して撮像する半導体素子で構成された半導体撮像素子およびその製造方法、この製造方法により作製された半導体撮像素子を、画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、テレビジョン電話装置、カメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の分野において、開口の広い溝を掘った底面からアライメントマークを示す開口の狭い穴を形成することにより、穴の開口の大きさに対する穴の深さのアスペクト比を軽減してアライメントマークへのクラックを抑制または防止すると共に、裏面からのマーク先端の距離を小さくまたは無くしてマーク視認性を向上させることができる。
1 各有効チップ領域(半導体撮像素子としての固体撮像素子)
2 スクライブライン部
3 半導体層(半導体基板)
3A 表面
3B 裏面
4 多層配線部(表面パターン)
41 ゲートポリシリコン
42〜46 第1〜第5メタル層
47 層間絶縁膜
5 接着層
6 支持基板
7 光学素子を含む裏面パターン
71 遮光メタル層
72 カラーフィルタ
73 マイクロレンズアレイ
74 平坦化膜
8 素子分離層
9 溝(開口の大きい穴または穴領域)
10 底面領域
11 表面領域
12,12a,12b 穴(第1および第2アライメントマーク)
13 レジスト膜
13a 平坦化領域
20 固体撮像素子(半導体ウエハモジュール)
2 スクライブライン部
3 半導体層(半導体基板)
3A 表面
3B 裏面
4 多層配線部(表面パターン)
41 ゲートポリシリコン
42〜46 第1〜第5メタル層
47 層間絶縁膜
5 接着層
6 支持基板
7 光学素子を含む裏面パターン
71 遮光メタル層
72 カラーフィルタ
73 マイクロレンズアレイ
74 平坦化膜
8 素子分離層
9 溝(開口の大きい穴または穴領域)
10 底面領域
11 表面領域
12,12a,12b 穴(第1および第2アライメントマーク)
13 レジスト膜
13a 平坦化領域
20 固体撮像素子(半導体ウエハモジュール)
Claims (5)
- 半導体基板または半導体層の両面に対して加工を施して作製される半導体撮像素子において、
該半導体基板または該半導体層の表面に対して加工する際に用いる第1アライメントマークと、該半導体基板または該半導体層の裏面に対して加工する際に用いる第2アライメントマークとを有し、
該第1アライメントマークは、該半導体基板または該半導体層の表面に形成した開口の大きい穴領域外の隣接平坦面に該表面から視認可能に形成され、該第2アライメントマークは、該開口の大きい穴領域内の平坦面に該裏面からの視認可能に形成されている半導体撮像素子。 - 前記第1アライメントマークおよび前記第2アライメントマークは、開口が小さく平面視同一形状で同一深さの一または複数の穴で構成されている請求項1に記載の半導体撮像素子。
- 前記開口が小さく平面視同一形状で同一深さの一または複数の穴の該開口の寸法に対する深さ寸法をアスペクト比とし、該アスペクト比が0.8以上2以下である請求項2に記載の半導体撮像素子。
- 半導体基板または半導体層の両面に対して加工を施して作製する半導体撮像素子の製造方法において、
該半導体基板または該半導体層の所定表面に形成した開口が大きく所定深さの穴を形成する穴形成工程と、
同一マスクを用いて同時に、該開口が大きい穴領域内の平坦面に、裏面から視認可能な第2アライメントマークを形成すると共に、該開口が大きい穴領域外の隣接平坦面に、該表面から視認可能な第1アライメントマークを形成する第1および第2アライメントマーク形成工程とを有した半導体撮像素子の製造方法。 - 前記第1アライメントマークおよび前記第2アライメントマークとして、前記開口が大きい穴領域内にレジスト膜を成膜したときに穴中央領域で該レジスト膜が平坦化する領域に、該開口が小さく所定深さの一または複数の穴を形成する請求項4に記載の半導体撮像素子の製造方法。
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JP2013052166A JP2014179446A (ja) | 2013-03-14 | 2013-03-14 | 半導体撮像素子およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2013
- 2013-03-14 JP JP2013052166A patent/JP2014179446A/ja active Pending
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