JP4930306B2 - 車載通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されて、他の車両に搭載された通信装置との間で通信を行う車載通信装置に関する。
ブロードキャスト型の双方向通信系では、誰もが情報の送受信を行うことができるため、悪意のある者によって情報が改竄されるおそれがある。このため、通信相手を認証することによって、受信した情報の中から改竄されたものを除外する手法が広く用いられている。
1:1の通信における通信相手認証の方法としては、ハンドシェイクを行う方法(IEEE802.11i標準で制定)が知られている。しかし、ハンドシェイク手順処理に時間がかかりブロードキャスト型の多数間通信に適さないという問題がある。
このため、1:Nの通信における通信相手認証の方法としては、公開鍵を用いて相手認証をし、署名付与情報とすることによって情報内容の信憑性を確保する方法が利用されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では通信相手認証のために、通信プロトコル、暗号方式、署名方式、鍵、シリアル番号の組からなるセキリティアソシエーション(Security Association)を各発信者が持ち、これをやりとりすることによって認証を行う。このため、情報を受信する側では、各発信者のセキリティアソシエーションを格納するためのセキリティアソシエーションデータベース(Security Association DataBase)を必要とする。
特開2005−117254号公報
ところで、車両に搭載される装置として、他車両との間で1:Nの無線通信(以下、車車間通信ともいう)を行う車載通信装置が知られている。この車載通信装置を用いて他車両からの情報を受信することにより、運転者からは見えない位置にある車両や道路の状況を知り、危険を事前に検知することができる。
しかし、道路上には多数の車両が存在するため、公開鍵を用いた通信相手認証を車車間通信で採用すると、セキリティアソシエーションデータベースに格納されるセキリティアソシエーションの数が膨大となる。
そして、道路や車両の状況は時々刻々と変化するため、車載通信装置は、必要な情報を他車両から迅速に取得する必要がある。しかし、新たに受信したセキリティアソシエーションの送信元が、既にセキリティアソシエーションデータベースに格納されるセキリティアソシエーションの送信元と同一であるか否かを判断するために、セキリティアソシエーションデータベース内の膨大な数のセキリティアソシエーションを検索する必要が生じ、検索に時間がかかる。このため、他車両から通信で取得した情報を検証する時間が長くなり、必要な情報を迅速に取得できなくなるという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、他車両から情報を迅速に取得することができる車載通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1または請求項2に記載の車載通信装置では、第1特定手段が、予め設定された所定判定時間継続してセキリティアソシエーションを未受信である他車両通信装置のセキリティアソシエーションを特定し、第1削除手段が、記憶手段に記憶されたセキリティアソシエーションのうち、第1特定手段により特定されたセキリティアソシエーションを記憶手段から削除する。
このように構成された車載通信装置では、所定判定時間未受信である他車両通信装置のセキリティアソシエーションが、記憶手段から削除される。尚、未受信時間を判定条件としたのは、長時間未受信である他車両は自車両の遠方に位置しており、自車両にとって重要度が低くなるとの考えに基づく。
従って、このように構成された車載通信装置によれば、記憶手段に記憶されるセキリティアソシエーションの数を低減することができる。これにより、記憶手段に記憶されているセキリティアソシエーションの中から、所望のセキリティアソシエーションを検索する時間を短縮でき、他車両通信装置からの情報を迅速に取得することができる。
なお、上記の所定判定時間は、自車両の遠方に位置する他車両を除外するために設定されている。しかし、車両の走行速度に応じて、遠方に位置する他車両に到達するまでの時間が異なる。このため、車両の走行速度に応じて、上記の所定判定時間を変化させることが望ましい。
そこで、請求項1に記載の車載通信装置では、自車両走行速度取得手段が、当該車載通信装置が搭載された車両である自車両の走行速度を示す自車両走行速度情報を取得し、第1判定時間設定手段が、自車両走行速度取得手段により取得された自車両走行速度情報に基づいて、所定判定時間を設定するようにする
このように構成された車載通信装置によれば、車両の走行速度によっては記憶する必要のないセキリティアソシエーションが無駄に記憶され続けることを抑制し、セキリティアソシエーションを適切に削除することができる。
また、車両は、通常、一般道よりも高速道路のほうが高速で走行する。そこで、請求項2に記載の車載通信装置では、道路種別取得手段が、当該車載通信装置が搭載された車両である自車両の走行している道路の道路種別を示す道路種別情報を取得し、第2判定時間設定手段が、道路種別取得手段により取得された道路種別情報に基づいて、所定判定時間を設定するようにする
このように構成された車載通信装置よれば、走行中の道路の道路種別が一般道であるか高速道であるかを判断するのみでよいので、所定判定時間を簡便に設定することができる。
また、請求項3または請求項4に記載の車載通信装置では、他車両通信装置との間の通信により受信するセキリティアソシエーションは、他車両の位置を示す他車両位置情報を含み、自車両位置取得手段が、当該車載通信装置が搭載された車両である自車両の位置を示す自車両位置情報を取得し、距離算出手段が、少なくとも、受信したセキリティアソシエーションに含まれる他車両位置情報と、自車両位置取得手段により取得した自車両位置情報とに基づいて、自車両と他車両との間の距離である車両間距離を算出する。更に、第2特定手段が、距離算出手段により算出された車両間距離が予め設定された所定判定距離以上となる他車両通信装置のセキリティアソシエーションを特定し、第2削除手段が、記憶手段に記憶されたセキリティアソシエーションのうち、第2特定手段により特定されたセキリティアソシエーションを記憶手段から削除する。
このように構成された車載通信装置では、自車両から所定判定距離離れている他車両通信装置のセキリティアソシエーションが、記憶手段から削除される。尚、所定判定距離を判定条件としたのは、遠方にある他車両は自車両にとって重要度が低くなるとの考えに基づく。
従って、このように構成された車載通信装置によれば、請求項1,2に記載の車載通信装置と同様の効果を奏する。
また請求項3または請求項4に記載の車載通信装置では、請求項5に記載のように、車両間距離は、自車両と他車両との間の直線距離であるようにしてもよい。
このように構成された車載通信装置によれば、自車両の位置と他車両の位置とに基づいて、簡便に車両間距離を算出することができる。
尚、自車両及び他車両の位置を示す情報として、例えば緯度及び経度のように2次元で表現する位置情報でもよいが、緯度及び経度等の位置情報に高さの情報を加えて3次元で表現する位置情報を用いてもよい。3次元の位置情報を用いることにより、例えば立体交差での車両間距離を適切に算出することができる。
また請求項3または請求項4に記載の車載通信装置では、請求項6に記載のように、車両間距離は、自車両と他車両との間の道路長であるようにしてもよい。
このように構成された車載通信装置によれば、実際に車両が移動する距離をもとにして、セキリティアソシエーションを削除するか否かを決定することができる。
なお、上記の所定判定距離は、自車両の遠方に位置する他車両を除外するために設定されている。そこで、請求項3に記載の車載通信装置では、自車両走行速度取得手段が、自車両の走行速度を示す自車両走行速度情報を取得し、第1判定距離設定手段が、自車両走行速度取得手段により取得された自車両走行速度情報に基づいて、所定判定距離を設定するようにする
このように構成された車載通信装置によれば、請求項1に記載の車載通信装置と同様の効果を奏する。
また、請求項4に記載の車載通信装置では、道路種別取得手段が、自車両の走行している道路の道路種別を示す道路種別情報を取得し、第2判定距離設定手段が、道路種別取得手段により取得された道路種別情報に基づいて、所定判定距離を設定するようにする
このように構成された車載通信装置によれば、請求項2に記載の車載通信装置と同様の効果を奏する。
(第1実施形態)
以下に本発明の第1実施形態について図面とともに説明する。
図1は、本発明が適用された実施形態のナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置1は、車両に搭載され、図1に示すように、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、車両の走行速度を検出する車速センサ22と、外部と通信を行う外部通信機23と、地図データや各種の情報を記憶可能なデータ記憶装置24と、ユーザからの各種指示を入力するための操作スイッチ群25と、地図表示画面やTV画面等の各種表示を行うための表示装置26と、各種の案内音声等を出力するための音声出力部27と、運転者が発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン28と、上述の位置検出器21,車速センサ22,外部通信機23,データ記憶装置24,操作スイッチ群25,及びマイクロフォン28からの入力に応じて各種処理を実行し、外部通信機23,データ記憶装置24,表示装置26及び音声出力部27を制御する制御部20とを備えている。
これらのうち位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置,方位等を検出するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から距離を検出するための距離センサ21cと、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサ21dとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21dは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで構成してもよく、またステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
また外部通信機23は、他の車両に搭載された通信機(不図示。以下、他車両通信機という)との間でブロードキャスト型の無線通信を行う機能を備える。具体的には、図2(a)に示すように、複数の車両(図では、車両1〜3の3台のみを示す)がそれぞれ、他の複数の車両に対して、定期的に同一内容のフレームの送信(矢印SF1,SF2,SF3を参照)を一斉に行う。そして各車両は、他の車両から送信されたフレームを受信する。
尚、車両から送信されるフレームFR(以下、送信フレームFRまたはフレームFRという)は、図2(b)に示すように、「車両ID」、「位置」、「移動方向」、「シリアル番号」、「メッセージ」、「署名」、「公開鍵」、「公開鍵証明書」を示す情報から構成される。
これらのうち「車両ID」は車両を識別するための情報である。また「位置」は、車両の位置する緯度と経度を示す情報である。また「移動方向」は、車両の進行方向を示す情報である。また上記の「シリアル番号」は、送信フレームを識別するために付される連続番号である。また「メッセージ」は、「位置」や「移動方向」以外の車両に関する情報である。
またデータ記憶装置24は、位置特定の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ,地図データ,マークデータを含む各種データおよびナビゲーション装置1を動作させるために制御部20が実行するナビゲーションプログラムや、外部通信機23が通信により取得した情報を記憶するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、そのデータ量からハードディスクなどの磁気記憶装置を用いている。尚、データ記憶装置24には、図1に示すように、他の車両から受信したセキリティアソシエーション(以下、SAともいう)を記憶するセキリティアソシエーションデータベース24a(以下、SAD24aともいう)が設けられている。
尚、SAは、図2(c)に示すように、「車両ID」、「暗号・署名方式」、「公開鍵」、「フレーム受信時刻」、「位置」を示す情報から構成される。そしてセキリティアソシエーションデータベース24aには、受信したSAが、予め設定された順序(例えば、フレームを受信した順)で格納される。
また操作スイッチ群25は、表示装置26の表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチである。なおタッチパネルと表示装置26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、そのいずれを用いてもよい。
また表示装置26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,CRT,有機ELなどがあるが、そのいずれを用いてもよい。表示装置26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置とデータ記憶装置24より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク,目的地までの誘導経路,名称,目印,各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。
またマイクロフォン28は、運転者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部20に出力するものである。このマイクロフォン28を介して入力される音声コマンドによって、ナビゲーション装置1の操作が可能なように構成されている。
また制御部20は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、データ記憶装置24に記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、データ記憶装置24から読み込んだ現在位置付近の地図等を表示装置26に表示する地図表示機能や、データ記憶装置24に格納された地点データに基づき、操作スイッチ群25の操作や、マイクロフォン28を介した音声入力に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算(例えば、ダイクストラ法)を行って経路案内を行う経路案内機能や、音声出力部27とマイクロフォン28を介して運転者との対話を行いながら運転者からの音声コマンドを入力することによってナビゲーション装置1を制御する対話機能(エージェント機能)を備える。
このように構成されたナビゲーション装置1において、制御部20は、受信したフレームFRを検証するフレーム検証処理と、不要となったSAを削除する不要SA削除処理と、SAを全削除するSA全削除処理を実行する。
まず、制御部20が実行するフレーム検証処理の手順を図3を用いて説明する。図3はフレーム検証処理を示すフローチャートである。このフレーム検証処理は、制御部20が起動(電源オン)している間に繰り返し実行される処理である。
このフレーム検証処理が実行されると、制御部20は、まずS10にて、外部通信機23を介して他の車両に搭載された通信機との間で無線通信を行い、フレームFRを受信する。その後S20にて、受信したフレームFRから「車両ID」を抽出し、更にS30にて、抽出した「車両ID」と同一の「車両ID」を有するSA(以下、ID同一SAともいう)をSAD24aから検索する。
そしてS40にて、S30での検索結果に基づいて、ID同一SAがSAD24a内にあるかを判断する。ここで、ID同一SAがある場合には(S40:YES)、S90に移行する。一方、ID同一SAがない場合には(S40:NO)、S50にて、受信したフレームFRから「公開鍵」を抽出し、更にS60にて、受信したフレームFRから「公開鍵証明書」を抽出する。
その後S70にて、「公開鍵証明書」から「公開鍵」を検証する。そしてS80にて、S70での検証結果に基づいて、フレームFRから抽出した「公開鍵」が正しい公開鍵であるか否かを判断する。ここで、正しい公開鍵でない場合には(S80:NO)、S140に移行する。一方、正しい公開鍵である場合には(S80:YES)、S90に移行する。
そしてS90に移行すると、受信したフレームFRから「署名」を抽出し、更にS100にて、S90で抽出した「署名」と「公開鍵」を用いて、フレームFRの内容(「車両ID」、「位置」、「移動方向」、「シリアル番号」、「メッセージ」の内容)が正しいか(即ち、改竄されていないか)を検証する。
その後S110にて、S100での検証結果に基づいて、フレームFRの内容が正しいか否かを判断する。ここで、フレームFRの内容が正しくない場合には(S110:NO)、S140に移行する。一方、フレームFRの内容が正しい場合には(S110:YES)、S120にて、受信したフレームFRのセキリティアソシエーション(SA)をSAD24aに追加し、S130にて、S10にて受信したフレームFRの中から「メッセージ」を抽出し、データ記憶装置24に記憶して、フレーム検証処理を一旦終了する。
またS140に移行すると、受信したフレームFRを廃棄して、フレーム検証処理を一旦終了する。
次に、制御部20が実行する不要SA削除処理の手順を図4を用いて説明する。図4は不要SA削除処理を示すフローチャートである。この不要SA削除処理は、制御部20が起動(電源オン)している間に、予め設定された時間が経過するごとに実行される処理である。
この不要SA削除処理が実行されると、制御部20は、まずS210にて、SAD24aの行番号を示す行番号指示値iを「1」に設定する。
そしてS220にて、行番号指示値iにより示される行番号が、SAD24aの最終行の番号であるか否かを判断する。ここで、最終行の番号である場合には(S220:YES)、不要SA削除処理を終了する。
一方、最終行の番号でない場合には(S220:NO)、S230にて、行番号指示値iにより示される行番号のセキリティアソシエーション(SA)から「フレーム受信時刻」を抽出し、S240にて、「現在時刻」と「フレーム受信時刻」との差Δt_now(以下、未受信時間Δt_nowという)を算出する。
その後S250にて、車速センサ22から、車両の走行速度を示す走行速度情報を取得し、更にS260にて、S250で取得した走行速度情報に基づいて、セキリティアソシエーション(SA)を削除するかいなかを判定するための判定時間Δtを設定する。具体的には、走行速度が大きいほど判定時間Δtが長くなるように設定する。これは、判定時間Δtが、自車両の遠方に位置する他車両を除外するために設定され、走行速度が大きいほど短い時間で自車両が遠方に到達できるとの考えに基づく。
尚、走行速度に応じて判定時間Δtを変化させる手法としては、例えば、走行速度に応じて段階的に判定時間Δtを変化させたり、走行速度に比例して判定時間Δtを変化させたりするものが挙げられる。
その後S270にて、未受信時間Δt_nowが判定時間Δtを越えているか否かを判断する。ここで、未受信時間Δt_nowが判定時間Δtを越えていない場合には(S270:NO)、S290に移行する。一方、未受信時間Δt_nowが判定時間Δtを越えている場合には(S270:YES)、S280にて、行番号指示値iにより示される行番号のセキリティアソシエーション(SA)をSAD24aから削除し、S290に移行する。
そしてS290に移行すると、行番号指示値iに「1」を加算した値を行番号指示値iに設定する。その後、S220に移行し、上述の処理を繰り返す。
次に、制御部20が実行するSA全削除処理の手順を図5を用いて説明する。図5はSA全削除処理を示すフローチャートである。このSA全削除処理は、アクセサリ電源(不図示)がオフからオンに変化したときに実行される処理である。
このSA全削除処理が実行されると、制御部20は、S410にて、SAD24aに記憶されている全てのセキリティアソシエーション(SA)をSAD24aから削除し、SA全削除処理を終了する。
このように構成されたナビゲーション装置1では、判定時間Δt継続して未受信である他車両通信機のセキリティアソシエーション(SA)を特定し(S210,S230,S240,S270,S290)、SAD24aに記憶されたセキリティアソシエーション(SA)のうち、特定されたセキリティアソシエーション(SA)をSAD24aから削除する(S280)。
従って、判定時間Δt未受信である他車両通信機のセキリティアソシエーション(SA)が、SAD24aから削除される。
このため、SAD24aに記憶されるセキリティアソシエーション(SA)の数を低減することができる。これにより、SAD24aに記憶されているセキリティアソシエーション(SA)の中から、所望のセキリティアソシエーション(SA)を検索する時間を短縮でき、他車両通信機からの情報を迅速に取得することができる。
また、車速センサ22から車両の走行速度を示す走行速度情報を取得し(S250)、取得した走行速度情報に基づいて判定時間Δtを設定する(S260)。
このため、車両の走行速度によっては記憶する必要のないセキリティアソシエーション(SA)が無駄に記憶され続けることを抑制し、セキリティアソシエーション(SA)を適切に削除することができる。
また、自車両のアクセサリ電源がオンとなった場合に、SAD24aに記憶されている全てのセキリティアソシエーション(SA)をSAD24aから削除する(S410)。
従って、削除するべきセキリティアソシエーション(SA)を選択するための処理が不要であるため、SAD24aに記憶されるセキリティアソシエーション(SA)の数を簡便に低減することができる。
以上説明した実施形態において、ナビゲーション装置1は本発明における車載通信装置、SAD24aは本発明における記憶手段、S210,S230,S240,S270,S290の処理は本発明における第1特定手段、S280の処理は本発明における第1削除手段、判定時間Δtは本発明における所定判定時間、S250の処理は本発明における自車両走行速度取得手段、S260の処理は本発明における第1判定時間設定手段、S410の処理は本発明における第3削除手段である。
(第2実施形態)
以下に本発明の第2実施形態について図面とともに説明する。尚、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第2実施形態におけるナビゲーション装置1は、不要SA削除処理が変更された点以外は第1実施形態と同じである。
ここで、第2実施形態の不要SA削除処理手順を図6を用いて説明する。図6は第2実施形態の不要SA削除処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、第2実施形態の不要SA削除処理が第1実施形態と異なるのは、S250及びS260の処理が省略されて、S255及びS265の処理が追加された点である。
即ち、S240の処理が終了すると、S255にて、データ記憶装置24に記憶されている地図データから、現在走行中の道路の種別を示す道路種別情報を取得する。そしてS265にて、S255で取得した道路種別情報に基づいて、セキリティアソシエーション(SA)を削除するかいなかを判定するための判定時間Δtを設定し、S270に移行する。具体的には、道路種別が高速道路である場合の判定時間Δtが、道路種別が一般道である場合の判定時間Δtよりも長くなるように設定する。
これは、第1実施例と同様に、判定時間Δtが、自車両の遠方に位置する他車両を除外するために設定され、走行速度が大きいほど短い時間で自車両が遠方に到達できるとの考えとともに、車両は通常、一般道よりも高速道路のほうが高速で走行するとの考えに基づく。
このように構成されたナビゲーション装置1では、地図データから道路種別情報を取得し(S255)、取得した道路種別情報に基づいて判定時間Δtを設定する(S265)。
このため、走行中の道路の道路種別が一般道であるか高速道であるかを判断するのみでよいので、判定時間Δtを簡便に設定することができる。
以上説明した実施形態において、S255の処理は本発明における道路種別取得手段、S265の処理は本発明における第2判定時間設定手段である。
(第3実施形態)
以下に本発明の第3実施形態について図面とともに説明する。尚、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第3実施形態におけるナビゲーション装置1は、不要SA削除処理が変更された点以外は第1実施形態と同じである。
ここで、第3実施形態の不要SA削除処理手順を図7を用いて説明する。図7は第3実施形態の不要SA削除処理を示すフローチャートである。
この不要SA削除処理が実行されると、制御部20は、まずS510にて、SAD24aの行番号を示す行番号指示値iを「1」に設定する。
そしてS520にて、行番号指示値iにより示される行番号が、SAD24aの最終行の番号であるか否かを判断する。ここで、最終行の番号である場合には(S520:YES)、不要SA削除処理を終了する。
一方、最終行の番号でない場合には(S520:NO)、S530にて、行番号指示値iにより示される行番号のセキリティアソシエーション(SA)から「位置」を抽出し、S540にて、位置検出器21からの各検出信号に基づき車両の現在位置を算出する。
そしてS550にて、S530にて抽出された「位置」と、S540で算出された「現在位置」との間の直線距離Δd_now(以下、車両間距離Δd_nowという)を算出する。
その後S560にて、車速センサ22から、車両の走行速度を示す走行速度情報を取得し、更にS570にて、S560で取得した走行速度情報に基づいて、セキリティアソシエーション(SA)を削除するか否かを判定するための判定距離Δdを設定する。具体的には、走行速度が大きいほど判定距離Δdが長くなるように設定する。
尚、走行速度に応じて判定距離Δdを変化させる手法としては、例えば、走行速度に応じて段階的に判定距離Δdを変化させたり、走行速度に比例して判定距離Δdを変化させたりするものが挙げられる。
更にS580にて、車両間距離Δd_nowが判定距離Δdを越えているか否かを判断する。ここで、車両間距離Δd_nowが判定距離Δdを越えていない場合には(S580:NO)、S600に移行する。一方、車両間距離Δd_nowが判定距離Δdを越えている場合には(S580:YES)、S590にて、行番号指示値iにより示される行番号のセキリティアソシエーション(SA)をSAD24aから削除し、S600に移行する。
そしてS600に移行すると、行番号指示値iに「1」を加算した値を行番号指示値iに設定する。その後、S520に移行し、上述の処理を繰り返す。
このように構成されたナビゲーション装置1では、セキリティアソシエーション(SA)から「位置」を抽出するとともに(S530)、位置検出器21からの各検出信号に基づき車両の現在位置を算出し(S540)、抽出された「位置」と、算出された「現在位置」との間の直線距離Δd_now(車両間距離Δd_now)を算出する(S550)。更に、車両間距離Δd_nowが判定距離Δdを越えるセキリティアソシエーション(SA)を特定し(S510,S580,S600)、SAD24aに記憶されたセキリティアソシエーション(SA)のうち、特定されたセキリティアソシエーション(SA)をSAD24aから削除する(S590)。
従って、自車両から判定距離Δdを越えて離れた他車両通信機のセキリティアソシエーション(SA)が、SAD24aから削除される。
このため、SAD24aに記憶されるセキリティアソシエーション(SA)の数を低減することができる。これにより、SAD24aに記憶されているセキリティアソシエーションの中から、所望のセキリティアソシエーション(SA)を検索する時間を短縮でき、他車両通信機からの情報を迅速に取得することができる。
また、車速センサ22から車両の走行速度を示す走行速度情報を取得し(S560)、取得した走行速度情報に基づいて判定時間Δtを設定する(S570)。
このため、車両の走行速度によっては記憶する必要のないセキリティアソシエーション(SA)が無駄に記憶され続けることを抑制し、セキリティアソシエーション(SA)を適切に削除することができる。
以上説明した実施形態において、S540の処理は本発明における自車両位置取得手段、S550の処理は本発明における距離算出手段、S510,S580,S600の処理は本発明における第2特定手段、S590の処理は本発明における第2削除手段、セキリティアソシエーション(SA)を構成する「位置」は本発明における他車両位置情報、判定距離Δdは本発明における所定判定距離、S560の処理は本発明における自車両走行速度取得手段、S570の処理は本発明における第1判定距離設定手段である。
(第4実施形態)
以下に本発明の第4実施形態について図面とともに説明する。尚、第4実施形態では、第3実施形態と異なる部分のみを説明する。
第4実施形態におけるナビゲーション装置1は、不要SA削除処理が変更された点以外は第3実施形態と同じである。
ここで、第4実施形態の不要SA削除処理手順を図8を用いて説明する。図8は第4実施形態の不要SA削除処理を示すフローチャートである。
図8に示すように、第4実施形態の不要SA削除処理が第3実施形態と異なるのは、S560及びS570の処理が省略されて、S565及びS575の処理が追加された点である。
即ち、S550の処理が終了すると、S565にて、データ記憶装置24に記憶されている地図データから、現在走行中の道路の種別を示す道路種別情報を取得する。そしてS575にて、S565で取得した道路種別情報に基づいて、セキリティアソシエーション(SA)を削除するかいなかを判定するための判定距離Δdを設定し、S580に移行する。具体的には、道路種別が高速道路である場合の判定距離Δdが、道路種別が一般道である場合の判定距離Δdよりも長くなるように設定する。
このように構成されたナビゲーション装置1では、地図データから道路種別情報を取得し(S565)、取得した道路種別情報に基づいて判定距離Δdを設定する(S575)。
このため、走行中の道路の道路種別が一般道であるか高速道であるかを判断するのみでよいので、判定距離Δdを簡便に設定することができる。
以上説明した実施形態において、S565の処理は本発明における道路種別取得手段、S575の処理は本発明における第2判定距離設定手段である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記実施形態においては、S530にて抽出された「位置」と、S540で算出された「現在位置」との間の距離として直線距離を算出するものを示したが、データ記憶装置24に記憶されている地図データを用いて、「位置」と「現在位置」との間の道路長を算出するようにしてもよい。道路長を採用することにより、実際に自車両が移動する距離をもとにして、セキリティアソシエーション(SA)を削除するか否かを決定することができる。
また上記実施形態においては、緯度及び経度を示す2次元の位置情報を用いて距離を算出するものを示したが、更に高さの情報を加えて3次元の位置情報を用いてもよい。3次元の位置情報を用いることにより、例えば立体交差での車両間距離を適切に算出することができる。
また上記実施形態においては、予め設定された時間が経過するごとに不要SA削除処理が実行されるものを示したが、マニュアル操作が行われた時や、予め設定された数のフレームFRを受信するごとに実行されるようにしてもよい。
また上記実施形態においては、アクセサリ電源がオフからオンに変化したときに全てのセキリティアソシエーション(SA)をSAD24aから削除するものを示したが、アクセサリ電源がオンからオフに変化したときに削除するようにしてもよい。
ナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。 ブロードキャスト型通信、送信フレームFR、及びSAD24aを説明する図である。 フレーム検証処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の不要SA削除処理を示すフローチャートである。 SA全削除処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の不要SA削除処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の不要SA削除処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の不要SA削除処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ナビゲーション装置、20…制御部、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、21d…地磁気センサ、22…車速センサ、23…外部通信機、24…データ記憶装置、24a…SAD、25…操作スイッチ群、26…表示装置、27…音声出力部、28…マイクロフォン

Claims (6)

  1. 車両に搭載されて、他車両に搭載された通信装置である他車両通信装置との間でブロードキャスト型通信を行うことにより、セキリティアソシエーションを送受信する車載通信装置であって、
    前記他車両通信装置との間の通信により受信したセキリティアソシエーションを記憶する記憶手段と、
    予め設定された所定判定時間継続してセキリティアソシエーションを未受信である前記他車両通信装置のセキリティアソシエーションを特定する第1特定手段と、
    前記記憶手段に記憶されたセキリティアソシエーションのうち、前記第1特定手段により特定されたセキリティアソシエーションを前記記憶手段から削除する第1削除手段と、
    当該車載通信装置が搭載された車両である自車両の走行速度を示す自車両走行速度情報を取得する自車両走行速度取得手段と、
    前記自車両走行速度取得手段により取得された自車両走行速度情報に基づいて、前記所定判定時間を設定する第1判定時間設定手段と
    を備えることを特徴とする車載通信装置。
  2. 車両に搭載されて、他車両に搭載された通信装置である他車両通信装置との間でブロードキャスト型通信を行うことにより、セキリティアソシエーションを送受信する車載通信装置であって、
    前記他車両通信装置との間の通信により受信したセキリティアソシエーションを記憶する記憶手段と、
    予め設定された所定判定時間継続してセキリティアソシエーションを未受信である前記他車両通信装置のセキリティアソシエーションを特定する第1特定手段と、
    前記記憶手段に記憶されたセキリティアソシエーションのうち、前記第1特定手段により特定されたセキリティアソシエーションを前記記憶手段から削除する第1削除手段と、
    当該車載通信装置が搭載された車両である自車両の走行している道路の道路種別を示す道路種別情報を取得する道路種別取得手段と、
    前記道路種別取得手段により取得された道路種別情報に基づいて、前記所定判定時間を設定する第2判定時間設定手段と
    を備えることを特徴とする車載通信装置。
  3. 車両に搭載されて、他車両に搭載された通信装置である他車両通信装置との間でブロードキャスト型通信を行うことにより、セキリティアソシエーションを送受信する車載通信装置であって、
    前記他車両通信装置との間の通信により受信するセキリティアソシエーションは、前記他車両の位置を示す他車両位置情報を含み、
    前記他車両通信装置との間の通信により受信したセキリティアソシエーションを記憶する記憶手段と、
    当該車載通信装置が搭載された車両である自車両の位置を示す自車両位置情報を取得する自車両位置取得手段と、
    少なくとも、受信したセキリティアソシエーションに含まれる他車両位置情報と、前記自車両位置取得手段により取得した自車両位置情報とに基づいて、前記自車両と前記他車両との間の距離である車両間距離を算出する距離算出手段と、
    前記距離算出手段により算出された前記車両間距離が予め設定された所定判定距離以上となる前記他車両通信装置のセキリティアソシエーションを特定する第2特定手段と、
    前記記憶手段に記憶されたセキリティアソシエーションのうち、前記第2特定手段により特定されたセキリティアソシエーションを前記記憶手段から削除する第2削除手段と、
    前記自車両の走行速度を示す自車両走行速度情報を取得する自車両走行速度取得手段と、
    前記自車両走行速度取得手段により取得された自車両走行速度情報に基づいて、前記所定判定距離を設定する第1判定距離設定手段と
    を備えることを特徴とする車載通信装置。
  4. 車両に搭載されて、他車両に搭載された通信装置である他車両通信装置との間でブロードキャスト型通信を行うことにより、セキリティアソシエーションを送受信する車載通信装置であって、
    前記他車両通信装置との間の通信により受信するセキリティアソシエーションは、前記他車両の位置を示す他車両位置情報を含み、
    前記他車両通信装置との間の通信により受信したセキリティアソシエーションを記憶する記憶手段と、
    当該車載通信装置が搭載された車両である自車両の位置を示す自車両位置情報を取得する自車両位置取得手段と、
    少なくとも、受信したセキリティアソシエーションに含まれる他車両位置情報と、前記自車両位置取得手段により取得した自車両位置情報とに基づいて、前記自車両と前記他車両との間の距離である車両間距離を算出する距離算出手段と、
    前記距離算出手段により算出された前記車両間距離が予め設定された所定判定距離以上となる前記他車両通信装置のセキリティアソシエーションを特定する第2特定手段と、
    前記記憶手段に記憶されたセキリティアソシエーションのうち、前記第2特定手段により特定されたセキリティアソシエーションを前記記憶手段から削除する第2削除手段と、
    前記自車両の走行している道路の道路種別を示す道路種別情報を取得する道路種別取得手段と、
    前記道路種別取得手段により取得された道路種別情報に基づいて、前記所定判定距離を設定する第2判定距離設定手段と
    を備えることを特徴とする車載通信装置。
  5. 前記車両間距離は、前記自車両と前記他車両との間の直線距離である
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車載通信装置。
  6. 前記車両間距離は、前記自車両と前記他車両との間の道路長である
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車載通信装置。
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