JP4929010B2 - 発電システム - Google Patents
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Description
まず、蒸気タービン34を駆動させるための蒸気は、火炉32により発生させる。火炉32にて発生した蒸気は、ボイラ絞り弁35を備えた第一蒸気配管31またはボイラ絞りバイパス弁30を備えた第一蒸気バイパス配管36を流通し、第一過熱器37aに導かれる。第一過熱器37aにより過熱された蒸気は、減温器39を流通し、第二過熱器37bに導かれる。第二過熱器37bにより再過熱された蒸気は第二蒸気配管33を流通し、蒸気タービン34に導かれる。この際、第二蒸気配管33に設けられたタービンガバナ38により、蒸気タービン34の負荷に応じて蒸気の流量が調節される。
ここで、蒸気タービン34の発電量は、流入する蒸気の圧力とタービンガバナ38の開度との積にほぼ比例することが知られている。前述のとおり、第二蒸気配管33内の蒸気は、タービンガバナ38入口まで定圧(超臨界圧)であるため、蒸気タービン34に要求される発電量が低い場合は、タービンガバナ38の開度を大きく絞る必要がある。その結果、タービンガバナ38の下流側の蒸気の圧力損失によって、蒸気タービン34の効率が低下するという問題があった。
本発明に係る発電システムは、固体燃料または液体燃料を燃焼させる火炉と、該火炉で発生した蒸気を用いてタービンを回転させることにより発電する蒸気タービンと、前記火炉と前記蒸気タービンとの間に設けられ、蒸気を過熱する過熱器と、前記火炉と前記過熱器とを接続する第一蒸気配管と、前記過熱器と前記蒸気タービンとを接続する第二蒸気配管と、前記第一蒸気配管に設けられた第一の弁と、前記第二蒸気配管に設けられたタービンガバナと、前記蒸気タービンの負荷に応じて前記第一の弁の開度を調節する制御手段と、を具備し、前記第一蒸気配管には、前記第一の弁を迂回する第三蒸気配管が接続されると共に、該第三蒸気配管には第二の弁が設けられ、前記第一の弁および前記第二の弁の開度を前記蒸気タービンの負荷に応じて調節することを特徴とする。
また、本発明に係る発電システムは、火炉と蒸気タービンを主な構成要素として備え、火炉で発生した蒸気は、火炉と過熱器を接続する第一蒸気配管に設けられた第一の弁により流量が調整されて過熱器に供給され、過熱器で過熱された蒸気は、過熱器と蒸気タービンを接続する第二蒸気配管に設けられたタービンガバナにより流量が調整されて蒸気タービンに導入され、蒸気タービンが駆動される発電システムにおいて、蒸気の圧力は、タービンガバナの上流側で、蒸気タービンの負荷に応じた圧力に調整され、前記第一蒸気配管には、前記第一の弁を迂回する第三蒸気配管が接続されると共に、該第三蒸気配管には第二の弁が設けられ、前記第一の弁および前記第二の弁の開度を前記蒸気タービンの負荷に応じて調節することを特徴とする。
また、本発明に係る発電システムは、火炉で発生した蒸気を用いてタービンを回転させることにより発電する蒸気タービンと、前記火炉と前記蒸気タービンとの間に設けられ、蒸気を過熱する過熱器と、前記火炉と前記過熱器とを接続する第一蒸気配管と、前記過熱器と前記蒸気タービンとを接続する第二蒸気配管と、前記第一蒸気配管に設けられた第一の弁と、前記第二蒸気配管に設けられたタービンガバナと、前記蒸気タービンの負荷に応じて前記第一の弁の開度を調節する制御手段と、を具備し、前記第一蒸気配管には、前記第一の弁を迂回する第三蒸気配管が接続されると共に、該第三蒸気配管には第二の弁が設けられ、前記第一の弁および前記第二の弁の開度を前記蒸気タービンの負荷に応じて調節することを特徴とする。
また、タービンガバナの動作幅を小さくすることにより、蒸気タービンに流入する蒸気の温度変化を低減することができるため、蒸気タービンの寿命を延長することが可能となる。さらに、タービンガバナの動作幅の制約がなくなり、蒸気タービンに流入する蒸気の流量を自由に調節できるので、蒸気タービンの要求発電量に対する追従性の向上を図ることが可能となる。
また、第一の弁の許容差圧となる開度を上限として第二の弁の開度を調節することにより、第一の弁等の既存設備を更新することなく蒸気タービンの効率向上を図ることができるので、設備更新に伴う費用の支出を抑えることが可能となる。
図1において、発電システム1は、固体燃料または液体燃料を燃焼させる火炉2と、火炉2内に設けられた水管(図示しない)に水を流通させるボイラ循環ポンプ3と、火炉2で発生した蒸気を用いてタービンを回転させることにより発電する蒸気タービン4と、火炉2と蒸気タービン4との間に設けられ、蒸気を過熱する過熱器7と、火炉2と過熱器7とを接続する第一蒸気配管11と、過熱器7と蒸気タービン4とを接続する第二蒸気配管12と、第一蒸気配管11に設けられた第一の弁15と、第二蒸気配管12に設けられたタービンガバナ17と、第一蒸気配管11に接続され、第一の弁15をバイパスする第三蒸気配管13と、第三蒸気配管13に設けられた第二の弁16と、蒸気タービン4の負荷に応じて第一の弁15および第二の弁16の開度を調節する制御部(図示しない)とを主な構成要素として備えている。
本実施形態において、蒸気タービン4は、高圧蒸気タービン4aおよび低中圧蒸気タービン4bを備えており、高圧蒸気タービン4aから排出された蒸気が、再熱器20を介して、低中圧蒸気タービン4bへ供給されるようになっている。
また、過熱器7は、上流側に設けられる第一過熱器7aと下流側に設けられる第二過熱器7bとを備え、第一過熱器7aと第二過熱器7bとの間に流通する蒸気の温度を低下させる減温器9が設けられている。
火炉2では、固体燃料または液体燃料を燃焼させると共に、ボイラ循環ポンプ3を起動させて火炉2の内部に設けられた水管に水を流通させることにより蒸気を発生させる。火炉2にて発生した蒸気は、第一蒸気配管11を流通し、第一過熱器7aへ導かれる。第一過熱器7aでは蒸気の過熱が行われ、第一過熱器7aにて過熱された蒸気は、減温器9へ導かれる。減温器9では水を注入することにより蒸気の温度を低下させる。減温器9にて減温された蒸気は、第二過熱器7bへ導かれ、第二過熱器7bにて再過熱される。第二過熱器7bにて再過熱された蒸気は、第二蒸気配管12を流通して高圧蒸気タービン4aへ導入され、高圧蒸気タービン4aを駆動するために用いられる。
図2には、本実施形態に係る発電システムの起動時における第一の弁15、第二の弁16、およびタービンガバナ17の開度と高圧蒸気タービン4aの負荷および蒸気圧力との関係が示されている。
同図において、横軸は高圧蒸気タービン4aおよび低中圧蒸気タービン4bの負荷、より具体的には定格負荷に対する割合を示しており、縦軸は各種弁の開度または蒸気の圧力を示している。また、図中、BT弁開度は第一の弁の開度、を、BTB弁開度は第二の弁の開度を、PTはタービンガバナ17入口部における蒸気圧力を、PWWOは火炉2出口部における蒸気圧力を示している。
次に、定格負荷に対する割合が第一の閾値(例えば40%)以上となった場合には、第二の弁16で蒸気圧力PTを変動の無い様に制御しながら、第一の弁15を一定の開度(例えば10%)まで開き、火炉2にて発生した蒸気を第一蒸気配管11に流通させる。
次に、定格負荷に対する割合が第二の閾値(例えば75%)未満までは、負荷に応じて第一の弁15および第二の弁16の開度を調整する。この際、タービンガバナ17入口部における蒸気圧力PTが、火炉2の仕様により決定される最大圧力(例えば24MPa)に緩やかに達するように、かつ、第一の弁15の前後差圧が許容差圧を超えないように、第一の弁15および第二の弁16の開度を調節する。
上記のように、第二の弁および第一の弁の開度を調節することにより、タービンガバナにおける蒸気圧力をタービン負荷に応じた圧力とすることが可能となるので、タービンガバナによる蒸気流量の調節量を少なくすることができる。即ち、図2に示されるように、高圧蒸気タービン4aの負荷変動に対するタービンガバナ17の開度を緩やかに変化させることができる。
図4に示すとおり、従来の発電システムでは、まずボイラ絞りバイパス弁16を開き、発電システム1全体を起動するために必要な負荷(例えば15%)となった際にボイラ絞り弁15を開く。この際、ボイラ絞りバイパス弁16およびボイラ絞り弁15の開度は全開とされる。上記動作に伴い、タービンガバナ17入口部における蒸気圧力PTは、最大圧力(例えば24MPa)まで急激に上昇し、その後は高圧蒸気タービン4aの負荷に関わらず前記最大蒸気圧力を維持する。このため、従来においては、タービンガバナの開度調節のみで高圧蒸気タービン4aの負荷変動に対応しなければならず、タービンガバナ17の開度の変動率は図2に示した本実施形態に係る変動率に比べて大きなものとなっている。
また、タービンガバナ17の動作幅を小さくすることにより、高圧蒸気タービン4aに流入する蒸気の温度変化を低減することができるため、高圧蒸気タービン4aの寿命を延長することが可能となる。さらに、タービンガバナ17の動作幅の制約が少なくなり、高圧蒸気タービン4aに流入する蒸気の流量を自由に調節できるので、高圧蒸気タービン4aの要求発電量に対する追従性の向上を図ることが可能となる。
また、第一の弁15の許容差圧となる開度を上限として第二の弁16の開度を調節することにより、第一の弁等の既存設備を更新することなく、高圧蒸気タービン4aの効率低下を防止することができる。この結果、設備更新に伴う費用の支出を抑えることが可能となる。
また、図2に示した本実施形態に係る第一の弁15、第二の弁16の弁開度制御は一例であり、この例に制限されない。ここで、例えば、負荷が最低負荷(例えば、15%)から定格負荷(100%)まで変化する場合に、この負荷の変化に比例して蒸気圧力PTが最低圧力から最大圧力まで変化するように制御されることが望ましい。つまり、図2において、蒸気圧力PTは、A点からB点を繋ぐ直線(図示略)を描くように変化することが望ましい。したがって、本発明において、第一の弁、第二の弁は、蒸気圧力PTが上述の直線に近い軌跡を描くように、その弁開度が調節されることが好ましい。
2 火炉
4 蒸気タービン
7 過熱器
11 第一蒸気配管
12 第二蒸気配管
13 第三蒸気配管
15 第一の弁
16 第二の弁
17 タービンガバナ
Claims (4)
- 固体燃料または液体燃料を燃焼させる火炉と、
該火炉で発生した蒸気を用いてタービンを回転させることにより発電する蒸気タービンと、
前記火炉と前記蒸気タービンとの間に設けられ、蒸気を過熱する過熱器と、
前記火炉と前記過熱器とを接続する第一蒸気配管と、
前記過熱器と前記蒸気タービンとを接続する第二蒸気配管と、
前記第一蒸気配管に設けられた第一の弁と、
前記第二蒸気配管に設けられたタービンガバナと、
前記蒸気タービンの負荷に応じて前記第一の弁の開度を調節する制御手段と、
を具備し、
前記第一蒸気配管には、前記第一の弁を迂回する第三蒸気配管が接続されると共に、該第三蒸気配管には第二の弁が設けられ、
前記第一の弁および前記第二の弁の開度を前記蒸気タービンの負荷に応じて調節する発電システム。 - 火炉と蒸気タービンを主な構成要素として備え、
火炉で発生した蒸気は、火炉と過熱器を接続する第一蒸気配管に設けられた第一の弁により流量が調整されて過熱器に供給され、
過熱器で過熱された蒸気は、過熱器と蒸気タービンを接続する第二蒸気配管に設けられたタービンガバナにより流量が調整されて蒸気タービンに導入され、蒸気タービンが駆動される発電システムにおいて、
蒸気の圧力は、タービンガバナの上流側で、蒸気タービンの負荷に応じた圧力に調整され、
前記第一蒸気配管には、前記第一の弁を迂回する第三蒸気配管が接続されると共に、該第三蒸気配管には第二の弁が設けられ、
前記第一の弁および前記第二の弁の開度を前記蒸気タービンの負荷に応じて調節する発電システム。 - 火炉で発生した蒸気を用いてタービンを回転させることにより発電する蒸気タービンと、
前記火炉と前記蒸気タービンとの間に設けられ、蒸気を過熱する過熱器と、
前記火炉と前記過熱器とを接続する第一蒸気配管と、
前記過熱器と前記蒸気タービンとを接続する第二蒸気配管と、
前記第一蒸気配管に設けられた第一の弁と、
前記第二蒸気配管に設けられたタービンガバナと、
前記蒸気タービンの負荷に応じて前記第一の弁の開度を調節する制御手段と、
を具備し、
前記第一蒸気配管には、前記第一の弁を迂回する第三蒸気配管が接続されると共に、該第三蒸気配管には第二の弁が設けられ、
前記第一の弁および前記第二の弁の開度を前記蒸気タービンの負荷に応じて調節する発電システム。 - 前記蒸気タービンの負荷が第一の閾値未満の場合には、前記第二の弁を前記蒸気タービンの負荷に応じて調節し、
前記蒸気タービンの負荷が第一の閾値以上、かつ、第二の閾値未満の場合には、前記第一の弁および前記第二の弁の開度を前記蒸気タービンの負荷に応じて調節し、
前記蒸気タービンの負荷が第二の閾値以上の場合には、前記第一の弁の開度を全開として、かつ、前記第二の弁の開度を前記蒸気タービンの負荷に応じて調節する請求項1から3のいずれかに記載の発電システム。
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