JP4399381B2 - 原子力発電プラントの運転方法 - Google Patents
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Description
適な原子力発電プラントの運転方法に関する。
それとは別に、電気出力増加にほぼ比例して主蒸気流量が増加する。このため主蒸気流量の増加によって、給水系配管,給水加熱器,給水ポンプ,蒸気乾燥器などの炉内構造物,主蒸気管,高圧タービン,低圧タービンおよび復水器などほとんど全ての機器の設計余裕が減少する。通常の沸騰水型軽水炉を用いた原子力プラントでは、主蒸気流量の増加によって最初に設計余裕がなくなる可能性のある機器の一つが高圧タービンである。沸騰水型軽水炉以外の原子力発電システムにおいても、高圧タービンの設計余裕が比較的小さいプラントについては同様の課題があり、従来の技術を既設の原子力プラントに適用する場合、プラントの機器の大規模な改良,交換が必要になっていた。また、主蒸気流量の増加を抑制するには給水温度を低下させれば良いが、単に全体的に給水加熱用の抽気を減少させると熱効率が大幅に悪化して電気出力はほとんど増えないため現実的では無い。
を行わずに、プラントの増出力を可能にする原子力発電プラントの運転方法の提供を目的とする。
プラントの運転を停止するまでの期間を一運転サイクルとしたとき、第2運転サイクルに
おける第2原子炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第
1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口(実際には高圧タービン出口から、湿分分離器または湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口までの間)からの抽気蒸気の主蒸気流量に対する割合を、第1運転サイクルに対して第2運転サイクルでは小さし、第1運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT1(℃)、第2運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT2
(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
なる関係を満たすように運転することである。
炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクル
における第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口からの抽気蒸気の質量流量を、第1運転サイクルに対して第2運転サイクルでは小さくし、第1運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT1(℃)、第2運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
なる関係を満たすように運転することである。
炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクル
における第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、複数ある給水加熱器の内、特に主給水ポンプより下流側に設置された高圧給水加熱器での温度上昇量を小さくし、第1運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT1(℃)、第2運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
なる関係を満たすように運転することである。
炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクル
における第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口からの抽気蒸気管の少なくとも1系統以上を止めるか抽気蒸気量調節手段を設けることにより、第1運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT1(℃)、第2運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
なる関係を満たすように運転することである。
蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口(実際には高圧タービン出口から、湿分分離器または湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口までの間)からの抽気蒸気の主蒸気流量に対する割合を、第1運転サイクルに対して第2運転サイクルでは小さくするなどして、前記給水加熱器から排出された給水の前記第2運転サイクルの温度を、前記第1運転サイクルでの温度より1℃以上、40℃以下低下させることである。
5<A≦10
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+95)/100−Q1)/(4.5×W)
とすることである。
10<A<30、
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+90)/100−Q1)/(4.5×W)
とすることである。
例を示す。
(第2運転サイクル)となる。
か、または原子炉圧力容器1の入口・出口の冷却材のエンタルピ差を拡大する必要がある。従来の増出力手法では前者の手法を取っており、原子炉熱出力と比例させて給水流量を増やしている。従来の増出力手法による熱バランス例を図3に示す。その結果、従来の増出力手法では、図4に示した第(N+1)運転サイクルの主蒸気流量は105%となっている。本実施例の増出力方法では後者の手法を取り、原子炉圧力容器1入口の冷却材エンタルピを意図的に下げることで、原子炉圧力容器1入口・出口のエンタルピ差を拡大することが特徴である。原子炉容器入口の冷却材エンタルピを下げるためには蒸気系から抽気して給水加熱器に送る蒸気量を減少させれば良いが、単に全体的に抽気量を減少させると熱効率が大きく減少して発電量をあまり増加させることができない。熱効率の低下を抑制するには、原子炉出口から高圧タービン3を含み、低圧タービン5の入口までの高圧蒸気系からの抽気を選択的に減少させればいい。これは高圧蒸気系の蒸気が持つエネルギーが、低圧タービン5の入口から復水器6の入口までの低圧蒸気系の蒸気より大きく、高圧蒸気系からの抽気を選択的に減らした方が熱的ロスが少なく、増出力時の熱効率の低下を抑制できるからである。本実施例では高圧蒸気系の中でもエネルギーの高い部分からの抽気を選択的に減らして熱効率低下を抑制するため、高圧タービン3の途中または高圧タービン3の出口(実際には高圧タービン3の出口から湿分分離器4の入口までの間)からの抽気量を選択的に減少さえ、低圧タービン5に流れる蒸気量を増加させて発電量を増加させる。高圧タービン3の途中または高圧タービン3の出口からの抽気蒸気の多くは、主給水ポンプ8より下流側に設置された給水加熱器で使用されるため、本特許による増出力手法は見方を変えると、給水ポンプより下流側の給水加熱量を減少させる手法となる。なお、高圧タービン3の途中または高圧タービン3の出口からのもともとの抽気蒸気量が少ないプラントの場合には、給水温度を十分に減少させるために低圧タービン5からの抽気蒸気量も減少させる必要がある。このようなプラントに本実施例の増出力運転方法を適用する場合であっても、高圧タービン3および高圧タービン3の出口からの抽気蒸気量の方をより大きく減少させればある程度の効果を得ることが出来る。本実施例では、原子炉熱出力を第Nサイクルに比較して5%増加したにもかかわらず、主蒸気流量は第Nサイクルと同じにすることができる。本実施例は理想的な増出力方法を示しているため、第N運転サイクルと第(N+1)運転サイクルの主蒸気流量は同じとしているが、必ずしも全く同じである必要は無く、高圧タービン3を含む機器の設計余裕の範囲内で主蒸気流量は増加させても良い。
であっても、給水流量および主蒸気流量の増加を抑制できるため、給水管,主蒸気管2,炉内構造物にかかる負荷の増加を抑制できる。抽気量を単に全体的に減少させる場合と比較して、熱効率の低下を抑制でき、より大きな電気出力を得ることが可能となる。本実施例では抽気の仕方を工夫して熱効率の低下を抑制はしているが、このような工夫をしても沸騰水型原子炉で給水温度を1℃低下させると熱効率(発電効率)が約0.05% 低下する。これは給水温度を1℃低下させると熱効率の観点から発電量が0.05% 低下することを意味しており、第2運転サイクルでの第2原子炉熱出力が第1運転サイクルの第1原子炉熱出力より0.05% より大きくならないと原子力発電プラントの電気出力は増加しないことを意味している。従って、第1運転サイクルで給水加熱器から出た水の温度を
T1(℃)、第2運転サイクルで給水加熱器から出た水の温度をT2(℃)、第2原子炉熱出力の第1原子炉熱出力に対する増分をA(%)とすると
0.05×(T1−T2)<A
としなくては本実施例本来の原子力発電プラントの電気出力の増加は出来ないこととなる。従来の増出力方法で大幅な増出力時には一般的に高圧タービン3の交換が必要となるが、本実施例を用いれば高圧タービン3の交換無しに実施できる増出力範囲が従来の方法に比べて拡大する。
0.11=1.3(℃)以上給水温度を低下させればよいことになる。これは第2運転サイクルの第2原子炉熱出力の第1運転サイクルの第1原子炉熱出力に対する増加割合をA
(%)とすると、上述のT1,T2を用いて
T1−T2≧1.3A
であればよいということになる。なお、炉心特性的には基本的には平均ボイド率が同じであればほぼ同等のボイド反応度係数等の特性となると考えてよく、また、本実施例で述べる給水温度の変化幅では線形に変化するとしても問題はない。
20℃となっているが、増出力時の炉心特性の低下を補うために給水温度を低下させる範囲とすれば、通常運転時の給水温度の振れ幅以上である1℃以上給水温度を下げれば、本実施例に書いた効果が有意に得られる。ただし、給水は原子炉圧力容器1に入るときに原子炉内の飽和温度の水と交わる。したがって、給水管と原子炉圧力容器1の間に温度差が存在する。給水温度を下げすぎるとこの部分での温度差が大きくなり、熱疲労の観点から設計限界を超える恐れがある。この観点から、給水温度の現行の運転温度からの低下幅は40℃が限界である。
測器などの計測精度を向上するだけで実施可能であり、本発明は原子炉熱出力102%を
超える増出力に対して効果が大きい(A>2)。さらに原子炉熱出力105%程度までの増出力では、一般的に高圧タービン3の交換などの大幅なシステム機器の変更は不要である。本発明を用いれば、原子炉熱出力105%を超える増出力時でも高圧タービン3の交換が不要となるため、特に大きな効果が得られる。
4.5(kJ/kg・K) であること、一般的な沸騰水型軽水炉における炉心流量に占める給水流量の割合が約13%であることから、高圧タービン3に流入する蒸気量を第1運転サイクルと第2運転サイクルで同等とする給水温度の条件を以下で述べる。
W(kg/s)×13(%)/100(%)×4.5(kJ/kg・K)=W×13
/100×4.5(kW/K)
である。今、主蒸気のうち5%が高圧タービン3手前で第2運転サイクルに湿分分離過熱器11へ流れるとすると主蒸気流量増加幅を5%以下にすればよい。今、主蒸気流量の5%までの増加を認めると、増出力幅がA(%)のときに必要な給水熱量の低下幅は(A−5)(%)の出力増加分に相当し、
Q2×(A−5+100)/100−Q1=Q2×(A+95/100)−Q1
となる。増出力前の給水温度をT1、増出力後の給水温度をT2とすると、この熱量を相殺するにはT1,T2は次式を満たせばよい。
Q2×(A+95/100)−Q1=W×13/100×4.5×(T1−T2)
主蒸気流量の増加を5%以下にするためには
Q2×(A+95/100)−Q1≦W×13/100×4.5×(T1−T2)
であればよく、上式を変形して
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+95)/100−Q1)/(4.5×W)
を得る。この場合、高圧タービン3の設計余裕を増出力前と同等かそれ以上に出来る。
Q2×(A−10+100)/100−Q1≦W×13/100×4.5×(T1
−T2)
上式を変形すると
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+90)/100−Q1)/(4.5×W)
となる。これは10%を超える増出力において、高圧タービン3の交換が不要な給水温度低下幅を示している。この場合は高圧タービン3の設計余裕は従来例の10%増出力時と同等かそれ以上になる。
10…抽気管流量調整弁、11…湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器。
Claims (11)
- 原子炉と、
該原子炉で発生する蒸気が供給される、原子炉出口から高圧タービンを含み低圧タービン入口までの高圧蒸気系と、前記低圧タービン入口から該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器の入口までの低圧蒸気系と、
前記復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器を含み、
該給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力発
電プラントの運転方法において、
前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、
前記第1運転サイクルにおける前記高圧蒸気系から抽気して前記給水加熱器に導く抽気
蒸気質量流量の原子炉出口での主蒸気の質量流量に対する割合に対して、前記第2運転サ
イクルでは前記高圧蒸気系からの抽気蒸気の質量流量の原子炉出口での主蒸気の質量流量
に対する割合を減少させ、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルの温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 原子炉と、
該原子炉で発生する蒸気が供給される、原子炉出口から高圧タービンを含み低圧タービ
ン入口までの高圧蒸気系と、前記低圧タービン入口から該低圧タービンから排出された蒸
気を凝縮する復水器の入口までの低圧蒸気系と、
前記復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器を含み、
該給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力発
電プラントの運転方法において、
前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、
前記第1運転サイクルにおける前記高圧蒸気系から抽気して前記給水加熱器に導く抽気
蒸気の質量流量に対して、前記第2運転サイクルでは前記高圧蒸気系からの抽気蒸気の質
量流量を減少させ、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルの温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 原子炉と、
該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
該復水器から供給された給水を加熱する、該復水器より下流側でかつ主給水ポンプより
上流側に設置された低圧給水加熱器と、前記主給水ポンプより下流側でかつ前記原子炉よ
り上流側に設置された高圧給水加熱器を含み、
該高圧給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子
力発電プラントの運転方法において、
前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、
前記第1運転サイクルにおける前記高圧給水加熱器での温度上昇量に対して、前記第2
運転サイクルでは前記高圧給水加熱器での温度上昇量を小さくすることにより、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルの温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 原子炉と、
該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
該復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器と、
前記高圧タービンの途中及び、高圧タービン出口より下流側でかつ前記湿分分離器また
は湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口よりも上流側から蒸気を抽
気し、前記給水加熱器に接続する高圧抽気管を少なくとも1系統以上含み、
前記給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力
発電プラントの運転方法において、
前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、
前記第1運転サイクルにおいては抽気蒸気が流れていた前記高圧抽気管の少なくとも1
系統以上で、前記第2運転サイクルにおいては抽気蒸気を止めるか、抽気蒸気量調節手段を設けることにより、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルの温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 請求項1から4において、0.05×(T1−T2)<Aを
A>2
に置き換えたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 原子炉と、
該原子炉で発生する蒸気が供給される、原子炉出口から高圧タービンを含み低圧タービ
ン入口までの高圧蒸気系と、前記低圧タービン入口から該低圧タービンから排出された蒸
気を凝縮する復水器の入口までの低圧蒸気系と、
前記復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器を含み、
該給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力発
電プラントの運転方法において、
前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、
前記第1運転サイクルにおける前記高圧蒸気系から抽気して前記給水加熱器に導く抽気
蒸気質量流量の原子炉出口での主蒸気の質量流量に対する割合に対して、前記第2運転サ
イクルでは前記高圧蒸気系からの抽気蒸気の質量流量の原子炉出口での主蒸気の質量流量
に対する割合を減少させ、前記給水加熱器から排出された給水の温度を前記第1運転サイクルより前記第2運転サイクルで1℃以上、40℃以下低くしたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 原子炉と、
該原子炉で発生する蒸気が供給される、原子炉出口から高圧タービンを含み低圧タービ
ン入口までの高圧蒸気系と、前記低圧タービン入口から該低圧タービンから排出された蒸
気を凝縮する復水器の入口までの低圧蒸気系と、
前記復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器を含み、
該給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力発
電プラントの運転方法において、
前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、
前記第1運転サイクルにおける前記高圧蒸気系から抽気して前記給水加熱器に導く抽気
蒸気の質量流量に対して、前記第2運転サイクルでは前記高圧蒸気系からの抽気蒸気の質
量流量を減少させ、前記給水加熱器から排出された給水の温度を前記第1運転サイクルより前記第2運転サイクルで1℃以上、40℃以下低くしたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 原子炉と、
該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
該復水器から供給された給水を加熱する、該復水器より下流側でかつ主給水ポンプより
上流側に設置された低圧給水加熱器と、前記主給水ポンプより下流側でかつ前記原子炉よ
り上流側に設置された高圧給水加熱器を含み、
該高圧給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子
力発電プラントの運転方法において、
前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、
前記第1運転サイクルにおける前記高圧給水加熱器での温度上昇量に対して、前記第2
運転サイクルでは前記高圧給水加熱器での温度上昇量を小さくすることにより、前記給水加熱器から排出された給水の温度を前記第1運転サイクルより前記第2運転サイクルで1℃以上、40℃以下低くしたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 原子炉と、
該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
該復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器と、
前記高圧タービンの途中及び、高圧タービン出口より下流側でかつ前記湿分分離器また
は湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口よりも上流側から蒸気を抽
気し、前記給水加熱器に接続する高圧抽気管を少なくとも1系統以上含み、
前記給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力
発電プラントの運転方法において、
前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、
前記第1運転サイクルにおいては抽気蒸気が流れていた前記高圧抽気管の少なくとも1
系統以上で、前記第2運転サイクルにおいては抽気蒸気を止めるか、抽気蒸気量調節手段を設けることにより、前記給水加熱器から排出された給水の温度を前記第1運転サイクルより前記第2運転サイクルで1℃以上、40℃以下低くしたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 請求項6から9において、前記第2運転サイクルでの増出力幅をA(%)、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルでの温度をT2(℃)とし、前記第2運転サイクルにおいて原子炉へ流入する炉心流量をW(kg/s)、前記第1運転サイクルの第1原子炉熱出力をQ1(kW)、前記第2運転サイクルの第2原子炉熱出力をQ2(kW)とするとき、
5<A≦10、
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+95)/100−Q1)/(4.5×W)
の関係を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。 - 請求項6から9において、前記第2運転サイクルでの増出力幅をA(%)、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルでの温度をT2(℃)とし、前記第2運転サイクルにおいて原子炉へ流入する炉心流量をW(kg/s)、前記第1運転サイクルの第1原子炉熱出力をQ1(kW)、前記第2運転サイクルの第2原子炉熱出力をQ2(kW)とするとき、
10<A<30、
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+90)/100−Q1)/(4.5×W)
の関係を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
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