JP4399381B2 - 原子力発電プラントの運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は原子力発電プラントの運転方法に係り、特に発電容量を増大させるのに好
適な原子力発電プラントの運転方法に関する。
従来の新設の原子力発電プラントにおいては、例えば電気出力を増大するために燃料構成、又は燃料集合体の形状構成等を改良して、炉心出口における主蒸気流量を増加させることで電気出力を増大させていた。
このような従来例の技術が特開平9−264983号公報に示されている。
特開平9−264983号公報
上述の従来の技術を既設の原子力プラントに適用した場合、原子炉の炉心を流れる炉心流量が電気出力増加前とほぼ同じで、炉心の熱出力が増加するため、沸騰水型軽水炉では炉心の平均ボイド率(流路体積に占める蒸気の割合)が増加する。このことにより、冷却材の流速が大きくなり、炉心の圧力損失が大きくなる。また、炉心での蒸気発生量が増えるため、水−蒸気の二相流部の圧力損失が増大し、炉心の安定性の余裕も減少する傾向になる。さらに、炉心平均ボイド率が大きくなると、発電機の負荷の遮断時等に圧力が上昇する、いわゆる圧力過渡時に凝縮する蒸気の量が増え、炉心平均ボイド率の減少幅が大きくなる。一般に沸騰水型軽水炉はボイド率が大きくなると原子炉出力が小さくなるように負のボイドフィードバック係数を持たせている。しかし、このような圧力過渡時には炉心の平均ボイド率が減少するため原子炉の出力は上昇する。従来の技術によると電気出力増加後は上述のように圧力過渡時の炉心平均ボイド率の減少幅が大きくなり、圧力過渡事象に対する設計余裕も現象する可能性がある。
それとは別に、電気出力増加にほぼ比例して主蒸気流量が増加する。このため主蒸気流量の増加によって、給水系配管,給水加熱器,給水ポンプ,蒸気乾燥器などの炉内構造物,主蒸気管,高圧タービン,低圧タービンおよび復水器などほとんど全ての機器の設計余裕が減少する。通常の沸騰水型軽水炉を用いた原子力プラントでは、主蒸気流量の増加によって最初に設計余裕がなくなる可能性のある機器の一つが高圧タービンである。沸騰水型軽水炉以外の原子力発電システムにおいても、高圧タービンの設計余裕が比較的小さいプラントについては同様の課題があり、従来の技術を既設の原子力プラントに適用する場合、プラントの機器の大規模な改良,交換が必要になっていた。また、主蒸気流量の増加を抑制するには給水温度を低下させれば良いが、単に全体的に給水加熱用の抽気を減少させると熱効率が大幅に悪化して電気出力はほとんど増えないため現実的では無い。
本発明では、既設の原子力プラントの増出力に関して、炉心の圧力損失特性,安定性余裕,過渡時の設計余裕を増出力前とほぼ同等としつつ、プラント機器の構成の大幅な変更
を行わずに、プラントの増出力を可能にする原子力発電プラントの運転方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、原子力プラントの起動から燃料交換のために原子力
プラントの運転を停止するまでの期間を一運転サイクルとしたとき、第2運転サイクルに
おける第2原子炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第
1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口(実際には高圧タービン出口から、湿分分離器または湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口までの間)からの抽気蒸気の主蒸気流量に対する割合を、第1運転サイクルに対して第2運転サイクルでは小さし、第1運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT1(℃)、第2運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT2
(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
なる関係を満たすように運転することである。
また、上記目的を達成するため本発明は、原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子
炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクル
における第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口からの抽気蒸気の質量流量を、第1運転サイクルに対して第2運転サイクルでは小さくし、第1運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT1(℃)、第2運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
なる関係を満たすように運転することである。
また、上記目的を達成するため本発明は、原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子
炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクル
における第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、複数ある給水加熱器の内、特に主給水ポンプより下流側に設置された高圧給水加熱器での温度上昇量を小さくし、第1運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT1(℃)、第2運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
なる関係を満たすように運転することである。
また、上記目的を達成するため本発明は、原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子
炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクル
における第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口からの抽気蒸気管の少なくとも1系統以上を止めるか抽気蒸気量調節手段を設けることにより、第1運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT1(℃)、第2運転サイクルに給水加熱器から排出される水の温度をT2(℃)とするとき、
T1−40≦T2≦T1−1、
T1−T2≧1.3×A、
0.05×(T1−T2)<A
なる関係を満たすように運転することである。
また、上記目的を達成するため本発明は、原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、かつ、前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、
蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口(実際には高圧タービン出口から、湿分分離器または湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口までの間)からの抽気蒸気の主蒸気流量に対する割合を、第1運転サイクルに対して第2運転サイクルでは小さくするなどして、前記給水加熱器から排出された給水の前記第2運転サイクルの温度を、前記第1運転サイクルでの温度より1℃以上、40℃以下低下させることである。
また、上記目的を達成するため本発明は、原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力(Q2)を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力(Q1)よりもA%増大させ、かつ、前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口(実際には高圧タービン出口から、湿分分離器または湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口までの間)からの抽気蒸気の主蒸気流量に対する割合を、第1運転サイクルに対して第2運転サイクルでは小さくするなどして、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルでの温度をT2(℃)とし、前記第2運転サイクルにおいて原子炉へ流入する炉心流量をW(kg/s)とするとき、
5<A≦10
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+95)/100−Q1)/(4.5×W)
とすることである。
また、上記目的を達成するため本発明は、原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力(Q2)を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力(Q1)よりもA%増大させ、かつ、前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、蒸気系から抽気して給水加熱器に導く抽気蒸気の内、特に高圧タービン途中および高圧タービン出口(実際には高圧タービン出口から、湿分分離器または湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口までの間)からの抽気蒸気の主蒸気流量に対する割合を、第1運転サイクルに対して第2運転サイクルでは小さくするなどして、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルでの温度をT2(℃)とし、前記第2運転サイクルにおいて原子炉へ流入する炉心流量をW(kg/s)とするとき、
10<A<30、
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+90)/100−Q1)/(4.5×W)
とすることである。
本発明によれば、既設の原子力プラントの増出力に関して、炉心の圧力損失特性,安定性余裕,熱的余裕,過渡時の設計余裕を増出力前とほぼ同等としつつ、原子力プラントの構成を大幅に変更せずに、原子力プラントの増出力を実現可能にする。
本発明を直接サイクル型原子力プラントの一つである沸騰水型軽水炉に適用した場合の
例を示す。
図1は本発明の好適な一実施例である沸騰水型軽水炉システム(沸騰水型原子力発電プラント)における増出力時の熱バランスの一例を示しており、図2は増出力前の沸騰水型軽水炉システムの熱バランス例を示している。図3は従来の増出力時の沸騰水型軽水炉システムの熱バランス例を示している。また、図4及び図5は本発明の一実施例の運転サイクルの概念図を示している。なお、図1,図2および図3中では原子炉熱出力をQ、水および蒸気の質量流量をG、水および蒸気のエンタルピをHで表しており、熱出力Qと質量流量Gは図2に記載した増出力前の原子炉の原子炉熱出力および原子炉圧力容器1出口における蒸気流量に対する比(%)を、エンタルピは(kJ/kg)単位の数値で表している。また、本発明の各実施例は通常の運転状態を示しており、起動,停止時,過渡状態,炉心熱出力を制御棒によって変化させる運転状態、更に事故の運転状態は除かれる。
本実施例を図1に、本実施例を補足する運転サイクルの概念図を図4に示す。本実施例の沸騰水型原子炉システムは、原子炉圧力容器1内に再循環ポンプとジェットポンプを備え、主蒸気管2とそれに繋がる高圧タービン3と低圧タービン5、および高圧タービン3と低圧タービン5との間に湿分分離器4を有する。図1は、本実施例の沸騰水型軽水炉システムにおいて、増出力した場合の熱バランス例を模式的に示している。図4は本実施例を用いた場合の運転サイクルと原子炉熱出力,主蒸気流量(原子炉圧力容器1から主蒸気管2に流入する蒸気量),抽気蒸気量の関係を、従来の増出力方法とともに対比している。なお、一運転サイクルは原子炉の運転を停止した状態から起動した後、燃料交換のために原子炉の運転を停止するまでの期間と定義している。
図4に示す運転サイクルにおいて、第N運転サイクルは本実施例の増出力方法を適用する前であり、この時、原子炉熱出力はQ=100%である。この増出力前の熱バランス例を図2に示す。第(N+1)運転サイクルは原子炉熱出力を5%増出力してQ=105%としたものである。原子炉熱出力を増加させる手段としては、第(N+1)サイクルにおける制御棒の引き抜き量を第Nサイクルよりも大きくする、または第(N+1)サイクルにおける炉心流量を再循環ポンプの回転数を上げることで第Nサイクルよりも大きくする、または燃料集合体の種類を変更する方法で実現することが可能である。また、本実施例の増出力方法を適用すると原子炉圧力容器1に供給される給水の温度が低下するため、炉心入口冷却材温度の低下により冷却材密度フィードバックで自然に原子炉熱出力が上がることも期待できる。なお、プラントによっては一運転サイクル中の抽気流量や主蒸気流量を図5に示すように変化させることもある。図5のような運転サイクル以外でも炉心内の制御棒の挿入度合いを変える場合などにも原子炉の出力は一時的に低下する。そこで本実施例においては、熱バランス,抽気流量,主蒸気流量,炉心流量,給水温度,原子炉熱出力及び給水加熱量などは、起動・停止,炉心の熱出力を制御棒操作によって変える運転時、事故・過渡事象発生時および試験運転を除く運転サイクル中で主蒸気流量が最大となる運転点で比較するものとする。これは言い換えれば、運転サイクル中で原子炉熱出力が最大になる運転点を意味する。また、図6に示すように第(N−1)サイクルが100%熱出力で、第Nサイクルで何らかの理由で出力が100%定格出力から大きくずれた場合は、第(N−1)サイクルが本実施例の増出力方法を適用する前のサイクル(第1運転サイクル)となり、第(N+1)運転サイクルが本実施例の増出力方法を適用したサイクル
(第2運転サイクル)となる。
原子炉熱出力を増加させた場合は、その増えた分の熱を取るために給水流量を増加する
か、または原子炉圧力容器1の入口・出口の冷却材のエンタルピ差を拡大する必要がある。従来の増出力手法では前者の手法を取っており、原子炉熱出力と比例させて給水流量を増やしている。従来の増出力手法による熱バランス例を図3に示す。その結果、従来の増出力手法では、図4に示した第(N+1)運転サイクルの主蒸気流量は105%となっている。本実施例の増出力方法では後者の手法を取り、原子炉圧力容器1入口の冷却材エンタルピを意図的に下げることで、原子炉圧力容器1入口・出口のエンタルピ差を拡大することが特徴である。原子炉容器入口の冷却材エンタルピを下げるためには蒸気系から抽気して給水加熱器に送る蒸気量を減少させれば良いが、単に全体的に抽気量を減少させると熱効率が大きく減少して発電量をあまり増加させることができない。熱効率の低下を抑制するには、原子炉出口から高圧タービン3を含み、低圧タービン5の入口までの高圧蒸気系からの抽気を選択的に減少させればいい。これは高圧蒸気系の蒸気が持つエネルギーが、低圧タービン5の入口から復水器6の入口までの低圧蒸気系の蒸気より大きく、高圧蒸気系からの抽気を選択的に減らした方が熱的ロスが少なく、増出力時の熱効率の低下を抑制できるからである。本実施例では高圧蒸気系の中でもエネルギーの高い部分からの抽気を選択的に減らして熱効率低下を抑制するため、高圧タービン3の途中または高圧タービン3の出口(実際には高圧タービン3の出口から湿分分離器4の入口までの間)からの抽気量を選択的に減少さえ、低圧タービン5に流れる蒸気量を増加させて発電量を増加させる。高圧タービン3の途中または高圧タービン3の出口からの抽気蒸気の多くは、主給水ポンプ8より下流側に設置された給水加熱器で使用されるため、本特許による増出力手法は見方を変えると、給水ポンプより下流側の給水加熱量を減少させる手法となる。なお、高圧タービン3の途中または高圧タービン3の出口からのもともとの抽気蒸気量が少ないプラントの場合には、給水温度を十分に減少させるために低圧タービン5からの抽気蒸気量も減少させる必要がある。このようなプラントに本実施例の増出力運転方法を適用する場合であっても、高圧タービン3および高圧タービン3の出口からの抽気蒸気量の方をより大きく減少させればある程度の効果を得ることが出来る。本実施例では、原子炉熱出力を第Nサイクルに比較して5%増加したにもかかわらず、主蒸気流量は第Nサイクルと同じにすることができる。本実施例は理想的な増出力方法を示しているため、第N運転サイクルと第(N+1)運転サイクルの主蒸気流量は同じとしているが、必ずしも全く同じである必要は無く、高圧タービン3を含む機器の設計余裕の範囲内で主蒸気流量は増加させても良い。
抽気量を減少させる抽気点は、高圧タービン3の途中または高圧タービン3の出口の抽気点で、抽気点が複数ある場合は一番上流側の抽気点を選ぶと最も効果が高い。この場合、抽気量を制御する抽気管流量調整弁10を設置して抽気量を減少させても良いが、抽気管の少なくとも1系統以上を完全に閉塞させても良い。閉塞させる方法としては、抽気管の途中に閉止弁を設置するか、抽気管をプラギングすれば良い。抽気管を完全に閉塞させた場合は、抽気量の制御系機器が不要となるとともに運転制御も簡略化する。抽気量を制御するか、抽気管を完全に閉塞させるかは、プラントの熱バランスと増出力幅に依存する(抽気管1本当りの抽気量が多すぎる場合は完全に閉塞させると給水温度が下がりすぎるため、この場合は抽気量を調整する。)。
本実施例によれば、原子炉熱出力を増大させ原子力プラントの発電量を増加させた場合
であっても、給水流量および主蒸気流量の増加を抑制できるため、給水管,主蒸気管2,炉内構造物にかかる負荷の増加を抑制できる。抽気量を単に全体的に減少させる場合と比較して、熱効率の低下を抑制でき、より大きな電気出力を得ることが可能となる。本実施例では抽気の仕方を工夫して熱効率の低下を抑制はしているが、このような工夫をしても沸騰水型原子炉で給水温度を1℃低下させると熱効率(発電効率)が約0.05% 低下する。これは給水温度を1℃低下させると熱効率の観点から発電量が0.05% 低下することを意味しており、第2運転サイクルでの第2原子炉熱出力が第1運転サイクルの第1原子炉熱出力より0.05% より大きくならないと原子力発電プラントの電気出力は増加しないことを意味している。従って、第1運転サイクルで給水加熱器から出た水の温度を
T1(℃)、第2運転サイクルで給水加熱器から出た水の温度をT2(℃)、第2原子炉熱出力の第1原子炉熱出力に対する増分をA(%)とすると
0.05×(T1−T2)<A
としなくては本実施例本来の原子力発電プラントの電気出力の増加は出来ないこととなる。従来の増出力方法で大幅な増出力時には一般的に高圧タービン3の交換が必要となるが、本実施例を用いれば高圧タービン3の交換無しに実施できる増出力範囲が従来の方法に比べて拡大する。
本実施例の増出力運転方法によれば給水温度が低下する。給水温度の低下は炉心入口での冷却材温度を低下させ、炉心の熱的余裕(BWRの場合ではMCPRに相当)が増加するため、従来の増出力手法と比較して安全面でのメリットもある。通常の増出力時には炉心の圧力損失の増大や安定性余裕が低下するが、本実施例による増出力手法では炉心入口の冷却材温度の低下により、炉心のボイド率とボイド反応度係数も低下するため、炉心での圧力損失が低減し炉心の安定性余裕の低下も抑制される。また、炉心のボイド率とボイド反応度係数が低下するため圧力上昇過渡に対する設計余裕も増加する。しかし、炉心のボイド率の低下によるボイド反応度係数の低下による安定性余裕や圧力上昇過渡に対する設計余裕は第一運転サイクルとほぼ同等以上であれば原子力発電プラントの設計上、十分である。一般に沸騰水型原子力発電プラントで原子炉熱出力を定格状態から5%増加させると炉心内平均ボイド率が0.7% 程度増加する。すなわち、原子炉熱出力1%増加で約0.14% 炉心内平均ボイド率が増加する。一方で給水温度を20℃低下させると炉心内平均ボイド率は2.1% 程度減少する。すなわち、給水温度を1℃低下させると炉心内平均ボイド率は0.11% 程度減少する。従って、原子炉熱出力増加後の炉心内平均ボイド率を原子炉熱出力増加前と同等にするには1%の原子炉熱出力増加に対して0.14/
0.11=1.3(℃)以上給水温度を低下させればよいことになる。これは第2運転サイクルの第2原子炉熱出力の第1運転サイクルの第1原子炉熱出力に対する増加割合をA
(%)とすると、上述のT1,T2を用いて
T1−T2≧1.3A
であればよいということになる。なお、炉心特性的には基本的には平均ボイド率が同じであればほぼ同等のボイド反応度係数等の特性となると考えてよく、また、本実施例で述べる給水温度の変化幅では線形に変化するとしても問題はない。
このように給水温度の低下は増出力時の沸騰水型軽水炉の炉心特性、設計余裕の低下を抑制する効果がある。一般に沸騰水型軽水炉においては特に給水温度制御をしていないため、プラント全体の熱バランスの変化、具体的には図1の6に示す復水器6で蒸気を凝縮させる冷却材(海水の場合が多い)の温度変化などで、同一の沸騰水型軽水炉で同一の炉心熱出力であっても1℃未満の範囲では変化しうる。本実施例では給水温度の低下は約
20℃となっているが、増出力時の炉心特性の低下を補うために給水温度を低下させる範囲とすれば、通常運転時の給水温度の振れ幅以上である1℃以上給水温度を下げれば、本実施例に書いた効果が有意に得られる。ただし、給水は原子炉圧力容器1に入るときに原子炉内の飽和温度の水と交わる。したがって、給水管と原子炉圧力容器1の間に温度差が存在する。給水温度を下げすぎるとこの部分での温度差が大きくなり、熱疲労の観点から設計限界を超える恐れがある。この観点から、給水温度の現行の運転温度からの低下幅は40℃が限界である。
炉心の圧力損失が減少することは、冷却材の再循環を行うためのジェットポンプや再循環ポンプへの増出力による負担増加も抑制できることを意味する。炉心での発生蒸気の増加量も熱出力の増加量に比較して小さくなるため、再循環水への蒸気の巻き込みにより起こるキャリーアンダーへの影響も小さく、大幅な増出力時であってもフローウィンドの確保が容易となる。
表1に本実施例による増出力運転方法を様々な出力増加量に適用したときの、原子炉熱出力,主蒸気流量,抽気流量,給水のエンタルピの関係を示す。原子炉熱出力,主蒸気流量は、原子炉熱出力100%の場合に対する比を、抽気流量は、原子炉熱出力100%の場合の主蒸気流量に対する比を示している。表1から分かる通り、原子炉熱出力を110%にした場合でも本発明の増出力方法は広く適用可能である。表1に出力110%までしか示していないのは、これ以上の増出力時には湿分分離器4の交換などが必要となるためであり、湿分分離器4の交換を許容する、または炉心圧力増加や湿分分離過熱器11の導入などと組み合わせればさらに広範囲に適用可能である。
Figure 0004399381
尚、一般的に沸騰水型軽水炉においては、原子炉熱出力102%程度までは給水流量計
測器などの計測精度を向上するだけで実施可能であり、本発明は原子炉熱出力102%を
超える増出力に対して効果が大きい(A>2)。さらに原子炉熱出力105%程度までの増出力では、一般的に高圧タービン3の交換などの大幅なシステム機器の変更は不要である。本発明を用いれば、原子炉熱出力105%を超える増出力時でも高圧タービン3の交換が不要となるため、特に大きな効果が得られる。
本発明の第2の実施例を図7にて説明する。第1運転サイクルで高圧タービン3の出口と低圧タービン5の入口の間に湿分分離器4がある原子力発電プラントにおいて、第2運転サイクルで前記湿分分離器4を湿分分離11もしくは湿分分離再熱器11に置き換え、第1運転サイクルより熱効率を向上させる。この場合、図7のAに示す抽気管より、湿分を加熱するために高圧タービン3より上流側から主蒸気の約5%を抽気するため、一般に高圧タービン3に流入する蒸気量は5%程度減少する。この場合、高圧タービン3の設計余裕が一般的に5%であることを考えると10%の原子炉熱出力増加(A=10)までは高圧タービン3の交換が不要である。このケースでは、高圧タービン3に入る蒸気量が増出力前と同等になるように給水温度を低下させる。本実施例の場合、主蒸気流量の増加が5%以下であれば湿分分離過熱器11への抽気(図7のA)により高圧タービン3へ流入する蒸気量は第1運転サイクル以下になるので、増出力前の原子炉熱出力をQ1(kW)、増出力後の原子炉熱出力をQ2(kW)、増出力幅をA(%)とすると本実施例では増出力幅を5%超、10%以下(5<A≦10)とする。増出力後の炉心流量をW(kg/s)、一般的な沸騰水型軽水炉の運転圧力である7MPa、200℃前後での定圧比熱は約
4.5(kJ/kg・K) であること、一般的な沸騰水型軽水炉における炉心流量に占める給水流量の割合が約13%であることから、高圧タービン3に流入する蒸気量を第1運転サイクルと第2運転サイクルで同等とする給水温度の条件を以下で述べる。
給水の熱量変化は給水温度1℃当たり
W(kg/s)×13(%)/100(%)×4.5(kJ/kg・K)=W×13
/100×4.5(kW/K)
である。今、主蒸気のうち5%が高圧タービン3手前で第2運転サイクルに湿分分離過熱器11へ流れるとすると主蒸気流量増加幅を5%以下にすればよい。今、主蒸気流量の5%までの増加を認めると、増出力幅がA(%)のときに必要な給水熱量の低下幅は(A−5)(%)の出力増加分に相当し、
Q2×(A−5+100)/100−Q1=Q2×(A+95/100)−Q1
となる。増出力前の給水温度をT1、増出力後の給水温度をT2とすると、この熱量を相殺するにはT1,T2は次式を満たせばよい。
Q2×(A+95/100)−Q1=W×13/100×4.5×(T1−T2)
主蒸気流量の増加を5%以下にするためには
Q2×(A+95/100)−Q1≦W×13/100×4.5×(T1−T2)
であればよく、上式を変形して
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+95)/100−Q1)/(4.5×W)
を得る。この場合、高圧タービン3の設計余裕を増出力前と同等かそれ以上に出来る。
本実施例で10%を超える増出力の場合でも、給水温度低下により高圧タービン3の設計余裕の範囲内で増出力が可能である。高圧タービン3の設計余裕は沸騰水型軽水炉では一般に5%であり、主蒸気の5%が湿分分離過熱器11もしくは湿分分離再熱器11へ流れるとすると、主蒸気流量の増加を10%以下にするように給水温度を下げればよい。この場合の式は上述の5%を超え、10%以下の増出力と同様に考えて、増出力幅A(%)に対して下記のようになる。
Q2×(A−10+100)/100−Q1≦W×13/100×4.5×(T1
−T2)
上式を変形すると
T2≦T1−7.7×(Q2×(A+90)/100−Q1)/(4.5×W)
となる。これは10%を超える増出力において、高圧タービン3の交換が不要な給水温度低下幅を示している。この場合は高圧タービン3の設計余裕は従来例の10%増出力時と同等かそれ以上になる。
なお、増出力時に、給水温度を低下させていくと給水温度と原子炉容器との温度差による熱疲労が問題となる。この観点から給水温度の低下幅が40℃を超えるのは現実的ではない。
また、増出力していくと炉心の熱的余裕が減少する。新燃料の採用により一般に20%程度までは炉心の熱的余裕は持つと言われている。さらに炉心流量を増やすためのポンプの改良等が考えられるが、これらを加味しても増出力幅は30%程度が炉心特性上、限界と考えられる。
また機器側からも30%以上の増出力は高圧タービン3のみならず低圧タービン5や復水器6の設計限界を超えるため、これらの機器の交換も必要であるため現実的でない。
本実施例によれば5%を超え、10%以下の増出力については増出力前と同等かそれ以上の高圧タービン3の設計余裕を維持しつつ、増出力が可能である。10%を超え、30%以下の増出力においては高圧タービン3の交換無しで増出力が可能である。
本発明の一実施例である沸騰水型軽水炉のヒートバランス模式図。 増出力前の沸騰水型軽水炉のヒートバランス模式図。 従来の増出力手法適用時の沸騰水型軽水炉のヒートバランス模式図。 運転サイクルと原子炉熱出力,主蒸気流量及び抽気流量の関係の模式図1。 運転サイクルと原子炉熱出力,主蒸気流量及び抽気流量の関係の模式図2。 運転サイクルと原子炉熱出力,主蒸気流量及び抽気流量の関係の模式図3。 湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器を備えた沸騰水型原子炉の系統図例。
符号の説明
1…原子炉圧力容器、2…主蒸気管、3…高圧タービン、4…湿分分離器、5…低圧タービン、6…復水器、7…低圧給水加熱器、8…主給水ポンプ、9…高圧給水加熱器、
10…抽気管流量調整弁、11…湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器。

Claims (11)

  1. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される、原子炉出口から高圧タービンを含み低圧タービン入口までの高圧蒸気系と、前記低圧タービン入口から該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器の入口までの低圧蒸気系と、
    前記復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器を含み、
    該給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力発
    電プラントの運転方法において、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
    前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、
    前記第1運転サイクルにおける前記高圧蒸気系から抽気して前記給水加熱器に導く抽気
    蒸気質量流量の原子炉出口での主蒸気の質量流量に対する割合に対して、前記第2運転サ
    イクルでは前記高圧蒸気系からの抽気蒸気の質量流量の原子炉出口での主蒸気の質量流量
    に対する割合を減少させ、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルの温度をT2(℃)とするとき、
    T1−40≦T2≦T1−1、
    T1−T2≧1.3×A、
    0.05×(T1−T2)<A
    を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  2. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される、原子炉出口から高圧タービンを含み低圧タービ
    ン入口までの高圧蒸気系と、前記低圧タービン入口から該低圧タービンから排出された蒸
    気を凝縮する復水器の入口までの低圧蒸気系と、
    前記復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器を含み、
    該給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力発
    電プラントの運転方法において、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
    前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、
    前記第1運転サイクルにおける前記高圧蒸気系から抽気して前記給水加熱器に導く抽気
    蒸気の質量流量に対して、前記第2運転サイクルでは前記高圧蒸気系からの抽気蒸気の質
    量流量を減少させ、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルの温度をT2(℃)とするとき、
    T1−40≦T2≦T1−1、
    T1−T2≧1.3×A、
    0.05×(T1−T2)<A
    を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  3. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する、該復水器より下流側でかつ主給水ポンプより
    上流側に設置された低圧給水加熱器と、前記主給水ポンプより下流側でかつ前記原子炉よ
    り上流側に設置された高圧給水加熱器を含み、
    該高圧給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子
    力発電プラントの運転方法において、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
    前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、
    前記第1運転サイクルにおける前記高圧給水加熱器での温度上昇量に対して、前記第2
    運転サイクルでは前記高圧給水加熱器での温度上昇量を小さくすることにより、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルの温度をT2(℃)とするとき、
    T1−40≦T2≦T1−1、
    T1−T2≧1.3×A、
    0.05×(T1−T2)<A
    を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  4. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器と、
    前記高圧タービンの途中及び、高圧タービン出口より下流側でかつ前記湿分分離器また
    は湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口よりも上流側から蒸気を抽
    気し、前記給水加熱器に接続する高圧抽気管を少なくとも1系統以上含み、
    前記給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力
    発電プラントの運転方法において、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
    前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりもA(%)増大させ、
    前記第1運転サイクルにおいては抽気蒸気が流れていた前記高圧抽気管の少なくとも1
    系統以上で、前記第2運転サイクルにおいては抽気蒸気を止めるか、抽気蒸気量調節手段を設けることにより、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルの温度をT2(℃)とするとき、
    T1−40≦T2≦T1−1、
    T1−T2≧1.3×A、
    0.05×(T1−T2)<A
    を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  5. 請求項1から4において、0.05×(T1−T2)<Aを
    A>2
    に置き換えたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  6. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される、原子炉出口から高圧タービンを含み低圧タービ
    ン入口までの高圧蒸気系と、前記低圧タービン入口から該低圧タービンから排出された蒸
    気を凝縮する復水器の入口までの低圧蒸気系と、
    前記復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器を含み、
    該給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力発
    電プラントの運転方法において、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
    前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、
    前記第1運転サイクルにおける前記高圧蒸気系から抽気して前記給水加熱器に導く抽気
    蒸気質量流量の原子炉出口での主蒸気の質量流量に対する割合に対して、前記第2運転サ
    イクルでは前記高圧蒸気系からの抽気蒸気の質量流量の原子炉出口での主蒸気の質量流量
    に対する割合を減少させ、前記給水加熱器から排出された給水の温度を前記第1運転サイクルより前記第2運転サイクルで1℃以上、40℃以下低くしたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  7. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される、原子炉出口から高圧タービンを含み低圧タービ
    ン入口までの高圧蒸気系と、前記低圧タービン入口から該低圧タービンから排出された蒸
    気を凝縮する復水器の入口までの低圧蒸気系と、
    前記復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器を含み、
    該給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力発
    電プラントの運転方法において、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
    前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、
    前記第1運転サイクルにおける前記高圧蒸気系から抽気して前記給水加熱器に導く抽気
    蒸気の質量流量に対して、前記第2運転サイクルでは前記高圧蒸気系からの抽気蒸気の質
    量流量を減少させ、前記給水加熱器から排出された給水の温度を前記第1運転サイクルより前記第2運転サイクルで1℃以上、40℃以下低くしたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  8. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する、該復水器より下流側でかつ主給水ポンプより
    上流側に設置された低圧給水加熱器と、前記主給水ポンプより下流側でかつ前記原子炉よ
    り上流側に設置された高圧給水加熱器を含み、
    該高圧給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子
    力発電プラントの運転方法において、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
    前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、
    前記第1運転サイクルにおける前記高圧給水加熱器での温度上昇量に対して、前記第2
    運転サイクルでは前記高圧給水加熱器での温度上昇量を小さくすることにより、前記給水加熱器から排出された給水の温度を前記第1運転サイクルより前記第2運転サイクルで1℃以上、40℃以下低くしたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  9. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器と、
    前記高圧タービンの途中及び、高圧タービン出口より下流側でかつ前記湿分分離器また
    は湿分分離過熱器または湿分分離再熱器のいずれか1つの入口よりも上流側から蒸気を抽
    気し、前記給水加熱器に接続する高圧抽気管を少なくとも1系統以上含み、
    前記給水加熱器から排出された給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備えた原子力
    発電プラントの運転方法において、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより
    前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第1運転サイクルには前記高圧タービン出口と前記低圧タービン入口の間に湿分分離器を備え、前記原子炉の第2運転サイクルには前記湿分分離器を湿分分離過熱器もしくは湿分分離再熱器に置き換え、
    前記第1運転サイクルにおいては抽気蒸気が流れていた前記高圧抽気管の少なくとも1
    系統以上で、前記第2運転サイクルにおいては抽気蒸気を止めるか、抽気蒸気量調節手段を設けることにより、前記給水加熱器から排出された給水の温度を前記第1運転サイクルより前記第2運転サイクルで1℃以上、40℃以下低くしたことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  10. 請求項6から9において、前記第2運転サイクルでの増出力幅をA(%)、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルでの温度をT2(℃)とし、前記第2運転サイクルにおいて原子炉へ流入する炉心流量をW(kg/s)、前記第1運転サイクルの第1原子炉熱出力をQ1(kW)、前記第2運転サイクルの第2原子炉熱出力をQ2(kW)とするとき、
    5<A≦10、
    T2≦T1−7.7×(Q2×(A+95)/100−Q1)/(4.5×W)
    の関係を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  11. 請求項6から9において、前記第2運転サイクルでの増出力幅をA(%)、前記給水加熱器から排出された給水の前記第1運転サイクルの温度をT1(℃)、前記第2運転サイクルでの温度をT2(℃)とし、前記第2運転サイクルにおいて原子炉へ流入する炉心流量をW(kg/s)、前記第1運転サイクルの第1原子炉熱出力をQ1(kW)、前記第2運転サイクルの第2原子炉熱出力をQ2(kW)とするとき、
    10<A<30、
    T2≦T1−7.7×(Q2×(A+90)/100−Q1)/(4.5×W)
    の関係を満たすことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
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