JP4928028B2 - 工具取付台 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、工具を工具ホルダに取り付ける際に、当該工具ホルダを保持する工具取付台に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、工具ホルダに対して工具を把持させる作業をするため、工具ホルダを例えば直立の状態で保持するツールクランプスタンドすなわち工具取付台が使用されている。この工具取付台は、工具ホルダを挿入する保持穴を有し、かつホルダナットを締め付けて工具を保持させる際に工具ホルダがつれ回るのを防止するための機構を有している。この機構は、工具ホルダのフランジ部に従来から通常設けられているキー溝に係合する係合突起や、工具ホルダの基端に設けられたナット部に係合する係合穴からなっている。
【0003】
しかしながら、このように工具ホルダの外周面にキー溝を形成したり、工具ホルダの基端部のナット部に係合穴を形成すると、工具ホルダを高速回転させた場合、これらキー溝や係合穴の存在によりその回転バランスが崩れ、振動が発生するという虞れがある。またこれらキー溝や係合穴を形成することは、加工工程の増加につながるという問題も存在する。
【0004】
このような問題を解決する工具取付台として、例えば、特開平8−66876号公報に開示されたものがある。この工具取付台は、工具ホルダが挿入されて工具ホルダの外周が保持される保持穴を有し、該保持穴の内周面には、当該工具ホルダの少なくとも一方の周方向への回転により工具ホルダの外周と前記内周面との間に喰い込む楔部材が配置された構造を備えている。この工具取付台は、工具ホルダが予め設定された任意の一方の周方向に回転した際に、楔部材を工具ホルダの外周と保持穴の内周面との間に喰い込ませることで、工具ホルダを工具取付台の前記一方の周方向に固定するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−66876号公報に開示された工具取付台は、前述した構成により、高速回転時のバランスが良く、加工工程が少ない工具ホルダ、すなわち外周面が少なくとも周方向に滑らかな円筒状の工具ホルダ、例えばHSK、KM、CAPTO等の工具ホルダであっても、これを確実に保持することができ、工具ホルダの締め付けの際に、該工具ホルダのつれ回りを防止できるという効果を得ることができる。
【0006】
しかしながら、この公報に記載の工具取付台は、工具ホルダを、予め設定した任意の一方の周方向にのみ固定する、いわゆる「ワンウエイ」方式であり、1台の工具取付台によって、工具ホルダを一方の周方向またはその逆方向へのいずれにも固定可能な、いわゆる「ツーウエイ」方式のものではなかった。このため、工具の回転方向によって、工具取付台を交換する必要があった。
【0007】
本発明は、このような従来の工具取付台を改良し、高速回転時のバランスが良く、加工工程が少ない工具ホルダ、すなわち外周面が少なくとも周方向に滑らかな円筒状の工具ホルダであっても、これを確実に保持することができ、工具ホルダの締め付けの際に、該工具ホルダのつれ回りを防止できることは勿論、工具ホルダを一方の周方向またはその逆方向へのいずれにも固定可能な工具取付台を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、工具を工具ホルダに取り付ける際に、当該工具ホルダを保持する工具取付台であって、前記工具ホルダを挿入可能な工具取付台本体と、当該工具取付台本体の内周面に配置され、前記工具ホルダの一方の周方向及びその逆方向への回転のいずれにも追従して当該工具ホルダの外周面と前記工具取付台本体の内周面との間に喰い込む楔部材と、を備え、
前記工具取付台本体の内周面には、楔部材を保持する保持手段が設けられ、当該保持手段は、前記楔部材を収容する遊び領域と、当該楔部材を収容しかつ前記遊び領域の両側に連続的に形成された楔領域を形成し、前記楔部材は、前記工具ホルダの前記両周方向への回転に追従して前記回転に対応する楔領域に位置し、当該工具ホルダの外周面と当該楔領域の壁面との間に喰い込むよう構成され、
前記保持手段は、工具取付台本体の内周面に配置され、前記楔部材を前記両周方向に所定距離移動可能に保持するリテーナと、前記工具取付台本体の内周面に形成され、前記遊び領域と前記楔領域の深さを決定する溝と、を備え、
前記工具取付台本体には、前記工具ホルダが挿入されて該工具ホルダの外周が保持される保持穴の径方向に突出した支持部が形成されてなり、前記リテーナは、前記楔部材を保持する保持部と、前記支持部に載置されかつ前記工具ホルダの被取付部を支持可能な載置部と、を有し、当該載置部の前記被取付部との接触部に滑り止め部材を設けた工具取付台を提供するものである。
【0009】
この構成を備えた工具取付台は、工具ホルダを一方の周方向またはその逆方向へのいずれにも固定可能である。すなわち、工具ホルダをその一方の周方向に回転させることにより、楔部材は、この回転に追従して工具ホルダの外周面と工具取付台の内周面との間に喰い込む。このため、工具ホルダと工具取付台とはその一方の周方向に一体化され、工具ホルダを工具取付台に工具ホルダの一方の周方向に回転しないよう固定することができる。また、工具ホルダを前記一方の周方向とは逆の周方向に回転させることにより、楔部材は、前記と同様に、この回転に追従して工具ホルダの外周面と工具取付台の内周面との間に喰い込み、工具ホルダと工具取付台とこの回転方向に一体化し、固定することができる。
【0010】
また、この構成により、工具ホルダは、前記リテーナの載置部にも保持されることになり、さらに滑り止めによってその動きも抑制される(リテーナとの摩擦力が増加される)ため、工具取付台にさらに確実に保持される。
【0014】
そしてまた、工具を工具ホルダに取り付ける際に、当該工具ホルダを保持する工具取付台であって、前記工具ホルダを挿入可能な工具取付台本体と、当該工具取付台本体の内周面に配置され、前記工具ホルダの一方の周方向及びその逆方向への回転のいずれにも追従して当該工具ホルダの外周面と前記工具取付台本体の内周面との間に喰い込む楔部材と、を備え、
前記工具取付台本体の内周面には、楔部材を保持する保持手段が設けられ、当該保持手段は、前記楔部材を収容する遊び領域と、当該楔部材を収容しかつ前記遊び領域の両側に連続的に形成された楔領域を形成し、前記楔部材は、前記工具ホルダの前記両周方向への回転に追従して前記回転に対応する楔領域に位置し、当該工具ホルダの外周面と当該楔領域の壁面との間に喰い込むよう構成され、
前記保持手段は、工具取付台本体の内周面に配置され、前記楔部材を前記両周方向に所定距離移動可能に保持するリテーナと、前記工具取付台本体の内周面に形成され、前記遊び領域と前記楔領域の深さを決定する溝と、を備え、
前記工具取付台本体には、前記工具ホルダが挿入されて該工具ホルダの外周が保持される保持穴の径方向に突出した支持部が形成されてなり、前記リテーナは、前記楔部材を保持する保持部と、前記支持部に載置されかつ前記工具ホルダの被取付部を支持可能な載置部と、を有し、当該保持部の工具ホルダとの接触部に滑り止め部材を設けることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態に係る工具取付台について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る工具取付台によって装着される工具ホルダの切欠き断面図、図2は本実施の形態に係る工具取付台の一部切り欠き側面図、図3は、図2のIII−III線に沿った一部断面図であり、楔部材が遊び領域に位置している状態を示す図、図4は、図2に示す工具取付台の、楔部材及びリテーナ付近の一部を拡大して示す斜視図、図5及び図6は、図2のIII−III線に沿った一部断面図であり、楔部材が楔領域に位置している状態を示す図である。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態に係る工具取付台1によって装着される工具ホルダ10は、主として、マシニングセンターやその他の主軸ヘッド(図示省略)に装着され、基端方向すなわち図1の左方向に向かって先細りとなるテーパーシャンク部12と、このテーパーシャンク部12に続いて形成されたチャック位置決め用フランジ部14と、このフランジ部14からさらに一体的に先端方向に突出するチャック筒16とを備えている。
【0018】
フランジ部14の外周面には、従来設けられていたトルク伝達用のキー溝等が形成されておらず、少なくとも周方向になめらかな面を有している。このため、本実施例に使用される工具ホルダ10を高速回転させた場合にも、回転バランスを保つことができる。なお、工具の高速回転を必要とする加工は、通常小径加工が主であり、伝達トルクも小さいため、キー溝による主軸との係合がなくても、テーパシャンク部12と主軸内面との摩擦だけのトルク伝達で充分である。また、テーパーシャンク部12の基端部には、T字状の突部17が形成されており、この突部17が引っ張られることにより工具ホルダ10は主軸ヘッドに固定される。ここでも、後述する工具取付台との係合のためのナット部等は設けられていない。
【0019】
チャック筒16は、把持すべき工具のストレートシャンク部またはコレットを受ける内周面18を有し、チャック筒16の外周面20は、先端方向に向かって先細りとなるテーパ状に形成されている。このチャック筒16の外周面にはホルダナット22が回転自在に遊嵌され、このホルダナット22は、チャック筒16の外周面20と対応して先端方向に向かって先細テーパ状に形成された内周面24を有している。このホルダナット22とチャック筒16との間には、複数のニードルローラ26が介装され、これらニードルローラ26はリテーナ28によって回転可能に保持されている。そして、ホルダナット22を回転することによってニードルローラ26は自転しつつチャック筒16の外周面20に対して螺旋状に公転し、これにより、チャック筒16に工具把持力を与えるよう構成されている。また、ホルダナット22の外周には、従来のホルダナット締め付け用のスパナを引っ掛けるための溝やローレット加工も施されておらず、ここでも高速回転時のバランスを確保している。なお、このホルダナット22は、周方向になめらかな面に対しても回転トルクを与えることができる特殊なスパナ(図示省略)によって回転することができる。
【0020】
本実施の形態に係る工具取付台1は、図2〜図6に示すように、保持部34、保持部34に続いて下方向に形成された柱部36及び柱部36を介して保持部34を支持するベース部38を有する工具取付台本体30と、保持部34の内周面31に設けられた複数の円筒状の楔部材32と、これら楔部材32を保持すると共に、工具取付台本体30に対し工具ホルダ10の両周方向に移動可能なリテーナ33と、を備えて構成されている。
【0021】
保持部34は、所定の厚さを有するよう形成されており、その略中央部には、その内周面31に、楔部材32及びリテーナ33を配設可能であり、配設した楔部材32及びリテーナ33を介して工具ホルダ10を挿入可能な穴35が、保持部の上面から底面に亘って貫通されている。穴35の中間部付近には、穴35の半径方向内側に突出する段差が形成されており、この段差が後に詳述するリテーナ33の載置部41を支持する支持部37となっている。また、保持部34の内周面31であって、支持部37より上方の壁面には、楔部材32を収容する溝39が、互いに所定の間隔をおいて複数形成されている。
【0022】
各溝39は、穴35の内周面31から陥没するとともに円筒状の楔部材32を収容すべく、固定される工具ホルダ10の軸方向に所定の長さで延びている。また、溝39は、比較的深い溝である遊び領域42と、この遊び領域42の周方向両側に連続的に形成され、かつ遊び領域42よりも浅い楔領域43A及び43Bと、により構成されている。遊び領域42は、楔部材32を転動自在に収納するために充分な容積を有するとともに、楔部材32の一部がリテーナ33の内周面44から内側に若干突出するようにその深さが設定されている。楔領域43A及び43Bの深さは、工具ホルダ10のフランジ部14の外周面15との間で楔部材32が楔状に喰い込むように比較的浅くなっている。
【0023】
リテーナ33は、断面略L字状の略リング状を有し、楔部材32を回転可能かつ工具ホルダ10の両周方向(時計回り及び反時計回り)に所定距離移動可能に保持する保持部45と、支持部37に載置される載置部41とを備えて構成されている。保持部45は、工具取付台本体10の内周面31に沿って配置され、楔部材32を収容して保持する収容穴46が溝39に対応して形成されている。載置部41は保持部45に対し、穴35の半径方向内側に突出したフランジ状に形成されており、この部分が支持部37上に、前記周方向にスライド可能に載置される。また、載置部41の上面には、載置部41と同心円の溝47が形成されており、この溝47には、滑り防止部材としてのOリング48が、載置部41の上面から若干突出するかあるいは面位置となるよう配設されている。すなわち、工具取付台1に取り付けられる工具ホルダ10は、フランジ部14が載置部41上に当接されてOリング48と接触する。なお、このリテーナ33の内周面44と、楔部材32とで、工具ホルダ10が挿入されて工具ホルダ10の外周面15が保持される保持穴50を画定する。
【0024】
楔部材32が保持されたリテーナ33の上部には、リテーナ33及び楔部材32が工具取付具本体30から外れて外に飛び出すのを防止する飛出防止蓋49が配置されている。
【0025】
次に、本実施の形態に係る工具取付台1の具体的動作について説明する。
【0026】
まず、ドリルやエンドミル等の加工工具をチャック筒16に装着する場合は、図2に示すように、リテーナ33の内周面44と、楔部材32とで画定される保持穴50に工具ホルダ10を挿入する。これにより、工具ホルダ10のフランジ部14の下面が載置部41によって支持される。また、楔部材32は工具ホルダ10のフランジ部14と接触し、フランジ部14の外周面15に押圧される。この時、楔部材32は、図3に示すように、遊び領域42に位置している。この遊び領域42は、遊びを持って楔部材32を収納するため、フランジ部14との喰い込みはない。よって、工具ホルダ10を保持穴50に挿入する際、楔部材32の外周面がフランジ部14の外周面15に接するもののその作業をさまたげるものではなく、スムーズに工具ホルダ10を保持穴50に挿入することができる。
【0027】
次に、工具ホルダ10を一方の周方向、すなわちホルダナット22を工具ホルダ10に締め付ける方向(例えば、時計回り:図5に示す矢印X方向)に回転させると、フランジ部14の下面と、載置部41に配設されたOリング48が接触するため、両者の摩擦力によって、工具ホルダ10の回転は、リテーナ33に伝えられ、リテーナ33が回転することにより、楔部材32は溝39の遊び領域42から楔領域43Aに移動する。楔部材32は、溝39の遊び領域42の内周面とフランジ部14の外周面15に接していることにより、自転しつつ工具ホルダ10の回転に追従して楔領域43Aに移動する。ここで、ホルダナット22の回転には、なめらかな円周面に対しても充分な回転トルク伝達が可能なスパナ(図示省略)を使用することが良い。楔部材32が時計方向に移動すると、楔部材32は楔領域43Aに位置し、楔部材32は、図5に示されるように、楔領域43Aの壁面とフランジ部14の外周面15との間に楔状に喰い込み、工具ホルダ10は工具取付台1に対して一体化し固定される。
【0028】
次いで、ホルダナット22を工具ホルダ10に対してその締め付けの方向にさらに力を加えると、工具ホルダ10は工具取付台に対してその締め付け方向に固定されているので、ホルダナット22を締め付け方向に回転させることができる。そしてこの回転によって、チャック筒16の内周面18を収縮させ、加工工具、例えばドリル、エンドミル等をチャック筒16の内周面18に把持させることができる。
【0029】
次に、工具ホルダ10を保持穴50から取り外す際は、工具ホルダ10を前記締め付け方向と反対方向、すなわち反時計方向に回転させれば、リテーナ33が回転し、楔部材32は、自転しつつ工具ホルダ10の回転に追従して反時計方向に移動し、遊び領域42に収容される。この遊び領域42は上述のように深い溝であるため、楔部材32の外周面は、遊び領域42の壁面とフランジ部14の外周面15に喰い込まないので、容易に工具ホルダ10を保持穴50から取り出すことができる。
【0030】
次いで、ドリル、エンドミル等の加工工具をチャック筒16から取り外す場合は、先ず、工具ホルダ10を保持穴50に挿入した状態(楔部材32が遊び領域42に位置している状態)から、工具ホルダ10をホルダナット22の緩み方向(すなわち、反時計回り:図6に示す矢印Y方向)に回転させると、フランジ部14の下面と、載置部41に配設されたOリング48が接触するため、両者の摩擦力によって、工具ホルダ10の回転は、リテーナ33に伝えられ、リテーナ33が回転することにより、楔部材32は溝39の遊び領域42から楔領域43Aに移動する。楔部材32は、溝39の遊び領域42の内周面とフランジ部14の外周面15に接していることにより、自転しつつ工具ホルダ10の回転に追従して楔領域43Bに移動する。楔部材32が反時計方向に移動すると、楔部材32は楔領域43Bに位置し、楔部材32は、図6に示されるように、楔領域43Bの壁面とフランジ部14の外周面15との間に楔状に喰い込み、工具ホルダ10は工具取付台1に対して一体化し固定される。これにより、例えば、ホルダナット22の外周面にスパナを引っかけることによりホルダナット22を工具ホルダ10に対してホルダナット22の緩み方向に回転させることができ、この回転によって、チャック筒16の内周面18は拡張し、加工工具をチャック筒16から取り外すことができる。
【0031】
以上のように本実施の形態に係る工具取付台を使用すれば、工具ホルダの外周面に、ホルダナットの締め付け際の工具ホルダのつれ回りを防止するためのキー溝等を設けなくても、工具ホルダを工具取付台に対して一方の周方向に固定することができ、工具ホルダのつれ回りを防止することができる。このため、この工具取付台に使用される工具ホルダは、高速回転時のバランスを保つことができるとともに、加工工程を少なくすることができる。さらにまた、工具ホルダの一方の周方向及びこれとは反対の方向の2方向に、工具ホルダを固定することができる。したがって、加工工具の回転方向によって、工具取付台を交換する必要がなく、加工工具によるワークの加工及び、工具ホルダからの加工工具の取り外しを1台の工具取付台によって行うことができ、効率的である。
【0032】
なお、本実施の形態では、断面略L字状の略リング状を有するリテーナ33を使用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、図7に示すように、リテーナ33’は、断面略長方形の略リング状を有してもよい。この場合、リテーナ33’の下部に沿って溝47を形成し、この溝47にOリング48を配設することで、リテーナ33’と工具ホルダ10のフランジ部14の外周面15との摩擦力を増加させることができる。
【0033】
また、本実施の形態では、工具ホルダ10を時計回りに回した際に、加工工具をチャック筒16の内周面18に把持させ、反時計回りに回した際に、加工工具の取り外しを行う場合について説明したが、これに限らず、加工工具の回転特性によって、工具ホルダ10を反時計回りに回した際に加工工具を把持させ、時計回りに回した際に加工工具を取り外すようにしてもよい。
【0034】
また、本実施の形態では、円筒状の楔部材32を使用した場合について説明したが、これに限らず、楔部材は、工具取付台本体30の内周面31に配置され、工具ホルダ10の一方の周方向及びその逆方向への回転のいずれにも追従して工具ホルダ10の外周面と工具取付台本体30の内周面31との間に喰い込むことが可能であれば、例えば球状等、他の形状を有していてもよい。
【0035】
そしてまた、本実施の形態では、滑り防止部材としてOリング48を、リテーナ33の載置部41、あるいはリテーナ33’の支持部37に設けた場合について説明したが、これに限らず、滑り止め部材は、例えば、載置部41や支持部37のフランジ部14と接触する全面に設けたり、所望の間隔をおいて複数設ける等、任意に配設してもよい。また、滑り止め部材は、必須部材ではなく、必ずしも設けなくてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る工具取付台は、高速回転時のバランスが良く、加工工程が少ない工具ホルダ、すなわち外周面が少なくとも周方向に滑らかな円筒状の工具ホルダであっても、これを確実に保持することができ、工具ホルダの締め付けの際に、該工具ホルダのつれ回りを防止できることは勿論のこと、工具ホルダを一方の周方向またはその逆方向へのいずれにも固定することができる結果、汎用性が高く、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本実施の形態に係る工具取付台によって装着される工具ホルダの切欠き断面図である。
【図2】本発明の本実施の形態に係る工具取付台の一部切り欠き側面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った一部断面図であり、楔部材が遊び領域に位置している状態を示す図である。
【図4】図2に示す工具取付台の、楔部材及びリテーナ付近の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図2のIII−III線に沿った一部断面図であり、楔部材が楔領域に位置している状態を示す図である。
【図6】図2のIII−III線に沿った一部断面図であり、楔部材が楔領域に位置している状態を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る図4に対応する図である。
【符号の説明】
1 工具取付台
10 工具ホルダ
14 フランジ部
30 工具取付台本体
31 内周面
32 楔部材
33 リテーナ
37 支持部
41 載置部
42 遊び領域
43A、43B 楔領域
48 Oリング
Claims (2)
- 工具を工具ホルダに取り付ける際に、当該工具ホルダを保持する工具取付台であって、
前記工具ホルダを挿入可能な工具取付台本体と、
当該工具取付台本体の内周面に配置され、前記工具ホルダの一方の周方向及びその逆方向への回転のいずれにも追従して当該工具ホルダの外周面と前記工具取付台本体の内周面との間に喰い込む楔部材と、を備え、
前記工具取付台本体の内周面には、楔部材を保持する保持手段が設けられ、当該保持手段は、前記楔部材を収容する遊び領域と、当該楔部材を収容しかつ前記遊び領域の両側に連続的に形成された楔領域を形成し、前記楔部材は、前記工具ホルダの前記両周方向への回転に追従して前記回転に対応する楔領域に位置し、当該工具ホルダの外周面と当該楔領域の壁面との間に喰い込むよう構成され、
前記保持手段は、工具取付台本体の内周面に配置され、前記楔部材を前記両周方向に所定距離移動可能に保持するリテーナと、前記工具取付台本体の内周面に形成され、前記遊び領域と前記楔領域の深さを決定する溝と、を備え、
前記工具取付台本体には、前記工具ホルダが挿入されて該工具ホルダの外周が保持される保持穴の径方向に突出した支持部が形成されてなり、前記リテーナは、前記楔部材を保持する保持部と、前記支持部に載置されかつ前記工具ホルダの被取付部を支持可能な載置部と、を有し、当該載置部の前記被取付部との接触部に滑り止め部材を設けた工具取付台。 - 工具を工具ホルダに取り付ける際に、当該工具ホルダを保持する工具取付台であって、
前記工具ホルダを挿入可能な工具取付台本体と、
当該工具取付台本体の内周面に配置され、前記工具ホルダの一方の周方向及びその逆方向への回転のいずれにも追従して当該工具ホルダの外周面と前記工具取付台本体の内周面との間に喰い込む楔部材と、を備え、
前記工具取付台本体の内周面には、楔部材を保持する保持手段が設けられ、当該保持手段は、前記楔部材を収容する遊び領域と、当該楔部材を収容しかつ前記遊び領域の両側に連続的に形成された楔領域を形成し、前記楔部材は、前記工具ホルダの前記両周方向への回転に追従して前記回転に対応する楔領域に位置し、当該工具ホルダの外周面と当該楔領域の壁面との間に喰い込むよう構成され、
前記保持手段は、工具取付台本体の内周面に配置され、前記楔部材を前記両周方向に所定距離移動可能に保持するリテーナと、前記工具取付台本体の内周面に形成され、前記遊び領域と前記楔領域の深さを決定する溝と、を備え、
前記工具取付台本体には、前記工具ホルダが挿入されて該工具ホルダの外周が保持される保持穴の径方向に突出した支持部が形成されてなり、前記リテーナは、前記楔部材を保持する保持部と、前記支持部に載置されかつ前記工具ホルダの被取付部を支持可能な載置部と、を有し、当該保持部の工具ホルダとの接触部に滑り止め部材を設けた工具取付台。
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