JP4927813B2 - 油潤滑のない条件下でローラーベアリングを保護する方法、及びその方法を用いてなるベアリング - Google Patents

油潤滑のない条件下でローラーベアリングを保護する方法、及びその方法を用いてなるベアリング Download PDF

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Description

本特許出願は、米国暫定特許出願(出願番号:60/663229、2005年3月18日)に対して優先権を主張しており、当該出願内容は本明細書に参考文献として組み込まれる。
本発明は、転動体のベアリング、詳しくは、油潤滑のない条件下で、ベアリングを保護する方法、及びその方法を用いてなるベアリングに関する。
機械機器中の付着摩耗は、対応して動作する部材が、接触表面の凹凸の微小な溶着を生ずるのに十分な荷重及びスピード下で接触した場合に起こる。機械システムが潤滑性を壊滅的に失った場合、機械機器間の付着摩耗によって、当該部材の磨滅やシステムの焼き付きを引き起こす。回転翼航空機のギアボックスやタービンエンジンベアリングのような航空宇宙システムにおいて、潤滑性が壊滅的になくなることは、オイルアウト状態(油潤滑がない状態)といわれる。ギアボックスやタービンエンジンにおいて油潤滑がない状態は、通常、ベアリングの故障を引き起こし、動作不能状態となる。
荷重やスピード等の動作状態によって、油潤滑がなくなってからベアリングが故障するまでの時間は、数秒から何分に至ることもある。新しいタービンエンジンの設計において、ローラーベアリングは、全負荷、スピードの条件下において、一時的に油潤滑がなくなっても、少なくとも30秒の間持ち堪える仕様でなければならない。回転翼航空機のギアボックスにおいては、ローラーベアリングは、潤滑性が不可逆的に失われた後であっても、30分以上の間動作を持続することが所望されている。
簡潔に記載すると、本発明により、油潤滑のない条件下で、ローラーベアリングアセンブリの動作寿命を延ばす方法が開示される。周知のとおり、ローラーベアリングアセンブリは、内輪及び外輪と、当該内輪及び外輪の間に位置する転動体とを具備している。転動体は摺り面と転動面とを有している。本発明の方法は、潤滑性金属炭化物で強化された非晶質炭化水素コーティング層を、ローラーベアリングの重要表面部分に設ける工程を備える。潤滑性コーティング層は、転動体の摺り面又は転動面のうちの一方に設けられるのであるが、当該転動体の少なくとも摺り面に設けられることが好ましい。テーパーローラーベアリングにおいて、潤滑性コーティング層は、転動体の端/リブの接触面にて、摩耗保護を供するために、少なくとも転動体ベアリングの大端に設けられることが好ましい。
本発明の一形態によると、コーティングの摩耗による副生成物はグラファイトである。
金属炭化物(例えば、炭化タングステン)を含む潤滑性コーティングは、油潤滑のない条件下での動作時に、ベアリングアセンブリの寿命をうまく延ばすことができることがわかっている。当該炭化タングステンは、非晶質炭素又は炭化水素基質中に分散された結晶形にて存在している。当該炭化タングステン結晶は、10nmよりも小さなサイズであり、炭化タングステンは潤滑性コーティング層の50%未満を構成し得る。
本発明の他の形態によると、接着層がベアリング表面にコートされ、潤滑性コーティング層が当該接着層に設けられる。
潤滑性コーティング層の深さdは、油潤滑のない条件下において、ベアリングがどの程度の時間動作可能であるかに影響を与える。当該潤滑性コーティングの深さ又は厚みは、Archardの式より決定される。
Figure 0004927813
ここで、d=コーティング深さ、P=前記転動体に与えられる力と接触面積との比、n=転動体の数、(t−t)=油潤滑のない状態となった後に動作できる所望の動作時間、K’=Archard定数である。
好ましくは、d及びK’は、双方ともに小さな値である。本発明のコーティングの好ましい形態において、K’は1×10−16Pa・mよりも小さく、dは5μmよりも小さい。
周知のように、ベアリングアセンブリBは、外輪OR、内輪IR、及び、当該二つの輪の間に位置する複数の転動体REを備えている。当該転動体は、通常、図1に示されるようなテーパーローラーのように、ケージCによって、互いに対応する位置で保持される。ベアリングアセンブリにおいて、転動体は、摺り面SSと転動面SRとを備えている。図1に示されるような、テーパーローラーベアリングにおいては、転動体の側面が転動面であり、当該転動体の端面、特に大端面が、摺り面である。
周知のように、ベアリングアセンブリBは、外輪OR、内輪IR、及び、当該二つの輪の間に位置する複数の転動体REを備えている。当該転動体は、通常、図1に示されるようなテーパーローラーベアリングに、ケージCによって、互いに対応する位置で保持される。ベアリングアセンブリにおいて、転動体は、摺り面SSと転動面SRとを備えている。図1に示されるような、テーパーローラーベアリングにおいては、転動体の側面が転動面であり、当該転動体の端面、特に大端面が、摺り面である。
本発明は、油潤滑のない条件下にて想定される付着摩耗に、一時的に打つ勝つため、ローラーベアリングの重要表面部、特に摺り面に設けられる潤滑性コーティングの使用を開示する。それによって、システムの最重要部品が破壊されるのに要する時間を、長くすることができる。図2に示されるように、本発明によりなされるコーティング10は、転動体の摺り面14に設けられる、金属接着層12を備える。また、当該摺り面14は、テーパーローラー、円筒ローラー、球面ローラー、及び、ニードルローラーを含む、転動体の反対側の端面を含む。ボールベアリングにおいては、当該ボールベアリング表面が摺り面及び転動面両方である。潤滑性コーティング層16は、金属接着層12上に設けられる。当該潤滑性コーティング層は、非晶質炭素又は炭化水素基質(MC/aC又はMC/aC:H)に含まれる金属炭化物を有する。
金属炭化物で強化された非晶質炭素又は炭化水素コーティングは、ナノ構造材料であり、非晶質基質に含まれる金属炭化物粒子(通常10nmよりも小さな径である。)からなっている。当該粒子は基質中に分散され、強度を向上させ、従って、コーティングの破壊抵抗を向上させる。このようなコーティングのもう一つの重要な点として、当該コーティングは、鋼鉄と接着作用することがなく、当該コーティングは、油潤滑がない条件下で生じる付着摩耗に対して効果的なバリアとなる。接着層12は、鋼鉄基材に強く接着し、潤滑性コーティング層は接着層に強く接着する。当該接着層は、CrやTi等の金属を備え得る。
コーティング10はスパッタリングや化学気相蒸着等により設けることができる。図2には、接着層又は金属転移層14と潤滑性コーティング層16との間に明確な変わり目があるが、実際には、当該二つの層間にて、金属炭化物の濃度勾配があるように、より段階的に遷移している。当該遷移部の金属層側に向かって、金属炭化物含有量は少なくなっており、潤滑性コーティング層16側に向かって、金属炭化物含有量は多くなっている。
金属炭化物が、炭化タングステンである場合には、当該炭化タングステンコーティングは、非晶質基質中にある炭化タングステン結晶を含む。当該基質は、非晶質炭素基質(aC)、又は、非晶質炭化水素基質(aC:H)とすることができる。炭化タングステン結晶は、コーティングの50%未満を構成し、その中でも、20%未満を構成することが好ましい。炭化タングステン結晶は小さく、結晶サイズが10nm未満である。
油潤滑のない場合を想定して、特定のローラーベアリングの破壊までの時間をtと定義する。潤滑性コーティングの摩耗係数は、以下のArchardの式で表現される。
Figure 0004927813
ここでHはコーティングの硬さ(N/m)、F/nは与えられた負荷/転動体(N)、lは摺り長さ(m)、そしてVは摩耗除去された材料体積(m)である。多くの場合、Archardの式はK’=K/Hで表現される。仮に摺り長さlが、油潤滑のない条件下でのベアリング動作中の摺り速さ及び時間(t’)の積と同等であれば、そして、仮にVが接触面積(A)とコーティングの摩耗深さ(d’)とで表現されるならば、式2は式3のようになる。
Figure 0004927813
これをt’について解くと、
Figure 0004927813
となる。ここでは、P=F/Aを代入した。
油潤滑のない条件下において設けられない場合には、ベアリング故障の原因となるようなコーティング10が、仮に、ベアリングの重要部分(即ち、摺り面)に設けられた場合、当該コーティングが摩耗除去される間、ベアリングの寿命が延ばされる。一度コーティングが摩耗除去されると、ベアリングは機能しなくなる。仮にdがコーティングの総厚であるとすると、t’は、油潤滑のない条件下において、潤滑性コーティングにより部品へ与えられる追加寿命時間となる。従って、油潤滑のない場合におけるベアリングの寿命は、以下の式5に等しい。
Figure 0004927813
ここで、K’は実験室の摩擦計にて実験的に決定され得る値であり、P、n、及び、vは、用途及び/又は部品デザインにより決定される。式5を検討すると、ローラーベアリングの重要表面(即ち摺り表面)に設けられる、K’が小さい値であるような、分厚いコーティングを施すことにより、t’の値が最も大きくなることがわかる。実際には、接触応力、幾何公差、及び、耐熱性等により、例えば、潤滑性コーティングの厚みは制限される。加えて、硬いコーティング(K’の値が小さい。)は、通常、大きな弾性率を有することとなり、従って、非常に大きな内部応力を有し得ることとなる。硬いコーティングにあっては、接触応力がコーティングの厚みによって増加することは当然である。即ち、ほとんどの潤滑性コーティングについて、K’とdとの間に妥協が存在する。結果として、コーティングは、割れや層間剥離とは対照的である、分子又は原子的な種類の摩耗となることが重要である。
金属炭化物で強化された非晶質炭素又は炭化水素の群としては、大きな値のd(〜5μm)、小さな値のK’(〜10−17/N)を有し、そして、割れや層間剥離がない分子又は原子的な摩耗を示すように合成される。さらに、このようなタイプのコーティングの摩耗による副生成物は、グラファイトであり、これは固体潤滑剤として非常に適している。
要約すると、油潤滑のない状況において、ローラーベアリングの寿命を延ばすために用いられる潤滑性コーティングの重要な特性は、(1)鉄鋼基材に強く接着していること、(2)鉄鋼と接着相互作用を起こさないこと、(3)原子的に又は分子的に摩耗をするものであって、割れや層間剥離が生じることのないようなもの、(4)d/K’の比が大きい値となること、である。直感的には、油潤滑のない条件下においてベアリングの寿命を延ばすためには、摩擦係数が、潤滑性コーティングの最も望ましい特性であると想定されたが、驚くべきことに、そういうわけではないことがわかったのである。
表1は、三つのタイプの金属炭化物で強化された非晶質炭素及び炭化水素のコーティングについての摩擦係数(μ)、呼び厚さ(d)、及び、d/K’値を示している。これらコーティングは反応性及び非反応性スパッタリング、物理的気相成長法により、ザ・ティムケン・カンパニー製、M86600シリーズから入手可能である転動体の大端に施された。18(n=18)のコートされた転動体が、ベアリングへと組み立てられ、当該ベアリングは所定負荷4448N(157MPa)の接触応力、及び、転動体大端部とリブ面との間の摺り速さが2700rpm(1.2m/s)の条件下にて試験された。試験結果を図3に示す。標準のベアリングについては、上記条件下で、約6分持ち堪えたのに対して、炭化チタン/非晶質炭素(TiC/aC)コーティング、炭化チタン/非晶質炭化水素(TiC/aC:H)コーティング、及び、炭化タングステン/非晶質炭化水素(WC/aC:H)コーティングを有するものについては、上述の標準ベアリングの結果よりも、4倍、9倍、及び、56倍も長く持ち堪えた。従って、油潤滑のない条件下において、炭化チタンコーティングが、ベアリング動作を可能とするように満足に機能した一方で、炭化タングステンコーティングを有するベアリングは、当該炭化チタンコーティングを有するベアリングよりも、さらに顕著に、長時間ベアリングを持ち堪えさせた。
Figure 0004927813
図4のグラフデーターは、d/K’の関数としてtをプロットしており、式5により分析され得る。データは直線近似により次式となる。
Figure 0004927813
式6及び5を比較すると、t=270秒、(n/Pv)=9.9×10−8(s/Pa・m)となることがわかる。4448Nの軸方向負荷が約157MPaの接触応力を生じ、2700rpmの回転が、ティムケンM86600シリーズのベアリングについて、転動体端/リブ面のスピード1.2m/sに相当すると計算される。勾配値(9.9×10−8s/Pa・m)と(n/Pv)の計算値(9.2×10−8s/Pa・m)とはよく合致している。式5については、Archard分析中に含まれていないさらなる摩耗形態又は他の効果を明らかとするために、スケーリング因子が必要となる場合がある。しかしながら、式5のモデルでは、油潤滑のない条件下において、転動体端のコーティングが、テーパーローラーベアリングへ与える追加動作寿命を計算する方法としては非常に効果的である。
式5の適用性は、テーパーローラーベアリングの転動体大端に限定される必要はない。コーティングは、テーパーローラーベアリングの小端に、円筒ローラーベアリングの一つ又は双方の端に、及び、円筒ローラーベアリング又は球状ローラーベアリングのローラーボディに施される可能性もある。金属炭化物で強化された非晶質炭素又は炭化水素コーティングを球状のボール表面に施すことは困難であり、さらに、このようなコーティングは、ボールベアリング輪の転動経路に施された場合、時々、ボールベアリングの早期故障を促す場合があるため、他のタイプのコーティングが、より好適にボールベアリングへと適用される場合もある。
上述の方法により処理されたローラーベアリングは、回転翼航空機ギアボックスのベアリングやタービンエンジンのベアリングに好適に用いられると解される。
本発明の範囲からかけ離れないものについては、上述の構成にて、多くの変形例がなされる可能性があり、上述の説明に含まれた、又は、添付した図面に示された全てのものについて、明示したものとして参酌されるべきであり、本発明の意味を何ら限定するものではない。
本発明のベアリングアセンブリについての断面図である。 ベアリング表面に施された本発明のコーティングを概略的に示す断面図である。 油潤滑のない条件下において、ベアリング動作寿命を延ばすための異なるコーティングについて、その効果についてのデータを示すグラフである。 図3に示される結果について、式5のArchard式を用いて数値解析をした結果を示すグラフプロットである。

Claims (15)

  1. 油潤滑のない条件下にて、ベアリングアセンブリが動作を持続することを可能とするための方法であって、
    記ベアリングアセンブリは内輪及び外輪と、該内輪と外輪との間に位置する転動体と、を具備し、該転動体は対向する端面、及び、側面を有し、前記端面のうちの一方又は双方が摺り面であり、前記側面が転動面であり、
    前記方法は、
    油潤滑のない状況において、前記ベアリングアセンブリが、少なくとも所定時間内動作可能であるように、潤滑性金属炭化物で強化された非晶質炭化水素コーティングの厚みを決定する工程と、
    前記コーティングを、前記転動体の前記一方又は双方の端面に施す工程と、
    を備え
    前記コーティングの厚みが下記式(1)により決定されることを特徴とする、ベアリングアセンブリの動作持続方法。
    Figure 0004927813
    (ここで、d=コーティングの厚み、P=前記転動体に与えられる力と接触面積との比、v=摺り速度、n=転動体の数、(t−t )=油潤滑のない状況にて作動開始後の所望の動作時間、K'=Archard定数である。ただし、d/K’は10 11 Pa・mよりも大きい。)
  2. 前記金属炭化物が、炭化タングステンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属炭化物が、潤滑性の前記コーティングに50%未満で備えられていることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記金属炭化物が、非晶質の基質中に分散された結晶を形成し、該金属炭化物の結晶は、10nmより小さなサイズであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  5. 前記コーティングを前記転動体の双方の端面に施す、請求項1に記載の方法。
  6. 前記転動体がテーパーローラーであり、前記転動体が大端を有し、前記ベアリングアセンブリが前記内輪にスラストリブをさらに具備し、
    前記転動体へ前記コーティングを施す工程が、前記転動体の端と前記スラストリブとの間の摩耗を防ぐために、前記ベアリングアセンブリにおいて前記スラストリブに隣接する転動体の大端に、前記コーティングを施す工程である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記コーティングを施す工程が、前記ベアリングアセンブリにおける、前記転動体と、レース上の経路との摩耗を防ぐために、前記転動体の転動面にコーティングを施す工程である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記コーティングの摩耗による副生成物がグラファイトであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 前記コーティングを施す工程が、化学気相蒸着により行われる、請求項1に記載の方法。
  10. 油潤滑のない条件下にて、ベアリングアセンブリの動作寿命を延ばす方法であって、
    前記ベアリングアセンブリは内輪及び外輪と、該内輪と外輪との間に位置する転動体と、を具備し、該転動体は、側面と、第一端面及び第二端面とを有し、
    前記方法は、
    油潤滑のない状況において、前記ベアリングアセンブリが、少なくとも所定時間内動作可能であるように、金属炭化物及び非晶質炭化水素のコーティングの厚みを決定する工程と、
    前記転動体の第一端面及び第二端面のうちの少なくとも一方に前記金属炭化物及び非晶質炭化水素のコーティングを前記決定した厚みにて設ける工程を備え、
    前記金属炭化物及び非晶質炭化水素のコーティングは、非晶質の炭素又は非晶質の炭化水素の基質中に含まれた金属炭化物の結晶を有し、
    前記コーティングの摩耗による副生成物がグラファイトであり、
    前記コーティングの厚みをd、Archard定数をK’として、d/K’が10 11 Pa・mよりも大きいものとする、
    ベアリングアセンブリの動作寿命を延ばす方法。
  11. 前記金属炭化物の結晶は10nmより小さなサイズである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記金属炭化物及び非晶質炭化水素のコーティングは、外側層を有し、さらに、該外層及び前記転動体表面との間に接着層を有し、前記金属炭化物の相が、前記外層の50%未満である、請求項10に記載の方法。
  13. 内輪と、外輪と、該内輪及び外輪の間に位置する複数の転動体とを具備するローラーベアリングアセンブリであって、
    前記転動体は、側面と、第一端面及び第二端面とを具備し、
    前記転動体は、該転動体の第一端面、第二端面のうちの一方又は双方にのみ設けられたコーティングを有し、
    前記コーティングは、非晶質炭素又は非晶質炭化水素の基質に含まれる結晶性金属炭化物を含む外側層を具備し、
    前記金属炭化物の結晶は10nmよりも小さなサイズを有し、前記コーティングの50%未満であり、
    前記コーティングは、油潤滑がない状況となった後、前記ベアリングが所定時間の間動作可能であるような厚みを有し、
    前記コーティングの厚みが、下記式(2)を満たす、ローラーベアリングアセンブリ。
    Figure 0004927813
    (ここで、d=コーティングの厚み、P=前記転動体に与えられる力と接触面積との比、n=転動体の数、(t−t )=油潤滑のない状況にて作動開始後の所望の動作時間、K'=Archard定数である。ただし、d/K’は10 11 Pa・mよりも大きい。)
  14. 前記コーティングの摩耗による副生成物がグラファイトであることを特徴とする、請求項13に記載のローラーベアリングアセンブリ。
  15. 前記金属炭化物が炭化タングステンである、請求項13に記載のローラーベアリングアセンブリ。
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