JP4927800B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンの制御装置に関し、詳しくは、エンジンの吸気スロットル部を通過する吸入空気量を検出する手段、及び、前記吸気スロットル部下流の吸気管の圧力を検出する手段の異常を判定する技術に関する。
特許文献1には、エアフローセンサの出力に基づいて第1の吸入空気量を算出すると共に、スロットル下流に配置された圧力センサの出力に基づいて第2の吸入空気量を算出し、前記第1の吸入空気量と第2の吸入空気量との比較に基づいて前記エアフローセンサの故障を判定する、エアフローセンサの故障判定装置が開示されている。
特開2004−092614号公報
上記故障判定装置では、圧力センサが正常であることを前提として、エアフローセンサの故障を判定する構成であり、圧力センサについては、出力変化があれば正常と見なすようになっている。
このため、圧力センサのダイナミックレンジが変化するなどの異常が発生すると、圧力センサが正常であると判断されて、エアフローセンサの故障判定が実行され、エアフローセンサの故障を誤判定する可能性があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、圧力検出手段(圧力センサ)及び空気量検出手段(エアフローセンサ)について高精度に異常判定を行えるエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
そのため、本発明は、エンジンの吸気スロットル部を通過する吸入空気量を検出する空気量検出手段と、前記エンジンの空燃比を検出する空燃比検出手段と、前記空燃比検出手段による空燃比の検出値が目標空燃比に近づくように、前記空気量検出手段で検出された吸入空気量に基づいて演算される基本燃料噴射量を補正するための空燃比補正係数を演算し、前記空燃比補正係数に基づき前記エンジンへの燃料供給を制御する燃料供給制御手段と、前記吸気スロットル部下流の吸気管の圧力を検出する圧力検出手段と、前記吸入空気量の検出値に基づいてエンジン負荷を示す第1指標値を演算する第1指標値演算手段と、前記吸気管圧力の検出値に基づいてエンジン負荷を示す第2指標値を演算する第2指標値演算手段と、前記第1指標値と第2指標値との偏差が閾値を超えている場合に、前記空気量検出手段と前記圧力検出手段とのいずれかに異常が発生している状態を判定する異常検知手段と、前記異常検知手段によって前記空気量検出手段と前記圧力検出手段とのいずれかに異常が発生していると判定された場合に、前記第2指標値の前記第1指標値に対する比が、前記空燃比補正係数に近似する値である場合は、前記空気量検出手段に異常が発生していると判定する空気量異常判定手段と、を含んで構成されたことを特徴とする。
上記発明によると、第1指標値と第2指標値とから、エンジン負荷の検出誤差の発生を判定でき、また、空燃比補正係数は、基本燃料噴射量の補正なしで得られる空燃比の目標空燃比に対するずれ代を示し、前記ずれ代は吸入空気量の検出誤差に基づいて発生するので、空気量検出手段に異常が発生しているか否かを、高精度に判定できる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を備えた車両用エンジンのシステム構成を示す図である。
エンジン200は、車両用の直列4気筒エンジンであり、吸気ダクト201、吸気スロットル部202、吸気コレクタ部203及び吸気マニホールド204を介して、各気筒に空気が供給される。
前記吸気ダクト201には、前記吸気スロットル部202を通過するエンジン200の吸入空気量QAを検出するエアフローセンサ(空気量検出手段,流量計)205が配置され、また、前記吸気コレクタ部203には、吸気スロットル部202下流の吸気管圧力(ブースト)PBを検出する圧力センサ(圧力検出手段)206が配置されている。
尚、前記エアフローセンサ205として、本実施形態では、例えば熱線式の質量流量計を用いるが、センサの種類を限定するものではなく、公知の種々の流量計を採用することができる。
また、前記吸気スロットル部202を迂回するバイパス空気量を調整することで、アイドル運転時のエンジン回転速度NEを制御するISCバルブ(アイドルスピードコントロールバルブ)207が設けられている。
尚、前記吸気スロットル部202としては、運転者のアクセル操作に機械的に連動してスロットル弁を開閉動作させる機構の他、モータ等のアクチュエータによってスロットル弁を開閉する電子制御式スロットル機構とすることができ、前記電子制御式スロットル機構を採用する場合には、前記ISCバルブ207を省略することができる。
更に、エンジン200の吸気ポート208には、吸気ポート208内に燃料を噴射する燃料噴射弁209が気筒毎に配置されている。
前記燃料噴射弁209から噴射された燃料及び空気は、吸気行程で吸気バルブ210が開くことで、燃焼室211内に吸引され、燃焼室211内の燃料は、点火プラグ212による火花点火によって着火燃焼する。
尚、燃料噴射弁209が、燃焼室211内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式エンジンであってもよい。
前記燃焼によるガス膨張でピストン213が押し下げられ、クランク機構214を介してクランク軸215が回転駆動される。
燃焼室211内の燃焼後のガスは、排気行程で排気バルブ216が開くことで、燃焼室211内から排出され、排気マニホールド217及び排気ダクト218を介して大気中に放出される。
前記排気ダクト218には、排気中の有害成分を転換する触媒コンバータ219が介装されている。
前記点火プラグ212それぞれには、点火プラグ212に対して点火エネルギを供給する点火モジュール220が直付けされている。
前記点火モジュール220は、点火コイルと該点火コイルへの通電を制御するパワートランジスタとを含んで構成される。
前記燃料噴射弁209には、燃料タンク221内の燃料が燃料ポンプ222によって圧送され、燃料噴射弁209は、開弁時間に比例する量の燃料を噴射するようになっている。
前記ISCバルブ207、燃料噴射弁209、点火モジュール220は、エンジン制御装置223によって制御される。
前記エンジン制御装置223は、マイクロコンピュータを含んで構成され、各種センサ・スイッチからの信号を入力し、予め記憶されたプログラムに従った演算処理を行うことで、前記ISCバルブ207、燃料噴射弁209、点火モジュール220それぞれの操作量を決定し出力する。
前記各種センサとしては、前記エアフローセンサ205,圧力センサ206の他、前記吸気スロットル部202におけるスロットル弁202Aの開度TVOを検出するスロットル開度センサ225、エンジン200の冷却水温度TWを検出する水温センサ226、排気通路に配置されエンジン200の空燃比と密接な関係にある排気中の酸素濃度に感応して出力が変化する空燃比センサ(酸素濃度センサ)227、吸気カムシャフトの回転に同期してカム信号CAMを発生するカムセンサ228、クランク軸215の回転に同期してポジション信号POS及びリファレンス信号REFを出力するクランク角センサ229などが設けられている。
尚、空燃比センサ227は、実際の空燃比をリニアに検出するセンサ(広域空燃比センサ)の他、実際の空燃比の理論空燃比に対するリッチ・リーンを検出するセンサ(酸素センサ)を用いることができる。
また、エンジン200の運転・停止のメインスイッチであるエンジンスイッチ229の信号が、前記エンジン制御装置223に入力されるようになっている。
前記クランク角センサ229は、クランク軸215に軸支したシグナルプレート229aの周縁に等間隔で形成された突起部229bを、ピックアップ229cで検出することで、単位クランク角毎のポジション信号POSを出力すると共に、前記シグナルプレート229aに180deg間隔で2箇所に形成した突起部229dをピックアップ229eで検出することで、各気筒の所定クランク角位置(所定ピストン位置)毎のリファレンス信号REFを出力する。
前記リファレンス信号REFの出力間隔は、本実施形態における4気筒エンジンにおける点火間隔に相当し、前記リファレンス信号REFは、各気筒の同じピストン位置(例えばBTDC75deg)毎に出力されることになる。
一方、前記カムセンサ204は、前記リファレンス信号REFの発生間隔毎に、気筒ナンバーを示す数のカム信号CAMを出力する。
そして、リファレンス信号REFの発生時に、前回のリファレンス信号REFから今回のリファレンス信号REFまでの間に発生したカム信号CAMの数を判定することで、今回のリファレンス信号REFを制御基準とする気筒、換言すれば、特定のピストン位置になっている気筒を判別できるようになっている。
また、前記リファレンス信号REFの発生周期又は一定時間内におけるポジション信号POSの発生数を計測することで、エンジン回転速度NEが求められる。
また、本実施形態のエンジン200には、燃料タンク221にて発生した燃料蒸気を、キャニスタ231に吸着捕集させ、エンジン200の運転中に、パージ通路232に介装させたパージバルブ233を開弁させることで、前記キャニスタ231にエンジン負圧を作用させることで、キャニスタ231に吸着捕集されている燃料蒸気を脱離させて、吸気スロットル部202下流の吸気管に導入させる蒸発燃料処理装置が備えられている。
更に、エンジン排気の一部を、EGRバルブ241が介装されるEGR242通路を介して吸気スロットル部202下流の吸気管に還流させる排気還流装置が備えられている。
そして、前記パージバルブ233及びEGRバルブ241は、前記エンジン制御装置223によって制御される。
図2は、前記エンジン制御装置223の内部構成を示す図である。
CPU301の内部には、エンジン200に設置された各センサから出力されるアナログの電気信号をデジタル信号に変換して入力し、デジタル信号として演算される制御信号を、アクチュエータの駆動信号に変換するI/O部302が設けられている。
前記I/O部302には、エアフローセンサ205,圧力センサ206,スロットル開度センサ225,水温センサ226,空燃比センサ227,カムセンサ228,クランク角センサ229,エンジンスイッチ229などからの出力信号がそれぞれ入力されている。
前記CPU301から出力される制御信号はドライバ310を介して、各気筒の燃料噴射弁209a〜209d、各気筒の点火モジュール220a〜220d、ISCバルブ207、EGRバルブ241、パージバルブ233、更に、運転者に故障の発生を警告するための故障表示警告灯321などへ出力される。
前記故障表示警告灯321は、例えば車両の運転席付近に設置され、故障発生時に点灯され、故障発生を運転者に知らせる装置であるが、この他、音声・ブザー・モニタ画面上の文字表示などで、故障発生を運転者に知らせるようにすることができる。
図3は、前記エンジン制御装置223の制御ブロック図である。
回転数計算手段101には、クランク角センサ229からのポジション信号POS及び/又はリファレンス信号REFが入力され、前記リファレンス信号REFの発生間隔時間や、所定時間内におけるポジション信号POSの発生数を検出することで、エンジン回転速度NE(rpm)を計算する。
また、吸入空気量計算手段102には、エアフローセンサ205からの出力信号が入力され、前記出力信号を吸入空気流量QAのデータに変換する。
基本燃料計算手段103(燃料供給制御手段)には、前記エンジン回転速度NE(rpm)及び吸入空気流量QAが入力され、前記エンジン回転速度NE(rpm)及び吸入空気流量QAに基づいて基本燃料噴射量TP(基本噴射パルス幅)を演算し、また、前記エンジン回転速度NE(rpm)及び吸入空気流量QAに基づいてエンジン負荷を代表するパラメータを計算する。
尚、エンジン負荷を代表するパラメータとして、前記基本燃料噴射量TP(基本噴射パルス幅)を用いることができる他、エンジン回転速度NE(rpm)及び吸入空気流量QAに基づいて算出されるシリンダ吸入空気量や、吸気管負圧,アクセル開度(スロットル開度)などでエンジン負荷を代表させることができる。
基本燃料補正係数計算手段104には、前記エンジン負荷とエンジン回転速度NEとが入力され、これらに基づいてマップを参照して、前記基本燃料噴射量TPを補正するための基本補正係数を設定する。
また、基本点火時期計算手段105には、前記エンジン負荷とエンジン回転速度NEとが入力され、これらに基づいてマップを参照して、基本点火時期(基本点火進角値)を決定する。
加減速判定手段106には、スロットル開度センサ225の出力が入力され、例えば、スロットル開度TVOの変化(単位時間当たりの変化量)に基づき、エンジン200の加減速運転状態(過渡運転状態)において前記基本燃料噴射量TPを補正するための加減速時補正係数を設定する。
ISC制御手段107には、水温センサ226及びスロットル開度センサ225からの出力信号が入力されると共に、前記エンジン回転速度NEのデータが入力され、これらに基づいて前記ISCバルブ207の操作量を演算して出力する。
具体的には、スロットル開度センサ225で検出されるスロットル開度TVOが全閉であるエンジン200のアイドル運転状態において、機関運転条件(例えばエンジン温度を代表する水温TW)に応じて設定される目標アイドル回転速度(rpm)に実際のエンジン回転速度NEが近づくように、前記ISCバルブ207の操作量をフィードバック制御する。
空燃比帰還制御係数計算手段108には、エンジン負荷とエンジン回転速度NEと空燃比センサ227の出力信号とが入力される。
そして、エンジン負荷とエンジン回転速度NEとに基づいて目標空燃比を設定する一方、前記空燃比センサ227(空燃比検出手段)の出力に基づいて実際の空燃比を検出し、該実際の空燃比を前記目標空燃比に近づけるように、前記目標空燃比と実際の空燃比との偏差に基づき、前記基本燃料噴射量TPを補正するための空燃比フィードバック補正係数ALPHA(空燃比補正係数)を設定する。
前記空燃比フィードバック補正係数ALPHAは初期値が1.0であり、前記基本燃料噴射量TP(基本噴射パルス幅)に乗算される補正係数であって、例えば、前記目標空燃比と実際の空燃比との偏差に基づく比例・積分・微分動作に基づいて設定される(空燃比補正係数演算手段)。
そして、実際の空燃比が目標空燃比よりもリーンであれば、空燃比フィードバック補正係数ALPHA>1.0に設定して燃料噴射量を増量補正し、実際の空燃比が目標空燃比よりもリッチであれば、空燃比フィードバック補正係数ALPHA<1.0に設定して燃料噴射量を減量補正する。
基本燃料補正手段109には、前記基本燃料噴射量TP,基本補正係数,加減速時補正係数,水温TW,空燃比フィードバック補正係数ALPHAが入力され、前記基本燃料噴射量TPを、前記基本補正係数,加減速時補正係数,水温TW,空燃比フィードバック補正係数ALPHAに基づいて補正して、最終的な燃料噴射量TIを算出する。
そして、該燃料噴射量TIに対応するパルス幅の噴射パルス信号を、各気筒の吸気行程にタイミングを合わせて、各燃料噴射弁209a〜209dに出力する(燃料供給制御手段)。
このように、本実施形態において、エンジン200への燃料噴射量は、エアフローセンサ205で検出された吸入空気流量QAに基づいて制御される。
点火時期補正手段110には、前記基本点火時期及び水温が入力され、前記基本点火時期をそのときの水温TWに応じて補正して、最終的な点火時期を算出し、該点火時期に基づいて各点火モジュール220a〜220dに点火制御信号を出力する。
EGR制御手段111には、エンジン負荷及びエンジン回転速度NEが入力され、これらに基づいて前記EGRバルブ241の目標開度を演算し、該目標開度に制御するための操作信号を前記EGRバルブ241に出力する。
キャニスタパージ制御手段112には、エンジン負荷及びエンジン回転速度NEが入力され、これらに基づいて前記パージバルブ233の目標開度を演算し、該目標開度に制御するための操作信号を前記パージバルブ233に出力する。
更に、センサ系診断手段124が設けられており、該センサ系診断手段124には、前記エアフローセンサ205の出力信号、前記圧力センサ206の出力信号、及び、前記空燃比フィードバック補正係数ALPHAが入力され、これらに基づいて、エアフローセンサ205と圧力センサ206とのいずれかに異常が発生しているか否かを診断し、該診断結果に基づいて、フェイルセーフ制御、診断履歴の記憶、前記故障表示警告灯321(警告手段)の制御などを行う。
図4のフローチャートは、前記エンジン制御装置223によるエンジン制御の流れを示すものであり、図4のフローチャートに示すルーチンは一定時間毎に割り込み処理されるようになっている。
ステップS1201では、クランク角センサ229の出力に基づいてエンジン回転速度NE(rpm)を計算する。
ステップS1202では、エアフローセンサ205の出力信号(電圧)を読み込む。
ステップS1203では、エアフローセンサ205の出力信号から吸気管圧力(ブースト圧)PMMHGを推定し、ステップS1204では、前記吸気管圧力(ブースト圧)の推定結果PMMHGからシリンダ流入空気量QARを計算する。
上記吸気管圧力(ブースト圧)PMMHGの推定、及び、推定結果に基づくシリンダ流入空気量QARの計算については、後で詳細に説明する。
尚、推定吸気管圧力(ブースト圧)PMMHGを制御や後述する診断に用いない場合には、ステップS1203及びステップS1204の処理を省略することができる。
ステップS1205では、前記エンジン回転速度NE(rpm)、及び、エアフローセンサ205で検出された吸入空気流量QAに基づいて基本燃料噴射量TP(基本噴射パルス幅)を演算する。
ステップS1206では、基本燃料補正係数を、そのときのエンジン負荷とエンジン回転速度NEとに基づいてマップから検索する。
ステップS1207では、例えば、スロットル開度センサ225の出力に基づいて検出されるスロットル開度TVOの単位時間当たりの変化量から、エンジン200の加速・減速状態の判定を行う。
ステップS1208では、前記加速・減速状態の判定結果に基づいて、加速時に燃料噴射量を増量補正し、減速時に燃料噴射量を減少補正する加減速時補正係数を計算する。
ステップS1209では、空燃比センサ227の出力を読み込む。
ステップS1210では、空燃比センサ227の出力に基づいて検出される実際の空燃比と、エンジン運転状態(エンジン負荷・エンジン回転速度NE)に応じて設定される目標空燃比との偏差に基づいて、実際の空燃比を目標空燃比に近づけるための空燃比フィードバック補正係数ALPHAを計算する。
ステップS1211では、基本燃料噴射量TPを、基本燃料補正係数,加減速時補正係数,空燃比フィードバック補正係数ALPHAなどに基づいて補正して、最終的な燃料噴射量TIを計算する。
ステップS1212では、エンジン運転状態(エンジン負荷・エンジン回転速度NE)に応じて基本点火時期を計算する。
ステップS1213では、前記基本点火時期を加減速時(過渡運転時)に進角・遅角補正するための補正値を計算する。
ステップS1214では、基本点火時期を、加減速時の補正値や冷却水温度に応じた補正値などによって補正し、最終的な点火時期を設定する。
ステップS1215では、目標アイドル回転速度を、冷却水温度TWなどに基づいて計算する。
ステップS1216では、スロットル全閉のアイドル運転時において、実際のエンジン回転速度NEが前記目標アイドル回転速度に近づくように、ISCバルブ207の通過空気量の目標を計算し、該目標通過空気量に応じた開度にISCバルブ207を制御する。
図5のフローチャートは、前記ステップS1203における吸気管圧力の推定処理の詳細を示す。
図5のフローチャートに示すルーチンは、一定時間毎に割り込み処理され、まず、ステップS1301では、ハードフィルタ(アナログローパスフィルタ)を通過したエアフローセンサ205の出力信号(出力電圧)を、A/D変換して読み込む。
ステップS1302では、読み込んだエアフローセンサ205の出力信号を、ソフトフィルタ(例えば加重平均演算)によって平滑化処理する。
ステップS1303では、ソフトフィルタを通過した後(平滑処理後)のエアフローセンサ205の出力を、予め記憶されている変換テーブルに基づいて空気流量QA00のデータに変換する。
ステップS1304では、本ルーチンの前回実行時に、後述するステップS1306において計算されたシリンダ流入空気量QARを読み込む。
尚、前記ステップS1306で計算されたシリンダ流入空気量QARが、その都度RAMに更新記憶されるようになっており、ステップS1304では、前記RAMの記憶データを読み込むものとする。
ステップS1305では、前記空気流量QA00、シリンダ流入空気量QAR、前回の推定吸気管圧力PMMHGから、今回の推定吸気管圧力PMMHGを計算する。
ステップS1306では、前記今回の推定吸気管圧力PMMHGとエンジン回転速度NEとに基づいて、シリンダ流入空気量QARを計算する。
図6は、前記シリンダ流入空気量QARの計算処理を示すブロック図である。
前記エアフローセンサ205の出力(電圧)は、抵抗RとコンデンサCとから構成されるハードフィルタ(アナログローパスフィルタ)402を通過して、フィルタリング部403(デジタルローパスフィルタ)に入力される。
フィルタリング部403では、ハードフィルタ(アナログローパスフィルタ)402を通過した信号を平滑化する演算処理(例えば加重平均演算処理)を実行する。
前記フィルタリング部403で平滑化処理されたエアフローセンサ205の出力は、変換部404に入力され、予め記憶された変換テーブルに基づいてシリンダ流入空気量QARに変換される。
吸気管圧力推定部405には、前記空気流量QA00、シリンダ流入空気量QARの前回値が入力され、これらと前回の推定吸気管圧力PMMHGとに基づいて、今回の推定吸気管圧力PMMHGを計算する。
シリンダ流入空気量演算部406には、吸気管圧力推定部405で計算された推定吸気管圧力PMMHGとエンジン回転速度NEとが入力され、これらに基づいてシリンダ流入空気量QARを計算して出力する。
上記推定吸気管圧力PMMHG及びシリンダ流入空気量QARは、以下の数1,数2,数3に基づいて計算される。
Figure 0004927800
Figure 0004927800
Figure 0004927800
上記数1,数2,数3において、Rはガス定数、KIMVはインテークマニフォールド容積(吸気管容積)、ΔTは計算周期、ηは充填効率、THAはシリンダに吸引される空気の温度、KSVはシリンダ容積であり、PMMHG(n)は最新値(今回値)、PMMHG(n-1)は前回値である。
上記数1では、吸気管に入る空気量(エアフローセンサ205の計量空気量QA00)と、吸気管から出る空気量(シリンダ流入空気量QAR)との差分に係数を乗じて、吸気管内圧力の変化分を求めるが、マイコンによって一定周期ΔT毎に変化分を演算するので、数2では計算周期ΔTを乗算しており、実際には、数1にZ変換を施したもので演算している。
後述するように、本実施形態では、エアフローセンサ205(空気量検出手段)の検出結果に基づいてエンジン負荷を示す第1指標値QATP(第1エンジン負荷)を計算する一方で、圧力センサ(圧力検出手段)206の検出結果に基づいてエンジン負荷を示す第2指標値PMTP(第2エンジン負荷)を計算し、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとを比較して、エアフローセンサ205(空気量検出手段)と圧力センサ(圧力検出手段)206とのいずれに異常が発生しているかを判定する。
ここで、前記推定吸気管圧力PMMHGを前記第1指標値とし、前記圧力センサ(圧力検出手段)206で検出された圧力PMを前記第2指標値とし、これらを比較してエアフローセンサ205(空気量検出手段)と圧力センサ(圧力検出手段)206とのいずれに異常が発生しているかを判定させることができ、その場合、後述する説明において、エンジン負荷QATPを推定吸気管圧力PMMHGと置き換え、エンジン負荷PMTPを圧力PMと置き換えることで、同様にして診断を行える。
尚、前記第1指標値QATPと前記第2指標値PMTPとは、エンジン負荷を示す同じ物理量(例えばシリンダ流入空気量や該シリンダ流入空気量に基づく基本燃料噴射量や吸気管圧力など)を異なるセンサの検出結果からそれぞれに求めたものであり、エアフローセンサ205及び圧力センサ206が共に正常であれば、前記第1指標値QATPと前記第2指標値PMTPとは、予測される誤差範囲内で略同じ値を示すことになる。
図7のフローチャートは、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとに基づく、エアフローセンサ205及び圧力センサ206の異常診断(故障診断)の処理(異常判定手段)を示す。
図7のフローチャートに示すルーチンは、前記図4のフローチャートに示すルーチンの割り込み周期よりも短い周期の高速時間割り込みで実行される。
まず、ステップS1601では、診断の実行条件が成立しているか否かを判断し、診断条件が成立していれば、ステップS1602へ進む。
尚、ステップS1602では、後述するように、エンジン200が予め設定され運転条件で運転されているか否かを判断し、運転条件として、エンジン負荷・エンジン回転速度・エンジン温度などを判断する。
ステップS1602(第1指標値演算手段)では、エアフローセンサ205の出力から第1指標値QATPを演算し、ステップS1603(第2指標値演算手段)では、圧力センサ206の出力から第2指標値PMTPを演算する。
上記第1指標値QATP及び第2指標値PMTPの演算については、後でサブルーチンに従って詳細に説明する。
ステップS1604では、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分と比較させる閾値DQAPMTPを、エンジン回転速度NE及びスロットル開度TVOに基づいて設定する(閾値設定手段)。
前記閾値DQAPMTPは、エアフローセンサ205及び圧力センサ206が共に正常であるときに発生する差分を超えて、差分が大きくなっていることを判断するための値であり、エアフローセンサ205及び圧力センサ206の許容誤差(出力ばらつき)によって発生する正常状態での差分が、エンジン運転条件に応じて変化することから、エンジン回転速度NE及びスロットル開度TVO(エンジン負荷)に応じて前記閾値DQAPMTPを可変に設定させるようにしている。
ステップS1605では、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分(偏差)の絶対値を演算する。
ステップS1606(異常検知手段)では、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分の絶対値と、前記閾値DQAPMTPとを比較し、差分の絶対値≧DQAPMTPであれば、エアフローセンサ205及び/又は圧力センサ206に異常がある(故障している)と判断してステップS1607へ進み、エアフローセンサ205と圧力センサ206とのいずれに異常が発生しているかを特定するための診断を実行させる。
ステップS1608では、ステップS1607での診断結果を出力する。
前記ステップS1601における診断の実行条件が成立しているか否かの判断を、図8の制御ブロック図に従って詳細に説明する。
エンジン200の冷却水温度TWが所定水温1以上であるか否かを、比較部901で判断し、冷却水温度TW≧所定水温1であれば、比較部901から「1」を出力させ、冷却水温度TW<所定水温1であれば、比較部901から「0」を出力させる。
尚、前記比較部901からの出力「1」は、診断許可状態を示すものであり、後述の比較部についても同様である。
更に、エンジン200の冷却水温度TWが所定水温2以下であるか否かを、比較部902で判断し、冷却水温度TW≦所定水温2であれば、比較部902から「1」を出力させ、冷却水温度TW>所定水温2であれば、比較部902から「0」を出力させる。
前記所定水温1,所定水温2は、所定水温1<所定水温2であり、所定水温1は、エンジン200の暖気完了(冷機状態であるか否か)を判断するための閾値であり、冷却水温度TW≧所定水温1であれば、エンジン200の暖機が完了していると判断される。
また、所定水温2は、エンジン200が完暖後に高負荷運転されることで超える温度であり、冷却水温度TW>所定水温2であれば、エンジン200が高負荷運転されているもものと推定され、所定水温1≦冷却水温度TW≦所定水温2であれば、エンジン200が、完暖完了状態であって、かつ、低・中負荷領域で運転されており、エンジン温度の条件が診断に適していると判断でき、所定水温1≦冷却水温度TW≦所定水温2であることを、冷却水温度TWに関する診断実行条件とする。
尚、冷却水温度TWはエンジン温度を代表するパラメータであり、冷却水温度TWに代えて例えば潤滑油温度が所定温度範囲内であるか否かを判断させることができる。
また、エンジン回転速度NEが所定回転速度1以上であるかを、比較部903で判断し、エンジン回転速度NE≧所定回転速度1であれば、比較部903から「1」を出力させ、エンジン回転速度NE<所定回転速度1であれば、比較部903から「0」を出力させる。
更に、エンジン回転速度NEが所定回転速度2以下であるかを、比較部904で判断し、エンジン回転速度NE≦所定回転速度2であれば、比較部904から「1」を出力させ、エンジン回転速度NE>所定回転速度2であれば、比較部904から「0」を出力させる。
即ち、所定回転速度1,2は、所定回転速度1<所定回転速度2であって、診断に適した回転速度領域を規定するための値であり、所定回転速度1は診断精度が低下する低回転域を規定する値であり、所定回転速度2は診断精度が低下する高回転域を規定する値であり、所定回転速度1≦エンジン回転速度NE≦所定回転速度2であれば、エンジン回転速度NEに関しては、診断実行条件が成立していると判断する。
また、スロットル開度TVOが所定開度1以上であるかを、比較部905で判断し、スロットル開度TVO≧所定開度1であれば、比較部905から「1」を出力させ、スロットル開度TVO<所定開度1であれば、比較部905から「0」を出力させる。
更に、スロットル開度TVOが所定開度2以下であるかを、比較部906で判断し、スロットル開度TVO≦所定開度2であれば、比較部906から「1」を出力させ、スロットル開度TVO>所定開度2であれば、比較部906から「0」を出力させる。
即ち、所定開度1,2は、所定開度1<所定開度2であって、診断に適したエンジン負荷領域を規定するための値であり、所定開度1は診断精度が低下する低負荷域を規定する値であり、所定開度2は診断精度が低下する高負荷域を規定する値であり、所定開度11≦スロットル開度TVO≦所定開度2であれば、エンジン負荷(スロットル開度TVO)に関しては、診断実行条件が成立していると判断する。
換言すれば、予め診断を行わせるエンジン負荷・エンジン回転速度の領域が決められており、該領域内で運転されているか否かを、エンジン回転速度NEと所定回転速度1,2との比較、及び、スロットル開度TVO(エンジン負荷)と所定開度1,2との比較に基づいて判断している。
また、吸気スロットル部202(エアフローセンサ205)を通過しないで吸気管に入る気体があると、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとに差が生じ、エアフローセンサ205,圧力センサ206の診断に誤りが生じる。
例えば、本実施形態のように蒸発燃料処理装置を備える場合には、前記パージバルブ233の開度が所定開度3以下であるかを、比較部907で判断し、パージバルブ233の開度≦所定開度3であれば、比較部907から「1」を出力させ、パージバルブ233の開度>所定開度3であれば、比較部907から「0」を出力させる。
即ち、パージバルブ233の開度>所定開度3である場合には、エアフローセンサ205,圧力センサ206の故障とは無関係に、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとに差が生じ、誤った診断結果を出力すると判断し、診断実行を禁止する
従って、前記所定開度3は、診断実行が許可されるエンジン負荷・エンジン回転速度領域で、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの比較に基づく診断に誤りを生じさせることになるパージバルブ233の最小開度として、予め適合されている。
また、本実施形態のように排気還流装置を備える場合には、前記EGRバルブ241の開度が所定開度4以下であるかを、比較部908で判断し、EGRバルブ241の開度≦所定開度4であれば、比較部908から「1」を出力させ、EGRバルブ241の開度>所定開度4であれば、比較部908から「0」を出力させる。
即ち、EGRバルブ241の開度>所定開度4である場合には、エアフローセンサ205,圧力センサ206の故障とは無関係に、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとに差が生じ、誤った診断結果を出力すると判断し、診断実行を禁止する
従って、前記所定開度4は、診断実行が許可されるエンジン負荷・エンジン回転速度領域で、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの比較に基づく診断に誤りを生じさせることになるEGRバルブ241の最小開度として、予め適合されている。
前記比較部901〜908それぞれの出力は、論理積回路(AND回路)910に入力され、更に、前記論理積回路(AND回路)910には、空燃比学習が所定のエンジン運転領域で収束している場合に、「1」として出力される空燃比学習状態信号が入力される。
前記所定のエンジン運転領域とは、診断を行わせるエンジン負荷・エンジン回転速度の領域であり、空燃比学習とは、実際の空燃比を目標空燃比に近づけるべく設定される前記空燃比フィードバック補正係数ALPHAの値を、区分される運転領域毎或いは全運転領域に共通の値として更新記憶し、該記憶した値(学習値)を用いて燃料噴射量を補正する制御である。
より詳細には、例えば、前記空燃比フィードバック補正係数ALPHAの平均値(中心値)と前回までの学習値ALPHAmとの加重平均値を、新たな学習値ALPHAmとして更新記憶し、基本燃料噴射量TP(基本噴射パルス幅)を、TP×(ALPHA+ALPHAm−1.0)として補正することで、学習が収束した状態では、空燃比フィードバック補正係数ALPHAが1.0付近に安定し、実質的に学習値ALPHAmのみによる補正で、実際の空燃比が目標空燃比付近に補正されるようになる。
尚、空燃比フィードバック補正係数ALPHAの初期値を零とし、TP×(ALPHA+ALPHAm+1.0)として空燃比補正を実施させることができる。
そして、空燃比学習が収束しているとは、前記学習値ALPHAmの更新毎の変化代が、ベース空燃比が目標空燃比付近に安定していると認められる程度に小さいこと、或いは、学習値ALPHAmの更新回数(学習回数)が予め設定された規定回数に達している場合であって、学習値ALPHAmに基づいて燃料噴射量を補正することで、実際の空燃比が目標空燃比を含む目標空燃比領域に入っている(又は入っていると見込まれる)と判断される状態である。
換言すれば、空燃比学習の収束状態では、学習値ALPHAmで補正することで、実際の空燃比を目標空燃比付近に制御できていることになり、学習値ALPHAmの初期値に対するずれは、ベース空燃比(燃料噴射量の補正なしで得られる空燃比)の目標空燃比に対するずれ代を示すことになる。
前記比較部901〜908それぞれの出力が全て「1」であり、かつ、空燃比学習の収束状態を示す「1」が出力されている場合に、前記論理積回路(AND回路)910の出力が「1」となり、前記論理積回路(AND回路)910の出力が「1」であるときに、後述する診断の実行条件の成立を判断し、診断が実行される。
即ち、冷却水温度TWが既定範囲内で、かつ、エンジン回転速度NE及びスロットル開度TVO(エンジン負荷)で判断される運転条件が既定領域内で、かつ、パージバルブ233及びEGRバルブ241の開度が既定開度以下で、かつ、空燃比学習の収束状態で、診断が実行されるようになっている。
但し、上記複数条件の全てを必須条件とするものではなく、前記複数条件のうちの一部を選択して組み合わせたり、また、別の条件と組み合わせたりすることが可能である。
上記別の診断条件としては、エアフローセンサ205,圧力センサ206以外の混合気形成に関わる部品(空燃比センサ227、燃料噴射弁209、燃料ポンプ222など)について、別の診断で故障判定がなされていないことなどを判断させることができる。
前記ステップS1602(第1指標値演算手段)における、エアフローセンサ205の出力に基づく第1指標値QATPの演算は、図9のフローチャート及び図10のフローチャートに示すルーチンに従って行われる
図9のフローチャートに示すルーチンは、前記図4のフローチャートに示すルーチンの割り込み周期よりも短い周期の高速時間割り込みで実行され、ステップS1401では、ハードフィルタ(アナログローパスフィルタ)を通過したエアフローセンサ205の出力信号(電圧)を、A/D変換して読み込む。
ステップS1402では、読み込んだエアフローセンサ205の出力信号を、ソフトフィルタ(例えば加重平均演算)によって平滑化処理する。
ステップS1403では、ソフトフィルタを通過した後(平滑処理後)のエアフローセンサ205の出力を、変換テーブルに基づいて空気流量QA00のデータに変換する。
図10のフローチャートに示すルーチンは、前記図4のフローチャートに示すルーチンの割り込み周期と同じ周期で割り込み実行される。
ステップS1404では、前記空気流量QA00を加重平均演算して、加重平均値QAfを求める。
ステップS1405では、前記空気流量QA00の加重平均値QAfと、エンジン回転速度NEとに基づいて、シリンダ流入空気量に比例する第1指標値QATPを演算する。
詳細には、第1指標値QATPを、加重平均値QAfとエンジン回転速度NEと予め記憶された定数KQAとに基づいて、数4に従って算出する。
Figure 0004927800
前記第1指標値QATPは、そのときのシリンダ流入空気量において目標空燃比の混合気を形成させるための基本燃料噴射量に相当し、エアフローセンサ205の出力に基づいて演算された基本燃料噴射量である。
但し、QAf/NEとしてシリンダ流入空気量を求め、これを第1指標値QATPとすることができる。
図11は、前記第1指標値QATPの演算処理を示す制御ブロック図である。
エアフローセンサ205の出力は、抵抗RとコンデンサCとからなるハードフィルタ(アナログローパスフィルタ)502を通過して、フィルタリング部503(デジタルローパスフィルタ)に入力される。
フィルタリング部503では、ハードフィルタ(アナログローパスフィルタ)502を通過した、エアフローセンサ205の出力信号を平滑化する演算処理(例えば加重平均処理)を実行する。
前記フィルタリング部503で平滑化処理されたエアフローセンサ205の出力は、変換部504に入力され、予め記憶された変換テーブルに基づいて空気流量QA00に変換される。
前記空気流量QA00のデータは、加重平均処理部505に入力され、空気流量QA00を加重平均して加重平均値QAfを求める。
空気流量TP演算部506には、前記加重平均値QAfとエンジン回転速度NEとが入力され、第1指標値QATPを、前記加重平均値QAf及びエンジン回転速度NEに基づき前記数4に従って算出する。
一方、前記ステップS1603(第2指標値演算手段)における、第2指標値PMTPの演算は、図12のフローチャートに示すルーチンに従って行われる。
図12のフローチャートに示されるルーチンは、前記図4のフローチャートに示したルーチンと同じ時間周期で割り込み実行される。
ステップS1501では、ハードフィルタ(アナログローパスフィルタ)を通過した圧力センサ206の出力信号を、A/D変換して読み込む。
ステップS1502では、読み込んだ圧力センサ206の出力信号(電圧)を、ソフトフィルタ(例えば加重平均演算)によって平滑化処理する。
ステップS1503では、平滑化処理後の圧力センサ206の出力を、予め記憶された変換テーブルに従って圧力値PM0に変換する。
ステップS1504では、エンジン回転速度NEを読み込む。
ステップS1505では、前記圧力値PM0とエンジン回転速度NEとに基づいて、圧力TP補正値PMETAを、マップから検索する。
ステップS1506では、前記圧力値PM0、前記圧力TP補正値PMETA、及び、予め記憶された定数KPMに基づいて、第2指標値PMTPを、数5に従って算出する。
Figure 0004927800
図13は、前記第2指標値PMTPの演算処理を示す制御ブロック図である。
圧力センサ206の出力は、抵抗RとコンデンサCとからなるハードフィルタ(アナログローパスフィルタ)602を通過して、フィルタリング部603(デジタルローパスフィルタ)に入力される。
フィルタリング部603では、ハードフィルタ(アナログローパスフィルタ)602を通過した信号を平滑化する演算処理(例えば加重平均処理)を実行する。
前記フィルタリング部603で平滑化処理された圧力センサ206の出力(電圧)は、変換部604に入力され、予め記憶された変換テーブルに基づいて圧力値PM0に変換される。
前記圧力値PM0及びエンジン回転速度NEは、圧力TP補正値演算部605に入力され、前記圧力値PM0及びエンジン回転速度NEに基づいてマップを参照して、圧力TP補正値PMETAを求める。
また、圧力TP演算部606には、前記圧力値PM0及び前記圧力TP補正値PMETAが入力され、圧力TP演算部606では、前記圧力値PM0及び前記圧力TP補正値PMETAと、予め記憶された定数KPMとに基づき、前記数5に従って第2指標値PMTPを演算する。
前記第2指標値PMTPも、そのときのシリンダ流入空気量において目標空燃比の混合気を形成させるための基本燃料噴射量に相当し、圧力センサ206の出力に基づいて演算された基本燃料噴射量である。
但し、QAf/NEとしてシリンダ流入空気量を求め、これを第1指標値QATPとする場合には、これに合わせて、圧力センサ206の出力とエンジン回転速度NEとからシリンダ流入空気量を求め、これを第2指標値PMTPとする。
従って、第1指標値QATP及び第2指標値PMTPはそのときのエンジン負荷を示す同じ物理量であり、エアフローセンサ205及び圧力センサ206が共に正常であれば、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとは略同じ値となる。
尚、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとが略同じとは、エアフローセンサ205,圧力センサ206の許容される出力ばらつきによって生じる第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分を許容誤差と見なし、前記差分が前記許容誤差内であれば、両者は同じであると判断することを意味する。
図14は、図7のフローチャートに示すルーチンによる診断処理、具体的には、エアフローセンサ205及び/又は圧力センサ206に異常があるか否かを判断し、異常発生が認められた場合に、いずれのセンサに異常が発生しているかを特定する診断を起動させる処理を示す制御ブロック図である。
図14において、第1指標値QATP演算部801では、エアフローセンサ205の出力に基づいて第1指標値QATPを演算し、第2指標値PMTP演算部802では、圧力センサ206の出力に基づいて第2指標値PMTPを演算する。
上記演算部801,802の詳細は、記述した通りである。
前記第1指標値QATPと、第2指標値PMTPにマイナス符号を付した値とは、加算器803に入力され、ここで、第1指標値QATPの値から第2指標値PMTPを減算して差分を算出する処理が行われる。
前記加算器803から出力される、第1指標値QATPの値から第2指標値PMTPを減算して得た差分は、絶対値演算器804に入力され、前記差分の絶対値が求められる。
一方、閾値設定部805では、スロットル開度TVO(エンジン負荷)及びエンジン回転速度NEに基づき、閾値DQAPMTPを設定する。
比較部806では、前記第1指標値QATPの値から第2指標値PMTPを減算して得た差分の絶対値が、前記閾値DQAPMTP以上であるか否かを判断する。
前述のように、エアフローセンサ205及び圧力センサ206が共に正常であれば、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとは略同じ値となるから、前記差分の絶対値が前記閾値DQAPMTP以上である場合には、エアフローセンサ205及び/又は圧力センサ206に異常が生じたために、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの間に大きな差異が生じたものと推定される。
前記比較部806は、前記差分の絶対値が閾値DQAPMTP以上であれば、エアフローセンサ205と圧力センサ206とのいずれに異常が生じているかを判定する処理を起動させる、ハイレベル信号を出力する。
相関診断部807は、前記比較部806からのハイレベル信号で起動し、前記第1指標値QATP,第2指標値PMTP,空燃比フィードバック補正係数ALPHA,エンジン回転速度NE,スロットル開度TVOに基づいて、エアフローセンサ205と圧力センサ206とのいずれに異常が生じているかを特定する診断処理を実施し、診断結果を出力する。
以下では、前記相関診断部807における処理の詳細を、図15のフローチャートに従って説明する。
図15のフローチャートに示すルーチンは、前記図4のフローチャートに示すルーチンの割り込み周期と同じ周期で割り込み実行される。
まず、ステップS1701では、数6に従い、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとのずれ比率RPMQATPを演算する。
Figure 0004927800
ステップS1702では、エンジン回転速度NEとスロットル開度TVOとから、前記ずれ比率RPMQATPの上限余裕代を設定し、次のステップS1703では、エンジン回転速度NEとスロットル開度TVOとから、前記ずれ比率RPMQATPの下限余裕代を設定する。
前記上限余裕代及び下限余裕代は、エアフローセンサ205と圧力センサ206とが共に正常であっても発生する、ずれ比率RPMQATPの1.0からのずれ(ばらつき)に相当し、正常時におけるずれ比率RPMQATPの1.0からのずれが、エンジン200の運転条件(エンジン負荷・エンジン回転速度)に応じて変化することから、エンジン回転速度NEとスロットル開度TVOとに応じて前記上限余裕代及び下限余裕代を可変に設定するようにしてある。
例えば、エアフローセンサ205で検出される吸入空気流量が、実際値に対して一定量の誤差を示すものとすると、低流量側では、全体量に対する誤差量の割合が大きくなることで、前記ずれ比率RPMQATPの1.0からのずれが、低流量側でより大きくなるから、低流量の条件であるほど、前記上限余裕代及び下限余裕代を大きな値に設定する。
但し、前記上限余裕代及び下限余裕代のエンジン200の運転条件(エンジン負荷・エンジン回転速度)に対する特性は、実際に用いているエアフローセンサ205及び圧力センサ206の誤差特性に応じて適宜設定されるべきものである。
また、前記上限余裕代及び下限余裕代を、予め記憶された一定値とすることができ、更に、上限余裕代及び下限余裕代を相互に異なる値とすることができる。
ステップS1704では、前記空燃比フィードバック補正係数ALPHAの平均値ALPHAaveを計算する。
ここで、前記空燃比学習が行われる場合には、前記空燃比フィードバック補正係数ALPHAと学習値ALPHAmとを含む補正係数(ALPHA+ALPHAm−1.0)の平均値とし、また、学習の収束状態であれば、前記空燃比学習値ALPHAmをそのまま平均値ALPHAaveとすることができる。
即ち、前記平均値ALPHAaveは、現時点で、実際の空燃比を目標空燃比付近に補正するために要求されている平均的な補正係数の値であれば良く、そのときのベース空燃比の目標空燃比に対するエラーを示す。
従って、空燃比エラー検出手段は、前記空燃比センサ227及び該空燃比センサ227の出力に基づいて前記空燃比フィードバック補正係数ALPHAを演算するエンジン制御装置223の演算機能によって実現され、前記平均値ALPHAaveが空燃比エラーに相当する値となる。
ステップS1705(空気量異常判定手段)では、前記平均値ALPHAaveが、「ずれ比率RPMQATP−下限余裕代」以上で、かつ、「ずれ比率RPMQATP+上限余裕代」であるか否かを判断する。
即ち、前記平均値ALPHAaveが、ずれ比率RPMQATPを含む領域内の値であるか否かを判断するものであって、前記領域の幅が、エンジン回転速度NEとスロットル開度TVOとから決定されるようになっている。
本実施形態では、エンジン200への燃料噴射量がエアフローセンサ205の出力に基づいて決定され、該エアフローセンサ205の出力に基づく燃料噴射制御によって得られるベース空燃比が目標空燃比からずれていると、前記平均値ALPHAaveが1.0からずれた値に変更されることになる。
ここで、エアフローセンサ205に何らかの異常が発生し、実際の吸入空気量(エンジン負荷)に見合う出力を発生しなくなる一方で、圧力センサ206が正しく吸気管圧力(エンジン負荷)を検出する場合には、前記第2指標値PMTPは実際のエンジン負荷を表す信号であるのに、前記第1指標値QATPは実際のエンジン負荷に対して誤差を示す信号となり、前記ずれ比率RPMQATPは、前記第1指標値QATPを正しくエンジン負荷を示す値に修正するために要求される係数を示すことになる。
一方、前記平均値ALPHAaveも、エアフローセンサ205の出力に基づき演算したエンジン負荷を、実際のエンジン負荷に近づけるための補正係数であるから、仮に、エアフローセンサ205に何らかの異常が発生し、圧力センサ206が正しく吸気管圧力を検出する場合、前記平均値ALPHAaveと前記ずれ比率RPMQATPとは近似する値になる。
そこで、前記平均値ALPHAaveと前記ずれ比率RPMQATPとが近似する値であるか否かを、ずれ比率RPMQATPを含む所定幅の領域内に、平均値ALPHAaveが含まれているか否かに基づいて判断するものであり、かつ、前記所定幅を、エアフローセンサ205の正常範囲内での出力ばらつきによる空燃比ばらつきが大きくなる運転領域ではより大きくして、前記平均値ALPHAaveと前記ずれ比率RPMQATPとが一致すると判断させる範囲を広げてある。
上記のように、エアフローセンサ205に何らかの異常が発生する一方で、圧力センサ206が正常であれば、前記平均値ALPHAaveと前記ずれ比率RPMQATPとは近似する値になるから、ステップS1705で、RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代であると判断された場合には、エアフローセンサ205に何らかの異常が発生し、圧力センサ206が正常である状態である可能性があると判断される。
ステップS1705で、RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代であると判断された場合には、ステップS1706へ進み、RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代である状態の継続時間を判断するためのタイマ1を起動する。
次のステップS1707では、前記タイマ1による計測時間が所定時間1以上になっているか否か、換言すれば、RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代である状態が所定時間1以上継続しているか否かを判断する。
そして、タイマ1による計測時間が所定時間1以上になると、ステップS1708へ進み、エアフローセンサ205に何らかの異常が発生しているものと判定する。
前記所定時間1は、エアフローセンサ205の一時的な検出誤差によって、「RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代」となっている状態を排除し、エアフローセンサ205の異常によって継続的に「RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代」となっていることを確認するための最小時間として、予め実験やシミュレーションに基づき設定される。
前記エアフローセンサ205について異常判定がなされた場合には、異常判定の診断履歴を記憶させると共に、故障表示警告灯321によってエアフローセンサ205(又は制御系又はエンジン)における異常発生を運転者に警告する。
また、エアフローセンサ205について異常判定がなされた場合には、燃料噴射を停止させてエンジン200を停止させたり、エアフローセンサ205の検出結果(QATP)に基づく燃料噴射量の制御を停止させる代わりに、圧力センサ206の検出結果(PMTP)に基づき燃料噴射量を制御させたり、又は、スロットル開度TVOとエンジン回転速度NEに基づき燃料噴射量を制御させたりすることができる。
一方、RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代を満たさない場合には、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとに格差があるものの、少なくとも圧力センサ206が正常でかつエアフローセンサ205が異常であるとは言えないので、ステップS1709で前記タイマ1をクリアした後、ステップS1708を迂回してステップS1710へ進む。
ステップS1710では、エンジン回転速度NEとスロットル開度TVOとから、前記平均値ALPHAaveの上限値ALPHAmax(≧1.0)を設定し、次のステップS1711では、エンジン回転速度NEとスロットル開度TVOとから、前記平均値ALPHAaveの下限値ALPHAmin(≦1.0)を設定する。
エアフローセンサ205の正常範囲内での出力ばらつきによる空燃比ばらつきが大きくなる領域では、前記下限値ALPHAminをより小さい値に設定し、前記上限値ALPHAmaxをより大きな値に設定し、空燃比ばらつきが大きな領域では、初期値(=1.0)を含むより広い範囲に平均値ALPHAaveが含まれるか否かが判断されるようになっている。
尚、前記上限値ALPHAmax及び下限値ALPHAmin(判定レベル)を予め記憶された一定値とすることができ、また、上限値ALPHAmax及び下限値ALPHAminの絶対値が相互に異なるようにすることができる。
ステップS1712(圧力異常判定手段)では、前記ステップS1710及び1711で設定した下限値ALPHAmin及び上限値ALPHAmaxと、前記平均値ALPHAaveとを比較し、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxであるか否か、即ち、平均値ALPHAaveが初期値付近であって、ベース空燃比の目標空燃比に対するずれが許容範囲内であるか否かを判断する。
エアフローセンサ205が正常であって、実際の吸入空気量を高い精度で検出できていれば、エアフローセンサ205の検出結果に基づく燃料噴射制御の結果としてのベース空燃比は、目標空燃比に近い値となり、空燃比フィードバック補正係数ALPHAは初期値に近い値を保持することになる。
そこで、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxであって、ベース空燃比の目標空燃比に対するずれが許容範囲内であると判断された場合には、エアフローセンサ205は正常であるものと推定する。
ここで、エアフローセンサ205の正常範囲内での出力ばらつきによる空燃比ばらつきが大きくなる領域では、初期値を含むより広い範囲でエアフローセンサ205は正常であると推定されるように、ALPHAmin及びALPHAmaxが設定される。
ステップS1712で、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxであると判断された場合には、エアフローセンサ205は正常(第1指標値QATPは正常値)であると推定されるものの、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分の絶対値が閾値DQAPMTP以上であるから、前記差分は、圧力センサ206の検出誤差(第2指標値PMTPの誤差)によって生じたことになり、圧力センサ206に異常が生じている可能性がある。
そこで、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxであると判断された場合には、係る状態の継続をもって圧力センサ206の異常判定を確定させるべく、ステップS1713へ進む。
ステップS1713では、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxである状態の継続時間を計測するためのタイマ2を起動させ、ステップS1714では、前記タイマ2による計測時間と所定時間2とを比較する。
前記所定時間2は、圧力センサ206の一時的な検出誤差によって、第2指標値PMTPが第1指標値QATPからずれている状態を排除し、圧力センサ206の異常によって継続的に第2指標値PMTPが第1指標値QATPからずれていることを確認するための最小時間として、予め実験やシミュレーションに基づき設定される。
そして、タイマ2による計測時間が所定時間2以上になった場合、即ち、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxである状態が所定時間2以上継続している場合には、ステップS1715へ進み、圧力センサ206の異常判定を確定させる。
圧力センサ206の異常判定を確定すると、異常判定の診断履歴を記憶させると共に、故障表示警告灯321によって圧力センサ206(又は制御系又はエンジン)における異常発生を運転者に警告し、また、圧力センサ206の検出結果を用いるエンジン制御を禁止する。
図16は、図15のフローチャートに示したルーチンによる処理を示す制御ブロック図である。
ずれ比率演算部901には、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとが入力され、前記数6に従い、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとのずれ比率RPMQATPが演算される。
一方、上限余裕代演算部903及び下限余裕代演算部904には、エンジン回転速度NE及びスロットル開度TVO(エンジン負荷)がそれぞれ入力され、予めエンジン回転速度NE及びスロットル開度TVOに応じて上限余裕代・下限余裕代を記憶したマップから、そのときのエンジン回転速度NE及びスロットル開度TVOに対応する上限余裕代・下限余裕代を検索して出力する。
前記上限余裕代は、前記ずれ比率RPMQATPと共に加算器906に入力され、加算器906は、RPMQATP+上限余裕代を演算して出力する。
また、前記下限余裕代は、マイナス符号が付された上で、前記ずれ比率RPMQATPと共に加算器905に入力され、加算器905は、RPMQATP−下限余裕代を演算して出力する。
平均値演算部902では、空燃比フィードバック補正係数ALPHAの平均値ALPHAaveを演算する。
比較器907には、前記RPMQATP+上限余裕代と平均値ALPHAaveとが入力され、比較器907は、RPMQATP+上限余裕代≧ALPHAaveであれば「1」(ハイレベル)を出力し、RPMQATP+上限余裕代<ALPHAaveであれば「0」(ローレベル)を出力する。
また、比較器908には、前記RPMQATP−下限余裕代と平均値ALPHAaveとが入力され、比較器908は、RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAaveであれば「1」を出力し、RPMQATP−下限余裕代>ALPHAaveであれば「0」を出力する。
前記比較器907,908それぞれの出力(2値信号)は、論理積演算部(論理積素子、論理積ゲート)909に入力され、前記比較器907,908の出力が共に「1」である場合、即ち、RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代である場合に、論理積演算部(論理積(AND)素子、論理積(AND)ゲート)909の出力が「1」(ハイレベル)となる。
前記論理積演算部909の出力は、タイマ(1)910に出力され、タイマ(1)910は、前記論理積演算部909の出力が「1」(ハイレベル)である場合に、一定時間毎にカウント値をカウントアップし、前記論理積演算部909の出力が「1」(ハイレベル)から「0」(ローレベル)に切り換ると、カウント値を零にリセットし、前記論理積演算部909の出力が「0」(ローレベル)の間は、カウント値=0を保持する。
前記タイマ(1)910によるカウント値は、比較器912に出力され、比較器912は、前記タイマ(1)910によるカウント値(計測時間)が所定時間(1)911以上であるか否かを判断し、カウント値(計測時間)≧所定時間(1)であれば「1」(ハイレベル)を出力し、カウント値(計測時間)<所定時間(1)であれば「0」(ローレベル)を出力する。
即ち、RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代である状態が所定時間(1)以上継続している場合に、前記比較器912の出力が「1」(ハイレベル)となり、それ以外は、前記比較器912の出力は「0」(ローレベル)を保持することになる。
前記比較器912の出力(2値信号)は切替器913に入力され、切替器913は、前記比較器912の出力(2値信号)に応じて出力信号を切り替える。
前記切替器913は、エアフローセンサ205の異常状態を示す信号914と、遅延器913Aを介して戻される切替器913の出力の前回値とのいずれか一方を出力するものであり、前記切替器913の出力の初期値は、エアフローセンサ205の正常状態を示す信号に設定されている。
そして、前記RPMQATP−下限余裕代≦ALPHAave≦RPMQATP+上限余裕代である状態が所定時間(1)以上継続し、前記比較器912の出力が「1」(ハイレベル)になると、切替器913は、その出力を、エアフローセンサ205の異常状態を示す信号914(NGフラグ)に切り替える。
一旦、切替器913の出力が、異常状態を示す信号914に切り替わると、前記遅延器913Aの作用によって、切替器913の出力は異常状態を示す信号914に保持されるようになっており、前記エアフローセンサ205の交換・修理などに基づくリセット処理が外部からなされることで、前記切替器913の出力は、エアフローセンサ205の正常状態を示す信号である初期値にリセットされる。
ここで、前記切替器913の出力に基づいて、エアフローセンサ205の出力に基づく制御の禁止や、圧力センサ206に基づく制御への切り替えなどのフェイルセーフが実行され、また、故障表示警告灯321の点灯制御などが行われる。
一方、圧力センサ206の異常判定は、以下に示すブロックに基づいて実行される。
上限値演算部915及び下限値演算部916には、エンジン回転速度NE及びスロットル開度TVO(エンジン負荷)がそれぞれ入力され、予めエンジン回転速度NE及びスロットル開度TVOに応じて上限値ALPHAmax・下限値ALPHAminを記憶したマップから、そのときのエンジン回転速度NE及びスロットル開度TVOに対応する上限値ALPHAmax・下限値ALPHAminを検索して出力する。
比較器917には、上限値ALPHAmaxと平均値ALPHAaveとが入力され、比較器917は、ALPHAmax≧ALPHAaveであれば「1」(ハイレベル)を出力し、ALPHAmax<ALPHAaveであれば「0」(ローレベル)を出力する。
また、比較器918には、前記下限値ALPHAminと平均値ALPHAaveとが入力され、比較器918は、下限値ALPHAmin≦ALPHAaveであれば「1」を出力し、下限値ALPHAmin>ALPHAaveであれば「0」を出力する。
前記比較器917,918それぞれの出力(2値信号)は、論理積演算部(論理積素子、論理積ゲート)919に入力され、前記比較器917,918の出力が共に「1」である場合、即ち、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxである場合に、論理積演算部(論理積(AND)素子、論理積(AND)ゲート)919の出力が「1」(ハイレベル)となる。
前記論理積演算部919の出力は、タイマ(2)920に出力され、タイマ(2)920は、前記論理積演算部919の出力が「1」(ハイレベル)である場合に、一定時間毎にカウント値をカウントアップし、前記論理積演算部919の出力が「1」(ハイレベル)から「0」(ローレベル)に切り換ると、カウント値を零にリセットし、前記論理積演算部919の出力が「0」(ローレベル)の間は、カウント値=0を保持する。
前記タイマ(2)920によるカウント値は、比較器922に出力され、比較器922では、前記タイマ(2)920によるカウント値(計測時間)が所定時間(2)921以上であるか否かを判断し、カウント値(計測時間)≧所定時間(2)であれば「1」(ハイレベル)を出力し、カウント値(計測時間)<所定時間(2)であれば「0」(ローレベル)を出力する。
即ち、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxである状態が所定時間(2)以上継続している場合に、前記比較器922の出力が「1」(ハイレベル)となり、それ以外は、前記比較器922の出力は「0」(ローレベル)を保持することになる。
前記比較器922の出力(2値信号)は切替器923に入力され、切替器923は、前記比較器922の出力(2値信号)に応じて出力信号を切り替える。
前記切替器923は、圧力センサ206の異常状態を示す信号924(NGフラグ)と、遅延器923Aを介して戻される切替器923の出力の前回値とのいずれか一方を出力するものであり、前記切替器923の出力の初期値は、圧力センサ206の正常状態を示す信号に設定されている。
そして、前記ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxである状態が所定時間(2)以上継続し、前記比較器922の出力が「1」(ハイレベル)になると、切替器923は、その出力を、圧力センサ206の異常状態を示す信号924に切り替える。
一旦、切替器923の出力が、異常状態を示す信号924に切り替わると、前記遅延器923Aの作用によって、切替器923の出力は異常状態を示す信号924に保持されるようになっており、前記圧力センサ206の交換・修理などに基づくリセット処理が外部からなされることで、前記切替器923の出力は、圧力センサ206の正常状態を示す信号である初期値にリセットされる。
ここで、前記切替器923の出力に基づいて、圧力センサ206の出力に基づく制御の禁止などのフェイルセーフが実行され、また、故障表示警告灯321の点灯制御などが行われる。
図17のタイムチャートは、圧力センサ206は正常であってエアフローセンサ205に異常(故障)が発生した場合における各種パラメータの変化及び異常判定の特性の一例を示す。
即ち、図17のタイムチャートには、エアフローセンサ205に異常(故障)が発生した場合における、診断領域フラグ1001、指標値1002、ずれ比率1003、空燃比フィードバック補正係数平均値ALPHAave1004、診断確定タイマ(タイマ1)1005、エアフローセンサ205の異常判定フラグ(NGフラグ)の変化を示してある。
図17のタイムチャートにおいて、タイミング1007までは、エアフローセンサ205及び圧力センサ206が共に正常であり、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとは近似する値で推移するが、タイミング1007において、エアフローセンサ205に異常が発生し、その後のエンジン負荷の変化に対して、第2指標値PMTPは追従変化するのに対して、第1指標値QATPが異常発生時の値を保持することで、両者の間に差異が生じる。
エンジン200への燃料噴射量は、エアフローセンサ205の出力(第1指標値QATP)に基づいて制御されるので、エアフローセンサ205の検出値に誤差が発生することで、ベース空燃比が目標空燃比からずれ、係るずれを補償して実際の空燃比が目標空燃比付近を保持するように、空燃比フィードバック補正係数ALPHAが変更される。
図17に示す例では、タイミング1007以降における実際のエンジン負荷の減少変化に対してエアフローセンサ205の出力(第1指標値QATP)に基づき決定される燃料噴射量が減少しないことで、ベース空燃比が目標空燃比よりもリッチになるので、燃料噴射量を減量補正して目標空燃比を維持すべく、空燃比フィードバック補正係数ALPHAを減少変化させることになる。
タイミング1008は、診断を行う運転領域に入ったタイミングを示し、タイミング1008での第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差の絶対値が閾値DQAPMTP以上であることから、エアフローセンサ205と圧力センサ206とのいずれかに異常が発生しているものと判断され、異常が発生しているセンサを特定するために、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとのずれ比率RPMQATP1010が演算される。
ここで、第2指標値PMTPが実際のエンジン負荷に略見合う値であるのに対し、第1指標値PMTPが実際のエンジン負荷よりも低い値となることで、前記ずれ比率RPMQATP1010は1.0よりも低い値1010を示すことになる。
一方、前記空燃比フィードバック補正係数ALPHAは、第1指標値QATP(エアフローセンサ205の検出出力に基づく基本燃料噴射量)を実際のエンジン負荷(第2指標値PMTP)に補正するための係数に相当するから、圧力センサ206が正常であって第2指標値PMTPが実際のエンジン負荷を示す一方で、エアフローセンサ205に異常が生じたために、第1指標値QATPが実際のエンジン負荷に対して誤差を有する場合には、平均値ALPHAaveとずれ比率RPMQATPとは、略近似する値となる。
但し、前述のように、エアフローセンサ205及び圧力センサ206が正常であっても、ずれ比率RPMQATP1010の1.0からのずれ(ばらつき)が発生するので、係るずれ(ばらつき)の範囲内であれば、平均値ALPHAaveとずれ比率RPMQATPとが略一致していると判断されるように、ずれ比率RPMQATP+上限余裕代1012とずれ比率RPMQATP−下限余裕代1013とで挟まれる領域に、平均値ALPHAaveが含まれるか否かを判断させる。
ずれ比率RPMQATP+上限余裕代とずれ比率RPMQATP−下限余裕代とで挟まれる領域に、平均値ALPHAaveが含まれるようになった場合には、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分の絶対値が閾値DQAPMTP以上になった要因は、エアフローセンサ205の異常(第1指標値QATPの誤差)であると推定されるが、係る状態がエアフローセンサ205の異常によるものではない一時的なものである可能性がある。
そこで、ずれ比率RPMQATP+上限余裕代とずれ比率RPMQATP−下限余裕代とで挟まれる領域に、平均値ALPHAaveが含まれるようになったタイミング1014から、継続時間を計測させるべくタイマ(診断確定タイマ1005)による時間計測を開始させる。
そして、計測時間1015が所定時間(1)1016に達した場合には、ずれ比率RPMQATP+上限余裕代とずれ比率RPMQATP−下限余裕代とで挟まれる領域に、平均値ALPHAaveが含まれる状態が一時的なものではなく、エアフローセンサ205に異常が生じていることに因るものであると判断し、計測時間1015=所定時間(1)1016となったタイミング1017で、エアフローセンサ205の異常判定フラグ(NGフラグ)を立ち上げ、エアフローセンサ205の異常判定を確定させる。
図18のタイムチャートは、圧力センサ206に異常(故障)が発生した場合における各種パラメータの変化及び異常判定の特性の一例を示す。
即ち、図18のタイムチャートには、圧力センサ206に異常(故障)が発生した場合における、診断領域フラグ1001、指標値1002、ずれ比率1003、空燃比フィードバック補正係数平均値ALPHAave1004、診断確定タイマ(タイマ2)1005、圧力センサ206の異常判定フラグ(NGフラグ)の変化を示してある。
図18のタイムチャートにおいて、タイミング1107までは、エアフローセンサ205及び圧力センサ206が共に正常であり、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとは近似する値で推移するが、タイミング1107において圧力センサ206に異常が発生し、第1指標値QATPが実際のエンジン負荷に対応する値を示すのに対して、第2指標値PMTPが実際のエンジン負荷に対応しない値を示すようになることで、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの間に差が生じる。
但し、エンジン200への燃料噴射量は、エアフローセンサ205の出力(第1指標値QATP)に基づいて制御されるので、圧力センサ206の異常はベース空燃比には影響せず、従って、空燃比フィードバック補正係数ALPHAは圧力センサ206に異常が生じた後も、ずれ比率RPMQATPに追従する変化は示さない。
タイミング1108は、診断を行う運転領域に入ったタイミングを示し、タイミング1108での第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差の絶対値が閾値DQAPMTP以上であることから、エアフローセンサ205と圧力センサ206とのいずれかに異常が発生しているものと判断され、異常が発生しているセンサを特定するために、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとのずれ比率RPMQATP1010が演算される。
ここで、第2指標値PMTPが実際のエンジン負荷に対応しない値を示す一方で、第1指標値PMTPが実際のエンジン負荷を略示すので、前記ずれ比率RPMQATP1010は1.0からずれた値を示すことになる。
一方、エンジン200への燃料噴射量は、エアフローセンサ205の出力(第1指標値QATP)に基づいて制御されるので、圧力センサ206の異常に影響されてベース空燃比が変化することがなく、空燃比フィードバック補正係数ALPHAは初期値付近で推移する。
但し、エアフローセンサ205が正常であっても、許容される範囲での出力ばらつきがあり、これによるベース空燃比の目標空燃比に対するずれを吸収すべく、空燃比フィードバック補正係数ALPHAが変更されることになるので、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxであれば、ベース空燃比のずれは許容範囲内であって、エアフローセンサ205は正常であると見なす。
図18に示す例では、診断を行う運転領域に入ったタイミング1108で、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxであると判断されることで、直ちに、タイマ2による継続時間の計測を開始する。
そして、計測時間1115が所定時間(2)1116に達した場合には、ALPHAmin≦ALPHAave≦ALPHAmaxの状態が一時的なものではなく、エアフローセンサ205は正常であるものであると判断する。
ここで、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分が閾値DQAPMTPであるから、エアフローセンサ205が正常であって第1指標値QATPがエンジン負荷を正しく示しているとすると、第2指標値PMTP、引いては、第2指標値PMTPの基礎となった圧力センサ206の検出結果が異常であると判断でき、計測時間1115=所定時間(2)1116になったタイミング1117で、圧力センサ206の異常判定フラグ(NGフラグ)を立ち上げ、圧力センサ206の異常判定を確定させる。
上記実施形態によると、例えば、圧力センサ206が正常であるのに対し、エアフローセンサ205の出力のダイナミックレンジが変化したり、エアフローセンサ205の出力が中間値を保持したりする場合、圧力センサ206が実際の吸気管圧力を略正しく検出し、第2指標値PMTPが実際のエンジン負荷に略対応する値を示すのに対し、第1指標値QATPがエンジン負荷に対応しなくなることで、両者に閾値DQAPMTPを越える偏差が生じ、かつ、ずれ比率RPMQATPが空燃比フィードバック補正係数平均値ALPHAaveに近似する値を示すことで、エアフローセンサ205の異常を判定できる。
同様に、例えば、エアフローセンサ205が正常であるのに対し、圧力センサ206の出力のダイナミックレンジが変化したり、圧力センサ205の出力が中間値を保持したりする場合、エアフローセンサ205が実際の吸気管圧力を略正しく検出し、第1指標値QATP(基本燃料噴射量)が実際のエンジン負荷に略対応する値を示すから、空燃比フィードバック補正係数平均値ALPHAaveが初期値近似の値を示す一方で、両者に閾値DQAPMTPを越える偏差が生じることで、圧力センサ206の異常を判定できる。
即ち、エアフローセンサ205と圧力センサ206とのいずれに、ダイナミックレンジが変化したり中間値を保持したりする異常が生じても、異常が発生したセンサを正しく診断することができる。
また、圧力センサ206が正常で、エアフローセンサ205が異常である場合、前記第1指標値QATPと第2指標値PMTPとのずれ比率RPMQATPは、エアフローセンサ205の異常によるベース空燃比のずれ(空燃比エラー)を補償するために要求される基本燃料噴射量の補正係数に相当することになり、これは、空燃比フィードバック補正係数ALPHAの要求値を示すことになるから、ずれ比率RPMQATPと空燃比フィードバック補正係数ALPHAとを対比させることで、エアフローセンサ205の異常を高精度に診断させることができる。
更に、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分の判断、及び、空燃比フィードバック補正係数平均値ALPHAaveの判断において、エンジン運転条件(エンジン負荷・エンジン回転速度)に応じて、異常判定する領域の幅を変化させるので、エアフローセンサ205の正常状態で発生するベース空燃比のばらつきを考慮した診断が行え、エアフローセンサ205の出力ばらつきに影響されて、診断精度が低下することを抑制できる。
また、エアフローセンサ205の異常が判定された場合に、エアフローセンサ205の出力に基づく燃料噴射制御に代えて、圧力センサ206の出力に基づく燃料噴射制御に切り換えることで、異常発生後も、実際のシリンダ吸入空気量に見合う燃料を噴射させて、エンジン200の運転性及び排気性状の悪化を抑制することができる。
更に、診断を実行させる条件として、エンジン運転領域、エンジン温度、スロットル開度、パージバルブの開度、EGRバルブの開度を判断するので、診断精度が低下する条件下で診断を行ってしまうことを抑制でき、高い信頼性の診断結果を提供できる。
また、空燃比フィードバック補正係数平均値ALPHAaveに基づく異常判定において、時間的な継続をもって異常判定を確定させるので、一時的なセンサ出力の異常に基づいて異常判定を確定させてしまうことがなく、誤診断の発生を抑制できる。
また、例えば特開2006−350707号公報に開示される診断装置では、スロットル開度(吸気開口面積S)とエンジン回転数Nとからシリンダ吸入空気量Qを求め、該シリンダ吸入空気量と、エアフローセンサの検出値から求めたシリンダ吸入空気量と、吸気管圧センサの検出値から求めたシリンダ吸入空気量との3つのデータを比較して診断を行っている。
しかし、上記構成の場合、スロットル開度(吸気開口面積S)の低開度域では、開度(面積)の検出誤差によるシリンダ吸入空気量の変化が大きいため、高精度なシリンダ吸入空気量の推定が困難であり、診断精度を維持することが難しいが、本実施形態では、開度(面積)に基づくシリンダ吸入空気量の推定を行わず、低負荷域でも高い診断精度を維持できる。
尚、上記実施形態では、ハードフィルタとソフトフィルタとを組み合わせて、センサ出力を平滑化し、平滑化後の出力を検出データに変換させる構成としたが、いずれか一方のフィルタのみで平滑化させることができる。
また、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分が閾値を超えていると判断されたものの、エアフローセンサ205と圧力センサ206とのいずれについても、異常判定を確定させることができなかった場合に、故障表示警告灯321によって異常発生を警告し、燃料噴射弁209の噴射を停止させるか、噴射量及び/又はスロットル開度を異常時用最大値以下に制限するなどのフェイルセーフを実行させることができる。
また、第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの差分が閾値を超えていると判断されてから、エアフローセンサ205と圧力センサ206とのいずれかについて異常判定が確定されるまでの間、燃料噴射量及び/又はスロットル開度を異常時用最大値以下に制限してエンジン出力を抑制するように構成することができる。
更に、本実施形態では、空燃比エラーを、空燃比センサ227の検出結果に基づいて検出される実際の空燃比に基づいて算出される空燃比フィードバック補正係数ALPHAに基づいて判断したが、空燃比フィードバック制御をオープン制御状態としたときの空燃比センサ227の検出結果から空燃比エラーを求めることができる。
また、空燃比検出手段としては、排気中の酸素濃度から混合気の空燃比を検出する手段の他、公知の種々の空燃比検出手段を適宜採用でき、例えば、特開平1−247740号公報に開示されるように、燃焼室内における燃焼光を検出することにより機関吸入混合気の空燃比を測定する装置などであってもよい。
本発明による制御装置が適用されるエンジンの実施形態を示す全体構成図である。 本発明による制御装置として機能するエンジン制御装置の内部構成を示すブロック図である。 前記エンジン制御装置の制御機能を示す制御ブロック図である。 前記エンジン制御装置によるエンジン制御の全体の流れを示すフローチャートである。 前記エンジン制御装置におけるエアフローセンサの出力から吸気管圧力を推定する処理を示すフローチャートである。 前記エンジン制御装置におけるエアフローセンサの出力に基づく吸気管圧力の推定を行う構成を示す制御ブロック図である。 前記エンジン制御装置における診断処理のメインルーチンを示すフローチャートである。 前記エンジン制御装置における診断条件の成立判断を行う構成を示す制御ブロック図である。 前記エンジン制御装置における空気流量QA00の算出処理を示すフローチャートである。 前記エンジン制御装置における第1指標値QATPの算出処理を示すフローチャートである。 前記エンジン制御装置における第1指標値QATPの算出処理を行う構成を示す制御ブロック図である。 前記エンジン制御装置における第2指標値PMTPの算出処理を示すフローチャートである。 前記エンジン制御装置における第2指標値PMTPの算出処理を行う構成を示す制御ブロック図である。 前記エンジン制御装置における第1指標値QATPと第2指標値PMTPとの偏差に基づき異常センサの確定診断を起動させる構成を示す制御ブロック図である。 前記エンジン制御装置における異常センサの確定診断を示すフローチャートである。 前記エンジン制御装置における異常センサの確定診断を行う構成を示す制御ブロック図である。 前記実施形態において圧力センサが正常であってエアフローセンサに異常(故障)が発生した場合における各種パラメータの変化及び異常判定の特性の一例を示すタイムチャートである。 前記実施形態において圧力センサに異常(故障)が発生した場合における各種パラメータの変化及び異常判定の特性の一例を示すタイムチャートである。
符号の説明
200…エンジン、202…吸気スロットル部、205…エアフローセンサ、206…圧力センサ、209…燃料噴射弁、223…エンジン制御装置、227…空燃比センサ、229…クランク角センサ、321…故障表示警告灯

Claims (5)

  1. エンジンの吸気スロットル部を通過する吸入空気量を検出する空気量検出手段と、
    前記エンジンの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    前記空燃比検出手段による空燃比の検出値が目標空燃比に近づくように、前記空気量検出手段で検出された吸入空気量に基づいて演算される基本燃料噴射量を補正するための空燃比補正係数を演算し、前記空燃比補正係数に基づき前記エンジンへの燃料供給を制御する燃料供給制御手段と、
    前記吸気スロットル部下流の吸気管の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記吸入空気量の検出値に基づいてエンジン負荷を示す第1指標値を演算する第1指標値演算手段と、
    前記吸気管圧力の検出値に基づいてエンジン負荷を示す第2指標値を演算する第2指標値演算手段と、
    前記第1指標値と第2指標値との偏差が閾値を超えている場合に、前記空気量検出手段と前記圧力検出手段とのいずれかに異常が発生している状態を判定する異常検知手段と、
    前記異常検知手段によって前記空気量検出手段と前記圧力検出手段とのいずれかに異常が発生していると判定された場合に、前記第2指標値と前記第1指標値との比が、前記空燃比補正係数に近似する値である場合は、前記空気量検出手段に異常が発生していると判定する空気量異常判定手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記異常検知手段が、前記閾値を、エンジン回転速度及び前記吸気スロットル部のスロットル開度に応じて設定する閾値設定手段を含むことを特徴とする請求項1記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記異常検知手段によって前記空気量検出手段と前記圧力検出手段とのいずれかに異常が発生していると判定された場合に、前記空燃比補正係数が前記基本燃料噴射量を増減補正しない初期値付近の値である場合に、前記圧力検出手段に異常が発生していると判定する圧力異常判定手段を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記空気量異常検知手段が、前記空燃比補正係数に近似すると判断する領域の幅、及び、前記前記圧力異常判定手段が、前記初期値付近であると判断する領域の幅を、エンジン回転速度及び前記吸気スロットル部のスロットル開度に応じて変化させることを特徴とする請求項3記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記第1指標値演算手段が、前記空気量検出手段で検出された吸気スロットル部を通過する吸入空気量、及び、エンジン回転速度に基づき、前記吸気スロットル部下流の吸気管圧力の推定値を演算し、該吸気管圧力の推定値を前記第1指標値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
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