JP4926629B2 - チップフォーム及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリウレタンフォームを再生したもので、肩パッド等の衣料材料、ナプキン等のサニタリー材料、医療材料等として使用されるチップフォーム(いわゆるリボンデッドフォーム)について変色を抑制し、衣料用途等における付加価値を高めるためのチップフォーム及びその製造方法に関するものである。
一般に、軟質ポリウレタン発泡体は良好なクッション性を有し、長期使用や繰返し使用にへたることなく、柔らかく良好な感触を有することから、肩パッド、ブラジャーパッド、ハンガーパッド等の衣料材料、紙おむつ、ナプキン等のサニタリー材料、医療材料、雑貨素材等として広く使用されている。
この種の材料として例えばマットレス等に用いられる弾性発泡体では、軟質ポリウレタンフォームのチップ状粉砕物をバインダーにより結合した高通気性弾性体(チップフォーム)が知られている。例えば、セル膜のない三次元網状の弾性発泡体からなるチップ同士が、該チップに混合されたバインダーの硬化により結合されてなるものである(例えば、特許文献1を参照)。そして、係る高通気性弾性体はその高い通気性を維持しつつ、十分な硬さを保持することができる。
さらに、ポリウレタン樹脂製品の廃棄物や屑を粉砕してなるチップ同士がバインダーにより結合されたチップ結合部材と、その表面に接着された表皮材とよりなるチップ結合製品(チップフォーム)が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この場合、バインダーが常温で空気中の水分により硬化するものから形成されると共に、表皮材が通気性を有しているものから形成されている。
特開2003−145631号公報(第2頁及び第4頁) 特開2003−2982号公報(第2頁及び第4頁)
前記特許文献1及び2に記載されている高通気性弾性体やチップ結合製品においては、バインダーに用いられるポリイソシアネートとして具体的にはトルエンジイソシアネート(TDI)が使用されている。このため、得られるチップフォームは、ウレタン結合の連鎖中に芳香環を有する構造をもち、紫外線の照射を受けたときにキノイド化反応が起きてアゾ化合物やキノンイミド化合物が生成し、黄変するという問題があった。一方、前述した衣料材料、サニタリー材料、医療材料等の用途においては白色材料が多く用いられ、黄変などの変色を極力抑えるように配慮されている。そのため、これらの用途においては、機械的物性を損なうことなく、変色を極力抑制することが求められている。
そこで本発明の目的とするところは、機械的物性を損なうことなく、変色を抑制することができるチップフォーム及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1のチップフォームは、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートをポリオールと反応させて得られたポリウレタンフォームを破砕してなるチップ同士を、イソシアネート基を有するバインダーの反応硬化により結合して形成されるものである。この場合、バインダーとして、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体が用いられる。
請求項2のチップフォームでは、請求項1に係る発明において、前記バインダーが脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体であることを特徴とする。
請求項3のチップフォームでは、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記チップを形成するポリイソシアネートは、脂環族ポリイソシアネートであることを特徴とする。
請求項4のチップフォームの製造方法は、請求項1のチップフォームの製造方法であって、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートを用いて得られたポリウレタンフォームを破砕してなるチップに、イソシアネート基を有するバインダーを添加し、水蒸気によって前記バインダーを反応硬化させ、チップ間を結合するものである。その際、バインダーとして、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体を用いることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1のチップフォームにおいては、チップとして脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートをポリオールと反応させて得られたポリウレタンフォームを破砕したものが用いられる。しかも、チップ同士を結合するバインダーとして、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体が用いられる。つまり、チップフォームを形成するチップ及びそれらを結合するバインダーが共に変色の少ない材料で構成されている。さらに、チップとバインダーとが同種の材料であることから、より均一なチップフォームが得られると同時に、チップ間の結合力が高められる。従って、チップフォームの機械的物性を損なうことなく、変色を抑制することができる。
請求項2のチップフォームでは、バインダーが脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体である。このため、請求項1に係る発明の効果に加え、イソシアネート基について多官能の環状体であるイソシアヌレート変性体の性質に基づいてバインダーの反応、硬化時における反応性を高めることができると共に、イソシアヌレート変性体は揮発性が低いためその取扱性を向上させることができる。
請求項3のチップフォームでは、チップを形成するポリイソシアネートが脂環族ポリイソシアネートであることから、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加え、脂環族ポリイソシアネートの環状構造に基づいてチップフォームの機械的物性を向上させることができる。
請求項4のチップフォームの製造方法では、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートを用いて得られたポリウレタンフォームを破砕してなるチップに、イソシアネート基を有するバインダーを添加し、水蒸気によってバインダーを反応硬化させることにより、チップ間が結合される。その際、バインダーとして脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体が用いられる。従って、請求項1の効果を奏するチップフォームを簡単な操作で容易に製造することができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のチップフォームは、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートをポリオールと反応させて得られたポリウレタンフォーム(ポリウレタン発泡体)を破砕してなるチップ同士を、イソシアネート基を有するバインダーの反応、硬化により結合して形成されるものである。この場合、バインダーとして、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体が用いられる。このように、チップ及びバインダーを形成するためのポリイソシアネートとして、共に脂肪族系又は脂環族系のポリイソシアネートが用いられていることから、チップフォームの変色が抑えられると同時に、両者の相溶性が良く、チップフォームの機械的物性が高められる。
前記チップは、脂肪族又は脂環族のポリイソシアネートとポリオールとを触媒、発泡剤及び整泡剤の存在下に反応させて製造されるポリウレタンフォームを破砕してなるものである。ポリウレタンフォームは、軟質、半硬質及び硬質のいずれでもよいが、チップフォームを衣料材料などとして使用するために軟質又は半硬質であることが好ましい。ポリイソシアネートとしては、ポリウレタンフォームの着色を抑制するために脂肪族又は脂環族のポリイソシアネートが用いられる。ポリイソシアネートはイソシアネート基を複数有する化合物である。
脂肪族ポリイソシアネートとして具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、ブテンジイソシアネート(BDI)、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、又はそれらの変性体等が挙げられる。
また、脂環族のポリイソシアネートとして具体的には、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート(水添XDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、又はそれらの変性体等が挙げられる。これらのポリイソシアネートのうち、脂環族ポリイソシアネートはポリウレタンフォームの機械的物性を高めることができる点で好ましい。
ポリオールとしてはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が用いられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、それらの変性体等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のポリオールと重縮合反応させることによって得られる縮合系ポリエステルポリオールのほか、ラクトン系ポリエステルポリオール及びポリカーボネート系ポリオールが挙げられる。
触媒はポリオールとポリイソシアネートとのウレタン化反応などの反応を促進するためのものである。係る触媒としては、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等の3級アミン、1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)等のアミジノ基を有するアミン、スズオクトエート等の有機金属化合物、酢酸塩、アルカリ金属アルコラート等が用いられる。
発泡剤はポリウレタンを発泡させてポリウレタンフォームとするためのものである。この発泡剤としては、水のほかペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、炭酸ガス等が用いられる。ポリウレタンフォームの原料としては、シリコーン化合物、界面活性剤等の整泡剤、縮合リン酸エステル等の難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤等を添加することもできる。
ポリオールとポリイソシアネートとのウレタン化反応を行なう場合には、ワンショット法又はプレポリマー法が採用される。ワンショット法は、ポリオールとポリイソシアネートとを直接反応させる方法である。プレポリマー法は、ポリオールとポリイソシアネートとの各一部を事前に反応させて末端にイソシアネート基又は水酸基を有するプレポリマーを得、それにポリオール又はポリイソシアネートを反応させる方法である。
また、ポリウレタンフォームは、スラブ成形法、モールド成形法等によって製造される。スラブ成形法は前記ワンショット法により混合攪拌された反応原料(反応混合液)をベルトコンベア上に吐出し、該ベルトコンベアが移動する間に反応原料が常温、大気圧下で自然発泡し、硬化することで得られる。その後、乾燥炉内で硬化(キュア)し、所定形状に裁断される。モールド成形法は、金型の成形凹部に発泡体原料(原料混合液)を注入し、型締めして金型内で原料成分を反応及び発泡させることによりポリウレタンフォームを製造する方法である。この場合、金型の加熱温度及び加熱時間は、例えば50〜70℃、5〜10分の条件が採用される。
このようにして得られたポリウレタンフォームの成形品は、使用後廃棄処分されるときに破砕機によって破砕されてチップの形態となり、再利用される。チップの大きさは、例えば5〜50mmに形成される。チップの大きさが5mmより小さい場合には、破砕機によって破砕に時間を要したり、破砕が困難になったりして好ましくない。その一方、50mmより大きい場合には、チップ間に隙間ができやすくなり、チップ間の結合が不十分になる傾向を示して好ましくない。
次に、バインダーについて説明する。
バインダーは、水と反応して硬化物を生成すると共に、チップ同士を結合する役目を果たす。このバインダーとしては、前述のように脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体が用いられる。これらのポリイソシアネートを用いることにより、チップフォームの変色を抑えることができる。脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートとしては、前記チップを形成するポリウレタンフォームの原料として挙げた各ポリイソシアネートが使用される。また、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートの変性体としては、イソシアヌレート変性体、プレポリマー変性体、ビウレット変性体などが用いられる。
これらのポリイソシアネートのうち、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体が、バインダーの反応、硬化時における反応性を高めることができ、しかも揮発性が低く、作業環境を良好に保持すると共に、取扱性を良くするために好ましい。脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体として具体的には、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)の3量体、5量体、7量体等の環状付加体又はそれらの混合物が挙げられる。例えば、HDIの3量体のイソシアヌレート変性体は、次の化学式(1)で表される化合物である。
Figure 0004926629
バインダーは水蒸気などの水によって反応、硬化するが、バインダーに硬化触媒としてトリエチルアミン、塩化第2スズ、塩化アンモニウム等を配合し、反応、硬化を促進させることもできる。
次に、チップフォームの製造方法について説明する。
チップフォームを製造する場合には、使用済みとなったポリウレタンフォームの廃材を破砕機で破砕し、大きさが5〜50mm程度のチップを用意する。得られたチップを成形用の金型の成形凹部に投入し、所定の大きさのチップフォームが得られるように型締めする。次いで、例えば前記HDIのイソシアヌレート変性体よりなる液状のバインダーを吹き付ける。このとき、バインダーの使用量はチップやチップフォームの大きさなどにより適宜定められるが、一般的にはチップ100質量部当たり10〜30質量部であることが好ましい。バインダーの使用量が10質量部未満の場合には、バインダーが不足してチップ間の結合が不十分になりやすく、好ましくない。その一方、30質量部を越える場合には、バインダーが過剰になってバインダーの反応が遅くなる部分が生じたりして好ましくない。
続いて、金型の成形凹部に水蒸気を通常1〜5分間導入し、HDIのイソシアヌレート変性体を加熱すると共に、水と反応、硬化させる。これにより、反応硬化物が生成されると共に、チップ間が結合される。その後、金型を型開きして成形体を取出すことにより、目的とするチップフォームを製造することができる。
さて、本実施形態の作用について説明すると、使用済みのポリウレタンフォームを再利用する場合、そのポリウレタンフォームを破砕して得られるチップに、バインダーとして例えばHDIのイソシアヌレート変性体を加えた後、水蒸気を作用させる。このとき、HDIのイソシアヌレート変性体は水と反応(泡化反応)して尿素化合物が生成されると共に、その尿素化合物がHDIのイソシアヌレート変性体と反応(ビューレット反応)して架橋反応生成物が生成され、ウレタン結合に対してHDIのイソシアヌレート変性体が反応(アロファネート反応)して架橋反応生成物が生成される。これらの反応に伴って、チップ間が結合され、強固に接着されて一体化されたチップフォームが得られる。しかも、チップとバインダーとが同種の材料であることから、得られるチップフォームが均一に形成される。
この場合、チップ及びバインダーとして共に変色の少ない脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体が用いられていることから、チップフォーム全体の変色が抑えられる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態のチップフォームにおいては、チップとして脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートをポリオールと反応させて得られたポリウレタンフォームを破砕したものが用いられる。しかも、チップ同士を結合するバインダーとして、チップと同様のポリイソシアネートが用いられる。従って、チップ及びバインダーは相溶性に優れ、チップフォームの機械的物性を損なうことなく、変色を抑制することができる。よって、このチップフォームは、白色材料が多く用いられる衣料材料、サニタリー材料、医療材料等の用途に好適に使用することができる。
・ 前記バインダーが脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体であることにより、イソシアネート基について多官能の環状体であるイソシアヌレート変性体の性質に基づいてバインダーの反応、硬化時における反応性を高めることができる。さらに、イソシアヌレート変性体は揮発性が低いため、その取扱性を向上させることができる。
・ また、チップを形成するポリイソシアネートが脂環族ポリイソシアネートであることにより、脂環族ポリイソシアネートの環状構造に基づいてチップフォームの機械的物性を向上させることができる。
・ チップフォームを製造する場合には、前記チップにイソシアネート基を有する前記バインダーを添加し、水蒸気によってバインダーを反応硬化させることにより、チップ間が結合される。その際、バインダーとして脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体が用いられる。従って、上記の効果を奏するチップフォームを簡単な操作で容易に製造することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6及び比較例1)
ポリウレタンフォームのチップ及びバインダーとして下記に示すものを使用し、縦400mm、横400mm及び厚さ50mmの金型の成形凹部にチップを投入し、その上からバインダーを吹き付けた。バインダーの吹き付け量は、チップ80質量部に対して20質量部とした。次いで、水蒸気を2分間供給し、バインダーを反応、硬化させ、チップ間を接着して四角板状のチップフォームを製造した。
チップ:下記に示すポリエステルポリオール100質量部、脂環族ポリイソシアネートとしてのイソホロンジイソシアネート63質量部、発泡剤としての水3.6質量部、触媒としての1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセン−7を1.2質量部及び整泡剤としてのシリコーン1.5質量部を反応及び発泡させて得られたポリウレタンフォームを10〜50mmの大きさに破砕したもの。
ポリエステルポリオール:アジピン酸、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパンを重縮合して得られたポリエステルポリオール、水酸基価56(mgKOH/g)
バインダー:表1に示す組成(質量部)のものを使用した。表1における略号を以下に示す。ここで、比較例1においては、バインダーとしてTDIの一部をポリエーテルポリオールと反応させたプレポリマーを使用した。
イソシアヌレート変性HDI−1:HDIイソシアヌレート変性脂肪族イソシアネート、イソシアネート基(NCO)含有量12.1質量%、旭化成(株)製、デュラネートTSE−100
イソシアヌレート変性HDI−2:HDIイソシアヌレート変性脂肪族イソシアネート、イソシアネート基(NCO)含有量21.0質量%、日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートHX
HDIプレポリマー:HDIの一部をポリオールと反応させたプレポリマー、イソシアネート基(NCO)含有量16.1質量%、旭化成(株)製、デュラネートD−201
IPDIプレポリマー:IPDI(イソホロンジイソシアネート)の一部をポリオールと反応させたプレポリマー、イソシアネート基(NCO)含有量4.0質量%、ノガワケミカル(株)製、DU546
ポリエーテルポリオール:グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合したもの、質量平均分子量3000、水酸基価56(mgKOH/g)、水酸基についての官能基数3、三洋化成工業(株)製、GP3000
TDI:トリレンジイソシアネート(2,4-トリレンジイソシアネート80質量%と2,6-トリレンジイソシアネート20質量%との混合物)、日本ポリウレタン工業(株)製、T−80
可塑剤:ジイソノニルアジペート、大八化学工業(株)製、DINA
そして、製造されたチップフォームについて、見掛け密度、引張強さ、伸び、NOxガス変色及びフェード変色を下記に示す方法で測定した。それらの結果を表1に示した。
見掛け密度(kg/m):JIS K 7222:1999に準拠して測定した。
引張強さ(kPa):JIS K 6400−5:2004に準拠して測定した。
伸び(%):JIS K 6400−5:2004に準拠して測定した。
NOxガス変色:温度30℃、湿度75%、NOガス濃度10ppmの加速試験機に、チップフォームを2時間放置した後の変色と試験前のチップフォームの色についてΔYIとΔEを評価した。ΔYIは白色の標準試料に対する色差を示し、ΔEは同一試料が変色する前後の色差を示す。
フェード変色:温度63℃のフェードメータに8時間放置した後の変色と試験前のチップフォームの色についてΔYIとΔEを評価した。ΔYIは白色の標準試料に対する色差を示し、ΔEは同一試料が変色する前後の色差を示す。
Figure 0004926629
表1に示したように、実施例1〜6においては、ポリウレタンフォームのチップとして脂環族のポリイソシアネートを用いて得られたポリウレタンフォームの破砕物を使用し、かつバインダーとして脂肪族又は脂環族のポリイソシアネートを使用したことから、NOxガス変色及びフェード変色が十分に抑制された。さらに、引張強さ及び伸びも比較例1に比べて高い値を示し、チップフォームが機械的物性に優れていることが明らかになった。
一方、比較例1ではバインダーとして芳香族イソシアネートであるTDIを使用したため、NOxガス変色及びフェード変色共に大きな値を示し、変色が非常に大きい結果であった。しかも、チップフォームの引張強さ及び伸びも低い値を示し、機械的強度が低いことが判明した。これは、バインダーとチップとの相溶性の悪さなどに原因があるものと考えられる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ チップとして、脂肪族ポリイソシアネートを用いて形成されたものと、脂環族ポリイソシアネートを用いて形成されたものとを混合して使用することもできる。
・ バインダーとして、脂肪族ポリイソシアネートを用いて形成されたものと、脂環族ポリイソシアネートを用いて形成されたものとを混合して使用することもできる。
・ 前記バインダーには、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロックしたものを使用することもできる。このように構成すれば、空気中の水分との反応を抑制することができ、バインダーのポットライフを長くすることができる。
・ バインダーには、バインダーが水蒸気と反応する前に空気中の水分と反応するのを抑制する反応遅延剤として、オレイン酸等を配合することも可能である。
・ バインダーには、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類を還元するための還元剤として、チオ硫酸ナトリウム等を配合することができる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記バインダーとチップを形成するポリイソシアネートは同種のものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチップフォーム。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、チップとバインダーの相溶性を高めることができ、チップフォームをより均一で物性の良好なものにすることができる。
・ 前記バインダーは、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体であることを特徴とする請求項4に記載のチップフォームの製造方法。このように構成した場合、請求項4に係る発明の効果に加えて、バインダーの反応、硬化時における反応を促進させることができると共に、取扱性を向上させることができる。

Claims (4)

  1. 脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートをポリオールと反応させて得られたポリウレタンフォームを破砕してなるチップ同士を、イソシアネート基を有するバインダーの反応硬化により結合して形成されるチップフォームであって、
    前記バインダーとして、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体を用いることを特徴とするチップフォーム。
  2. 前記バインダーは、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体であることを特徴とする請求項1に記載のチップフォーム。
  3. 前記チップを形成するポリイソシアネートは、脂環族ポリイソシアネートであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチップフォーム。
  4. 請求項1に記載のチップフォームの製造方法であって、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートを用いて得られたポリウレタンフォームを破砕してなるチップに、イソシアネート基を有するバインダーを添加し、水蒸気によって前記バインダーを反応硬化させ、チップ間を結合してチップフォームを製造するに当たり、前記バインダーとして、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート又はそれらの変性体を用いることを特徴とするチップフォームの製造方法。
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