JP4925962B2 - 水素吸蔵材 - Google Patents

水素吸蔵材 Download PDF

Info

Publication number
JP4925962B2
JP4925962B2 JP2007200969A JP2007200969A JP4925962B2 JP 4925962 B2 JP4925962 B2 JP 4925962B2 JP 2007200969 A JP2007200969 A JP 2007200969A JP 2007200969 A JP2007200969 A JP 2007200969A JP 4925962 B2 JP4925962 B2 JP 4925962B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen storage
storage material
activated
hydrogen
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007200969A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009035772A (ja
Inventor
亮史 竹縄
貴紀 鈴木
規夫 小村
出 鹿屋
光矢 細江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2007200969A priority Critical patent/JP4925962B2/ja
Priority to US12/183,807 priority patent/US20090035175A1/en
Publication of JP2009035772A publication Critical patent/JP2009035772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4925962B2 publication Critical patent/JP4925962B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C27/00Alloys based on rhenium or a refractory metal not mentioned in groups C22C14/00 or C22C16/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B3/00Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
    • C01B3/0005Reversible uptake of hydrogen by an appropriate medium, i.e. based on physical or chemical sorption phenomena or on reversible chemical reactions, e.g. for hydrogen storage purposes ; Reversible gettering of hydrogen; Reversible uptake of hydrogen by electrodes
    • C01B3/001Reversible uptake of hydrogen by an appropriate medium, i.e. based on physical or chemical sorption phenomena or on reversible chemical reactions, e.g. for hydrogen storage purposes ; Reversible gettering of hydrogen; Reversible uptake of hydrogen by electrodes characterised by the uptaking medium; Treatment thereof
    • C01B3/0078Composite solid storage mediums, i.e. coherent or loose mixtures of different solid constituents, chemically or structurally heterogeneous solid masses, coated solids or solids having a chemically modified surface region
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Description

本発明は、活性化によって水素を吸蔵することが可能となる水素吸蔵材に関する。
近年、環境保護の観点から、温暖化ガスであるNOXやSOX、CO2、炭化水素ガス等を全く排出しない燃料電池を走行駆動源とする燃料電池車が特に着目されている。すなわち、燃料電池車は、前記燃料電池を構成するアノード側電極に供給された燃料ガス中の水素と、カソード側電極に供給された酸化剤ガス中の酸素とが反応することによって生成するH2Oしか排出しないからである。
ここで、燃料ガス及び酸化剤ガスとしては、それぞれ、水素及び大気が使用されることが一般的である。従って、燃料電池車には、水素を貯留する容器を搭載する必要がある。
水素貯留容器に貯留される水素の量が多いほど、燃料電池を長時間にわたって発電させることができる。換言すれば、燃料電池車の走行可能距離を大きくすることが可能となる。この観点から、水素貯留容器の水素貯蔵量を大きくすることが種々試みられており、その1つとしては、水素吸蔵合金等の水素吸蔵材を水素貯留容器に収容することが挙げられる。
水素吸蔵材は、自身の体積よりも多量の水素を吸蔵することが可能である。従って、単なる水素貯留容器に比して水素貯蔵量が増加する。しかも、水素の吸蔵が可逆的に行われるので、燃料電池を発電させる際に必要量の水素を放出させることも可能である。
ところで、水素吸蔵材(特に、水素吸蔵合金)は、当初、その表面が酸化膜で覆われており、この状態では水素を吸蔵することができない。このため、水素吸蔵材には、所定の水素圧力及び温度において前記酸化膜を還元除去する活性化が施される。水素吸蔵材は、この活性化処理によってはじめて、水素を可逆的に吸蔵・放出することが可能となる。
しかしながら、V−Ti−Cr系水素吸蔵合金等、結晶構造が体心立方(BCC)型の水素吸蔵材は特に活性化が困難であり、例えば、500℃で10-4torrまでの真空排気、水素圧力50atomでの加圧を4サイクル繰り返すか(特許文献1参照)、又は、真空排気後に400℃、水素圧力8MPaとして1時間保持し、その後に室温まで冷却することを3サイクル程度繰り返さなければならない。
また、水素吸蔵材を上記したように水素貯留容器に収容する場合、収容後に活性化を行うことがある。この場合、水素圧力及び温度を水素貯留容器の耐圧及び耐熱温度以下としなければならない。水素貯留容器の構成部材であるライナやシール等を樹脂製のものとした場合、耐圧は10MPa以下、耐熱温度は100℃以下であるが、このような水素圧力や温度下でV−Ti−Cr系水素吸蔵合金を活性化するためには、75時間もの長時間を要する。このように、比較的低圧、低温で水素吸蔵材を活性化する場合、数十時間が必要であるという不具合が顕在化している。
特許文献2には、BCC合金相とラーベス相との混合相とすることにより、活性化が容易な水素吸蔵合金が得られることが記載されている。該特許文献2によれば、活性化が容易なラーベス相が水素化して粉化することに伴い、活性化が困難なBCC合金相に破壊が伝播し、その結果、該破壊面において空気に被毒されていないBCC合金相が新たに露呈するので、この露呈した破壊面を起点としてBCC合金相が水素化して粉化するようになるため、活性化が加速度的に進行すると推察される、とのことである(段落[0008]参照)。
特開平10−110225号公報(特に、段落[0025]) 特開平10−245653号公報(特に、段落[0008])
BCC合金相とラーベス相との混合相は、BCC型水素吸蔵合金を製造する際の原料粉末溶解時に、少量のZrを添加することで形成される。従って、このZr添加量を制御したりする等の煩雑な作業が必要となる。
また、Zrは比較的重量が大の元素であり、このため、水素吸蔵合金の単位重量当たりの水素吸蔵量が低減するという不具合を惹起する。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、低温・低圧の条件下であっても短時間で活性化させることが可能であり、しかも、活性化に際して煩雑な作業を必要とせず、その上、水素吸蔵合金の単位重量当たりの水素吸蔵量が大きな水素吸蔵材を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る水素吸蔵材は、
10MPa以下の水素圧力下で且つ温度が100℃以下である際に活性化に10時間以上を要する難活性化水素吸蔵材と、
活性化が既に施された活性化済水素吸蔵材と、
を含むことを特徴とする。
活性化済水素吸蔵材が混合された難活性化水素吸蔵材に対して活性化を行う場合、低温・低圧の条件下であっても、活性化が極めて短時間で終了する。すなわち、難活性化水素吸蔵材単体に対して活性化を行う場合に比して、活性化に要する時間を著しく短縮することができる。
しかも、低温・低圧で活性化を行うことができるので、該水素吸蔵材を水素貯留容器に収容した状態であっても短時間で活性化を施すことができる。従って、大気中では失活し易い物質が含まれていたとしても、水素貯留容器に収容して失活し難い状態とした上で、活性化を短時間で終了させることが可能となる。
さらに、この場合、何らかの元素を添加しながら水素吸蔵材を調製する必要がないので、元素の添加量を制御する等の煩雑な作業を行う必要もない。その上、水素吸蔵合金の単位重量当たりの水素吸蔵量が小さくなることもない。
ここで、活性化済水素吸蔵材を混合することで難活性化水素吸蔵材に対する活性化が容易となる理由は、活性化済水素吸蔵材に吸蔵された活性な水素原子が難活性化水素吸蔵材の表面に存在する酸化膜に移動し、さらに、該酸化膜を還元するためであろうと推察される。
難活性化水素吸蔵材は、特に限定されるものではないが、結晶構造が体心立方(BCC)型となる水素吸蔵合金を好適な例として挙げることができる。すなわち、本発明によれば、一般的に活性化が困難であると認識されている物質に対しても極めて容易に活性化を施すことが可能となる。
一方、活性化済水素吸蔵材の好適な例としては、Ni、Fe、Ti、Mn、Vの少なくともいずれか1種のナノ粒子が添加されたMgHx(ただし、0.1≦x≦2)が挙げられる。この種のMgHxは、大気中であっても失活し難い。従って、難活性化水素吸蔵材と大気中で混合することも可能である等、ハンドリングが容易となる。
本発明によれば、難活性化水素吸蔵材に対して活性化済水素吸蔵材を混合することで水素吸蔵材を調製するようにしている。このようにして得られた水素吸蔵材中の難活性化水素吸蔵材に対する活性化は、当該難活性化水素吸蔵材単体に対して活性化をする場合に比して著しく短時間で終了する。すなわち、活性化済水素吸蔵材を混合することにより、難活性化水素吸蔵材に対して極めて容易に活性化を施すことができる。
以下、本発明に係る水素吸蔵材につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る水素吸蔵材は、難活性化水素吸蔵材と、活性化済水素吸蔵材とを含む混合物であり、該混合物(水素吸蔵材)は、水素貯留容器に収容されている。
難活性化水素吸蔵材は、水素圧力が水素貯留容器の耐圧、具体的には、10MPa以下であり、且つ温度が100℃以下である際に活性化に10時間以上を要する水素吸蔵材として定義される。この種の難活性化水素吸蔵材の好適な例としては、BCC型水素吸蔵合金を挙げることができる。具体的には、V−Cr−Ti系、V−Cr−Al系、V−Cr−Mo系、V−Ti−Mo系、V−W系、V−Cr−Ti−Al系、V−Cr−Mo−Al系の各種水素吸蔵合金である。
このようなBCC型水素吸蔵合金は、活性化が困難ではあるものの、一旦活性化を施すと大量の水素を吸蔵し得るようになるので、水素吸蔵材の単位重量当たりの水素吸蔵量を向上させることができる。
難活性化水素吸蔵材の他の好適な例としては、室温での水素吸蔵平衡圧力が高圧(ゲージ圧で1MPa以上)の合金が挙げられ、具体的には、Ti−Zr−Fe−Cr−Ni系合金、Ti−Fe−Cr−Mn系合金、Ti−Fe−Cr−Cu系合金等をはじめとするAB2型合金や、La−Ce−Ni−Mn系合金、La−Ce−Ni−Fe系合金をはじめとするAB5型合金が例示される。
一方の活性化済水素吸蔵材は、活性化が既に施された水素吸蔵材であれば如何なる物質であってもよく、特に限定されるものではない。例えば、上記したような難活性化水素吸蔵材に対して活性化を施したものであってもよいし、活性化が比較的容易なLaNi5、TiCr2等に活性化を施したものであってもよい。
又は、Ni、Fe、Ti、Mn、Vの少なくともいずれか1種のナノ粒子が添加されたMgHx(ただし、0.1≦x≦2)であってもよい。なお、ナノ粒子とは、平均粒径が10nm以内の微粒子を指称する。
このようなMgHxは、表面が水素化された状態であるので大気中であっても酸化がほとんど進行しない。換言すれば、大気中であっても失活することがほとんどない。従って、難活性化水素吸蔵材との混合を大気中で行うことが可能となる。すなわち、本実施の形態に係る水素吸蔵材を容易に調製することができるようになる。しかも、室温程度の比較的低温であっても、緩やかにではあるが水素を吸蔵し得る。
なお、前記したナノ粒子が添加されたMgHxは、該ナノ粒子とMg粒子とを混合し、水素加圧雰囲気下でメカニカルグラインディングを行うことで得ることができる。
活性化済水素吸蔵材は、水素を吸蔵していないものであってもよいし、難活性化水素吸蔵材との混合前に水素を既に吸蔵したものであってもよい。勿論、これらの混合物であってもよい。
水素吸蔵材中における活性化済水素吸蔵材の割合は、水素吸蔵材全体の重量を100重量%とした場合、0.1〜10重量%であれば十分である。
本実施の形態に係る水素吸蔵材は、以上の難活性化水素吸蔵材と活性化済水素吸蔵材とを混合・撹拌することによって得られる。この際、活性化済水素吸蔵材の割合を0.1〜10重量%程度とすることが好適である。
なお、活性化済水素吸蔵材が大気中で失活するような物質である場合、難活性化水素吸蔵材との混合・撹拌を窒素ないしアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行うようにすればよい。
このようにして調製された水素吸蔵材は、例えば、水素貯留容器内で活性化される。すなわち、水素貯留容器が所定の温度に加温されるとともに、該水素貯留容器内に水素が所定の圧力で充填される。最終的な温度及び水素圧力は、水素貯留容器の耐熱温度及び耐圧にもよるが、一般的には100℃以下及び10MPa以下、好ましくは約80℃及び4〜8MPa程度である。
本実施の形態に係る水素吸蔵材の活性化は、難活性化水素吸蔵材に対して単体で活性化を行う場合に比して著しく短時間で終了する。例えば、BCC型水素吸蔵合金であり且つ難活性化水素吸蔵合金であるV−13.5Cr−4Ti(数字は原子%。特に記載のない限りは以下同じ)系合金のみを80℃、5MPaで活性化する場合、水素を吸蔵可能とするまでに75時間を要する。これに対し、既に活性化されたV−13.5Cr−4Ti系合金を未活性化V−13.5Cr−4Ti系合金に対して1重量%の割合で添加した場合、僅か1時間で水素を吸蔵することが可能となる。その他の難活性化水素吸蔵材であっても、最長でも10時間で十分である。
また、仮に水素貯留容器内で水素吸蔵材が失活した場合であっても、短時間で再活性化を行うことができる。上記したように、この水素吸蔵材では、活性化に要する時間が著しく短いからである。
しかも、上記から諒解されるように、本実施の形態においては、活性化に際して煩雑な作業を必要としない。加えて、余分な元素を添加することがないので、水素吸蔵合金の単位重量当たりの水素吸蔵量が低減することもない。
活性化済水素吸蔵材を難活性化水素吸蔵材に添加することによって活性化に要する時間が著しく短縮する理由は、現時点では明らかではないが、触媒化学におけるスピルオーバーに類似した現象が起こっているとも考えられる。すなわち、活性化済水素吸蔵材に吸蔵された活性な水素原子が難活性化水素吸蔵材の表面に存在する酸化膜に移動して該酸化膜を還元し、これにより難活性化水素吸蔵材が活性化されて水素を吸蔵することが可能となると推察される。
V−13.5Cr−4Ti系合金の組成に対応するように、16.49kgのV、2.75kgのCr、0.75kgのTiを不活性雰囲気中で溶解した。なお、溶解に際しては高周波溶解炉を使用した。
得られた溶湯を用い、鋳造によってインゴットを形成した。このインゴットを機械的に粉砕した後に分級し、平均粒径が500μmであるV−13.5Cr−4Ti系合金の粒子を15kg得た。
次に、この中から3gを秤量して密閉可能な容器に収容し、該容器内を真空排気後に400℃、水素圧力8MPaとして1時間保持し、さらに、室温まで冷却した。この真空排気、保持、冷却を3サイクル繰り返して、活性化されたV−13.5Cr−4Ti系合金を得た。
この活性化済V−13.5Cr−4Ti系合金の0.1gと、活性化されていない1.9gのV−13.5Cr−4Ti系合金とを、窒素ガス雰囲気下で耐圧容器に収容し、該耐圧容器を密閉して撹拌・混合して水素吸蔵材を調製した。すなわち、水素吸蔵材中の活性化済V−13.5Cr−4Ti系合金の割合は、5重量%であった。同様にして、活性化済V−13.5Cr−4Ti系合金の割合が1重量%、3重量%である水素吸蔵材をそれぞれ2gずつ調製した。
以上の水素吸蔵材に対し、前記耐圧容器を80℃に加温するとともに水素圧力を5MPaとして1時間保持した。その後、前記耐圧容器を室温まで除冷した。
次に、各水素吸蔵材につき、容積型水素圧力−組成等温線図(PCT)測定装置を用いて水素化速度を測定した。なお、水素吸蔵材のぞれぞれをPCT測定装置のサンプルセル内にセットした後、該サンプルセルを80℃として1時間真空排気し、さらに、80℃で水素圧力を5MPaとして1時間保持した。その後に室温まで冷却し、この冷却が終了した時点を測定開始点とした。
比較のため、活性化されていない2gのV−13.5Cr−4Ti系合金を同一形状の耐圧容器に収容し、該耐圧容器を80℃に加温するとともに水素圧力を5MPaとして1時間保持した後に前記耐圧容器を室温まで除冷した場合についても、上記と同一の条件下で水素化速度を測定した。
結果をグラフとして、図1に併せて示す。この図1における横軸及び縦軸は、それぞれ、経過時間、水素吸蔵材の水素吸蔵量を示す。なお、水素吸蔵量は、水素吸蔵材の重量に対する吸蔵された水素重量の割合を百分率(重量%)で表している。
この図1から、活性化済V−13.5Cr−4Ti系合金を未活性化V−13.5Cr−4Ti系合金に添加して水素吸蔵材とした場合、その添加割合が1重量%、3重量%、5重量%のいずれであっても、時間の経過とともに水素が吸蔵されていることが分かる。このことは、温度を80℃、水素圧力を5MPaとして1時間保持することによって、残余の未活性化V−13.5Cr−4Ti系合金にも活性化が施されたことを意味する。
一方、未活性化V−13.5Cr−4Ti系合金のみ(図1中の比較例)では、水素吸蔵量が全く増加していない。すなわち、活性化済V−13.5Cr−4Ti系合金を添加しない場合、温度を80℃、水素圧力を5MPaとして1時間保持したのみでは活性化することができない。
なお、図示していないが、未活性化V−13.5Cr−4Ti系合金は、温度80℃、水素圧力5MPaの条件下では、75時間保持してはじめて水素吸蔵量が上昇した。すなわち、活性化することができた。
以上の結果から、活性化済V−13.5Cr−4Ti系合金を添加することによって活性化に至るまでの時間を著しく短縮することが可能であることが明らかである。
5gのMg粉末、0.036gのNi粉末、及び0.023gのFe粉末を、直径10mmのステンレス製ボール18個とともに内容量80mlのボールミルポットに収容し、該ボールミルポットに水素を1MPaの圧力となるように導入して密封した。
次に、このボールミルポットを、遊星型ボールミルを構成する直径300mmの台板部上に載置し、台板部の回転数を350rpm、ボールミルポットの回転数を800rpm、ミリング時間を10時間として、メカニカルグライディングの1種であるボールミリングを行った。これにより、Ni、Feのナノ粒子が添加されたMgHx(0.1≦x≦2)を5.059g得た。このMgHxは、ボールミリングが施された直後であっても表面が水素化された状態である。すなわち、活性化されている。また、表面が水素化されているために酸素との反応速度が極めて小さいので、大気中であっても失活することがほとんどない。
このMgHxから0.1gを秤量し、上記のようにして得られた未活性化V−13.5Cr−4Ti系合金の粒子1.9gとともに、密閉可能な耐圧容器に大気下で収容して撹拌・混合することで水素吸蔵材を調製した。この水素吸蔵材における活性化済MgHxの割合は、5重量%であった。同様にして、活性化済MgHxの割合が1重量%、3重量%である水素吸蔵材をそれぞれ2gずつ調製した。
以降は上記と同様に、前記耐圧容器を80℃に加温するとともに水素圧力を5MPaとして1時間保持することで水素吸蔵材の活性化を行った。その後、前記耐圧容器を室温まで除冷した。さらに、PCT測定装置を用いて水素化速度を測定した。
結果をグラフとして、上記の比較例と併せて図2に示す。この図2から、難活性化水素吸蔵材(V−13.5Cr−4Ti系合金)とは別種の物質(MgHx)を活性化済水素吸蔵材として添加した場合であっても、活性化するに至るまでの時間を著しく短縮することが可能であることが分かる。
以上のように、難活性化水素吸蔵材に対して活性化済水素吸蔵材を混合して水素吸蔵材とすることにより、該水素吸蔵材中の難活性化水素吸蔵材を著しく短時間で活性化することができるようになる。
本実施の形態に係る実施例の水素吸蔵材及び比較例の水素吸蔵材における経過時間と水素吸蔵量の関係を示すグラフである。 別の実施例の水素吸蔵材及び比較例の水素吸蔵材における経過時間と水素吸蔵量の関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 10MPa以下の水素圧力下で且つ温度が100℃以下である際に活性化に10時間以上を要する難活性化水素吸蔵材と、
    活性化が既に施された活性化済水素吸蔵材と、
    を含むことを特徴とする水素吸蔵材。
  2. 請求項1記載の水素吸蔵材において、前記難活性化水素吸蔵材として体心立方型水素吸蔵合金を含むことを特徴とする水素吸蔵材。
  3. 請求項1又は2記載の水素吸蔵材において、前記活性化済水素吸蔵材として、Ni、Fe、Ti、Mn、Vの少なくともいずれか1種のナノ粒子が添加されたMgHx(ただし、0.1≦x≦2)を含むことを特徴とする水素吸蔵材。
JP2007200969A 2007-08-01 2007-08-01 水素吸蔵材 Expired - Fee Related JP4925962B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007200969A JP4925962B2 (ja) 2007-08-01 2007-08-01 水素吸蔵材
US12/183,807 US20090035175A1 (en) 2007-08-01 2008-07-31 Hydrogen storage material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007200969A JP4925962B2 (ja) 2007-08-01 2007-08-01 水素吸蔵材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009035772A JP2009035772A (ja) 2009-02-19
JP4925962B2 true JP4925962B2 (ja) 2012-05-09

Family

ID=40338340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007200969A Expired - Fee Related JP4925962B2 (ja) 2007-08-01 2007-08-01 水素吸蔵材

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20090035175A1 (ja)
JP (1) JP4925962B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101073825B1 (ko) 2009-04-22 2011-10-18 한국에너지기술연구원 수소저장용 Ti-V-Cr-Mn-Mg계 합금 및 그 제조방법
US11168385B2 (en) 2016-11-01 2021-11-09 Ohio State Innovation Foundation High-entropy AlCrTiV alloys

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5895601A (ja) * 1981-11-28 1983-06-07 Agency Of Ind Science & Technol 水素吸蔵用合金の初期活性化方法
JPS6369701A (ja) * 1986-09-10 1988-03-29 Nippon Steel Corp 水素吸蔵用金属材料
JP3626298B2 (ja) * 1996-10-03 2005-03-02 トヨタ自動車株式会社 水素吸蔵合金およびその製造方法
JP4374644B2 (ja) * 1999-03-30 2009-12-02 アイシン精機株式会社 水素貯蔵装置の製造方法
JP4986101B2 (ja) * 2005-01-27 2012-07-25 太平洋セメント株式会社 水素貯蔵材料およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20090035175A1 (en) 2009-02-05
JP2009035772A (ja) 2009-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007522917A (ja) Mgベースの水素吸蔵材料における触媒水素脱着およびその材料の製造方法
Anik Improvement of the electrochemical hydrogen storage performance of Mg2Ni by the partial replacements of Mg by Al, Ti and Zr
JP2009534542A (ja) 水素の貯蔵のためのナノ結晶化合物
JP6948441B1 (ja) 低Co水素吸蔵合金粉末
JP2008266781A (ja) Mg−Al系水素吸蔵合金粉末の製造方法、及び当該製造方法により得られたMg−Al系水素吸蔵合金粉末
JP2022543828A (ja) 水素吸蔵合金を製造する方法
JP4602926B2 (ja) 合金粉末の製造方法
JP4925962B2 (ja) 水素吸蔵材
JP2010236084A (ja) 水素吸蔵合金及びその製造方法、並びに、水素貯蔵装置
EP1215294B1 (en) Method for producing hydrogen storage alloy powder
US8512630B2 (en) Pulverulent intermetallic materials for the reversible storage of hydrogen
CN100482833C (zh) 经表面催化的高活性镁基储氢材料及制备方法
JP2008013375A (ja) 水素化物複合体及び水素貯蔵材料
JP4280816B2 (ja) 水素吸蔵材料及びその製造方法
JPH05247568A (ja) 水素吸蔵合金、電極およびこれを用いた電池
JPS58217654A (ja) チタン−クロム−バナジウム系水素吸蔵用合金
JP2002241884A (ja) 水素吸蔵合金
JP4417805B2 (ja) 水素吸蔵合金および水素貯蔵容器
JP2004292838A (ja) 水素吸蔵合金及びその製造方法
WO2008032774A1 (en) Hydrogen storage material and method for manufacturing the same
JP6821161B2 (ja) 水素吸蔵合金の製造方法
JP4322647B2 (ja) 水素吸蔵複合体およびその製造方法
JP4086241B2 (ja) 水素吸蔵合金粉末
JPH11106847A (ja) 水素吸蔵合金の製造方法、その合金及びその合金を用いた電極
JP2007289877A (ja) 水素吸蔵材料及びその製造方法、並びに水素化物複合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees