JP2002241884A - 水素吸蔵合金 - Google Patents
水素吸蔵合金Info
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
水素吸蔵能及び軽量性に関しては十分であったが、常温
レベルの水素吸蔵及び放出ができず、実用化の障害とな
っていた。本発明は、常温レベルでの水素吸蔵及び放出
が可能なマグネシウム系水素吸蔵合金を提供することを
目的とする。 【解決手段】 MgXaVb(a及びbは0.2≦a≦5及び
0.2≦b≦5であり、Xは、Cr、Mn、Fe、Co、C
u及びNiから成る群から選択される1又は2以上の金
属である)の組成の体心立方格子構造を有することを特
徴とする水素吸蔵合金。体心立方格子構造は非平衡状態
にあり、吸蔵水素と合金が強固な結合を形成していない
ため、常温レベルの水素吸蔵及び放出が可能になる。
Description
ら比較的僅かな昇温で水素を吸蔵及び放出できる水素吸
蔵合金、好ましくは三元水素吸蔵合金に関する。
電池として、水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル―水
素蓄電池(二次電池)が注目されている。水素吸蔵合金
のうち、水素吸蔵能の高い材料として、LaNi5の組
成を有する合金が知られているが、この合金は非常に高
価で実用的でない。従って現在では希土類系金属の混合
物であるMm(ミッシュメタル)と、Ni、Al、Mn
及びCo等を含む水素吸蔵合金(Mm系合金)が汎用さ
れている。
較的安価な材料で負極を構成でき、サイクル寿命が長
く、過充電時の発生ガスによる内圧上昇が少ない密閉型
ニッケル水素蓄電池を得ることができ、電極材料として
広く用いられている。しかしながらこのような比較例寿
命特性が優れた水素吸蔵合金も、有効水素吸蔵量が比較
的低いという欠点を有している。これに対し、有効水素
吸蔵量の大きい合金として軽量マグネシウム系水素吸蔵
合金が知られている。マグネシウムの水素吸蔵量は理論
上7重量%以上であり、マグネシウム系水素吸蔵合金の
一種であるMg2Niの組成を有する合金は3重量%以
上、通常は3.6重量%程度の水素吸蔵能を有している。
あるためには水素吸蔵量が大きいことの他に、常温又は
常温よりやや高い温度で水素の吸蔵及び放出が起こるこ
とが要求される。つまり前記マグネシウム系合金の高水
素吸蔵量及び軽量性をより有効に生かすためには、常温
付近で水素の吸蔵が起こり同じく常温付近で吸蔵水素の
放出が起こることが望ましい。図11は、前述のMg2N
iの組成を有する水素吸蔵合金の573°K(300℃)にお
ける等温水素吸蔵曲線のグラフである。このグラフの縦
軸は水素圧を対数目盛りで示し、横軸は吸蔵される水素
量を合金に対する重量%で示している。このグラフから
分かるようにMg2Ni水素吸蔵合金では、実用的なレ
ベルの水素吸蔵量である2重量%を得るためには300℃
で約3気圧(0.3MPa)の水素圧が必要になり、この
条件は温度が高すぎて実用化は困難である。
ム系合金の添加金属及び組成を種々検討したが、本発明
者による実験の範囲では常温レベルで水素吸蔵及び放出
を行える実用化可能なマグネシウム系合金は存在しなか
った。本発明者は更に実験を継続し、従来のマグネシウ
ム系合金の組成ではなく、合金の構造を種々検討して常
温レベルの水素吸蔵及び放出が可能な本発明の水素吸蔵
合金に到達した。従って本発明の目的は、常温レベルで
の水素吸蔵及び放出が可能な水素吸蔵合金を提供するこ
とである。
b(a及びbは0.2≦a≦5及び0.2≦b≦5であり、X
は、Cr、Mn、Fe、Co、Cu及びNiから成る群
から選択される1又は2以上の金属である)の組成の体
心立方格子構造を有することを特徴とする水素吸蔵合金
である。組成中のXはNi単独、Cu単独、Co単独、
Cr単独、Mn単独又はFe単独であっても、これらの
金属の2種以上の組み合わせであっても良い。
常温レベルでの水素吸蔵及び放出が可能なマグネシウム
系水素吸蔵合金に関し、従来存在しなかった体心立方格
子構造のマグネシウム系合金が常温レベルでの水素吸蔵
及び放出、特に吸蔵を行い得ることを見出し、本発明に到
達したものである。従来のMg2Ni型マグネシウム系
合金の結晶構造は六方晶で、この六方晶構造のマグネシ
ウム系合金は水素と合金の結合力が強く、従って水素ガ
スを吸蔵すると非常に安定な水素化物を形成する。この
水素化物が安定であるため、常温では水素放出ができ
ず、放出するためには300℃前後に加熱する必要があ
る。一方ラーベス構造を有するMgNi2型マグネシウ
ム系合金は水素を全く吸蔵しない。
が比較的不安定つまり非平衡状態にあれば水素と合金の
結合力が比較的弱く常温レベルの水素吸蔵及び放出が可
能になると予測し、前述の六方晶及びラーベス構造以外
の結晶構造を採り得るマグネシウム系合金を種々検討
し、特定の組成及び製造条件下で体心立方格子構造を有
するマグネシウム系合金が得られることを見出した。こ
の体心立方格子構造を有するマグネシウム系合金はその
殆どが、高水素吸蔵能を維持したままで、常温レベルで
水素吸蔵を行う。水素放出に関しては吸蔵のような低温
では起こりにくいと考えられるが、従来の水素吸蔵合金
より遥かに低い温度例えば100℃での放出が可能であ
る。該マグネシウム系合金はマグネシウムの他にバナジ
ウム(V)を必須成分として含み、第3成分として、C
r、Mn、Fe、Co、Cu及びNiから選択される1
又は2以上の金属を含む。このマグネシウム系合金は、
ボールミル中で各金属成分の粉末を金属ボールを使用し
て機械的に混合しかつ合金化させるメカニカルアロイン
グ(MA)により製造できる。
金は、Mg−Ni−V、Mg−Cu−V及びMg−Co
−Vの3元マグネシウム系合金であり、いずれの合金も
体心立方格子構造を有している。この他にMg−Cr−
V、Mg−Mn−V及びMg−Fe−Vの3元マグネシ
ウム系合金、及びMg及びV以外に2種類以上の前記第
3成分を含む4元以上の多元マグネシウム系合金があ
る。好ましい多元マグネシウム系合金としては、Mg−
Cr−Fe−V及びMg−Cr−Mn−V等がある。本
発明の各水素吸蔵合金は全ての組成において体心立方格
子構造を採るのではなく、特定の組成のみである。好ま
しい組成は、例えば各構成金属が等モルで合金化したM
gNiV、MgCuV及びMgCoV(いずれもa=
1、b=1)である。
種類とa及びbの値の範囲は異なるが、いずれも得られ
る水素吸蔵合金が体心立方格子構造を採るように設定す
る。具体的には、Mg−Ni−V、Mg−Cu−V及び
Mg−Co−Vの3元マグネシウム系合金では、a及び
bは0.2≦a≦5及び0.2≦b≦5、より好ましくは0.5
≦a≦2及び0.5≦b≦3.7である。他の3元マグネシ
ウム系合金や多元マグネシウム系合金ではa及びbの範
囲はやや狭くなり、0.5≦a≦2及び0.5≦b≦2とな
る。本発明のマグネシウム系水素吸蔵合金は、水素吸蔵
能及び軽量性に優れ、更に常温レベルでの水素吸蔵及び
放出を可能にしていることから、携帯に便利で長期間常
温近傍で使用できるため、水素を必要とする多数の用途
で使用できるが、自動車等に搭載される燃料電池用水素
源として特に好ましく使用できる。
施例を記載するが、本発明は該実施例に限定されるもの
ではない。
製の有底円筒状の反応容器内に、平均粒径が500μmの
マグネシウム0.6g、平均粒径が40μmのバナジウム1.2
6g及び平均粒径が20μmのニッケル1.46gを入れ(モ
ル比は1:1:1として、Mg1.0−Ni1.0−V1.0が
製造されるように調節した)、更にこの容器内に直径12
mmのWC製ボールを粉末総量とボール総量が1:40にな
るように収容し、容器内を脱気し、アルゴンで置換した
後に、蓋を閉めた。次いでこの容器を遊星ミルに固定
し、所定時間、容器内の攪拌を行い(メカニカルアロイ
ング)ながら、X線回折(XRD)を使用して容器内の
粉末の分析を行った。図1に攪拌開始時及び所定時間経
過時のX線回折図を示す。図1Aは攪拌開始時、図1B
は10時間経過時、図1Cは25時間経過時及び図1Dは50
時間経過時のそれぞれのX線回折図である。各図中で●
はマグネシウムの、▲はニッケルの、■はバナジウム
の、★は攪拌により生じる体心立方格子(bcc)構造
合金の、◆はWCのそれぞれのX線回折ピークを示して
いる。
ム、ニッケル及びバナジウムのみの回折ピークが観察さ
れる。図1Bでは、マグネシウム及びバナジウムの回折
ピークが消失し、ニッケルの回折ピークが僅かに残存
し、これらの代わりに大きなbccの回折ピーク(2θ
≒42°)及び小さい2本のbccの回折ピーク(2θ≒
61°及び77°)が生じている。マグネシウム及びバナジ
ウムの回折ピークの消失は通常固溶しないマグネシウム
とバナジウムがメカニカルアロイングにより合金化した
ことを示している。更に攪拌を行って25時間経過した図
1Cでは図1Bで観察されたニッケルの回折ピークも消
失して3本のbccピークのみとなっている。従ってこ
のマグネシウム系合金調製のためには25時間のメカニカ
ルアロイングで十分であることが分かる。攪拌時間が50
時間となった図1Dでは、3本のbccピーク以外に5
本のWCに起因するピークが生じている。25時間経過時
の合金をEDS(Energy Dispersive X−ray Spectrosc
opy、エネルギー分散型X線分光法)で分析したとこ
ろ、MgNiVでの偏析はなく、3金属の合金となって
いた。この結果から、合金構成金属の粉末をメカニカル
アロイングで合金化すると、bcc構造の構造が得られ
ることが分かった。攪拌時間は10時間では不十分で25時
間の攪拌が必要であった。より以上の攪拌は容器や攪拌
ボールのWCが削られて合金中に混入するため好ましく
ないことも分かった。
ス圧と該合金に吸蔵される水素の重量%の関係を測定し
た。得られた合金を真空容器に収容し容器内を脱気した
後、常温で水素を導入し、水素ガス圧が所定値になるよ
うに調節し、この操作を8回繰り返した。各操作におけ
るガス圧と合金に吸蔵された水素の合金に対する重量%
の関係(等温水素吸蔵曲線又はPCT曲線)を図2に示
した。図2の曲線は単体のバナジウム及びMg2Niの
いずれのものでもなく、bcc化が進行したことが分か
る。Mg2Ni合金の場合常温ではPCT曲線は10-5M
Pa付近で描かれ実用可能な水素ガス圧は実質的に真空
中に近いのに対し、本実施例のマグネシウム系合金では
水素ガス圧は実用レベルの数気圧であり、大きな改善が
認められた。又図2に見られるように、水素ガス圧が約
0.5MPa(5気圧)で約1.2重量%の、約1.05MPa(1
0.5気圧)で約1.6重量%の、約1.2MPa(12気圧)で約
2.3重量%の水素がそれぞれ合金に吸蔵された。これら
の水素ガス圧及び水素吸蔵量は実用的レベルである。2.
3重量%の水素が吸蔵された合金を100℃に昇温したとこ
ろ、吸蔵水素のほぼ100%が放出された。これにより実
質的に常温レベルでの水素の吸蔵及び放出が可能である
ことが分かった。
はこの三元組成図中のからの組成を有するマグネシ
ウム系合金を調製し、25時間のメカニカルアロイング時
のX線回折図を作成した。からの合金はと同様に
Mg、Ni及びV粉末を所望の組成になるように秤量混
合した後、メカニカルアロイングを行って→→の
順に三元組成図におけるバナジウム単独組成に近づけて
いった。
びV粉末を所望の組成になるように秤量混合した後、メ
カニカルアロイングを行って→→の順に三元組成
図におけるバナジウム単独組成に近づけていった。これ
ら計7個の合金のX線回折図を図4に示す。図4Aから
4Gは順にからの組成の合金のX線回折図である。
組成図上で、MgNi2からバナジウムへ引いた直線上
の組成の例では、殆どがbcc合金となったのに対し
(図4B〜4D)、Mg2Niからバナジウムへ引いた
直線上の組成の例では、bcc合金が生成したがMgN
i2も若干量存在した(図4E〜4G)。
用し(モル比は1:1:1として、Mg1.0−Cu1.0−
V1.0が製造されるように調節した)たこと以外は実施
例1と同様にして、25時間掛けてMg−Cu−V合金を
調製した。次にこの合金を使用して水素ガス圧と該合金
に吸蔵される水素の重量%の関係を実施例1と同様にし
て測定した。その結果を図5のグラフに示した。図5か
ら分かるように、水素ガス圧が約0.7MPa(7気圧)
で約0.9重量%の、約1.05MPa(10.5気圧)で約1.1重
量%の、約1.2MPa(12気圧)で約1.4重量%の水素が
それぞれ合金に吸蔵されたことが分かる。これらの水素
ガス圧及び水素吸蔵量は実用的レベルである。1.4重量
%の水素が吸蔵された合金を100℃に昇温したところ、
吸蔵水素のほぼ100%が放出された。これにより実質的
に常温レベルでの水素の吸蔵及び放出が可能であること
が分かった。
図中のからの組成を有するマグネシウム系合金を調
製し、25時間のメカニカルアロイング後のX線回折図を
作成した。なおMg−Cu−Vの三元組成図は、図3の
Mg−Ni−Vの三元組成図中のNiをCuで置換した
もので、からの組成も図3でNiをCuで置換した
ものに等しい。からの合金はと同様にMg、Cu
及びV粉末を所望の組成になるように秤量合金した後、
メカニカルアロイングを行って→→の順に三元組
成図におけるバナジウム単独組成に近づけていった。
びV粉末を所望の組成になるように秤量合金した後、メ
カニカルアロイングを行って→→の順に三元組成
図におけるバナジウム単独組成に近づけていった。これ
ら計7個の合金のX線回折図を図6に示す。図6Aから
6Gは順にからの組成の合金のX線回折図である。
組成図上で、MgCu2からバナジウムへ引いた直線上
の組成の例では、殆どがbcc合金となったのに対し
(図6B〜6D)、Mg2Cuからバナジウムへ引いた
直線上の組成の例では、bcc合金が生成したがMgN
i2も若干量存在した(図6E〜6G)。
gを使用し(モル比は1:1:1として、Mg1.0−C
o1.0−V1.0が製造されるように調節した)たこと以外
は実施例1と同様にして、所定時間、容器内の攪拌を行
いながら、X線回折(XRD)を使用して容器内の粉末
の分析を行った。図7に攪拌開始時及び所定時間経過時
のX線回折図を示す。図7Aは攪拌開始時、図7Bは25
時間経過時、図7Cは50時間経過時のそれぞれのX線回
折図である。各図中で●はマグネシウムの、▲はコバル
トの、■はバナジウムの、★は攪拌により生じる体心立
方格子(bcc)構造合金のそれぞれのピークを示して
いる。
ム、コバルト及びバナジウムのみのピークが観察され
る。攪拌時間が25時間である図7Bでは、マグネシウム
及びバナジウムのピークが消失し、コバルトのピークが
僅かに残存し、これらの代わりに大きなbccのピーク
(2θ≒42°)及び小さい2本のbccのピーク(2θ
≒61°及び77°)が生じている。これは通常固溶しない
マグネシウムとバナジウムがメカニカルアロイングによ
り合金化したことを示している。更に攪拌を行って50時
間経過した図7Cでは図7Bで観察されたニッケルのピ
ークも消失して3本のbccピークのみとなっている。
得られた合金を分析したところ、bcc構造を有するM
g1.0−Co1.0−V1.0合金であった。
ス圧と該合金に吸蔵される水素の重量%の関係を実施例
1の場合と同様にして測定した。得られた等温水素吸蔵
曲線(PCT曲線)を図8に示した。図8から、水素ガ
ス圧が約0.8MPa(8気圧)で約0.35重量%の、約1.05
MPa(10.5気圧)で約0.55重量%の、約1.2MPa(12
気圧)で約0.95重量%の水素がそれぞれ合金に吸蔵され
たことが分かる。これらの水素ガス圧及び水素吸蔵量は
若干低いが実用的レベルといえる。0.95重量%の水素が
吸蔵された合金を100℃に昇温したところ、吸蔵水素の
ほぼ100%が放出された。これにより実質的に常温レベ
ルでの水素の吸蔵及び放出が可能であることが分かっ
た。
gを使用し(モル比は1:1:1として、Mg1.0−M
n1.0−V1.0が製造されるように調節した)たこと以外
は実施例1と同様にして、所定時間、容器内の攪拌を行
いながら、X線回折(XRD)を使用して容器内の粉末
の分析を行った。図9に攪拌開始時及び所定時間経過時
のX線回折図を示す。図9Aは攪拌開始時、図9Bは25
時間経過時、図9Cは100時間経過時のそれぞれのX線
回折図である。各図中で●はマグネシウムの、▲はマン
ガンの、■はバナジウムの、★は攪拌により生じる体心
立方格子(bcc)構造合金のそれぞれのピークを示し
ている。
ム、マンガン及びバナジウムのみのピークが観察され
る。攪拌時間が25時間である図9Bでは、ピーク面積の
増減は見られるものの、bcc化は生じていない。更に
攪拌を行って100時間経過した図9Cでは各金属のピー
クが僅かに残存するものの、殆どが3本のbccピーク
のみとなっている。得られた合金を分析したところ、b
cc構造を有するMg1.0−Mn1.0−V1.0合金であっ
た。
用し(モル比は1:1:1として、Mg1.0−Fe1.0−
V1.0が製造されるように調節した)たこと以外は実施
例1と同様にして、所定時間、容器内の攪拌を行いなが
ら、X線回折(XRD)を使用して容器内の粉末の分析
を行った。図10に攪拌開始時及び所定時間経過時のX線
回折図を示す。図10Aは攪拌開始時、図10Bは25時間経
過時、図10Cは50時間経過時、図10Dは100時間経過時
のそれぞれのX線回折図である。各図中で●はマグネシ
ウムの、▲は鉄の、■はバナジウムの、★は攪拌により
生じる体心立方格子(bcc)構造合金のそれぞれのピ
ークを示している。
ム、鉄及びバナジウムのみのピークが観察される。攪拌
時間が25時間である図10B及び50時間である図10Cで
は、ピーク面積の増減は見られるものの、bcc化は生
じていない。更に攪拌を行って200時間経過した図10D
ではマグネシウムのピークが僅かに残存するものの、殆
どが3本のbccピークのみとなっている。得られた合
金を分析したところ、bcc構造を有するMg1.0−F
e1.0−V1.0合金であった。
a≦5及び0.2≦b≦5であり、Xは、Cr、Mn、F
e、Co、Cu及びNiから成る群から選択される1又
は2以上の金属である)の組成の体心立方格子構造を有
することを特徴とする水素吸蔵合金(請求項1)であ
る。本発明に係る水素吸蔵合金はマグネシウム系合金で
あり、マグネシウム系合金が本来有する高水素吸蔵能と
軽量性に加えて、非平衡状態にある体心立方格子構造に
より常温レベルの水素吸蔵及び放出が可能になる。従っ
て常温付近で比較的大量の水素を吸蔵しかつ放出できか
つ取扱いも簡便な水素吸蔵合金が提供できる。前述の本
発明に係る水素吸蔵合金のうち、特に好ましい合金は、
MgNiaVb(請求項2)、MgCuaVb(請求項3)及び
MgCoaVb(請求項4)の三元合金であり、これらの三
元合金ではより良好な特性を有する水素吸蔵合金が提供
される。この他に、MgCraVb(請求項5)、MgMn
aVb(請求項6)及びMgFeaVb(請求項7)も実用レベ
ルの水素吸蔵合金として使用可能である。更に請求項1
の水素吸蔵合金の成分Xとして、Cr、Mn、Fe、C
o、Cu及びNiから成る群から選択される2種以上の
金属を組み合わせて使用しても良い(請求項8)。
アロイングによるMg−Ni−V合金調製時の所定経過
時間におけるX線回折図。
吸蔵時の水素ガス圧と水素吸蔵量の関係を示すグラフ。
−Ni−V合金のX線回折図。
吸蔵時の水素ガス圧と水素吸蔵量の関係を示すグラフ。
−Cu−V合金のX線回折図。
アロイングによるMg−Co−V合金調製時の所定経過
時間におけるX線回折図。
吸蔵時の水素ガス圧と水素吸蔵量の関係を示すグラフ。
アロイングによるMg−Mn−V合金調製時の所定経過
時間におけるX線回折図。
ルアロイングによるMg−Fe−V合金調製時の所定経
過時間におけるX線回折図。
金の等温水素吸蔵曲線のグラフ。
Claims (8)
- 【請求項1】 MgXaVb(a及びbは0.2≦a≦5及び
0.2≦b≦5であり、Xは、Cr、Mn、Fe、Co、C
u及びNiから成る群から選択される1又は2以上の金
属である)の組成の体心立方格子構造を有することを特
徴とする水素吸蔵合金。 - 【請求項2】 MgNiaVb(a及びbは0.2≦a≦5及
び0.2≦b≦5である)の組成の体心立方格子構造を有す
ることを特徴とする水素吸蔵合金。 - 【請求項3】 MgCuaVb(a及びbは0.2≦a≦5及
び0.2≦b≦5である)の組成の体心立方格子構造を有す
ることを特徴とする水素吸蔵合金。 - 【請求項4】 MgCoaVb(a及びbは0.2≦a≦5及
び0.2≦b≦5である)の組成の体心立方格子構造を有す
ることを特徴とする水素吸蔵合金。 - 【請求項5】 MgCraVb(a及びbは0.2≦a≦5及
び0.2≦b≦5である)の組成の体心立方格子構造を有す
ることを特徴とする水素吸蔵合金。 - 【請求項6】 MgMnaVb(a及びbは0.2≦a≦5及
び0.2≦b≦5である)の組成の体心立方格子構造を有す
ることを特徴とする水素吸蔵合金。 - 【請求項7】 MgFeaVb(a及びbは0.2≦a≦5及
び0.2≦b≦5である)の組成の体心立方格子構造を有す
ることを特徴とする水素吸蔵合金。 - 【請求項8】 MgXaVb(a及びbは0.2≦a≦5及び
0.2≦b≦5であり、Xは、Cr、Mn、Fe、Co、C
u及びNiから成る群から選択される2種類以上の金属
である)の組成の体心立方格子構造を有することを特徴
とする水素吸蔵合金。
Priority Applications (3)
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