JP4925571B2 - 基板の熱的性質判定方法及び熱処理条件の決定方法 - Google Patents

基板の熱的性質判定方法及び熱処理条件の決定方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板の熱的性質判定方法及び熱処理条件の決定方法に関する。
従来、半導体デバイス等の製造に用いられる熱処理方法として、急速熱処理(RTP:Rapid Thermal Process)が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。RTPに用いられる急速熱処理装置は、例えば、基板を加熱するためのランプと、ランプに対向配置された温度センサ(例えば、パイロメータ等)と、ランプと温度センサとの間に基板を保持するためのエッジリングとを備えている。ランプと温度センサとの間に基板を挿入し、ランプを用いて基板に赤外線を照射すると、基板の温度は急速に上昇する。温度センサは、基板からの輻射熱を検知する。
特許第2711239号公報 特表2002−510153号公報
ところで、RTPでは、オープンループ制御によって基板を昇温させるオープンループステップと、クローズドループ制御によって基板の温度を上昇させ、維持するクローズドループステップとを順に行うことができる。
オープンループステップでは、例えば、ランプを用いて基板に約30秒間赤外線を照射することによって、基板が250℃から400℃に昇温される。このとき、熱応力に起因する基板の反りや割れを防止しながら基板の温度を均一且つ急速に上昇させるために、ランプパワー(ランプに印加される電力)は予め最適化された一定値に維持されている。かかる基板の反りや割れは、200mmφのシリコンウェハに比べて300mmφのシリコンウェハにおいて顕著となる。
一方、クローズドループステップでは、温度センサから逐次出力される温度データと、予め決められた設定温度とを比較して、その比較結果を用いてランプパワーを自動調整する。
ここで、オープンループステップにおけるランプパワーの最適値は、基板の熱的性質(例えば、赤外吸収特性、赤外透過特性等)に依存する。しかしながら、基板の熱的性質を判定することは困難であり、ランプパワーの最適値は、通常、トライアンドエラーにより決定される。
そこで、本発明は、短時間で基板の熱的性質を判定できる方法及びオープンループステップの熱処理条件を決定できる方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の基板の熱的性質判定方法は、基板を加熱するためのランプとランプに対向配置された温度センサとを備えた急速熱処理装置内で、ランプと温度センサとの間に配置された基板にランプを用いてパルス加熱を施しながら、温度センサから逐次出力される温度データを得る工程と、温度データを用いて基板の熱的性質を判定する工程とを含む。ここで、「パルス加熱」とは、例えば、エネルギー量がパルス状に繰り返し変化するエネルギー線による加熱をいう。以下、同じ。
ランプから出射されたエネルギー線が基板に吸収されると、当該基板は加熱される。温度センサは、加熱された基板からの輻射熱を検知して、温度データを逐次出力する。また、エネルギー線の一部が基板を透過する場合、温度センサは基板を透過したエネルギー線も検知する。本発明の基板の熱的性質判定方法では、得られる温度データが基板の熱的性質に関する情報を含んでいるので、基板の熱的性質を短時間で判定することができる。さらに、パルス加熱を用いるので、基板の反りや割れ等を十分に抑制しながら短時間で加熱することができる。
また、パルス加熱におけるパルス幅は、1秒以上であると好ましい。この場合、パルス加熱により基板を短時間で加熱することができる。ここで、「パルス幅」とは、例えば、パルスの前縁での半値点から後縁での半値点までの時間をいう。以下、同じ。
また、パルス加熱におけるパルス幅は、10秒以下であると好ましい。この場合、基板の急激な温度上昇を抑制することができるので、基板の反りや割れを抑制することができる。
本発明の熱処理条件の決定方法は、基板を加熱するためのランプとランプに対向配置された温度センサとを備えた急速熱処理装置内で、ランプと温度センサとの間に配置された基板をオープンループ制御により昇温させるオープンループステップの熱処理条件を決定する方法であって、急速熱処理装置内で、ランプを用いて基板にパルス加熱を施しながら、温度センサから逐次出力される温度データを得る工程と、温度データを用いてオープンループステップの熱処理条件を決定する工程とを含む。
ランプから出射されたエネルギー線が基板に吸収されると、当該基板は加熱される。温度センサは、加熱された基板からの輻射熱を検知して、温度データを逐次出力する。また、エネルギー線の一部が基板を透過する場合、温度センサは基板を透過したエネルギー線も検知する。本発明の熱処理条件の決定方法では、得られる温度データが基板の熱的性質に関する情報を含んでいるので、基板の熱的性質に依存する最適なオープンループステップの熱処理条件を短時間で決定することができる。さらに、パルス加熱を用いるので、基板の反りや割れ等を十分に抑制しながら短時間で加熱することができる。
また、パルス加熱におけるパルス幅は、1秒以上であると好ましい。この場合、パルス加熱により基板を短時間で加熱することができる。
また、パルス加熱におけるパルス幅は、10秒以下であると好ましい。この場合、基板の急激な温度上昇を抑制することができるので、基板の反りや割れを抑制することができる。
また、オープンループステップの熱処理条件を決定する工程では、温度データの測定期間における温度データの最大値及び最小値を用いてオープンループステップの熱処理条件を決定すると好ましい。かかる最大値及び最小値に着目することにより、オープンループステップの熱処理条件を容易に決定できる。
また、オープンループステップの熱処理条件には、基板の中央部を含む第1領域を昇温させるための第1熱処理条件と、基板の中央部を取り囲み第1領域とは異なる熱的性質を有する基板の第2領域を昇温させるための第2熱処理条件とが含まれており、オープンループステップの熱処理条件を決定する工程は、温度データを用いて第1熱処理条件を決定する工程と、温度データを用いて第2熱処理条件と第1熱処理条件との比率を算出する工程と、第1熱処理条件と比率とを用いて第2熱処理条件を決定する工程とを含む。
この熱処理条件の決定方法では、基板の第1領域と第2領域とを同一の熱処理条件で加熱する場合に比べて、基板の面内温度差を小さくすることができる。
また、第1熱処理条件を決定する工程では、温度データの測定期間における温度データの最大値及び最小値を用いて第1熱処理条件を決定し、比率を算出する工程では、温度データの測定期間における温度データの最大値及び最小値を用いて比率を算出すると好ましい。かかる最大値及び最小値に着目することにより、第1熱処理条件を容易に決定できる。
本発明によれば、短時間で基板の熱的性質を判定できる方法及びオープンループステップの熱処理条件を決定できる方法を提供することができる。
以下、図面とともに本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
(急速熱処理装置)
まず、図1〜図5を参照して急速熱処理装置(RTP装置)について説明する。図1は、急速熱処理装置の一例を示す斜視図(一部断面図)であり、図2は、図1の急速熱処理装置の部分拡大断面図である。急速熱処理装置1は、例えば、シリコンウェハ等のウェハW(基板)を温度制御しながら熱処理を行うための枚葉式急速熱処理装置である。急速熱処理装置1は、例えばLSI等の半導体デバイスの製造に用いられる。急速熱処理装置1はベース部2a、側壁部2b及び蓋部2cから構成されるチャンバ2を備える。
チャンバ2内には、ウェハWを支持するサセプタ等の基板支持部3が設置されている。基板支持部3は、ベース部2aにベアリング4又は磁気浮上式回転機構を介して回転自在に取り付けられた円筒フレーム5と、円筒フレーム5の上端に設けられたエッジリング6とから成る。エッジリング6の内側縁部には、ウェハWのエッジ部を支持するための支持用段部6aが設けられている。
ここで、ウェハWが基板支持部3に支持された状態(図2参照)では、ウェハWの裏面側に、ベース部2aと基板支持部3とウェハWとで囲まれた閉空間Saが形成される。なお、エッジリング6の支持用段部6aにウェハWのエッジ部が載ったときには、装置の構造上、ウェハWとエッジリング6との間に若干の間隙が生じることがある。
ベース部2aの下部には、搬送ロボット(図示せず)によりチャンバ2内に搬送されたウェハWを基板支持部3に支持させるためのリフト機構7が設けられている。このリフト機構7は、ベース部2aを貫通してウェハWを持ち上げる複数本(例えば3本)の支持ピン8を有している。
チャンバ2の側壁部2bには、ガス供給口12とガス排出口13とが対向して設けられている。ガス供給口12には、チャンバ2内における閉空間Saの外部、すなわちウェハWの表面側の空間SbにプロセスガスとしてのNガスGpを供給するためのガス供給系(図示せず)が接続されている。プロセスガスとしては、Nガスの他に、Oガス、NHガス、NOガス、NOガス、Hガス等が挙げられる。一方、ガス排出口13には、空間Sb内のガスをチャンバ2の外部に排出するためのガス排出系(図示せず)が接続されている。
チャンバ2の蓋部2cの上方には、基板支持部3に支持されたウェハWを加熱するための複数のランプ9から成るランプ群9Gが配置されている。ランプ9としては、例えばハロゲンランプが好適に用いられる。蓋部2cには円形のランプ用窓部Lwが設けられており、ランプ9から出射される赤外線等のエネルギー線(光)は、このランプ用窓部Lwを透過してウェハWに到達する。エネルギー線がウェハWに吸収されると、ウェハWの温度が上昇する。ベース部2aには、ウェハWからの輻射熱又はウェハWを透過したエネルギー線を光学的に検出するためのパイロメータ等といった温度センサT1〜T7が設けられている。したがって、急速熱処理装置1内でランプ群9Gと温度センサT1〜T7とは互いに対向配置されており、ランプ群9Gと温度センサT1〜T7との間にはウェハWが配置されている。
温度センサT1〜T7は、ベース部2aにおける基板支持部3に囲まれた円形プレート11において、その中心と周縁の一部を含み且つ所定の角度(例えば90度)を有する略扇形のセンサ設置領域内に組み込まれている。温度センサT1〜T7は、例えば、円形プレート11の中心から周縁に向けて順に配列されている。なお、上述した閉空間Saは光学的には完全な閉空間とされており、光学式の温度センサT1〜T7による閉空間Saを利用した温度検出が支障なく実現される。
図2に示されるように、温度センサT1〜T7には、温度センサT1〜T7からそれぞれ逐次出力される温度データを収集する温度コントローラ20が光学的に接続されている。温度コントローラ20には、ランプ群9Gを駆動するランプドライバ22が接続されている。温度センサT1〜T7から得られる温度データは、ウェハWの温度の指標とされる。かかる温度データを用いて、温度コントローラ20ではランプ9に印加される電力(以下、ランプパワーとする)の最適値が決定される。その後、温度コントローラ20からランプドライバ22に信号が出力される。その結果、ランプ9からウェハWに向けて、所望のエネルギー量を有するエネルギー線が出射される。このようにクローズドループ制御を行うことにより、ウェハWの温度が所望の設定値に調整される。
図3は、ランプ群9Gの位置から見たウェハWの平面図であり、図4は、図3に示されるIV−IV矢印に沿った断面図である。なお、図3では、エッジリング6の支持用段部6aの一部を表示させるために便宜上ウェハWの一部を表示していない。エッジリング6の外径dは、ウェハWの直径dより大きい。ウェハWは、支持用段部6aによって支持されている。ウェハWは、中央部b(第1領域)と中央部bを取り囲む周縁部b(第2領域)とを有している。ウェハWの周縁部bはエッジリング6の支持用段部6aに接触しているので、周縁部bの熱的性質は、ウェハWの熱的性質に加えてエッジリング6の熱的性質にも依存する。したがって、中央部bと周縁部bとでは熱的性質が異なっている。
図5は、ウェハWの位置から見たランプ群9Gの平面図である。ランプ群9Gを構成するランプ9は、ハニカム状に配置されている。ランプ群9Gの中央領域a内のランプ9は、ウェハWの中央部b(図3参照)に対向配置され、中央部bを加熱する。ランプ群9Gの中央領域aを取り囲む領域a内のランプ9は、ウェハWの周縁部b(図3参照)に対向配置され、周縁部bを加熱する。領域aの周囲には周縁領域aが設けられている。
次に、図6を参照して急速熱処理装置1により実施される急速熱処理について説明する。図6は、上述の急速熱処理装置1内でウェハWに急速熱処理を施したときに、温度センサT1〜T7から逐次出力される温度データの一例を示すグラフである。図6中、グラフの縦軸は温度センサT1〜T7から出力される温度データ(℃)を示し、グラフの横軸は経過時間(秒)を示す。グラフ中、波形U1〜U7はそれぞれ温度センサT1〜T7から逐次出力される温度データを表している。
図6に示されるように、急速熱処理装置1内で実施される急速熱処理では、オープンループ制御を行うオープンループステップL1と、クローズドループ制御を行うクローズドループステップL2とが実施される。例えば、シリコン(Si)を基材とするウェハ(特にベアシリコンウェハ)は、その温度が400℃未満であるとエネルギー線を透過しやすい。このため、ウェハWの温度が400℃未満の場合、温度センサT1〜T7はウェハWを透過したエネルギー線も検出してしまう。よって、温度センサT1〜T7から逐次出力される温度データは、必ずしもウェハWの温度を反映していない。そこで、まず、オープンループステップL1においてウェハWは400℃程度まで昇温される。その後、クローズドループステップL2においてウェハWは1000℃程度まで昇温される。図6に示される例では、急速熱処理の条件は、圧力:760×133.322Pa(760Torr)、Oガス流量:20slm、昇温時間:60秒である。ここで、「slm」とは、0℃、1atmにおける1分間あたりの流量(リットル)を示す。これは、引き続く説明においても同じである。図6のグラフを参照すると、オープンループステップL1では波形U1〜U7間に差が見られるが、クローズドループステップL2では波形U1〜U7間に差がほとんど見られない。
本実施形態では、オープンループステップL1において、図5に示される中央領域a内の各ランプ9のランプパワーを中央ランプパワーG1、領域a内の各ランプ9のランプパワーを周縁ランプパワーG2とする。中央領域a内のランプ9と領域a内のランプ9とでランプパワーを変えることにより、オープンループステップL1からクローズドループステップL2に切り替えるときにおけるウェハWの面内温度差ΔT(以下、単に面内温度差ΔTとする)を小さくすることができる。面内温度差ΔTは、例えば、温度センサT1から得られる温度データと温度センサT7から得られる温度データとの差分により表される。また、中央ランプパワーG1と周縁ランプパワーG2との関係をウェハの種類に応じて最適化することにより、面内温度差ΔTを更に小さくできる。図6に示される例では、オープンループステップL1における中央ランプパワーG1がフルパワーの24%、周縁ランプパワーG2がフルパワーの33%である。
図5に示されるランプ群9Gの周縁領域a内のランプ9は、温度センサT1〜T7から得られる温度データが500℃以下の場合、ウェハWの昇温にほとんど寄与しない。周縁領域a内の各ランプ9のランプパワーをランプパワーG3とすると、図6に示される例では、オープンループステップL1におけるランプパワーG3はフルパワーの5%に固定されている。
(基板の熱的性質判定方法及び熱処理条件の決定方法)
次に、第1実施形態に係る基板の熱的性質判定方法及び熱処理条件の決定方法について説明する。本実施形態に係る基板の熱的性質判定方法は、急速熱処理装置1を用いて好適に実施される。また、本実施形態に係る熱処理条件の決定方法は、上述のオープンループステップL1及びクローズドループステップL2を含む急速熱処理に先立って、急速熱処理装置1を用いて好適に実施される。
まず、急速熱処理装置1内でランプ群9Gと温度センサT1〜T7との間にウェハWを配置させる。続いて、ランプ群9Gのランプ9を用いてウェハWにパルス加熱を施しながら、温度センサT1〜T7から逐次出力される温度データを得る。ウェハWにパルス加熱を施すと、ランプ9から出射されたエネルギー線は、ウェハWに吸収される。温度センサT1〜T7は、加熱されたウェハWからの輻射熱を検知して、温度データを温度コントローラ20に逐次出力する。エネルギー線の一部がウェハWを透過する場合、温度センサT1〜T7はウェハWを透過したエネルギー線も検知する。
図7は、互いに異なる熱的性質を有するウェハWA,WHにそれぞれパルス加熱を施したときに温度センサT1から逐次出力される温度データの一例を示すグラフである。ウェハWA,WHは、上述のウェハWの具体例である。図7中、グラフの一方の縦軸は温度センサT1から逐次出力される温度データ(℃)を示し、他方の縦軸はランプ9のフルパワーを100%とした場合のランプパワー(%)を示す。グラフの横軸は経過時間(秒)を示す。
グラフ中の波形UA,UHは、それぞれウェハWA,WHを用いた場合に得られる温度データを示す。グラフ中の波形RPは、ランプパワーの経時変化を示し、複数のパルスが繰り返される波形を描いている。波形RPでは、複数の加熱期間HS及び複数の冷却期間CSが交互に繰り返され、1つの加熱期間HSに1つのパルスが位置している。この冷却期間CSによって、ウェハWA,WHの反りや割れ等が十分に防止される。
図7に示される例では、加熱期間HS及び冷却期間CSの時間はそれぞれ4秒間である。加熱期間HS及び冷却期間CSの時間は同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。加熱期間HSでは、図5に示されるランプ群9Gの中央領域a及び領域a内のランプ9のランプパワーは、例えばいずれもフルパワーの19%であり、周縁領域a内のランプ9のランプパワーは、例えばいずれもフルパワーの5%である。冷却期間CSでは、中央領域a、領域a及び周縁領域a内のランプ9のランプパワーは、例えばいずれもフルパワーの5%である。また、パルス加熱時のその他の条件は、例えば圧力:740×133.322Pa(740Torr)、Nガス流量:10slmである。
上記波形UA,UHで表される温度データは、それぞれウェハWA,WHの熱的性質に関する情報を含んでいる。このため、波形UA,UHで表される温度データを用いると、ウェハWA,WHの熱的性質を例えば以下のように短時間で簡便に判定できる。また、パルス加熱の場合、ウェハWA,WHの反りや割れ等を十分に抑制することができる。なお、図7には波形UA,UHで表される温度データの測定期間の一部(経過時間:750〜770秒)が示されている。測定期間では、図7に示されるように、温度データの極大値及び極小値が飽和している。例えば、「測定期間」とは、隣り合う温度データの極小値間の差が±0.2℃以内となる期間を意味する。
図7に示される例では、波形UA,UHで表される温度データの測定期間における温度データの最大値T1maxは約390℃であり、最小値T1minは約370℃である。この場合、最大値T1maxと最小値T1minとの差ΔT1(ΔT1=T1max−T1min)は、約20℃である。最大値T1max及び最小値T1minが大きいと、エネルギー線を吸収することにより温まりやすいウェハであることが分かる。また、差ΔT1が大きいと、エネルギー線が透過しやすいウェハであることが分かる。
また、図7に示される例では、加熱期間HSにおける波形UAの温度データが直線的に上昇しており、冷却期間CSにおける波形UAの温度データが直線的に下降している。一方、加熱期間HSにおける波形UHの温度データは上に凸となるように上昇しており、冷却期間CSにおける波形UHの温度データは下に凸となるように下降している。これらのことから、ウェハWHはウェハWAに比べてエネルギー線を透過させやすいことが分かる。
また、未知の熱的性質を有するウェハに対しても同様に、上記パルス加熱を施して得られる温度データを用いて当該ウェハの熱的性質を短時間で簡便に判定することができる。また、パルス加熱の場合、ウェハの反りや割れ等を十分に抑制することができる。
続いて、ランプ群9Gのランプ9を用いてウェハWにパルス加熱を施すときに温度センサT1〜T7から逐次出力される温度データを用いて、図6に示されるオープンループステップL1におけるランプ9のランプパワー(熱処理条件)を決定する。このランプパワーとしては、上述の中央ランプパワーG1(第1熱処理条件G1)及び周縁ランプパワーG2(第2熱処理条件G2)が挙げられる。この場合、上記パルス加熱により得られる温度データを用いると、後述するように、短時間で簡便にオープンループステップL1におけるランプ9の中央ランプパワーG1及び周縁ランプパワーG2を決定することができる。また、パルス加熱の場合、ウェハWの反りや割れ等を十分に抑制することができる。
例えば、ウェハWとしてウェハWA,WHを用いると、図7に示されるように、パルス加熱により波形UA,UHで表される温度データが得られる。この温度データの測定期間における温度データの最大値Tmax及び最小値Tminを用いると、容易に中央ランプパワーG1及び周縁ランプパワーG2を決定することができる。以下、詳細に説明する。
(中央ランプパワーG1の決定)
まず、上記波形UA,UHで表される温度データの最大値T1max、及び、最大値T1maxと最小値T1minとの差ΔT1を用いて、下記式(1)で表される吸収補正係数Kabを定義する。
Kab=1−(ΔT1/T1max) … (1)
この吸収補正係数Kabに最小値T1minを乗じると、(Kab)・(T1min)が得られる。この(Kab)・(T1min)と、下記式(2)で表される一次関数式とを用いて中央ランプパワーG1を決定する。式中、p及びqは所定の定数を示す。
G1=p×(Kab)・(T1min)+q … (2)
図8は、(Kab)・(T1min)と中央ランプパワーG1との関係を示すグラフである。図8中、グラフの縦軸は中央ランプパワーG1(%)を示し、グラフの横軸は(Kab)・(T1min)(K)を示す。グラフ中の近似直線L10,L15,L20,L25,L30,L35,L40は、上記式(2)で表される一次関数式の具体例である。近似直線L10,L15,L20,L25,L30,L35,L40は、それぞれ、オープンループステップにおいて温度センサT1から出力される温度データを250℃から400℃まで上昇させるのに必要な時間(以下、温度上昇時間とする)が10秒、15秒、25秒、30秒、35秒、40秒の場合に対応する。
近似直線L10,L15,L20,L25,L30,L35,L40は次にように得られる。まず、互いに異なる熱的性質を有するウェハWA〜WH,WJにそれぞれパルス加熱を施したときに温度センサT1から逐次出力される温度データから吸収補正係数Kab及び最小値T1minを算出する。一方、各ウェハWA〜WH,WJに対して、温度上昇時間が10秒、15秒、25秒、30秒、35秒、40秒となる中央ランプパワーG1をそれぞれ実験的に求める。そして、(Kab)・(T1min)に対して中央ランプパワーG1をプロットすると図8のグラフが得られる。
また、未知の熱的性質を有するウェハに対しても同様に、パルス加熱により得られる温度データから(Kab)・(T1min)を算出できる。さらに、所望の温度上昇時間を設定して、当該温度上昇時間に対応する近似直線L10,L15,L20,L25,L30,L35,L40を用いることによって短時間で簡便に中央ランプパワーG1を決定できる。例えば、温度上昇時間を30秒とした場合、ウェハにパルス加熱を施して得られる温度データから算出される(Kab)・(T1min)と、近似直線L30とを用いることにより、中央ランプパワーG1が決定される。
図9は、温度上昇時間と面内温度差ΔTとの関係を示すグラフである。図9中、グラフの縦軸は面内温度差ΔT(℃)を示し、グラフの横軸は温度上昇時間(秒)を示す。グラフ中の実線L50〜L60は、互いに異なる熱的性質を有するウェハWA〜WKに対してそれぞれ急速熱処理を施したときの温度上昇時間及び面内温度差ΔTを示す。グラフより、温度上昇時間の最適値は、約25秒〜約30秒(領域RT内)であることが分かる。温度上昇時間が30秒を超える場合(領域BD)、オープンループステップの時間が長くなるので、急速熱処理のスループットが低下する傾向にある。一方、温度上昇時間が25秒未満の場合(領域HT)、ウェハWA〜WKが急速に加熱されるため、面内温度差ΔTが大きくなる傾向にある。したがって、図8では近似直線L25,L30のいずれか一方を用いて最適な中央ランプパワーG1を決定することが好ましい。
(比率G2/G1の算出)
一方、中央ランプパワーG1の決定とは別に、面内温度差ΔTを最小にする比率G2/G1の算出を行う。まず、比率G2/G1について図10(A)及び図10(B)を用いて説明する。
図10(A)及び図10(B)は、オープンループステップにおける中央ランプパワーG1(%)と周縁ランプパワーG2(%)との関係を示す図である。図10(A)及び図10(B)に示される例では、オープンループステップにおける熱処理の条件は、例えば圧力:740×133.322Pa(740Torr)、Nガス流量:10slmである。
図10(A)は、互いに異なる熱的性質を有するウェハWA〜WKについて、中央ランプパワーG1をフルパワーの18〜30%の範囲内において変化させ、それぞれの中央ランプパワーG1に対して面内温度差ΔTが最小となる周縁ランプパワーG2を実験的に求めた結果を示す。
図10(B)は、図10(A)の実験結果から得られた比率G2/G1を示す。図10(B)に示されるように、中央ランプパワーG1が変化しても比率G2/G1は略一定値であることから、比率G2/G1はウェハの固有値であることが確認される。比率G2/G1の値としては、例えば平均値を用いることができる。比率G2/G1を用いれば、ウェハを熱的性質ごとに分類することができる。具体的には、例えば、比率G2/G1が大きいと温まりやすいウェハであることが分かる。一方、比率G2/G1が小さいと温まり難いウェハであることが分かる。
次に、比率G2/G1の算出方法について図11(A)及び図11(B)のグラフを用いて説明する。図11(A)及び図11(B)は、いずれも(Kab)・(T1min)と比率G2/G1との関係を示すグラフである。図11(A)及び図11(B)中、グラフの縦軸はいずれも比率G2/G1を示し、グラフの横軸はいずれも(Kab)・(T1min)(K)を示す。
図11(A)中、実線LEは、ランプ9のランプパワーをフルパワーの19%(低パワー)としてパルス加熱を行ったときの結果を示している。一実施例では、図5に示されるランプ群9Gの中央領域a及び領域a内のランプ9のランプパワーは、例えばいずれもフルパワーの19%であり、周縁領域a内のランプ9のランプパワーは、例えばいずれもフルパワーの5%である。また、パルス加熱時のその他の条件は、例えば圧力:740×133.322Pa(740Torr)、Nガス流量:10slmである。低パワーでパルス加熱を行うと、例えば、図7の波形UA,UHで表される温度データが得られる。この温度データを用いて算出された(Kab)・(T1min)を、図11(A)中の実線LEで表される関数式に代入すると、比率G2/G1が算出される。
一方、図11(B)中、実線HEは、ランプ9のランプパワーをフルパワーの23%(高パワー)としてパルス加熱を行ったときの結果を示している。一実施例では、図5に示されるランプ群9Gの中央領域a及び領域a内のランプ9のランプパワーは、例えばいずれもフルパワーの23%であり、周縁領域a内のランプ9のランプパワーは、例えばいずれもフルパワーの5%である。また、パルス加熱時のその他の条件は、例えば圧力:740×133.322Pa(740Torr)、Nガス流量:10slmである。高パワーでパルス加熱を行うと、温度センサT1〜T7から逐次出力される温度データが得られる。この温度データを用いて算出された(Kab)・(T1min)を、図11(B)中の実線HEで表される関数式に代入すると、比率G2/G1が算出される。
また、未知の熱的性質を有するウェハに対しても同様に、低パワー又は高パワーでパルス加熱を施したときに得られる温度データから(Kab)・(T1min)を算出できる。この(Kab)・(T1min)を、図11(A)中の実線LE又は図11(B)中の実線HEで表される関数式に代入すると、比率G2/G1を算出することができる。
(周縁ランプパワーG2の決定)
上述のようにして得られた中央ランプパワーG1及び比率G2/G1を用いて周縁ランプパワーG2を決定する。
図12は、本実施形態に係る熱処理条件の決定方法の一例を示すフローチャートである。まず、急速熱処理装置1内でランプ9のランプパワーを、例えばフルパワーの19%(低パワー)としてウェハにパルス加熱を施す(工程S1)。このとき、温度センサT1から逐次出力された温度データから吸収補正係数Kab及び最小値T1minの値を算出する(工程S2)。最小値T1minが温度センサT1の検出限界値、例えば250℃を超えていない場合には、ランプ9のランプパワーを、例えばフルパワーの23%(高パワー)としてウェハにパルス加熱を施す(工程S3)。このとき得られる温度データから吸収補正係数Kab及び最小値T1minの値を算出する(工程S4)。
続いて、得られた(Kab)・(T1min)と、例えば図8のグラフに示される近似直線L10,L15,L20,L25,L30,L35,L40とを用いて、中央ランプパワーG1を決定する(工程S5a)。一方、得られた(Kab)・(T1min)と、図11(A)中の実線LE又は図11(B)中の実線HEとを用いて比率G2/G1を算出する(工程S5b)。その後、中央ランプパワーG1と比率G2/G1とを用いて周縁ランプパワーG2を決定する(工程S6)。
また、パルス加熱におけるパルス幅は、1秒以上であると好ましい。この場合、パルス加熱によりウェハを短時間で加熱することができる。このため、短時間で簡便にウェハの熱的性質を判定することができると共に、オープンループステップL1のランプパワーを決定することができる。また、パルス幅は10秒以下であると好ましい。この場合、ウェハの急激な温度上昇を抑制することができるので、ウェハの反りや割れを抑制することができる。一実施例では、パルス幅を例えば4秒とすることができる。パルス幅は、図7の加熱期間HSに対応する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る基板の熱的性質判定方法及び熱処理条件の決定方法について説明する。本実施形態に係る基板の熱的性質判定方法は、急速熱処理装置1を用いて好適に実施される。また、本実施形態に係る熱処理条件の決定方法は、上述のオープンループステップL1及びクローズドループステップL2を含む急速熱処理に先立って、急速熱処理装置1を用いて好適に実施される。
図13は、互いに異なる熱的性質を有するウェハW1〜W4にパルス加熱を施したときに温度センサT1から逐次出力される温度データの一例を示すグラフである。図13中、グラフの一方の縦軸は温度センサT1から逐次出力される温度データ(℃)を示し、他方の縦軸はランプ9のフルパワーを100%とした場合のランプパワー(%)を示す。グラフの横軸は経過時間(秒)を示す。図13に示される例では、図5に示されるランプ群9Gの中央領域a及び領域a内のランプ9のランプパワーは、例えばいずれもフルパワーの24%であり、周縁領域a内のランプ9のランプパワーは、例えばいずれもフルパワーの5%である。また、パルス幅は例えば4秒である。パルス加熱時のその他の条件は、圧力:10×133.322Pa(10Torr)、Nガス流量:10slmである。
グラフ中の波形U1〜U4は、ウェハW1〜W4を用いた場合の温度データをそれぞれ示す。ウェハW1は厚さ9nmのSiO膜が設けられたSiウェハであり、輻射率Eは0.60である。ウェハW2は厚さ170nmのSiO膜が設けられたSiウェハであり、輻射率Eは0.90である。ウェハW3は厚さ240nmのSi膜が設けられたSiウェハであり、輻射率Eは0.66である。ウェハW4は厚さ120nmのSi膜が設けられたSiウェハであり、輻射率Eは0.98である。グラフ中の波形RPは、ランプパワーの経時変化を示し、複数のパルスが繰り返される波形を描いている。
図13に示されるグラフより、ウェハW1,W2は温まり難く、ウェハW3,W4は温まりやすいことが分かる。また、同じ材料からなる膜が設けられたSiウェハにおいては、輻射率Eが高いほど温まりやすいことが分かる。さらに、SiO膜が設けられたSiウェハよりもSi膜が設けられたSiウェハの方が温まりやすいことが分かる。
図14は、ベアシリコンウェハにパルス加熱を施したときに温度センサT1から逐次出力される温度データの一例を示すグラフである。温度データが300℃以下では、温度データが300℃を超える場合に比べて、隣り合う温度データの極大値と極小値との差ΔT2が大きい。これは、温度データが300℃以下の場合にウェハを透過するエネルギー線の影響が大きいことを示している。
図13及び図14に示される温度データを用いると、ウェハの熱的性質を短時間で簡便に判定することができる。また、第1実施形態と同様に、オープンループステップにおけるランプパワーを短時間で簡便に決定することができる。このランプパワーは、例えば、図5に示されるランプ群9Gの中央領域a及び領域a内のランプ9のランプパワーを示す。中央領域a内のランプ9のランプパワーと領域a内のランプ9のランプパワーとは同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。さらに、パルス加熱を用いるのでウェハの反りや割れ等を十分に抑制しながら短時間で加熱することができる。
図15(A)は、互いに異なる熱的性質を有するウェハW5〜W9について中央ランプパワーG1と周縁ランプパワーG2との関係を示す図である。図15(A)には、各々の中央ランプパワーG1について、面内温度差ΔTが最小となるような周縁ランプパワーG2が表示されている。図15(B)は、ウェハW5〜W9について比率G2/G1を示す図である。図15(A)及び図15(B)より、比率G2/G1がウェハの固有値であることが確認される。
図16(A)は、ウェハW5〜W9に連続加熱を施したときに温度センサT1から得られる温度データを250℃から380℃に上昇させるのに必要な時間(秒)と、比率G2/G1との関係を示すグラフである。この連続加熱では、図5に示されるランプ群9Gの中央領域a及び領域a内のランプ9のランプパワーはフルパワーの20%に設定されている。図16(A)を用いると、ウェハに連続加熱を施したときに温度センサT1から得られる温度データを250℃から380℃に上昇させるのに必要な時間から、当該ウェハの比率G2/G1を算出できる。
図16(B)は、ウェハW5〜W9にパルス加熱を施したときに温度センサT1から得られる温度データが所定の温度に到達するのに必要なパルスのサイクル(回)と、比率G2/G1との関係を示すグラフである。このパルス加熱処理の加熱期間では、図5に示されるランプ群9Gの中央領域a及び領域a内のランプ9のランプパワーはフルパワーの20%に設定されている。図16(B)を用いると、ウェハにパルス加熱を施したときに温度センサT1から得られる温度データが所定の温度に到達するのに必要なパルスのサイクルから、当該ウェハの比率G2/G1を算出できる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されない。
例えば、中央ランプパワーG1を決定する前に比率G2/G1を算出するとしてもよいし、中央ランプパワーG1を決定した後に比率G2/G1を算出するとしてもよい。また、中央ランプパワーG1の決定と、比率G2/G1の算出とを同時に行ってもよい。
急速熱処理装置(RTP装置)の一例を示す斜視図である。 図1の急速熱処理装置の部分拡大断面図である。 ランプ群の位置から見たウェハの平面図である。 図3に示されるIV−IV矢印に沿った断面図である。 ウェハの位置から見たランプ群の平面図である。 急速熱処理装置を用いてウェハに急速熱処理を施したときに、温度センサから逐次出力される温度データの一例を示すグラフである。 互いに異なる熱的性質を有するウェハにパルス加熱を施したときに温度センサから逐次出力される温度データの一例を示すグラフである。 (Kab)・(T1min)と中央ランプパワーG1との関係を示すグラフである。 温度上昇時間と面内温度差ΔTとの関係を示すグラフである。 中央ランプパワーG1(%)と周縁ランプパワーG2(%)との関係を示す図である。 (Kab)・(T1min)と比率G2/G1との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る熱処理条件の決定方法の一例を示すフローチャートである。 互いに異なる熱的性質を有するウェハにパルス加熱を施したときに温度センサから逐次出力される温度データの一例を示すグラフである。 ベアシリコンウェハにパルス加熱を施したときに温度センサから逐次出力される温度データの一例を示すグラフである。 中央ランプパワーG1(%)と周縁ランプパワーG2(%)との関係を示す図である。 図16(A)は、ウェハに連続加熱を施したときに温度センサから得られる温度データを250℃から380℃に上昇させるのに必要な時間と比率G2/G1との関係を示すグラフであり、図16(B)は、ウェハにパルス加熱を施したときに温度センサから得られる温度データが所定の温度に到達するのに必要なパルスのサイクルと、比率G2/G1との関係を示すグラフである。
符号の説明
9…ランプ、T1〜T7…温度センサ、1…急速熱処理装置、W…ウェハ(基板)、L1…オープンループステップ、T1max…温度データの最大値、T1min…温度データの最小値、b…基板の中央部(基板の第1領域)、b…基板の周縁部(基板の第2領域)。

Claims (6)

  1. 基板を加熱するためのランプと、前記ランプに対向配置された温度センサとを備え、前記基板は、前記ランプと前記温度センサとの間に配置され、前記ランプからの放射エネルギーによって基板が加熱されるとき、前記温度センサには、前記基板における、前記ランプからの放射エネルギーの吸収に係り、前記基板の裏面から輻射されるエネルギー(吸収成分)とともに前記ランプから前記基板を透過した放射透過エネルギー(透過成分)が入射される、急速熱処理装置に適用される基板の熱的性質判定方法であって、
    前記ランプを用いてパルス加熱を施しながら、前記温度センサから逐次出力される温度データを得る工程と、ここに、前記パルス加熱は、前記基板に温度の低下がもたらされる冷却期間と前記基板に温度の上昇がもたらされる加熱期間とが交互に繰り返される加熱方式であること、
    前記温度データを用いて前記基板の熱的性質を判定する工程と、
    を含む基板の熱的性質判定方法。
  2. 前記パルス加熱におけるパルス幅は、1秒以上である請求項1に記載の基板の熱的性質
    判定方法。
  3. 前記パルス加熱におけるパルス幅は、10秒以下である請求項1又は2に記載の基板の
    熱的性質判定方法。
  4. 前記基板の熱的性質を判定する工程が、
    前記逐次出力される温度データから、前記基板の温度の最大値及び最小値を判定するス
    テップと、
    前記パルス加熱によって前記基板がどのくらい温まりやすいのかを、前記温度の最大値
    及び最小値により判定するステップと、
    を含む、請求項1又は2に記載の基板の熱的性質判定方法。
  5. 前記基板の熱的性質を判定する工程が、
    前記逐次出力される温度データから、前記基板の温度の最大値及び最小値を判定するス
    テップと、
    前記基板がどのくらいエネルギー線を透過しやすいのかを、前記温度の最大値と最小値
    との差により判定するステップと、
    を含む、請求項1又は2に記載の基板の熱的性質判定方法。
  6. 前記基板の熱的性質を判定する工程が、
    前記逐次出力される温度データから、前記基板の温度の波形を記録するステップと、
    前記基板がどのくらいエネルギー線を透過しやすいのかを、前記波形の形により判定するステップと、
    を含む、請求項1又は2に記載の基板の熱的性質判定方法。
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