JP2006100549A - 急速熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 急速熱処理装置は、処理チェンバと、半導体基板を支持する基板支持部と、半導体基板の表面側を光照射して加熱する第1のランプ部と、基板からの輻射光を受光する第1の輻射光センサと、基板支持部を光照射して加熱する第2のランプ部と、基板支持部からの輻射光を受光する第2の輻射光センサと、第1の輻射光センサの出力結果に応じて基板の温度を算出し、第2の輻射光センサの出力結果に応じて基板支持部の温度を算出する温度算出部とを備える。制御部は、基板の算出温度に基づいて第1のランプ部の照射強度を制御し、基板支持部の算出温度に基づいて第2のランプ部の照射強度を制御する。
【選択図】 図1
Description
一般的に、基板支持部はSiCなどで形成され、熱容量が半導体基板よりも大きいため、同じ照射強度のランプ光に対して基板支持部の温度は半導体基板の温度より低くなり、その結果、半導体基板の基板支持部との接触箇所周辺の温度は、それ以外の箇所の温度よりも低くなってしまう。
そこで、基板支持部へのランプ光の照射強度を半導体基板より大きくすることにより、基板支持部と半導体基板を等しい温度にして、半導体基板の基板支持部との接触箇所周辺と、それ以外の箇所との温度差を抑制する方法が考えられる。
しかし、半導体装置の製造工程において、半導体基板表面にはさまざまな膜が成膜され、パターンが形成されるため、製造工程の過程で、基板表面の反射率は大きく変化する。
ある反射率の半導体基板に対し、半導体基板と基板支持部の温度が等しくなるように、半導体基板に対する基板支持部の相対的なランプの照射強度を最適化しても、それ以外の反射率の半導体基板を加熱しようとすると、その半導体基板に対しては基板支持部の相対的なランプの照射強度が最適でないために、半導体基板と基板支持部との温度には差が生じ、その結果、半導体基板の基板支持部との接触箇所周辺と、それ以外の箇所との間に温度差が生じてしまう。
図3及び図4に示したように、従来の急速加熱処理装置には、基板支持部3からの輻射光を検出する輻射光センサや、基板支持部3だけを加熱するためのランプ群が設置されていない。このため、基板支持部3には、基板支持部3に最も近い位置に設置された、半導体基板の裏面からの輻射光を受光する輻射光センサ61eからの測定値に基づいて、半導体基板1の温度が指定された温度と一致するような照射強度に調整された、基板及び基板支持部加熱用のランプ群51d及び51eのランプ光が照射される。
図5は、従来の急速熱処理装置での半導体基板面内の温度分布の測定結果を示す。図5の(a)には、半導体基板のランプ照射側表面に異なる膜を成膜して異なる反射率をもたし、ランプ照射側と反対側の面にp型のドーパントをイオン注入した2種類のn型半導体基板(低反射率基板、シリコン基板)のそれぞれを、従来の急速熱処理装置でスパイクアニール処理を行った後のp型拡散層のシート抵抗を、シート抵抗値とスパイクアニール処理の温度の関係より換算した、半導体基板の面内平均温度との温度差の直径方向の分布を示し、図5の(b)には2種類の半導体基板(低反射率基板、シリコン基板)の表面反射率Rの一例を示す。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、急速熱処理装置において、短時間に高速に昇降温するスパイクアニール処理を行う場合に、異なる反射率の半導体基板に対しても、半導体基板の基板支持部との接触箇所周辺とそれ以外の箇所の温度差を抑制することを目的とする。
基板支持部3は、チェンバ底部4にベアリング部7を介して回転自在に配設された円筒形シリンダ31と、この円筒形シリンダ31の上端に取り付けられたリングプレート32とを備えており、リングプレート32の内周縁部には、半導体基板1のエッジ部を支持するための段差が形成されている。
半導体基板1が基板支持部3のリングプレート32に支持された状態において、チェンバ底部4の最上部に半導体基板1の裏面と対向するように配設された反射板8と、基板支持部3と、半導体基板1とで囲まれる光学的閉空間12が形成される。この光学的閉空間12は、輻射光センサによる半導体基板1の温度検出のために設けられた、光学的に閉じられた空間である。
また、チェンバ底部4には、半導体基板1の裏面からの輻射光を受光する複数の輻射光センサ(61a、61b、61c、61d、61e)を含む輻射光センサ群61と、基板支持部3からの輻射光を受光する支持部用輻射光センサ62とが配設されている。輻射光センサ群61及び支持部用輻射光センサ62の各輻射光センサは、それぞれ半導体基板1の異なる半径位置に対応した位置に配置されており、各輻射光センサの測定結果(センサ出力信号)を温度算出部9に出力する。
次に、図2を用いて、反射率の異なる半導体基板を照射した時の本発明の急速熱処理装置の動作原理を説明する。
図2は、図1の急速熱処理装置における基板支持部付近を示す拡大断面図である。図2において、参照符号111は半導体基板1の裏面からの輻射光、112は基板支持部3からの輻射光、121dは基板加熱用ランプ群51dの照射光、121eは基板加熱用ランプ群51eの照射光、122は基板支持部加熱用ランプ群52の照射光をそれぞれ示す。
図2の急速熱処理装置において、ランプ群51dの光は半導体基板1のみに照射され、ランプ群51eの光は半導体基板1と基板支持部3の双方に照射され、ランプ群52の光は基板支持部3のみに照射されるように、複数の加熱ランプが配置されている。
ランプパワー制御部10の機能により、ランプ群51dは輻射光センサ61dの測定結果に基づいて各ランプの照射強度が制御され、ランプ群51eは輻射光センサ61eの測定結果に基づいて各ランプの照射強度が制御される。支持部加熱用ランプ群52は支持部用輻射光センサ62の測定結果に基づいて各ランプの照射強度が制御される。
本実施形態では、基板加熱用ランプ群51及び支持部加熱用ランプ群52の制御を、1つの輻射光センサの測定結果に基づいて行う例を挙げているが、1つのランプ群の照射光が複数の輻射光センサに影響を与える場合には、その影響を受ける全ての輻射光センサの測定結果に基づいてそのランプ群の照射強度を制御するように構成してもよい。
すなわち、ランプ群51eの光は半導体基板1と基板支持部3の双方に照射されており、ランプ群51eの照射強度の制御に、直近の輻射光モニター61eの測定結果だけではなく、支持部用輻射光モニター62の測定結果もフィードバックすることにより、より精度の高い温度制御が可能となる。また、ランプ群52の照射強度の制御に、直近の支持部用輻射光モニター62の測定結果だけでなく、その隣の輻射光センサー61eの測定結果もフィードバックすることにより、基板支持部3に光を照射しているランプ群51eの照射強度の変動をランプ群52の制御に反映することができ、より精度の高い温度制御が可能となる。
また、支持部加熱用ランプ群52は半導体基板1自体を光照射しないので、ランプ群52の照射強度を上げることにより半導体基板1の温度が上昇することはない。ランプ群51eは基板支持部3も光照射するため、半導体基板1の輻射光センサ61eの測定温度が設定温度より高くなる結果、ランプパワー制御部10は、基板加熱用ランプ群51eの照射強度を下げることは明らかであり、それによる基板支持部3の温度低下が生じる前に支持部加熱用ランプ群52の照射強度を補正することにより、基板支持部3の温度を精度良く制御することが可能になる。
次に、第1の半導体基板より反射率の高い第3の半導体基板を所望の設定温度まで加熱処理する場合には、半導体基板1の表面で反射されて失われる照射光(エネルギー)が増えるため、同じ照射強度では半導体基板の輻射光センサ61e及び61dの測定温度が設定温度より低くなってしまうため、ランプパワー制御部10は、基板加熱用ランプ群51d及び51eの各ランプの照射強度を上げる。ランプ群51eの照射強度が上がると、基板支持部3の支持部用輻射光センサ62の測定温度が上がるので、ランプパワー制御部10は、支持部加熱用ランプ群52の照射強度を下げて、基板支持部3の温度を半導体基板1と等しくなるように制御する。
支持部加熱用ランプ群52は半導体基板1自体を光照射しないので、ランプ群52の照射強度を下げることにより半導体基板1の温度が下降することはない。ランプ群51eは基板支持部3も光照射するため、半導体基板1の輻射光センサ61eの測定温度が設定温度より低くなる結果、ランプパワー制御部10は、基板加熱用ランプ群51eの照射強度を上げることは明らかであり、それによる基板支持部3の温度上昇を生じる前に支持部加熱用ランプ群52の照射強度を補正することにより、基板支持部3の温度を精度良く制御することが可能になる。
ここで、図6を用いて従来の急速熱処理装置の問題点を説明する。
図6の制御手順では、まず、温度算出部9は、輻射光センサ61eにより検出された半導体基板からの輻射光より基板周辺部の温度(Te)を算出(モニター)する(S1)。
しかし、半導体製造工程においては半導体基板表面にはさまざまな膜が成膜され、パターンが形成されるため、基板表面の反射率は半導体製造工程の中で大きく変化する。ある反射率の半導体基板で半導体基板と基板支持部の温度が等しくなるように半導体基板加熱用ランプと基板支持部加熱用ランプの照射強度のバランスを最適化しても、最適化した時とは異なる反射率の半導体基板をスパイクアニール処理しようとした場合、ランプパワーに対する半導体基板の温度の応答性が最適化時とは異なるために、半導体基板と基板支持部の温度差が大きくなり、その結果、基板支持部と接触している半導体基板の周辺部と、それ以外の箇所との間に温度差が生じてしまう。
図8は、シリコン基板を加熱処理する場合の従来の急速熱処理装置の制御手順を説明するためのフロー図である。図8の制御手順は、例えば、図3の急速熱処理装置においてランプパワー制御部10によって実行される。
そして、ステップS14を終了すると、ステップS11に戻る。すなわち、リアルタイムで輻射光センサ61e及び61dにより半導体基板の温度を監視しながら、周知のPID制御に準じて加熱用ランプパワーへのフィードバック制御を実行し、基板周辺部を加熱するランプ群51dと基板周辺部及び基板支持部3を加熱するランプ群51eにより基板支持部を所望の目標温度(Tset)まで加熱する。
2 処理チャンバ
3 基板支持部
31 円筒形シリンダ
32 リングプレート
4 チャンバ底部
51 基板加熱用ランプ群
52 基板支持部加熱用ランプ群
61 基板用輻射光センサ群
62 支持部用輻射光センサ
7 ベアリング部
8 反射板
9 温度算出部
10 ランプパワー制御部
Claims (12)
- 半導体基板を加熱する処理チェンバと、前記処理チェンバ内に配設され前記基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部に支持された前記基板の表面側を光照射して加熱する第1のランプ部と、前記基板の裏面側に配設され前記基板からの輻射光を受光する第1の輻射光センサと、前記輻射光センサの出力結果に応じて前記基板の温度を算出する温度算出部と、前記温度算出部により算出された前記基板の温度に応じて前記ランプ部の照射強度を制御する制御部とを備える急速熱処理装置であって、
前記基板支持部を光照射して加熱する第2のランプ部と、前記基板支持部の裏面側に配設され前記基板支持部からの輻射光を受光する第2の輻射光センサとを備え、前記制御部が、前記基板の算出温度に基づいて前記第1のランプ部の照射強度を制御すると共に、前記基板支持部の算出温度に基づいて前記第2のランプ部の照射強度を制御することを特徴とする急速熱処理装置。 - 半導体基板を加熱する処理チェンバと、前記処理チェンバ内に配設され前記基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部に支持された前記基板の表面側を光照射して加熱する基板用ランプ部と、前記基板支持部に光照射して加熱する支持部用ランプ部と、前記基板の裏面側に配設され前記基板裏面からの輻射光を反射する反射板と、前記基板の裏面側に配設され前記基板裏面と前記反射板で多重反射した前記基板裏面からの輻射光を受光する基板用輻射光センサと、前記基板支持部からの輻射光を直接受光する支持部用輻射光センサと、前記基板用輻射光センサの出力結果に応じて前記基板の温度を算出し、前記支持部用輻射光センサの出力結果に応じて前記基板支持部の温度を算出する温度算出部と、前記温度算出部により算出された温度に応じて前記基板用ランプ部及び前記支持部用ランプ部の照射強度を制御する制御部とを備え、前記基板支持部に前記基板が支持された状態において前記基板の裏面側に光学的に閉じられた閉空間が形成される急速熱処理装置であって、
前記制御部が、前記温度算出部により算出された前記基板の温度に基づいて前記基板用ランプ部の照射強度を制御すると共に、前記温度算出部により算出された前記基板支持部の温度に基づいて前記支持部用ランプ部の照射強度を制御することを特徴とする急速熱処理装置。 - 前記第1のランプ部は前記基板と前記基板支持部の双方を光照射し、前記第2のランプ部は前記基板支持部のみを光照射することを特徴とする請求項1記載の急速熱処理装置。
- 前記基板用ランプ部は前記基板と前記基板支持部の双方を光照射し、前記支持部用ランプ部は前記基板支持部のみを光照射することを特徴とする請求項2記載の急速熱処理装置。
- 前記制御部は、前記第1の輻射光センサの出力結果と前記第2の輻射光センサの出力結果の双方に基づいて、前記第2のランプ部の照射強度を制御することを特徴とする請求項3記載の急速熱処理装置。
- 前記制御部は、前記基板用輻射光センサの出力結果と前記支持部用輻射光センサの出力結果の双方に基づいて、前記支持部用ランプ部の照射強度を制御することを特徴とする請求項4記載の急速熱処理装置。
- 前記制御部は、前記第1の輻射光センサの出力結果と前記第2の輻射光センサの出力結果の双方に基づいて、前記第1のランプ部の照射強度を制御することを特徴とする請求項3記載の急速熱処理装置。
- 前記制御部は、前記基板用輻射光センサの出力結果と前記支持部用輻射光センサの出力結果の双方に基づいて、前記基板用ランプ部の照射強度を制御することを特徴とする請求項4記載の急速熱処理装置。
- 前記制御部は、前記第1の輻射光センサの出力結果と前記第2の輻射光センサの出力結果の双方に基づいて、前記第1のランプ部及び前記第2のランプ部の照射強度を制御することを特徴とする請求項3記載の急速熱処理装置。
- 前記制御部は、前記基板用輻射光センサの出力結果と前記支持部用輻射光センサの出力結果の双方に基づいて、前記基板用ランプ部及び前記支持部用ランプ部の照射強度を制御することを特徴とする請求項4記載の急速熱処理装置。
- 前記第1のランプ部は前記基板を光照射して加熱する複数の加熱用ランプからなり、前記第2のランプ部は前記基板支持部を光照射して加熱する複数の加熱用ランプからなることを特徴とする請求項5記載の急速熱処理装置。
- 前記基板用ランプ部は前記基板を光照射して加熱する複数の加熱用ランプからなり、前記支持部用ランプ部は前記基板支持部を光照射して加熱する複数の加熱用ランプからなることを特徴とする請求項6記載の急速熱処理装置。
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