JP2003100650A - 均熱化部材とその製造方法並びに基板熱処理装置 - Google Patents

均熱化部材とその製造方法並びに基板熱処理装置

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JP2003100650A
JP2003100650A JP2001288337A JP2001288337A JP2003100650A JP 2003100650 A JP2003100650 A JP 2003100650A JP 2001288337 A JP2001288337 A JP 2001288337A JP 2001288337 A JP2001288337 A JP 2001288337A JP 2003100650 A JP2003100650 A JP 2003100650A
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film
heat treatment
wafer
silicon carbide
soaking
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JP2001288337A
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Kentarou Tokuri
憲太郎 徳利
Takehiro Suzuki
健弘 鈴木
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱応答性に優れた均熱化部材とその製造方法
並びに基板熱処理装置を提供する。 【解決手段】 本発明の均熱化部材としての均熱リング
34は、CVDにより形成された炭化珪素膜である第1
の膜M1と、この第1の膜M1の表面に形成された反射
面Rと、この反射面R上にさらにCVDにより形成され
た炭化珪素膜である第2の膜M2とを備えているので、
均熱リング34に入射された光は、両炭化珪素膜の間に
形成された反射面Rにより均熱リング34の内部で反射
し、第2の膜M2から外部に進むときにその境界面で光
の全反射が起こり易くなり、均熱リング34を透過する
透過光が少なくなり、光の吸収率が大きくなる。その結
果、昇温し易く熱応答性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、液
晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、
光ディスク用基板などの基板に熱処理を施すための熱処
理部の内部で熱処理を受ける基板の近傍に位置させるこ
とで、この基板の温度を全体にわたって均一にするため
の均熱化部材とその製造方法並びに基板熱処理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造工程においては、
ランプアニール装置などのように、熱処理炉内へ基板、
例えば半導体ウエハ(以下、適宜にウエハと略称する)
を1枚ずつ搬入し、熱処理炉内のウエハに光を照射して
このウエハを加熱することにより、不純物原子を熱的に
拡散させてpn接合を形成したり、ウエハ表面に熱酸化
膜を形成したり、各種のアニール処理を行なったりする
枚葉式の基板熱処理装置が、各種の製造工程で広く使用
されている。
【0003】基板熱処理装置の一例としてのランプアニ
ール装置は、ウエハの搬入および搬出を行なうための開
閉自在な開口を有する熱処理炉と、この熱処理炉の外部
に配置された複数本のハロゲンランプからなるランプユ
ニットと、熱処理炉の内部でウエハを水平姿勢に支持す
るためのウエハ支持部材とを備えている。ランプユニッ
トからの光が、熱処理炉の特定部分の炉壁を介してこの
熱処理炉内のウエハに照射されることで、ウエハが加熱
処理されるようになっている。
【0004】上述のウエハ支持部材は、円板形状のウエ
ハよりも一回り大きい環状枠体を備えている。この環状
枠体には、ウエハの下面に当接してウエハを水平姿勢に
支持するための例えば3本の支持ピンが間隔を空けて配
置されている。さらに、この環状枠体上には、熱処理を
受けるウエハの近傍に位置させることで、このウエハの
温度を全体にわたって均一となるように均熱化するため
の均熱化部材としての環状の均熱リングが設けられてい
る。例えば、ウエハ支持部材に均熱リングが設けられて
いない場合には、図10に破線で示すように、熱処理時
のウエハの面内温度分布は、その中央部と端縁部との温
度差が大きいものとなり好ましくない。ウエハ支持部材
に均熱リングを設けた場合には、熱処理時に均熱リング
も昇温され、均熱リングがウエハの外周近傍に位置させ
られていることでウエハの端縁部から熱が奪われること
が抑制されるので、図10に実線で示すように、熱処理
時のウエハの面内温度分布は、その中央部と端縁部との
温度差が小さいものとなり、均熱リングの必要性がわか
る。
【0005】従来の均熱リングは、以下のようにして製
造されている。リング形状に形成されたカーボンなどの
基材の上に、CVD(化学的気相成長:Chemical Vaper
Deposition )により炭化珪素(SiC)膜100を例
えばその膜厚を0.5ミリ〜1ミリ程度に形成した後
に、高温加熱して基材であるカーボンをとばして除去
し、所定厚さとなるように表面研磨することで、図9
(a)に示すような炭化珪素(SiC)単体で構成され
る均熱リングが製造されている。炭化珪素(SiC)
は、耐熱性に優れており、比較的に熱応答性に優れてい
ることから、均熱リングの材料として採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、従来の基板熱処理装置としてのランプ
アニール装置では、必要箇所以外への熱負荷を極力低減
させるという理由などから、熱処理炉内を短時間で低温
域から高温域へ昇温させる急速加熱処理(RTP:Rapi
d thermal Process)が行なわれているが、このランプ
アニール装置に用いられる均熱リングは、図11に示す
ように、ウエハより遅れて昇温されていっており、ウエ
ハとの間に温度差が生じていることから、ウエハの端縁
部の熱量が均熱リングへ移動し、ウエハの端縁部の温度
が下がるために、ウエハの中央部と端縁部とで温度差が
発生するという問題がある。このウエハの面内温度分布
の不均一性が、半導体デバイスの製造工程における様々
な欠陥発生を引き起こす要因となるという問題がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、熱応答性に優れた均熱化部材とその製
造方法並びに基板熱処理装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の均熱化部材は、熱処理空間内の基
板の近傍に位置させることで、この基板の温度を均一化
するための均熱化部材であって、前記均熱化部材は、化
学的気相成長により形成された炭化珪素膜である第1の
膜と、前記第1の膜の表面に形成された反射面と、前記
反射面上にさらに化学的気相成長により形成された炭化
珪素膜である第2の膜とを備えていることを特徴とする
ものである。
【0009】また、請求項2に記載の均熱化部材は、請
求項1に記載の均熱化部材において、前記反射面は、前
記第1の膜の表面を研磨処理することで形成されている
ことを特徴とするものである。
【0010】請求項3に記載の均熱化部材の製造方法
は、熱処理空間内の基板の近傍に位置させることで、こ
の基板の温度を均一化するための均熱化部材を製造する
製造方法であって、化学的気相成長により炭化珪素膜を
形成する膜形成過程と、前記炭化珪素膜の表面に反射面
を形成する反射面形成過程と、前記反射面上に再び化学
的気相成長により炭化珪素膜を形成する再膜形成過程と
を備えていることを特徴とするものである。
【0011】請求項4に記載の基板熱処理装置は、請求
項1または請求項2に記載の均熱化部材を備えたことを
特徴とするものである。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。熱処理空間内の基板の近傍に位置させることで、こ
の基板の温度を均一化するための均熱化部材は、化学的
気相成長により形成された炭化珪素膜である第1の膜
と、この第1の膜の表面に形成された反射面と、この反
射面上にさらに化学的気相成長により形成された炭化珪
素膜である第2の膜とを備えている。
【0013】したがって、均熱化部材に入射された光
は、第1,第2の膜の間、つまり、両炭化珪素膜の間に
形成された反射面により均熱化部材の内部で反射させら
れ、炭化珪素膜から外部に進むときにその境界面で光の
全反射が起こり易くなるので、均熱化部材を透過する透
過光が少なくなり、光の吸収率が大きくなる。その結
果、昇温し易くなり、熱応答性に優れる。
【0014】また、請求項2に記載の発明によれば、反
射面は、第1の膜の表面を研磨処理することで形成され
ているので、第1,第2の膜、つまり、両炭化珪素膜の
間に不連続面が形成され、均熱化部材に入射された光
は、両炭化珪素膜の間に形成された不連続面により均熱
化部材の内部で反射させられ、炭化珪素膜から外部に進
むときにその境界面で光の全反射が起こり易くなるの
で、光の吸収率が大きくなる。その結果、昇温し易くな
り、熱応答性に優れる。
【0015】また、請求項3に記載の発明によれば、均
熱化部材を製造する製造方法は、化学的気相成長により
炭化珪素膜を形成する膜形成過程と、この炭化珪素膜の
表面に反射面を形成する反射面形成過程と、この反射面
上に再び化学的気相成長により炭化珪素膜を形成する再
膜形成過程とを備えている。
【0016】したがって、均熱化部材に入射された光
は、第1,第2の膜の間、つまり、両炭化珪素膜の間に
形成された反射面により均熱化部材の内部で反射させら
れ、炭化珪素膜から外部に進むときにその境界面で光の
全反射が起こり易くなるので、均熱化部材を透過する透
過光が少なくなり、光の吸収率が大きくなり、昇温し易
くなる。このように熱応答性に優れた均熱化部材を製造
することができる。
【0017】また、請求項4に記載の発明によれば、基
板熱処理装置は、請求項1または請求項2に記載の熱応
答性に優れた均熱化部材を備えているので、熱処理の際
に基板の端縁部の温度が均熱化部材により低下するよう
なことが無く、基板の面内温度分布の均一性が確保さ
れ、熱処理品質を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。図1は本発明の一実施例に係る基板熱
処理装置としてのランプアニール装置の概略構成を示す
側断面図である。
【0019】図1に示すように、ランプアニール装置
は、半導体ウエハWの搬入および搬出を行なうための開
口12を有し、ウエハWに熱処理を施すための熱処理部
としての熱処理炉10を備えている。熱処理炉10の上
部炉壁は、赤外線透過性を有する材料、例えば石英ガラ
スによって形成され、光入射窓14となっている。熱処
理炉10の開口12は、蓋体16によって開閉される。
この蓋体16の熱処理炉10側には、熱処理炉10の内
部で半導体ウエハWを水平姿勢で支持するためのサセプ
タなどと呼ばれるウエハ支持部材18が取り付けられて
いる。蓋体16は、ウエハ搬出入装置20により水平方
向に移動自在となっている。
【0020】ウエハ搬出入装置20は、熱処理炉10の
外部に引き出されたウエハ支持部材18上に熱処理前の
ウエハWが水平姿勢に載置され支持されると、この熱処
理前のウエハWを熱処理炉10内にその水平姿勢のまま
搬入するように、蓋体16を図1では左方向に水平移動
させて開口12を蓋体16により閉塞する。また、この
ウエハ搬出入装置20は、熱処理後のウエハWを熱処理
炉10内から外部にウエハ支持部材18に水平姿勢で支
持された状態のまま搬出するように、蓋体16を図1で
は右方向に水平移動させる。また、熱処理炉10の内部
の気密性を高く保つために、熱処理炉10における蓋体
16との当接部および光入射窓14との接合部には、O
リング22がそれぞれ取り付けられている。
【0021】熱処理炉10の上方には、光入射窓14に
対向してランプユニット24が設けられている。ランプ
ユニット24には、同一面内に例えばハロゲンランプ2
6が列設されるとともに、各ハロゲンランプ26にリフ
レクタ28がそれぞれ配設されている。そして、ハロゲ
ンランプ26から放射された赤外光は、それぞれリフレ
クタ28によって効率良く集光され、光入射窓14を透
過して熱処理炉10内へ照射され、ウエハWを加熱する
ようになっている。
【0022】なお、ランプユニット24による赤外光を
熱処理炉10内のウエハWに照射することでこのウエハ
Wを熱処理する際には、熱処理炉10の内部に、熱処理
に必要なプロセスガスが供給部(図示省略)から適宜に
供給され、熱処理炉10の内部の不要なガスなどを排気
部(図示省略)から適宜に排気されるようになってい
る。
【0023】ここで、図1に示したウエハ支持部材18
について、図2も用いて説明する。図2(a)は本実施
例の均熱リング34を備えたウエハ支持部材18の概略
平面図であり、図2(b)は図2(a)に示したウエハ
支持部材18の概略側面図であり、図2(c)は図2
(a)に示したウエハ支持部材18のA−A断面図であ
る。
【0024】図1,図2に示すように、ウエハ支持部材
18は、ウエハWの下面に当接してウエハWを支持する
ための複数本(例えば3本)の支持ピン30が間隔を空
けて配置された環状枠体32を備えている。さらに、こ
の環状枠体32上には、熱処理を受けるウエハWの近傍
に位置させることで、このウエハWの温度を全体にわた
って均一となるように均熱化するための均熱化部材とし
ての環状の均熱リング34が設けられている。
【0025】ここで、この均熱リング34の構造につい
て図3を用いて説明する。図3(a)は本実施例の均熱
リング34の構造を示す概略断面図であり、図3(b)
は本実施例の均熱リング34の光学的性質を説明するた
めの模式図である。均熱リング34は、熱処理空間、つ
まり、熱処理炉10の内部空間内のウエハWの近傍に位
置させることで、このウエハWの温度を全体にわたって
均一となるように均熱化するための均熱化部材であり、
図3に示すように、化学的気相成長(CVD:Chemical
Vaper Deposition )により形成された炭化珪素(Si
C)膜である第1の膜M1と、この第1の膜M1である
炭化珪素膜の表面を研磨処理することで形成された反射
面Rと、この反射面R上にさらに化学的気相成長により
形成された炭化珪素膜である第2の膜M2とを備えてい
る。第1,第2の膜M1,M2の間、つまり、両炭化珪
素膜の間には、第1の膜M1の表面を研磨処理すること
による不連続面が形成されている。
【0026】本実施例の均熱リング34の製造過程を、
図4を参照しながら説明する。図4(a)〜(d)は本
実施例の均熱リング34の製造過程を説明するための模
式図である。
【0027】まず、図4(a)に示すように、所望のリ
ング形状に形成されたカーボンCなどの基材の上に、C
VDにより第1の膜M1である炭化珪素(SiC)膜を
例えばその膜厚を0.5ミリ〜1ミリ程度に形成する
(膜形成過程)。
【0028】その後に、この炭化珪素膜を形成したカー
ボンCを高温加熱して、図4(b)に示すように、基材
であるカーボンCを飛ばして除去し、第1の膜M1のみ
とする。
【0029】次に、第1の膜M1である炭化珪素膜の両
面を機械的に表面研磨処理して、図4(c)に示すよう
に、この炭化珪素膜の両面(図4(c)では炭化珪素膜
の上面および下面)に反射面Rを形成する(反射面形成
過程)。
【0030】そして、図4(d)に示すように、両反射
面R上に再び化学的気相成長により第2の膜M2である
炭化珪素膜を例えばその膜厚を0.1ミリ程度に形成す
る(再膜形成過程)。
【0031】このようにして、図4(d)に示すよう
に、炭化珪素(SiC)単体で構成される均熱リング3
4が製造される。なお、図4(c),図4(d)には、
反射面Rが形成されていることを視認できるように反射
面Rを厚みを持たせて図示している。なお、必要であれ
ば、再膜形成過程後の均熱リング34を所定厚さとなる
ように表面研磨しても良い。
【0032】ここで、本実施例の均熱リング34の光学
特性について、図3(b)を参照しながら説明する。
【0033】図3(b)に示すように、反射面Rは、C
VDにより形成された第1の膜M1である炭化珪素膜を
表面研磨処理することで形成されており、この反射面R
上にCVDによりさらに第2の膜M2である炭化珪素膜
を形成していることから、第1,第2の膜M1、M2で
ある両炭化珪素膜を異にする、つまり、両炭化珪素膜の
境界面で光の反射を生じさせる不連続面が形成されてい
る。
【0034】図3(b)に示すように、ランプユニット
24から本実施例の均熱リング34に照射された光L
は、第2の膜M2と外部との境界面でその一部が反射さ
れるが、この反射量Lrは図9(b)に示す従来例の均
熱リングの場合と同等の反射量Lrであることから、本
実施例の均熱リング34には、従来例の均熱リングの場
合と同量の光が入射されることになる。
【0035】図3(b)に示すように、本実施例の均熱
リング34に入射された光は、両炭化珪素膜の間に形成
された反射面Rにより均熱リング34の内部で反射させ
られ、第2の膜M2である炭化珪素膜から外部に進むと
きにその境界面で光の全反射が起こり易くなることか
ら、本実施例の均熱リング34の内部での光の反射回数
は、図9(b)に示す従来例の均熱リングの場合と比べ
て、多くなっている。よって、本実施例の均熱リング3
4は、均熱リング34を透過する透過光Lo2が、図9
(b)に示す従来例の均熱リングの場合の透過光Lo1と
比べて少なくなっている。
【0036】光の透過率は次の式(1)で表される。 光の透過率=1−(反射率+吸収率) ・・・・ (式1) この式(1)の反射率は本実施例と従来例とで同じであ
り、本実施例の光の透過率は従来例の場合よりも小さく
なっていることから、本実施例の均熱リング34の方が
従来例よりも吸収率が大きくなっていることがわかる。
【0037】したがって、本実施例の均熱リング34
は、従来例の均熱リングの場合と比べて、昇温し易くな
っており、従来例と比べて熱応答性に優れている。
【0038】次に、上述したランプアニール装置により
ウエハWに急速加熱処理(RTP:Rapid thermal Proc
ess)を施す場合について説明する。急速加熱処理は、
熱処理炉10内を短時間で低温域から高温域へ昇温させ
ることで、ウエハWを急速に加熱(例えば数十秒で10
00℃)処理するものである。急速加熱処理は、図5に
示すように、以下に説明するシーケンスで行なわれる。
図5は急速加熱処理のシーケンスを示す模式図である。
【0039】図5に示すように、まず、ウエハWを熱処
理炉10の開口12からその熱処理炉10内に搬入す
る。そして、熱処理炉10の開口12を蓋体16で密閉
した後に、熱処理炉10内をプロセスガスに置換するよ
うに熱処理炉10内にプロセスガスを供給する。次に、
ランプユニット24のハロゲンランプ26から熱処理炉
10内のウエハWへの光照射を開始し、ウエハWを急速
昇温する。ウエハWが所定の温度になると、その温度を
維持するようにランプユニット24のハロゲンランプ2
6からの光量などが調整され、ウエハWが所定の時間だ
け所定の温度に維持される。その後、ランプユニット2
4のハロゲンランプ26からの光照射を停止するなどし
て、ウエハWを降温させる。そして、熱処理を受けたウ
エハWが搬出され、次のウエハWへの載せ替えが行なわ
れる。
【0040】上述の図5に示した「昇温」〜「降温」過
程における熱処理炉10内のウエハWと本実施例の均熱
リング34との温度特性について、図6を用いて説明す
る。図6は本実施例および従来例の均熱リング並びにウ
エハの昇温曲線を示す図である。図6に2点鎖線で示す
ように、本実施例の均熱リング34は、ウエハW(図6
に実線で示す)よりも先に昇温されていっており、ウエ
ハWよりも早く所定温度に到達している。従来例の均熱
リングでは、図6に破線で示すように、ウエハW(図6
に実線で示す)よりも遅れて昇温されていっており、所
定温度に到達せずに降温が始まっていることからも明ら
かなように、本実施例の均熱リング34は、従来例の均
熱リングに比べて、熱応答性に優れたものとなってい
る。
【0041】その結果、図7に示すように、本実施例の
場合の熱処理の際のウエハWの面内温度分布は、ウエハ
Wの中心部分と端縁部分とで同一温度となっていて温度
差が無くなっており、従来例の均熱リング有り時と比べ
て、ウエハWの面内温度分布の均一性が向上している。
【0042】上述した説明から明らかなように、本実施
例の均熱リング34によれば、この均熱リング34は、
化学的気相成長(CVD)により形成された炭化珪素膜
である第1の膜M1と、この第1の膜M1の表面に表面
研磨処理により形成された反射面Rと、この反射面R上
にさらにCVDにより形成された炭化珪素膜である第2
の膜M2とを備えているので、均熱リング34に入射さ
れた光は、両炭化珪素膜の間に形成された反射面Rによ
り均熱リング34の内部で反射させられ、炭化珪素膜か
ら外部に進むときにその境界面で光の全反射が起こり易
くなり、均熱リング34を透過する透過光が少なくな
り、光の吸収率を大きくできる。その結果、昇温し易く
することができ、熱応答性に優れる。
【0043】本実施例のランプアニール装置は、上述の
熱応答性に優れた均熱リング34を備えているので、熱
処理の際にウエハWの端縁部の温度が均熱リング34に
より低下することを防止でき、ウエハWの面内温度分布
の均一性を確保することができ、熱処理品質を向上させ
ることができる。
【0044】本発明は上述した実施例のものに限らず、
次のように変形実施することができる。
【0045】(1)上述した実施例では、図2に示すよ
うに、ウエハ支持部材18の環状枠体32に環状の均熱
リング34を配設しているが、図8に示すウエハ支持部
材40のように、図2に示す環状枠体32を排して、均
熱リング34自体にウエハWの支持機能を持たせる、つ
まり、均熱リング34に支持ピンを設けて均熱リング3
4の支持ピンでウエハWを水平姿勢に支持するようにし
ても良い。
【0046】(2)上述した実施例では、均熱リング3
4を環状形状としているが、熱処理対象物である基板の
形状に応じて、適宜に種々の形状のものを採用するよう
にしても良い。例えば、矩形形状である基板であれば、
均熱リング34も矩形形状にする。
【0047】(3)上述した実施例では、図3に示すよ
うに、第1の膜M1である炭化珪素膜の両面に表面研磨
処理により反射面Rを形成し、その両反射面R上に第2
の膜M2である炭化珪素膜をそれぞれ形成しているが、
第1の膜M1である炭化珪素膜の片面に表面研磨処理に
より単一の反射面Rを形成し、その単一の反射面R上に
第2の膜M2である炭化珪素膜を形成しても良い。ま
た、上述した実施例の均熱リング34には、図3に示す
ように2つの反射面Rが形成されているが、反射面Rと
この反射面R上に形成する炭化珪素膜とをさらに設ける
ようにしても良い。
【0048】(4)上述した実施例では、基板熱処理装
置の一例としてランプアニール装置を採用しているが、
ランプアニール装置以外の各種の基板熱処理装置にも適
用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば次の効果を奏する。請求項1に記載の発明によ
れば、両炭化珪素膜の間に反射面を形成しているので、
均熱化部材に入射された光は、両炭化珪素膜の間に形成
された反射面により均熱化部材の内部で反射させられ、
炭化珪素膜から外部に進むときにその境界面で光の全反
射が起こり易くなり、均熱化部材を透過する透過光が少
なくなり、光の吸収率を大きくできる。その結果、昇温
し易くすることができ、熱応答性に優れる。
【0050】また、請求項2に記載の発明によれば、反
射面は、第1の膜の表面を研磨処理することで形成され
ているので、第1,第2の膜、つまり、両炭化珪素膜の
間に不連続面が形成され、均熱化部材に入射された光
は、両炭化珪素膜の間に形成された不連続面により均熱
化部材の内部で反射させられ、炭化珪素膜から外部に進
むときにその境界面で光の全反射が起こり易くなり、光
の吸収率を大きくできる。その結果、昇温し易くするこ
とができ、熱応答性に優れる。
【0051】また、請求項3に記載の発明によれば、均
熱化部材を製造する製造方法は、化学的気相成長により
炭化珪素膜を形成する膜形成過程と、この炭化珪素膜の
表面に反射面を形成する反射面形成過程と、この反射面
上に再び化学的気相成長により炭化珪素膜を形成する再
膜形成過程とを備えているので、請求項1に記載の均熱
化部材を好適に製造することができる。
【0052】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1または請求項2に記載の熱応答性に優れた均熱化
部材を備えているので、熱処理の際に基板の端縁部の温
度が均熱化部材により低下するようなことが無く、基板
の面内温度分布の均一性が確保でき、熱処理品質を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る基板熱処理装置として
のランプアニール装置の概略構成を示す側断面図であ
る。
【図2】(a)は本実施例の均熱リングを備えたウエハ
支持部材の概略平面図であり、(b)はその概略側面図
であり、(c)は(a)に示したウエハ支持部材のA−
A断面図である。
【図3】(a)は本実施例の均熱リングの構造を示す概
略断面図であり、(b)は本実施例の均熱リングの光学
的性質を説明するための模式図である。
【図4】(a)〜(d)は本実施例の均熱リングの製造
過程を説明するための模式図である。
【図5】急速加熱処理のシーケンスを示す模式図であ
る。
【図6】本実施例および従来例の均熱リング並びにウエ
ハの昇温曲線を示す図である。
【図7】本実施例および従来例のウエハWの面内温度分
布を示す模式図である。
【図8】(a)は本実施例とは別の均熱リングを示す概
略平面図であり、(b)はその概略側面図である。
【図9】(a)は従来例の均熱リングの構造を示す概略
断面図であり、(b)は従来例の均熱リングの光学的性
質を説明するための模式図である。
【図10】従来例のウエハWの面内温度分布を示す模式
図である。
【図11】従来例の均熱リング並びにウエハの昇温曲線
を示す図である。
【符号の説明】
10 …熱処理炉 34 …均熱リング M1 …第1の膜 M2 …第2の膜 R …反射面 W …基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 健弘 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 4K030 BA37 BB13 GA02 HA01 5F045 AB06 AF02 EB02 EB03 EC03 EK12 EK21 EM02 EM06 EM09 EN04 GH09 HA16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理空間内の基板の近傍に位置させる
    ことで、この基板の温度を均一化するための均熱化部材
    であって、 前記均熱化部材は、 化学的気相成長により形成された炭化珪素膜である第1
    の膜と、 前記第1の膜の表面に形成された反射面と、 前記反射面上にさらに化学的気相成長により形成された
    炭化珪素膜である第2の膜とを備えていることを特徴と
    する均熱化部材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の均熱化部材において、 前記反射面は、前記第1の膜の表面を研磨処理すること
    で形成されていることを特徴とする均熱化部材。
  3. 【請求項3】 熱処理空間内の基板の近傍に位置させる
    ことで、この基板の温度を均一化するための均熱化部材
    を製造する製造方法であって、 化学的気相成長により炭化珪素膜を形成する膜形成過程
    と、 前記炭化珪素膜の表面に反射面を形成する反射面形成過
    程と、 前記反射面上に再び化学的気相成長により炭化珪素膜を
    形成する再膜形成過程とを備えていることを特徴とする
    均熱化部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の均熱化
    部材を備えたことを特徴とする基板熱処理装置。
JP2001288337A 2001-09-21 2001-09-21 均熱化部材とその製造方法並びに基板熱処理装置 Pending JP2003100650A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006022128A1 (ja) * 2004-08-24 2006-03-02 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. 石英治具及び半導体製造装置
JP2006269454A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Koyo Thermo System Kk 均熱部材及び熱処理装置
CN105009263A (zh) * 2013-03-22 2015-10-28 应用材料公司 反射性衬里

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