JP4925077B2 - 植物の病害防除剤およびそれを用いた病害防除方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の病害防除剤およびそれを用いた病害防除方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
植物内に存在しているサリチル酸は、植物の全身獲得抵抗性を誘導し、植物の病気を抑える働きをすることが知られている(T.Gaffney,et.,Requirement of Salicylic Acid for theInduction of Systemic Acquired Resistance,Science,261,754−756(1993))。
【0003】
サリチル酸を外部から処理した場合でも、植物の全身獲得抵抗性が誘導され、病原性関連タンパク質(PRタンパク質)の発現が増加し、抵抗性反応が生じることが知られている(Z.Chen,et.,Active Oxygen Species in the induction of Plant Systemic Aquired Resistance by Salicylic Acid,Secience,262,1883−1886(1993))。
【0004】
サリチル酸の全身獲得抵抗性を利用して、植物の病害を有効に抑えることができるならば、殺菌剤農薬を使用した場合に大きな問題となっている耐性菌の発生および人や環境への害を軽減できる。
【0005】
しかしサリチル酸単独では、植物の病害を有効に防除することはできない。なぜなら、サリチル酸を植物に葉面散布して、植物の病害を防除しようとするならば、高濃度のサリチル酸水溶液を散布する必要があり、植物に障害が発生する。一方、植物に障害が発生しないように、サリチル酸の濃度を薄くして、植物に葉面散布すると、今度は植物の病気を有効に防除することができないという問題がある。
【0006】
サリチル酸を使い植物の病害を防除する方法として、水溶性キトサン、サリチル酸、マグネシウムを含有する農園芸用交雑育種発病防止剤(特開2000−212013公報)が提案されている。しかしこの方法は、液剤としては、製剤の安定性に不安があることが明記されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、植物の全身獲得抵抗性を誘導させ植物に障害を発生させることなく、殺菌剤農薬が抱えている大きな問題の耐性菌の発生および人や環境への害を軽減し、植物の病気を有効に防除することができ、かつ液剤としての製剤の安定性に優れた植物の病害防除剤を提供することであり、本発明の第2の目的は、そのような植物の病害防除剤を用いて、植物の病気を有効に防除する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究に努めた結果、サリチル酸または/およびサリチル酸塩と植物の栄養素を植物に葉面散布することにより、植物に障害を発生させることなく、植物の病害を有効に防除できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0009】
すなわち、本発明の請求項1記載の植物の病害防除剤は、サリチル酸または/およびサリチル酸塩と植物の栄養素のリン酸及びカリウムを含む水溶液からなることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2記載の植物の病害防除剤は、サリチル酸または/およびサリチル酸塩と植物の栄養素のリン酸及びカリウムに加え、窒素、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンを1種以上または全てを含む水溶液からなることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3記載の植物の病害防除剤は、請求項1あるいは請求項2記載の植物の病害防除剤において、リン酸は、オルトリン酸または/およびポリリン酸であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の植物の病害防除剤を適量植物の葉面に散布することを特徴とする病害防除方法である。
【0013】
本発明の請求項5は、請求項4記載の病害防除方法において、請求項1から請求項3のいずれかに記載の植物の病害防除剤中のサリチル酸または/およびサリチル酸塩の濃度を1〜100ppm(質量)となるように調節して植物の葉面に散布することを特徴とする。
【0014】
本発明の植物の病害防除剤を適量植物の葉面に散布することにより、植物の葉に展着、浸透、吸収させて植物の全身獲得抵抗性を誘導して、植物に障害を発生させることなく、植物の病気を有効に防除することができる。
本発明の植物の病害防除剤は安価で、安定性に優れており、取り扱い性に優れている。
以上のように本発明の植物の病害防除剤は、水溶性キトサンおよびマグネシウムを含有しておらず、製剤も液剤であり、前記農園芸用交雑発病防止剤(特開2000−212013公報)とは全く異なるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の内容を詳細に説明する。
本発明は、前記のように本発明者等により、サリチル酸または/およびサリチル酸塩と植物の栄養素を植物に葉面散布することにより、植物に障害を発生させることなく、植物の病害を有効に防除できるという新しい機能を有することを初めて見出したことに基づいて成されたものである。
【0016】
本発明で用いるサリチル酸またはサリチル酸塩は、安定的にしかも容易に入手できる安価な資材であり、水溶性であるので製剤化も容易で利用しやすい資材である。
【0017】
これらに加えて本発明で用いているリン酸、カリウム、窒素、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンは、水溶性塩類などの化合物で販売されており、安定的に容易に入手でき、製剤化も容易で利用しやすい資材である。
【0018】
本発明の植物の病害防除剤における作用機作は、まだ解明されていない。本発明の植物の病害防除剤には、サリチル酸または/およびサリチル酸塩を使用していることから本発明の植物の病害防除剤には、サリチル酸などが植物の全身獲得抵抗性を誘導し、植物の病害を防ぐ既知の作用機作を含み、かつ植物の栄養素のリン酸及びカリウムを含むので、サリチル酸または/およびサリチル酸塩を単独で使用した以上に植物の病害を防ぐ効果があることから、サリチル酸または/およびサリチル酸塩とリン酸やカリウムとの相乗効果による未解明の作用機作があると考えられ、さらに、窒素、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンを加えることにより、一段と植物の病害を防ぐ効果が強まることから、サリチル酸または/およびサリチル酸塩とリン酸やカリウム、窒素、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンとのさらなる相乗効果による未解明の作用機作があると考えられる。勿論本発明の植物の病害防除剤における作用機作はこの考え方に限定されるものではない。
【0019】
本発明の植物の病害防除剤は、サリチル酸または/およびサリチル酸塩、リン酸及びカリウムの化合物が水に溶けた液体の製剤、またはこれらに加えて、窒素、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンの化合物を1種以上または全てが水に溶けた液体の製剤である。これら製剤に溶けているサリチル酸または/およびサリチル酸塩、リン酸及びカリウムの化合物、またはこれらに加えて、窒素、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンの化合物の量は植物の種類、病気の種類や程度などによって変わるので特に限定されるものではない。
【0020】
本発明の植物の病害防除剤には、さらに、製剤の沈殿や変質を防ぐためにクエン酸などの酸やエチレンジアミン四酢酸・四ナトリウムなどのキレート剤を必要に応じて、適宜加えることができる。
さらに、製剤を植物の葉に展着、浸透させ、吸収しやすくするために、糖や界面活性剤を必要に応じて、適宜加えることができる。
【0021】
本発明において用いるサリチル酸塩は、特に限定されるものではないが、なかでもナトリウム塩は水に溶け易く、利用しやすいので本発明において好ましく使用できる。
【0022】
本発明の植物の病害防除剤の使用方法は特に限定されるものではないが、使用に際して、水で希釈してサリチル酸または/およびサリチル酸塩の濃度が植物の病害防除剤全体に対して1〜100ppm(質量)、好ましくは10〜100ppm(質量)になるよう調節して、植物に葉面散布することが望ましい。1ppm未満であると植物の病害防止効果がでない恐れがあり、100ppmを超えると植物に害を与える恐れがあるので好ましくない。
【0023】
本発明の植物の病害防除剤の使用時期は特に限定されないが、例えば、植物の病気の発生し易い時期の前や発生初期、発生途中に使用できる。また、対象植物とその病気は特に限定されるものではないが、例えば、トマトのうどんこ病や葉カビ病、ミニトマトやキュウリのうどんこ病やダイズの葉に発生したカビによる斑点状の病気などを例示することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものでない。
なお以下の%およびppmはそれぞれ質量%および質量ppmを示す。
(比較例1)
(サリチル酸ナトリウムのミニトマトへの葉面散布よる障害の発生とうどんこ病防除試験)
サリチル酸ナトリウムの濃度がそれぞれ1,000ppm、100ppm、10ppmの水溶液を調整して、ミニトマト苗に1回葉面散布した。うどんこ病菌が蔓延するガラスハウス内でトマト苗を栽培し、ミニトマト苗にうどんこ病菌を感染させた。散布から6日後にミニトマト苗に発生した障害の有無を調査し、さらに、ミニトマトの本葉6葉目がうどんこ病に罹病した程度を調査し、下記の判断基準に従って、うどんこ病防除効果を目視によって求めた。これらの結果を表1に示す。
【0025】
(比較例2)
比較例1と同様に葉面散布しないミニトマト苗の障害の有無を調査し、さらに比較例1と同様にしてミニトマト苗にうどんこ病菌を感染させ、比較例1と同様にして防除効果を目視によって求めた。これらの結果を表1に示す。
【0026】
【0027】
【表1】
【0028】
表1に示したように、比較例1のサリチル酸ナトリウム1,000ppm水溶液を葉面散布したミニトマトには、葉の一部が褐変壊死する障害が発生する。比較例1のサリチル酸ナトリウム100ppmまたは10ppm水溶液を葉面散布したミニトマト苗および比較例2の葉面散布しないミニトマト苗には、障害は発生しないことが判る。
【0029】
表1から、サリチル酸ナトリウムの葉面散布によるミニトマトのうどんこ病防除効果を比較例2の無散布の防除効果3.0と比較すると、比較例1のサリチル酸ナトリウム1,000ppmの水溶液による防除効果は4.0と高く、一方、100ppmと10ppmの水溶液による防除効果は3.0で、比較例2と変わらないことが判る。
【0030】
以上のようにサリチル酸ナトリウム1,000ppm水溶液の葉面散布よる、ミニトマトへの防除効果は無散布より高いが、障害が発生する。サリチル酸ナトリウム100ppmと10ppm水溶液の葉面散布では、ミニトマトに障害は発生しないが、無散布と変わらない。すなわち、サリチル酸ナトリウムをミニトマトに葉面散布して、うどんこ病を防除すると障害が発生し、障害を発生しない濃度で葉面散布すると、うどんこ病を防除できないことが判る。
【0031】
(実施例1)
(本発明の植物の病害防除剤の調整)
サリチル酸ナトリウムを1%、リン酸をP2 O5 として7%、水酸化カリウムをK2 Oとして6%になるように水溶液を調整して、本発明の植物の病害防除剤1を作成した。
【0032】
このようにして調整した植物の病害防除剤1を水で300倍に希釈(サリチル酸ナトリウム濃度は33ppm)した水溶液を、本葉3枚程度展開したトマト苗に6日間隔で2回葉面散布した。うどんこ病菌が蔓延するガラスハウス内でトマト苗を栽培し、トマト苗にうどんこ病菌を感染させた。
最初の葉面散布から10日後に、トマト苗の本葉2葉目がうどんこ病に罹病した程度を調査し、上記判断基準に従って、本発明の植物病害防除剤1のうどんこ病防除効果を目視によって求めた。その結果を表2に示す。
【0033】
(比較例3)
本発明の植物の病害防除剤1を用いる替わりに、サリチル酸ナトリウムを100ppmまたは10ppmになるように調整した水溶液を6日間隔で2回葉面散布したトマト苗と葉面散布しないトマト苗を実施例1と同様にしてうどんこ病菌を感染させ、防除効果を目視によって求めた。その結果を実施例1に加えて表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
表2に示したように、比較例3に比べ、本発明の植物の病害防除剤1を用いた場合、うどんこ病の防除効果が各段に高く、トマトのうどんこ病を有効に防除できることが判る。
【0036】
(実施例2)
(本発明の他の植物の病害防除剤の調整)
サリチル酸ナトリウムを1%、リン酸をP2 O5 として7%、カリウムをK2Oとして6%、窒素をNとして3%、マンガンをMnOとして0.1%、ホウ素をB2 O3 として0.2%、鉄をFeとして0.08%、銅をCuとして0.05%、亜鉛をZnとして0.05%、モリブデンをMoとして0.07%になるように水溶液をつくり、この水溶液を安定させるためにクエン酸とエチレンジアミン四酢酸・四ナトリウムを適量加え、さらに葉面散布の効果を高めるために糖と界面活性剤を適量加えた水溶液を調整して、本発明の植物の病害防除剤2を作成した。
【0037】
このようにして調整した本発明の植物の病害防除剤2を水で100倍に希釈(サリチル酸ナトリウム濃度は100ppm)した水溶液をミニトマト(品種はキャロル)に葉面散布し、さらに6日後に本発明の植物の病害防除剤2を水で300倍に希釈(サリチル酸ナトリウム濃度は33ppm)した水溶液を葉面散布した。うどんこ病菌が蔓延するガラスハウス内でミニトマトを栽培し、ミニトマトにうどんこ病菌を感染させた。
最初の葉面散布から19日後に、トマト苗の本葉5葉目がうどんこ病に罹病した程度を調査し、上記判断基準に従って、本発明の植物病害防除剤2のうどんこ病防除効果を目視によって求めた。その結果を表3に示す。
【0038】
(比較例4)
本発明の植物の病害防除剤2を用いる替わりに、サリチル酸ナトリウムが100ppmになるように調整した水溶液をミニトマトに6日間隔で2回葉面散布した。このミニトマトと葉面散布しないミニトマトを実施例2と同様にうどんこ病菌を感染させ、防除効果を目視によって求めた。その結果を実施例2に加えて表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
表3に示したように、比較例4に比べ本発明の植物の病害防除剤2を用いた場合、うどんこ病の防除効果が格段に高く、ミニトマトのうどんこ病を有効に防除できることが判る。
【0041】
(実施例3)
実施例2で調整した植物の病害防除剤2を水で300倍に希釈(サリチル酸ナトリウム濃度は33ppm)した水溶液を、キュウリ苗(品種:四葉)に6日間隔で2回葉面散布した。うどんこ病菌が蔓延するガラスハウス内でキュウリ苗を栽培し、キュウリ苗にうどんこ病菌を感染させた。
最初の葉面散布から11日後に、キュウリ苗の本葉2葉目がうどんこ病に罹病した程度を調査し、上記判断基準に従って、本発明の植物病害防除剤2のうどんこ病防除効果を目視によって求めた。その結果を表4に示す。
【0042】
(比較例5)
本発明の植物の病害防除剤2を用いる替わりに、サリチル酸ナトリウムを100ppmまたは10ppmになるように調整した水溶液を6日間隔で2回葉面散布したキュウリ苗と葉面散布しないキュウリ苗を実施例3と同様にしてうどんこ病菌を感染させ、防除効果を目視によって求めた。その結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
表4に示したように、比較例5に比べ、本発明の植物の病害防除剤2を用いた場合、うどんこ病の防除効果が格段に高く、キュウリのうどんこ病を有効に防除できることが判る。
【0045】
(実施例4)
本発明の植物の病害外防除剤2を水で100倍に希釈(サリチル酸ナトリウム濃度は100ppm)した水溶液を、葉にカビによる斑点状の病気が発生したダイズに葉面散布した。その結果、ダイズの病気の進展は収穫間際までの3週間程、止まった。
この結果より、本発明の植物の病害防除剤2は、ダイズの葉のカビによる斑点状の病気を有効に抑えることが判る。
【0046】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の植物の病害防除剤は、サリチル酸または/およびサリチル酸塩と植物の栄養素のリン酸及びカリウムを含む水溶液からなるので、安価で、安定性に優れており、取り扱い性に優れている上、適量植物の葉面に散布することにより、植物の葉に展着、浸透、吸収させて植物の全身獲得抵抗性を誘導して、植物に障害を発生させることなく、植物の病気を有効に防除することができるという顕著な効果を奏する。
【0047】
本発明の請求項2記載の植物の病害防除剤は、サリチル酸または/およびサリチル酸塩と植物の栄養素のリン酸及びカリウムに加え、窒素、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンを1種以上または全てを含む水溶液からなるので、安価で、安定性に優れており、取り扱い性に優れている上、適量植物の葉面に散布することにより、植物の葉に展着、浸透、吸収させて植物の全身獲得抵抗性をさらに誘導して、植物に障害を発生させることなく、植物の病気をさらに有効に防除することができるという顕著な効果を奏する。
【0048】
本発明の請求項3記載の植物の病害防除剤は、請求項1あるいは請求項2記載の植物の病害防除剤において、リン酸は、オルトリン酸または/およびポリリン酸であるので、請求項1あるいは請求項2記載の植物の病害防除剤と同じ効果を奏する上、水に溶け易く、植物の病気をさらに一層有効に防除することができるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0049】
本発明の請求項4記載の病害防除方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の植物の病害防除剤を適量植物の葉面に散布するので、植物の葉に展着、浸透、吸収させて植物の全身獲得抵抗性を誘導して、植物に障害を発生させることなく、植物の病気を容易に有効に防除できるという顕著な効果を奏する。
【0050】
本発明の請求項5は、請求項4記載の病害防除方法において、請求項1から請求項3のいずれかに記載の植物の病害防除剤中のサリチル酸または/およびサリチル酸塩の濃度を1〜100ppm(質量)となるように調節して植物の葉面に散布するので、請求項4記載の病害防除方法と同じ効果を奏する上、確実に植物に障害を発生させることなく、確実に植物の病気を容易に有効に防除できるというさらなる顕著な効果を奏する。
Claims (5)
- サリチル酸または/およびサリチル酸塩と植物の栄養素のリン酸及びカリウムを含む水溶液からなることを特徴とする植物の病害防除剤。
- サリチル酸または/およびサリチル酸塩と植物の栄養素のリン酸及びカリウムに加え、窒素、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンを1種以上または全てを含む水溶液からなることを特徴とする植物の病害防除剤。
- リン酸は、オルトリン酸または/およびポリリン酸であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の植物の病害防除剤。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の植物の病害防除剤を適量植物の葉面に散布することを特徴とする病害防除方法。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の植物の病害防除剤中のサリチル酸または/およびサリチル酸塩の濃度を1〜100ppm(質量)となるように調節して植物の葉面に散布することを特徴とする請求項4記載の病害防除方法。
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