JP7064165B2 - 抗菌性農薬組成物 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年6月8日に出願された、「Antimicrobial and Agrochemical Compositions」という表題の、Dr. Tony John Hallによる、米国特許出願第62/172,501号に基づく優先権を主張し、その全ての開示内容は、国または地域の法律が認める通り、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
本発明は全体として、真菌の菌核形成も阻害する抗菌組成物に関し、より具体的には、活性成分として亜鉛イオン、水酸化物塩および亜リン酸を含むまたは含まない、銅イオンを含む水性組成物に関する。前記組成物は、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩と組み合わされた場合、さらに殺胞子性且つ殺菌核性(scleroticidal)となる。前記組成物がホスファイト(phosphite)またはホスホネート(phosphonate)(PO 3-)基を有する亜リン酸を含有することにより、前記組成物は真菌の菌核形成の阻害剤となる。
農業のグローバル化により、真菌および細菌等の、新規病原体または既存病原体の新規菌株に曝され得る地域で育成されている、それらの影響を受け易い作物がもたらされるようになった。全ての主要な農作物病害の70%が植物病原性真菌によって引き起こされると推定されおり、現在、世界中で植物病が食物供給を脅かしていることが認められている。
農業における商業的抗真菌剤の開発は、19世紀における銅をベースとしたボルドー液から始まった。20世紀になると、明確な作用機序を有する新規クラスの合成有機殺真菌剤が多く生産されたが、これらの剤の多くへの真菌の耐性発現が、深刻化する問題となっている。さらに、これらの殺真菌剤の多くは、環境に対して、または他の種に対して毒性作用を有しており、作物の中に残り続けて食物連鎖に入り込む可能性がある。このため、環境および消費者により安全な新規殺真菌剤の必要性が高まっている。
多くの真菌は胞子の形態で伝播され、胞子が風で拡散される植物病原性真菌は、最も損害が大きい農作物病害のいくつか、例えば、コーヒーさび病(ヘミレイア・ベスタトリクス(Hemileia vastairix))、イネイモチ病(マグナポルテ・オリゼー(Magnaporthe oryzae))およびバナナが罹るブラックシガトカ病(black sigatoka)(マイコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis))に関与する。真菌(および細菌)の胞子は、冷気、熱、紫外線およびほとんどの殺真菌剤に対して高度な耐性を有する。実際に、ほとんどの胞子の高過ぎる抵抗性のために、高濃度(例えば、それぞれ5~10%および10%超)で殺胞子性となる次亜塩素酸(漂白剤)および過酸化水素等の化学物質もまた、これらの殺胞子性濃度において植物および動物、さらには構築環境に対して大いに有害となる。
伝播および生存の手段としての胞子に加えて、多くの真菌は、リゾクトニア属種(Rhizoctonia species)、ベルチシリウム属種(Verticillium species)、スクレロティニア属種(Sclerotinia species)およびマクロホルミナ属種(Macrophormina species)に起因する、植物病原菌による疾患の重要な源である、菌核と呼ばれる生存用構造を生じ得る。菌核は、無性生殖的、多細胞性、休眠状態、且つ高度に耐薬品性の、構造である。通常、菌核はメラニンにより黒色化し、これが菌核に紫外線暴露に対する耐性を与え、結果として、菌核はしばしば、土壌中または植物、果実および野菜の表面上で黒色の斑点または物体として認識される。菌核が土壌中に現れると、菌核は何年も生存し続け、菌核の発芽、および根を介して植物に侵入する真菌性菌糸の増殖に繋がる植物の根との接触が起こった場合に、新しく植えられた作物に影響を与え得る。このため、農業において菌核形成を制御可能な、環境に対し安全であり且つ対費用効果の高い製品が必要とされている。
銅をベースとした殺真菌剤は、広く利用可能であり、安価であり、且つ比較的安全に使用できることから、有機農業を含む農業において現在でも広く使用されている。さらに、銅は、細胞膜損傷およびデヒドラターゼ酵素の鉄‐硫黄クラスターの不活性化を含む複数の毒性作用を及ぼすため、銅をベースとした製品に対する真菌の耐性は低い。しかし、現在利用可能な銅をベースとした製品は、水酸化銅(II)および塩基性塩化銅等の、銅化合物の懸濁剤であり、これらは、植物の葉に付着されて予防的に使用されることにより、真菌の発生を防ぐ。これらの銅をベースとした殺真菌剤は、銅の殺真菌性/殺菌性形態である銅イオンをほとんど供給しないことから、頻繁な散布が必要であり、比較的多量の銅を含有する(ボルドー液製品および塩基性塩化銅製品の葉面散布は一般的に2.5グラム/リットルの元素銅を含有する)。
亜リン酸カリウム等の塩形態の亜リン酸は、米国環境保護庁によりバイオ農薬に分類されている。亜リン酸塩は、卵菌および真菌に対する直接的作用機序および間接的作用機序の両方を有する。直接的作用には、菌糸体の増殖阻害、並びに芽胞形成および発芽の抑制が含まれる。亜リン酸塩の間接的作用には、まだ完全には解明されていない機構による植物防御応答の活性化が含まれる。亜リン酸塩の毒性は低く、銅をベースとした殺真菌剤と同様に、安価であり、比較的安全に使用でき、複数の作用部位を介した作用により耐性発現を回避するという利点がある。
残留農薬に関して、世界的に保健および環境規制がますます厳しくなっている。このため、世界中の農業従事者は、より多くの殺真菌剤/殺菌剤の使用を必要とする有害病原体の防除の必要性と、他方、規制当局による作物上および土壌中の化学残留物をより少なくする要求という、板挟みに直面している。胞子により伝播する植物病原性真菌は特に困難な標的であり、現在のところ、実績のある市販の殺胞子性製品は存在しない。空気中に放出される前に胞子を感染植物上で死滅/不活性化できれば、それにより、胞子の拡散が防がれ、効果的な病害防除となることは、明らかである。
すなわち、非植物毒性の、効果的且つ安全な、殺胞子性の農業用組成物が必要とされている。酸と亜硝酸ナトリウムとの反応は、抗菌活性および殺胞子活性を有する、極めて反応性に富む窒素酸化物の発生をもたらすことが知られている。本発明者により実施された、亜硝酸ナトリウムと組み合わせた、銅および/または亜鉛イオン並びに亜リン酸を含有する組成物を用いた実験は、驚くべきことに、亜硝酸ナトリウムと組み合わせた、銅および/もしくは亜鉛イオン単独、または亜リン酸単独と比較した場合に、相乗的な抗真菌活性、殺胞子活性および殺菌核活性を明らかにした。重要なことに、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合、これらの組成物は殺胞子性/殺菌核性の濃度において植物毒性にならなかった。さらに、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合、これらの組成物は、有利なことに、短期間(約6時間以下)の殺胞子/殺菌核活性、並びに、長期間(数日~数週間)の抗真菌作用および植物防御誘導作用を両立する。さらに、これららの組成物は、安全に、対費用効果を高く、且つ環境に配慮して、作製および使用が可能である。本発明によりこのような組成物が説明される。
紋枯病菌(Rhizoctonia solani)(R. solani)は、多くの植物種における根腐れおよび立ち枯れ病、並びにジャガイモ塊茎の黒あざ病を引き起こす、広く蔓延した土壌伝播性の植物病原性真菌である。紋枯病菌(R. solani)は、土壌中で長期間生存し、新しく植えられた作物において一次接種物として機能し得る、メラニンに富む菌核を形成する。一方、通常1~2日間の培養後に試験された、紋枯病菌(R. solani)を用いた真菌増殖阻害アッセイにおいて、銅、亜鉛および亜リン酸を含有する組成物の作用を評価することで、本発明者は、週を超えて維持されたプレートにおいて、1~2日間の培養後に紋枯病菌(R. solani)の増殖を部分的に阻害しただけであったある特定の組成物の濃度において、菌核の形成および/または成熟が阻害されたことに気付いた。このような部分的に阻害された培養物は、通常2~4日間の培養後にコンフルエントになり、この時点で、栄養分が限定的になるために、真菌は、まず白い斑点または物体として現れ、その後メラニンにより黒色化する菌核を生じ始め、乾燥した培養皿においてさえ何ヵ月も生存可能である黒色の構造を成熟させる。
この予想外の観察がさらに研究され、本明細書にて示される結果は、組成物中の亜リン酸の存在が、菌核形成の阻害に関与していたことを示す。さらなる実験によって、驚くべきことに、その全てがホスファイトまたはホスホネート(PO 3-)基を含有する、亜リン酸、その塩(例えば亜リン酸カリウム)、および除草剤であるグリフォセート(2-[(ホスホノメチル)アミノ]酢酸)等の、広く使用されている農薬の全てが、菌核形成の強力な阻害剤であることが明らかになった。
以降、以下の図面を参照して本発明を説明する。これらの図面において、同様の参照番号は同様の要素を指す。
図1は、選択された化学物質、ホスファイトおよびホスホネート(PO 3-)の構造を示している。 図2は、単独および亜硝酸ナトリウム(NaNO)との組み合わせにおいての、組成物Cu-Zn#31の殺菌核作用を示すグラフである。CuZn#31は、1~100ミリモルの亜硝酸ナトリウムと一緒に、原液の1%で使用した。紋枯病菌(R. solani)の未成熟(白色)菌核および成熟(黒色)菌核を10分間処理し、その後、2日間の培養の後にPDA上の真菌増殖を評価した。NG=増殖なし。 図3は、紋枯病菌(Rhizoctonia solani)による黒色菌核形成に対する亜リン酸(HP)、グリフォセート(GP)およびアミノメチルホスホン酸(AMPA)の効果を示すグラフである。示された結果は、3つの独立した実験(HPおよびGP)および2つの独立した実験(AMPA)から得られた、平均値±標準偏差である。
以降、好ましい実施形態に関連して本発明を説明するが、記載された実施形態に本発明を限定する意図はないと理解されたい。むしろ、本明細書および添付の図面が定義する本発明の精神および範囲に包含され得るのと同様に、全ての代替物、改変物、および均等物を包含することが意図される。
本発明により、銅イオンおよび/または亜鉛イオン、所望による、亜硝酸塩と組み合わされる場合の水酸化物塩および亜リン酸、を含有する水溶液を含み;好ましい実施形態では前記亜硝酸塩は亜硝酸ナトリウムである、抗菌性、殺胞子性且つ殺菌核性の組成物が提供される。本発明は、いくつかの実施形態では、農業適用において容易に達成可能な濃度で菌核の形成を阻害できるホスファイトまたはホスホネート基(PO 3-)を含有する化学物質を含む。本発明の組成物は、真菌による菌核形成を阻害することから、病原性真菌の存続および発達を防止する分野で使用されてもよい。
上記の段落は、導入文として提供したものであり、本明細書および添付の図面および特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定する意図はない。
本明細書にて説明および想定される本発明および種々の実施形態には、銅イオンおよび/または亜鉛イオンを含有し、亜リン酸を含み、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩と組み合わされた組成物の、これまで知られていなかった相乗的抗菌活性のための、組成物、調製、方法および使用が含まれる。本発明は限定ではなく例示として説明される。本明細書を読み、添付の図面を閲覧した後に、本明細書に記載された本発明に対する変更、改善および追加が決定されてもよく;このような変更、改善、および追加は、本明細書にて説明または想定される本発明およびその種々の実施形態の精神および広い範囲に包含されると見なされる。
抗菌性には、本明細書で使用される場合、抗細菌性、抗真菌性、抗卵菌性、および抗病原性が含まれる。殺胞子性および殺菌核性
記載される組成物の抗菌活性、殺胞子活性および殺菌核活性は、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合、亜鉛イオン単独または亜リン酸単独を含むまたは含まない、銅イオンの前記活性よりも驚くほどより強力である。重要なことに、これらの組成物はまた、有効な抗菌性、殺胞子性および殺菌核性濃度において植物毒性を持たない。これらの組成物は、銅イオンおよび/または亜鉛イオン並びに亜リン酸を含有しているため、有利なことに、亜硝酸ナトリウムによる殺胞子/殺菌核反応が枯渇した後(約6時間後)でも、抗菌剤および植物防御刺激化学物質としての効果を持続する。
本発明の一実施形態は、亜硝酸塩、好ましくは亜硝酸ナトリウム、と組み合わされた場合の、亜鉛イオン単独または亜リン酸単独を含むまたは含まない、銅イオンの溶液の、抗真菌活性および殺胞子活性と比較した場合の、亜硝酸塩と組み合わされた場合の、亜鉛イオンおよび亜リン酸を含むまたは含まない、銅イオンを含有する組成物の、植物病原性真菌の増殖の驚くほどに相乗的な阻害、並びに殺胞子活性および殺菌核活性に関する。
本発明の別の実施形態において、亜鉛塩および亜リン酸を含むまたは含まない、銅塩を含有する前記組成物が、真菌の菌核形成の驚くほど強力な阻害剤であることが示される。実際、予想外にもさらに、ホスファイトまたはホスホネート基(PO 3-)を含有する種々の化学物質が、農業適用において容易に達成可能な濃度で菌核形成を阻害できることが示される。前記化学物質としては、特に、殺真菌剤である亜リン酸カリウム、亜リン酸およびAliette、並びに除草剤であるグリフォセートが挙げられ、これらは全て広く使用されている農薬である。
亜鉛イオンおよび亜リン酸を含むまたは含まない、銅イオンを含有する前記組成物は、好都合には、以下に概要が述べられる一般的な手順に従って調製される。本発明のこれらの開示された実施形態は、ある特定の好ましい組成物を例示するが;これらの例が本発明の範囲を限定することは意図されていない。当業者には明らかであるが、本発明の精神および広い範囲から逸脱しない範囲で、複数の変形および変更が可能である。
本発明の抗菌組成物は、塩基性塩化銅によって供給される銅イオンの水溶液を含み、前記塩基性塩化銅の形態は、以下の2つである:(1)塩基性塩化銅原体(CuOCl-TP)が約57%の元素銅を含有し、1%水中懸濁液がpH6.2を有する形態、(2)塩基性塩化銅水和剤(CuOCl-WP)が約50%の元素銅を含有し、1%水中懸濁液が水pH8.3を有する形態。CuOCl-WPは、約10%のベントナイトおよび界面活性剤を含有することで、前記不水溶性塩基性塩化銅の「水和性」を増加させているため、CuOCl-TPよりも長く懸濁液の状態を維持する。前記組成物中の銅イオンは、前記組成物の生産中にCuOClと混合される、または、別々に組成物化され、後にCuOClをベースとした組成物と一緒に混合される、硫酸銅五水和物から供給されてもよい。
前記組成物中の銅イオンは、亜鉛イオンを伴ってまたは伴わずに、亜リン酸を伴ってまたは伴わずに、前記組成物の酸性度調節のために水酸化物塩が添加されてもよい。この点において、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの使用は、CuOCl-TPまたは硫酸銅を用いて作製された組成物の不安定性(混濁、結晶化)をもたらす場合があるが、CuOCl-WPを用いて作製された組成物には不安定性をもたらさない。驚くべきことに、水酸化アンモニウムは、混濁の問題も結晶化の問題も起こさずに、3つ全ての銅化合物と使用し、前記組成物の酸性度を調節することができた。従って、水酸化アンモニウムが、前記組成物中で使用するために好ましい水酸化物である。
種々のこのような銅をベースとした組成物および銅-亜鉛をベースとした組成物に関するいくつかの観察を、表1に示す。これらの結果は、例えば、安定な組成物の生成には硫酸銅が塩化銅よりも好ましいことを示している。これらの結果はまた、驚くべきことに、銅単独組成物の不安定性(結晶化)により、銅単独組成物の生成にはCuOCl-WPが銅CuOCl-TPよりも好ましいことを示している。しかし、驚くべきことに、亜鉛イオンの存在がCuOCl-TPを用いて作製された組成物における不安定性(結晶化)を防ぐことが判明した。
Figure 0007064165000001
本発明の抗菌性組成物、特に、本発明の殺胞子性且つ殺菌核性の組成物は、(i)亜鉛イオンを含むまたは含まない、亜リン酸を含むまたは含まない、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および好ましくは水酸化アンモニウム等の水酸化物塩が添加されてもよい、銅イオンの水溶液、並びに、(ii)亜硝酸塩、好ましくは亜硝酸ナトリウムとの組み合わせ、を含む。
本発明の一実施形態において、前記抗菌組成物は、塩基性塩化銅または硫酸銅五水和物を含み、水中に溶解された亜鉛塩(好ましくは硫酸亜鉛)を含むまたは含まず、その溶液に後に添加される亜リン酸を含み、このように形成された酸性の銅組成物または銅-亜鉛組成物のpH調節のために水酸化物塩(好ましくは水酸化アンモニウム)が添加されてもよい、溶液を含む。これらの溶液は、例えば、Cu-31またはCuZn-43-NおよびCu-32-N(NはNHOHが添加されていることを意味する、表2参照)と称される。
本発明の一実施形態において、前記抗菌組成物は、水中に混合された塩基性塩化銅-WPを含み、水酸化アンモニウムが添加され、その後、低温(20℃~50℃(さらなる詳細については下記の実施例を参照))でのベントナイトの沈殿を増強する亜リン酸が添加された、懸濁液を含む。
塩基性塩化銅をベースとした組成物は、好都合には、塩基性塩化銅、ベントナイトおよび界面活性剤を含有するCuOCl-WPを用いて作製される。亜リン酸の添加が、(i)CuOCl-WPを可溶化させて安定な溶液を形成させたこと、並びに、(ii)CuOCl-WPの懸濁液への添加と、その後の70℃~90℃での15~30分間のインキュベーションが、水酸化アンモニウムの添加有りまたは無しで、ベントナイト成分の急速な沈殿を促進して、清澄な濃緑色溶液をもたらしたことが分かった。
以下の例は、Cu-32およびCu-Zn-32等の配合物の作製に使用することができる、酸可溶化塩基性塩化銅組成物の2×ストック(Cu-32-2×)を作製するための一般的なプロトコルの説明である。特に記載がない限り、全ての化学物質は、シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Company Ltd.)(The old Brickyard、New Road、Gillingham、Dorset SP8 4XT、英国)から入手した。Hortiphyteは、ホルティフィーズ社(Hortifeeds)(Park Farm、Park Farm Road、Kettlethorpe、Lincoln LN1 2LD、英国)から入手した。Aliette(ホセチルアルミニウム)およびグリフォセート(2-[(ホスホノメチル)アミノ]酢酸)は、バイエル・クロップサイエンス社(Bayer CropScience)(230 Cambridge Science Park Milton Road、Cambridge CB4 0WB、英国)から入手した。アミノメチルホスホン酸は、フィッシャー・サイエンティフィックUK社(Fisher Scientific UK)(Bishop Meadows Road、LE115RG Loughborough、Leicestershire、英国)から入手した。亜リン酸カリウムは、ウーハン・リーソン・トレーディング社(Wuhan Rison Trading Ltd.)(498 Jianshe Ave、Wuhan、中国)から購入した。塩基性塩化銅50-水和剤(copper oxychloride 50-Wettable Powder)(CuOCl-WP)および塩基性塩化銅-原体(copper oxychloride-Technical Product)(CuOCl-TP)は、マニカS.P.A.社(Manica S.P.A.)(4 Via all’Adige、 38068 Rovereto、イタリア)から入手した。
10.0グラムのCuOCl-WP(50%の元素銅含有)を、ガラス製ビーカー中の70ミリリットルの蒸留水に添加し;マグネチックスターラおよび撹拌子を用いて混合することで、緑色を帯びた青色の懸濁液が形成する。ベントナイトを低温(20℃~50℃)で沈殿させる場合、CuOCl-WP懸濁液へのこの時点での8.0ミリリットルの水酸化アンモニウム(56.6%溶液)の添加が、ベントナイト沈殿を驚くほど促進する。35.0グラムの亜リン酸を徐々に添加することで、CuOCl-WPが可溶化して、濃緑色溶液が形成され、これをさらに5分間撹拌した後、蒸留水で90ミリリットルの体積にメスアップする。この溶液を次に、例えば、37℃に24時間かけて昇温させるか、または、この時間、CuOCl-WP配合物のベントナイトを沈殿させる。ベントナイトを遠心分離で除去し、その後可溶性組成物をデカントする。ベントナイトを高温(例えば60℃~90℃)で沈殿させる場合、この時点で、水酸化アンモニウム(1~80ミリリットル/リットル)の添加により酸性溶液のpHを変更することができ、総体積を蒸留水で100ミリリットルに最終調整することができる。
このCu-32-2×濃縮物は、他の配合物と混合して、種々の他の生成物を好都合に作製することができる。すなわち、Cu-32を作製するために、2×濃縮物を蒸留水と1:1混合する。CuZn-32を作製するために、等量のCu-32およびZn-32(表2参照)を撹拌しながら混合した。
なお、CuOCl-TPは、亜リン酸の添加および塩基性アンモニウム塩での任意の中和による安定な銅単独組成物の作製に使用できないが、これは、CuOCl-TPを用いて(水酸化アンモニウムの添加有りまたは無しで)作製されたこのような組成物が数日以内に晶出するためである(表1参照)。しかし、水中のCuOCl-TPおよび亜鉛塩(好ましくは硫酸亜鉛)の懸濁液の作製、次いで亜リン酸の添加(水酸化アンモニウムの添加を含むまたは含まない)による、銅-亜鉛をベースとした組成物は、上記のCuOCl-WPをベースとした組成物と同様に、好都合にも、数週間後でも結晶化の兆候を示さず、且つ、ベントナイトを沈殿させるのに時間および/または加熱を必要としない、驚くほどに安定な組成物である(表1参照)。
硫酸銅含有組成物は、水酸化アンモニウムを用いて作製することが好ましい。
さらに、塩基性塩化銅(-WPまたは-TP)を用いて作製された、銅をベースとした組成物および銅-亜鉛をベースとした組成物は、硫酸銅を用いて作製された、銅をベースとした組成物および銅-亜鉛をベースとした組成物と、表2に示される、様々な比でCu-31およびCu-32の組合せることにより作製された種々の組成物によって例示されるように、1:1~1:100の範囲の比率で、抗菌活性にいかなる目立った変化もなく、組み合わせることができる。
銅をベースとした組成物および銅-亜鉛をベースとした組成物において、組成物中の元素銅および亜鉛の総濃度は約1~50グラム/リットルであることが好ましい。
銅-亜鉛をベースとした組成物において、元素銅対元素亜鉛の濃度比は、約100:1~1:100、好ましくは10:1~1:10、さらにより好ましくは1:1であり得る。
水酸化物塩(好ましくは水酸化アンモニウム)溶液の濃度が14.5モル濃度である場合、この溶液は前記組成物に約1~80ミリリットル/リットル添加される。
前記組成物用に選択された酸は亜リン酸である。組成物中の亜リン酸の濃度は約40~800グラム/リットルであることが好ましい。
前記組成物の好ましい溶媒相は蒸留水または脱イオン水である。
上記のプロトコルに基づく、他の塩基性塩化銅をベースとした組成物の例については、表2を参照されたい。
本発明のいくつかの実施形態において、塩基性塩化銅および硫酸銅をベースとした銅組成物および銅-亜鉛組成物は、1:100~100:1の比で組み合わせることができる。塩基性塩化銅は一般に硫酸銅よりもかなり高価であり、且つ、関連組成物を作製するためのプロトコルはより複雑であることから、このような組み合わせは、それらの実用的応用にだけでなく、それらの対費用効果にも、有用であり得る。
このプロトコルに基づいた、他の、亜リン酸が可溶化したCu#組成物、Cu-Zn#組成物およびZn#組成物の例については、表2を参照されたい。表中、グラムは文字gで省略され、ミリリットルは文字mlで省略されている。
Figure 0007064165000002
Figure 0007064165000003
葉面散布としての農業における実用のために、例えば、組成物の原液が、混合または撹拌しながら水に添加され、例えば100倍~1,000倍に希釈されることが想定される。次に、適量の亜硝酸ナトリウム原液、例えば690グラム/リットル(10M)が、継続して撹拌または混合しながら添加され、例えば200倍に希釈されて、組み合わされた生成物において50mMの最終濃度が生じる。次に、適切な助剤、展着-固着剤(spreader-sticker)、アジュバント、担体、界面活性剤または増量剤が、適切な濃度で、有効量の前記組み合わされた生成物に添加されてもよい。本発明が、当業者により説明され、より簡単に理解され、容易に実施され得るために、以下、その実施形態を、非限定的な例示のみを目的として示し、添付の図面を参照しながら説明する。
実施例1:組成物を用いた真菌の増殖阻害アッセイ
真菌の増殖阻害アッセイ
紋枯病菌(Rhizoctonia solani)(R. solani)株をジャガイモの皮上の菌核から単離し、室温(22℃)、ポテトデキストロース寒天(PDA)上での培養下で維持した。真菌の増殖に対する組成物の効果を評価するため、滅菌蒸留水で希釈した10マイクロリットルの試験組成物を12ウェル組織培養プレートのウェル内に加え、1ミリリットルのPDAをピペットで各ウェルに添加した。プレートを撹拌し、試験組成物を寒天全体に均等に分布させ(蒸留水単独を対照として使用した)、次に寒天を固化させた。樹立真菌培養物からの真菌性菌糸を含有する寒天のプラグ(plug)(3×3ミリメートル)をメスを用いて切り出し、12ウェルプレートの各ウェル内の寒天の中央に切り込まれた穴に挿入し、その後室温で培養した。放射状真菌増殖に対する組成物の効果を評価するために、真菌性菌糸の直径を、定規を用いて90度の角度をつけて2回測定し、ミリメートル単位の平均直径を算出した。紋枯病菌(R. solani)の放射状増殖を50%阻害するのに必要な組成物の濃度(IC50)をグラフから決定した。
結果:
表2に示されるように、種々のCu組成物、CuZn組成物、Cu#組成物およびCu-Zn#組成物は全て、原液の0.14%~0.28%の範囲のIC50値(それぞれ、原液の約700~350倍希釈)を有し、これは、組成物の作製に用いた方法および銅の供給源が、培養下の植物病原性真菌である紋枯病菌(R. solani)の増殖を阻害する組成物の能力に劇的な変化を与えないことを示している。さらに、塩基性塩化銅および硫酸銅をベースとした銅(およびCuZn)組成物は、広範囲の濃度に亘って混合することができ、十分な抗真菌活性をなお維持している。
前記組成物が、前記組成物の作製に用いた成分よりも活性が高いことは、注目に値する。CuOCl-WP、CuOCl-TP、硫酸銅、硫酸亜鉛および亜リン酸は、紋枯病菌(R. solani)に対してそれぞれ2.0%、1.8% 0.39%、0.33%および0.64%のIC50値を有しており、そのため、銅組成物および亜リン酸を組み合わせた場合に、前記組成物の全てが予想よりもかなり低いIC50値(約0.15%)を有するという事実;これは、記載された組成物中で組み合わされた場合の、成分同士の相乗作用を示している。この相乗作用は、CuOCl-WPおよびCuOCl-TPがそれぞれ2.0%および1.8%という特に低いIC50値を有しており、亜リン酸が0.64%というIC50を有しており、さらに、Cu-32およびCu-32-Tがそれぞれ0.19%および0.17%というIC50値を有していることから、塩基性塩化銅派生組成物で特に顕著である。まとめると、組成物中で組み合わされた場合の成分同士の相乗活性を示すこれらの結果は、上記の「発明を実施するための形態」セクションに記載されたプロトコルを用いて作製されたこれらの組成物の、驚くほどに増強された抗菌効力を明らかにしている。
また、銅-亜鉛(CuZn)組成物の特別な利点の存在も注目に値する:(i)市販の銅をベースとした殺真菌剤(例えばボルドー液、塩基性塩化銅、水酸化銅(II)および酸化銅)は、例えば葉面散布用に希釈された場合に約2.5グラム/リットルの元素銅を一般に含有する。これらの製品中の銅塩は大部分が不溶性であり、懸濁液の状態であるため、これらの製品は植物の葉の上に付着し;雨が降り葉の上の前記製品が濡れた場合、少量の活性銅イオンが遊離し、これが抗菌活性を持つことになる。雨の負の副作用は、雨によって銅懸濁液が葉から地面に洗い流されるため、これらの製品の頻繁な散布が必要になることである。
表2に記載された銅単独組成物の大部分は、100×原液中に25グラム/リットルの元素銅(それぞれ、4.4、5および10グラム/デシリットルのCuOCl-TP、CuOCl-WPおよび硫酸銅)を含有しているため、組成物を1:100希釈した葉面散布は、典型的な市販製品より10倍低い、0.25グラム/リットルの元素銅を含有する。前記組成物中の銅イオン(および亜鉛イオン)の存在は(亜リン酸との相乗的な抗菌作用に加えて)、前記組成物がなぜ、水の存在下でのPDA培地においてでさえ、懸濁液製品のCuOCl-WPおよびCuOCl-TPと比較して、紋枯病菌(R. solani)の増殖阻害において活性がずっと高い(10倍~15倍)(表2参照)のかを部分的に説明する。さらに、現在の銅をベースとした製品の懸濁液は固まる傾向があり、散布機器を封鎖する可能性があるが、一方、記載された前記組成物は散布機器との使用により適したイオン溶液である。
ブドウおよびジャガイモ等の作物は一般的に1つの期間に10~15回散布されるが、一方、噴霧処理として使用される本明細書に記載のCu組成物またはCuZn組成物は、市販の銅をベースとした製品の1回の散布とおよそ等しい、全期間の処理における銅を含有する。CuZn組成物は一般的に、比較用の銅単独組成物中に含有される銅の量の50%しか用いずに作製されているが(例えば表2中のCu#28およびCuZn#12を参照)、それにもかかわらず、CuZn組成物は抗真菌性組成物としての活性において同程度であり;これは、銅濃度が市販の銅をベースとした製品のl/20の銅濃度に減少されていることを意味する。大量の市販の銅をベースとした殺真菌剤(不溶性、非イオン性の銅)は、効果的であるためには頻繁に散布されなければならず、これが、雨または灌水によって土壌に洗い流される、大量の潜在的に毒性の銅をもたらすことは、よく認識されている。
耕地(銅をベースとした殺真菌剤が使用されていない耕地)は、銅および特に亜鉛等の微量栄養素がしばしば欠乏し(Sillinpaa, M. (1982) Micronutrients and the nutrient status of soils: A global study. FAO Soils Bulletin, No. 48. FAO, Rome. Italy)、そのため、本明細書に記載のCuZn組成物は、植物に散布された場合に、有効栄養量のこれらの微量栄養素を供給することができる。

実施例2:組成物および亜硝酸ナトリウムを用いた殺真菌性アッセイ
殺真菌性アッセイ
真菌性菌糸を含有する寒天のプラグ(3×3ミリメートル)を、ポテトデキストロース寒天(FDA)上のマグナポルテ・オリゼー(Magnaporthe oryzae)(M. oryzae)の培養物から切り出し、75マイクロリットルの種々の濃度の亜硝酸ナトリウムまたは滅菌蒸留水(DW)を含有する96ウェルプレートのウェル内に配置した。反応を開始させるため、75マイクロリットルの組成物(DWで希釈)をウェルに添加した。プレートを室温で30分間、慎重に振盪およびインキュベートし、液体が除去されたら、150マイクロリットルのCM-1培地を5分間加えて反応を止めた。CM-1培地を除去し、前記寒天プラグを9センチメートルペトリ皿内のPDAに切り込まれた穴に挿入し(ペトリ1皿当たり6~7個の寒天プラグ)、これをその後、室温で4日間培養してから、真菌増殖を測定し(定規を用いて90度の角度をつけて2回)、ミリメートル単位の平均直径を算出した。真菌増殖が目視で認められない場合、培養物を位相差顕微鏡(40倍)で観察して、目視検査で判断された、増殖無し(NG)であることを確認した。
結果:
表3の結果は、亜硝酸ナトリウム(NaNO)の非存在下では、CuZn#12およびその成分、硫酸銅-硫酸亜鉛(CuZn)並びに亜リン酸(HPO)が、試験された最高濃度(原液の1%)においても、マグナポルテ・オリゼー(M. oryzae)に対して殺真菌性ではなかったことを示している。しかし、10ミリモルの亜硝酸ナトリウムの存在下では、3つ全ての組成物が、たった30分間の暴露で、殺真菌活性の濃度依存的な増加を示した。CuZnが亜リン酸よりもわずかに殺真菌性が低かったこと、および、両者がCuZn#l2よりもかなり活性が低かったことは、明らかである。NaNOからの窒素酸化物の発生はpH依存的であり、亜リン酸はCuZn#12よりも低いpHを有する(表3)ことから、亜リン酸による結果は驚くべきものであった。しかし、この予想外の結果は、CuZnと亜リン酸との間の相乗作用が算出された際に、説明がなされた。
亜硝酸ナトリウム存在下または非存在下のCuZn#12の形態におけるCuZnおよび亜リン酸の組み合わされた活性が相乗的であったかどうかを決定するために、以下の式を用いた:
Sf=M/[A+0.01×B(100-A)]
式中、Sfは相乗作用因子であり、AはCuZnの対照のパーセントであり;Bは亜リン酸の対照のパーセントであり;Mは混合物CuZn#12の対照のパーセントである。Sfが1より大きい場合、相乗作用がある(参考文献:Samoucha Y and Cohen Y (1984). Synergy between Metalaxyl and Mancozeb in controlling downy mildew in cucumbers. Phytopathology 74:1434-1437)。
相乗作用因子の値を算出した際(表3)、10mMの亜硝酸ナトリウムとの組み合わせにおける、0.3%(Sf=1.37)および1%(Sf=1.57)の組成物濃度において、明らかな相乗作用が認められた。
すなわち、これらの結果は、CuZn#12組成物の形態におけるCuZnおよび亜リン酸の組合せが、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合に、相乗的に作用して、予想よりも驚くほどに大きな抗菌性/殺真菌性効果を生むことを示している。
Figure 0007064165000004

実施例3:組成物および亜硝酸ナトリウムを用いた殺胞子性アッセイ
殺胞子性アッセイ:(1)灰色ブドウカビ菌(Bolrylis cinerea)(B. cinerea;灰色かびとしても知られている)およびパナマ病菌(Fusarium oxysporum f. sp. cubense)(F. oxysporum;バナナのパナマ病を引き起こす)の胞子を、9センチメートルペトリ皿内のポテトデキストロース寒天(PDA)上で生育している成熟培養物から、滅菌蒸留水(DW)で穏やかに洗浄することにより、単離した。胞子を含有する溶液を、40ミクロンフィルターに通して残骸を除去し、濾液をDW中で2×10(灰色ブドウカビ菌(B. cinerea))または5×10(パナマ病菌(F. oxysporum))胞子/ミリリットルに調整した。10マイクロリットルの亜硝酸ナトリウム(無菌DW中に溶解)試料またはDW試料を、10マイクロリットルの胞子液を含有する48ウェル組織培養プレートのウェルに加えた。反応を開始するために、組成物を添加し(時点=0)、プレートを慎重に振盪することにより反応物を完全に混合した。室温で30分間のインキュベーションの後、1ミリリットルのPDAを60℃で添加することにより反応を止めた。その後、プレートを室温で3~4日間培養してから、真菌増殖を視覚的に評価した。真菌増殖を以下の通りにスコア化した:対照培養物(DWを使用)と同等の真菌増殖は2としてスコア化した。真菌増殖が明らかに対照未満であった場合、1としてスコア化した。真菌増殖無しは0としてスコア化した。組成物の直後(2秒以内)にPDAを加えた場合、使用された亜硝酸ナトリウムの濃度(100ミリモル以下)または組成物の濃度(原液の1%希釈以下)にかかわらず、真菌増殖は観察されなかったが、このことは、PDAが、実験で使用されたNaNOの最高濃度(100mM)およびCuZn#12の最高濃度(1%)においてでさえ、反応を効率的に阻害したことを示している。
(2)組成物単独の殺胞子性効果を評価するために、灰色ブドウカビ菌(B. cinerea)胞子(1×10)を、マイクロチューブ内、22℃で、種々の濃度の組成物またはDWに暴露した。1時間の暴露後、胞子を1mlのDWで2回洗浄し、次いでPDA中に懸濁させ、6日間インキュベートした後、表4に記載の通りに真菌増殖を評価した。
結果:
表4の結果は、組成物CuZn#12、Cu#28、Zn#4が、原液の10%でわずかに殺胞子性であったが、より低い濃度では殺胞子性でなかったことと、一方で、組成物Cu-32が、原液の10%および5%でわずかな殺胞子活性を示したが、より低い濃度では殺胞子活性を示さなかったことを示している。Cu#32のより高い殺胞子活性は、他の3つの組成物(4グラム/デシリットル;表2参照)と比較した場合の、Cu#32のより高い亜リン酸濃度(17.5グラム/デシリットル)によって説明することができる。
Figure 0007064165000005
2. 表4に示された、前記実験で試験された4つの組成物の殺胞子性効果は、使用された濃度の高さを考慮すると(これらの組成物は原液の1%未満で使用されるように設計されている)、比較的弱いものであった。しかし、これらの組成物が亜リン酸の存在により酸性であるという理由から、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合に、その後の反応により亜硝酸が生成し、これが殺胞子性であることが知られている高度に反応性の窒素酸化物を放出するため、これらの組成物が殺胞子活性の増加を示し得ることが予測された。
表5の結果は、亜硝酸ナトリウム単独(NaNO+DW)および全ての組成物単独(NaNO=0)が、試験されたいかなる濃度においても、灰色ブドウカビ菌(B. cinerea)の胞子に対して殺胞子活性を有さなかった(全て2=対照増殖のスコア)ことを示している。硫酸銅(Cu)、硫酸亜鉛(Zn)、硫酸銅+硫酸亜鉛(CuZn)のみが、100mMの亜硝酸ナトリウムの存在下で殺胞子活性を示し、一方、亜リン酸は1%(1%の3つの組成物中のその濃度と等しい)で活性であったが、より低い濃度ではほとんど活性を示さなかった。3つ全ての組成物が、亜硝酸ナトリウムとの殺胞子活性において、濃度依存的な増加を示した。最も活性が高い組成物はCu#28であり、次いでCuZn#12およびZn#4であった。亜リン酸が100ミリモルの亜硝酸ナトリウムの存在下および非存在下の両方においてCuZn#12よりも低いpHを有するのにもかかわらず、CuZn#12の殺胞子活性は、その成分であるCu-Znおよび亜リン酸からの予想(殺真菌性実験において論じられた:表3参照)よりも大きかった。3つの組成物のpH値が同様であるのにもかかわらず、Cu#28がCuZn#l2およびZn#4よりもかなり殺胞子性が高かったことから、亜リン酸との組み合わせにおける、Cu#28組成物およびCuZn#12組成物中の銅の存在(おそらくは、半分濃度の銅イオンしか存在していないために、CuZn#12はCu#28よりも活性が低い、表2参照)が、単純なpH問題と無関係な、亜硝酸ナトリウムの存在下における殺胞子活性の驚くほどの増強をもたらすと思われる。
経時的実験によって、(i)100ミリモルの亜硝酸ナトリウムおよびCuZn#12(原液の1%)を混合した1分以内に効率的な殺胞子活性が生じたこと、並びに、(ii)反応物を混合した約6時間後に殺胞子活性が消費されたこと(データ未記載)が明らかになった。
種々の組成物および硝酸ナトリウムまたは尿素を用いた実験は、灰色ブドウカビ菌(B. cinerea)の胞子に対する殺胞子活性の兆候も示さず(データ未記載)、そのため、組成物と組み合わされた場合に殺胞子活性を生じる好ましい化合物は、亜硝酸ナトリウムである。
Figure 0007064165000006
表6の結果は、硫酸銅および塩基性塩化銅-WPが、30ミリモル以下の濃度の亜硝酸ナトリウムと組み合わせた場合に、殺胞子活性を有さなかったことを示している(100ミリモルの亜硝酸ナトリウム単独がパナマ病菌(F. oxysporum)胞子に対して殺胞子性であった、データ未記載)。試験された2つの組成物、Cu-31およびCu-32、は17.5グラム/デシリットルの亜リン酸と共に、それぞれ硫酸銅およびCuOCl-WPをそれらの銅塩として含有しており(表2)、両方の組成物が、等価濃度の亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合のそれらの成分単独と比較して、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合に相乗的な殺胞子活性を示した。
これらの結果は、亜リン酸を含む単純な組成物中でさえ、2つの異なる銅塩が、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合のそれらの成分単独と比較して、相乗的に増強された殺胞子活性を示すことを示すことにより、表5の結果を確認および拡張している。
Figure 0007064165000007
まとめると、これらの結果は、これらの殺胞子性組成物を耕地で使用できる可能性に重要な意味を持つ。酸性化された亜硝酸ナトリウムが亜硝酸を生成し、亜硝酸が分解して殺胞子性の窒素酸化物になることは、よく知られている。しかし、本明細書に示された結果は、亜リン酸を含有する銅をベースとした組成物および銅-亜鉛をベースとした組成物が、驚くべきことに、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合に、等価濃度の亜リン酸単独よりも高い殺胞子活性を有することを示している。
さらに、例えば葉面散布として本組成物を亜硝酸ナトリウムと一緒に使用することは、空気中への放出前に胞子を殺傷することで、関連する真菌感染症の拡散を低減し得る、殺胞子性作用を発揮するだけでなく、殺胞子性反応が消耗された後(約6時間後)も、処理された植物上に残存する銅または銅-亜鉛および亜リン酸をベースとした組成物によって与えられる、継続的、持続的な抗菌活性および植物防御刺激活性が存在する。
CuZn#12組成物の1%および50ミリモルの亜硝酸ナトリウムを含有する葉面散布用混合物が、10日齢のイネ苗に1日2回、5日間散布された際、水単独を散布された対照イネ苗と比較して、イネ苗の成長には目立った影響は無く、白化も観察されなかった。興味深いことに、つぼみにアブラムシ(緑色アブラムシおよび黒色アブラムシ)が湧いているバラ植物に同じ葉面散布が使用された場合、散布の5分以内に昆虫が死滅することが分かり;散布されたバラ植物のその後の数日間に亘る観察によって、バラ植物もバラのつぼみも、散布によって損傷を受けなかったことが示された。
まとめると、これらの結果は、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた前記組成物が、イネ苗に対してもバラ植物に対しても植物毒性でなく、一方で、その散布がアブラムシに対する有効な殺虫剤であったことを示している。従って、本発明の種々の実施形態には、殺虫剤として使用される本明細書に記載の組成物も含まれる。

実施例4:組成物および亜硝酸ナトリウムを用いた殺菌核性アッセイ
殺菌核性アッセイ
白色の未成熟菌核を含有する寒天プラグ(3×3ミリメートル)を、紋枯病菌(R. solani)の6~8日目の培養物から切り出し、一方で、成熟メラニン化(黒色)菌核を含有する寒天プラグ(約10×3ミリメートル)を、13日齢の紋枯病菌(R. solani)培養物から切り取り、2×3ミリメートル片にメスで切断した。次に、これらの菌核試料を、75マイクロリットルの種々の濃度の亜硝酸ナトリウムまたは対照としての滅菌蒸留水(DW)を含有する96ウェルプレートのウェル内に配置した。反応を開始させるため、75マイクロリットルのCuZn#3l(DWで希釈)をウェルに添加した。プレートを室温で10分間、慎重に振盪およびインキュベートした後、液体を慎重に除去し、150マイクロリットルのCM-1培地を5分間加えて反応を止めた。CM-1培地を除去し、前記寒天プラグを9cmペトリ皿内のPDAに切り込まれた穴に慎重に挿入し(ペトリ1皿当たり4個のプラグ)、次にこれを室温で培養した後、真菌増殖を定規を用いて90度の角度をつけて2回測定し、ミリメートル単位の平均直径を算出した。真菌増殖が目視で認められない場合、培養物を位相差顕微鏡(40倍)で観察して、目視検査で判断された、増殖無し(NG)であることを確認した。
結果:
図2の結果は、CuZn#31(1%)および亜硝酸ナトリウム(1~100ミリモル)の組合せが、わずか10分間の暴露で、紋枯病菌(R. solani)の未成熟(白色)菌核および成熟(黒色、色素性)菌核の両方に対して、濃度依存的に殺菌核性であったことを示している。白色菌核は試薬の組合せに対して黒色菌核よりも感受性が高かった。CuZn#31(1%+0)および亜硝酸ナトリウム(0+100)単独は、真菌増殖が対照(0)で見られた真菌増殖と同様であったことがから、白色菌核に対しても黒色菌核に対しても有意な殺菌核性効果をほぼ全く示さなかったが、これは、窒素酸化物の生成が観察された殺菌核活性に必須であったことを示している。
ジャガイモ畑におけるベルティキリウム・ダフリアエ(Verticillium dahliae)(V. dahliae)の天然の微小菌核は、大部分(約90%)が直径125マイクロメーター未満であり(Smith VL and Rowe RC. Phytopathology 74: 553-556, 1984)、微小菌核は、本明細書で使用された2×3ミリメートル片の成熟菌核よりも、亜硝酸ナトリウムと組み合わされたCu-Zn#31の殺菌核性効果の影響を受け易い可能性があることは、注目に値する。
表7の結果は、漸増濃度の亜硝酸ナトリウムの存在下および非存在下における、紋枯病菌(R. solani)のメラニン化(黒色)菌核に対する4つの類似組成物(その成分が表7に示される)の殺菌核活性を示している。いずれの組成物も亜硝酸ナトリウム無しでは殺菌核性を持たず(0+1%)、同様に、試験された最高濃度の亜硝酸ナトリウム(30+0)も殺菌核性ではなかった。しかし、4つ全ての組成物が、漸増濃度の亜硝酸ナトリウムによって、殺菌核活性における用量依存的な増加を示し、このことは、窒素酸化物の生成が観察された殺菌核活性に必須であったことを示している。全体的に見て、前記4つの組成物は、類似の殺菌核活性(処理後にPDA上で培養した場合に、菌糸を産生する菌核の能力によって測定)を有し、硫酸銅を含有する2つの組成物は、塩基性塩化銅を含有する組成物よりもわずかに活性が高かった。CuZn#31組成物で見られたように(図2)、4つ全ての組成物が、30ミリモルの亜硝酸ナトリウムと組み合わせた場合に、完全に殺菌核性となった。
Figure 0007064165000008

実施例5:真菌の菌核形成の阻害
真菌増殖阻害および菌核形成阻害アッセイ:
これらの実験に使用した紋枯病菌(Rhizoctonia solani)(R. solani)株は、ジャガイモ上の菌核から単離したものであり、室温(22℃)で、ポテトデキストロース寒天(PDA)上の培養下で維持した。真菌の増殖に対する組成物の効果を評価するため、滅菌蒸留水で希釈した10マイクロリットルの試験組成物を12ウェル組織培養プレートのウェル内に加え、1ミリリットルのPDAをピペットで各ウェルに添加した。プレートを撹拌し、試験組成物を寒天全体に均等に分布させ(蒸留水単独を対照として使用した)、次に寒天を固化させた。樹立真菌培養物からの真菌性菌糸を含有する寒天プラグ(3×3ミリメートル)をメスを用いて切り出し、12ウェルプレートの各ウェル内の寒天の中央に切り込まれた穴に挿入し、その後室温(22℃)で培養した。放射状真菌増殖に対する組成物の効果を評価するために、真菌性菌糸の直径を、定規を用いて90度の角度をつけて2回測定し、ミリメートル単位の平均直径を算出した。真菌増殖が目視で認められない場合、培養物を位相差顕微鏡(40倍)で観察して、目視検査で判断された、増殖無し(NG)であることを確認した。
菌核形成に対する化合物および組成物の効果を評価するため、紋枯病菌(R. solani)培養物を毎日調べ、培養物がコンフルエントになるまで放射状真菌増殖を測定し、その後、白色(未成熟)菌核および成熟(黒色色素性)菌核の発生に注目し、培養10日目に成熟菌核の数をカウントした。
結果:
表8の結果は、組成物Cu-32(亜リン酸含有)が、紋枯病菌(R. solani)の培養物において、未成熟菌核および成熟菌核の形成を完全に阻害したことを示している。Cu-32が培養1日目(および2日目)に紋枯病菌(R. solani)の放射状増殖を部分的に阻害したにもかかわらず、増殖は培養3日目までにコンフルエントに達したが、菌核形成は3つ全ての濃度において完全になくなっていた。組成物Cu-32-PO4(リン酸含有)も紋枯病菌(R. solani)の増殖を部分的に阻害したが、コンフルエンスが達成されると、対照培養物(蒸留水を使用)において見られたものと同様に、試験された低い方から2つの濃度において白色菌核、次いで黒色菌核が形成した。試験された最高の濃度において、Cu-32-PO4は、増殖阻害および白色菌核および黒色菌核の形成防止において、Cu-32と類似していた。組成物Cu-36(硫酸含有)は、紋枯病菌(R. solani)の増殖の最も効力の弱い阻害剤であり、菌核形成は試験された3つ全ての濃度において、経時変化および数において対照培養物と非常に類似していた。
これらの結果は、Cu-32が菌核形成の最も強力な阻害剤であったこと、および、Cu-32-PO4が試験された最高濃度において同じ効果を有し、Cu-36が菌核形成に対しほとんど効果がなかったこと、をはっきりと示している。これら3つの組成物は、使用された酸を除いて同一であり、且つ同様のpH値を有することから(表8の説明文)、これらの結果は、驚くべきことに、組成物中の亜リン酸の存在が紋枯病菌(R. solani)による菌核形成の最適阻害に必要とされることを示している。
Figure 0007064165000009
表9の結果は、亜リン酸およびそのアルカリ金属塩である亜リン酸カリウムの両方が、40ミリグラム/リットル以上の濃度において、紋枯病菌(R. solani)による成熟(黒色、色素性)菌核の形成を完全に阻害したことを示している。これらの濃度において両製品は、真菌増殖のわずかに効果のある阻害剤であり、そのため、真菌増殖にもかかわらず、菌核形成に対するホスファイトの阻害効果が生じる。
市販亜リン酸カリウム製品は、病原体の攻撃に対し植物防御を刺激するために、葉面散布として約4グラム/リットルの濃度で一般に使用されており;この濃度は、培養下の紋枯病菌(R. solani)による菌核形成を完全に防止するのに必要とされる濃度(40ミリグラム/リットル)よりも100倍高い。
Figure 0007064165000010
表10の結果は、それぞれ亜リン酸カリウムおよびホセチルアルミニウム(ホスホネート)を含有する市販製品であるHortiphyteおよびAlietteが、亜リン酸と等価な濃度のホスファイトに調整された場合、紋枯病菌(R. solani)による増殖および菌核形成に対してほぼ同一の効果を有することを示している。
Hortiphyteは、窒素源、並びに亜リン酸カリウムの形態のカリウムおよびリンを供給する液体肥料として販売されている。Alietteは殺真菌剤として販売されており、アルミニウムトリスO-エチルホスホネートの形態でPO 3-基を含有する。
これらの結果は、ホスファイト/ホスホネート基(PO 3-)が、培養下の紋枯病菌(R. solani)による菌核形成を阻害することにとって重要なものが、それがどの形態で存在するかではなく、その濃度であることを示している。
Figure 0007064165000011
表11の結果は、亜リン酸が、グリフォセートまたは土壌微生物によるグリフォセートの分解産物であるアミノメチルホスホン酸(AMPA)よりも、真菌増殖(培養1日目)および菌核形成(培養10日目)のより強力な阻害剤であることを示している。溶解性の問題により、AMPAは、1グラム/リットルという最高濃度でしか試験することができず、この濃度においてAMPAは、紋枯病菌(R. solani)の増殖および菌核形成に対する活性においてグリフォセートと類似していたが、亜リン酸との比較ではかなり活性が低かった。
図3は、2~3連の実験から得られた、亜リン酸、グリフォセートおよびAMPAを用いて形成された黒色菌核の数を示している。亜リン酸が、紋枯病菌(R. solani)による黒色菌核形成の阻害において、グリフォセートよりも約20倍活性が高く、AMPAよりも約30倍活性が高いことが明らかである。
亜リン酸および亜リン酸塩は葉面散布として4g/lの濃度で一般に使用されているが、表9および表11に示されるように、両製品はこの濃度の1/100(40ミリグラム/リットル)で菌核形成を完全に阻害する。これらの実験で試験されたグリフォセート製品は、8グラム/リットル(6.8グラム/リットルの活性成分を含有)での、葉面散布としての使用が推奨されているが、この濃度のたった1/3~1/10において(対照と比較して低減されたレベルにおいても)、菌核形成は生じる。
しかし、グリフォセート(除草剤)およびホスファイト(殺真菌剤/植物防御誘発物質)は農業において全く異なる用途を有しているが、単独で使用されたいずれの製品も、前記製品の主要な農業応用において葉面散布として使用されるもののそれぞれ10倍~100倍低い濃度で菌核形成を有意に阻害できることは、実用面で重要となり得る。
亜リン酸およびグリフォセートが組み合わされた他の実験では、いずれの化合物のもう一方に対する相乗効果も阻害効果も示されたなかった(データ未記載);表11および図3に示される結果から予測され得るように、前記組み合わせの効果は相加的であり、亜リン酸が優勢となった。グリフォセート並びに亜リン酸およびそのカリウム塩が、溶液中で相溶性であることが判明したことから、例えば、グリフォセートおよび亜リン酸カリウムの組合せは、特に両製品は葉面散布として植物上に散布される場合に非常に効果的であるため、耕地における有効な除草剤/菌核形成阻害剤製品として使用することもできる。
Figure 0007064165000012
亜硝酸ナトリウムの酸性化が、反応性が高い生物致死性の窒素酸化物の生成をもたらすことはよく知られているが、本明細書に示された結果は、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた銅塩単独または銅および亜鉛塩単独の溶液が弱い抗菌活性(表3)または殺胞子活性(表5)しか持たないのにもかかわらず、新規の、亜リン酸を含む、銅をベースとしたイオン性組成物および銅-亜鉛をベースとしたイオン性組成物が、驚くべきことに、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合に、等価濃度の亜リン酸単独よりも相乗的により高い抗菌活性(表3)、殺胞子活性(表6)および殺菌核活性(表7)を有することを、明らかに示している。
記載された、種々の、銅をベースとしたイオン性組成物および銅-亜鉛をベースとしたイオン性組成物は、原液の0.14%~0.28%の範囲のIC50値で真菌の紋枯病菌(R. solani)の増殖を阻害する能力(表2)によって示されるように、効果的な抗菌生成物であり、このことは、前記組成物が作製された方法が、前記組成物の強力な抗菌活性に大きな影響を与えないことを示すものである。さらに、塩基性塩化銅および硫酸銅をベースとした銅(および銅-亜鉛)組成物は、十分な抗菌活性を維持したまま、広範囲の濃度に亘って、作製または混合することができる。予想外にも、亜リン酸と共に、銅イオンまたは銅イオンおよび亜鉛イオンを含有する組成物は、それらの作製に用いた成分よりも抗菌性が高い(表2参照)。まとめると、これらの結果は、前記組成物の成分と比較した場合の、前記組成物の相乗活性を示しており、「発明を実施するための形態」のセクションに記載の通りに配合された前記組成物の驚くほどに増強された抗菌効力を示している。
重要なことに、前記組成物は、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた場合に、その抗菌活性および殺胞子活性が共に相乗的に増強される(それぞれ表3および表5)。例えば葉面散布として使用されるこのような組み合わせは、空気中への放出前に真菌胞子を殺傷することで、関連する真菌感染症の拡散を低減し得る、殺胞子性作用を発揮するだけでなく、殺胞子性反応が消耗された後(約6時間後)も、処理された植物上に残存する前記組成物の銅成分または銅-亜鉛成分および亜リン酸成分によって与えられる、継続的、持続的な抗菌活性および植物防御刺激活性が存在する。徐放形態の亜硝酸ナトリウムを含有することにより前記組み合わせの殺胞子反応を延長することが可能なはずである。これは、前記殺胞子性の組合せを作製し散布するのに必要な時間が6時間を超える場合に有益であろう。
さらに、組成物と亜硝酸ナトリウムとの組み合わせ(どちらも単独では殺菌核性でない)も、驚くべきことに、相乗的な殺菌核活性を示す(表7)。実際に、原液を1:100(1%)希釈した前記組成物と、30ミリモルの亜硝酸ナトリウムとの組み合わせの、たった10分間の暴露によって、完全な殺菌核活性が達成された。これらの結果は、このような組み合わせが、まず第一に真菌増殖を阻害することにより菌核形成を防止するためだけでなく、菌核による有害な長期の土壌汚染をもたらすであろう、枯れた植物材料中の菌核を耕作前に死滅させることによっても、当該分野で有効に使用され得ることを示している。
紋枯病菌(R. solani)、ベルチシリウム・ダーリエ(V. Dahliae)およびマクロホミナ・ファセオリナ(M. Phaseolina)等の菌核形成真菌は、レタス、ジャガイモ、ホウレンソウおよびイチゴの生産に使用される耕地の土壌における主要な問題である。燻蒸による土壌中の菌核の死滅は現在では禁止または漸次廃止されているが、現在利用可能な効果的な代替戦略が存在していな。組成物と亜硝酸ナトリウムとの組み合わせは、殺菌核性であり、且つ真菌増殖を強く阻害するため、菌核がそもそも形成され得ず;さらに、組成物の殺真菌性濃度(亜リン酸の濃度が典型的に400~1,750ミリグラム/リットルの範囲内となる、原液の1%、表2参照)で存在する亜リン酸よりもかなりより低い濃度(40ミリグラム/リットル以上)で、組成物中の亜リン酸が菌核形成を阻害することが示された。
亜リン酸に加えて、ホスファイトまたはホスホネート(PO 3-)基を含有する広く使用されている農薬である、亜リン酸カリウム、グリフォセートおよびAlietteの全てが、菌核形成の阻害剤であることも示された。しかし、亜リン酸、亜リン酸カリウムおよびAlietteは菌核形成の最も強力な阻害剤であったものであり、これらは安価で広く使用されている製品であることから、噴霧、ドリップラインまたはピボット等の水供給においてこれらの製品を低濃度で作物に毎日散布することが、耕地における真菌による菌核の形成を防止する好都合且つ対費用効果の高い方法を提供し得ることは、当然予測され得る。
ホスファイトまたはホスホネート(PO 3-)を含有する化合物を含む殺菌核性組成物が、驚くべきことに、真菌による菌核の形成を防止することが示された。前記化合物は、例えば、亜リン酸またはその塩、例えば、亜リン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸銅、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、もしくは亜リン酸アンモニウムまたはその組み合わせであってよい。前記化合物は、本発明のいくつかの実施形態では、グリフォセート(N-(ホスホノメチル)グリシン)であってもよい。
前記組成物は、本発明のいくつかの実施形態では、グリフォセートと、亜リン酸またはその塩との組み合わせであってよい。
本発明の別の実施形態では、亜硝酸および窒素酸化物の生成のために亜硝酸ナトリウムと組み合わされた、亜リン酸を含む、銅組成物または銅-亜鉛組成物は、農業への用途を有する、抗菌性(殺菌性、殺真菌性)、殺胞子性、且つ殺菌核性の組成物をもたらす。
本発明のいくつかの実施形態では、前記亜硝酸塩はナトリウムまたはカリウムである。本発明のいくつかの実施形態では、前記銅塩は塩基性塩化銅または硫酸銅であってよい。本発明のいくつかの実施形態では、前記銅塩は水和性生成物(wettable product)の形態である塩基性塩化銅であってよい。本発明のいくつかの実施形態では、前記亜鉛塩は硫酸亜鉛、酢酸亜鉛または硝酸亜鉛であってよい。本発明のいくつかの実施形態では、前記塩基性アンモニウム塩は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであってよく、水酸化アンモニウムが好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、前記水は蒸留水、脱イオン水、精製水、濾水、製薬用純水、医療用純水、および逆浸透水であってよく、本発明のいくつかの実施形態では、前記溶液を作製するために使用された銅および/または亜鉛塩は水和されている。本発明のいくつかの実施形態では、組成物中の銅対亜鉛の比は、100:1~1:100、より好ましくは10:1~1:10、さらにより好ましくは1:1の範囲である。本発明のいくつかの実施形態では、前記組成物は補助剤、アジュバント、担体、界面活性剤または増量剤をさらに含む。
驚くべきことに、Cu/CuZnは、単独での使用または亜硝酸塩と混合された場合のどちらかにかかわらず、亜リン酸(PA)単独とよりも、亜リン酸(PA)組成物と、より強力な抗菌/殺真菌および殺胞子活性を有する。また、亜リン酸は植物防御を刺激する。
農業応用への、NaNOの活性化物質として亜リン酸を使用した場合の、銅イオンの存在による殺胞子作用の驚くべき増強は、予測できるものではなかった。さらに、本明細書における殺真菌性実験は、銅と亜リン酸の存在によって与えられる抗菌作用の増強が、思いがけない相乗効果であったことを示している。
しかし、亜リン酸および亜リン酸カリウム単独は、紋枯病菌(R. solani)による菌核形成の非常に効果的な阻害剤(40mg/L以上の濃度)であるが、真菌増殖の比較的弱い阻害剤(紋枯病菌(R. solani)でのIC50値がそれぞれ約250mg/Lおよび約400mg/L)であり、どちらの製品も葉面散布として一般的に使用される4グラム/リットル未満の濃度では殺胞子性でも殺菌核性でもない。従って、耕地において、亜硝酸ナトリウムを含むまたは含まない、本明細書に記載の組成物の1つを使用することには、かなりの利点がある。
興味深いことに、イネの苗およびバラ植物上への葉面散布として使用された場合、亜硝酸ナトリウムと組み合わされた前記組成物は植物毒性とはならず、アブラムシが湧いているバラ植物上では、前記組み合わせは迅速な殺虫性を示すことが分かった。
理想的には、農薬は、安価で効果的なだけでなく、簡単且つ安全に使用でき、環境に配慮したものであるべきである。亜硝酸ナトリウムと組み合わされた本組成物は、安価であり、比較的安全に使用でき、ほとんどの現在利用可能な銅をベースとした農薬よりもずっと低いレベルの銅(原液の1%希釈において約10倍低い)しか含有しないことから環境に配慮したものであるため、この点において有利である。

Claims (11)

  1. 真菌の菌核形成も阻害する抗菌性、殺胞子性且つ殺菌核性の組成物であって、
    元素銅を1~50グラム/リットルの範囲で含有する、水中の塩基性塩化銅懸濁液;
    40~800グラム/リットルである亜リン酸および前記水中の水酸化物塩;並びに、
    前記組成物中の濃度が10~100ミリモル濃度である前記水中の亜硝酸または亜硝酸の塩を含む、
    前記組成物。
  2. 硫酸銅五水和物をさらに含み、組成物の元素銅総量が1~50グラム/リットルの範囲内である、請求項に記載の組成物。
  3. 水中の亜鉛塩をさらに含む、請求項に記載の組成物。
  4. 前記亜鉛塩が、硫酸亜鉛七水和物、無水硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、および硝酸亜鉛からなる群から選択され、組成物中に合計1~50グラム/リットルの元素亜鉛を与える、請求項に記載の組成物。
  5. 組成物中の銅対亜鉛比が10:1から1:10の範囲である、請求項に記載の組成物。
  6. 前記水が蒸留水、脱イオン水、精製水、濾水、製薬用純水、医療用純水、および逆浸透水からなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
  7. 前記水中の前記水酸化物塩が水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化アンモニウムからなる群から選択され、並びに、前記組成物が1~80ミリリットル/リットルの水酸化物塩または等価のモル濃度の溶液もしくは固体を含む、請求項に記載の組成物。
  8. ベントナイトおよび前記塩基性塩化銅を含む水和剤をさらに含み、前記ベントナイトが20~50℃の温度範囲で前記水酸化物塩によって沈殿する、請求項に記載の組成物。
  9. 前記塩基性塩化銅が、前記亜鉛塩によって水中に可溶性であることが維持される原体である、請求項に記載の組成物。
  10. 前記亜硝酸塩が亜硝酸ナトリウムである、請求項に記載の組成物。
  11. ベントナイトおよび前記塩基性塩化銅を含む水和剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
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