ところで、地球上のある地点における理論上の日没時刻(以下、理論日没時刻と記載する)は、その地点の経度及び緯度に基づいて天文学上の数式を用いて算出することができる。しかしながら、その地点における実際の日没時刻は、例えば地形(山脈)や人工建築物(ビル)等の遮蔽物の影響を受けるため、理論日没時刻とは異なることが多い。実際には、理論日没時刻よりもかなり前に日没を迎えることもある。
上記従来技術では、理論日没時刻に近づいたと判定されなければ、点灯閾値設定部によって照度閾値が変更されず、したがって、点灯制御部によって前照灯が早期に点灯されることもない。そのため、理論日没時刻に近づいたと判定され、照度閾値が変更されるまでの間、実際には日没を迎えているにもかかわらず、前照灯が点灯されない事態も起こり得る。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ライトの点消灯制御や点消灯催促制御をより的確に行うことのできるライト点消灯関連制御装置、及び、ライト点消灯時期をより的確に診断することのできる点消灯時期診断装置を提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、複数のGPS衛星の軌道情報及び地図情報を記憶保持する記憶保持部と、前記複数のGPS衛星から発せられるGPS信号及び前記地図情報に基づいて現在地を算出する現在地算出部と、その現在地における理論上の日没時刻を算出する理論日没時刻算出部と、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から前記軌道情報に基づき特定する衛星特定部と、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断したことに基づいて、前記理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定する補正済日没時刻決定部と、ライトの点灯関連制御として、ライトの点灯制御、または、点灯催促制御のいずれか一方を行う点灯関連制御部とを備え、前記補正済日没時刻となったことに基づいて、ライトの点灯関連制御を行うことを特徴とする。
あるいは、請求項17に記載の発明では、複数のGPS衛星の軌道情報及び地図情報を記憶保持する記憶保持部と、前記複数のGPS衛星から発せられるGPS信号及び前記地図情報に基づいて現在地を算出する現在地算出部と、その現在地における理論上の日の出時刻を算出する理論日の出時刻算出部と、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から前記軌道情報に基づき特定する衛星特定部と、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断したことに基づいて、前記理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定する補正済日の出時刻決定部と、ライトの消灯関連制御として、ライトの消灯制御、または、消灯催促制御のいずれか一方を行う消灯関連制御部とを備え、前記補正済日の出時刻となったことに基づいて、ライトの消灯関連制御を行うことを特徴とする。
周知のように、GPS衛星は、高度約2万kmの軌道上を一周約12時間かけて推移する。GPS衛星の軌道は予め定められているため、その軌道情報に基づいて、GPS衛星の現在の位置を算出することができる。また、GPS衛星から発せられるGPS信号及び地図情報に基づいて、当該装置の現在地を算出することができる。そして、算出されたGPS衛星の現在の位置及び当該装置の現在地から、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星を特定することも可能である。ここで、例えば地形(山脈)や人工建造物(ビル)等の遮蔽物の影響を受けて、本来ならばGPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらず、GPS信号を現在受信することができないGPS衛星がある場合もある。このような場合とは、そうしたGPS衛星から発生されるGPS信号が遮蔽物によって遮蔽され、当該装置がGPS信号を受信できない場合であり、GPS信号だけでなく太陽光も遮蔽物によって遮蔽され、当該装置が太陽光を受光できない可能性が高いと考えられる。したがって、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できない場合には、まだ理論上の日没を迎えていないにもかかわらず、既に日没時のような低い照度となっている場合もあれば、既に理論上の日の出を迎えているにもかかわらず、依然として日没時のような低い照度となっている場合もある。
その点、上記請求項1に記載の構成では、衛星特定部は、軌道情報に基づいて、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星を複数のGPS衛星の中から特定し、補正済日没時刻決定部は、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断したことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定する。そして、点灯関連制御部は、補正済日没時刻となったことに基づいて、ライトの点灯関連制御として、ライトの点灯制御、または、点灯催促制御を行う。
あるいは、上記請求項17に記載の構成では、衛星特定部は、軌道情報に基づいて、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星を複数のGPS衛星の中から特定し、補正済日の出時刻決定部は、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断したことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定する。そして、消灯関連制御部は、補正済日の出時刻となったことに基づいて、ライトの消灯関連制御として、ライトの消灯制御、または、消灯催促制御を行う。
これらにより、複数のGPS衛星から発せられるGPS信号の受信状況に基づくため、ライトの点消灯制御や点消灯催促制御をより的確に行うことができるようになる。
具体的には、例えば請求項2に記載の発明のように、前記補正済日没時刻決定部は、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星の個数である受信可能数、及び、GPS信号を現在実際に受信しているGPS衛星の個数である受信数をそれぞれ算出し、前記受信数の方が前記受信可能数よりも少ない場合に、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断することとしてもよい。
あるいは、請求項18に記載の発明のように、前記補正済日の出時刻決定部は、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星の個数である受信可能数、及び、GPS信号を現在実際に受信しているGPS衛星の個数である受信数をそれぞれ算出し、前記受信数の方が前記受信可能数よりも少ない場合に、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断することとしてもよい。
これらにより、上記請求項1あるいは17に記載の構成と同一の効果を得ることができるようになる。
ただし、受信数が受信可能数よりも少ない状況であっても、例えば受信可能数が「8個」であり受信数が「7個」である場合など、受信可能数と受信数との個数差がごく僅かであれば、当該装置は、GPS信号を受信可能なGPS衛星から発せられるGPS信号をほとんど受信している。そのため、まだ理論上の日没を迎えていないにもかかわらず、既に日没時のような低い照度となっている、あるいは、既に理論上の日の出を迎えているにもかかわらず、依然として日没時のような低い照度となっているとは言えない場合がある。
その点、上記請求項2に記載の構成において、例えば請求項3に記載の発明では、前記補正済日没時刻決定部は、前記受信可能数と前記受信数との個数差が所定数以上である場合に、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断することとした。これにより、受信可能数と受信数との個数差がごく僅かである場合を除外した上で、補正済日没時刻を決定することができるようになる。
あるいは、上記請求項18に記載の構成において、例えば請求項19に記載の発明では、前記補正済日の出時刻決定部は、前記受信可能数と前記受信数との個数差が所定数以上である場合に、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断することとした。これにより、受信可能数と受信数との個数差がごく僅かである場合を除外した上で、補正済日の出時刻を決定することができるようになる。
また、例えば受信可能数が「8個」であり受信数が「5個」である場合、及び、例えば受信可能数が「4個」であり受信数が「1個」である場合においては、受信可能数と受信数との個数差(受信不能数)は「3個」と同一である。そのため、どちらの場合であっても、理論日没時刻を早くする補正を行い補正済日没時刻を決定する、あるいは、理論日の出時刻を遅くする補正を行い補正済日の出時刻を決定することがあるが、これら各時刻を決定する必要性は前者の場合よりも後者の場合の方が高い。
その点、上記請求項2に記載の構成において、例えば請求項4に記載の発明では、前記補正済日没時刻決定部は、前記受信可能数に対する前記受信数の割合が所定割合以下である場合に、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断することとした。あるいは、上記請求項18に記載の構成において、例えば請求項20に記載の発明では、前記補正済日の出時刻決定部は、前記受信可能数に対する前記受信数の割合が所定割合以下である場合に、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断することとした。
これらにより、前者の場合には各時刻を決定せず後者の場合には各時刻を決定するなど、必要に応じてより的確に上記各時刻を決定することができるようになる。なお、請求項4に記載の構成は、上記請求項3の構成と併用することも可能であり、請求項20に記載の構成は、上記請求項19の構成と併用することも可能である。このように併用した場合、必要に応じてさらに的確に上記各時刻を決定することができるようになる。
ところで、当該装置の現在地における地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に受信不能GPS衛星が位置すると、太陽光を遮光する遮蔽物が日没方向に存在する可能性が高いため、実際の日没時刻に大きく影響する。
その点、請求項5に記載の発明では、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星が、当該装置の現在地における地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断したことに基づいて、前記受信数が小さくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断されたことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されることになる。
さらに、請求項6に記載の発明では、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星が、当該装置の現在地における地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断したことに基づいて、前記受信数が小さくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、行革が所定角度以下であると判断されたことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されることになる。
また、当該装置の現在地における地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に受信不能GPS衛星が位置しても、太陽光を遮光する遮蔽物が日の出方向に存在する可能性が高いだけであるため、実際の日没時刻にはほとんど影響しない。
その点、請求項7に記載の発明では、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星が、当該装置の現在地における地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断したことに基づいて、前記受信数が大きくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断されたことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正が行われにくくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されることになる。
さらに、請求項8に記載の発明では、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星が、当該装置の現在地における地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断したことに基づいて、前記受信数が大きくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断されたことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正が行われにくくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されることになる。
またところで、当該装置の現在地における地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に受信不能GPS衛星が位置すると、太陽光を遮光する遮蔽物が日の出方向に存在する可能性が高いため、実際の日の出時刻に大きく影響する。
その点、請求項21に記載の発明では、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星が、当該装置の現在地における地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断したことに基づいて、前記受信数が小さくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断されたことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されることになる。
さらに、請求項22に記載の発明では、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星が、当該装置の現在地における地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断したことに基づいて、前記受信数が小さくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断されたことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されることになる。
また、当該装置の現在地における地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に受信不能GPS衛星が位置しても、太陽光を遮光する遮蔽物が日没方向に存在する可能性が高いだけであるため、実際の日の出時刻にほとんど影響しない。
その点、請求項23に記載の発明では、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星が、当該装置の現在地における地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断したことに基づいて、前記受信数が大きくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断されたことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正が行われにくくなり、その上で、補正済日の出時刻が決定されることになる。
さらに、請求項24に記載の発明では、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星が、当該装置の現在地における地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断したことに基づいて、前記受信数が大きくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断されたことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正が行われにくくなり、その上で、補正済日の出時刻が決定されることになる。
一方、上記目的を達成するため、例えば請求項9に記載の発明では、複数のGPS衛星の軌道情報及び地図情報を記憶保持する記憶保持部と、前記複数のGPS衛星から発せられるGPS信号及び前記地図情報に基づいて現在地を算出する現在地算出部と、その現在地における理論上の日没時刻を算出する理論日没時刻算出部と、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星を現在地から見上げる方向と現在地における地平面とのなす角である仰角に基づいて現在地における日光遮蔽量を算出する遮蔽量算出部と、前記日光遮蔽量が所定量以上であると判断したことに基づいて、前記理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定する補正済日没時刻決定部と、ライトの点灯関連制御として、ライトの点灯制御、または、点灯催促制御のいずれか一方を行う点灯関連制御部とを備え、前記補正済日没時刻となったことに基づいて、ライトの点灯関連制御を行うことを特徴とする。
あるいは、例えば請求項25に記載の発明では、複数のGPS衛星の軌道情報及び地図情報を記憶保持する記憶保持部と、前記複数のGPS衛星から発せられるGPS信号及び前記地図情報に基づいて現在地を算出する現在地算出部と、その現在地における理論上の日の出時刻を算出する理論日の出時刻算出部と、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星を現在地から見上げる方向と現在地における地平面とのなす角である仰角に基づいて現在地における日光遮蔽量を算出する遮蔽量算出部と、前記日光遮蔽量が所定量以上であると判断したことに基づいて、前記理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定する補正済日の出時刻決定部と、ライトの消灯関連制御として、ライトの消灯制御、または、消灯催促制御のいずれか一方を行う消灯関連制御部とを備え、前記補正済日の出時刻となったことに基づいて、ライトの消灯関連制御を行うことを特徴とする。
理論上の日没時刻あるいは理論上の日の出時刻に影響を及ぼす遮蔽物は空中に浮くことはないため、遮蔽物の高度は、少なくとも、当該装置の現在地における地平面から受信不能GPS衛星を見上げる仰角である。また、GPS衛星から発せられるGPS信号はある程度回折可能である。にもかかわらず、当該装置によって受信不能と判断された場合、その遮蔽物の上記地平面に沿った幅を既定することが可能である。そして、遮蔽物の高度及び幅に基づいて遮蔽物の大きさを想定し、想定した遮蔽物を見込む立体角に基づいて日光遮蔽量を算出することができる。このように、遮蔽量算出部は、上記仰角に基づいて日光遮蔽量を算出することができ、補正済日没時刻決定部は、日光遮蔽量が所定量以上であると判断したことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定することができるようになる。あるいは、補正済日の出時刻決定部は、日光遮蔽量が所定量以上であると判断したことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定することができるようになる。これらにより、複数のGPS衛星から発せられるGPS信号の受信状況に基づくため、ライトの点消灯制御や点消灯催促制御をより的確に行うことができるようになる。
受信不能GPS衛星が複数ある場合であって、これら複数の受信不能GPS衛星のうちの2つの地平面より上方でなす地平角が所定角度よりも小さいとき、これら受信不能GPS衛星は同一の遮蔽物によって受信不能と判断された可能性が高い。すなわち、受信不能GPS各々に対して想定した遮蔽物よりも大きな遮蔽物が存在する可能性が高い。
その点、請求項10あるいは26に記載の発明のように、前記遮蔽量算出部は、前記受信不能GPS衛星が複数ある場合、これら複数の受信不能GPS衛星のうちの2つの前記地平面でなす地平角が所定角度よりも小さいと判断したことに基づいて、これら2つの受信不能GPS衛星は同一の日光遮蔽物によって遮蔽されていると推定した上で前記日光遮蔽量を算出することが望ましい。これにより、遮蔽量算出部はより的確に日光遮蔽量を算出することができるようになるため、理論日没時刻を早くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されるようになる。あるいは、理論日の出時刻を遅くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日の出時刻が決定されるようになる。
上記請求項9または10に記載の構成において、請求項11に記載の発明のように、前記受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断したことに基づいて、前記日光遮蔽量が大きくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断されたことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正が行われやすくなる。そして、その上で、補正済日没時刻が決定されるようになる。
請求項12に記載の発明のように、前記受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断したことに基づいて、前記日光遮蔽量が大きくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これによっても、受信不能GPS衛星が、上記地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断されたことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正が行われやすくなる。そして、その上で、補正済日没時刻が決定されるようになる。
上記請求項9〜12のいずれかに記載の構成において、請求項13に記載の発明のように、前記受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断したことに基づいて、前記日光遮蔽量が小さくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断されたことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正が行われにくくなる。そして、その上で、補正済日没時刻が決定されるようになる。
請求項14に記載の発明のように、前記受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断したことに基づいて、前記日光遮蔽量が小さくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これによっても、受信不能GPS衛星が、地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断されたことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正が行われにくくなる。そして、その上で、補正済日没時刻が決定されるようになる。
また、上記請求項25または26に記載の構成において、請求項27に記載の発明のように、前記受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断したことに基づいて、前記日光遮蔽量が大きくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断されたことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正が行われやすくなる。そして、その上で、補正済日の出時刻が決定されるようになる。
請求項28に記載の発明のように、前記受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断したことに基づいて、前記日光遮蔽量が大きくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これによっても、受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断されたことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正が行われやすくなる。そして、その上で、補正済日の出時刻が決定されるようになる。
上記請求項25〜28のいずれかに記載の構成において、請求項29に記載の発明のように、前記受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方で、且つ、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断したことに基づいて、前記日光遮蔽量が小さくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これにより、受信不能GPS衛星が、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断されたことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正が行われにくくなる。そして、その上で、補正済日の出時刻が決定されるようになる。
請求項30に記載の発明のように、前記受信不能GPS衛星が、前記地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断したことに基づいて、前記日光遮蔽量が小さくなる重み付けを付与する重み付け付与部を備えることが望ましい。これによっても、受信不能GPS衛星が、地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度以下であると判断されたことに基づいて、理論日の出時刻を遅くする補正が行われにくくなる。そして、その上で、補正済日の出時刻が決定されるようになる。
他方、上記目的を達成するため、請求項15に記載の発明では、複数のGPS衛星の軌道情報及び地図情報を記憶保持する記憶保持部と、前記複数のGPS衛星から発せられるGPS信号及び前記地図情報に基づいて現在地を算出する現在地算出部と、その現在地における理論上の日没時刻を算出する理論日没時刻算出部と、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から前記軌道情報に基づき特定する衛星特定部と、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断したことに基づいて、前記理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定する補正済日没時刻決定部と、ライトの点消灯を手動で行うための点消灯スイッチと、前記点消灯スイッチに点灯指示が入力された指示時刻及び前記補正済日没時刻の比較に基づき、指示時刻についての診断を行う診断部とを備えることを特徴とする。
あるいは、請求項16に記載の発明では、複数のGPS衛星の軌道情報及び地図情報を記憶保持する記憶保持部と、前記複数のGPS衛星から発せられるGPS信号及び前記地図情報に基づいて現在地を算出する現在地算出部と、その現在地における理論上の日没時刻を算出する理論日没時刻算出部と、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星を現在地から見上げる方向と現在地における地平面とのなす角である仰角に基づいて現在地における日光遮蔽量を算出する遮蔽量算出部と、前記日光遮蔽量が所定量以上であると判断したことに基づいて、前記理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定する補正済日没時刻決定部と、ライトの点消灯を手動で行うための点消灯スイッチと、前記点消灯スイッチに点灯指示が入力された指示時刻及び前記補正済日没時刻の比較に基づき、指示時刻についての診断を行う診断部とを備えることを特徴とする。
またあるいは、請求項31に記載の発明では、複数のGPS衛星の軌道情報及び地図情報を記憶保持する記憶保持部と、前記複数のGPS衛星から発せられるGPS信号及び前記地図情報に基づいて現在地を算出する現在地算出部と、その現在地における理論上の日の出時刻を算出する理論日の出時刻算出部と、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から前記軌道情報に基づき特定する衛星特定部と、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断したことに基づいて、前記理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定する補正済日の出時刻決定部と、ライトの点消灯を手動で行うための点消灯スイッチと、前記点消灯スイッチに消灯指示が入力された指示時刻及び前記補正済日の出時刻の比較に基づき、指示時刻についての診断を行う診断部とを備えることを特徴とする。
さらには、請求項32に記載の発明では、複数のGPS衛星の軌道情報及び地図情報を記憶保持する記憶保持部と、前記複数のGPS衛星から発せられるGPS信号及び前記地図情報に基づいて現在地を算出する現在地算出部と、その現在地における理論上の日の出時刻を算出する理論日の出時刻算出部と、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星を現在地から見上げる方向と現在地における地平面とのなす角である仰角に基づいて現在地における日光遮蔽量を算出する遮蔽量算出部と、前記日光遮蔽量が所定量以上であると判断したことに基づいて、前記理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定する補正済日の出時刻決定部と、ライトの点消灯を手動で行うための点消灯スイッチと、前記点消灯スイッチに消灯指示が入力された指示時刻及び前記補正済日の出時刻の比較に基づき、指示時刻についての診断を行う診断部とを備えることを特徴とする。これらにより、ライト点消灯時期をより的確に診断することができるようになる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係るライト点消灯関連制御装置の第1の実施の形態について、図1を参照しつつ説明する。なお、図1は、本実施の形態のライト点消灯関連制御装置について、全体構成を示すブロック図である。はじめに、この図1を参照しつつライト点消灯関連制御装置について説明する。
図1に示すように、ライト点消灯関連制御装置1は、GPS受信器10、記憶保持装置20及び点消灯スイッチ30を備える。ここで、GPS受信器10は、図示しない複数のGPS衛星から発せられるGPS信号を受信する。記憶保持装置20は、例えばハードディスクドライブ装置等によって構成され、複数のGPS衛星の軌道情報及び地図情報を記憶保持する。点消灯スイッチ30は、前照灯50及び車幅灯60の点消灯に係る制御モードについて、当該装置1によって自動制御する自動モード及び例えば当該装置1の使用者によって手動制御する手動モード間で切り換えるためのスイッチである。また、点消灯スイッチ30が手動モードに設定されると、当該点消灯スイッチ30にも、前照灯50及び車幅灯60の点灯指示あるいは消灯指示が直接入力される。なお、これらGPS受信器10、記憶保持装置20及び点消灯スイッチ30についてはいずれも公知であるため、ここでのこれ以上の詳細な説明を割愛する。
また、図1に示されるように、当該装置1は、前照灯50、車幅灯60、スピーカ70及び表示部80を備える。ここで、前照灯50は、車両前方の視界を主に夜間に確保するための照明であり、車幅灯60は、主に夜間に車両の幅を示すための照明である。スピーカ70は、上記手動モードに設定されているとき、車両の搭乗者に対し、前照灯50及び車幅灯60の点消灯の催促を音声にて行うために使用される。また、表示部80は、上記手動モードに設定されているとき、例えば図2にその一例を示すように、前照灯50及び車幅灯60の点消灯の催促を車両の搭乗者が視認可能に行うために使用される。
また、図1に示されるように、制御部40は、現在地算出部41、理論時刻算出部42、衛星特定部43、補正済時刻決定部44、点消灯関連制御部45を有して構成されている。
ここで、現在地算出部41は、図示しない複数のGPS衛星から発せられるGPS信号及び記憶保持装置20に記憶保持された地図情報に基づいて当該装置1の現在地(詳しくは経度及び緯度)を算出する。理論時刻算出部42は、現在地算出部41によって算出された当該装置1の現在地及び天文学上の数式を用いて、当該装置1の現在地における理論上の日没時刻(以下、理論日没時刻と記載)、及び、当該装置1の現在地における理論上の日の出時刻(以下、理論日の出時刻と記載)をそれぞれ算出する。衛星特定部43は、記憶保持装置20に記憶保持された、複数のGPS衛星の軌道情報に基づいて、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星を複数のGPS衛星の中から特定する。補正済時刻決定部44は、特定されたGPS衛星から発せられるGPS信号を現在実際に受信できないと判断したことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定するとともに、理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定する。
詳しくは、補正済時刻決定部44は、まず、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星の個数である受信可能数とGPS信号を現在実際に受信しているGPS衛星の個数である受信数との個数差を算出する。
ここで、受信数と受信可能数が一致するときの当該装置1が置かれる状況の一例を図3(a)に示す。この図3(a)に示されるように、当該装置1を搭載した車両Cが道路Rを走行している。当該装置1がGPS信号を受信可能なGPS衛星は例えば「5個」であり、当該装置1がGPS信号を実際に受信しているGPS衛星は例えば「5個」である。このように、受信数が受信可能数と一致するとき、当該装置1はGPS信号の受信を妨げる遮蔽物に囲まれていないことを意味するとともに、当該装置1は太陽光を遮光する遮蔽物にも囲まれていないと考えられる。
一方、受信数が受信可能数よりも少ないときの当該装置1が置かれる状況の一例を図3(b)に示す。この図3(b)に示されるように、当該装置1がGPS信号を受信可能なGPS衛星は例えば「5個」であるにもかかわらず、例えばビルBや山脈M等によってGPS信号の受信が妨げられるため、当該装置1がGPS信号を実際に受信しているGPS衛星は例えば「1個」である。このように、受信数が受信可能数よりも少ないとき、GPS信号の受信を妨げる遮蔽物が当該装置1とGPS衛星との間に存在することを意味し、太陽光を遮光する遮蔽物も当該装置1と太陽との間に存在すると考えられる。
そして、補正済時刻決定部44は、算出した個数差が所定数以上であるか否かを判断する。ここで、個数差が所定数未満であるとき、当該装置1は先の図3(a)に示した状況に置かれている可能性が高いため、実際の日没時刻は理論上の日没時刻とほぼ同時刻となることが多く、実際の日の出時刻も理論上の日の出時刻とほぼ同時刻となることが多い。一方、個数差が所定数以上であるとき、当該装置1は先の図3(b)に示した状況に置かれている可能性が高いため、実際の日没時刻は理論上の日没時刻よりも早くなることが多く、実際の日の出時刻は理論上の日の出時刻よりも遅くなることが多い。したがって、補正済時刻決定部44は、個数差が所定数以上であると判断したことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定するとともに、理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定する。
点消灯関連制御部45は、点消灯スイッチ30が自動モードに設定されている場合、前照灯50及び車幅灯60の点消灯関連制御として、補正済日没時刻となったことに基づき前照灯50及び車幅灯60を点灯制御するとともに、補正済日の出時刻となったことに基づき前照灯50及び車幅灯60を消灯制御する。
また、点消灯関連制御部45は、点消灯スイッチ30が手動モードに設定されている場合、補正済日没時刻を経過したにもかかわらず前照灯50及び車幅灯60が点灯されていないと判断したことに基づいてスピーカ70及び表示部80を通じて点灯催促を行うとともに、補正済日の出時刻を経過したにもかかわらず前照灯50及び車幅灯60が消灯されていないと判断したことに基づいてスピーカ70及び表示部80を通じて消灯催促を行う。
以上のように構成されたライト点消灯関連制御装置1の動作について、図4及び図5を参照しつつ説明する。ここで、これら図4及び図5は、本実施の形態を構成する制御部によって実行される点消灯制御処理及び点消灯催促制御処理について、その処理手順をそれぞれ示すフローチャートである。なお、点消灯スイッチ30によって自動モードに設定されている場合、図示しないイグニッションスイッチがオンとされる(電源が投入される)と、図4に示す点消灯制御処理が十分に短い一定時間毎に繰り返し実行される。また、点消灯スイッチ30によって手動モードに設定されている場合、イグニッションスイッチがオンとされると、図5に示す点消灯催促制御処理が十分に短い一定時間毎に繰り返し実行される。
自動モードに設定されている場合であって、イグニッションスイッチがオンとされると、図4に示すように、ライト点消灯関連制御装置1(詳しくは制御部40)は、まず、ステップS101の判断処理を通じてGPS衛星からGPS信号を受信するまで待機する。
ここで、GPS信号を受信したと判断するとき(ステップS101の判断処理で「Yes」)、現在地算出部41は、続くステップS102の処理として、記憶保持装置20に記憶保持されている地図情報及びGPS信号に基づいて、当該装置1の現在地(経度及び緯度)を算出する。
また、受信したGPS信号には、年月日及び時刻情報が含まれている。理論時刻算出部42は、これら年月日及び時刻情報、先のステップS102にて算出された当該装置1の現在地、並びに、天文学上の数式に基づいて、理論上の日没時刻(理論日没時刻)及び理論上の日の出時刻(理論日の出時刻)をそれぞれ算出する。
衛星特定部43は、記憶保持装置20に記憶保持された、複数のGPS衛星の軌道情報に基づいて、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星を複数のGPS衛星の中から特定する。そして、補正済時刻決定部44は、衛星特定部43によって特定されたGPS衛星の数である受信可能数を算出するとともに、実際にGPS信号を受信している衛星数である受信数を算出する。さらに、補正済時刻決定部44は、続くステップS104の処理として、受信可能数と受信数の個数差を算出し、続くステップS105の判断処理として、先のステップS104の処理で算出した個数差が所定数以上であるか否かを判断する。
ここで、個数差が所定数以上であると判断されるとき(ステップS105の判断処理で「Yes」)、太陽光を遮光する遮蔽物が当該装置1と太陽との間に存在すると考えられるため、補正済時刻決定部44は、続くステップS106の処理として、理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定するとともに、理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定する。なお、補正済時刻決定部44は、補正済日没時刻を決定する際、一定時間(固定時間幅)だけ理論日没時刻を早くする補正を行ってもよく、個数差に応じた時間(可変時間幅)だけ理論日没時刻を早くする補正を行ってもよい。同様に、補正済時刻決定部44は、補正済日の出時刻を決定する際、一定時間(固定時間幅)だけ理論日の出時刻を遅くする補正を行ってもよく、個数差に応じた時間(可変時間幅)だけ理論日の出時刻を遅くする補正を行ってもよい。一方、個数差が所定数に満たないと判断されるとき(ステップS105の判断処理で「NO」)、実際の日没時刻は理論上の日没時刻とほぼ同時刻となることが多いため、補正済時刻決定部44は、理論日没時刻を補正済日没時刻とするとともに、理論日の出時刻を補正済日の出時刻とした上で、続くステップS107の判断処理に移行する。
点消灯関連制御部45は、続くステップS107の判断処理として、現時刻は補正済日没時刻から所定時間差内か否かを判断する。ここで、所定時間差内であると判断されるとき(ステップS107の判断処理で「Yes」)、点消灯関連制御部45は、続くステップS108の処理として、前照灯50及び車幅灯60を点灯制御する。一方、所定時間差内でないと判断されるとき(ステップS107の判断処理で「No」)、すなわち、現時刻は補正済日没時刻よりも所定時間以前、あるいは、現時刻は補正済日没時刻から所定時間経過以降である。このとき、点消灯関連制御部45は、続くステップS109の処理として、前照灯50及び車幅灯60の点消灯状態を維持する。詳しくは、現時刻が補正済日没時刻よりも所定時間以前であるとき、前照灯50及び車幅灯60は、通常、消灯状態となっている。そのため、点消灯関連制御部45は、前照灯50及び車幅灯60の消灯状態を維持する。一方、現時刻が補正済日没時刻から所定時間経過以降であるとき、前照灯50及び車幅灯60は、通常、点灯状態となっている。そのため、点消灯関連制御部45は、前照灯50及び車幅灯60の点灯状態を維持する。そして、点消灯関連制御部45は、続くステップS110の判断処理に移行する。
点消灯関連制御部45は、続くステップS110の判断処理として、現時刻は補正済日の出時刻から所定時間差内か否かを判断する。ここで、所定時間差内であると判断されるとき(ステップS110の判断処理で「Yes」)、点消灯関連制御部45は、続くステップS111の処理として、前照灯50及び車幅灯60を消灯制御する。一方、所定時間差内でないと判断されるとき(ステップS110の判断処理で「No」)、すなわち、現時刻は補正済日の出時刻よりも所定時間以前、あるいは、現時刻は補正済日の出時刻から所定時間経過以降である。このとき、点消灯関連制御部45は、続くステップS112の処理として、前照灯50及び車幅灯60の点消灯状態を維持する。詳しくは、現時刻が補正済日の出時刻よりも所定時間以前であるとき、前照灯50及び車幅灯60は、通常、点灯状態となっている。そのため、点消灯関連制御部45は、前照灯50及び車幅灯60の点灯状態を維持する。一方、現時刻が補正済日の出時刻から所定時間経過以降であるとき、前照灯50及び車幅灯60は、通常、消灯状態となっている。そのため、点消灯関連制御部45は、前照灯50及び車幅灯60の消灯状態を維持する。そして、点消灯関連制御部45は、一旦処理を終了する。
また、手動モードに設定されている場合、先の図4に示した一連の処理ではなく、制御部40は、図5に示す点消灯催促制御処理を実行する。以下、点消灯制御処理とは異なる部分についてのみ説明する。
すなわち、点消灯関連制御部45は、ステップS107の判断処理として、現時刻は補正済日没時刻から所定時間差内か否かを判断する。ここで、所定時間差内であると判断されるとき(ステップS107の判断処理で「Yes」)、点消灯関連制御部45は、続くステップS108aの処理として、前照灯50及び車幅灯60が消灯されているとき、これら前照灯50及び車幅灯60を点灯するように催促する。具体的には、点消灯関連制御部45は、スピーカ70を通じて音声にて点灯催促するとともに、車両の搭乗者に視認可能に表示部80を通じて点灯催促する(図2参照)。
こうしてステップS108aの処理を終えると、あるいは、先のステップS107の判断処理において、所定時間差内でないと判断されると(ステップS107の判断処理で「No」)、点消灯関連制御部45は、続くステップS110の判断処理として、現時刻は補正済日の出時刻から所定時間差内か否かを判断する。ここで、所定時間差内であると判断されるとき(ステップS110の判断処理で「Yes」)、点消灯関連制御部45は、続くステップS111aの処理として、前照灯50及び車幅灯60が点灯されているとき、これら前照灯50及び車幅灯60を消灯するように催促する。具体的には、点消灯関連制御部45は、スピーカ70を通じて音声にて消灯催促するとともに、車両の搭乗者に視認可能に表示部80を通じて消灯催促する。
以上説明したように、本実施の形態のライト点消灯関連制御装置1では、補正済時刻決定部44は、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星の個数である受信可能数とGPS信号を現在実際に受信しているGPS衛星の個数である受信数との個数差が所定数以上であると判断したことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定するとともに、理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定することとした。そして、点消灯関連制御部45は、現時刻が補正済日没時刻から所定時間差内になったことに基づいて、前照灯50及び車幅灯60の点灯制御または点灯催促制御を行うとともに、現時刻が補正済日の出時刻から所定時間差内になったことに基づいて、前照灯50及び車幅灯60の消灯制御または消灯催促制御を行うこととした。これらにより、複数のGPS衛星から発せられるGPS信号の受信状況に基づくため、前照灯50及び車幅灯60の点消灯制御や点消灯催促制御をより的確に行うことができるようになる。
なお、本発明に係るライト点消灯関連制御装置は、上記第1の実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記第1の実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記第1の実施の形態では、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができないGPS衛星(受信不能GPS衛星)の位置については考慮されていなかった。他に例えば、図1に対応する図として図6に示すように、受信数に重み付けを付与する重み付け付与部46を備えることとしてもよい。
具体的には、重み付け付与部46は、補正済日没時刻を決定する際に、受信不能GPS衛星が、当該装置1の現在地における地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度(例えば30度〜60度)以下であると判断した場合、あるいは、さらに時間帯が理論日没時刻前の所定時間帯であると判断した場合に、例えば1より小さい係数を乗じるなど、受信数が小さくなる重み付けを付与することとしてもよい。これにより、理論日没時刻を早くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されるようになる。なお、理論日没時刻前の所定時間帯とは、日没時間に近い時間帯(例えば数時間)であり、当然、正午前後は含まれない。また、仰角についての判断を割愛してもよい。
また、重み付け付与部46は、補正済日の出時刻を決定する際に、受信不能GPS衛星が、当該装置1の現在地における地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度(例えば30度〜60度)以下であると判断した場合、あるいは、さらに時間帯が理論日の出時刻前の所定時間帯であると判断した場合に、例えば1より大きい係数を乗じるなど、前記受信数が大きくなる重み付けを付与してもよい。これにより、理論日の出時刻を遅くする補正が行われにくくなり、その上で、補正済日の出時刻が決定されるようになる。なお、理論日の出時刻前の所定時間帯とは、日の出時間に近い時間帯(例えば数時間)であり、当然、深夜12時前後は含まれない。また、仰角についての判断を割愛してもよい。
また、重み付け付与部46は、補正済日没時刻を決定する際に、受信不能GPS衛星が、当該装置1の現在地における地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度(例えば30度〜60度)以下であると判断した場合に、あるいは、さらに時間帯が理論日没時刻前の所定時間帯であると判断した場合に、例えば1より大きい係数を乗じるなど、受信数が大きくなる重み付けを付与してもよい。これにより、理論日没時刻を早くする補正が行われにくくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されるようになる。なお、理論日没時刻前の所定時間帯とは、日没時間に近い時間帯(例えば数時間)であり、当然、正午前後は含まれない。また、仰角についての判断を割愛してもよい。
また、重み付け付与部46は、補正済日の出時刻を決定する際に、受信不能GPS衛星が、当該装置1の現在地における地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置すると判断し、且つ、仰角が所定角度(例えば30度〜60度)以下である場合に、あるいは、さらに時間帯が理論日の出時刻前の所定時間帯であると判断した場合に、例えば1より小さい係数を乗じるなど、受信数が小さくなる重み付けを付与してもよい。これにより、理論日の出時刻を遅くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日の出時刻が決定されるようになる。なお、理論日の出時刻前の所定時間帯とは、日の出時間に近い時間帯(例えば数時間)であり、当然、深夜12時前後は含まれない。当然のことながら、こうした重み付けの各種付与態様を併用してもよい。また、仰角についての判断を割愛してもよい。
上記第1の実施の形態では、補正済時刻決定部44は、補正済時刻を決定する際、受信可能数と受信数との個数差が所定数以上であるか否かについて判断していたが、これに限らない。他に例えば、受信可能数に対する受信数の割合が所定割合以下であるか否かについての判断を行うこととしてもよい。具体的には、図4及び図5に対応する図として図6及び図7に示すように、補正済時刻決定部44は、ステップS104aの処理として、受信可能数に対する受信数の割合を算出し、続くステップS105aの判断処理として、先のステップS104aの処理で算出した割合が所定割合以下であるか否かを判断することとしてもよい。さらに、受信可能数と受信数との個数差が所定数以上であるか否かについての判断処理及び受信可能数に対する受信数の割合が所定割合以下であるか否かについての判断処理を併用してもよい。
上記第1の実施の形態では、補正済日没時刻及び補正済日の出時刻を決定するに際して、受信可能数と受信数との個数差が所定数以上であるか否かの判断を行っていたが、受信数の方が受信可能数よりも少ないか否かの判断を行ってもよい。すなわち、補正済時刻決定部44は、受信数の方が受信可能数よりも少ないと判断したことに基づいて、補正済日没時刻及び補正済日の出時刻を決定してもよい。さらには、補正済時刻決定部44は、GPS信号を受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができないと判断したことに基づいて、補正済日没時刻及び補正済日の出時刻を決定してもよい。
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係るライト点消灯関連制御装置の第2の実施の形態について、図9を参照しつつ説明する。なお、図9は、本実施の形態のライト点消灯関連制御装置について、全体構成を示すブロック図である。はじめに、この図9を参照してライト点消灯関連制御装置について説明する。
図9に示すように、ライト点消灯関連制御装置2は、第1の実施の形態のライト点消灯関連制御装置1(図1)に準じた構成を有するとともに準じた動作を行う。ただし、本実施の形態では、ライト点消灯関連制御装置2は、衛星特定部43に替えて遮蔽割合算出部(遮蔽量算出部)43aを備える。
遮蔽割合算出部43aは、GPS信号を現在受信可能なGPS衛星であるにもかかわらずGPS信号を現在受信することができない受信不能GPS衛星を当該装置2の現在地から見上げる方向と当該装置2の現在地における地平面とのなす角である仰角に基づいて現在地における日光遮蔽割合(以下、遮蔽割合と記載)を算出する。
ここで、図3に対応する図として図10に、例えば、受信可能なGPS衛星が「4個」あるうち、ビルBが存在するために、受信不能なGPS衛星が「2個」となっている状況を示す。すなわち、仰角α1は、当該装置2の現在地から受信不能GPS衛星AS1を見上げる方向D1と地平面とのなす角である。同様に、仰角α2は、当該装置2の現在地から受信不能GPS衛星AS2を見上げる方向D2と地平面とのなす角である。
理論日没時刻や理論日の出時刻に影響を及ぼすビルB(遮蔽物)は空中に浮くことはない。そのため、ビルBの一部であるビルB1の高度A1及びビルB2の高度A2は、少なくとも、当該装置2の現在地における地平面から受信不能GPS衛星AS1及びAS2を見上げる仰角α1及びα2となる。また、GPS衛星ASから発せられるGPS衛星はある程度回折可能である。にもかかわらず、当該装置2によってGPS信号を受信できない場合、それらビルB1及びB2の地平面に沿った幅W1及びW2を既定することが可能である。そして、ビルB1の高度A1及び幅W1並びにビルB2の高度A2及び幅W2に基づいて、ビルB1及びB2の大きさをそれぞれ想定し、それぞれ想定したビルB1及びB2を見込む立体角をそれぞれ求めることができる。そして、遮蔽割合算出部43aは、ビルB1及びB2をそれぞれ見込む立体角の総和に基づいて、遮蔽割合を算出することができる。なお、図11に示すように、本実施の形態では、半球を見込む立体角に対する、立体角の総和の割合である遮蔽割合を算出する。
補正済時刻決定部44aは、遮蔽割合算出部43aによって算出された遮蔽割合が所定割合以上であると判断したことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定するとともに、理論日没時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定する。なお、補正済時刻決定部44と同様に、補正済時刻決定部44aは、補正済日没時刻を決定する際、一定時間(固定時間幅)だけ理論日没時刻を早くする補正を行ってもよく、個数差に応じた時間(可変時間幅)だけ理論日没時刻を早くする補正を行ってもよい。同様に、補正済時刻決定部44は、補正済日の出時刻を決定する際、一定時間(固定時間幅)だけ理論日の出時刻を遅くする補正を行ってもよく、個数差に応じた時間(可変時間幅)だけ理論日の出時刻を遅くする補正を行ってもよい。
以上のように構成されたライト点消灯関連制御装置2の動作について、図12及び図13を参照しつつ説明する。なお、これら図12及び図13は、先の図4及び図5にそれぞれ対応する図であり、本実施の形態を構成する制御部40aによって実行される点消灯制御処理及び点消灯催促制御処理について、その処理手順をそれぞれ示すフローチャートである。
上記ステップS101〜103の処理が実行されると、遮蔽割合算出部43aは、続くステップS204の処理として、受信不能GPS衛星の仰角に基づいて遮蔽割合を算出する。そして、補正済時刻決定部44aは、次のステップS205の処理として、遮蔽割合が所定割合以上であるか否かを判断する。
以上説明したように、本実施の形態のライト点消灯関連制御装置2では、遮蔽割合算出部43aは、受信不能GPS衛星を当該装置2の現在地から見上げる方向と当該装置2の現在地における地平面とのなす角である仰角αに基づいて現在地における日光遮蔽割合を算出する。また、補正済時刻決定部44aは、日光遮蔽割合が所定量以上であると判断したことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正を行って補正済日没時刻を決定するとともに、理論日の出時刻を遅くする補正を行って補正済日の出時刻を決定することとした。これにより、第1の実施の形態と同様に、複数のGPS衛星から発せられるGPS衛星の受信状況に基づくため、前照灯50及び車幅灯60の点消灯制御や点消灯催促制御をより的確に行うことができるようになる。
なお、本発明に係るライト点消灯関連制御装置は、上記第2の実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記第2の実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記第2の実施の形態では、遮蔽割合算出部43aは、受信不能GPS衛星が複数ある場合、受信不能GPS衛星それぞれについて遮蔽物の大きさを想定し、想定した遮蔽物の大きさをそれぞれ見込む立体角の総和に基づいて遮蔽割合を算出していたが、これに限らない。他に例えば、遮蔽割合算出部43aは、受信不能GPS衛星が複数ある場合、これら複数の受信不能GPS衛星のうちの2つの地平面でなす地平角が所定角度よりも小さいと判断したことに基づいて、これら2つの受信不能GPS衛星は同一の日光遮蔽物によって遮蔽されていると推定した上で遮蔽割合を算出することとしてもよい。具体的には、例えば、受信可能なGPS衛星が「4個」あるうち、ビルBが存在するために、受信不能なGPS衛星が「2個」となっている状況を、先の図10に対応する図として図14に示す。こうした状況において、地平角β1は、受信不能GPS衛星AS1及びAS2の地平面でなす角である。遮蔽割合算出部43aは、地平角β1が所定角度よりも小さいと判断すると、ビルBの一部であるビルB1の高度A1及びビルB2の高度A2を互いに比較して、より高い高度A2を当該ビルBの高度とする。また、遮蔽割合算出部43aは、地平角β1が所定角度よりも小さいと判断すると、ビルB1及びB2は同一のビルであるとみなし、これらビルB1及びビルB2にそれぞれ想定した幅W1及びW2を含む、より広い幅Wを既定する。そして、ビルBの高度A2及び幅Wに基づきビルの大きさを想定し、想定したビルを見込む立体角を求める。このようにして、遮蔽割合算出部43aは、ビルB1及びB2を同一のビルBであると推定した上で、立体角に基づいて遮蔽割合を算出する。
上記第2の実施の形態では、受信不能GPS衛星の位置については考慮されていなかった。他に例えば、図9に対応する図として図15に示すように、遮蔽割合算出部43aによって算出された遮蔽割合に重み付けを付与する重み付け付与部46aを備えることとしてもよい。
具体的には、重み付け付与部46aは、補正済日没時刻を決定する際に、受信不能GPS衛星が、当該装置2の現在地における地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度(例えば30度〜60度)以下であると判断した場合、あるいは、さらに時間帯が理論日没時刻前の所定時間帯であると判断した場合に、例えば1より大きい係数を乗じるなど、遮蔽割合が大きくなる重み付けを付与することとしてもよい。これにより、理論日没時刻を早くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されるようになる。なお、理論日没時刻前の所定時間帯とは、日没時間に近い時間帯(例えば数時間)であり、当然、正午前後は含まれない。また、仰角についての判断を割愛してもよい。
また、重み付け付与部46aは、補正済日の出時刻を決定する際に、受信不能GPS衛星が、当該装置2の現在地における地平面より上方であり、日没方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度(例えば30度〜60度)以下であると判断した場合、あるいは、さらに時間帯が理論日の出時刻前の所定時間帯であると判断した場合に、例えば1より小さい係数を乗じるなど、遮蔽割合が小さくなる重み付けを付与してもよい。これにより、理論日の出時刻を遅くする補正が行われにくくなり、その上で、補正済日の出時刻が決定されるようになる。なお、理論日の出時刻前の所定時間帯とは、日の出時間に近い時間帯(例えば数時間)であり、当然、深夜12時前後は含まれない。また、仰角についての判断を割愛してもよい。
また、重み付け付与部46aは、補正済日没時刻を決定する際に、受信不能GPS衛星が、当該装置2の現在地における地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度(例えば30度〜60度)以下であると判断した場合、あるいは、さらに時間帯が理論日没時刻前の所定時間帯であると判断した場合に、例えば1より小さい係数を乗じるなど、遮蔽割合が小さくなる重み付けを付与してもよい。これにより、理論日没時刻を早くする補正が行われにくくなり、その上で、補正済日没時刻が決定されるようになる。なお、理論日没時刻前の所定時間帯とは、日没時間に近い時間帯(例えば数時間)であり、当然、正午前後は含まれない。また、仰角についての判断を割愛してもよい。
また、重み付け付与部46aは、補正済日の出時刻を決定する際に、受信不能GPS衛星が、当該装置2の現在地における地平面より上方であり、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に位置し、且つ、仰角が所定角度(例えば30度〜60度)以下であると判断した場合、あるいは、さらに時間帯が理論日の出時刻前の所定時間帯であると判断した場合に、例えば1より大きい係数を乗じるなど、遮蔽割合が大きくなる重み付けを付与してもよい。これにより、理論日の出時刻を遅くする補正が行われやすくなり、その上で、補正済日の出時刻が決定されるようになる。なお、理論日の出時刻前の所定時間帯とは、日の出時間に近い時間帯(例えば数時間)であり、当然、深夜12時前後は含まれない。また、仰角についての判断を割愛してもよい。また、当然のことながら、こうした重み付けの各種付与態様を併用してもよい。
また、上記第2の実施の形態では、遮蔽割合算出部43aは、先の図11に示したように、半球を見込む立体角に対する、立体角の総和の割合である遮蔽割合を算出していたが、これに限らない。遮蔽割合に替えて日光遮蔽量を算出することとしてもよい。
上記第1及び第2の実施の形態において、制御部40及び40aは、補正済日没時刻を決定する際に、受信不能GPS衛星が、当該装置1あるいは2の現在地における地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内にのみ位置すると判断したことに基づいて、理論日没時刻を早くする補正を行わないようにしてもよい。その理由としては、山脈(遮蔽物)Mが日の出方向に位置がする状況を図16に示すように、当該装置の現在地における地平面より上方で、且つ、日の出方位を中心とする所定方位範囲内に受信不能GPS衛星が位置しても、太陽光を遮光する遮蔽物が日の出方向に存在する可能性が高いだけであり、実際の日の出時刻には大きく影響するものの、実際の日没時刻にはほとんど影響しないためである。
上記第1及び第2の実施の形態では、補正済日没時刻及び補正済日の出時刻は、一定時間毎に繰り返し実行されていたが、これに限らない。図17に示すように、当該装置を搭載する車両Cが例えば橋をくぐる、あるいは、トンネルを通過する等、一時的な遮蔽物の影響を受ける場合もあるため、当該車両Cが一定距離の走行後も、上記個数差や遮蔽割合等に変動が無いと判断されたことに基づき、前照灯50及び車幅灯60の点消灯制御を行うこととしてもよい。
上記第1及び第2の実施の形態では、点消灯スイッチ30によって、自動モード及び手動モード間で切り換えられていたが、これに限らない。他に例えば、当初手動モードに設定されており、点消灯催促制御が実行されたにもかかわらず、前照灯50及び車幅灯60の点消灯が手動にて実行されない場合、所定時間経過をもって、自動モードに自動に切り換えられることとしてもよい。また、点消灯催促制御は一定時間毎に繰り返し行われてもよく、個数差や遮蔽割合に応じた所定時間毎に繰り返し行われてもよい。また、車両の速度(当該装置1及び2の移動速度)が一定である場合や零(停止中)である場合にのみ、点消灯催促制御が実行されるようにしてもよい。点消灯関連制御部45は、前照灯50の点灯制御に際し、スモールライトからヘッドライトの順に点灯することとしてもよく、スモールライトを点灯することなくヘッドライトのみを点灯することとしてもよい。
上記第1及び第2の実施の形態では、点消灯関連制御部45は、前照灯50及び車幅灯60の点灯制御を一旦実行した場合、イグニッションスイッチがオフとされるまで、あるいは、次の日の出時刻となるまで、前照灯50及び車幅灯60の点灯状態を維持することとしてもよい。逆に、点消灯関連制御部45は、前照灯50及び車幅灯60の消灯制御を一旦実行した場合、イグニッションスイッチがオフとされるまで、あるいは、次の日没時刻となるまで、前照灯50及び車幅灯60の消灯状態を維持することとしてもよい。これにより、車両の移動に伴い生じる上記個数差や上記遮蔽割合の変動等に基づく余計な点消灯を防止することができるようになる。特に、消灯状態を維持することで、エネルギー消費量の低減を図ることができるようになる。
上記第1及び第2の実施の形態では、前照灯50及び車幅灯60の点灯制御、並びに、前照灯50及び車幅灯60の消灯制御を双方とも行っていた。また、前照灯50及び車幅灯60の点灯催促制御、並びに、前照灯50及び車幅灯60の消灯催促制御を双方とも行っていたが、これに限らない。点灯制御、点灯催促制御、消灯制御、及び、消灯催促制御のうち、少なくとも1つの制御のみを実行することとしてもよい。
(第3の実施の形態)
以下、本発明に係る点消灯時期診断装置の一実施の形態について、図18を参照しつつ説明する。なお、図18は、本実施の形態の点消灯時期診断装置について、全体構成を示すブロック図である。はじめに、この図18を参照して点消灯時期診断装置について説明する。
図18に示すように、点消灯時期診断装置3は、第1の実施の形態のライト点消灯関連制御装置1(図1)に準じた構成を有する。ただし、本実施の形態では、点消灯時期診断装置3は、点消灯関連制御部45に替えて、点消灯時期診断部47を備える。
点消灯時期診断部47は、例えば当該装置3の使用者による点消灯スイッチ30の手動操作によって前照灯50及び車幅灯60の点灯指示が入力された指示時刻、及び、補正済時刻決定部44によって決定された補正済日没時刻との比較を行い、点灯指示時刻についての診断を行う。具体的には、点消灯時期診断部47は、点灯指示の入力時期が適切であったのか、不適切であったのか(早すぎる、遅すぎる等)、あるいは、そもそも点灯されなかったのか等、診断を行う。
同様に、点消灯時期診断部47は、前照灯50及び車幅灯60の消灯指示が入力された指示時刻、及び、補正済時刻決定部44によって決定された補正済日の出時刻との比較を行い、消灯指示時刻についての診断を行う。具体的には、点消灯時期診断部47は、消灯指示の入力時期が適切であったのか、不適切であったのか(早すぎる、遅すぎる等)、あるいは、そもそも消灯されなかったのか等、診断を行う。
このように構成された点消灯時期診断装置3の動作について、図19〜図21を参照しつつ説明する。なお、図19は、先の図4に対応する図であり、本実施の形態を構成する制御部40によって実行される点消灯時期診断処理について、その処理手順を示すフローチャートである。また、図20は、上記点消灯時期診断処理中に実行される点灯時期診断処理について、その処理手順を示すフローチャートであり、図21は、上記点消灯時期診断処理中に実行される消灯時期診断処理について、その処理手順を示すフローチャートである。
上記ステップS101〜106の処理(図1等参照)が実行されると、点消灯時期診断部47は、続くステップS31の処理として、点灯時期診断処理を実行する。
詳しくは、図20に示すように、点消灯時期診断部47は、まず、ステップS311の判断処理として、前照灯50及び車幅灯60の点灯指示が点消灯スイッチ30に入力されたか否かを判断する。ここで、点灯指示が入力されていないと判断するとき(ステップS311の判断処理で「No」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS312の判断処理として、現時刻が前照灯50及び車幅灯60の点灯が必要である時間帯として定められた補正済日没時刻の前後所定時間内であるか否かを判断する。そして、現時刻が補正済日没時刻の前後所定時間内でないと判断するとき(ステップS312の判断処理で「No」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS313の処理として、点灯する必要がなく点灯されなかったと診断する。一方、現時刻が補正済日没時刻の前後所定時間内であると判断するとき(ステップS312の判断処理で「Yes」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS314の処理として、点灯すべきであったのに点灯されなかった(点灯すべき時刻を過ぎても点灯しなかった)と診断する。
先のステップS311の判断処理において、点灯指示が入力されたと判断するとき(ステップS311の判断処理で「Yes」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS315の判断処理として、現時刻が補正済日没時刻の前後所定時間内であるか否かを判断する。ここで、現時刻が補正済日没時刻の前後所定時間内であると判断するとき(ステップS315の判断処理で「Yes」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS316の処理として、点灯時期は適切であったと診断する。一方、現時刻が補正済日没時刻の前後所定時間内でないと判断するとき(ステップS315の判断処理で「No」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS317の判断処理に移行する。
ステップS317の判断処理では、点消灯時期診断部47は、点灯指示が入力された時期が補正済日没時刻よりも前であったか否かを判断する。ここで、その旨が判断されるとき(ステップS317の判断処理で「Yes」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS318の処理として、点灯時期は早かったと診断する。一方、そうでない旨が判断されるとき(ステップS317の判断処理で「No」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS319の処理として、点灯時期は遅かったと診断する。
このようにして、消灯時期について診断を終えると、点消灯時期診断部47は、続くステップS32の処理として、消灯時期診断処理を実行する。
詳しくは、図21に示すように、点消灯時期診断部47は、まず、ステップS321の判断処理として、前照灯50及び車幅灯60の消灯指示が点消灯スイッチ30に入力されたか否かを判断する。ここで、消灯指示が入力されていないと判断するとき(ステップS321の判断処理で「No」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS322の判断処理として、現時刻が前照灯50及び車幅灯60の消灯が必要である時間帯として定められた補正済日の出時刻の前後所定時間内であるか否かを判断する。そして、現時刻が補正済日の出時刻の前後所定時間内でないと判断するとき(ステップS322の判断処理で「No」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS323の処理として、消灯する必要がなく消灯されなかったと診断する。一方、現時刻が補正済日の出没時刻の前後所定時間内であると判断するとき(ステップS322の判断処理で「Yes」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS324の処理として、消灯すべきであったのに消灯されなかった(消灯すべき時刻を過ぎても消灯しなかった)と診断する。
先のステップS321の判断処理において、消灯指示が入力されたと判断するとき(ステップS321の判断処理で「Yes」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS325の判断処理として、現時刻が補正済日の出時刻の前後所定時間内であるか否かを判断する。ここで、現時刻が補正済日の出時刻の前後所定時間内であると判断するとき(ステップS325の判断処理で「Yes」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS326の処理として、消灯時期は適切であったと診断する。一方、現時刻が補正済日の出時刻の前後所定時間内でないと判断するとき(ステップS325の判断処理で「No」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS327の判断処理に移行する。
ステップS327の判断処理では、点消灯時期診断部47は、消灯指示が入力された時期が補正済日の出時刻よりも前であったか否かを判断する。ここで、その旨が判断されるとき(ステップS327の判断処理で「Yes」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS328の処理として、消灯時期は早かったと診断する。一方、そうでない旨が判断されるとき(ステップS327の判断処理で「No」)、点消灯時期診断部47は、続くステップS329の処理として、消灯時期は遅かったと診断する。
以上説明した本実施の形態のライト点消灯時期診断装置3によれば、ライト点消灯時期について、的確に診断することができるようになる。
なお、本発明に係る点消灯時期診断装置は、上記第3の実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記第3の実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記第3の実施の形態では、上記第1の実施の形態に準じた構成を有していたが、これに限らない。要は、前照灯50及び車幅灯60の点灯指示が入力された時期と補正済日没時刻との比較、並びに、前照灯50及び車幅灯60の消灯指示が入力された時期と補正済日の出時刻との比較を行うことができればよいのであって、上記第1の実施の形態の変形例や、上記第2の実施の形態及びその変形例に準じた構成とすることもできる。
1、1a、2、2a…ライト点消灯関連制御装置、3…点消灯時期診断装置、10…GPS受信器、20…記憶保持装置、30…点消灯スイッチ、40、40a…制御部、41…現在地算出部、42…理論時刻算出部(理論日没時刻算出部、理論日の出時刻算出部)、43…衛星特定部、43a…遮蔽割合算出部(遮蔽量算出部)、44、44a…補正済時刻決定部(補正済日没時刻決定部、補正済日の出時刻決定部)、45…点消灯関連制御部(点灯関連制御部、消灯関連制御部)、46、46a…重み付け付与部、47…点消灯時期診断部(診断部)、50…前照灯、60…車幅灯、70…スピーカ、80…表示部。