JP4923335B2 - 高温加熱炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温加熱炉に関するものであり、詳しくは、アルミニウム化合物含有紡糸液から形成されたアルミナ繊維前駆体などの繊維集合体を加熱処理するための高温加熱炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミナ繊維のブランケットは、これを成形することにより、各種の耐熱材、例えば、高温炉や高温ダクトの断熱材または目地材、あるいは、内燃機関の排ガス浄化用触媒コンバーターの保持材として使用される。アルミナ繊維のブランケットは連続シートとして製造されるが、斯かるアルミナ繊維の連続シートは、アルミニウム化合物含有紡糸液から形成されたアルミナ繊維前駆体の連続シートを高温加熱炉内に連続的に供給し、当該高温加熱炉内に配置された搬送機構により一方向に搬送しつつ加熱処理して製造される(特開2000−80547号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高温加熱炉によってシート状のアルミナ繊維前駆体を上記の様に加熱処理した場合、得られるアルミナ繊維の連続シートにおいては、シートの形状が損なわれることがある。また、繊維の切断されたものが含まれており、強度が十分でない等の問題が発生することがある。
【0004】
本発明者等は、高温加熱炉によるアルミナ繊維前駆体の処理工程について搬送機構を中心に種々検討した結果、次の様な知見を得た。すなわち、高温加熱炉内の搬送機構としての例えばローラーコンベヤは、比較的硬質で微細な繊維から成るアルミナ繊維前駆体などの毛羽だった繊維集合体を処理することにより、表面が次第に粗面化する。一方、アルミナ繊維前駆体は、高温加熱炉に供給した当初は有機高分子によって繊維の先端がループ状に縮れており、しかも、アルミナ繊維前駆体自体が水分に敏感で周囲の湿気を吸湿してベタツキ易い。その結果、特に高温加熱炉の前段部分においては、繊維がローラー表面に引っ掛かり易いと言う現象が見られる。更に、高温加熱炉の後段においては、より高温で加熱するため、アルミナ繊維前駆体が大きな収縮性を発現する。従って、アルミナ繊維前駆体のシートが加熱炉の長さ方向に引っ張られる結果、シートの形状を部分的に壊し易く、また、部分的に繊維切れの問題を惹起している。
【0005】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、加熱によって収縮するアルミナ繊維前駆体などの繊維集合体を連続して加熱処理するための高温加熱炉であって、搬送機構における繊維の引っ掛かりがなく、一層円滑に繊維集合体を処理可能な高温加熱炉を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の高温加熱炉は、加熱によって収縮する繊維集合体を加熱処理するための一体構造のトンネル型の高温加熱炉であって、炉長に沿って炉内に搬送機構が挿通され、炉内の後段処理室の天井部が前段処理室に比べて膨出した嵩高構造に構成され且つ前記の後段処理室に加熱手段が配置されていることにより前記の前段処理室よりも前記の後段処理室が高温に設定されて成り、しかも、前記の搬送機構が、前記の前段処理室に配置された金属メッシュコンベア又はパンチングメタルシートコンベアと、前記の後段処理室に配置された耐熱磁器ローラーコンベヤとから構成されていることを特徴とする。
【0007】
すなわち、高温加熱炉においては、温度の低い前段処理室で加熱する際、金属メッシュコンベヤ又はパンチングメタルシートコンベアは、供給された繊維集合体を多数点で支持し、繊維集合体に対する接触面積を低減できる。従って、当初のアルミナ繊維前駆体の様に繊維自体が水分に敏感で周囲の湿気を吸湿してベタツキ易く且つポリビニルアルコール等の有機高分子によって繊維の先端がループ状の繊維集合体を前段処理室で処理した場合でも繊維の引っ掛かりを低減できる。また、高温の後段処理室で加熱する際、耐熱磁器のローラーコンベヤは、前段処理室から送り込まれた繊維集合体を面で支持し、適度な滑り性を発揮する。従って、アルミナ繊維前駆体の様に前段処理室の処理によって有機高分子が加熱され繊維の先端が炭化し且つ延びた状態の繊維集合体であって、しかも、大きな収縮性を発現する繊維集合体を後段処理室で処理した場合でも、繊維の引っ掛かりがない。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る高温加熱炉の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る高温加熱炉の主要部の構造例およびその特性を示す図であり、分図(a)は炉長に沿って破断した縦断面図、分図(b)は炉長に沿った炉内の温度分布を示すグラフである。以下、実施形態の説明においては、高温加熱炉を「加熱炉」と略記する。
【0009】
本発明の加熱炉は、図1に示す様に、加熱によって収縮する繊維集合体(W)を加熱処理するためのトンネル型の加熱炉である。上記の繊維集合体(W)としては、典型的には、アルミニウム化合物含有紡糸液から形成されたアルミナ繊維前駆体の連続シートが挙げられる。すなわち、ブランケットやマットの形態に加工されるアルミナ繊維のシートは、加熱炉内に上記アルミナ繊維前駆体の連続シートを連続的に供給し且つ一方向に搬送しつつ加熱処理して製造される。
【0010】
紡糸液からのアルミナ繊維前駆体の製造は、例えば、特開2000−80547号公報に記載の方法と同様に、常法に従って行うことが出来る。紡糸液としては、例えば、塩酸にアルミニウムを溶解調製した塩基性塩化アルミニウム水溶液に対し、最終的に得られるアルミナ繊維の組成がAl23:SiO2(重量比)で通常65〜98:35〜2、好ましくは70〜97:30〜3の範囲となる様にシリカゾルを添加したものが使用される。紡糸性を向上させるため、通常、紡糸液には、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、セルロース誘導体等の水溶性有機重合体が加えられ、また、必要により、紡糸液の粘度は、濃縮操作によって10〜100ポイズ程度に調節される。
【0011】
紡糸液からのアルミナ繊維前駆体(繊維)の形成は、高速の紡糸気流中に紡糸液を供給するブローイング法や回転板によるスピンドル法によって行われる。なお、ブローイング法のノズルには、紡糸気流を発生する気流ノズル中に紡糸液ノズルを内装したものと、紡糸気流の外から紡糸液を供給する様に紡糸液ノズルを設置したものとがあるが、何れを使用することも出来る。ブローイング法は、太さが通常数μm、長さが数十mm〜数百mmのアルミナ繊維前駆体(繊維)を形成でき、長い繊維が得られるので好ましい方法である。
【0012】
上記アルミナ繊維前駆体の連続シートは、通常、上記ブローイング法により紡糸して薄層シートを形成した後、これを更に積層することにより積層シートとして形成される。アルミナ繊維前駆体の薄層シートを形成するには、好ましくは、紡糸気流に対して略直角となる様に金網製の無端ベルトを設置し、無端ベルトを回転させつつ、これにアルミナ繊維前駆体(繊維)を含む紡糸気流を衝突させる構造の集積装置が使用される。
【0013】
アルミナ繊維前駆体の連続シート(積層シート)は、例えば、前述の特開2000−80547号公報に記載されている様に、集積装置から薄層シートを連続的に引出して折畳み装置に送り、所定の幅に折り畳んで積み重ねつつ、折り畳み方向に対して直角方向に連続的に移動させることにより製造される。これにより、薄層シートの幅方向の両端部は、形成される積層シートの内側に配置されるため、積層シートの目付け量がシート全体に亘って均一となる。
【0014】
薄層シートの目付量は、通常は10〜200g/m2、好ましくは30〜100g/m2である。この薄層シートは、その幅方向および長さ方向の何れにおいても必ずしも均一ではない。従って、積層シートは、少なくとも5層以上、好ましくは8層以上、特に好ましくは10〜80層に積み重ねて形成する。これにより薄層シートの部分的な不均一性が相殺され、全体に亘って均一な目付け量を確保できる。
【0015】
本発明において、アルミナ繊維前駆体の積層シートの焼成は、通常500℃以上、好ましくは1000〜1300℃で行われる。また、焼成に先立ち、積層シートにニードリングを施すことにより、アルミナ繊維がシートの厚さ方向にも配向された機械的強度の大きいアルミナ繊維シートとすることが出来る。ニードリングの打数は通常1〜50打/cm2であり、一般に打数が多いほど得られるアルミナ繊維シートの嵩密度と剥離強度が大きくなる。
【0016】
本発明の加熱炉は、上記の様な繊維集合体(アルミナ繊維前駆体の連続シート)(W)の加熱処理に使用される加熱炉であり、図1に示す様に、トンネル型の炉体(1)を備えている。炉体(1)は、例えば、耐熱性を有するステンレス等の金属製の枠組と、同種の金属板から成り且つ内面に耐熱材を付設した壁材(天井材、床材および側壁材)とを組み合わせて構成される。また、炉体(1)は、上記の枠組と耐火レンガ等の耐熱材料から成る壁材とを組み合わせて構成されていてもよい。
【0017】
炉長に直交する炉体(1)の断面形状(炉内の断面形状)は、熱効率、繊維集合体の形態、強度などを勘案し、四角形、円形、楕円形、上半部がドーム状等の種々の形状に構成できる。炉体(1)の長さ(炉長)は、処理時間および後述の搬送機構の搬送速度によっても異なるが、一般的には20〜100m程度とされる。
【0018】
また、炉長に沿った炉体(1)の後段処理室(略後半部)(12)は、側面視した場合、前段処理室(略前半部)(11)に比べて天井部が膨出した構造、すなわち、嵩高の構造に構成される。加熱炉においては、炉体(1)の後段処理室(12)が嵩高の構造に構成されることにより、高温のガスを滞留させることが出来、後述する加熱機構によって後段処理室(12)の温度をより高温に設定できる。
【0019】
加熱炉の炉内は、上記の炉体(1)の構造および以下の加熱機構により、炉長に沿って前段処理室(11)よりも後段処理室(12)が高温に設定される。具体的には、炉体(1)の後段処理室(12)には、加熱手段としての幾つかのバーナー(4)が配置される。バーナー(4)は、例えば、炉体(1)の両側壁、炉体(1)の天井、および、炉体(1)の床にそれぞれに配置されることにより、後述のローラーコンベヤ(3)上の繊維集合体(W)に対して上下から加熱し得る様になされている。バーナー(4)には、ガス供給設備(図示省略)から所定流量の燃焼用ガスが供給され、かつ、ブロワ(図示省略)から所定流量の燃焼用空気が供給される様になされている。なお、加熱手段としては、上記の様な直焚きバーナーの他、ラジアントチューブ等の間接加熱手段や電気式ヒーターが使用できる。
【0020】
また、炉体(1)の略中央部の両側壁および床には、燃焼用空気を供給し且つ炉体(1)の略中央部の炉内温度を調整するための幾つかの空気ノズル(5)が配置される。空気ノズル(5)には、外部のブロワ(図示省略)を通じて所定流量の空気が供給される様になされている。そして、炉体(1)の前段処理室(11)には、燃焼排ガスを炉内から排出するための幾つかの排気管(7)が天井に設けられる。排気管(7)は、外部に設置された排気ファン(図示省略)に接続されている。
【0021】
更に、炉体(1)の前段処理室(11)の天井には、前段処理室(11)における炉内温度を調節するための空気吹き込み用のノズル(8)が排気管(7)に隣接して設けられていてもよい。そして、図1に示す様に、炉体(1)の出口には、燃焼用空気を供給し且つ出口部分の炉内の温度を低温に保持するための冷却用空気ノズル(6)が配置される。冷却用空気ノズル(6)には、外部のファン(図示省略)を通じて所定流量の外気が供給される様になされている。
【0022】
すなわち、図1に示す加熱炉においては、炉体(1)の後段処理室(12)で発生させたバーナーの熱を搬送方向とは逆の入口側へ送り出すことにより、炉体(1)の入口から出口に向けて炉内の温度が漸次高くなり、そして、後段処理室(12)にて炉内温度が最高になる様に設定されている(分図(b)参照)。
【0023】
また、炉内には、炉長に沿って炉体の入口から出口まで上記の繊維集合体(W)を搬送するための搬送機構が挿通される。搬送機構としては、炉体に対する取付構造などを考慮すると、一般的には耐熱性を備えたローラーコンベヤが適している。しかしながら、上記アルミナ繊維前駆体などの繊維集合体(W)は、加熱処理が十分になされる前は繊維自体が水分に敏感で周囲の湿気を吸湿してベタツキ易く且つポリビニルアルコール等の有機高分子によって繊維自体がループ状に毛羽だった状態でローラー等の回転体に引っ掛かり易いと言う性質を有する。一方、アルミナ繊維前駆体は、高温の加熱処理(焼成)により、繊維の先端は比較的延びた状態になるものの、全体的に収縮し易いと言う性質を有する。
【0024】
そこで、本発明においては、アルミナ繊維前駆体の様な繊維集合体に対して引っ掛かりの少ない特定のコンベヤを前段処理室(11)に配置し、そして、高温耐熱性を有し且つアルミナ繊維前駆体の様な高温収縮性の繊維集合体(W)に対してある程度滑り性のある特定のコンベヤを後段処理室(12)に配置することにより、繊維集合体(W)の円滑な搬送を実現している。すなわち、本発明の加熱炉において、上記の搬送機構は、前段処理室(11)に配置された金属メッシュコンベヤ(2)(又はパンチングメタルシートコンベア)と、後段処理室(12)に配置された耐熱磁器製のローラーコンベヤ(3)とから構成される。
【0025】
例えば、金属メッシュコンベヤ(2)としては、16mm程度のピッチで配置された線径2mm程度の力骨および10mm程度のピッチで配置された線径2mm程度の螺線ワイヤから成るメッシュベルトを備えたステンレス製のコンベヤが使用される。金属メッシュコンベヤ(2)は、炉体(1)の内外に架設されたテンションローラーに巻回されることにより、炉体(1)入口部から炉体(1)の略中央部に伸長され、炉体(1)の略中央部の下方へ引き出され、炉体(1)の床下を経て炉体(1)入口部へ循環される。なお、図示しないが、金属メッシュコンベヤ(2)は、通常、炉体(1)の外部に配置されたモータにより、炉体(1)の入口部分または床下部分に配置された駆動ローラーを介して駆動させる様になされている。
【0026】
ローラーコンベヤ(3)としては、耐熱磁器製のコンベヤが使用される。斯かるコンベヤを構成する耐熱磁器としては、ムライトローラーが挙げられる。ローラーコンベヤ(3)の直径は、繊維集合体(W)に対する接触面積、滑り性などの観点から25〜40mmとされる。ローラーコンベヤ(3)の直径を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。
【0027】
すなわち、ローラーコンベヤ(3)のローラーの直径を20mm未満に設定した場合は、ローラー自体が熱で曲がり易いほか、表面の曲がりが大きくなるため、繊維の巻付きが増加し、引っ掛かりが多くなり、繊維切れを発生する虞がある。一方、ローラーの直径を40mmよりも大きく設定した場合は、配列ピッチが拡がるため、繊維集合体(W)に対する搬送力が低下する。また、大きな直径のローラーを使用し、配列ピッチを狭くした場合には、炉体(1)の側壁の強度が低下する虞がある。
【0028】
なお、図示しないが、ローラーコンベヤ(3)は、通常、炉体(1)の外部に配置されたモータにより、炉体(1)の側面から突出する軸のスプロケットに巻回されたチェーンを介して駆動させる様になされている。また、上記の搬送機構の搬送速度は、処理時間と炉長によって決定されるが、例えば、繊維集合体(W)がアルミナ繊維前駆体の場合には50〜500mm/分程度である。
【0029】
本発明の加熱炉における繊維集合体(W)の加熱処理は、アルミナ繊維の製造において前述した通り、例えば、前段処理室(11)において500℃未満の温度で予備加熱した後、後段処理室(12)において500℃以上の温度、最高1250℃の温度で行われる(分図(b)参照)。
【0030】
温度の低い前段処理室(11)で加熱する際、前段処理室(11)の搬送機構を構成する金属メッシュコンベヤ(2)は、供給された繊維集合体(W)を多数点で支持し、繊維集合体(W)に対する接触面積を低減できる。従って、供給当初のアルミナ繊維前駆体の様に繊維自体が水分に敏感で周囲の湿気を吸湿してベタツキ易く且つポリビニルアルコール等の有機高分子によって繊維の先端がループ状の繊維集合体(W)を前段処理室(11)で処理した場合でも繊維の引っ掛かりを低減できる。その結果、前段処理室(11)においては、金属メッシュコンベヤ(2)により、全体形状を損なうことなく、確実に繊維集合体(W)を搬送できる。
【0031】
また、高温の後段処理室で加熱する際、後段処理室(12)の搬送機構を構成する耐熱磁器のローラーコンベヤ(3)は、前段処理室(11)から送り込まれた繊維集合体(W)を面で支持し、適度な滑り性を発揮する。従って、アルミナ繊維前駆体の様に前段処理室(11)の処理によって有機高分子が加熱されて繊維先端が炭化し且つ延びた状態の繊維集合体であって、しかも、大きな収縮性を発現する繊維集合体(W)を後段処理室(12)で処理した場合でも、繊維の引っ掛かりがない。その結果、後段処理室(12)においては、ローラーコンベヤ(3)により、全体形状を損なうことなく、確実に繊維集合体(W)を搬送できる。
【0032】
すなわち、本発明の加熱炉によれば、前段処理室(11)及び後段処理室(12)の各搬送機構における繊維の引っ掛かりがなく、繊維集合体(W)が収縮しても加熱炉の長さ方向に引っ張られることがないため、繊維集合体(W)の最初の形状を損なうことなく、一層円滑に繊維集合体(W)を加熱処理できる。また、繊維集合体(W)の繊維を切断することがないため、得られる被処理物としての繊維集合体、例えばアルミナ繊維のシート等の繊維集合体において十分な強度を保証できる。なお、本発明の加熱炉は、連続シート状の繊維集合体のみならず、加熱によって収縮する非連続のシート状あるいはブロック状の繊維集合体の加熱処理にも好適に使用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の高温加熱炉によれば、前段処理室および後段処理室の各コンベヤにおいて繊維集合体の繊維に対する引っ掛かりがなく、確実に繊維集合体を搬送できるため、繊維集合体の最初の形状を損なうことなく、一層円滑に加熱処理でき、また、繊維集合体の繊維を切断することがないため、得られる被処理物としての繊維集合体において十分な強度を保証できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高温加熱炉の主要部の構造例を示す縦断面図および炉内の温度分布を示すグラフ
【符号の説明】
1 :炉体
11:前段処理室
12:後段処理室
2 :金属メッシュコンベヤ
3 :ローラーコンベヤ
4 :バーナー
5 :空気ノズル
7 :排気管
W :繊維集合体

Claims (2)

  1. 加熱によって収縮する繊維集合体を加熱処理するための一体構造のトンネル型の高温加熱炉であって、炉長に沿って炉内に搬送機構が挿通され、炉内の後段処理室の天井部が前段処理室に比べて膨出した嵩高構造に構成され且つ前記の後段処理室に加熱手段が配置されていることにより前記の前段処理室よりも前記の後段処理室が高温に設定されて成り、しかも、前記の搬送機構が、前記の前段処理室に配置された金属メッシュコンベア又はパンチングメタルシートコンベアと、前記の後段処理室に配置された耐熱磁器ローラーコンベヤとから構成されていることを特徴とする高温加熱炉。
  2. 繊維集合体がアルミニウム化合物含有紡糸液から形成されたアルミナ繊維前駆体の連続シートである請求項1に記載の高温加熱炉。
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