JP2000210922A - セラミックシ―トの製造方法および装置 - Google Patents

セラミックシ―トの製造方法および装置

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JP2000210922A
JP2000210922A JP11017085A JP1708599A JP2000210922A JP 2000210922 A JP2000210922 A JP 2000210922A JP 11017085 A JP11017085 A JP 11017085A JP 1708599 A JP1708599 A JP 1708599A JP 2000210922 A JP2000210922 A JP 2000210922A
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sheet
longitudinal
unsintered
ceramic sheet
furnace
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JP11017085A
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Yuji Hirano
裕司 平野
Kenji Yano
賢司 矢野
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Noritake Co Ltd
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Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続焼成により長尺のセラミックシートを製
造できる可撓性セラミックシートの製造方法および装置
を提供する。 【解決手段】 無端ベルト28上に載置された長手状未
焼成シート12が無端ベルト28と共に焼成炉24を連
続的に通過させられるに際して、その長手状未焼成シー
ト12のうち焼成炉24の入口直前に対応する部分に常
時たるみT1が形成されるようになっていることから、
焼成炉24内の長手方向において中央部よりも入口側、
たとえば焼成温度プロファイルの500℃付近において
有機繊維の消失や無機結合剤の反応或いは溶融によって
未焼成シート12に収縮が発生してその張力が発生しよ
うとしても、上記たるみT1の存在によってその張力の
発生が軽減され、或いはその収縮分だけ未焼成シート1
2が無端ベルト28の搬送速度よりも早い速度で焼成炉
24内へ向かって移動させられるので、セラミックシー
トの亀裂や切断の発生が好適に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機繊維が結合さ
れた可撓性を有するセラミックシートの製造方法および
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば300℃以上の高温においても
電気絶縁性や耐薬品性を備えた可撓性シートとして、ア
ルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維などの無機質繊維
をその接触点で結合させた可撓性セラミックシートが知
られている。たとえば、特願平9−365910号、特
願平10−22729号に記載されたセラミックシート
がそれである。これらの可撓性セラミックシートは、柔
軟性を有しているにも拘らず、取扱いに充分な強度を備
えるとともに、厚みが100μm以下と極めて薄く製造
され得るので、電池やキャパシタにおいて電極のセパレ
ータなどとして用いられる場合には、小型且つ軽量とな
るとともに、熱容量が低下して衝撃性が向上するなどの
利点がある。
【0003】ところで、上記のような可撓性セラミック
シートは、たとえば非晶質のシリカ繊維を含む無機質繊
維と、その無機質繊維の結晶化を抑制するとともにそれ
ら無機質繊維を結合する結晶化抑制剤(無機結合剤)
と、植物繊維などの有機結合剤とを含む材料からシート
状に薄く成形された未焼成シートを、1200〜140
0℃程度の温度で焼成することにより製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生産効
率が高く且つ焼成のばらつきの少ない連続焼成法を適用
し、ローラに巻き取られた未焼成シートを搬送体上に連
続的に供給するとともに、搬送体により焼成炉を通過し
て搬送されたセラミックシートを連続的に巻き取ること
により、上記未焼成シートを連続的に焼成しようとする
と、有機結合剤の焼失や焼成収縮によってセラミックシ
ートに亀裂や切断が発生するという問題があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、連続焼成により
長尺のセラミックシートを製造できる可撓性セラミック
シートの製造方法および装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】本発明者等は、以
上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、比較的小
さな未焼成シートの焼成時には亀裂や切断が発生し難い
という事実から、焼成時における未焼成シートの収縮に
より発生する張力を可及的に小さくすると上記亀裂や切
断が発生し難くなるのではないかという点に着目し、連
続焼成時において連続的に焼成炉内へ送入する長手状未
焼成シートの摺動抵抗などを減らしてその張力を小さく
することにより積極的に送り込むようにすると、その長
手状未焼成シートの亀裂や切断が発生し難くなった。焼
成炉内において長手状未焼成シートの有機結合剤の消失
や収縮が発生する部位は、焼成炉の入口に近い数百度程
度の領域であるから、入口側において長手状未焼成シー
トの張力を小さくすることが効果的であると考えられ
る。本発明はこのような知見に基づいて為されたもので
ある。
【0007】すなわち、本発明方法の要旨とするところ
は、無機質繊維、無機結合剤、および有機結合剤を含む
長手状未焼成シートを連続焼成することによりその無機
質繊維が結合された可撓性を有する長手状セラミックシ
ートの製造方法であって、搬送体上に載置された前記長
手状未焼成シートをその搬送体と共に焼成炉を連続的に
通過させるに際して、その長手状未焼成シートをその焼
成炉の入口内へ向かってその搬送体の搬送速度よりも早
い速度で移動させることにある。
【0008】
【第1発明の効果】このようにすれば、搬送体上に載置
された長手状未焼成シートをその搬送体と共に焼成炉を
連続的に通過させるに際して、その長手状未焼成シート
がその搬送体の搬送速度よりも早い速度で焼成炉の入口
内へ向かって積極的に移動させられるので、焼成炉内に
おける長手状未焼成シートの有機結合剤の焼失や焼成収
縮によって張力が発生しようとしても、上記焼成炉入口
側の搬送体上にある長手状未焼成シートがその搬送体の
搬送速度よりも早い速度で移動させられてその張力が軽
減されるので、セラミックシートの亀裂や切断の発生が
好適に防止される。
【0009】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための方法発明の要旨とするところは、無機質
繊維、無機結合剤、および有機結合剤を含む長手状未焼
成シートを連続焼成することによりその無機質繊維が結
合された可撓性を有する長手状セラミックシートの製造
方法であって、搬送体上に載置された前記長手状未焼成
シートをその搬送体と共に焼成炉を連続的に通過させる
に際して、その長手状未焼成シートのうちその焼成炉の
入口直前に対応する部分にたるみを設けることにある。
【0010】
【第2発明の効果】このようにすれば、搬送体上に載置
された長手状未焼成シートをその搬送体と共に焼成炉を
連続的に通過させるに際して、長手状未焼成シートのう
ちその焼成炉の入口直前に対応する部分にたるみが設け
られてその未焼成シートの張力が可及的に小さくされる
ことから、焼成炉内における長手状未焼成シートの有機
結合剤の焼失や焼成収縮によって張力が発生しようとし
ても、上記焼成炉入口側の搬送体上にある長手状未焼成
シートの移動が許容されてその張力が軽減されるので、
セラミックシートの亀裂や切断の発生が好適に防止され
る。
【0011】
【課題を解決するための第3の手段】また、上記発明方
法を好適に実施するための装置発明の要旨とするところ
は、無機質繊維、無機結合剤、および有機結合剤を含む
長手状未焼成シートを連続焼成することによりその無機
質繊維が結合された可撓性を有する長手状セラミックシ
ートの製造装置であって、(a) トンネル型焼成炉と、そ
のトンネル型焼成炉を通して前記長手状未焼成シートを
搬送する搬送体とを備えた焼成装置と、(b) 前記長手状
未焼成シートが巻回された第1ロールを備え、その第1
ロールから引き出された長手状未焼成シートに所定のた
るみを形成しつつ前記搬送体上に送り込むシート送込装
置とを、含むことにある。
【0012】
【第3発明の効果】このようにすれば、第1ロールから
引き出された長手状未焼成シートは、シート送込装置に
より所定のたるみが形成されつつ焼成装置の搬送体上に
送り込まれることから、焼成炉入口側の搬送体上の長手
状未焼成シートの張力が可及的に小さくされるので、焼
成炉内における長手状未焼成シートの有機結合剤の焼失
や焼成収縮によって張力が発生しようとしても、上記焼
成炉入口側の搬送体上の長手状未焼成シートの移動が許
容されてその張力が軽減されるので、セラミックシート
の亀裂や切断の発生が好適に防止される。
【0013】
【発明の他の態様】ここで、好適には、第1発明および
第2発明において、搬送体上に載置された前記長手状未
焼成シートをその搬送体と共に焼成炉を連続的に通過さ
せるに際して、その長手状未焼成シートのうちその焼成
炉の出口直後に対応する部分にたるみを設けることにあ
る。このようにすれば、焼成炉出口側の搬送体上にある
長手状未焼成シートの張力も可及的に小さくされるの
で、セラミックシートの亀裂や切断の発生が一層好適に
防止される。
【0014】また、好適には、第3発明において、前記
セラミックシートを巻き取るための第2ロールを備え、
前記焼成炉から搬出されたセラミックシートすなわちそ
の焼成炉の出口から前記第2ロールまでの間のセラミッ
クシートに、所定のたるみを形成しつつそのセラミック
シートを上記第2ロールに連続的に巻き取るシート巻取
装置を、さらに含むものである。このようにすれば、焼
成炉出口側の搬送体上にある長手状未焼成シートの張力
も可及的に小さくされるので、セラミックシートの亀裂
や切断の発生が一層好適に防止される。
【0015】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】図1のセラミックシート10は、100μ
m程度の比較的薄い厚みを有するとともに、数μm φ程
度の無機繊維が無機結合剤によって結合されることによ
り可撓性と、たとえば60体積%以上の気孔率および
0.15g/cm3 以下の嵩密度とを有し、量産性や均質性
を高めるために連続焼成および巻取りが可能な長手状と
されている。このセラミックシート10は、無機繊維の
相互の近接点付近が無機結合剤によって結合されるた
め、焼成後においても全体として可撓性を備えていると
考えられている。
【0017】図2は、上記セラミックシート10の製造
工程を説明する図である。図2において、原料調合工程
14では、上記セラミックシート10の原料となる無機
繊維および無機結合剤と、成形時の結合剤および気孔形
成剤として機能する有機繊維とが予め設定された調合比
で水中で混合され、分散液とされる。
【0018】上記無機繊維は、たとえば、X線回折によ
り結晶が確認できないために実質的に非結晶質と認めら
れる非結晶質シリカ繊維、またはその非晶質シリカ繊維
および多孔質のアルミナ繊維を主成分とし、必要に応じ
て、アルミノシリケート繊維、アルミノボロシリケート
繊維のような、非晶質シリカ繊維を補強することができ
る無機質補強繊維を含む。また、上記無機結合剤は、好
ましくは上記無機繊維との反応生成物を含有するもので
あり、たとえば窒化ホウ素の粉末、ジルコニウムの窒化
物、硝酸塩、炭酸塩、および硼化物の粉末、イットリウ
ムの窒化物、硝酸塩、炭酸塩、および硼化物の粉末、バ
ナジウムの窒化物、硝酸塩、炭酸塩、および硼化物の粉
末、ランタニド系元素の窒化物、硝酸塩、炭酸塩、およ
び硼化物の粉末のうちから選択された1または2以上の
ものである。この無機結合剤は、上記無機質繊維の全重
量に対してたとえば3〜50%程度の割合で添加され
る。
【0019】また、上記有機繊維は、針葉樹、広葉樹な
どの樹木から得られる木材パルプ、みつまた、こうぞな
どの和紙用繊維、麻、綿などの植物繊維、ビニロン、ナ
イロン、アクリル、ポリエステル、PVAなどの合成繊
維であり、無機質繊維と無機結合剤(たとえば窒化ホウ
素)の全重量に対して5〜40%程度添加される。この
混合比は、焼成後のセラミックシート10の空隙率と未
焼成シート12の強度とから設定される。通常、上記有
機繊維の平均径は無機質繊維のそれよりも1/2以下と
される。
【0020】続く成形工程16では、原料調合工程14
で得られた分散液から紙を抄くためのよく知られた湿式
抄紙法またはそれに類似する方法を用いて、厚みが10
0μm程度のシート状成形体の成形が連続的に行われ、
長手状の未焼成シート12が得られる。たとえば、帯
状、円形状、角形状の濾過網、濾過布若しくは濾過板な
どのような濾過媒体の上に分散液を流して均一の厚みを
有したシート状に成形した後、減圧或いは挟圧などによ
り濾過媒体を通して脱水させることにより上記シート状
成形体が得られるのである。次いで、乾燥工程18で
は、その長手状の未焼成シート12がたとえば80乃至
110℃程度の温度で乾燥された後にロール状に巻回さ
れる。
【0021】そして、焼成工程20では、図3に示す焼
成装置22を用いて、たとえば1200〜1400℃程
度の温度、好適には1250〜1350℃の範囲の最高
温度で10〜60分間、好適には20〜40分の間未焼
成シート12が連続的に焼成され、長手状のセラミック
シート10が得られる。上記焼成装置22は、トンネル
型の加熱機すなわち焼成炉24と、その焼成炉24内を
水平方向に貫通し、且つ駆動装置26によって一定の速
度で連続的に駆動される耐熱金属或いは無機材料製の無
端ベルト28と、上記未焼成シート12が巻回された未
焼成シートロール30を備え、その未焼成シートロール
30から引き出された長手状未焼成シート12に所定の
たるみT1を形成しつつ上記無端ベルト28上に連続的
に送り込むシート送込装置32と、焼成炉24の出口か
ら搬出されるセラミックシート10を巻き取るためのセ
ラミックシートロール34を備え、上記焼成炉24から
搬出されたセラミックシート10にたるみT2を形成し
つつそのセラミックシート10をセラミックシートロー
ル34に連続的に巻き取るシート巻取装置36とを、備
えている。
【0022】上記シート送込装置32は、図4に詳しく
示すように、未焼成シートロール30と焼成炉24の入
口側の無端ベルト28との間に設けられた中間ローラ4
0と、それら未焼成シートロール30および中間ローラ
40を駆動する駆動モータ42および44と、焼成炉2
4の入口側の無端ベルト28と中間ローラ40との間に
形成されたたるみ(直線ではなく回曲した形状部分)T
1の大きさを検出するための1対の光電センサ46uお
よび46dを備えたたるみセンサ48と、そのたるみセ
ンサ48からの信号に基づいて上記駆動モータ42およ
び44を制御することによりたるみT1を一定の大きさ
となるように形成する入口側たるみ制御装置50とを備
えている。
【0023】すなわち、入口側たるみ制御装置50によ
り、未焼成シートロール30から引き出されて焼成炉2
4の入口側の無端ベルト28上に送り込まれる未焼成シ
ート12が上記1対の光電センサ46uおよび46dの
間となるように駆動モータ42の回転が制御されるとと
もに、中間ローラ40の周速が未焼成シート12の周速
と同様となるように駆動モータ44の回転が制御される
ことにより、無端ベルト28上に載置された長手状未焼
成シート12が無端ベルト28と共に焼成炉24を連続
的に通過させられるに際して、その長手状未焼成シート
12のうち焼成炉24の入口直前に対応する部分に常時
たるみT1が形成されるようになっている。これによ
り、焼成炉24内の長手方向において中央部よりも入口
側、たとえば焼成温度プロファイルの500℃付近にお
いて有機繊維の消失や無機結合剤の反応或いは溶融によ
って未焼成シート12に収縮が発生してその張力が発生
しようとしても、上記たるみT1の存在によってその張
力の発生が軽減され、その収縮分だけ未焼成シート12
が無端ベルト28の搬送速度よりも早い速度で焼成炉2
4内へ向かって移動させられる。
【0024】また、シート巻取装置36は、図5に詳し
く示すように、セラミックシートロール34と焼成炉2
4の出口側の無端ベルト28との間に設けられた中間ロ
ーラ60と、それらセラミックシートロール34および
中間ローラ60を駆動する駆動モータ62および64
と、焼成炉24の出口側の無端ベルト28と中間ローラ
60との間に形成されたたるみT2の大きさを検出する
ための1対の光電センサ66uおよび66dを備えたた
るみセンサ68と、そのたるみセンサ68からの信号に
基づいて上記駆動モータ62および64を制御すること
によりたるみT2を一定の大きさとなるように形成する
出口側たるみ制御装置70とを備えている。
【0025】すなわち、出口側たるみ制御装置70によ
り、焼成炉24の出口側の無端ベルト28上から搬出さ
れるセラミックシート10が上記1対の光電センサ66
uおよび66dの間となるように駆動モータ62の回転
が制御されるとともに、中間ローラ60の周速がセラミ
ックシートロール34の周速と同様となるように駆動モ
ータ64の回転が制御されることにより、常時たるみT
2が形成されるようになっている。これにより、焼成炉
24内の長手方向において中央部よりも入口側、たとえ
ば焼成温度プロファイルの500℃付近において有機繊
維の消失や無機結合剤の反応或いは溶融によって未焼成
シート12に収縮が発生してその張力が発生しようとし
ても、上記たるみT2の存在によってその張力の発生が
軽減され得る。
【0026】上述のように、本実施例によれば、無端ベ
ルト28上に載置された長手状未焼成シート12が無端
ベルト28と共に焼成炉24を連続的に通過させられる
に際して、その長手状未焼成シート12のうち焼成炉2
4の入口直前に対応する部分に常時たるみT1が形成さ
れるようになっていることから、焼成炉24内の長手方
向において中央部よりも入口側、たとえば焼成温度プロ
ファイルの500℃付近において有機繊維の消失や無機
結合剤の反応或いは溶融によって未焼成シート12に収
縮が発生してその張力が発生しようとしても、上記たる
みT1の存在によってその張力の発生が軽減され、或い
はその収縮分だけ未焼成シート12が無端ベルト28の
搬送速度よりも早い速度で焼成炉24内へ向かって移動
させられるので、セラミックシートの亀裂や切断の発生
が好適に防止される。
【0027】すなわち、未焼成シートロール(第1ロー
ル)30から引き出された長手状未焼成シート12は、
シート送込装置32により所定のたるみT1が形成され
つつ焼成装置22の無端ベルト(搬送体)28上に送り
込まれることから、焼成炉24の入口側の無端ベルト2
8上の未焼成シート12の張力が可及的に小さくされる
ので、焼成炉24内における未焼成シート12の有機結
合剤の焼失や焼成収縮によって張力が発生しようとして
も、上記焼成炉24の入口側の無端ベルト28上の未焼
成シート12の移動が許容されてその張力が軽減される
ので、セラミックシート10の亀裂や切断の発生が好適
に防止されるのである。
【0028】また、本実施例によれば、セラミックシー
トロール34を備えたシート巻取装置36が設けられ、
そのシート巻取装置36により、焼成炉24から搬出さ
れたセラミックシート10すなわちその焼成炉24の出
口からセラミックシートロール(第2ロール)34まで
の間のセラミックシート10に、所定のたるみT2を形
成しつつそのセラミックシート10がセラミックシート
ロール34に連続的に巻き取られるので、焼成炉24の
出口側の無端ベルト28上にあるセラミックシート10
の張力も可及的に小さくされるので、セラミックシート
10の亀裂や切断の発生が一層好適に防止される。
【0029】本発明者等の実験によれば、無機質繊維と
して非晶質シリカ繊維を54g、アルミナ繊維を13.
3g、無機結合剤として窒化ホウ素を2.0g、有機結
合剤としてパルプを29.5gを、1250gのイオン
交換水に分散されるという割合で分散液を作成し、その
分散液から湿式抄紙法を用いて、幅が100mm、長さが
10m、厚さが60μmとなるように未焼成シート12
を成形し、100℃で乾燥し、全行程の40%が最高温
度域とされた前述の図3の焼成装置22で1300℃に
て焼成し、60φの円筒状ロール34に巻き取った場合
に、亀裂および切断の全くないセラミックシート10が
得られた。また、無端ベルト28に代えて、搬送用の複
数本のセラミックローラが配設された焼成炉(ローラハ
ースキルン)が用いられて場合でも、同様の結果が得ら
れた。しかし、焼成炉24の入口側においてシート送込
装置32がたるみT1を形成しないことのみが相違し、
他は同様の条件で焼成を行った場合には、亀裂や切断が
発生してセラミックシート10の長尺体を得ることがで
きなかった。
【0030】以上、本発明の一実施例を図面を用いて説
明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0031】たとえば、前述の実施例のシート巻取装置
36は、焼成炉24の出口においてセラミックシート1
0にたるみT2を常時形成しつつそのセラミックシート
10をセラミックシートロール34に巻き取るように構
成されたいたが、必ずしもそのたるみT2を形成するも
のでなくてもよい。
【0032】また、前述の実施例では、焼成炉24を通
過するように未焼成シート12或いはセラミックシート
10を搬送する搬送体として、無端ベルト28が設けら
れていたが、それぞれ回転駆動されるセラミックロー
ラ、プッシャによって逐次押しこまれるセッターなどの
他の窯道具が用いられてもよい。
【0033】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のセラミックシートを示す斜
視図である。
【図2】図1のセラミックシートの製造工程を説明する
工程図である。
【図3】図1の焼成工程に用いられる焼成装置の構成を
説明する図である。
【図4】図3の焼成装置に用いられているシート送込装
置の構成を詳細に説明する図である。
【図5】図3の焼成装置に用いられているシート巻取装
置の構成を詳細に説明する図である。
【符号の説明】
10:セラミックシート 12:未焼成シート 22:焼成装置 24:焼成炉 28:無端ベルト(搬送体) 30:未焼成シートロール(第1ロール) 32:シート送込装置 34:セラミックシートロール(第2ロール) 36:シート巻取装置
フロントページの続き (72)発明者 矢野 賢司 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 Fターム(参考) 4G055 AA08 AC01 BA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質繊維、無機結合剤、および有機結
    合剤を含む長手状未焼成シートを連続焼成することによ
    り該無機質繊維が結合された可撓性を有する長手状セラ
    ミックシートの製造方法であって、 搬送体上に載置された前記長手状未焼成シートを該搬送
    体と共に焼成炉を連続的に通過させるに際して、該長手
    状未焼成シートを該焼成炉の入口内へ向かって該搬送体
    の搬送速度よりも早い速度で移動させることを特徴とす
    るセラミックシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 無機質繊維、無機結合剤、および有機結
    合剤を含む長手状未焼成シートを連続焼成することによ
    り該無機質繊維が結合された可撓性を有する長手状セラ
    ミックシートの製造方法であって、 搬送体上に載置された前記長手状未焼成シートを該搬送
    体と共に焼成炉を連続的に通過させるに際して、該長手
    状未焼成シートのうち該焼成炉の入口直前に対応する部
    分にたるみを設けることを特徴とするセラミックシート
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 無機質繊維、無機結合剤、および有機結
    合剤を含む長手状未焼成シートを連続焼成することによ
    り該無機質繊維が結合された可撓性を有する長手状セラ
    ミックシートの製造装置であって、 トンネル型焼成炉と、該トンネル型焼成炉を通して前記
    長手状未焼成シートを搬送する搬送体とを備えた焼成装
    置と、 前記長手状未焼成シートが巻回された第1ロールを備
    え、該第1ロールから引き出された長手状未焼成シート
    に所定のたるみを形成しつつ前記搬送体上に送り込むシ
    ート送込装置と、 を、含むことを特徴とする長手状セラミックシートの製
    造装置。
  4. 【請求項4】 前記セラミックシートを巻き取るための
    第2ロールを備え、前記焼成炉から搬出されたセラミッ
    クシートに所定のたるみを形成しつつそのセラミックシ
    ートを該第2ロールに連続的に巻き取るシート巻取装置
    をさらに含むものである請求項3の長手状セラミックシ
    ートの製造装置。
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