JP4922675B2 - 被膜シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主に、光学素子及び画像表示装置等に利用できる被膜シートの製造方法に関する。
TVやパソコンと言ったOA機器の表示装置としては、薄型軽量、低消費電力といった大きな利点を持った液晶表示装置が使用されている。現在の液晶表示装置は、位相差フィルムを作成するための液晶層、表面保護のためのハードコート層、反射防止膜などの表面処理被膜等の光学機能層を有する。このような光学機能層は、光学機能の高性能化に伴って薄膜で形成されるが、該光学機能層の膜厚にムラ等があると、これを用いた画像表示装置(例えば、液晶表示装置等)の表示機能が低下することとなる。
ところで、前記光学機能層は、光学機能を有する樹脂等を溶媒に溶解した塗工液を基材フィルム上に塗布し、乾燥等の工程を施すことで該基材フィルム上に被膜を形成させて製造されている。前記塗工液の塗工方式としては、スロットダイ、リバースグラビアコート、マイクログラビア等の様々な方式が採用されている(例えば、特許文献1)。
特に、近年の光学機能の高性能化の要望に伴い、光学機能を付与している被膜についても極めて高度な均一性、外観が要望されるようになっており、このような高品質の被膜を形成しうる塗工方法の一つとして、スロットダイ方式のダイコーターを用いた塗工方法が検討されている。
ダイコーターを用いた塗工方法においては、ダイコーターから吐出される塗工液の脈動や機材フィルムの走行スピードの変動などによって基材フィルムの幅方向(即ち、横方向)に沿ったスジ状の塗工ムラが生じることがあり、従来、このような塗工ムラを防止すべく、塗工液の粘度を数十mPa・sec以下の低粘度とし、レベリング効果等によって塗工ムラを無くす方法が検討されている。
しかしながら、優れた光学機能を発揮するポリイミド含有塗工液のように、高粘度の塗工液を用いる場合に於いては、レべリング効果によって塗工ムラを無くすことは困難であり、しかも、ダイコーターと基材フィルムとの間隔を比較的狭くしなければ高粘度の塗工液を基材フィルム上へ安定して塗工できないため、その結果、横方向(基材フィルム幅方向)にスジ状の塗工ムラが生じてしまうという問題がある。このような塗工ムラは、外観不良の原因となり、該被膜シートの品質低下を招く原因となる。
特開昭62−140672号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、高粘度の塗工液を用いて基材フィルム上に外観不良のない均一な膜厚の被膜を形成しうる被膜シートの製造方法を提供することを一の課題とする。
本発明の発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、高粘度の塗工液を用いる場合においては、塗工液と接する上流側雰囲気を所定の減圧状態としつつ該ダイコーター先端と基材フィルムとの間隔を一定範囲内に広げることにより、基材フィルム上に該塗工液をムラなく均一に塗工しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、樹脂材料及び溶剤を含有する塗工液をダイコーターから吐出させて連続的に走行する基材フィルム上に塗布する塗布工程を含み、該塗工工程によって基材フィルム上に被膜を形成する被膜シートの製造方法において、前記塗工液の粘度を100〜2300mPa・secとし、前記ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔を60〜110μmとし、さらに、前記ダイコーターから吐出された前記塗工液と接する雰囲気のうち、前記基材フィルムの進行方向上流側において接する雰囲気(以下、本明細書において「上流側雰囲気」ともいう)を3.5〜7.0kPaの範囲で減圧することを特徴とする被膜シートの製造方法を提供する。
本発明に係る被膜シートの製造方法によれば、塗工液の粘度が100〜2300mPa・secという比較的高粘度である場合であっても、ダイコーターの先端と基材フィルムとの間隔を60〜110μmの範囲とし且つ上流側雰囲気を3.5〜7.0kPaの範囲で減圧することにより、ダイコーターの先端に形成される塗工液の液溜まりが所望の形状に保たれ、その結果、基材フィルム上に該塗工液をムラなく均一に塗工することが可能となる。
また、本発明においては、基材フィルムの走行スピードが10〜300m/minであることが好ましい。
斯かる方法であれば、基材フィルムに対する塗工液の吐出量が相対的に安定することとなり、厚み精度の良好な被膜シートが得られる。
また、本発明においては、前記走行スピードの変動率が、0.9〜3.0%に制御されていることが好ましい。
斯かる方法によれば、前記塗工液の粘度が100〜2300mPa・secであるために走行スピードの変動率が0.9〜3.0%であっても均一でムラのない被膜シートを得ることができ、外観不良のない被膜シートを高い生産性で製造することが可能となる。
また、本発明においては、前記ダイコーターに備えられた対をなすダイリップの少なくとも一方の内側先端部に0.2〜1.0mmのR加工が施されていることが好ましい。
かかる方法であれば、ダイリップ先端部からの塗工液の吐出が安定し、厚み精度が良好で外観不良の少ない被膜シートが得られる。
また、本発明の被膜シートの製造方法は、さらに、前記塗工工程によって形成された被膜を乾燥させる乾燥工程を含み、乾燥後の被膜厚みが30μm以下であることが好ましい。
かかる方法であれば、乾燥ムラ及び発泡等を防止することができる。
さらに、本発明は、上記何れかに記載の被膜シートの製造方法により製造されてなる被膜シートを提供する。
また、本発明は、該被膜シートが少なくとも1層以上積層されてなる偏光板を提供する。
また、本発明は、前記被膜シート及び前記偏光板のうち、少なくとも何れか一方を含む光学素子を提供する。
さらに、本発明は、該光学素子を含む画像表示装置を提供する。
本発明に係る被膜シートの製造方法によれば、高粘度の塗工液を用いた場合においても、横方向のスジ状のムラを生じることなく均一な膜厚で基材フィルム上に被膜を形成することが可能となり、外観不良のない被膜シートを製造することができる。
また、本発明に係る被膜シートの製造方法で製造された被膜シートは外観不良がなく高品質なものであるため、該被膜シートを備えた偏光板、光学素子、および画像表示装置は極めて高い品質を有するものとなる。
図1は、本発明に係る被膜シートの製造方法に用いる被膜シート製造装置の一実施形態を示した概略図である。
図1に示すように、本実施形態の製造装置は、基材フィルム2を所定速度で搬送するロール1と、該ロール1の周面上を搬送される基材フィルム2に対して塗工液を吐出し、基材フィルム2上に該塗工液の塗膜を形成するダイコーター4とを備えている。
さらに、本実施形態の製造装置は、前記ダイコーター4から吐出される塗工液と接する雰囲気のうち、前記基材フィルム2の進行方向上流側において接する雰囲気(上流側雰囲気)12を吸引するための吸引装置を備えている。
本実施形態においては、該上流側雰囲気12は空気であり、前記吸引装置は、具体的には、上流側雰囲気空気12を包囲するバキュームボックス5と、該バキュームボックス5内の上流側雰囲気12を吸引ダクトを介して吸引する吸引ブロワ6とを備えて構成されている。即ち、該吸引装置は、吸引ブロワ6を作動させることにより、吸引ダクトを介してバキュームボックス5内の上流側雰囲気12を吸引し、該バキュームボックス5内を所定の減圧状態に調節しうるように構成されている。
また、該バキュームボックス5内の圧力、即ち、上流側雰囲気12の圧力は、例えば、前記吸引ブロワ6の吸引風量を調節することや、基材フィルム2とバキュームボックス5との隙間、及びロール1の側面とバキュームボックス5との隙間を調節することによって所望の値に調節しうるように構成されている。
図2は、図1中Aで示したダイコーター4の先端部の拡大図である。図2に示すように、ダイコーター4は、互いに対向するように配され、基材フィルム2の幅方向に延在した一対のダイリップ、即ち、上流側ダイリップ41と、下流側ダイリップ42とを備えて構成されている。
上流側ダイリップ41と下流側ダイリップ42との隙間(スリット)は、ポンプ(図示せず)を介して送られる塗工液31の流路となっており、これらダイリップ41、42の先端から塗工液31が吐出されるように構成されている。また、図2に示すように、これらダイリップ41、42と、基材フィルム2とは、距離Dだけ離間した状態で配置されている。
本発明に係る被膜シートの製造方法は、例えば上述のような製造装置を用いて行われるものであり、樹脂材料及び溶剤を含有する塗工液31をダイコーター4から吐出させ、連続的に走行する基材フィルム2上に塗布する塗布工程を含み、該塗工工程によって基材フィルム上に被膜を形成するものであり、前記塗工液31の粘度を100〜2300mPa・secとし、前記ダイコーター4の先端と前記基材フィルム2との間隔Dを60〜110μmとし、さらに、前記ダイコーター4から吐出された前記塗工液31と接する雰囲気のうち、前記基材フィルムの進行方向上流側において接する雰囲気(上流側雰囲気)12の圧力P’を、大気(即ち、下流側雰囲気)11の圧力Pと比べて3.5〜7.0kPaの範囲で減圧するものである。
即ち、上流側雰囲気12の減圧量をΔPとすると、該ΔPは、上流側雰囲気12の圧力P’と、大気圧Pにより、次式で表されるものである。
ΔP=P−P’
前記塗工液の粘度は、後述する樹脂材料及び溶剤を用い、その種類および配合割合を調節することによって100〜2300mPa・secの範囲となるように調整されるが、特に、100〜2000mPa・secの範囲が好ましく、100〜500mPa・secの範囲がより好ましく、150〜300mPa・secの範囲がさらに好ましい。
塗工液の粘度が100mPa・sec未満の場合、塗布後乾燥工程までの間に樹脂流動により、ハジキによる輝点、厚み差による干渉ムラ、位相差ムラ或いは乾燥ムラ等の外観不良を生じやすい。
また、塗工液の粘度が2300mPa・secを超える場合、走行変動により膜厚の均一性が阻害されやすくなり外観不良を生じやすい。また、被膜の乾燥中に該被膜中に溶剤の気泡が生じたり、数十μm程度の薄膜を形成するのが困難になるという問題を有する。
また、ダイコーター4の先端と前記基材フィルム2との間隔Dが60μm未満であると、ダイコーター4の先端と前記基材フィルム2との間に、塗工液31の好ましい状態の液溜まりを形成することができず、塗工ムラが生じる原因となる。また、該間隔Dが110μmを超えると、液溜まりの安定性が悪化し、塗工液が安定供給できなくなり、塗工ムラを生じる原因となる。該間隔Dは、好ましくは60〜80μmとされる。
本実施形態においては、上流側雰囲気12の圧力P’を大気圧Pと比べて3.5〜7.0kPaの減圧量ΔPで減圧するべく、前記吸引ブロワ6の吸引風量や、基材フィルム2とバキュームボックス5との隙間、及びロール1の側面とバキュームボックス5との隙間を調節するが、好ましくは、基材フィルム2とバキュームボックス5との隙間を30〜500μm、ロール1の側面とバキュームボックス5との隙間を20〜100μmに調節した上で吸引風量を調節する。
このような方法で上流側雰囲気12の減圧量を調節すれば、吸引風量をさほど大きくしなくとも上流側雰囲気12を所定の減圧状態に保つことができるため、バキュームボックス5内に流れ込む風速を低下させて気流の乱れを抑制し、基材フィルム2の走行状態に及ぼす悪影響を低減することができる。
前記上流側雰囲気12の減圧量ΔPを7.0kPa以上とすると、基材フィルム2の走行状態に悪影響を及ぼし、例えば、基材フィルム2がロール1から浮いた状態になるといった状況を招き、塗工液31を基材フィルム2上にムラなく均一に塗工することが困難となる。また、前記上流側雰囲気12の減圧量ΔPを3.5kPa未満とすると、減圧による塗工液の吸引作用が小さくなり、ダイコーターの先端と基材フィルムとの間に所望の形成の塗工液の液溜まりを形成することができなくなり、横方向の塗工ムラが生じやすくなる。
該減圧量ΔPは、好ましくは4.0〜6.5kPaとし、より好ましくは4.5〜6.5kPaとする。
尚、本発明において、ダイコーターの先端と基材フィルムとの間隔Dは、ダイコーターを構成する一対のダイリップと、基材フィルムとの距離のうち、短い方を意味するものである。従って、例えば、下流側ダイリップ42が上流側ダイリップ41よりも突出している場合には、下流側ダイリップ42と基材フィルム2との間隔が、ダイコーターの先端と基材フィルムとの間隔Dとなる。
また、上流側雰囲気12の減圧量ΔPは、例えば、上述のような吸引装置を用いた場合には、前記バキュームボックス5内に設置された圧力センサー51(例えば、株式会社山武製、Bravolight PTG70)を用いて測定されたゲージ圧を採用することができる。該圧力センサー51は、図1に示したように、好ましくは前記塗工液が付着しないよう圧力センサー用カバー52によって覆われたものとする。
さらに、塗工液の粘度は、下記実施例に記載の方法によって測定されるものである。
また、前記上流側ダイリップ41及び下流側ダイリップ42は、少なくとも何れか一方の内面側先端辺を、率半径が0.2〜1.0mm、好ましくは0.4〜0.8mmとなるように加工(本明細書において、「R加工」ともいう)することが好ましい。
このように、上流側ダイリップ11又は下流側ダイリップ12の少なくとも何れか一方の内面先端辺をR加工することにより、ダイリップ先端から吐出される塗工液が安定し、塗工膜の厚みがより一層均一化されるという効果がある。
また、ダイリップの先端幅(ダイリップのスリットの間隔)は、通常0.1〜10.0mmであるが、0.1〜5.0mmが好ましく、0.5〜3.0mmがより好ましい。
該ダイリップの先端幅を0.1mm以上とすれば、ダイを作製する際の加工精度の点で好ましく、また、塗工時にダイリップ先端部分の欠けが発生する虞もない。また、該ダイリップの先端幅を10.0mm以下とすれば、ダイリップ先端での塗工液の流れが安定化され、その結果、得られた光学機能フィルムの外観がより一層良好となる。
また、前記ダイリップに対する前記基材フィルムの走行スピードは、通常10〜300m/minであり、好ましくは10〜100m/minとし、より好ましくは10〜50m/minとする。
基材フィルムの走行スピードを10〜300m/minの範囲内とすることにより、ダイリップ先端部から吐出される塗工液が基材フィルム上に良好に塗工され、ポリイミド層の膜厚がさらに均一化されるという効果がある。
また、基材フィルムの走行スピードの変動率は、0.9〜3.0%に制御されることが好ましい。本発明では、塗工液の粘度が100〜2300mPa・secであるため、走行スピードの変動率が上記範囲内であっても基材フィルムへの塗工液の塗布状態が安定し、ムラのない均一な被膜シートが得られるため、高い生産性で被膜シートを製造することが可能となる。
基材フィルムの走行スピードの変動率が3.0%を超えてる場合には、基材フィルムへの塗布状態が不安定になり、幅方向ムラ(幅方向のスジ)が発生する虞がある。
尚、基材フィルムの走行スピードの変動率は、下記実施例記載の方法により測定される。また、本発明において走行スピードとは、平均走行スピードであり、前記走行スピードの変動率を求めるのと同様の方法を用いて測定される。
前記基材フィルムの走行スピードの変動率を0.9〜3.0%に制御するためには、まず、実施例記載の方法により基材フィルムの走行スピードの変動率を求める。次いで、走行スピードの変動率が、3.0%以下になるように、例えば、基材フィルムを走行させるための駆動ロールの回転スピードを制御したり、或いは該駆動ロールを駆動させるベルトの張力を制御したり、或いは駆動ロールと基材フィルムとの接触角を調整したり、また、駆動ロールに表面処理を行い基材フィルムとの摩擦力を調整等する。尚、これらの調整は、各々単独で実施することもできるし、総合的に実施することもできる。
本発明に係る被膜シートの製造方法は、さらに、前記塗工工程によって塗布された被膜を乾燥させる乾燥工程を備えることができる。該乾燥工程は、乾燥風を吹き付ける公知の方法によって行うことができる。
前記塗工液の粘度が100〜2300mPa・secと高いため、乾燥風を吹き付けても液流動がほとんど起こらず、乾燥速度を上げることができ、製造効率を格段に向上させることができる。
本発明の被膜シートの製造方法では、基材フィルムの走行スピードや塗工液の供給量等を調整することにより、基材フィルム上に形成する乾燥後の被膜厚みを適宜調整することができる。
乾燥後の被膜厚みは、30μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。乾燥厚みが30μmを超えると乾燥工程での乾燥ムラ及び発泡等が生じやすくなり、膜厚の均一性が確保されにくくなるという問題がある。
次いで、本発明の被膜シートの製造方法で用いられる基材フィルム、樹脂材料及び溶剤等について説明する。
基材フィルムとしては、塗工液に対してある程度の濡れ性を有する材質であれば特に限定されず、透明基材フィルムや各種のガラス板等を挙げることができる。塗工液により、光学機能を有する層を形成させる場合には、基材フィルムとしては透明基材フィルムを用いることが好ましい。
透明基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムを挙げることができる。
また、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムも挙げることができる。
さらにイミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなるフィルムなども挙げることができる。特に光学的に複屈折の少ないものが好適に用いられる。
尚、透明基材フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましく、特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。
また、基材フィルムとしては、特開2001−343529号公報(WO 01/37007)に記載のポリマーフィルム、例えば、側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物を挙げることができる。具体例としては、イソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムを挙げることができる。
基材フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より10〜500μm程度であり、20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
本発明に用いられる塗工液は、基材フィルム上に被膜を形成可能なものであれば何れでもよく、目的とする被膜の機能に応じて、塗工液の樹脂材料と溶剤とが適宜選択される。
前記樹脂材料としては、例えば、耐熱性、耐薬品性及び透明性に優れ、剛性にも富むことから、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミド−イミド或いはポリエステル-イミド等のポリマーを挙げることができる。これらのポリマーは、いずれか一種類を単独で使用してもよいし、例えば、ポリエーテルケトンとポリアミドとの混合物のように、異なる官能基を持つ2種以上の混合物として使用してもよい。このようなポリマーの中でも、高透明性、高配向性及び高延伸性であることから、ポリイミドが特に好ましい。
前記ポリマーの分子量は、特に制限されないが、例えば重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは2,000〜500,000の範囲である。
前記ポリイミドとしては、例えば、面内配向性が高く、有機溶剤に可溶なポリイミドが好ましい。具体的には、例えば、特表2000−511296号公報に開示された、9,9-ビス(アミノアリール)フルオレンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との縮合重合生成物を含み、下記式(1)に示す繰り返し単位を1つ以上含むポリマーが使用できる。
前記式(1)中、R3〜R6は、水素、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルキル基で置換されたフェニル基、及び炭素数1〜10のアルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。好ましくはR3〜R6は、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルキル基で置換されたフェニル基、及び炭素数1〜10のアルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。
前記式(1)中、Zは、例えば、炭素数6〜20の4価芳香族基であり、好ましくは、ピロメリット基、多環式芳香族基、多環式芳香族基の誘導体、又は、下記式(2)で表される基である。
前記式(2)中、Z'は、例えば、共有結合、C(R7) 2基、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(C2H5)2基、又は、NR8基であり、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。
また、wは、1〜10までの整数を表す。R7は、それぞれ独立に、水素又はC(R9)3である。R8は、水素、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基であり、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。R9は、それぞれ独立に、水素、フッ素、又は塩素である。
前記多環式芳香族基としては、例えば、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレン又はアントラセンから誘導される4価の基を挙げることができる。また、前記多環式芳香族基の置換誘導体としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、そのフッ素化誘導体、及びFやCl等のハロゲンからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換された前記多環式芳香族基を挙げることができる。
この他にも、例えば、特表平8−511812号公報に記載された、繰り返し単位が下記一般式(3)又は(4)で示されるホモポリマーや、繰り返し単位が下記一般式(5)で示されるポリイミド等を挙げることができる。尚、下記式(5)のポリイミドは、下記式(3)のホモポリマーの好ましい態様である。
前記一般式(3)〜(5)中、G及びG'は、例えば、共有結合、CH2基、C(CH3)2基、C(CF3)2基、C(CX3)2基(ここで、Xは、ハロゲンである。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH2CH3)2基、及び、N(CH3)基からなる群から、それぞれ独立して選択される基を表し、それぞれ同一でも異なってもよい。
前記式(3)及び式(5)中、Lは、置換基であり、d及びeは、その置換数を表す。Lは、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、フェニル基、又は、置換フェニル基であり、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、及び炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基を挙げることができる。また、前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を挙げることができる。dは、0〜2までの整数であり、eは、0〜3までの整数である。
前記式(3)〜(5)中、Qは置換基であり、fはその置換数を表す。Qとしては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、及び置換アルキルエステル基からなる群から選択される原子又は基であって、Qが複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を挙げることができる。前記置換アルキル基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基を挙げることができる。
また前記置換アリール基としては、例えば、ハロゲン化アリール基を挙げることができる。fは、0〜4までの整数であり、g及びhは、それぞれ0〜3及び1〜3までの整数である。また、g及びhは、1より大きいことが好ましい。
前記式(4)中、R10及びR11は、水素、ハロゲン、フェニル基、置換フェニル基、アルキル基、及び置換アルキル基からなる群から、それぞれ独立に選択される基である。その中でも、R10及びR11は、それぞれ独立に、ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
前記式(5)中、M1及びM2は、同一であるか又は異なり、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、フェニル基、又は、置換フェニル基である。
前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を挙げることができる。
また、前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、及び炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基を挙げることができる。
前記式(3)に示すポリイミドの具体例としては、例えば、下記式(6)で表されるもの等を挙げることができる。
さらに、前記ポリイミドとしては、例えば、前述のような骨格(繰り返し単位)以外の酸二無水物やジアミンを、適宜共重合させたコポリマーを挙げることができる。
前記酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物、2,2'−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
前記ピロメリット酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,6-ジフェニルピロメリット酸二無水物、3,6-ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、3,6-ジブロモピロメリット酸二無水物、3,6-ジクロロピロメリット酸二無水物等を挙げることができる。前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。前記ナフタレンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,6,7-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロ-ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。前記複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピリジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
前記2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,2'-ジブロモ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
また、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物のその他の例としては、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,5,6-トリフルオロ-3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4'-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2,2-ジフェニルプロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物(3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物)、4,4'-[4,4'-イソプロピリデン-ジ(p-フェニレンオキシ)]ビス(フタル酸無水物)、N,N-(3,4-ジカルボキシフェニル)-N-メチルアミン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジエチルシラン二無水物等を挙げることができる。
これらの中でも、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、より好ましくは、2,2'-ビス(トリハロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミンを挙げることができ、具体例としては、ベンゼンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、ナフタレンジアミン、複素環式芳香族ジアミン、及びその他の芳香族ジアミンを挙げることができる。
前記ベンゼンジアミンとしては、例えば、o-,m-及びp-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノ-2-メトキシベンゼン、1,4-ジアミノ-2-フェニルベンゼン及び1,3-ジアミノ-4-クロロベンゼンのようなベンゼンジアミンから成る群から選択されるジアミン等を挙げることができる。前記ジアミノベンゾフェノンの例としては、2,2'-ジアミノベンゾフェノン、及び3,3'-ジアミノベンゾフェノン等を挙げることができる。前記ナフタレンジアミンとしては、例えば、1,8-ジアミノナフタレン、及び1,5-ジアミノナフタレン等を挙げることができる。前記複素環式芳香族ジアミンの例としては、2,6-ジアミノピリジン、2,4-ジアミノピリジン、及び2,4-ジアミノ-S-トリアジン等を挙げることができる。
また、前記芳香族ジアミンとしては、これらの他に、4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-(9-フルオレニリデン)-ジアニリン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,2'-ジクロロ-4,4'-ジアミノビフェニル、2,2',5,5'-テトラクロロベンジジン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3-へキサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン等を挙げることができる。
前記樹脂材料であるポリエーテルケトンとしては、例えば、特開2001−49110号公報に記載された、下記一般式(7)で表されるポリアリールエーテルケトンを挙げることができる。
前記式(7)中、Xは、置換基を表し、qは、その置換数を表す。Xは、例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基、低級アルコキシ基、又は、ハロゲン化アルコキシ基であり、Xが複数の場合、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子及びヨウ素原子があげられ、これらの中でも、フッ素原子が好ましい。前記低級アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖を有する低級アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、及び、tert-ブチル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基及びエチル基である。前記ハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の前記低級アルキル基のハロゲン化物を挙げることができる。前記低級アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、及び、tert-ブトキシ基が、さらに好ましく、特に好ましくはメトキシ基及びエトキシ基である。前記ハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基等の前記低級アルコキシ基のハロゲン化物を挙げることができる。
前記式(7)中、qは、0〜4までの整数である。前記式(7)においては、q=0であり、かつ、ベンゼン環の両端に結合したカルボニル基とエーテルの酸素原子とが互いにパラ位に存在することが好ましい。
また、前記式(7)中、R1は、下記式(8)で表される基であり、mは、0又は1の整数である。
前記式(8)中、X'は置換基を表し、例えば、前記式(7)におけるXと同様である。前記式(8)において、X'が複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。q'は、前記X'の置換数を表し、0〜4までの整数であって、q'=0が好ましい。また、pは、0又は1の整数である。
前記式(8)中、R2は、2価の芳香族基を表す。この2価の芳香族基としては、例えば、o-、m-もしくはp-フェニレン基、又は、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、o-、m-もしくはp-テルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエーテル、もしくは、ビフェニルスルホンから誘導される2価の基等を挙げることができる。これらの2価の芳香族基において、芳香族に直接結合している水素が、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基で置換されてもよい。これらの中でも、前記R2としては、下記式(9)〜(15)からなる群から選択される芳香族基が好ましい。
前記式(7)中、前記R1としては、下記式(16)で表される基が好ましく、下記式(16)において、R2及びpは前記式(8)と同義である。
さらに、前記式(7)中、nは重合度を表し、例えば、2〜5,000の範囲であり、好ましくは、5〜500の範囲である。また、その重合は、同じ構造の繰り返し単位からなるものであってもよく、異なる構造の繰り返し単位からなるものであってもよい。後者の場合には、繰り返し単位の重合形態は、ブロック重合であってもよいし、ランダム重合でもよい。
さらに、前記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの末端は、p-テトラフルオロベンゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基側が水素原子であることが好ましく、このようなポリアリールエーテルケトンは、例えば、下記一般式(17)で表すことができる。尚、下記式において、nは前記式(7)と同様の重合度を表す。
前記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの具体例としては、下記式(18)〜(21)で表されるもの等があげられ、下記各式において、nは、前記式(7)と同様の重合度を表す。
また、これらの他に、前記樹脂材料であるポリアミド又はポリエステルとしては、例えば、特表平10−508048号公報に記載されるポリアミドやポリエステルがあげられ、それらの繰り返し単位は、例えば、下記一般式(22)で表すことができる。
前記式(22)中、Yは、O又はNHである。また、Eは、例えば、共有結合、C2アルキレン基、ハロゲン化C2アルキレン基、CH2基、C(CX3)2基(ここで、Xはハロゲン又は水素である。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(R)2基、及び、N(R)基からなる群から選ばれる少なくとも一種類の基であり、それぞれ同一でもよいし異なってもよい。前記Eにおいて、Rは、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基の少なくとも一種類であり、カルボニル官能基又はY基に対してメタ位又はパラ位にある。
また、前記(22)中、A及びA'は、置換基であり、t及びzは、それぞれの置換数を表す。また、pは、0〜3までの整数であり、qは、1〜3までの整数であり、rは、0〜3までの整数である。
前記Aは、例えば、水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、OR(ここで、Rは、前記定義のものである。)で表されるアルコキシ基、アリール基、ハロゲン化等による置換アリール基、炭素数1〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜9のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数1〜12のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜12のアリールカルボニルオキシ基及びその置換誘導体、炭素数1〜12のアリールカルバモイル基、並びに、炭素数1〜12のアリールカルボニルアミノ基及びその置換誘導体からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。前記A'は、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるか又は異なる。前記置換フェニル基のフェニル環上の置換基としては、例えば、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基及びこれらの組み合わせを挙げることができる。前記tは、0〜4までの整数であり、前記zは、0〜3までの整数である。
前記式(22)で表されるポリアミド又はポリエステルの繰り返し単位の中でも、下記一般式(23)で表されるものが好ましい。
前記式(23)中、A、A'及びYは、前記式(22)で定義したものであり、vは0〜3の整数、好ましくは、0〜2の整数である。x及びyは、それぞれ0又は1であるが、共に0であることはない。
また、ポリエステルとしては、繰り返し単位が下記一般式(24)(25)で表されるものであってもよい。
前記式(24)(25)中、X及びYは、置換基である。該Xは、水素、塩素及び臭素からなる群から選択される。また、該Yは、下記式(26),(27),(28),(29)からなる群から選択される。
更に、ポリエステルとしては、前記一般式(24),(25)で表されるポリエステルを組み合わせたコポリマーであってもよい。
前記樹脂材料を溶解させる溶剤としては、前記樹脂材料を溶解でき、且つ基材フィルムを極度には浸食しないものであればよく、使用する樹脂材料及び基材フィルムに応じ適宜選択することができる。具体的には、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、酢酸エチル、t-ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ブチロニトリル、メチルイソブチルケトン、メチルエーテルケトン、シクロペンタノン、二硫化炭素等を用いることができる。
上記溶剤の中では、メチルイソブチルケトンが樹脂組成物の溶解製に優れ、且つ基材フィルムを浸食することがないので特に好ましい。
これら溶剤は、1種又は2種以上を適宜に組み合わせて使用することができる。
上述したような被膜の製造方法によれば、前記ダイコーター4の先端、即ち、上流側ダイリップ41と下流側ダイリップ42との隙間から吐出された100〜2300mPa・secという比較的高粘度の塗工液31は、基材フィルム2と接触することによって該基材フィルム2の進行方向(下流側)へと導かれ、該基材フィルム2上に塗工膜3を形成する。この場合、該ダイコーター4の先端と基材フィルム2との間隔Dを60〜110μmとするとともに、該塗工液31と接する上流側雰囲気12を吸引装置によって3.5〜7.0kPaの範囲で減圧することにより、吐出された塗工液31は下流側雰囲気11と上流側雰囲気12との差圧によって上流側へと吸引されて所望形状の液溜まりを形成し、同時に、基材フィルムが安定した走行状態に維持されることとなるため、結果として、基材フィルム上に該塗工液をムラなく均一に塗工することが可能となる。
本発明の被膜シートの製造方法は、前記被膜が光学機能を有する光学機能層である場合に好適に用いることができ、とりわけ、乾燥後の被膜厚みが30μm以下であるような光学機能層を形成する場合において、特に好適に用いることができる。
該被膜シートの製造方法では、膜厚が均一で横方向の塗工ムラといった外観不良のない光学機能層を有する被膜シートが得られる。該光学機能層としては、例えば、ハードコート層、反射防止層、位相差層、光学補償層等を挙げることができる。
ハードコート層を形成する透明樹脂としてはハードコート性に優れ(JIS K5400の鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すもの)、十分な強度を持ち、光線透過率の優れたものを伴うものであれば特に制限はない。例えば、熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、二液混合型樹脂等を挙げることができ、これらの中でも紫外線硬化型樹脂が好ましく用いられる。該紫外線硬化型樹脂としては、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系、エポキシ系等の各種のものを挙げることができ、また、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマー等も挙げることができる。好ましく用いられる紫外線硬化型樹脂は、例えば紫外線重合性の官能基を有するもの、なかでも当該官能基を2個以上、特に3〜6個有するアクリル系のモノマーやオリゴマーを成分に含むものを挙げることができる。また、紫外線硬化型樹脂には、紫外線重合開始剤が配合されていてもよい。
ハードコート層には、導電性微粒子を含有させることができる。導電性微粒子としては、例えば、アルミニウム、チタン、錫、金、銀などの金属微粒子、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)等の超微粒子を挙げることができる。導電性超微粒子の平均粒子径は通常0.1μm以下程度であるのが好ましい。ハードコート層には、高屈折率の金属や金属酸化物の超微粒子を添加して、高屈折率に調整することができる。高屈折率の超微粒子としては、TiO2、SnO2、ZnO2、ZrO2、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの金属酸化物の超微粒子を挙げることができる。かかる超微粒子の平均粒子径は通常0.1μm以下程度であるのが好ましい。
また、ハードコート層は、無機または有機の球形もしくは不定形のフィラーを分散含有させて、その表面を微細凹凸構造にして防眩性を付与することができる。ハードコート層の表面を凹凸形状とすることにより光拡散による防眩性を付与することができる。光拡散性の付与は反射率を低減する上でも好ましい。
無機または有機の球形もしくは不定形のフィラーとしては、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリウレタン、ポリスチレン、メラミン樹脂等の各種ポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系微粒子、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化カルシウム、チタニア、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の無機系粒子や、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモンまたはこれらの複合物等の導電性無機系粒子等を挙げることができる。上記フィラーの平均粒子径は0.5〜10μm、さらには1〜4μmのものが好ましい。微粒子により微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は樹脂100重量部に対して、1〜30重量部程度とするのが好ましい。
また、ハードコート層(防眩層)の形成には、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させることができる。ハードコート層(防眩層)の形成に当たり、チクソトロピー剤(0.1μm以下のシリカ、マイカ等)を含有させることにより、防眩層表面において、突出粒子により微細凹凸構造を容易に形成することができる。
反射防止層の形成材料としては、例えば、紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂系材料、樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド系材料、テトラエトキシシラン、チタンテトラエトキシド等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル系材料等を挙げることができる。また、それぞれの材料は、表面の防汚染性付与するためフッ素基含有化合物が用いられる。耐擦傷性の面からは、無機成分含有量が多い低屈折率層材料が優れる傾向にあり、特にゾル−ゲル系材料が好ましい。ゾル−ゲル系材料は部分縮合して用いることができる。
上記フッ素基を含有するゾル−ゲル系材料としては、パーフルオロアルキルアルコキシシランを例示できる。パーフルオロアルキルアルコキシシランとしては、例えば、一般式:CF3(CF2)nCH2CH2Si(OR)3 (式中、Rは、炭素数1〜5個のアルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す)で表される化合物を挙げることができる。具体的には、例えば、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等を挙げることができる。これらのなかでも上記nが2〜6の化合物が好ましい。
また反射防止層にはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム、セリア等をアルコール溶剤に分散したゾルなどを添加しても良い。その他、金属塩、金属化合物などの添加剤を適宜に配合することができる。
位相差層、光学補償層の形成には、前記樹脂材料として記載したポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ポリエステル-イミド等のポリマーを用いることができるが好ましい。これらのポリマーは、いずれか一種類を単独で使用してもよいし、例えば、ポリエーテルケトンとポリアミドとの混合物のように、異なる官能基を持つ2種以上の混合物として使用してもよい。このようなポリマーの中でも、高透明性、高配向性、高延伸性であることから、ポリイミドが特に好ましい。
樹脂材料としてポリイミドを用いて、本発明の被膜シートの製造方法により、基材フィルム上にポリイミド樹脂からなる光学補償層を有する光学補償板を作製する場合、該ポリイミド樹脂からなる光学補償層の乾燥後の厚みは、0.5〜10μmが好ましく、1〜6μmがより好ましい。
該ポリイミド樹脂からなる光学補償層を有する光学補償板において、該光学補償層の乾燥後の厚みが、0.5〜10μmの範囲内にあれば、液晶セルの斜め方向のコントラスト向上、カラーシフト抑制等の光学特性を向上させる効果を奏する。
本発明の被膜シートの製造方法により製造された光学機能層を有する被膜シート、例えば、光学補償層を有する光学補償板は、偏光板と積層させることができる。
光学補償層を有する光学補償板と偏光板とを積層させることで、液晶セルの斜め方向のコントラスト向上、カラーシフト抑制等の光学特性を向上させる効果を奏する。
特に、本発明の被膜シートの製造方法により製造されたポリイミド樹脂からなる光学補償層の乾燥後の厚みが0.5〜10μmの光学補償板と偏光板とを積層させることで前記効果がより明確になる。即ち、通常の液晶セル等に用いられている光学補償層の厚みは、50〜100μmであるのに対し、本発明の光学補償層は、0.5〜10μmと非常に薄型であるため、液晶セルに組み込んだ場合に、該液晶セルの薄型化、軽量化が可能となる。
本発明の被膜シートの製造方法により製造された光学機能層(例えば、ハードコート層、反射防止層、位相差層、光学補償層等)を有する被膜シート、該シートと偏光板とを積層させたもの等は、光学素子として用いることができる。
該光学素子は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の各種画像表示装置に用いることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、各種特性については以下の方法によって測定を行った。
(粘度の測定方法)
粘度は、Haake社製、レオメーターRS1を用い、液温23℃、剪断速度10[l/s]で測定した。
(基材フィルムの走行スピード測定方法)
基材フィルムの走行スピードは、レーザードップラー方式の日本カノマックス(株)、商品名「レーザースピードシステム MODEL LS200」を用いて測定した。
(走行スピードの変動率の測定方法)
「レーザースピードシステム MODEL LS200」を用いて、60秒間連続して、基材フィルムの走行スピードを表にプロットし、該表から基材フィルムの走行スピードの最大値X1、最小値X2及び平均値AV(平均走行スピード)を求め、下記式(1)を用いて変動率を算出した。
変動率(%)={[(X1−X2)÷AV]÷2}×100 ・・・(1)
(被膜厚みの測定方法)
(株)尾崎製作所製、ダイヤルゲージを用いて測定した。
(実施例1)
メチルイソブチルケトンにポリイミド(下記式(30)、重量平均分子量MW=140,000)を10重量%で溶解した粘度200mPa・secのポリイミド溶液を調製した。該ポリイミド溶液を塗工液として、前記図1に示したようなダイコーターから吐出させ、走行スピード20m/min(変動率2.7%)に制御したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm)上に該塗工液を塗布し、さらに、120℃で3分間乾燥させて被膜厚みが6μmの被膜シートを得た。
ここで、前記ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔Dは65μmとし、上流側雰囲気の減圧量ΔPは5.0kPaとした。
得られた被膜シートの平面写真を図3に示す。
(実施例2)
ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔Dを75μmとし、上流側雰囲気の減圧量ΔPを6.4kPaとすることを除き、他は実施例1と同様にして被膜シートを得た。得られた被膜シートの平面写真を図4に示す。
(比較例1)
ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔Dを55μmとし、上流側雰囲気の減圧量ΔPを1.0kPaとすることを除き、他は実施例1と同様にして被膜シートを得た。得られた被膜シートの平面写真を図5に示す。
(比較例2)
ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔Dを55μmとし、上流側雰囲気の減圧量ΔPを3.0kPaとすることを除き、他は実施例1と同様にして被膜シートを得た。得られた被膜シートの平面写真を図6に示す。
(比較例3)
ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔Dを55μmとし、上流側雰囲気の減圧量ΔPを4.9kPaとすることを除き、他は実施例1と同様にして被膜シートを得た。得られた被膜シートの平面写真を図7に示す。
(比較例4)
ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔Dを65μmとし、上流側雰囲気の減圧量ΔPを3.0kPaとすることを除き、他は実施例1と同様にして被膜シートを得た。得られた被膜シートの平面写真を図8に示す。
(比較例5)
ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔Dを75μmとし、上流側雰囲気の減圧量ΔPを0.9kPaとすることを除き、他は実施例1と同様にして被膜シートを得た。得られた被膜シートの平面写真を図9に示す。
(比較例6)
ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔Dを75μmとし、上流側雰囲気の減圧量ΔPを2.9kPaとすることを除き、他は実施例1と同様にして被膜シートを得た。得られた被膜シートの平面写真を図10に示す。
図3及び図4に示したように、実施例1及び実施例2の被膜シートの平面写真においては、横方向のムラが確認されず、良好な外観を有する被膜シートが製造されていることが認められた。
一方、図5〜図10に示したように、比較例1乃至比較例6の被膜シートの平面写真においては、横方向にスジ状のムラが生じており、外観不良のある被膜シートが製造されいることが認められた。
本発明の被膜シートの製造方法に用いる製造装置の概略図。 図1におけるA部拡大図。 実施例1で得られた被膜シートの平面写真。 実施例2で得られた被膜シートの平面写真。 比較例1で得られた被膜シートの平面写真。 比較例2で得られた被膜シートの平面写真。 比較例3で得られた被膜シートの平面写真。 比較例4で得られた被膜シートの平面写真。 比較例5で得られた被膜シートの平面写真。 比較例6で得られた被膜シートの平面写真。
符号の説明
1 ロール
2 基材フィルム
3 被膜
4 ダイコーター
5 バキュームボックス
6 吸引ブロワ
11 下流側雰囲気
12 上流側雰囲気
31 塗工液
41 上流側ダイリップ
42 下流側ダイリップ
51 圧力センサー
52 圧力センサー用カバー

Claims (5)

  1. 樹脂材料及び溶剤を含有する塗工液をダイコーターから吐出させて連続的に走行する基材フィルム上に塗布する塗布工程を含み、該塗工工程によって基材フィルム上に被膜を形成する被膜シートの製造方法において、
    前記塗工液の粘度を100〜2300mPa・secとし、
    前記ダイコーターの先端と前記基材フィルムとの間隔を60〜110μmとし、
    さらに、前記ダイコーターから吐出された前記塗工液と接する雰囲気のうち、前記基材フィルムの進行方向上流側において接する雰囲気を3.5〜7.0kPaの範囲で減圧することを特徴とする被膜シートの製造方法。
  2. 前記基材フィルムの走行スピードを10〜300m/minとする請求項1記載の皮膜シートの製造方法。
  3. 前記走行スピードの変動率が、0.9〜3.0%に制御されている請求項1又は2に記載の皮膜シートの製造方法。
  4. 前記ダイコーターに備えられた対をなすダイリップの少なくとも一方の内側先端部に0.2〜1.0mmのR加工が施されている請求項1〜3の何れか1項に記載の被膜シートの製造方法。
  5. さらに、前記塗工工程によって塗布された被膜を乾燥させる乾燥工程を含み、乾燥後の被膜厚みが30μm以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の被膜シートの製造方法。
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