JP4922203B2 - 車両用ドア - Google Patents

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Description

本発明は車両用ドアに係り、特にドアの窓開口を前後方向で区画するデビジョンバーを備えている車両用ドアに関する。
自動車に使用される車両用ドアは、ドアの窓枠を形成するサッシュ部と、ドア本体を形成するドアボディ部とでドアパネルが構成され、ドアボディ部にはウィンドウレギュレータ、窓ガラス等のドア内部構成部品が組み込まれている。また、窓ガラスはウィンドウレギュレータによって、前記サッシュ部及び前記ドアボディ部により囲まれた前記ドアパネルの窓開口を上下方向において開閉可能に移動される。
このように構成された車両用ドアは図9(A)に示すように、例えば4ドア車や5ドア車でホイルベースの比較的短い車両のリヤサイドドアのドアパネル100の場合には、車体の後方側に位置するコーナ部101が車両200のホイルハウス201の形状に対応してアーチ状に形成されている。したがって、窓ガラス(図示せず。)をウィンドウレギュレータ(図示せず。)によって閉状態から開状態にするために下方向に移動させようとすると、このコーナ部101がドア内方側に膨出して邪魔になるので、窓ガラスの開口面積が狭くなることになる。この窓ガラスの開口面積を広くするために、リヤサイドドア100にはサッシュ部102及びドアボディ部103により囲まれたドアパネル100の窓開口104を前後方向で区画するデビジョンバー105が設けられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
このデビジョンバー105で区画されたドアパネル100の窓開口104の前部開口104aには移動用窓ガラスが上下方向に開閉可能に嵌め込まれ、ドアパネル100の窓開口104の後部開口104bには固定用窓ガラスが固定状態で嵌め込まれている。したがって、移動用窓ガラスは、上下方向に移動する際にホイルハウス201には干渉しないような横幅にすることができる。
このようなデビジョンバー105は、バー上部105aはサッシュ部102の上部横枠部102a、バー中間部105bはドアボディ部103のベルトライン部103a、及びバー下部105cはドアボディ部103の中間部103bにそれぞれ取り付けられている。
特開平11−180148号公報 特開2006−199234号公報
しかしながら、背景技術に記載したリヤサイドドアのドアパネル100では図9(B)に示すように、デビジョンバー105が、バー中間部105bをドアボディ部103のベルトライン部103aに接合し、バー下部105cをドアボディ部103の中間部103bに接合していることから、その中間となるドアの部位にドア側面から衝突荷重を受けると、デビジョンバー105のバー中間部105bの接合点に曲げモーメントが発生するので、デビジョンバー105のバー下部105cが車室内側に向かって折れ曲がっていた。このように折れ曲がると、デビジョンバー105のバー中間部105bの接合点からバー下部105cの接合点までの長さとなるモーメントアームになるので、デビジョンバー105のバー下部105cの車室内への侵入はそのモーメントアームの長さに応じた侵入量となっていた。
また、2009年以降は、ユーロNCAP(European New Car Assessment Program)による評価基準に側突時の後席乗員傷害も評価項目に追加されることになったので、リヤサイドドアの側面衝突に対する対応が必要になっていた。
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、ドア側面からの衝突荷重をデビジョンバーで吸収して当該デビジョンバーの車室内への侵入量を低減できる車両用ドアを提供することを目的とする。
上述の目的を達成する本発明の車両用ドアは、サッシュ部及びドアボディ部から成るドアパネルと、サッシュ部及びドアボディ部により囲まれたドアパネルの窓開口を前後方向で区画するデビジョンバーとを備え、デビジョンバーで区画されたドアパネルの窓開口の前部開口には移動用窓ガラスが上下方向に開閉可能に配置され、ドアパネルの窓開口の後部開口には固定用窓ガラスが配置されている車両用ドアであって、デビジョンバーは、一対のフランジとこのフランジ間を繋ぐウェブとで、移動用窓ガラスが嵌め込まれ前部開口となるコの字形状の前部ガラスガイド部及び固定用窓ガラスが嵌め込まれ後部開口となる逆コの字形状の後部ガラスガイド部を構成する断面H形状に形成され、バー上部はサッシュ部の上部横枠部、バー中間部はドアボディ部のベルトライン部、及びバー下部はドアボディ部の中間部にそれぞれ接合され、後部ガラスガイド部における一対のフランジのベルトライン部から下方がすべて切り欠かれた切欠部が設けられているものである。
このような第1の態様である車両用ドアによれば、ドアボディ部の上部とドアボディ部の中間部との間においてデビジョンバーは、後部ガラスガイド部に切欠部が切り欠かれていることから、その切欠部は切欠部を設けていない部位よりねじり剛性が低くなるので、ドアボディ部のベルトライン部に対するバー中間部の接合点と、ドアボディ部の中間部に対するバー下部の接合点との間に位置することになるドアパネルの部位にドア側面から衝突荷重を受けると、その衝突荷重を切欠部がねじれることによって吸収することができる。したがって、デビジョンバーは、切欠部がねじれることでベルトライン部の接合点に発生する曲げモーメントを小さくすると共に、バー中間部の接合点からバー下部の接合点までの長さとなるモーメントアームに応じてバー下部が車室内へ侵入することを防ぐことができる。
本発明の第2の態様は第1の態様である車両用ドアにおいて、切欠部は、デビジョンバーの移動用窓ガラスが昇降しない部位に切り欠かれているものである。このような第2の態様である車両用ドアによれば、デビジョンバーにおける移動用窓ガラスの昇降部位の強度低下を防ぐことができる。
本発明の第3の態様は第1の態様又は第2の態様である車両用ドアにおいて、デビジョンバーは、切欠部における上方側となるウェブに穴が穿孔されているものである。このような第3の態様である車両用ドアによれば、デビジョンバーは切欠部によるねじれ剛性を低くすると共に、穴によって切欠部の折れ荷重を下げることができるので、デビジョンバーのバー下部が車室内へ侵入する量を切欠部だけを設けた場合より減らすことができる。
本発明の第4の態様は第3の態様である車両用ドアにおいて、穴は、道路運送車両法の保安基準第18条による側面衝突基準に基づく側面衝突試験に使用するムービング・バリアの上端に対応する位置に穿孔されているものである。このような第4の態様である車両用ドアによれば、自動車事故の実態を分析して反映させた側面衝突試験に対応させることができる。
本発明の第5の態様は第4の態様である車両用ドアにおいて、穴は、さらにムービング・バリアの上端に対応する位置の上方向20mm、下方向20mmにそれぞれに穿孔されているものである。このような第5の態様である車両用ドアによれば、側面衝突試験においてムービング・バリアの上端が衝突するドアパネルの部位がばらついても、試験成立条件の範囲内に収めることが可能になる。
本発明の車両用ドアによれば、ドア側面からの衝突荷重をデビジョンバーで吸収して当該デビジョンバーの車室内への侵入量を低減することができる。また、本発明の車両用ドアによれば、デビジョンバーがドア側面からの衝突荷重を吸収して当該デビジョンバーの車室内への侵入量を低減できる構造なので、乗員の傷害値を低減することができる。
以下、本発明の車両用ドアを実施するための最良の形態例について、図面を参照して説明する。
本発明の車両用ドアは図1(A)、(B)に示すように、サッシュ部2及びドアボディ部3から成るドアパネル4と、サッシュ部2及びドアボディ部3により囲まれたドアパネル4の窓開口41を前後方向で区画するデビジョンバー5とを備えている。デビジョンバー5で区画されたドアパネル4の窓開口41の前部開口41aには移動用窓ガラス(図示せず。)が上下方向に開閉可能に配置され、ドアパネル4の前記窓開口41の後部開口41bには固定用窓ガラス(図示せず。)が配置されている。
このドアパネル4は、ドアアウタパネル4Aとドアインナパネル4Bとで構成され、サッシュ部2はドアインナパネル4Bに設けられたリヤサイドドアである。なお、ドア構造がフルドアの場合には、サッシュ部2とドアボディ部3とが一体化されてプレス成形されている。また、サッシュ部2はチャンネル断面のフレームで、チャンネル外側は窓枠の外縁を形成し、チャンネル内側は移動用窓ガラスの昇降時のガイドや固定用窓ガラスの嵌め合わせを行うものである。
このようなドアパネル4は、4ドア車や5ドア車でホイルベースの比較的短い車両のリヤサイドドアなので、車体の後方側に位置するコーナ部42が車体1のホイルハウス11の形状に対応してアーチ状に形成されている。したがって、窓ガラスの上下方向における開口面積を広くさせるために、ドアパネル4にデビジョンバー5が設けられている。また、移動用窓ガラスを昇降させるウィンドウレギュレータ(図示せず)はドアアウタパネル4Aとドアインナパネル4Bとの間に組み込まれている。
デビジョンバー5は図1(C)に示すように、一対のフランジ51、52と、このフランジ51、52間を直角に繋ぐウェブ53とを有する断面H形状に形成されている。この断面H形状に形成されたデビジョンバー5は、前部開口41aとなるコの字形状の前部ガラスガイド部5aに移動用窓ガラスが嵌め込まれ、後部開口41bとなる逆コの字形状の後部ガラスガイド部5bに固定用窓ガラスが嵌め込まれる。したがって、移動用窓ガラスはサッシュ部2の前部開口41aとなるチャンネル内側と、前部ガラスガイド部5aの内側とに嵌り込むことになり、固定用窓ガラスはサッシュ部2の後部開口41bとなるチャンネル内側と、後部ガラスガイド部5bの内側とに嵌り込むことになる。
このように形成されたデビジョンバー5は、バー上部5cがサッシュ部2の上部横枠部21に接合され、バー中間部5dがドアインナパネル4Bのドアボディ部3におけるベルトライン部3aに接合され、バー下部5eがドアインナパネル4Bのドアボディ部3における中間部3bに接合されている。なお、ドアボディ部3における中間部3bとはベルトライン部3aと下端部3cとの間の箇所で、必ずしも中央とは限らない位置である。
また、デビジョンバー5は図1(D)、図2(A)に示すように、ドアボディ部3のベルトライン部3aとドアボディ部3の中間部3bとの間において後部ガラスガイド部5bに切欠部5fが切り欠かれているものである。なお、図中においては、切欠部5fはドアボディ部3の中間部位置から下方がすべて切り欠かれている。このように、デビジョンバーに切欠部5fを設けると、その切欠部5fは切欠部5fを設けていない部位よりねじり剛性が低くなるので、図2(B)に示すように、ドアボディ部3のベルトライン部3aに対するバー中間部5dの接合点と、ドアボディ部3の中間部3bに対するバー下部5eの接合点との間に位置することになるドアパネル4の部位(以下、発明を実施するための最良の形態において、「ドアパネル4の腹部」と称する。)にドア側面から衝突荷重を受けると、その衝突荷重を切欠部5fがねじれることによって吸収することができる。



このデビジョンバーは図3に示すように、切欠部が設けられていない従来のデビジョンバー105(図9参照。)の場合には、上述したドアパネルの部位にドア側面から衝突荷重を受けると、従来のデビジョンバー105のバー中間部105bの接合点に曲げモーメントが発生するので、デビジョンバー105のバー下部105cが車室内側に向かって折れ曲がる。なお、この従来のデビジョンバー105は細い破線で示してある。これに対して、本発明の切欠部5fが設けられているデビジョンバー5の場合には、ドアパネル4の部位にドア側面から衝突荷重を受けると、デビジョンバー5は、切欠部5fがねじれることでバー中間部5dの接合点に発生する曲げモーメントを小さくすると共に、バー中間部5dの接合点からバー下部5eの接合点までの長さとなるモーメントアームに応じてバー下部5eが車室内へ侵入することを防ぐことができる。したがって、切欠部が設けられていない従来のデビジョンバーより切欠部が設けられている本発明のデビジョンバーの方が車室内への侵入量を少なくすることができる。なお、本発明のデビジョンバー5は太い2点鎖線で示してある。
このような切欠部5fは、デビジョンバー5の移動用窓ガラスが昇降しない部位に切り欠かれている。このように切欠部5fをデビジョンバー5に切り欠くことで、デビジョンバー5における移動用窓ガラスの昇降部位の強度低下を防ぐことができる。
なお、断面H形状に形成されているデビジョンバー5は、一対のフランジ51、52とウェブ53とが必ずしも直角に繋がれていなくともよく、コの字形状部位及び逆コの字形状部位の開口方向に向かって広狭されていてもよく、また、このような開口部は何れか一方がそのように形成されていてもよい。また、一対のフランジ51、52とウェブ53とはH形鋼のように一体構造でなくともよく、一対のフランジ51、52及びウェブ53はそれぞれ別体で既存の結合手段で結合されているものでもよい。
また、デビジョンバー5は図1(D)に示すように、切欠部5fにおける上方側となるウェブ53に穴53aを穿孔させるとよい。このような位置に穴53aを穿孔させることで、デビジョンバー5は切欠部5fによるねじれ剛性を低くすると共に、穴53aによって切欠部5fの折れ荷重を軽くすることができるので、デビジョンバー5のバー下部5eが車室内へ侵入する量を切欠部5fだけを設けた場合よりさらに減らすことができる。
このような穴53aは、道路運送車両法の保安基準第18条による側面衝突基準に基づく側面衝突試験に使用するムービング・バリアの上端に対応する位置に穿孔されているとよい。この穴53aが穿孔されている位置は、国土交通省により公表されている側面衝突条件における衝突狙い位置となり、その位置にムービング・バリアが衝突することになるので、自動車事故の実態を分析して反映させた側面衝突試験に対応させることができる。
また、この穴53aは、さらにムービング・バリアの上端に対応する位置の上方向20mm、下方向20mmにそれぞれに穿孔させるとよい。国土交通省においてこの上下方向の位置が、側面衝突試験の試験成立条件となる上記衝突狙い位置のばらつきと定めているので、側面衝突試験においてムービング・バリアの上端が衝突するドアパネルの部位がばらついても試験成立条件の範囲内に収めることが可能になる。即ち、自動車の側突時における乗員の傷害値を、側面衝突試験における安全衝突基準内に収めることができる。
このデビジョンバー5を、切欠部5fによってねじれ現象を発生させ、且つ穴53aによって折れ曲がり現象を発生させることによって、従来のデビジョンバー105(図9参照。)より、ドアパネル4の腹部における車室内への侵入量が低減できることについて、はりモデルに簡易置換して説明する。なお、衝突荷重は図4(A)に示すように、MDB入力とする。ここで、MDBとは、側面衝突試験で使用するムービング・デフォーマブル・バリア(Moving Deformable Barrier)のことである。
ドアパネル4の腹部に力FのMDB入力があると、図4(A)、(B)に示すように、力Fがデビジョンバー5に加わるので、この力Fはデビジョンバー5のバー中間部5dの接合点J1に力f、バー下部5eの接合点J2に力fと分解される。なお、デビジョンバー5とインナードアパネル4Bの構造上、バー下部5eの接合点J2における剛性よりバー中間部5dの接合点J1における剛性の方が高くなっている。
このような条件下において、従来のデビジョンバー105は図4(C)に示すように、力Fは剛性の低いバー下部105cの接合点J2に集中するので、このバー下部105cの室内への侵入量は、バー中間部105bの接合点J1からバー下部105cの接合点J2までの長さとなるモーメントアームに応じて多くなる。これに対して、本発明のデビジョンバー5は図4(D)に示すように、デビジョンバー5が切欠部5fがねじれると共に穴53aにより折れ曲がるので、バー下部5eの接合点に加わる力fは弱くなるので、このバー下部5eの室内への侵入量は従来のデビジョンバー105より少なくなることがわかる。
なお、移動用窓ガラスがドアボディ部3内に位置してデビジョンバー5の変位を拘束している場合においても、移動用窓ガラスの剛性はデビジョンバー5の剛性より遥かに低く衝突荷重によって割れることになるので、デビジョンバー5はねじれ現象及び折れ曲がり現象を移動用窓ガラスの有無に係らず発現させることができる。
次に、このように切欠部5f及び3つの穴53aが設けられたデビジョンバー5を接合したリヤサイドドアのドアパネル4を有する自動車を用いて、国土交通省で公表した衝突条件による側面衝突試験をCAE(Computer Aided Engineering)でシミュレーションした従来のデビジョンバー105及び本発明のデビジョンバー5の変形状態の結果を示す。このシミュレーションは、非線形動的構造解析ソフトウェアによる時刻歴応答解析で行った。また、シミュレーションに使用した自動車は、5ドア、3列シートの小型自動車である。ドアパネルのシミュレーションを行った位置は図5に示すように、Hがデビジョンバー5のバー中間部5dの接合点、Hがデビジョンバー5の切欠部5fの切り欠き開始位置、Hがデビジョンバー5のバー下部5eの接合点である。なお、従来のデビジョンバー105も同じ位置で解析を行っている。
シミュレーション結果は図6(A)、(B)、(C)に示す。実線は変形前の図、細い破線は従来のデビジョンバー105を示す図、太い2点鎖線は本発明のデビジョンバー5の変形状態を示す図で、00ミリ秒は試験前の図なので実線、25ミリ秒、35ミリ秒及び50ミリ秒は試験開始後の図なので2点鎖線及び破線で示してある。
図6(A)は、シミュレーションを行った位置Hにおける変形状態で、この位置Hにおいては、従来のデビジョンバー105及び本発明のデビジョンバー5は何れもねじれが少ないことが確認できる。
図6(B)は、シミュレーションを行った位置Hにおける変形状態で、この位置Hにおいては、従来のデビジョンバー105はねじれないが、本発明のデビジョンバー5は時間と共にねじれていくことが確認できる。なお、50ミリ秒では本発明のデビジョンバー5は、切欠部5fによるねじれ変形と共に穴53aによる折れ変形が生じるので、ドアアウタパネル4A及びドアインナパネル4B間のデッドストローク(潰れ残り)が減少している。
この位置Hにおける本発明のデビジョンバー5を有するドアパネル4の変形状態の模式図を図7(A)〜(E)に示す。この図は、ドアパネル4の横断面における平面視でのねじれモードを表している。00ミリ秒ではMDBの衝突前なのでドアパネル4は変形していないことが確認できる(図7(A))。15ミリ秒では、MDBが衝突することでドアアウタパネル4Aがドアインナパネル4B側に変形していることが確認できる(図7(B))。25ミリ秒、35ミリ秒及び50ミリ秒では、その時間経過と共にアウタパネル4Aがさらにドアインナパネル4B側に変形していくので、そのアウタパネル4Aの変形と共にデビジョンバー5の切欠部5fがねじれていくことが確認できる(図7(C)、(D)、(E))。このねじれは、力の入力がデビジョンバー5の強度、剛性の高い強軸から、強度、剛性の低い弱軸に変わることで、デビジョンバー5のバー中間部5dの接合点及びバー下部5eの接合点を拘束点として、縦軸周りにねじれが発生するからである。
図6(C)は、シミュレーションを行った位置Hにおける変形状態で、この位置Hにおいては、従来のデビジョンバー105は、バー中間部105bの接合点からバー下部105cの接合点までの長さとなるモーメントアームに応じてバー下部105cが車室内へ大きく侵入するが確認できる。これに対して、本発明のデビジョンバー5は、切欠部5fのねじれ及び穴53aの折れ変形によりバー下部5eの車室内へ侵入量が従来のデビジョンバー105より減少していることが確認できる。
このような本発明のデビジョンバー5は、はりのつりあい(力のつりあい)によって、切欠部5fでねじれ現象を発生させ、且つ穴53aで折れ曲がり現象を発生させる力(荷重)を求めることができる。この荷重の算出方法を図8に示すようなはりモデルに簡易置換して説明する。
デビジョンバー5の中間に力Fが加わると、この力Fはデビジョンバー5のバー中間部5dの接合点J1に力f、バー下部5eの接合点J2に力fと分解されるので、力Fは、
F=f+f
となる。そして、力Fがデビジョンバー5に加わる位置が、バー中間部5dの接合点J1から長さlでバー下部5eの接合点J2から長さlの位置とすると、はりのつりあいは、
×l×F=f×l
となる。ゆえに、力Fは、
F=〔l/l+1〕×f
と求めることができる。
また、バー下部5eの接合点J2の侵入量目標は、側面衝突試験により得られた乗員の傷害値から決定することができ、当該侵入量目標となる力Fはバー下部5eの接合点に生じる力fより算出することができる。例えば、長さlが290mm、長さlが148mmとすると、力Fは、
F<1.51×f
となる。
このようにして算出された侵入量目標となる力Fで、本発明のデビジョンバー5で単品静引張り試験を行うことで、最適な切欠部5fの切欠量及び穴53aの穴径を求めることができる。この単品静引張り試験は、デビジョンバー5のバー中間部5dの接合点とバー下部5eの接合点とを固定治具により6自由度を拘束し、このデビジョンバー5のMDB入力されるべき部位をワイヤーによって静的変位を拘束した状態で引っ張り上げる試験である。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
本発明の車両用ドアにおける好ましい実施の形態例を示す図で、(A)は自動車のリヤサイドドア付近の側面図、(B)はリヤサイドドアの断面図、(C)はデビジョンバーの横断面図、(D)はドアインナパネルに接合されたデビジョンバ−の部分斜視図である。 本発明の車両用ドアにおけるドアアウタパネルを除いたリヤサイドドア付近を示す図で、(A)はドア側面から衝撃荷重が加わる前の斜視図、(B)はドア側面から衝撃荷重が加わった時の斜視図である。 本発明の車両用ドアにおけるデビジョンバー、及び従来の車両用ドアにおけるデビジョンバーに、衝撃荷重が加わった場合のバー下部の変形状態を示す説明図である。 ドア側面から衝撃荷重が加わった状態を示す図で、(A)はドアパネルにMDB入力があった場合を示す断面図、(B)はデビジョンバーと衝撃荷重との関係を示すはりモデルの説明図、(C)は(B)に従来のデビジョンバーを使用して衝撃荷重を加えた状態のはりモデルの説明図、(D)は(B)に本発明のデビジョンバーを使用して衝撃荷重を加えた状態のはりモデルの説明図である。 ドアパネルの側面衝突試験によるシミュレーションを行った位置を示す説明図である。 本発明の車両用ドアにおけるデビジョンバー、及び従来の車両用ドアにおけるデビジョンバーの側面衝突試験によるシミュレーション結果を示す図で、(A)はデビジョンバーのバー中間部の接合点位置における変形状態を示す説明図、(B)はデビジョンバーの切欠部の切り欠き開始位置における変形状態を示す説明図、(C)はデビジョンバーのバー下部の接合点における変形状態を示す説明図である。 (A)〜(E)は、本発明のデビジョンバーを有するドアパネルのMDB入力による変形状態を、デビジョンバーの切欠部の切り欠き開始位置において示す模式図である。 本発明のデビジョンバーと衝撃荷重との関係を求めるためのはりモデルを示す説明図である。 従来の車両用ドアにおけるドアアウタパネルを除いたリヤサイドドア付近を示す図で、(A)はドア側面から衝撃荷重が加わる前の斜視図、(B)はドア側面から衝撃荷重が加わった時の斜視図である。
符号の説明
2……サッシュ部
21……上部横枠部
3……ドアボディ部
3a……ベルトライン部
3b……中間部
4……ドアパネル
41……窓開口
41a……前部開口
41b……後部開口
5……デビジョンバー
5a……前部ガラスガイド部
5b……後部ガラスガイド部
5c……バー上部
5d……バー中間部
5e……バー下部
5f……切欠部
51、52……一対のフランジ
53……ウェブ
53a……穴

Claims (5)

  1. サッシュ部及びドアボディ部から成るドアパネルと、
    前記サッシュ部及び前記ドアボディ部により囲まれた前記ドアパネルの窓開口を前後方向で区画するデビジョンバーとを備え、
    前記デビジョンバーで区画された前記ドアパネルの前記窓開口の前部開口には移動用窓ガラスが上下方向に開閉可能に配置され、前記ドアパネルの前記窓開口の後部開口には固定用窓ガラスが配置されている車両用ドアであって、
    前記デビジョンバーは、一対のフランジとこのフランジ間を繋ぐウェブとで、前記移動用窓ガラスが嵌め込まれ前記前部開口となるコの字形状の前部ガラスガイド部及び前記固定用窓ガラスが嵌め込まれ前記後部開口となる逆コの字形状の後部ガラスガイド部を構成する断面H形状に形成され、バー上部は前記サッシュ部の上部横枠部、バー中間部は前記ドアボディ部のベルトライン部、及びバー下部は前記ドアボディ部の中間部にそれぞれ接合され、前記後部ガラスガイド部における前記一対のフランジの前記ベルトライン部から下方がすべて切り欠かれた切欠部が設けられていることを特徴とする車両用ドア。
  2. 前記切欠部は、前記デビジョンバーの前記移動用窓ガラスが昇降しない部位に切り欠かれていることを特徴とする請求項1記載の車両用ドア。
  3. 前記デビジョンバーは、前記切欠部における上方側となる前記ウェブに穴が穿孔されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用ドア。
  4. 前記穴は、道路運送車両法の保安基準第18条による側面衝突基準に基づく側面衝突試験に使用するムービング・バリアの上端に対応する位置に穿孔されていることを特徴とする請求項3記載の車両用ドア。
  5. 前記穴は、さらに前記ムービング・バリアの上端に対応する位置の上方向20mm、下方向20mmにそれぞれに穿孔されていることを特徴とする請求項4記載の車両用ドア。
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