JP4920967B2 - ミシンの縫製記録装置 - Google Patents
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Description
また、管理者が特定区間のデータの解析を行ったり、他のデータと比較する際に比較対照される部分をグラフ表示させる場合には、グラフの所望の箇所が表示されるように当該グラフの表示位置を調節する必要があった。また、グラフの表示位置の調節を簡便にする上でデータを記録する期間を限定するといったことも行われているが、その作業は煩雑となっている。
ミシンの主軸モータの駆動に基づいて回転する主軸の回転速度を算出する回転速度算出手段と、
前記回転速度算出手段により算出された所定時間毎の前記回転速度に係る回転速度情報と、前記ミシンの稼動過程における、縫製開始時、前記主軸の回転が一旦停止したミシン停止時及び前記ミシン停止後に縫製が再開されたミシン起動時のうちの少なくとも何れか一の情報とを対応付けて記録する縫製記録データ記録手段と、
前記縫製記録データ記録手段に記録された前記回転速度情報を読み出して当該回転速度情報に基づいて、前記回転速度と前記ミシンの稼働時間とが対応付けられた稼働状況グラフを表示領域に表示する表示手段と、
前記縫製記録データ記録手段から読み出された前記回転速度情報と対応付けられた前記ミシンの稼動過程における、前記縫製開始時、前記ミシン停止時及び前記ミシン起動時のうちの少なくとも何れか一の情報に基づいて、前記縫製開始時、前記ミシン停止時及び前記ミシン起動時のうちの何れか一の時を基準時として特定し、前記稼働状況グラフのうち、特定された前記基準時に対応する基準部分が前記表示領域内の所定の基準表示位置に表示されるように当該稼働状況グラフを前記表示手段に表示させる制御を行うグラフ表示制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
操作に基づいて、前記稼働状況グラフのうちの前記表示領域内に表示されるグラフ表示部分を時間軸に沿って切り替える表示部分切替指示を入力する操作入力手段と、
前記操作入力手段により入力された前記表示部分切替指示に基づいて、前記グラフ表示部分を時間軸に沿って切り替えて前記稼働状況グラフを前記表示手段に表示させる制御を行う切替表示制御手段とを備えることを特徴としている。
前記縫製記録データ記録手段は、前記回転速度情報を複数記録し、
前記縫製記録データ記録手段に記録された複数の前記回転速度情報に係る複数の稼働状況グラフのそれぞれの前記基準部分が前記表示領域内の前記所定の基準表示位置に表示されるように、各稼働状況グラフを重ねて前記表示手段に表示させる制御を行う複数グラフ表示制御手段を備えることを特徴としている。
前記ミシンの稼動過程における糸切り時を記録する糸切り時記録手段と、
前記グラフ表示制御手段は、さらに、前記糸切り時記録手段に記録された前記糸切り時を基準時として、前記稼働状況グラフのうちの前記糸切り時に対応する基準部分が前記表示領域内に表示されるように当該稼働状況グラフを前記表示手段に表示させる制御を行うことを特徴としている。
前記ミシンの稼動過程における糸切り時を複数記録する糸切り時記録手段と、
前記稼働状況グラフのうちの前記表示領域内に表示された範囲における、前記糸切り時記録手段に記録された最前の前記糸切り時から最新の前記糸切り時までの糸切り区間内の前記ミシンの稼働率を算出する稼働率算出手段と、
前記回転速度算出手段により算出された前記回転速度に基づいて、前記糸切り区間内の前記主軸の平均回転速度を算出する平均回転速度算出手段と、を備え、
前記表示手段は、前記稼働率算出手段により算出された前記稼働率と前記平均回転速度算出手段により算出された前記平均回転速度を表示することを特徴としている。
前記縫製記録データ記録手段に記録された前記回転速度情報のうち、前記縫製開始時から前記糸切り時までの区間内の前記回転速度情報に係る区間情報を取得する区間情報取得手段と、
前記区間情報取得手段により取得された前記区間情報を記録する区間情報記録手段とを備えることを特徴としている。
また、区間情報記録手段から所定の区間情報を読み出して表示手段に表示させる場合にあっては、所望の区間に係る回転速度情報のみを表示することができ、ミシンの稼働状況の把握や作業効率の分析等を容易に行うことができる。
前記区間情報記録手段は、着脱自在に設けられた外部記録媒体であることを特徴としている。
前記区間情報取得手段により取得された前記区間情報を所定の通信方式により送信する区間情報送信手段を備え、
前記区間情報記録手段は、前記区間情報送信手段から送信された前記区間情報を受信する区間情報受信手段を有することを特徴としている。
操作に基づいて、前記縫製開始時、前記ミシン停止時及び前記ミシン起動時のうちの何れか一の時を前記基準時として設定する設定手段を備えることを特徴としている。
前記縫製開始時を記録する縫製開始時記録手段と、
前記ミシンの稼動過程における糸切り時を記録する糸切り時記録手段と、
前記縫製開始時記録手段に記録される前記縫製開始時に縫製が開始されてから行われる糸切り回数を設定する糸切り回数設定手段と、を備え、
前記グラフ表示制御手段は、さらに、前記縫製開始時記録手段に記録された前記縫製開始時、及び前記糸切り時記録手段に記録された前記糸切り時を基準時として、前記稼働状況グラフのうち、前記縫製開始時に縫製が開始されてから前記糸切り回数設定手段により設定された前記糸切り回数の糸切りが終了するまでのグラフ表示部分が前記表示領域内の所定の時間範囲全体に亘って表示されるように当該稼働状況グラフを前記表示手段に表示させる制御を行うことを特徴としている。
前記縫製開始時記録手段は、前記ミシンの縫製が開始される毎に前記縫製開始時を記録し、
前記縫製開始時記録手段に記録された複数の前記縫製開始時から前記グラフ表示制御手段による前記稼働状況グラフの表示制御の際に基準時となる前記縫製開始時を指定する指定手段を備えることを特徴としている。
前記ミシンの新たな縫製の開始に基づいて、前記稼働状況グラフのうちの前記表示領域内に表示された前記グラフ表示部分に替えて、前記新たな縫製が開始されてから前記糸切り回数設定手段により設定された前記糸切り回数の糸切りが終了するまでの新たなグラフ表示部分を表示させる自動表示更新手段を備えることを特徴としている。
前記表示領域内に、前記稼働状況グラフのうち、先行して行われた縫製に係る先行グラフ表示部分と、前記ミシンの新たな縫製が開始されてから前記糸切り回数設定手段により設定された前記糸切り回数の糸切りが終了するまでの新たなグラフ表示部分とを重ねて表示させる制御を行う重複表示制御手段を備え、
前記重複表示制御手段は、前記先行グラフ表示部分及び前記新たなグラフ表示部分の各々に係る前記ミシンの稼動時間のうちの長い方のグラフ表示部分が前記表示領域内の所定の時間範囲に亘って表示されるように、当該先行グラフ表示部分及び新たなグラフ表示部分を表示させることを特徴としている。
また、先行グラフ表示部分及び新たなグラフ表示部分の各々に係るミシンの稼動時間のうちの長い方のグラフ表示部分が表示領域内の所定の時間範囲に亘って表示されるように、先行グラフ表示部分及び新たなグラフ表示部分が表示されるので、これらの稼働状況グラフの両方を表示領域内に適正に表示することができることとなって、ミシンの稼働状況の比較をより簡便に行うことができる。
また、ミシンの稼動時間の長い方のグラフ表示部分が表示領域内の所定の時間範囲に亘って表示されるように先行グラフ表示部分及び新たなグラフ表示部分を表示領域内に適正に表示することができることとなって、これらの稼働状況グラフに基づいてミシンの稼働状況の比較をより簡便に行うことができる。
図1は、本発明に係るミシンの縫製記録装置の好適な一実施形態として例示するミシン本体と操作パネルの外観を示す正面図であり、図2は、操作パネルの外観を示す正面図である。また、図3は、ミシン本体と操作パネルの構成を示すブロック図であり、図4は、操作パネルに備わるSRAMに記録された縫製記録データのデータ構造の一例を模式的に示した図である。
また、制御装置17は、インターフェース(I/F)17dを介して操作パネル2と接続され、この操作パネル2と各種情報を送受信可能に構成されている。
また、縫製終了の際に、制御装置17は、後踏み操作に基づいてペダル16から出力された糸切り指示信号が入力されると、糸切り装置(図示略)の駆動を制御して縫い糸の糸切り動作を実行させる。そして、制御装置17は、糸切り動作完了後に、糸切り情報をインターフェース17dを介して操作パネル2に出力するようになっている。
なお、針上検知信号は、制御装置17からインターフェース17dを介して操作パネル2に出力されるようになっている。
なお、算出された回転速度は、例えば、一定時間毎にSRAM24に格納されるようになっている。
具体的には、制御装置17から出力された停止状態信号がCPU21に入力されると、CPU21は、グラフ表示制御プログラムを実行して、SRAM24から縫製記録データDを読み出し、当該縫製記録データDに係る稼働状況グラフGをその縫製開始時に対応する部分を表示器25の表示領域25a内の所定の基準表示位置(例えば、左端)25bに合わせるように表示させる処理を行うようになっている(図2参照)。なお、CPU21による具体的な処理については、図8を参照して後述する。
具体的には、例えば、図4(a)〜図4(c)に示すように、稼働状況グラフGの切替表示が縫製開始時を基準に行われるように設定されている場合において、左移動スイッチLが長押しされると、CPU21は、表示器25の基準表示位置25bに対応するデータに最も近く、且つ、それ以降に行われた縫製開始時に対応する部分S1を基準表示位置25bに合わせるように稼働状況グラフGの表示位置を切り替えるようになっている(図4(b)参照)。また、右移動スイッチRが長押しされると、CPU21は、基準表示位置25bに表示されているデータに最も近く、且つ、それ以前に行われた縫製開始時に対応する部分S2を基準表示位置25bに合わせるように稼働状況グラフGの表示位置を切り替えるようになっている(図4(c)参照)。
平均回転速度算出プログラムは、CPU21に、平均回転速度算出手段として、回転速度算出プログラムの実行により算出された主軸の回転速度に基づいて、糸切り区間内の主軸の平均回転速度Aを算出する処理に係る機能を実現させるためのプログラムである。
例えば、図5に示すように、CPU21による複数グラフ表示制御プログラムの実行に基づいて、SRAM24に記録されている例えば二つの縫製記録データD1、D2が読み出されて、これらの縫製記録データD1、D2に係る二つの稼働状況グラフG1、G2が、縫製開始時に対応する部分Sを基準表示位置25bに揃えるように重ねられて表示器25に表示されるようになっている。
なお、抜き取られる区間データは、例えば、操作パネル2の表示器25に表示された稼働状況グラフG上にて所定の操作スイッチ26の操作に基づいて所定の範囲が選択設定されるようになっている。
縫製記録データDのうち、回転速度情報は、CPU21よる回転速度算出プログラムの実行に基づいて算出された一定時間毎の主軸の回転速度に係るものである。このように、SRAM24によって、回転速度記録手段が構成されている。
縫製開始情報は、電源投入後に最初に縫製が開始される時或いは縫い糸の糸切り後に縫製が開始される時に記録されるものである。具体的には、例えば、制御装置17から出力された起動信号が操作パネル2に入力された際に、入力された起動信号が電源投入後に最初に入力されたもの或いは糸切り情報の記録後に初めて入力されたものであるとCPU21により判定された場合に、CPU21からSRAM24に出力されて縫製記録データDに記録されるようになっている。
ミシン停止情報は、作業者によるペダル16の中立位置への操作などに基づいてミシンの起動停止後に記録されるものであり、具体的には、例えば、制御装置17から出力された停止状態信号が操作パネル2に入力された場合に、CPU21からSRAM24に出力されて縫製記録データDに記録されるようになっている。
ミシン起動情報は、ミシン停止後に糸切りをすることなく主軸の回転が再開(再起動)された時に記録されるものであり、具体的には、制御装置17から出力された起動信号が操作パネル2に入力された際に、入力された起動信号が電源投入後に最初に入力されたもの或いは糸切り情報の記録後に初めて入力されたものではないとCPU21により判定された場合に、CPU21からSRAM24に出力されて縫製記録データDに記録されるようになっている。
糸切り情報は、ミシンの糸切り完了後に記録されるものであり、具体的には、例えば、糸切り動作完了後に、制御装置17から出力され操作パネル2に入力されてSRAM24の縫製記録データDに記録されるようになっている。
なお、SRAM24は、その記録領域を例えば常時計測用、保存用、グラフ表示用等の複数の領域に分割し、操作スイッチ26の所定操作に基づいて縫製記録データDを格納する領域を選択することができるようにしても良い。
なお、図2及び図4(a)〜図4(c)に示す稼働状況グラフGにおいて、「□」は縫製開始時を表し、「○」は糸切り時を表している。
これら左右の移動スイッチL、Rは、例えば、押圧操作される時間の長さに応じて実行指示に係る機能が異なっており、押圧操作時間が所定時間よりも短い場合には、稼働状況グラフGを表示器25の1ドット分ずつ左右に移動させる一方で、所定時間よりも長い場合(「長押し」された場合)には、グラフ表示部分を時間軸に沿って切り替えて稼働状況グラフGを表示させる表示部分切替指示を入力するようになっている。このように、左右の移動スイッチL、Rによって、操作入力手段が構成されている。
ここで、図7は、縫製記録処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。また、図8は、グラフ表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。また、図9は、グラフ切替表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
ここで、糸切り情報が入力されたと判定されると(ステップS7;YES)、CPU21は、糸切り情報が入力された時間をタイマ27から取得し、その時間と対応付けて糸切り情報をSRAM24の縫製記録データDに格納する(ステップS8)。
そして、糸切り情報の記録後、或いは、ステップS7にて、糸切り情報が入力されていないと判定された後(ステップS7;NO)、CPU21は、所定の判定プログラムを実行して、ミシンが停止状態となっているか否か、即ち、ミシンの停止後に制御装置17から出力された停止状態信号が操作パネル2に入力されたか否かを判定する(ステップS9)。ここで、ミシンが停止状態となっていないと判定されると(ステップS9;NO)、CPU21は、ステップS3に移行して、それ以降の処理を実行させることにより、回転速度情報を一定時間毎に縫製記録データDに格納する処理を行う。
また、表示器25に稼働状況グラフGが表示された状態にて、CPU21は、所定の判定プログラムを実行して、例えば左又は右の移動スイッチR、L等の作業者による操作に基づいて表示部分切替指示が入力されたか否かを判定する(ステップS12)。ここで、表示部分切替指示が入力されたと判定されると(ステップS12;YES)、CPU21は、ROM22から切替表示制御プログラムを読み出してRAM23に展開し、この切替表示制御プログラムに従って、グラフ切替表示処理を実行する(詳細後述:ステップS13;図9参照)。
なお、以下に説明する本実施形態のグラフ表示処理にあっては、縫製開始時を基準として稼働状況グラフGを表示するものとする。
そして、CPU21は、縫製記録データDに基づいて、表示可能な時間範囲内に対応する情報の中で、最新の糸切り情報に係る糸切り時から最も古い縫製開始情報を探索する処理を行う(ステップS23)。探索の結果、表示可能な時間範囲内に縫製開始情報に係る縫製開始時がある場合(ステップS24;YES)、CPU21は、その縫製開始時に対応する部分S(例えば、図4(a)の縫製開始時に対応する部分S1)を表示領域25aの基準表示位置25b(例えば、左端)に合わせるように稼働状況グラフGを表示器25に表示させる制御を行う(ステップS25、S27)。一方、表示可能な時間範囲内に縫製開始情報に係る縫製開始時がない場合(ステップS24;NO)、CPU21は、最新の縫製開始時に対応する部分Sを表示領域25aの基準表示位置25bに合わせるように稼働状況グラフGを表示器25に表示させる制御を行う(ステップS26、27)。
このようにして、操作パネル2の表示器25に、ミシンの縫製開始時を基準として稼働状況グラフGを表示させることができる。
なお、以下に説明する本実施形態のグラフ切替表示処理にあっては、縫製開始時を基準として稼働状況グラフGを切り替えて表示するものとする。
ここで、押圧操作時間が所定時間よりも長い(「長押し」された場合)と判定された場合には(ステップS31;YES)、CPU21は、操作されたスイッチが左移動スイッチLであるか右移動スイッチRであるか否かを判定する処理を行う(ステップS32)。
一方、ステップS32にて、右移動スイッチRが長押しされたと判定されると、CPU21は、縫製記録データDに基づいて、稼働状況グラフGのうちの表示器25の基準表示位置25bに対応する部分に最も近く、且つ、それ以前の縫製開始時に対応する縫製開始情報を探索する処理を行って(ステップS34)、探索された縫製開始情報に対応する部分Sを基準表示位置25bに合わせるように表示位置を切り替えて稼働状況グラフGを表示させる(ステップS35)。
このようにして、操作パネル2の表示器25に、ミシンの縫製開始時を基準として、稼働状況グラフGのうちの表示器25の表示領域25a内に表示されるグラフ表示部分を時間軸に沿って切り替えて当該稼働状況グラフGを表示させることができる。
ここで、左移動スイッチLが操作された判定されると、CPU21は、表示器25の1ドット分左に稼働状況グラフGを移動させて表示する処理を行い(ステップS37)、右移動スイッチRが操作された判定されると、表示器25の1ドット分右に稼働状況グラフGを移動させて表示する処理を行う(ステップS38)。
このようにして、表示器25に表示される稼働状況グラフGの表示位置の微調整を1ドット単位で適正に行うことができる。
また、グラフ表示切替処理にて、左右の移動スイッチL、Rの操作により出力された表示部分切替指示がCPU21に入力される毎に、縫製開始時を基準として稼働状況グラフGのうちの表示領域25a内に表示されるグラフ表示部分を時間軸に沿って切り替えることができることとなって、ミシンの稼働状況の把握をより適正に行うことができる。
即ち、CPU21は、ROM22から稼働率算出プログラムを読み出してRAM23に展開し、この稼働率算出プログラムの実行に基づいて、糸切り区間内のミシンの稼働率Wを算出する処理を実行する。また、CPU21は、ROM22から平均回転速度算出プログラムを読み出してRAM23に展開し、この平均回転速度算出プログラムの実行に基づいて、糸切り区間内の主軸の平均回転速度Aを算出する処理を実行する。そして、CPU21は、表示器25を制御して、稼働状況グラフGとともに、ミシンの稼働率W及び平均回転速度Aを表示させる処理を行うようになっている。
これにより、例えば、ミシンの稼働率Wが高くても平均回転速度Aが低い場合には、作業者の作業効率が悪いと判断することができるので、管理者は縫製作業状況の把握をより容易に行うことができる。このように、ミシンの稼働状況の分析をより容易に行うことができる。
また、記録媒体Mに記録された区間データを読み出して表示器25に表示させる場合に、所望の区間に係る稼働状況グラフGを表示することができるので、他の稼働状況グラフGの比較対照としての利用を簡便に行うことができ、ミシンの稼働状況の把握や作業効率の分析等を容易に行うことができる。
なお、記録媒体Mは、例えば、操作パネル2と記録媒体Mとが有線又は無線の通信回線により接続されて所定の通信方式によりデータの送受信を行うようにしても良い。即ち、操作パネル2に、縫製記録データDのうちの所望の区間データを送信する区間情報送信手段を設け、記録媒体Mに、区間情報送信手段から送信された区間データを受信する区間情報受信手段を設けるようにしても良い。
これにより、操作パネル2と記録媒体Mとの間における区間データの送信及び受信を簡便に行うことができ、区間データの取扱性をより向上させることができる。
これにより、管理者の目的に応じた設定手段の所定操作により縫製開始時、ミシン停止時及びミシン起動時のうちの何れか一の時を基準時として設定することで、設定された基準時に基づいて所定の稼働状況グラフGが表示されることとなって、ミシンの稼働状況の把握をより容易に行うことができる。具体的には、管理者にとっては、例えば、ミシンの縫製開始時を基準として稼働状況グラフGを表示器25に表示することにより、縫製開始からミシン停止までの縫製中のデータの比較検討が容易となり、また、ミシン停止時を基準として稼働状況グラフGを表示器25に表示することにより、ミシンが停止してから次に縫製が開始されるまでのミシン停止中の縫製準備作業中のデータの比較検討が容易となる。
以下に、変形例1のミシンの縫製記録装置について図10を参照して説明する。
ここで、図10は、変形例1のミシンの縫製記録装置に係るミシン本体201と操作パネル202の構成を示すブロック図である。
この変形例1に係るミシンの縫製記録装置200は、ミシン本体201にて主軸の回転速度の算出を行い、当該ミシン本体201に備わるSRAM224に縫製記録データDを記録するようになっている。
具体的には、図10に示すように、ミシン本体201は、主軸に取り付けられ当該主軸の回転に応じて所定のパルス信号を制御装置17に出力するエンコーダ218、タイマ227、SRAM224等を備え、制御装置17は、タイマ227により一定時間が計時される毎に、エンコーダ218から出力された入力されたパルス信号に基づいて、主軸の回転速度を算出するようになっている。そして、制御装置17は、算出された回転速度をSRAM224の縫製記録データDに記録させるようになっている。
また、制御装置17は、例えば、ミシンモータ12が停止状態となる等の特定のタイミングで縫製記録データDを操作パネル202に対して出力するようになっており、操作パネル202は、入力された縫製記録データDに基づいて所定の稼働状況グラフGを表示器25に表示させるようになっている。
例えば、上記実施形態では、グラフ表示処理及びグラフ表示切替処理において縫製開始時を基準として所定のグラフ表示を行うようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、ミシンの稼動過程におけるミシン停止時、ミシン起動時、糸切り時等を基準にしても良い。
以下に、変形例2のミシンの縫製記録装置について、図11〜図13を参照して説明する。
ここで、図11は、変形例2のミシンの縫製記録装置による縫製記録処理に係る動作の一例を示すフローチャートであり、図12は、縫製記録処理における時間軸単位計算処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。また、図13(a)〜図13(c)は、縫製記録処理により操作パネル2に表示される稼動状況グラフGの一例を模式的に示した図である。
なお、図13(a)〜図13(c)にあっては、比較対象グラフG3を破線で表し、計測グラフG4を実線で表し、縫製開始時を「□」、糸切り時を「○」で表すものとする。
なお、変形例2のミシンの縫製記録装置は、以下に説明する以外の点では上記実施形態と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
即ち、先ず、糸切り回数設定手段としての操作スイッチ26の所定操作に基づいて、稼働状況グラフGのうち、表示領域25aに表示される区間を規定する縫製工程における縫製開始後の糸切り回数を設定し、CPU21によるグラフ表示制御プログラムの実行に基づいて、稼働状況グラフGのうち、設定された糸切り回数に応じた区間を表示するようになっている(図13(a)参照)。具体的には、表示器25に、SRAM24に記録された熟練者や作業者等による縫製作業に係る縫製記録データD(図6参照)に基づいて、所定の稼働状況グラフGを表示するようになっている。
より具体的には、CPU21による重複表示制御プログラムの実行に基づいて、熟練者の稼働状況グラフGのうちの比較対象区間における縫製作業にかかった総経過時間(ミシンの稼動時間)と、作業者の縫製作業にかかった総経過時間の長さを比較判定して、そのうちの長い方の時間を表示領域25aの横軸の長さにあわせて、即ち、総経過時間が長い方の区間(グラフ表示部分)が表示領域25a内の横軸(所定の時間範囲)全体に亘って表示されるように、各々の稼働状況グラフGを重複して表示させるようになっている(図13(c)参照)。
即ち、ミシンの縫製が新たに開始される毎に、CPU21は、自動表示更新プログラムを実行して、表示器25の表示領域25a内に表示される稼働状況グラフGを自動的に更新して表示するようになっている。
ここで、SRAM24は、ミシンの縫製開始時の時刻を記録する縫製開始時記録手段、並びにミシンの稼動過程における糸切り時の時刻を記録する糸切り時記録手段を構成している。なお、ここでの時刻とは、所定の基準時刻に基づく時刻であり、例えば、最初の縫製開始時を基準として時刻0とするようにしても良い。
次に、操作スイッチ26の所定操作に基づいて、SRAM24に記録されている比較対象となる熟練者の縫製記録データDを読み出して、操作パネル2のRAM23に格納し、予め決められた時間軸で暫定的に、例えば先頭のデータから表示領域25aに表示する(ステップS42)。
ここで、比較対象となる縫製記録データDの用意は、例えば、SRAM24の替わりに着脱式の外部記録媒体から所定のデータを読み込むようにしても良いし、その場で熟練者により縫製作業が行われることにより作成されるようにしても良い。
続けて、CPU21の制御下にて、比較対象グラフG3に係る時間軸単位計算処理を行う(ステップS44)。
続けて、CPU21の制御下にて、移動先のデータ構成要素が糸切り情報であるか否かを判定する処理を行う(ステップS64)。ここで、糸切り情報ではないと判定されると(ステップS64;NO)、CPU21は、ステップS62に移行してそれ以降の処理の実行を制御する。
ここで、設定回数に達したと判定されると(ステップS66;YES)、ステップS63にて集計(加算)された縫製開始から所定の設定回数の糸切りの終了までの総経過時間と表示領域25aの横幅に基づいて、当該総経過時間が表示領域25aの横幅と一致するように横軸(時間軸)のドット当たりの単位を算出して、表示するグラフ区間を作成する(ステップS67)。
なお、ステップS66にて、糸切り回数が所定の設定回数に達していないと判定されると(ステップS66;NO)、CPU21は、ステップS62に移行してそれ以降の処理の実行を制御する。
このようにして、時間軸単位計算処理を終了する。
その後、作業者により縫製が開始されると(ステップS47)、CPU21の制御下にて、所定のタイミングで速度情報の計測や(ステップS48)、糸切り動作等を順次行う(ステップS49)。そして、CPU21は、糸切り回数がステップS41にて設定された設定回数に達したか否かを判定する処理を行う(ステップS50)。
ここで、糸切り回数が所定の設定回数に達していないと判定されると(ステップS50;NO)、CPU21は、重複表示制御プログラムの実行に基づいて、比較対象グラフG3の時間軸単位計算処理にて計算された時間軸単位に従って、計測されたデータに係る稼働状況グラフG(計測グラフG4)を作成して、当該計測グラフG4を比較対象グラフG3と重ねて表示させる処理を行う(ステップS51;図13(b)参照)。その後、CPU21は、ステップS47に移行してそれ以降の処理の実行を制御する。
なお、縫製作業の際に複数回の糸切りを行った後、比較対象グラフG3の時間軸単位に従って計測グラフG4を表示すると、当該計測グラフG4の一部が表示領域25aからはみ出して全てを表示することができない場合には、計測グラフG4のうち、少なくとも最新の糸切りに対応する区間までが表示領域25a内に表示されるようになっている。
そして、当該時間軸単位計算処理により、時間軸単位の算出及び計測グラフG4の作成が行われる。
続けて、CPU21は、計測データをメモリに記憶する処理を行う(ステップS54)。
具体的には、稼働状況グラフGのうち、複数の縫製開始時から所定の縫製開始時を操作スイッチ26の操作に基づいて簡便に指定することができ、さらに、指定された縫製開始時が表示領域25aの左端25bに位置するように稼働状況グラフGを適正に表示することができる。
また、表示領域25a内に、熟練者による比較対象グラフG3と、作業者によりミシンの縫製作業により計測される計測グラフG4とを重ねて表示することができ、これらの稼働状況グラフGに基づいてミシンの稼動状態の違いを容易に把握することができ、当該ミシンの稼働状況の比較を適正に行うことができる。このとき、ミシンの稼動時間の長い方の区間が表示領域25a内の横軸全体に亘って表示されるように、当該比較対象グラフG3及び計測グラフG4を表示することができるので、これらの稼働状況グラフGの両方を表示領域25a内に適正に表示することができることとなって、ミシンの稼働状況の比較をより簡便に行うことができる。
さらに、作業者による新たなミシンの縫製作業の開始に基づいて、表示領域25a内に既に表示された計測グラフG4に替えて新たな計測グラフG4が表示されるので、新たな縫製を開始する毎に、表示器25の表示領域25a内に表示される稼働状況グラフGを自動的に更新して適正に表示することができる。
1、201 ミシン本体
12 ミシンモータ(主軸モータ)
2、202 操作パネル
21 CPU(回転速度算出手段、グラフ表示制御手段、切替表示制御手段、稼働率算出手段、平均回転速度算出手段、複数グラフ表示制御手段、区間情報取得手段、自動表示更新手段、重複表示制御手段)
24、224 SRAM(回転速度記録手段、糸切り時記録手段、縫製開始時記録手段)
25 表示器(表示手段)
25a 表示領域
26 操作スイッチ(糸切り回数設定手段、指定手段)
D、D1、D2 縫製記録データ(回転速度情報)
G、G1、G2、G3、G4 稼働状況グラフ
L 左移動スイッチ(操作入力手段)
R 右移動スイッチ(操作入力手段)
M 記録媒体(区間情報記録手段)
Claims (13)
- ミシンの主軸モータの駆動に基づいて回転する主軸の回転速度を算出する回転速度算出手段と、
前記回転速度算出手段により算出された所定時間毎の前記回転速度に係る回転速度情報と、前記ミシンの稼動過程における、縫製開始時、前記主軸の回転が一旦停止したミシン停止時及び前記ミシン停止後に縫製が再開されたミシン起動時のうちの少なくとも何れか一の情報とを対応付けて記録する縫製記録データ記録手段と、
前記縫製記録データ記録手段に記録された前記回転速度情報を読み出して当該回転速度情報に基づいて、前記回転速度と前記ミシンの稼働時間とが対応付けられた稼働状況グラフを表示領域に表示する表示手段と、
前記縫製記録データ記録手段から読み出された前記回転速度情報と対応付けられた前記ミシンの稼動過程における、前記縫製開始時、前記ミシン停止時及び前記ミシン起動時のうちの少なくとも何れか一の情報に基づいて、前記縫製開始時、前記ミシン停止時及び前記ミシン起動時のうちの何れか一の時を基準時として特定し、前記稼働状況グラフのうち、特定された前記基準時に対応する基準部分が前記表示領域内の所定の基準表示位置に表示されるように当該稼働状況グラフを前記表示手段に表示させる制御を行うグラフ表示制御手段と、
を備えていることを特徴とするミシンの縫製記録装置。 - 操作に基づいて、前記稼働状況グラフのうちの前記表示領域内に表示されるグラフ表示部分を時間軸に沿って切り替える表示部分切替指示を入力する操作入力手段と、
前記操作入力手段により入力された前記表示部分切替指示に基づいて、前記グラフ表示部分を時間軸に沿って切り替えて前記稼働状況グラフを前記表示手段に表示させる制御を行う切替表示制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のミシンの縫製記録装置。 - 前記縫製記録データ記録手段は、前記回転速度情報を複数記録し、
前記縫製記録データ記録手段に記録された複数の前記回転速度情報に係る複数の稼働状況グラフのそれぞれの前記基準部分が前記表示領域内の前記所定の基準表示位置に表示されるように、各稼働状況グラフを重ねて前記表示手段に表示させる制御を行う複数グラフ表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの縫製記録装置。 - 前記ミシンの稼動過程における糸切り時を記録する糸切り時記録手段と、
前記グラフ表示制御手段は、さらに、前記糸切り時記録手段に記録された前記糸切り時を基準時として、前記稼働状況グラフのうちの前記糸切り時に対応する基準部分が前記表示領域内に表示されるように当該稼働状況グラフを前記表示手段に表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のミシンの縫製記録装置。 - 前記ミシンの稼動過程における糸切り時を複数記録する糸切り時記録手段と、
前記稼働状況グラフのうちの前記表示領域内に表示された範囲における、前記糸切り時記録手段に記録された最前の前記糸切り時から最新の前記糸切り時までの糸切り区間内の前記ミシンの稼働率を算出する稼働率算出手段と、
前記回転速度算出手段により算出された前記回転速度に基づいて、前記糸切り区間内の前記主軸の平均回転速度を算出する平均回転速度算出手段と、を備え、
前記表示手段は、前記稼働率算出手段により算出された前記稼働率と前記平均回転速度算出手段により算出された前記平均回転速度を表示することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のミシンの縫製記録装置。 - 前記縫製記録データ記録手段に記録された前記回転速度情報のうち、前記縫製開始時から前記糸切り時までの区間内の前記回転速度情報に係る区間情報を取得する区間情報取得手段と、
前記区間情報取得手段により取得された前記区間情報を記録する区間情報記録手段とを備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のミシンの縫製記録装置。 - 前記区間情報記録手段は、着脱自在に設けられた外部記録媒体であることを特徴とする請求項6に記載のミシンの縫製記録装置。
- 前記区間情報取得手段により取得された前記区間情報を所定の通信方式により送信する区間情報送信手段を備え、
前記区間情報記録手段は、前記区間情報送信手段から送信された前記区間情報を受信する区間情報受信手段を有することを特徴とする請求項6に記載のミシンの縫製記録装置。 - 操作に基づいて、前記縫製開始時、前記ミシン停止時及び前記ミシン起動時のうちの何れか一の時を前記基準時として設定する設定手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のミシンの縫製記録装置。
- 前記縫製開始時を記録する縫製開始時記録手段と、
前記ミシンの稼動過程における糸切り時を記録する糸切り時記録手段と、
前記縫製開始時記録手段に記録される前記縫製開始時に縫製が開始されてから行われる糸切り回数を設定する糸切り回数設定手段と、を備え、
前記グラフ表示制御手段は、さらに、前記縫製開始時記録手段に記録された前記縫製開始時、及び前記糸切り時記録手段に記録された前記糸切り時を基準時として、前記稼働状況グラフのうち、前記縫製開始時に縫製が開始されてから前記糸切り回数設定手段により設定された前記糸切り回数の糸切りが終了するまでのグラフ表示部分が前記表示領域内の所定の時間範囲全体に亘って表示されるように当該稼働状況グラフを前記表示手段に表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のミシンの縫製記録装置。 - 前記縫製開始時記録手段は、前記ミシンの縫製が開始される毎に前記縫製開始時を記録し、
前記縫製開始時記録手段に記録された複数の前記縫製開始時から前記グラフ表示制御手段による前記稼働状況グラフの表示制御の際に基準時となる前記縫製開始時を指定する指定手段を備えることを特徴とする請求項10に記載のミシンの縫製記録装置。 - 前記ミシンの新たな縫製の開始に基づいて、前記稼働状況グラフのうちの前記表示領域内に表示された前記グラフ表示部分に替えて、前記新たな縫製が開始されてから前記糸切り回数設定手段により設定された前記糸切り回数の糸切りが終了するまでの新たなグラフ表示部分を表示させる自動表示更新手段を備えることを特徴とする請求項10又は11に記載のミシンの縫製記録装置。
- 前記表示領域内に、前記稼働状況グラフのうち、先行して行われた縫製に係る先行グラフ表示部分と、前記ミシンの新たな縫製が開始されてから前記糸切り回数設定手段により設定された前記糸切り回数の糸切りが終了するまでの新たなグラフ表示部分とを重ねて表示させる制御を行う重複表示制御手段を備え、
前記重複表示制御手段は、前記先行グラフ表示部分及び前記新たなグラフ表示部分の各々に係る前記ミシンの稼動時間のうちの長い方のグラフ表示部分が前記表示領域内の所定の時間範囲に亘って表示されるように、当該先行グラフ表示部分及び新たなグラフ表示部分を表示させることを特徴とする請求項10又は11に記載のミシンの縫製記録装置。
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