JP4919279B2 - 回転式内刃を備えている電気かみそり - Google Patents

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Description

本発明は、回転しながらひげの切断を行う内刃を備えた電気かみそりに関する。
電気かみそりに適用される一般的な内刃は、プレス加工によって打ち抜き形成するものと、ステンレス薄板材にエッチング処理を施して形成するものとがある。前者形態の内刃は特許文献1にみることができ、そこでは、所定形状のブレードを打ち抜き形成したのち、ブレード先端の表面および裏面のそれぞれをプレス金型で同時に押し潰して断面鼓形に凹ませ、ブレード先端面を研磨することにより、切刃の刃先角を鋭角に形成している。同様の切刃構造は特許文献2にも開示されており、いずれも、往復動式の電気かみそりの内刃として使用される。
エッチング処理を施して得られる内刃は例えば特許文献3に見ることができ、そこでは、エッチング法で形成したシート状のブレード前段体を、プレス機で逆U字状に折り曲げてスリット刃構造の内刃としている。この内刃は往復動式の電気かみそり用の内刃として使用される。
せん断刃の先端に切刃を形成する際に、エッチングに伴う蝕刻面を利用して切刃の角度を鋭角に形成することは特許文献4に公知である。そこでは、ステンレス板材の表裏両面から蝕刻を進行させ、蝕刻面が板材の肉壁内部へ向かって凹曲面状に形成されることを利用して、表面または裏面の蝕刻開始部分に鋭角の切刃を形成している。このせん断刃はバリカン刃やきわ剃刃として使用される。
回転しながらひげの切断を行う内刃を備えたロータリー式の電気かみそりにおいて、ブレードの両端および中央部分に補強用の添え板を固定して、ブレード全体の構造強度を向上しながら、ブレードの突端に円筒研磨を施すだけで切刃を形成できるようにした内刃構造が開示されている(特許文献5参照)。
特開平6−142347号公報(段落番号0010、図3) 特開昭54−38857号公報(第1頁右欄第17行以下、第3図) 特開2004−329765号公報(段落番号0036、図6) 特開2003−966号公報(段落番号0034、図1) 特開平4−322692号公報(段落番号0012、図3)
特許文献5の内刃によれば、添え板を付加することでブレードの撓み変形を防ぎながら、より薄いブレードに切刃を形成して、内刃の切れ味を向上できる。しかし、ブレードとは別に添え板を付加する必要があるので、その分だけ内刃の製造コストが嵩むのを避けられない。また、丸軸状の内刃ホルダーの径方向線に対して斜めに傾く状態でブレードを植設したうえで、ブレードの先端に円筒研磨を施して切刃を形成するので、円筒研磨されたブレード先端面の全長寸法がブレード厚みより大きくなり、その分だけブレードと外刃との接触面積が大きくなり、したがって内刃の摩擦抵抗が大きく、薄いブレードを使用しているにもかかわらず、電力消費が大きくなるのを避けられない。
この点、特許文献1の内刃のように、予めブレード先端の表裏に凹みを形成したのち、凹み部分と交差するように研磨処理を施すと、ブレード先端面の全長寸法を幾分小さくできる。しかし、ブレード先端の両縁に切刃を形成するため、外刃との接触面積を充分に小さくすることはできない。そのため、この種のブレードを回転式の内刃に適用しても、切れ味の向上と摺動抵抗の低下とを同時に実現するのは難しい。
本発明の目的は、従来の内刃に比べてより低コストで内刃を製造でき、しかもブレードの切刃を鋭角に形成して切れ味を向上でき、さらにブレード先端面の摺動摩擦を小さくして、その分だけ消費電力量を削減できる内刃を備えた電気かみそりを提供することにある。本発明の目的は、外刃との摺動摩擦が小さいにもかかわらず、ひげ切断時に撓み変形することがなく、したがって長期にわたって良好な切れ味がえられる回転式の内刃を備えた電気かみそりを提供することにある。本発明の目的は、ブレード先端面の外刃との摺動面積が小さく、その分だけブレード先端面の摺動摩擦を小さくできるうえ、外刃内部へのひげの導入作用を促進して効果的にひげ切断を行えるロータリー式の内刃を備えた電気かみそりを提供することにある。
本発明の電気かみそりは、固定支持される外刃12と、外刃12の内面に沿って回転駆動される内刃9とを備えている。内刃9は、回転駆動される内刃ホルダー21と、基端が内刃ホルダー21に組み付けられる複数個のブレード23とを含む。ブレード23の先端片縁に、ブレード23の厚み方向へ凹む刃凹部26と、刃凹部26と交差する摺動面27とによって鋭角の切刃24を形成する。
ブレード23の先端片縁に鋭角の切刃24を形成し、残る先端縁の隅部分に逃げ面25を形成する。
各ブレード23は、エッチング法で形成されたブレード前段体23Aに研削処理を施して形成する。ブレード前段体23Aの表裏両面のそれぞれに、蝕刻面の中心位置P1・P2がブレード幅方向に異なる第1・第2の蝕刻面33・34を形成して、刃凹部26と逃げ面25とを形成する。刃凹部26、および逃げ面25と同時に交差する摺動面27を形成して、刃凹部26と摺動面27との間に鋭角の切刃24を形成する。
刃凹部26を形成する第1蝕刻面33に隣接して、逃げ面25を形成する第2蝕刻面34と対向する第3蝕刻面36を形成する。原材シート31と、ブレード前段体23Aの周縁とを、第2・第3の蝕刻面34・36の交差部分によって分断する。
円柱状の内刃ホルダー21と、内刃ホルダー21の軸心に固定される内刃軸22と、内刃ホルダー21の周面に沿ってスパイラル状に植設される複数個のブレード23とを有するロータリー式の内刃9において、第1・第2の蝕刻面33・34の交差部分によって形成されるブレード前段体23Aの先端に研削処理を施して、刃凹部26と交差する摺動面27を形成する。
本発明においては、回転駆動される内刃ホルダー21と、内刃ホルダー21に組み付けられる多数個のブレード23を含んで内刃9を構成し、ブレード23の厚み方向へ凹む刃凹部26と、刃凹部26と交差する摺動面27とによって、鋭角の切刃24をブレード23の先端片縁に形成した。このように、刃凹部26と、研削加工によって形成される摺動面27とで鋭角の切刃24を形成すると、刃凹部26の形状を種々に変更することで任意角度の鋭角の切刃24を形成して内刃9の切れ味を向上できる。さらに、ブレード23の先端片縁に限って切刃24を形成するので、ブレード23の先端両縁に切刃を形成する場合に比べて、摺動面27の全長寸法がいたずらに大きくなるのを阻止でき、したがって、摺動面27の外刃12との摺動摩擦を小さくして、その分だけ電気かみそりの消費電力量を削減できる。
また、刃凹部26によってブレード23の先端片縁に鋭角の切刃24を形成し、残る先端縁の隅部分に逃げ面25を形成すると、逃げ面25の分だけブレード23先端の摺動面27の全長寸法をさらに小さくして、摺動面27の外刃12との摺動摩擦を小さくでき、消費電力量がさらに小さな電気かみそりが得られる。また、摺動面27の摺動摩擦が小さい分だけ、摩擦熱による外刃12の温度上昇を抑制でき、さらに、ひげが外刃12の内部へ入り込むのを促進して、ひげ切断を効果的に行うことができる。剛毛などを切断する場合に撓み変形することのない充分な厚みのブレード23であっても、摺動面27の全長寸法を充分に小さくして外刃12との摺動摩擦を小さくしながら、長期にわたって良好な切れ味を発揮できる内刃9が得られる。換言すると、ブレード先端の摺動面27の全長寸法を必要に応じて小さくできるので、ブレード23の根元側(基端部分)の厚み寸法を厚くして、ブレード強度を充分に確保できる。
エッチング法で形成したブレード前段体23Aで各ブレード23を形成する場合には、ブレード前段体23Aの表裏両面のそれぞれに、蝕刻中心位置P1・P2が異なる第1・第2の蝕刻面33・34を形成して、これらの蝕刻面33・34の一部で刃凹部26と逃げ面25を形成することにより、刃凹部26および逃げ面25を同時にしかも正確に形成でき、従来の内刃に比べて、鋭角の切刃24を備え、しかも加工ひずみのないブレード23を低コストで形成できる。各蝕刻面33・34の大きさや、蝕刻中心位置P1・P2のずれを種々に変更し、さらに刃凹部26および逃げ面25の大きさや厚み方向の深さを大小に変更するだけで、切刃24の角度や摺動面27の全長寸法を変更して、ブレード23の切刃構造を好適化できる。刃凹部26および逃げ面25と同時に交差する摺動面27を形成して、刃凹部26と摺動面27との間に切刃24を形成すると、ブレード23に従来と同様の最小限の研削処理を施すだけで、鋭角の切刃24と、全長寸法が小さな摺動面27を同時に形成でき、その分だけ内刃9の製造コストを削減できる。
第1蝕刻面33に隣接して第3蝕刻面36を設け、原材シート31と、ブレード前段体23Aの周縁とを、第2・第3の蝕刻面34・36の交差部分によって分断するブレード23によれば、第1蝕刻面33と第2蝕刻面34の蝕刻中心位置P1・P2のずれ量を大きく設定できる。このことは、それぞれ凹曲面状に蝕刻される第1蝕刻面33と第2蝕刻面34のうち、蝕刻角度が急な周縁寄りの蝕刻面を利用して切刃24を形成できることを意味しており、より鋭いエッジの切刃24を簡便に形成できる。
円柱状の内刃ホルダー21と、内刃ホルダー21の軸心に固定される内刃軸22と、内刃ホルダー21の周面に沿ってスパイラル状に植設される複数個のブレード23とを有するロータリー式の内刃9において、ブレード前段体23Aの第1・第2の蝕刻面33・34の交差部分に研削処理を施して刃凹部26と交差する摺動面27を形成すると、外刃12に対する摺動摩擦が小さく、しかも鋭角の切刃24を備えた切れ味のよいブレード23が得られ、ロータリー式の内刃9を備えた電気かみそりにおけるひげ切断を効果的に行うことができる。さらに摺動面27の外刃12との摺動面積が小さい分だけ、外刃内部へのひげの導入を促進して、ひげ切断を効果的に行える利点もある。
(実施例) 図1ないし図6は本発明に係るロータリー式の内刃を備えた電気かみそりの実施例を示す。図2において電気かみそりは、Y字状に形成される本体ケース1と、本体ケース1で浮動支持されるヘッド部2とを備えており、本体ケース1の内部に2個の2次電池6と図示していない回路基板およびスイッチなどが配置してある。本体ケース1の前面には、先のスイッチを切り換える押しボタン形のスイッチボタン3と、スイッチボタン3がオン操作されたときに点灯する表示灯4と、充電時に点灯する充電表示灯5が配置してある。
ヘッド部2は、ヘッドケース7の内部に、内刃駆動用のモーター8と、内刃9と、モーター8の回転動力を内刃9に伝動するギヤ機構10などを収容して構成してあり、その外面に、シート状の外刃12を逆U字状に保形する外刃ホルダー11が着脱可能に装着してある。外刃12は、ニッケル合金を電鋳して網刃として形成してあり、図1に示すように、刃面に沿って断面台形状の刃枠12aと、ひげ導入穴12bとを交互に備えている。刃枠12aの一側には鋭角の切刃13が形成してある。外刃12の一端は装着枠15を介して外刃ホルダー11に固定され、他端が外刃ホルダー11と装着枠16との間に設けた板ばね製の緊張ばね17で押下げ付勢してある。これにより、外刃12が弛むのを規制して、そのアーチ状部分を常に内刃9に密着させることができる。
内刃9は、円柱状の内刃ホルダー21と、内刃ホルダー21の軸心に沿って固定される金属製の内刃軸22と、内刃ホルダー21の周面に沿ってスパイラル状に植設される10個のブレード23とからなり、内刃ホルダー21を射出成形する際に、内刃軸22とブレード23とを成形用金型で保持して成形することにより、先の三者21〜23が分離不能に一体化してある。図1において、内刃9は、水平に支持される内刃軸22を中心にして、矢印で示すように反時計回転方向へ回転駆動されながら、外刃12と協同してひげ切断を行う。ブレード23は、その先端が基端側よりも内刃9の回転方向へ先行する状態で、即ち前傾姿勢で内刃ホルダー21に植設される。これは、ブレード23自体にすくい角αを与えるためである。
図1に示すように、ブレード23の先端縁の一方には鋭角の切刃24が形成され、先端縁の他方には逃げ面25が形成される。さらに、切刃24を挟んで、ブレードの厚み方向へ凹む刃凹部26と、刃凹部26と交差する摺動面27とが形成される。ブレード23は、ブレード前段体23Aに研削加工を施して形成される。
図3に示すように、ブレード前段体23Aの一群は、原材シート31にエッチング処理を施して湾曲帯状にくり抜き形成され、内刃ホルダー21に埋設される側の湾曲辺部に沿って貫通穴28の一群が形成してある。各ブレード前段体23Aと原材シート31とは、湾曲辺部の中央部分に設けた橋絡部30を介して繋がっている。
原材シート31は、厚みが0.2〜0.3mmの焼入れされたマルテンサイト系のステンレス板材からなり、図4(a)〜(d)に示すようにその表裏両面にフイルム状の感光膜を積層した後、フォトマスクを介して感光膜を露光し、感光膜を現像し洗浄することにより、露光部分が除去された耐蝕性のレジスト膜32が形成される。この状態の原材シート31の表裏両面にエッチング液を吹き付けることにより、レジスト膜32で覆われていない原材シート31の表裏のそれぞれにいくつかの凹曲面状の蝕刻面が形成される。
図4(b)において、蝕刻面はブレード前段体23Aの上面に形成される第1蝕刻面33と、ブレード前段体23Aの下面に形成される第2蝕刻面34と、先の貫通穴28を形成するためにブレード前段体23Aの上下面に形成される第4蝕刻面35とからなる。第1蝕刻面33によって先の刃凹部26が形成され、第2蝕刻面34によって逃げ面25が形成される。また、第1蝕刻面33と第2蝕刻面34とは、前記橋絡部30を含むブレード前段体23Aの周縁形状のうち、先端側の湾曲辺部を原材シート31にくり抜き形成するための蝕刻面を兼ねている。
ブレード23の先端に設けられる摺動面27は、後述するように研削加工を施すことによって形成するが、この摺動面27の厚み寸法T(図1参照)を小さくするために、第1蝕刻面33と第2蝕刻面34の蝕刻開始位置を、ブレード前段体23Aの幅方向に異らせている。詳しくは、図4(b)に示すように、第1蝕刻面33の中心位置P1を基準とするとき、第2蝕刻面34の中心位置P2を先の中心位置P1よりブレード先端寄りに位置させている。上下に対向する第4蝕刻面35の中心位置は同じ位置にあるので、図4(b)〜(c)に示すように、蝕刻の進行によって第1蝕刻面33と第2蝕刻面34とが繋がる以前に、両第4蝕刻面35どうしが繋がり、さらに蝕刻尖端部分の殆どが蝕刻されて貫通孔28となる。
第1蝕刻面33と第2蝕刻面34とが繋がることで形成される分断部38の中心は、第1蝕刻面33の中心位置P1の最深部39より寸法Eの分だけブレード先端側に形成される。この後、レジスト膜32を除去し、さらに橋絡部30を切断することにより、図4(d)に示す先端が尖ったブレード前段体23Aが得られる。ブレード前段体23Aは、プレス加工を施してスパイラル状に形成した後、成形用の金型に装填される。この状態で内刃ホルダー21を成形することにより、図5および図6に示すようにブレード前段体23Aが放射状に埋設固定されたブランクが得られる。このとき、ブレード前段体23Aは、その貫通穴28に溶融プラスチックが入り込むことで、内刃ホルダー21に対して分離不能に一体化される。
この後、第1・第2の蝕刻面33・34の交差部分によって形成されるブレード前段体23Aの周縁、即ち、各ブレード前段体23Aの先端部分にセンターレス研削加工を施すことにより、内刃ホルダー21と同心状の摺動面27が形成され、摺動面27と第1蝕刻面33によって切刃角度θが鋭角の切刃24が形成される。先に説明したように、分断部38の中心は、第1蝕刻面33の中心位置P1の最深部39より寸法Eの分だけブレード先端側に形成してある。そのため図4(d)に示すように、第1蝕刻面33と第2蝕刻面34との交差部分に、研削後の仕上がり位置Rまで研削加工を施すことにより、切刃24の角度θを鋭角に形成することができる。なお、仕上がり位置Rは中心位置P1の最深部39より、ブレード先端側に位置させる必要がある。
上記の切刃24の角度θは、内刃ホルダー21の直径線上に配置したブレード前段体23Aに研削加工を施した場合の刃先角度であるが、実際には、ブレード前段体23Aは内刃ホルダー21に対してすくい角αだけ傾く状態で固定してある。したがって、センターレス研削加工を施した状態では、切刃24の角度θはさらに小さくなる。つまり、先のように単体のブレード前段体23Aに、その幅方向線と直交する研削処理を施したと想定した場合の切刃24の角度θより、さら鋭角の切刃24に仕上がることとなる。因みに、実際の研削作業は、粗研削と仕上げ研削との2段階に分けて行われる。
以上のように構成した内刃9によれば、剛毛などを切断する場合にも撓み変形することのない厚みのブレード23でありながら、ブレード先端に形成される摺動面27の厚み方向の寸法(全長寸法)を0.1mmと小さくしながら、切刃24の角度を鋭角に形成できるので、長期にわたって良好な切れ味が得られるうえ、外刃12との摺動摩擦を小さくして、その分だけ消費電力量を削減できる。また、エッチング処理によって刃凹部26および逃げ面25を同時にしかも正確に形成できるので、加工ひずみのないブレード23をより低コストで形成できる。摺動面27の厚み方向の寸法が小さい分だけ、ひげ導入穴12bから外刃12の内部へのひげの入り込みを促進して、効果的にひげ切断を行える利点もある。
図7は、ブレード前段体23Aの別の形態を示す。そこでは、基本的に先の実施例と同様にしてブレード前段体23Aを形成するが、刃凹部26を形成する第1蝕刻面33に隣接して、第2蝕刻面34と対向する第3蝕刻面36を形成し、蝕刻の進行に伴って第2・第3の蝕刻面34・36が繋がることで分断部38が形成されるようにした。この分断部38は、ブレード前段体23Aの周縁形状のうち、先端側の湾曲辺部と原材シート31との間をくり抜く。つまり、原材シート31と、ブレード前段体23Aの周縁の一部が、第2・第3の蝕刻面34・36の交差部分によって分断されるようにした。
上記のように、第2・第3の蝕刻面34・36の交差部分に分断部38を形成すると、符号Rで示す仕上がり位置まで不用部分を除去して切刃24と摺動面27を形成する際に、凹曲面状に蝕刻される第1蝕刻面33のうち、蝕刻角度が急な周縁寄りの蝕刻面を利用して切刃24を形成できるので、より鋭いエッジの切刃24を簡便に形成できる。この実施例では、ブレード前段体23Aの幅方向線と直交する仕上がり位置Rを想定する場合に、切刃24の角度θを60度以下とすることができる。
ブレード前段体23Aは、上記のエッチング法で形成する以外に、プレス加工によって形成することができる。その場合には、図8(a)に示すように、原材シート31の片面に刃凹部26を凹み形成したのち、図8(b)に示すように、ブレード前段体23Aを原材シート31から湾曲帯状に打ち抜く。次に、図8(c)に示すように、ブレード前段体23Aを上下に反転して、その先端隅部に斜めの逃げ面25を形成する。得られたブレード前段体23Aを内刃ホルダー21に埋設固定した後、不用部分を研削面Rまで研削除去して、切刃角度θが鋭角の切刃24と摺動面27を形成する。
図9および図10は、本発明に係る回転式の内刃を備えた電気かみそりの別実施例を示す。そこでは、駆動軸41で回転駆動される円盤状の内刃ホルダー21と、内刃ホルダー21で出没自在に支持され、図示していないばねで進出付勢される複数個のブレード23などで内刃9を構成している。内刃9先のロータリー式の内刃9が横軸回りに回転駆動されるのに対し、この実施例の内刃9は縦軸(傾斜軸を含む)回りに回転駆動されて、外刃12と協同してひげ切断を行う。外刃12は部分球面状の網刃からなり、本体ケース1に対してねじ込み装着される筒キャップ状の外刃ホルダー11で支持されている。外刃12に摺接するブレード23の先端には、先の実施例と同様の逃げ面25、刃凹部26、および摺動面27が形成してあり、面刃凹部26と摺動面27との交差部分に切刃角度θが鋭角の切刃24が形成してある。この実施例における摺動面27は、外刃12の内面形状に対応して部分球面状に形成される。
上記の実施例では、ブレード前段体23Aをインサート成形後に、センターレス研削加工を施して切刃24を形成したが、その必要はない。例えば、原材シート31から分離したブレード前段体23Aを複数枚重ねたうえで固定し、研削加工を施すことができる。その場合には、インサート成形後のブレード前段体23Aに、仕上げのためのセンターレス研削加工を施すとよい。しかし、切刃24の仕上がり精度、および内刃ホルダー21に対する位置精度が充分である場合には、仕上げのためのセンターレス研削加工は省くことができる。
内刃構造を示すかみそりヘッドの断面図である。 電気かみそりの正面図である。 ブレード前段体の形成例を示す平面図である。 ブレード前段体の形成過程を示す概略断面図である。 完成直前の内刃構造を示す断面図である。 完成直前の内刃の一部を破断した側面図である。 ブレード前段体の別の実施形態を示す概略断面図である。 ブレード前段体のさらに別の実施形態を示す概略断面図である。 電気かみそりの別の実施例を示す縦断面図である。 図9におけるD−D線断面図である。
符号の説明
9 内刃
12 外刃
21 内刃ホルダー
22 内刃軸
23 ブレード
23A ブレード前段体
24 切刃
25 逃げ面
26 刃凹部
27 摺動面
33 第1蝕刻面
34 第2蝕刻面

Claims (3)

  1. 固定支持される外刃(12)と、外刃(12)の内面に沿って回転駆動される内刃(9)とを備えており、内刃(9)は、回転駆動される内刃ホルダー(21)と、基端が内刃ホルダー(21)に組み付けられる複数個のブレード(23)とを含み、
    ブレード(23)の先端片縁に、ブレード(23)の厚み方向へ凹む刃凹部(26)と、刃凹部(26)と交差する摺動面(27)とによって、鋭角の切刃(24)が形成してあり、
    ブレード(23)の先端片縁に鋭角の切刃(24)が形成され、残る先端縁の隅部分に逃げ面(25)が形成してあり、
    各ブレード(23)が、エッチング法で形成されたブレード前段体(23A)に研削処理を施して形成されており、
    ブレード前段体(23A)の表裏両面のそれぞれに、蝕刻面の中心位置(P1・P2)がブレード幅方向に異なる第1・第2の蝕刻面(33・34)を形成して、刃凹部(26)と逃げ面(25)とが形成されており、
    刃凹部(26)、および逃げ面(25)と同時に交差する摺動面(27)を形成して、刃凹部(26)と摺動面(27)との間に鋭角の切刃(24)が形成してあることを特徴とする回転式内刃を備えている電気かみそり。
  2. 刃凹部(26)を形成する第1蝕刻面(33)に隣接して、逃げ面(25)を形成する第2蝕刻面(34)と対向する第3蝕刻面(36)が形成されており、
    原材シート(31)と、ブレード前段体(23A)の周縁とが、第2・第3の蝕刻面(34・36)の交差部分によって分断されている請求項1記載の回転式内刃を備えている電気かみそり。
  3. 円柱状の内刃ホルダー(21)と、内刃ホルダー(21)の軸心に固定される内刃軸(22)と、内刃ホルダー(21)の周面に沿ってスパイラル状に植設される複数個のブレード(23)とを有するロータリー式の内刃(9)であって、
    第1・第2の蝕刻面(33・34)の交差部分によって形成されるブレード前段体(23A)の先端に研削処理を施して、刃凹部(26)と交差する摺動面(27)が形成してある請求項2記載の回転式内刃を備えている電気かみそり。
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