JP4919035B2 - スクロールコンプレッサ - Google Patents
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Description
消音装置付きスクロール流体機械には、固定端板に、径方向の内端へ向かって圧送された圧縮気体を導出するための径方向の外側に向く排出孔内に、流入孔を求心方向とした筒状消音器を嵌合したものがある。
また、吸気圧力の損失を少なくしようとして、吸気ポートの内径を大きく設定するが、そのために、スクロールコンプレッサの内部から発生する脈動音が吸気ポートから外部へ放出してしまい、よって、消音効果が低くなってしまうという不都合があった。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
絞り部9は、圧力損失が極力発生しないレベルまで口径Dが所定に絞られ(例えば、口径Dがφ10以下)、ハウジング2の内部からの吸気による脈動音を外部に放出しにくくし、外部に放出される脈動音を減衰させるものである。因みに、この絞り部9の口径Dの設定するための実験では、口径をφ10から2mmずつ小さくすると、φ10から振動レベルが減少し始め、φ6では3dB程度に下がり、そして、φ6以下でも振動レベルが減少していくが、吸入抵抗が増大して駆動系の消費電力が増えるので、妥協点として、口径Dは、φ6程度が最良である。よって、絞り部9の口径Dをφ6付近に設定することにより、脈動音の減衰を最も効果的に実施することが可能である。
また、絞り部9においては、ポンプ容量が異なる(大きい)場合でも、口径Dがφ10よりも大きい絞り部9を形成していると、当然そこからの脈動音の漏出が、その口径の大きさに応じた大きさの脈動音を発生するので、人間の聞く音として許容させるためには、ポンプ容量等に関わらず、上記の口径Dの寸法が妥当となり、当然容量が大きければ、吸気の吸入抵抗が大きくなるので、適宜、吸気ポート8の個数を増やしたりして、トータルの吸気通過面積を確保する必要がある。
なお、絞り部9においては、脈動音を低減すれば良いものであり、円形に限られず、楕円形、矩形、スリット形等の他の形状でも良く、しかも、複数設けることも可能である。
ファネル部10は、丸みRで上方に広がるように形成され、絞り部9に吸入される外気の流れを円滑にして、導入される外気の吸入抵抗を低減するものである。
駆動スクロール15には、図2に示すように、渦巻状の一組の駆動ラップ部17が別体に形成されている。また、この駆動スクロール15には、一組の駆動ラップ部17の軸方向両端を支持する第1駆動側受け部18、第2駆動側受け部19が設けられている。
第2駆動側受け部19は、第2端板23とこの第2端板23の軸方向他側から突出された第2支持軸24とからなる。この第2支持軸24には、第2駆動側軸受部25が形成され、また、軸方向に延びる吐出口26が貫通して設けられている。
スクロール壁32には、外面円周方向中央に周壁部3の吸気ポート8に連通する周溝部34が窪んで形成され、また、この周溝部34を空間33の外周部位に連通する吸入口35が形成されている。
また、従動スクロール16は、一組の従動ラップ部30の内周端の連結部31の軸方向他側(ハウジング2の第2側壁部5側)に、一組の空間33の内周部を連通する連通部36が窪んで形成されている。この連通部36は、駆動スクロール15の吐出口26に連通する。
従動スクロール16には、図2に示すように、駆動スクロール15の駆動ラップ部17が空間33に挿入され、これにより、駆動ラップ部17と従動ラップ部30とが互いに噛み合わされ、圧縮室37が形成される。そして、駆動スクロール15は、従動スクロール16に対して旋回運動可能となる。
この場合、吸気ポート8部位においては、所定の内径Dで形成された絞り部9によってハウジング2内で発生する吸気による脈動音が減衰され、吸気ポート8を通して外部に漏れる騒音を低減し、また、ファネル部10によって絞り部9に吸入される空気の吸入抵抗が低減される。
以下の実施例においては、上述の第1実施例と同一機能を果たす箇所には同一符号を付して説明する。
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、ハウジング2の周壁部3の外周面には、吸気ポート8を覆うとともに外気取入口61が備えられたカバー62を装着する。外気取入口61と吸気ポート8との間には、脈動音を減衰させる拡張室63が形成される。
また、カバー62には、空気浄化器64が装着される。この空気浄化器64は、外気取入口61に連通するケース65内にフィルタエレメント66を内蔵するとともに、ケース65に複数の外気吸入口67を形成している。
更に、ハウジング2の周壁部3には、吸気ポート8で、口径Dの絞り部9とこの絞り部9の上流側のファネル部10とを備えた調整部材68が取り付けられる。
この第2実施例の構成によれば、吸気ポート8を通過した脈動音を拡張室63によって減衰させ、そして、吸気ポート8を通して外部に漏れる騒音を絞り部9によって低減することができ、また、カバー62の遮音効果によって吸気ポート8を通して外部に漏れる騒音を低減することができ、さらに、消音構造の小型化を図ることができる。
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、ハウジング2の周壁部3の外周面には、吸気ポート8を覆うとともに外気取入口61が備えられカバー62を装着する。外気取入口61と吸気ポート8との間には、脈動音を減衰させる拡張室63が形成される。
また、カバー62には、空気浄化器64が装着される。この空気浄化器64は、外気取入口61に連通するケース65内にフィルタエレメント66を内蔵するとともに、ケース65に複数の外気吸入口67を形成している。
更に、ハウジング2の外周面には、吸気ポート8において、口径Dの絞り部9を周壁部3に形成するとともにこの絞り部9を延長する高さHの延長パイプ69を装着する。この延長パイプ69の上流側には、ファネル部10が設けられる。
この第3実施例の構成によれば、絞り部9の長さを延長パイプ69より所定に延長することで、さらにハウジング2内で発生する吸気による脈動音を低減することができる。
この第4実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、上記の第1実施例におけるスクロールコンプレッサ1において、ハウジング2の周壁部3の外周面には、吸気ポート8を覆うとともに複数の外気吸入口70を形成したカバー71を装着する。空気吸入口70と吸気ポート8との間には、脈動音を減衰させる拡張室72が形成される。また、カバー71内には、フィルタエレメント73が装着される。つまり、ハウジング2を囲い込む形状で空間としての拡張室72を形成して一体構造とし、そして、この拡張室72内にフィルタエレメント73を充填することにより、消音容量の確保と空気の清浄化とを両立させ、さらに、吸気ポート8を絞ることで、その効果を大きくすることが可能となる。
この第4実施例の構成によれば、フィルタエレメント73によってハウジング2内で発生する脈動音を吸収又は減衰させ、吸気ポート8を通して外部に漏れる騒音を低減することができる。
この第5実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、ハウジング2は、例えば、箱型であり、従動スクロール16対して径方向に拡大され、絞り部9の下流側且つ四隅に拡張室74A〜74Dが形成する。つまり、ハウジング2は、内部稼働部分(駆動部)に合わせた形状である円筒形状である必要がなく、箱型等にして内部空間の容量を大きくすることにより、脈動音の低減効果を大きくすることができる。このように、ハウジング2を箱型に構成した場合に、ハウジング2の内部空間(容量)は、通常時に比べて25%程度大きくなる。
この第5実施例の構成によれば、ハウジング2内に複数の拡張室74を設けることによって、ハウジング2内で発生する脈動音を吸気ポート8に達する前に減衰させることができ、これにより、絞り部9の内径を拡大して外気の吸入抵抗を低減することができる。
この第6実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、ハウジング2の周壁部3には、空気の吸入抵抗を低減するために、複数(例えば、4つ)の吸気ポート75(75A〜75D)を所定に配置して形成する。これら吸気ポート75(75A〜75D)には、内径Dの絞り部9(9A〜9D)がそれぞれに形成されている。
なお、絞り部9(9A〜9D)においては、脈動音を低減すれば良く、円形に限られず、楕円形、矩形、スリット形状等の他の形状でも良く、しかも、複数個設ける場合に、そのレイアウトや間隔(近接配置又は離間配置)等が自由に設定可能である。
この第6実施例の構成によれば、複数の吸気ポート75によって外気の吸入抵抗を低減することができる。
また、複数の吸気ポート75を形成することによって各絞り部9をさらに絞ることが可能であり、このように各絞り部9をさらに絞ることにより、吸気損失を減少させることができる。
更に、複数の吸気ポート75の設計(レイアウト)においては、吸気音の減少、吸気損失の減少を実現しつつ、設計の自由度を高くすることができる。
この第7実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、ハウジング2の周壁部3には、絞り部9を延長するように、図9(A)では、所定高さの直線状の延長パイプ76を設け、また、図9(B)では、所定高さのL字状の延長パイプ77を設けた。
この第7実施例の構成によれば、直線状の延長パイプ76やL字状の延長パイプ77によって絞り部9を延長して吸気による脈動音を低減することができる。また、特に、図9(B)のように、L字状の延長パイプ77を設けることにより、この延長パイプ77の湾曲部位77Mで吸気による脈動音を効率良く低減させることができる。
2 ハウジング
3 周壁部
8 吸気ポート
9 絞り部
10 ファネル部
15 駆動スクロール
16 従動スクロール
17 駆動ラップ部
26 吐出口
30 従動ラップ部
32 スクロール壁
33 空間
35 吸入口
37 圧縮室
53 吐出部材
57 吐出ポート
Claims (3)
- 軸方向両端部が閉鎖された筒状のハウジング内に駆動スクロールと従動スクロールとを回転自在に支持し、前記ハウジングの外周面に吸気ポートを設けるとともに前記ハウジングの軸方向端部には吐出ポートを設け、前記駆動スクロールに渦巻き状の駆動ラップ部を形成するとともに前記従動スクロールには渦巻き状の従動ラップ部を形成し、前記駆動ラップ部と前記従動ラップ部とを互いに噛み合わせるとともに前記駆動スクロールを前記従動スクロールに対して旋回運動させ、前記駆動ラップ部と前記従動ラップ部との間に形成される圧縮室を圧縮しながら径方向外側から内側へと移動させ、前記吸気ポートから外気を取り込むとともに前記圧縮室で圧縮した外気を前記吐出ポートから吐出するスクロールコンプレッサにおいて、前記吸気ポートには外部に放出される脈動音を減衰させる絞り部を設けるとともに、この絞り部の上流側には外気の吸入抵抗を低減させるファネル部を設け、前記吸気ポートを覆うとともに外気取入口が備えられたカバーを前記ハウジングの外周面に装着し、前記吸気ポートと前記外気取入口との間には脈動音を減衰させる拡張室を形成したことを特徴とするスクロールコンプレッサ。
- 前記ハウジングの外周面には前記吸気ポートに前記絞り部を延長する延長パイプを装着し、この延長パイプの上流側には前記ファネル部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスクロールコンプレッサ。
- 前記カバー内には、フィルタエレメントを装着したことを特徴とする請求項1に記載のスクロールコンプレッサ。
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