JP4918950B2 - 2,5−ジアリールアミノテレフタル酸の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,バイオレット色または赤色のキナクリドン系顔料を調製するための中間体である,2,5−ジアリールアミノテレフタル酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル及びその誘導体の空気酸化による2,5−ジアリールアミノテレフタル酸及びその誘導体の合成法は古くから検討されており,例えば,次の様な方法がある。
(1)中性又は酸性条件下空気酸化して2,5−ジアニリノテレフタル酸ジメチルまたはその誘導体とし,これをアルカリ加水分解して2,5−ジアリールアミノテレフタル酸またはその誘導体とする方法;2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル及びその誘導体をキシレン中空気酸化,アルコール,アルカリを加えて加水分解する方法(特公昭52−21499号公報)。
(2)アルカリ性条件下空気酸化により,酸化と加水分解を同時に行う方法;
2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチルまたはその誘導体をアルカリ性アルコール中酸素移動剤と第四級アンモニウム化合物との存在下空気酸化,同時に加水分解する方法(特開平2−169556号公報),2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチルまたはその誘導体をアルカリ性アルコール中酸素移動剤の存在下空気酸化,同時に加水分解,酸素濃度で制御する方法(特開平9−20690号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来技術の製造方法においては,▲1▼酸素移動剤を用いた場合には、それの回収が困難で廃水中に流失するので,廃水処理が別途必要となる,▲2▼反応の再現性が悪い,▲3▼本反応系が気−固−液の三相系の気液接触反応であるため,気液混合器として,浸漬攪拌式,表面攪拌式及び自己吸引式などがあるが,一般的に多用されている円筒槽の槽底近くに設置した攪拌翼によって,翼近傍のノズルから供給されるガスを微細化し,槽内循環流によって気泡を分散させる浸漬式では効率的な気液接触が出来ず,反応時間が長くなる,等の欠点を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者等は,上記実状に鑑みて鋭意検討した結果,ある特定の混合器を用いて気液反応を行う様にすると,別の混合器に比べて簡便に気液接触効率を飛躍的に高めることが出来,上記課題が解決されることを見い出し,本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち本発明は、2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアルキル(A)の溶媒溶液または溶媒懸濁液を、酸素または酸素を含むガス(B)で酸化し加水分解する気液反応により2,5−ジアリールアミノ−3,6−テレフタル酸(C)の製造方法において、円筒管内部の流路に固定されたひねり無し直交平板を有するガイドベーン室と、それに隣接する流路内壁に独立して固定された複数の凸状体を有するカレントカッター室とが設けられた混合器(X)を用い、前記(A)の溶媒溶液または溶媒懸濁液と酸素または酸素を含むガス(B)との混合物を、前記混合器(X)のガイドベーン室にて旋回流となし、次いでその混合物をカレントカッター室に導入し、この混合物を遠心力により前記複数の凸状体に衝突させるか、または、前記(A)の溶媒溶液または溶媒懸濁液とを前記混合器(X)のガイドベーン室にて旋回流となしてから、酸素または酸素を含むガス(B)をカレントカッター室に導入し、前記(A)の溶媒溶液と酸素または酸素を含むガス(B)との混合物を遠心力により前記複数の凸状体に衝突させて、
前記気液反応を行うことを特徴とする2,5−ジアリールアミノテレフタル酸の製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の製造方法を更に詳しく説明する。
本発明では、2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアルキル(A)を酸素または酸素を含むガス(B)を用いて、六員環ジエン部分の酸化とアルキルエステルの加水分解を行うことにより、2,5−ジアリールアミノ−3,6−テレフタル酸(C)とする。
【0007】
2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアルキル(A)としては、芳香環に置換基を有さないもの又は芳香環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を有するものが挙げられ、例えば、2,5−ジフェニルアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル、2,5−ジフェニルアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジエチル、2,5−ジトルイジノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル、2,5−ジアニシジノアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル、2,5−ジクロロフェニルアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル、2,5−ジブロモフェニルアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル等が挙げられる。この様な原料(A)は、サクシノコハク酸またはその誘導体と、芳香族モノアミンとを反応させることにより得ることが出来る。
【0008】
この成分(A)は、それを溶解する溶媒に溶解し、溶媒溶液として気液反応に供する。場合によっては、成分(A)の全てが溶解していない懸濁液であっても良い。
【0009】
成分(A)を溶解する溶媒としては、有機溶媒を含む液媒体があり,例えば低級アルコール類が望ましく,例えば,メタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,イソブタノール,n−ブタノール等が挙げられ,なかでも蒸留等により回収が容易に可能であることからn−ブタノールが望ましい。必要ならば,水を併用しても良い。
【0010】
この溶媒溶液または溶媒懸濁液の成分(A)の濃度は特に制限されるものではないが、20〜80重量%となる様にし、かつ、後述する混合器内での充分な流動性が確保できる様に調製するのが好ましい。
【0011】
本発明では,成分(A)と後述する成分(B)との反応を促進する触媒を併用するのが好ましい。この際の触媒〔酸素移送(動)剤と呼ばれる場合がある〕としては、キノンであるアントラキノン,フェナントキノン,ナフトキノン及びクロラニル並びにそれらのスルホン酸誘導体,それらのカルボン酸誘導体,それらのスルホン酸塩誘導体,それらのカルボン酸塩誘導体等が挙げられる。キノンのスルホン酸誘導体としては,例えばアントラキノン−2−スルホン酸等を用いることが可能である。なかでも低級アルコールに対する溶解性も低く、反応混合物からの回収が容易で,経済的に有利であるアントラキノンを用いるのが望ましい。この触媒の使用量は,一般に成分(A)の総使用量の0.3〜8.0重量%相当量の範囲が望ましい。
【0012】
本発明では加水分解を生起させるために,塩基としては特に限定はないが,例えばアルカリ金属の水酸化物,アルカリ金属のアルコキシド,アルカリ土類金属の水酸化物,アルカリ土類金属のアルコキシド等の強塩基性無機化合物及び有機強塩基等が挙げられ,なかでもアルカリ土類金属の水酸化物,アルカリ金属のアルコキシドが好ましい。
【0013】
上記,強塩基性無機化合物としては,例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム,水酸化カルシウム,カリウム−t−ブトキシド,カリウムメトキシド,カリウムエトキシド,ナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシド等が挙げられ,なかでも水酸化ナトリウム,水酸化カリウムが特に望ましい。上記塩基の使用量は,一般に成分(A)の総使用量の2.0〜3.0モル%相当量の範囲が望ましい。
【0014】
本発明においては、塩基を用いる場合には、加水分解反応が生起してから酸化反応が生起する。従って、塩基を一括仕込みする場合には、加水分解に充分な量の全量を予め用いる様にする。また、加水分解に必要な塩基の全量を幾つかに分割して、最終的には全量仕込まれる様にして、逐次、加水分解と酸化を行う様にしても良い。連続生産を前提とする場合には、後者の分割添加の方法がより効率的であり好ましい。
【0015】
本発明の製造方法においては、従来反応に用いられていた第4級アンモニウム塩を使用する必要がなく、それを使用していた際の不都合は生じないし、それを除去するために工程は特に必要とされない。
【0016】
酸素または酸素を含むガス(B)としては、例えば酸素ガス、空気(酸素含有率約21体積%)等が挙げられる。成分(B)は、必要ならば不活性ガス,例えば窒素ガスや,ヘリウム,アルゴン等の希ガスにて希釈して用いることも出来る。
しかしながら、成分(B)としては、入手の容易性や反応の穏やかさの点で、空気を用いるのが好ましい。
【0017】
成分(A)と成分(B)との使用割合は、成分(A)1モル当たり成分(B)中の酸素が2モル以上、好ましくは2〜4モルとなる様にする。
【0018】
本発明の製造方法において使用する気液接触を行う混合器は,円筒管内部の流路に固定されたひねり無し直交平板を有するガイドベーン室と、それに隣接する流路内壁に独立して固定された複数の凸状体を有するカレントカッター室とが、少なくとも設けられた混合器(X)である。
【0019】
凸状体は、きのこ状であることが、境膜剥離現象をより確実に生起させ、混合効率を高められる点で好ましい。個々の凸状体は流路内壁に密接して、円筒管内部の流路の円筒中心に向けて多数設けられているが、この凸状体は、例えば流路長1cm当たり内壁に1〜2つ固定されている。
【0020】
混合器(X)としては、前記構成の他にカレントカッター室に流体を導入できるエゼクター部を有するもの(エゼクター型)と、それを有さないもの(フロート型)がある。いずれの場合も、少なくとも、流体がスパイラル状にカレントカッター室を通過して充分に混合される様な仕組みになっている。
【0021】
フロート型の混合器(X)の場合には、成分(A)と成分(B)と必須成分とし、それらを予め反応に必要な割合に混合した混合物をまず調製し、これをガイドベーン室入口に導入する様にする。こうして、前記混合物は、ひねり無し直交平板により旋回流とされ、次いで、遠心力により旋回しながらそれに隣接する複数の凸状体に衝突しながら、カレントカッター室入口から出口に向けて移動することにより混合が行われる。
【0022】
エゼクター型の混合器(X)の場合には、まず、成分(A)を必須成分とする溶媒溶液または懸濁液をガイドベーン室入口に導入する様にし、一方、成分(A)との反応に必要な量の成分(B)をカレントカッター室入口に導入する様にする。こうして、前記溶媒溶液または懸濁液はひねり無し直交平板により旋回流とされ、次いで、カレントカッター室入口にて、成分(B)と合流し、遠心力により旋回しながらそれに隣接する複数の凸状体に衝突しながら、カレントカッター室入口から出口に向けて移動することにより混合が行われる。
【0023】
尚、エゼクター型の混合器(X)においては、フロート型と同様の使用方法を採用することも出来、この使用方法で、必要に応じて、混合物に含まれる以外の成分(B)をカレントカッター室入口に補足的導入することも出来る。
【0024】
流体を繰り返し混合器に通過させるのであれば、フロート型にせよエゼクター型にせよいずれの混合器(X)でも、ガイドベーン室とカレントカッター室を通過し混合が行われることになる。
【0025】
本発明の製造方法においては、成分(A)を必須成分として含む溶媒溶液または懸濁液と成分(B)とは、混合器(X)内において、温度80〜95℃となる様にするのが、副生成物がより少なく、酸化と加水分解の収率がより高くなる点で好ましい。また、混合器(X)の入口に与える圧力は、特に制限されないが、通常6.9×104〜34.0×104Paの範囲から選択できる。
【0026】
反応に当たっては、例えば成分(A)を必須成分として含む溶媒溶液または懸濁液と、成分(B)とを上記温度範囲となる様に予め予熱して用いる様にしてもよいし、混合すべき流体を搬送するラインを水蒸気や熱媒等で加熱してやっても良いし、混合器(X)の外側を加熱することも出来る。
【0027】
本発明の製造方法は、成分(A)を必須成分として含む溶媒溶液または懸濁液のための貯槽、液体を搬送する無脈動型の循環ポンプ、ラインを予熱するジャケット、本発明で用いる特定の混合器(X)、これらを連結し循環させるラインとを接続して系を設けて、成分(A)と成分(B)とを必須成分として含む混合物を混合器(X)に連続的に通過させることにより実施することが出来る。さらに、必要であれば、前記貯槽の溶媒等が揮散することを考慮して、コンデンサー、さらにコンデンサーの先にトラップ用貯槽を設けることも出来る。
【0028】
こうして混合器(X)内で、酸化と加水分解の両反応を行うことが出来るが、この反応の終点は、予め、所定成分(A)/(B)比、所定流体流量、所定混合器(X)、所定温度、所定圧力で、流体を系内に循環させ、所定時間間隔で、所定サンプリング位置にて、系内酸素濃度を測定し、それが低下し一定値に飽和するまでの時間を求めるか、または、同様に流体のほうをサンプリングし、それをクロマトグラフィー分析し、生成物たる2,5−ジアリールアミノテレフタル酸の生成量が飽和するまでの時間を求めることにより決定できる。そうすれば、その条件において同一時間反応を行うことにより本発明の製造方法を実施出来る。
【0029】
本発明おいては、混合器(X)は複数個を直列に連結して用いることも出来るが、通常は混合器(X)をひとつだけ用い、混合器(X)内の流体流量が、10〜22リットル/分となる様にし、流体を100〜400回通過させる様にするのが好ましい。
【0030】
本発明では、反応時間は特に制限されないが、通常2〜4時間である。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において「部」及び「%」は、夫々『重量部』及び『重量%』を表す。
【0032】
<実施例1>
攪拌羽根付き攪拌装置付きの36リットル貯槽にサクシノコハク酸ジメチル3500部,p−トルイジン3848部,35%塩酸143部及びn−ブタノール17500部を仕込み,常圧下,窒素を吹き込みながら,攪拌下で,83℃で2時間縮合反応を行った。このようにして得られた生成物を吸引濾過して,n−ブタノールを除去した後,メタノール及び温水で充分洗浄した。このようにして得られたケーキを乾燥させて,生成物(2,5−ジ−p−トルイジノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル)を得た。
【0033】
この様にして得た生成物120部,n−ブタノール6000部,アントラキノン96部,48%苛性ソーダ284部を再度前記貯槽に加えた後,前記攪拌装置とコンデンサーを取り付けた前記貯槽,無脈動型循環ポンプ,混合器(西華産業製エゼクタ型OHRラインミキサー・MX−E10型,図1に示した概略構造を有する),前記貯槽の順にラインを連結配管し、毎分12リットルの通液量で循環し,圧縮空気を混合器のエゼクタ部に毎分12リットルの通気量で圧入しながら,常圧下,水蒸気を通したジャケットでラインを予熱し、92〜93℃で0.5時間反応した。尚、コンデンサーを用いて成分(A)の揮発分を水冷し貯槽に戻す様にした。図3の連続反応系を反応に用いた。
【0034】
反応中に出口の廃ガス中の酸素濃度を測定し,酸素利用率を算出した。その結果,酸素利用率は最大83.2%であった。また,ほぼ加水分解反応が終了している0〜20分間の平均酸素利用率は39.6%であった。
【0035】
尚、実際の反応においては、図3の連続反応系により、48%苛性ソーダ284部を4回に分けて20分間隔で前記貯槽に加え、混合器入口に与える圧力9.8×104Paで、通液量毎分12リットル、圧縮空気通気量12リットルで系内を循環させ、総循環時間3時間となる様に両反応を完結させ、2,5−ジ−p−トルイジノ−3,6−テレフタル酸を得た。
【0036】
<実施例2>
実施例1と同様にして毎分20リットルの通液量で循環し,毎分12リットルの圧縮空気通気量で圧入しながら,常圧下,92〜93℃で0.5時間反応した。反応中に出口の廃ガス中の酸素濃度を測定し,酸素利用率を算出した。また,ほぼ反応が終了している0〜20分間の平均酸素利用率は53.7%であった。
【0037】
尚、実際の反応においては、48%苛性ソーダ284部を4回に分けて20分間隔で前記貯槽に加え、混合器入口に与える圧力3.4×105Paで、通液量毎分20リットル、圧縮空気通気量12リットルで系内を循環させ、総循環時間2時間となる様に両反応を完結させ、2,5−ジ−p−トルイジノ−3,6−テレフタル酸を得た。
【0038】
<比較例1>
混合器(ノリタケ製ディスパージョンミキサー・SMD−40型)を実施例1の混合器に代えて用い,毎分12リットルの通液量で循環し,毎分12リットルの圧縮空気通気量で圧入しながら,常圧下,92〜93℃で0.5時間反応する以外は実施例1と同様の操作を行った。反応中に出口の廃ガス中の酸素濃度を測定し,酸素利用率を算出した。その結果,酸素利用率は最大29.2%であり,ほぼ反応が終了している0〜20分間の平均酸素利用率は22.7%であった。
【0039】
尚、実際の反応においては、48%苛性ソーダ284部を4回に分けて20分間隔で前記貯槽に加え、混合器入口に与える圧力9.8×104Paで、通液量毎分12リットル、圧縮空気通気量12リットルで系内を循環させ、総循環時間時間となる様に両反応を完結させ、2,5−ジ−p−トルイジノ−3,6−テレフタル酸を得た。加水分解と酸化との反応を円滑に進める様に系の装置運転条件等を色々工夫をしても、2,5−ジ−p−トルイジノ−3,6−テレフタル酸を同一収量を得ようとすれば実施例1よりもさらにかなり長い反応時間を要した。
【0040】
【表1】
表1.酸素利用率の比較
Figure 0004918950
【0041】
上記実施例と比較例との対比から明らかな様に、本発明においては、従来の混合器を用いた反応に比べて酸素の利用効率が高く、加水分解と酸化との総反応時間を従来よりも短縮化でき、2,5−ジアリールテレフタル酸の単位時間における生産性を向上させることが出来る。
【0042】
【発明の効果】
本発明では,気−固−液の三相系の気液接触反応を行うに当たり,混合器として特殊構造を有するものを用いるので、従来の混合器では達成できなかった非常に高い気液接触効率が達成される結果,総反応時間が短縮でき,酸化剤たる成分(B)の使用量も削減出来るので,生産効率及び経済性の高いプロセスが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いることのできる混合器の一例である、エゼクタ型ラインミキサの断面図である。
【図2】 本発明で用いることのできる混合器の一例である、フロート型ラインミキサの断面図である。
【図3】 本発明の製造方法で用いることのできる連続反応系の一例(実施例にて用いたもの)を示す図である。
【符号の説明】
1 ガイドベーン室に設けられた、ガス(B)を導入するエゼクタ部
2 ガイドベーン室に設けられた、ひねりなし直行平板
3 カレントカッター室に設けられた、きのこ状衝突体
4 混合器入口
5 混合器出口
6 混合器本体
7 貯槽
8 攪拌羽根付き攪拌装置
9 コンデンサー
10 無脈動型循環ポンプ
11 水蒸気を通過させてラインを予熱するジャケット

Claims (1)

  1. 2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアルキル(A)の、アントラキノン,フェナントキノン,ナフトキノン及びクロラニルからなる群から選ばれる一種以上のキノンを含む、メタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,イソブタノール,n−ブタノールからなる群から選ばれる一種以上の低級アルコール類溶液または同懸濁液を、酸素または酸素を含むガス(B)で酸化し加水分解する気液反応により2,5−ジアリールアミノ−3,6−テレフタル酸(C)の製造方法において、円筒管内部の流路に固定されたひねり無し直交平板を有するガイドベーン室と、それに隣接する流路内壁に独立して固定された複数の凸状体を有するカレントカッター室とが設けられた混合器(X)を用い、前記(A)の溶媒溶液または溶媒懸濁液と酸素または酸素を含むガス(B)との混合物を、前記混合器(X)のガイドベーン室にて旋回流となし、次いでその混合物をカレントカッター室に導入し、この混合物を遠心力により前記複数の凸状体に衝突させるか、または、前記(A)の溶媒溶液または溶媒懸濁液を前記混合器(X)のガイドベーン室にて旋回流となしてから、酸素または酸素を含むガス(B)をカレントカッター室に導入し、前記(A)の溶媒溶液と酸素または酸素を含むガス(B)との混合物を遠心力により前記複数の凸状体に衝突させて、前記気液反応を行うことを特徴とする2,5−ジアリールアミノテレフタル酸の製造方法。
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