本発明は、排ガス浄化装置及び排ガス浄化制御方法に関するものである。特に、この発明は、排ガスの浄化作用の向上を図ることのできる排ガス浄化装置及び排ガス浄化制御方法に関するものである。
車両等に搭載される内燃機関の運転時には、排ガスが排出されるが、この排ガスには多くの不純物が含まれており、例えば、内燃機関の一例であるディーゼルエンジンの運転時に排出される排ガスには、微粒状物質、いわゆるパティキュレート・マターが多く含まれている。このため、これらの排ガスをそのまま大気に放出することは大気汚染の要因になるため、従来の内燃機関には、様々な排ガス浄化装置が備え付けられていた。例えば、特許文献1に記載の燃焼排ガス用NOx還元システムでは、空気供給源から供給された空気の一部をオゾンに変化させるオゾン発生装置を設け、このオゾン発生装置によって発生したオゾンを含む空気に対して燃料を添加し、この空気を、排ガスを浄化する触媒コンバータの上流側に供給している。触媒コンバータは、内燃機関から排出される排ガスを浄化するが、オゾンと燃料を含む空気が供給されることにより、排ガスはさらに浄化され易くなる。即ち、オゾンの酸化作用によって、排ガスは効率良く浄化される。この結果、浄化性能の向上を図ることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の燃焼排ガス用NOx還元システムでは、オゾン発生装置に空気を供給する空気供給源には、エアコンプレッサまたはエアポンプによって空気を供給しているが、この場合、これらのエアポンプ等を新たに設けなければならない。このため、このエアポンプ等を駆動させる必要があり、新たな駆動源が必要となっていた。或いは、このエアポンプ等を内燃機関によって作動させる場合には、外部に対する内燃機関の出力低下の要因にもなっていた。さらに、このように、エアポンプ等を新たに設けることにより、部品点数が増加するので、製造コストの上昇を招く要因にもなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より効率良く排ガスを浄化できる排ガス浄化装置及び排ガス浄化制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る排ガス浄化装置は、内燃機関に吸入される空気である吸入空気を前記内燃機関に供給可能な過給手段と、前記内燃機関から排出された排ガスを浄化する浄化手段と、前記過給手段から空気が供給可能に設けられていると共に前記過給手段によって供給される前記空気である浄化用空気からオゾンを生成し、且つ、前記オゾンを前記浄化手段に供給可能に設けられたオゾン発生手段と、を備えることを特徴とする。
この発明では、浄化手段に供給することにより、当該浄化手段による排ガスの浄化作用を向上させることのできるオゾンを、オゾン発生手段によって生成している。さらに、オゾン生成用の空気である浄化用空気を、内燃機関に吸入される吸入空気を内燃機関に供給する過給手段によってオゾン発生手段に供給している。これにより、浄化用空気をオゾン発生手段に供給する際に、内燃機関の運転に用いる過給手段によって浄化用空気を供給できるので、エアポンプ等の新たな駆動源を設けることに起因する内燃機関の外部への出力の低下を抑制することができ、排ガスを浄化する際の効率の向上を図ることができる。また、新たにエアポンプ等を設けることなく、排ガスの浄化作用を向上させることができる。これらの結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記過給手段は、前記排ガスの圧力によって作動すると共に、前記過給手段の作動を補助する作動補助機構が備えられていることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記作動補助機構は、電気で作動する電動機を備えていることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記浄化用空気は、前記内燃機関に供給される前記吸入空気の冷却率よりも高い冷却率で前記オゾン発生手段に供給されることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記吸入空気の通路である吸気通路には、前記吸気通路を開閉する吸入空気用バルブが設けられており、前記浄化用空気の通路である浄化空気通路には、前記浄化空気通路を開閉する浄化空気用バルブが設けられていることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記吸気通路には、前記吸入空気の流れ方向における前記吸入空気用バルブの下流側に、前記過給手段を通らない空気の通路である非過給空気通路が接続されていることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記浄化用空気の通路である浄化空気通路には、前記浄化用空気の流量を調節する浄化空気調整バルブが設けられていることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記浄化空気通路には、前記浄化用空気を冷却する浄化空気冷却手段が設けられていることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記吸気通路には、前記吸入空気を冷却する吸入空気冷却手段が設けられており、前記浄化空気冷却手段は、前記吸入空気冷却手段よりも冷却効率が高くなっていることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記吸気通路と前記浄化空気通路とは、前記過給手段から送出される空気の通路である供給通路から分岐して設けられており、前記供給通路と前記浄化空気通路との間には、双方に連通するバイパス通路が設けられており、前記バイパス通路には、前記バイパス通路を開閉するバイパス通路用バルブが設けられていることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化装置は、前記供給通路には、前記過給手段から送出された空気を冷却する送出空気冷却手段が設けられており、且つ、前記浄化空気通路には、前記浄化用空気を冷却する浄化空気冷却手段が設けられていることを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化制御方法は、内燃機関の出力増加要求を検出する手順と、前記出力増加要求が有る場合に、過給手段で前記内燃機関に供給される空気である吸入空気の通路である吸気通路に設けられた吸入空気用バルブを開く手順と、前記出力増加要求が無い場合に、前記吸入空気用バルブを閉じる手順と、前記過給手段から供給される空気である浄化用空気からオゾン発生手段によって生成されると共に、前記内燃機関から排出された排ガスを浄化する浄化手段に対して供給されるオゾンの供給要求を検出する手順と、前記オゾンの供給要求が有る場合に、前記浄化用空気の通路である浄化空気通路に設けられた浄化空気用バルブを開く手順と、前記オゾンの供給要求が無い場合に、前記浄化空気用バルブを閉じる手順と、前記出力増加要求、または前記オゾンの供給要求の少なくともいずれか一方が有る場合に、前記過給手段に備えられた作動補助機構を作動させる手順と、前記出力増加要求、及び前記オゾンの供給要求のいずれも無い場合に、前記作動補助機構を停止する手順と、を含むことを特徴とする。
この発明では、内燃機関の出力増加要求に応じて吸入空気用バルブの開閉を行ない、オゾンの供給要求に応じて浄化空気用バルブの開閉を行なっている。さらに、内燃機関の出力増加要求、またはオゾンの供給要求のいずれか一方が有る場合には、過給手段に備えられた作動補助機構を作動させている。これにより、オゾンの供給要求が有った場合に、より確実にオゾン発生手段に対して浄化用空気を供給することができ、より確実に浄化手段に対してオゾンを供給することができる。この結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
また、この発明に係る排ガス浄化制御方法は、さらに、前記出力増加要求が有る場合に、前記浄化空気用バルブを閉じると共に、前記吸気通路と前記浄化空気通路とが分岐して設けられると共に前記過給手段から送出される空気の通路である供給通路と、前記浄化空気通路との双方に連通するバイパス通路を開閉するバイパス通路用バルブを閉じる手順と、前記オゾンの供給要求が有る場合に、前記吸入空気用バルブを閉じると共に、前記バイパス通路用バルブを開く手順と、前記出力増加要求、及び前記オゾンの供給要求が有る場合に、前記吸入空気用バルブ及び前記バイパス通路用バルブを開くと共に、前記浄化空気用バルブを閉じる手順と、を含むことを特徴とする。
また、この発明に係る排ガス浄化制御方法は、さらに、前記出力増加要求が有る場合において前記オゾンの供給要求が有る場合に、前記浄化手段に流入する前記排ガスの圧力が所定の圧力よりも高い場合には、前記吸入空気用バルブを閉じると共に前記浄化空気用バルブ及び前記バイパス通路用バルブを開き、前記オゾンの供給要求が有る場合おいて前記出力増加要求が有る場合に、前記浄化手段に流入する前記排ガスの圧力が所定の圧力よりも低い場合には、前記吸入空気用バルブを開くと共に前記浄化空気用バルブ及び前記バイパス通路用バルブを閉じることを特徴とする。
本発明に係る排ガス浄化装置は、より効率良く排ガスを浄化することができる、という効果を奏する。また、本発明に係る排ガス浄化制御方法は、より効率良く排ガスを浄化することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に排ガス浄化装置及び排ガス浄化制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。また、以下の説明では、内燃機関の一例として、内燃機関がディーゼルエンジンであるものとして説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る排ガス浄化装置を示す概略図である。同図に示す排ガス浄化装置1は、内燃機関(図示省略)に備えられており、内燃機関が有する吸気ポート(図示省略)に排ガス浄化装置1が有する吸気通路33が接続され、内燃機関の排気ポート(図示省略)には、排ガス浄化装置1が有する排気通路35が接続される。この排気通路35は過給手段であるモータアシストターボ10に接続されている。さらに、このモータアシストターボ10には、外部から取り入れた空気の不純物を除去するエアフィルタ5がエアフィルタ通路31によって接続されている。詳細には、モータアシストターボ10は、コンプレッサ11とタービン12とを有しており、さらに、当該モータアシストターボ10の作動を補助する作動補助機構である電動機として設けられるターボモータ13を有している。モータアシストターボ10に接続されるエアフィルタ通路31は、モータアシストターボ10のコンプレッサ11に接続されており、排気通路35は、モータアシストターボ10のタービン12に接続されている。
また、モータアシストターボ10のコンプレッサ11には供給通路32が接続されており、供給通路32には、インタークーラ15が設けられている。この供給通路32は、インタークーラ15の2箇所に接続されており、2箇所に接続された供給通路32のうち、一方の供給通路32はモータアシストターボ10と間に設けられており、他方の供給通路32は2つの通路に分岐している。この分岐した通路のうち、一方の通路は吸気通路33となっており、他方の通路は浄化空気通路34となっている。
このうち、吸気通路33には、当該吸気通路33を開閉する吸入空気用バルブ21が設けられている。さらに、吸気通路33には、当該吸気通路33の供給通路32寄りの部分を上流側とした場合における、吸入空気用バルブ21の下流側に、スロットルバルブ28が設けられている。さらに、吸気通路33における吸入空気用バルブ21の下流側で、且つ、スロットルバルブ28の上流側には、非過給空気通路36が接続されている。この非過給空気通路36における、吸気通路33に接続されている側の反対側の端部は、前記エアフィルタ通路31に接続されている。このように形成される吸気通路33は、スロットルバルブ28の下流側で内燃機関の吸気ポートに接続されている。
また、浄化空気通路34には、当該浄化空気通路34を開閉する浄化空気用バルブ22が設けられている。さらに、浄化空気通路34には、当該浄化空気通路34の供給通路32寄りの部分を上流側とした場合における、浄化空気用バルブ22の下流側に、オゾン発生手段であるオゾン発生器25が設けられている。このオゾン発生器25は反応容器となっており、コロナ放電式、紫外線照射方式、アーク放電方式、電子線、或いはX線照射方式等によって、当該オゾン発生器25内を通る空気の一部をオゾンに変化させることにより、オゾンを生成することができる。また、このオゾン発生器25には、高電圧電源26が接続されており、高電圧電源26から供給される電気によって、オゾン発生器25はオゾンを発生させることができる。
また、浄化空気通路34は、オゾン発生器25の下流側で、排気通路35に接続されている。詳しくは、排気通路35は、モータアシストターボ10が有するタービン12の2箇所に接続されており、2箇所に接続された排気通路35のうち、一方の排気通路35が内燃機関の排気ポートに接続されている。浄化空気通路34が接続されている排気通路35は、モータアシストターボ10の2箇所に接続された排気通路35のうち、内燃機関の排気ポートに接続されている側の排気通路35の、もう一方の排気通路35に接続されている。また、浄化空気通路34が接続されている排気通路35には、当該排気通路35のモータアシストターボ10寄りの部分を上流側とした場合における、浄化空気通路34が接続されている部分の下流側に、浄化手段である排ガスフィルタ40が設けられている。
また、モータアシストターボ10に設けられるターボモータ13、吸入空気用バルブ21、浄化空気用バルブ22は全て、内燃機関を搭載する車両(図示省略)の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)からなる制御部3に接続されている。また、排気通路35には、排ガスフィルタ40の上流側の位置で排ガスの圧力、即ち排圧を検出する排圧センサ(図示省略)が設けられており、制御部3には、この排圧センサも接続されている。
ECUからなるこの制御部3には、記憶部(図示省略)及び処理部(図示省略)が設けられている。このうち記憶部には、本発明に係る排ガス浄化装置1を制御するコンピュータプログラム、即ち、本発明に係る排ガス浄化制御方法を実現するコンピュータプログラムが格納されている。この記憶部は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、またはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、或いはこれらの組み合わせにより構成することができる。
また、処理部は、メモリ(図示省略)及びCPU(Central Processing Unit)により構成されている。当該排ガス浄化装置1が有するターボモータ13、吸入空気用バルブ21及び浄化空気用バルブ22の制御は、車両の加速の要求や、オゾン発生器25によるオゾンの発生要求があった場合に、これらの要求に基づいて、処理部が前記コンピュータプログラムを当該処理部に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じてターボモータ13、吸入空気用バルブ21及び浄化空気用バルブ22を作動させることにより制御する。その際に処理部は、適宜記憶部へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、本発明に係る排ガス浄化制御方法を実現する場合には、前記コンピュータプログラムの代わりに、ECUとは異なる専用のハードウェアによって制御してもよい。
この実施例1に係る排ガス浄化装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。当該排ガス浄化装置1は、内燃機関の運転時に内燃機関の運転に伴って作動する。即ち、内燃機関の運転をする際には、まず、内燃機関に空気を取り入れる必要があるが、この空気は、内燃機関の運転時の吸引力、または、モータアシストターボ10の作動時においては、モータアシストターボ10によって圧縮空気が供給される。この空気は、内燃機関の吸引力のみによって吸気される場合には、内燃機関の外部の空気がエアフィルタ5を通り、エアフィルタ5によって空気中の埃などの不純物を除去された後、エアフィルタ通路31に向かう。エアフィルタ通路31に向かった空気は、エアフィルタ通路31に接続されている非過給空気通路36を通り、吸気通路33に向かう。さらに、吸気通路33には、スロットルバルブ28が設けられており、吸気通路33を通って内燃機関に吸入される空気は、スロットルバルブ28を通って内燃機関の吸気ポートに向かい、内燃機関に吸入される。ここで、スロットルバルブ28は、当該スロットルバルブ28を通る空気量を所定の範囲内で自在に調整できるため、内燃機関に吸入される空気である吸入空気は、スロットルバルブ28によって調整される。
また、内燃機関に吸入される空気のうち、モータアシストターボ10によって供給される圧縮空気は、モータアシストターボ10の作動時に、モータアシストターボ10の吸引力によって、内燃機関の外部の空気がエアフィルタ5から吸入される。即ち、モータアシストターボ10が有するタービン12またはターボモータ13の作動によって当該モータアシストターボ10が有するコンプレッサ11が作動し、このコンプレッサ11作動時の吸引力によって、エアフィルタ5から空気が吸入される。この空気は、エアフィルタ5で不純物が除去された後、エアフィルタ通路31を通り、モータアシストターボ10のコンプレッサ11に吸入される。さらに、この空気は、コンプレッサ11の作動によって圧縮されて供給通路32に送出され、供給通路32に設けられたインタークーラ15内を通過する。その際に、この空気は、インタークーラ15で熱交換を行ない、インタークーラ15を通過する際に冷却される。また、冷却されつつインタークーラ15を通過し、供給通路32内を流れる空気は、供給通路32から分岐した吸気通路33及び浄化空気通路34の双方に流れる。
このうち、吸気通路33に流れた空気は吸入空気として内燃機関の方向に向かい、まず、吸気通路33に設けられた吸入空気用バルブ21の方向に向かう。この吸入空気用バルブ21は、吸気通路33を開閉可能に設けられているため、吸入空気用バルブ21が開いている場合には、吸入空気は吸入空気用バルブ21を通ってスロットルバルブ28の方向に向かう。一方、吸入空気用バルブ21が閉じている場合には、吸入空気は吸入空気用バルブ21で遮断され、スロットルバルブ28の方向には向かわない。このように、吸入空気用バルブ21が開いている際にスロットルバルブ28の方向に向かった吸入空気は、スロットルバルブ28によって流量が調整され、内燃機関の吸気ポートから内燃機関に吸入される。
内燃機関に吸入された吸入空気には燃料が噴射され、この燃料が吸入空気中の酸素によって燃焼することにより、内燃機関は作動する。さらに、燃料の燃焼後のガスである排ガスは、内燃機関の排気ポートから排出され、当該排気ポートに接続された排気通路35内に排出される。内燃機関から排気通路35に排出された排ガスは、排気通路35が接続されるモータアシストターボ10のタービン12に流れ込む。このタービン12は、排ガスの圧力によって作動し、作動時の力がコンプレッサ11に伝えられ、コンプレッサ11が作動する。即ち、モータアシストターボ10は、排ガスの圧力によって作動する。さらに、モータアシストターボ10を作動させた排ガスは、前記排ガスフィルタ40が位置している側の排気通路35内に流れ、排気通路35の下流方向、即ち、排ガスフィルタ40の方向に流れる。排気通路35を通って排ガスフィルタ40に流れた排ガスは、排ガスフィルタ40を通る。その際に、排ガスに含まれるパティキュレート・マター等の排ガス中の不純物は、排ガスフィルタ40によって除去され、排ガスは排ガスフィルタ40によって浄化される。
また、供給通路32から分岐した通路のうちの浄化空気通路34には、吸気通路33と同様にモータアシストターボ10によって供給された空気が流れ、この浄化空気通路34に流れた空気は浄化用空気として浄化空気用バルブ22の方向に向かう。この浄化空気用バルブ22は、浄化空気通路34を開閉可能に設けられているため、浄化空気用バルブ22が開いている場合には、浄化用空気は浄化空気通路34を通り、浄化空気通路34において浄化空気用バルブ22の下流に設けられたオゾン発生器25の方向に向かう。
オゾン発生器25まで流れた浄化用空気は、オゾン発生器25を通過するが、オゾン発生器25はオゾンを生成可能に設けられているので、オゾン発生器25は、浄化用空気が当該オゾン発生器25を通る際に、浄化用空気の一部をオゾンに変化させる。即ち、浄化用空気からオゾンを生成する。さらに、オゾン発生器25を通る浄化用空気は、インタークーラ15で冷却され、温度が低くなっている空気であるため、オゾン発生器25では、効率良くオゾンが生成される。オゾン発生器25で生成されることにより発生したオゾンは、浄化空気通路34内を下流方向に向かう。
この浄化空気通路34は、オゾン発生器25の下流側では、排気通路35に接続されている。このため、浄化空気通路34内を流れるオゾンは、排気通路35内に流入する。排気通路35内に流入したオゾンは、さらに、排気通路35内を流れる排ガスと共に、排気通路35における浄化空気通路34が接続されている部分の下流側に位置する排ガスフィルタ40の方向に向かう。排ガスと共にオゾンが流入した排ガスフィルタ40内では、上記のように排ガスを浄化するが、オゾンの酸化作用によって、さらに排ガス中のパティキュレート・マターは除去され、排ガスフィルタ40を通る排ガスは、オゾンによって、さらに浄化される。
これらに対し、浄化空気用バルブ22が閉じている場合には、浄化用空気は浄化空気用バルブ22で遮断され、オゾン発生器25の方向には向かわない。この場合、オゾン発生器25でオゾンを発生させることができないので、排ガスフィルタ40では、オゾンの酸化作用を利用しない状態で、排ガスを浄化する。
図2は、本発明の実施例1に係る排ガス浄化制御方法の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例1に係る排ガス浄化制御方法、即ち、当該排ガス浄化装置1の処理手順について詳細に説明する。まず、排ガス浄化装置1の作動開始時には、吸入空気用バルブ21及び浄化空気用バルブ22を閉じ、ターボモータ13を停止させる。排ガス浄化装置1の作動時には、まず、内燃機関の出力増加要求、つまり、車両の加速要求が有るかを検出し、判断する(ステップST101)。この検出は、車両の運転席に設けられ、車速を調節するアクセルペダル(図示省略)の操作量、または、スロットルバルブ28の開度によって判断し、アクセルペダルが踏まれる、または、スロットルバルブ28が開かれれば、加速要求が有るものと判断される。
このように加速要求を検出し、加速要求が有ると判断された場合には、吸入空気用バルブ21を開く(ステップST102)。これにより、内燃機関には、非過給空気通路36を通った吸入空気と、モータアシストターボ10によって供給された吸入空気との双方の吸入空気が内燃機関に吸入される。これにより、内燃機関に吸入される吸入空気量は増加するので、より多くの燃料を燃焼させることができる。従って、内燃機関の出力は増加し、当該内燃機関を搭載する車両は加速する。
また、加速要求を検出し、加速要求が無いと判断された場合には、吸入空気用バルブ21を閉じる(ステップST103)。これにより、モータアシストターボ10により供給される吸入空気は吸入空気用バルブ21によって遮断され、内燃機関には吸入されない。従って、内燃機関に吸入される吸入空気量は増加せず、内燃機関の出力は増加しないので、車両は加速しない。
次に、オゾンの供給要求、即ちオゾン発生要求が有るかを検出し、判断する(ステップST104)。この検出は、排気通路35におけるモータアシストターボ10から排ガスフィルタ40までの間に設けられた排圧センサで排ガスの圧力、即ち、排圧を検出することにより行なわれる。ここで、この排圧は、排ガスフィルタ40が詰まっている場合に上昇し易い。
つまり、内燃機関の運転中には、排ガスは順次排気通路35内を流れるが、排ガス中の不純物によって排ガスフィルタ40が詰まっている場合には、排ガスフィルタ40を通過する排ガスの量が低減する。これにより、排気通路35におけるモータアシストターボ10から排ガスフィルタ40までの間の位置では、内側を通る排ガスの排圧は高くなる。
また、排ガスフィルタ40が排ガス中の不純物によって詰まっている場合には、排ガスフィルタ40内に、より多くのオゾンを供給することにより、オゾンの酸化作用により詰まりを除去することができる。従って、オゾン発生要求が有るかの判断は、排圧センサで検出した排圧が、所定の圧力以上となっている場合にはオゾン発生要求が有ると判断し、検出した排圧が所定の圧力以下の場合には、オゾン発生要求が無いと判断する。
この判断によって、オゾン発生要求が有ると判断された場合には、浄化空気用バルブ22を開く(ステップST105)。これにより、モータアシストターボ10により供給される浄化用空気は、オゾン発生器25の方向に流れ、オゾン発生器25を通過することにより、多くのオゾンが生成される。このオゾンは、排気通路35内に流れ込み、排ガスフィルタ40内に流れて、当該オゾンの酸化作用によって排ガスフィルタ40内で詰まっている不純物を除去すると共に、排ガス中の不純物を除去する。
また、排圧を検出することにより、オゾン発生要求が無いと判断された場合には、浄化空気用バルブ22を閉じる(ステップST106)。これにより、モータアシストターボ10により供給される浄化用空気は浄化空気用バルブ22によって遮断され、オゾン発生器25には流れないので、オゾンは発生しない。
次に、加速要求、またはオゾン発生要求が有るかを判断する(ステップST107)。この判断は、ステップST101での加速要求の判断と、ステップST104でのオゾン発生要求の判断を参照する。これらの判断を参照し、いずれも無い場合には、モータアシストターボ10が有するターボモータ13を停止する(ステップST108)。加速要求及びオゾン発生要求のいずれも無い場合には、供給通路32に送出される空気は、吸入空気用バルブ21及び浄化空気用バルブ22で遮断されるため、内燃機関に吸入されたり、オゾン発生器25でオゾンを発生させたりすることが無くなる。このため、モータアシストターボ10による圧縮空気の送出量を増加させる必要が無いので、ターボモータ13を停止させる。
また、加速要求、またはオゾン発生要求の少なくともいずれか一方が有る場合には、ターボモータ13を駆動する(ステップST109)。加速要求またはオゾン発生要求の少なくともいずれか一方が有る場合には、供給通路32に送出される空気は、吸入空気として内燃機関に吸入されたり、浄化用空気としてオゾン発生器25を通り、一部がオゾンに変化して排気通路35に設けられた排ガスフィルタ40に流れたりする。このため、モータアシストターボ10によって供給される圧縮空気の使用量が増加するので、ターボモータ13を駆動させ、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気の送出量を増加させる。これにより、より多くの空気を内燃機関に吸入させて出力を増加させることができる、または、より多くのオゾンを発生させて、排ガスを浄化することができる。
以上の排ガス浄化装置1は、排ガスフィルタ40に供給することによって排ガスフィルタ40による排ガスの浄化作用を向上させることのできるオゾンを、オゾン発生器25によって生成している。さらに、吸入空気を内燃機関に供給するために設けられたモータアシストターボ10によって、オゾンを生成する際に用いる空気である浄化用空気をオゾン発生器25に供給している。これにより、浄化用空気をオゾン発生器25に供給する際に、内燃機関の運転に用いるモータアシストターボ10によって供給できるので、排ガス浄化装置用のコンプレッサやエアポンプ等の駆動源を新たに設けることに起因する内燃機関の外部への出力の低下を抑制することができる。即ち、新たな駆動源を設ける場合において、その駆動を内燃機関の出力によって行なう場合には、内燃機関の出力の一部を当該駆動源の駆動に用いられて消費するので、内燃機関の外部への出力が低下する。これに対し、モータアシストターボ10で浄化用空気を供給することにより、内燃機関に運転に用いられるものによって浄化用空気を供給するので、浄化用空気をオゾン発生器25に供給する際における出力の低下を抑制できる。従って、内燃機関の外部への出力の低下を抑制することができるので、排ガスを浄化する際の効率の向上を図ることができる。また、新たに排ガス浄化装置用のコンプレッサ等を設けることなく、排ガスの浄化作用を向上させることができるので、排ガスの浄化作用を向上させる際における部品点数の増加を抑えられ、排ガス浄化装置1の構成部品を効率良く使用し、効率良く排ガスの浄化を行なうことができる。これらの結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
また、このように、排ガス浄化装置用のコンプレッサ等を設ける必要がないので、部品点数の増加を抑えることができると共に、装置全体の小型化を図ることができる。この結果、製造コストの低減を図ることができる。
また、モータアシストターボ10は、作動補助手段であるターボモータ13を備えているので、内燃機関の運転状態に関係なく、オゾン発生器25に浄化用空気を送ることができる。つまり、過給手段として、ターボモータ13が備えられていない通常のターボチャージャを用いた場合には、ターボチャージャは、排ガスの圧力のみによって作動するため、内燃機関の低回転時には、効率良くオゾン発生器25に浄化用空気を送ることが困難になる。即ち、内燃機関の低回転時には、排ガスの圧力は低いため、ターボチャージャの仕事量が低減し、この状態のターボチャージャでオゾン発生器25に浄化用空気を送ることは困難になる。これに対し、前記モータアシストターボ10には、ターボモータ13が設けられているので、ターボモータ13を駆動させることにより、内燃機関の回転数が低い場合においてもモータアシストターボ10を作動させることができる。このため、当該モータアシストターボ10は、排ガスの圧力及びターボモータ13によって、内燃機関の運転状態に関係なく、オゾン発生器25に浄化用空気を送ることができる。従って、必要なときにはいつでもオゾン発生器25に浄化用空気を供給し、オゾンを発生させて排ガスの浄化作用を高めることができる。この結果、より確実に排ガスを浄化することができる。
また、モータアシストターボ10は、作動補助手段として電気で作動するターボモータ13を備えているので、より確実に必要に応じてモータアシストターボ10を作動させることができる。つまり、作動補助手段として、例えば、内燃機関に油圧ポンプを設け、内燃機関運転時に油圧ポンプによって作り出される油圧で作動する作動補助手段を用いた場合には、内燃機関の回転数によって、油圧が変化し、作動補助手段の作動が変化する虞がる。これに対し、作動補助手段として、電気で作動するターボモータ13を用いることにより、内燃機関の運転状態に関わらず、任意にターボモータ13を駆動させることができるので、より確実に必要に応じてモータアシストターボ10を作動させることができる。従って、必要なときにはいつでもオゾン発生器25に浄化用空気を供給し、オゾンを発生させて排ガスの浄化作用を高めることができる。この結果、より確実に排ガスを浄化することができる。
また、吸入空気の通路である吸気通路33には、吸気通路33を開閉する吸入空気用バルブ21が設けられているので、モータアシストターボ10から供給される吸入空気を、必要に応じて内燃機関に吸入させることができる。また、内燃機関ではモータアシストターボ10から供給される吸入空気は必要としないが、オゾン発生器25では浄化用空気を必要としている場合に、吸入空気用バルブ21を閉じることにより、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気のうちのほぼ全ての空気を、浄化用空気としてオゾン発生器25に供給することができる。これにより、オゾンが必要な場合、より確実にオゾン発生器25でオゾンを発生させることができ、オゾンによってより確実に排ガスを浄化することができる。また、浄化用空気の通路である浄化空気通路34には、浄化空気通路34を開閉する浄化空気用バルブ22が設けられているので、モータアシストターボ10から供給される浄化用空気を、必要に応じてオゾン発生器25に供給することができる。また、オゾン発生器25ではモータアシストターボ10から供給される浄化用空気は必要としないが、内燃機関では吸入空気を必要としている場合に、浄化空気用バルブ22を閉じることにより、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気のうちのほぼ全ての空気を、吸入空気として内燃機関に吸入させることができる。これにより、内燃機関の出力を増加させる場合、より確実に出力を増加させることができる。これらの結果、効率良く排ガスを浄化させると共に、内燃機関の出力を確保することができる。
また、吸気通路33には、吸入空気の流れ方向における吸入空気用バルブ21の下流側に、モータアシストターボ10を通らない空気の通路である非過給空気通路36が接続されているので、吸入空気用バルブ21を閉じた場合でも、非過給空気通路36を通る吸入空気によって内燃機関を運転させることができる。また、このように、内燃機関は非過給空気通路36を通る吸入空気によって運転させることができるので、モータアシストターボ10で供給される圧縮空気を、より多く浄化用空気としてオゾン発生器25に供給し、オゾンを発生させて排ガスを浄化することができる。これらの結果、内燃機関の運転を確保できると共に、より確実に排ガスを浄化することができる。
また、供給通路32には、モータアシストターボ10から供給される圧縮空気の冷却手段であるインタークーラ15が設けられている。この供給通路32内を通る空気は、浄化用空気も含まれているため、供給通路32は浄化用空気が通る浄化空気通路34とみなすことができる。このため、換言すると、浄化空気通路34には、浄化用空気を冷却する浄化空気冷却手段であるインタークーラ15が設けられている。このため、浄化用空気を、インタークーラ15で冷却することができ、浄化用空気の温度を下げることができる。これにより、オゾン発生器25でオゾンを生成する際に、温度が低い浄化用空気より生成することができるので、より確実にオゾンを生成することができ、オゾンを効率良く発生させることができる。従って、効率良く排ガスフィルタ40内にオゾンを供給することができ、排ガスを浄化することができる。この結果、より確実に排ガスを浄化することができる。
また、上述した排ガス浄化制御方法は、車両の加速要求、即ち、内燃機関の出力増加要求に応じて吸入空気用バルブ21の開閉を行ない、オゾンの供給要求に応じて浄化空気用バルブ22の開閉を行なっている。さらに、内燃機関の出力増加要求、またはオゾンの供給要求のいずれか一方が有る場合には、モータアシストターボ10に備えられたターボモータ13を作動させている。これにより、オゾンの供給要求が有った場合に、より確実にオゾン発生器25に対して浄化用空気を供給することができ、より確実に排ガスフィルタ40に対してオゾンを供給することができる。この結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
本実施例2に係る排ガス浄化装置は、実施例1に係る排ガス浄化装置と略同様の構成であるが、インタークーラが吸入空気インタークーラと浄化空気インタークーラとに分かれている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図3は、本発明の実施例2に係る排ガス浄化装置の要部概略図である。同図に示す排ガス浄化装置50は、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に内燃機関に備えられ、モータアシストターボ10を有している。また、この排ガス浄化装置50は、独立したインタークーラ51を2つ有している。このうち、一方のインタークーラ51は、吸入空気を冷却する吸入空気冷却手段である吸入空気インタークーラ52となっており、他方のインタークーラ51は、浄化用空気を冷却する浄化空気冷却手段である浄化空気インタークーラ53となっている。また、モータアシストターボ10のコンプレッサ11に接続されている供給通路32は、モータアシストターボ10とインタークーラ51との間で吸気通路33と浄化空気通路34とに分岐しており、吸気通路33は吸入空気インタークーラ52に接続され、浄化空気通路34は浄化空気インタークーラ53に接続されている。
これらの吸入空気インタークーラ52と浄化空気インタークーラ53とは、吸入空気インタークーラ52よりも、浄化空気インタークーラ53の方が、大きさが大きくなっている。このため、吸入空気インタークーラ52よりも、浄化空気インタークーラ53の方が冷却効率が高くなっている。なお、この吸入空気インタークーラ52と浄化空気インタークーラ53とは、吸入空気インタークーラ52の表面積よりも浄化空気インタークーラ53の表面積の方が大きくなるようにすることにより、浄化空気インタークーラ53の冷却効率を高くしてもよい。
また、吸入空気インタークーラ52には、モータアシストターボ10側と異なる方向に吸入空気を流す吸気通路33がさらに接続されている。換言すると、吸気通路33には、吸入空気インタークーラ52が設けられている。また、この吸気通路33には、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、吸入空気用バルブ21、及びスロットルバルブ28が設けられ、さらに、吸気通路33は、内燃機関の吸気ポートに接続されている。
また、浄化空気インタークーラ53には、モータアシストターボ10側と異なる方向に浄化用空気を流す浄化空気通路34がさらに接続されている。換言すると、浄化空気通路34には、浄化空気インタークーラ53が設けられている。また、この浄化空気通路34には、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、高電圧電源26が接続されたオゾン発生器25が設けられ、さらに、浄化空気通路34は、排気通路35に接続されている。また、この排気通路35には、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、排気通路35内を流れる排ガスの流れ方向における、浄化空気通路34が排気通路35に接続されている部分の下流側に排ガスフィルタ40が設けられている。
この実施例2に係る排ガス浄化装置50は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この排ガス浄化装置50は、当該排ガス浄化装置50が接続される内燃機関の運転時における排ガスの圧力、または、ターボモータ13によってモータアシストターボ10が作動する。これにより、モータアシストターボ10のコンプレッサ11が作動し、この作動によりエアフィルタ5から空気が吸入され、この空気はエアフィルタ通路31を通り、コンプレッサ11に吸入された後、コンプレッサ11から圧縮空気が供給通路32に供給される。この供給通路32は、吸気通路33と浄化空気通路34とに分岐しているので、供給通路32に供給された空気は、一部は吸入空気として吸気通路33に流れ、残りは浄化用空気として浄化空気通路34に流れる。
このうち、吸気通路33に流れる吸入空気は、吸入空気インタークーラ52に流れて、この吸入空気インタークーラ52で冷却され、吸入空気用バルブ21に向けて流れる。さらに、この吸入空気は、吸入空気用バルブ21の開閉によってスロットルバルブ28に向けて流される、または、遮断され、スロットルバルブ28に向けて流された場合には、スロットルバルブ28で流量が調整されて、内燃機関の吸気ポートから内燃機関に吸入される。
また、浄化空気通路34に流れる浄化用空気は、浄化空気インタークーラ53に流れて、この浄化空気インタークーラ53で冷却され、浄化空気用バルブ22に向けて流れる。その際に、浄化空気インタークーラ53は、吸入空気インタークーラ52よりも冷却効率が高いため、浄化用空気は、吸入空気よりも高い冷却率で冷却される。このため、浄化用空気は、吸入空気よりも温度を下げられた状態で浄化空気用バルブ22に向けて流れる。さらに、この浄化空気は、浄化空気用バルブ22の開閉によってオゾン発生器25に向けて流される、または、遮断され、浄化空気用バルブ22が開いた場合には、浄化用空気はオゾン発生器25に向けて流される。浄化用空気がオゾン発生器25に向けて流され、オゾン発生器25に供給された場合には、浄化用空気は、オゾン発生器25によってオゾンに変化する。オゾン発生器25では、このように浄化用空気からオゾンを生成するが、浄化用空気は浄化空気インタークーラ53によって大幅に冷却されているため、オゾン発生器25では、より多くのオゾンを浄化用空気から発生させる。
オゾン発生器25で発生したオゾンは、浄化空気通路34を通り、浄化空気通路34に接続される排気通路35内に流入する。この排気通路35には、排ガスフィルタ40が設けられているため、排気通路35内に流入したオゾンは、排気通路35内を流れる排ガスと共に、排ガスフィルタ40内に流れる。このように、オゾンが流入した排ガスフィルタ40では、オゾンの酸化作用によって、排ガス中のパティキュレート・マターはより確実に除去され、排ガスフィルタ40を通る排ガスは、オゾンによって、より確実に浄化される。
以上の排ガス浄化装置50は、浄化用空気が、内燃機関に供給される吸入空気の冷却率よりも、高い冷却率で冷却され、オゾン発生器25に供給されている。オゾン発生器25では、オゾンを生成する空気の温度が低い方が、オゾンを生成し易くなっている。このため、浄化用空気の冷却率を吸入空気の冷却率よりも高くすることにより、オゾン発生器25によって浄化用空気からオゾンを生成する際に、効率良くオゾンを生成することができ、より多くのオゾンを発生させることができる。即ち、浄化用空気の量に対するオゾンの発生量を増加させることができる。従って、より多くのオゾンを排ガスフィルタ40に供給することができるので、より確実に排ガスを浄化することができる。この結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
また、吸気通路33には吸入空気インタークーラ52を設け、浄化空気通路34には、吸入空気インタークーラ52の冷却効率よりも冷却効率が高い浄化空気インタークーラ53を設けている。このため、浄化用空気を浄化空気インタークーラ53で冷却することにより、より確実に、吸入空気を吸入空気インタークーラ52で冷却するよりも高い冷却率で浄化用空気を冷却することができる。従って、より確実に、多くのオゾンを排ガスフィルタ40に供給することができ、多量のオゾンの酸化作用により、より確実に排ガスを浄化することができる。この結果、より確実に効率良く排ガスを浄化することができる。
本実施例3に係る排ガス浄化装置は、実施例1に係る排ガス浄化装置と略同様の構成であるが、バイパス通路が設けられている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図4は、本発明の実施例3に係る排ガス浄化装置の要部概略図である。同図に示す排ガス浄化装置60は、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に内燃機関に備えられ、モータアシストターボ10を有している。また、この排ガス浄化装置60は、独立したインタークーラ65を2つ有しており、一方のインタークーラ65は第1インタークーラ66、他方のインタークーラ65は第2インタークーラ67となっている。このうち、第1インタークーラ66は、モータアシストターボ10から送出された圧縮空気を冷却する送出空気冷却手段として設けられており、モータアシストターボ10のコンプレッサ11に接続されている供給通路32に接続される。また、供給通路32は、第1インタークーラ66におけるモータアシストターボ10側と異なる方向にも、別の供給通路32が接続されている。換言すると、供給通路32には、第1インタークーラ66が設けられている。このように形成される供給通路32は、モータアシストターボ10側と異なる側の部分、即ち、モータアシストターボ10から供給される空気の流れ方向において、第1インタークーラ66の下流側に位置する部分で、吸気通路33と浄化空気通路34とに分岐している。
供給通路32から分岐した吸気通路33と浄化空気通路34とのうち、吸気通路33には、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、吸入空気用バルブ21、及びスロットルバルブ28が設けられ、さらに、吸気通路33は、内燃機関の吸気ポートに接続されている。
また、供給通路32から分岐した吸気通路33と浄化空気通路34とのうち、浄化空気通路34には、浄化空気用バルブ22が設けられている。また、浄化空気通路34には、浄化空気用バルブ22における第1インタークーラ66が位置している側の反対側、つまり、浄化空気通路34内を流れる浄化空気の流れ方向における浄化空気用バルブ22の下流側に、浄化用空気を冷却する浄化空気冷却手段である前記第2インタークーラ67が設けられている。さらに、浄化空気通路34には、浄化空気通路34内を流れる浄化用空気の流れ方向における第2インタークーラ67の下流側に、高電圧電源26が接続されたオゾン発生器25が設けられており、浄化空気通路34は、さらにその下流で排気通路35に接続されている。また、この排気通路35には、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、排気通路35内を流れる排ガスの流れ方向における、浄化空気通路34が排気通路35に接続されている部分の下流側に排ガスフィルタ40が設けられている。
また、供給通路32におけるモータアシストターボ10と第1インタークーラ66との間、及び浄化空気通路34における浄化空気用バルブ22と第2インタークーラ67との間には、双方に連通するバイパス通路61が設けられている。つまり、バイパス通路61の両端部のうち、一方の端部が供給通路32におけるモータアシストターボ10と第1インタークーラ66との間に接続されており、他方の端部が浄化空気通路34における浄化空気用バルブ22と第2インタークーラ67との間に接続されている。また、このバイパス通路61には、当該バイパス通路61を開閉するバイパス通路用バルブ62が設けられている。また、バイパス通路用バルブ62も、吸入空気用バルブ21や浄化空気用バルブ22と同様に、制御部3に接続されている。さらに、この制御部3には、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、排気通路35における排ガスフィルタ40の上流側に設けられた排圧センサ(図示省略)が接続されている。
この実施例3に係る排ガス浄化装置60は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この排ガス浄化装置60は、当該排ガス浄化装置60が接続される内燃機関の運転時における排ガスの圧力、または、ターボモータ13によってモータアシストターボ10が作動する。これにより、モータアシストターボ10のコンプレッサ11が作動し、この作動によりエアフィルタ5から空気が吸入され、この空気はエアフィルタ通路31を通り、コンプレッサ11に吸入された後、コンプレッサ11から圧縮空気が供給通路32に供給される。この供給通路32には、第1インタークーラが接続されているため、モータアシストターボ10から供給通路32に供給された圧縮空気は、第1インタークーラ66に流れ、第1インタークーラ66で冷却される。第1インタークーラ66で冷却された空気は、第1インタークーラ66の下流側に位置する供給通路32に流れるが、この供給通路32は、吸気通路33と浄化空気通路34とに分岐している。このため、第1インタークーラ66から供給通路32に流れた空気は、一部は吸入空気として吸気通路33に流れ、残りは浄化用空気として浄化空気通路34に流れる。
このうち、吸気通路33に流れる吸入空気は、吸入空気用バルブ21に向けて流れる。また、この吸入空気は、吸入空気用バルブ21の開閉によってスロットルバルブ28に向けて流される、または、遮断され、スロットルバルブ28に向けて流された場合には、スロットルバルブ28で流量が調整されて、内燃機関の吸気ポートから内燃機関に吸入される。
また、浄化空気通路34に流れる浄化用空気は、浄化空気用バルブ22に向けて流れる。この浄化空気用バルブ22は、浄化空気通路34を開閉可能に形成されているため、浄化空気用バルブ22の開閉によって第2インタークーラ67に向けて流される、または、遮断され、浄化空気用バルブ22が開いた際には、浄化用空気は第2インタークーラ67に向けて流される。ここで、この浄化用空気は、第1インタークーラ66で冷却され、温度が低下しているが、第2インタークーラ67を通過することにより、浄化用空気はさらに冷却され、さらに温度が低下する。このように、第2インタークーラ67で冷却された浄化用空気は、浄化用空気の流れ方向の下流に位置するオゾン発生器25に向けて流される。浄化用空気がオゾン発生器25に向けて流され、オゾン発生器25に供給された場合には、浄化用空気の一部は、オゾン発生器25によってオゾンに変化する。オゾン発生器25では、このように浄化用空気からオゾンを生成するが、浄化用空気は、第1インタークーラ66、及び第2インタークーラ67によって大幅に冷却されているため、オゾン発生器では、より多くのオゾンを浄化用空気から発生させる。
オゾン発生器25で発生したオゾンは、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、排気通路35に流入し、排気通路35に設けられる排ガスフィルタ40に流れる。このように、オゾンが排ガスフィルタ40に流れることにより、排ガスフィルタ40内におけるオゾンの酸化作用によって、排ガスは、より確実に浄化される。
また、実施例3に係る排ガス浄化装置60には、バイパス通路61が設けられているため、モータアシストターボ10から供給通路32に送出された圧縮空気は、バイパス通路61にも流れる。ここで、このバイパス通路61には、バイパス通路用バルブ62が設けられている。このため、バイパス通路用バルブ62を閉じている際には、バイパス通路61は閉じられるため、モータアシストターボ10と第1インタークーラ66との間に位置する供給通路32からバイパス通路61に流れる空気は、バイパス通路用バルブ62によって遮断され、バイパス通路61から浄化空気通路34には流れなくなる。これに対し、バイパス通路用バルブ62を開いている際には、供給通路32からバイパス通路61に流れる空気は、バイパス通路用バルブ62を通り、浄化空気通路34における浄化空気用バルブ22と第2インタークーラ67との間に流入する。このように、バイパス通路61から浄化空気通路34に流入した空気は、浄化用空気として、第2インタークーラ67やオゾン発生器25に向けて流れ、排気通路35に設けられた排ガスフィルタ40にオゾンを供給する。
図5は、本発明の実施例3に係る排ガス浄化制御方法の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例3に係る排ガス浄化制御方法、即ち、当該排ガス浄化装置60の処理手順について詳細に説明する。なお、この説明では、実施例1に係る排ガス浄化制御方法と同様な判断手順や処理手順がある場合には、その詳細な説明は省略する。実施例3に係る排ガス浄化制御方法では、まず、排ガス浄化装置60の作動開始時には、吸入空気用バルブ21、浄化空気用バルブ22及びバイパス通路用バルブ62を閉じ、ターボモータ13を停止させる。排ガス浄化装置60の作動時には、まず、内燃機関の出力増加要求、つまり、車両の加速要求が有るかを検出し、判断する(ステップST201)。
このように加速要求を検出し、加速要求が有ると判断された場合には、オゾン発生要求が有るかを検出し、判断する(ステップST202)。この判断によって、オゾン発生要求が有ると判断された場合には、排気通路35に設けられた排圧センサで排圧を検出する(ステップST203)。次に、検出した排圧が、排気通路35中の排ガスの流れ方向における排ガスフィルタ40の上流側の位置での排圧の閾値であるPthよりも高いかを判断する(ステップST204)。このPthは、最終的にオゾンを発生させるか否かの判断の基準となる値になっている。また、このPthは、制御部3の記憶部に予め記憶されており、その数値は、内燃機関の運転状態により異なっている。
この判断により、排圧がPthよりも低いと判断された場合には、吸入空気用バルブ21を開き、また、浄化空気用バルブ22及びバイパス通路用バルブ62を閉じる(ステップST205)。また、ステップST202で、オゾン発生要求が無いと判断された場合も同様に、吸入空気用バルブ21を開き、また、浄化空気用バルブ22及びバイパス通路用バルブ62を閉じる。排圧がPthよりも低い場合とは、即ち、オゾンを発生させる必要がないと判断された場合である。このため、浄化空気用バルブ22及びバイパス通路用バルブ62を閉じることにより、浄化用空気はオゾン発生器25に流れなくなるので、オゾンは発生しなくなる。また、ステップST201で加速要求が有ると判断されているので、吸入空気用バルブ21を開くことにより、内燃機関には、非過給空気通路36を通った吸入空気と、モータアシストターボ10によって供給された吸入空気との双方の吸入空気が内燃機関に吸入される。これにより、内燃機関に吸入される吸入空気量は増加するので、より多くの燃料を燃焼させることができる。従って、内燃機関の出力は増加し、当該内燃機関を搭載する車両は加速する。
また、検出された排圧がPthよりも高いと判断された場合には、後述するステップST213に移行し、浄化空気用バルブ22を開き、吸入空気用バルブ21及びバイパス通路用バルブ62を閉じる(ステップST213)。
次に、加速要求、またはオゾン発生要求が有るかを判断する(ステップST206)。この判断では、前段階のステップにおける、加速要求の判断及びオゾン発生要求の判断を参照し、少なくともいずれか一方が有る場合には、ターボモータ13を駆動する(ステップST207)。これにより、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気の送出量を増加することができるので、より多くの空気を内燃機関に吸入させて出力を増加させることができる、または、より多くのオゾンを発生させて、排ガスを浄化することができる。
また、加速要求、またはオゾン発生要求のいずれも無い場合には、モータアシストターボ10が有するターボモータ13を停止する(ステップST208)。加速要求及びオゾン発生要求のいずれも無い場合には、供給通路32に送出される空気は、吸入空気用バルブ21及び浄化空気用バルブ22で遮断されるので、モータアシストターボ10による圧縮空気の送出量を増加させる必要が無くなる。このため、ターボモータ13を停止させ、ターボモータ13を駆動させることによるモータアシストターボ10からの圧縮空気の送出量の増量を停止する。
また、ステップST201の加速要求が有るかの判断で、加速要求が無いと判断された場合には、オゾン発生要求が有るかを検出し、判断する(ステップST209)。この判断によって、オゾン発生要求が有ると判断された場合には、次に、加速要求が有るかを判断する(ステップST210)。この判断によって、加速要求が有ると判断された場合には、排気通路35に設けられた排圧センサで排圧を検出する(ステップST211)。次に、検出した排圧が、前記Pthよりも高いかを判断する(ステップST212)。
この判断により、排圧がPthよりも高いと判断された場合には、浄化空気用バルブ22を開き、吸入空気用バルブ21及びバイパス通路用バルブ62を閉じる(ステップST213)。また、ステップST210で、加速要求が無いと判断された場合も同様に、浄化空気用バルブ22を開き、吸入空気用バルブ21及びバイパス通路用バルブ62を閉じる。排圧がPthよりも高い場合とは、即ち、オゾンを発生させる必要が有ると判断された場合である。このため、吸入空気用バルブ21を閉じ、浄化空気用バルブ22を開くことにより、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気は、ほぼ全ての空気が浄化用空気として浄化空気通路34に流れるので、浄化空気通路34に設けられたオゾン発生器25に、より多くの浄化用空気を供給することができる。また、バイパス通路用バルブ62を閉じることにより、モータアシストターボ10から送出され、浄化用空気としてオゾン発生器25に流れる空気は、第1インタークーラ66及び第2インタークーラ67の、双方を通過する。これにより、浄化用空気は、第1インタークーラ66及び第2インタークーラ67の双方のインタークーラ65で冷却された後、オゾン発生器25に供給される。このように、オゾン発生器25には、十分に冷却されて温度が低下した多量の浄化用空気が供給されるので、この浄化用空気がオゾン発生器25に供給された場合には、オゾン発生器25で多量のオゾンを効率良く発生させることができる。
また、検出された排圧がPthよりも低いと判断された場合には、上記ステップST205に移行し、吸入空気用バルブ21を開き、浄化空気用バルブ22及びバイパス通路用バルブ62を閉じる(ステップST205)。
次に、加速要求、またはオゾン発生要求が有るかを判断し(ステップST206)、この判断により、少なくともいずれか一方が有ると判断された場合には、ターボモータ13を駆動する(ステップST207)。これにより、多くの吸入空気を内燃機関に吸入させ、出力を増加させることができる、または、より多くのオゾンを発生させて、排ガスを浄化することができる。また、ステップST206による判断で、加速要求、またはオゾン発生要求のいずれも無いと判断された場合には、モータアシストターボ10が有するターボモータ13を停止する(ステップST208)。これにより、ターボモータ13を駆動させることによる、モータアシストターボ10から送出する圧縮空気の増量を停止する。
また、ステップST209のオゾン発生要求が有るかの判断で、オゾン発生の要求が無いと判断された場合には、加速要求、またはオゾン発生要求が有るかを判断する(ステップST214)。この判断により、加速要求、またはオゾン発生要求のいずれも無いと判断された場合には、吸入空気用バルブ21及びバイパス通路用バルブ62を開き、浄化空気用バルブ22を閉じる(ステップST215)。加速要求、またはオゾン発生要求のいずれも無い場合でも、吸入空気用バルブ21を開くことにより、吸気通路33に流す吸入空気を確保することができる。加速時のように、大幅に吸入空気を必要とする場合以外でも、内燃機関の運転時には吸入空気が必要なので、吸入空気用バルブ21を開くことにより、内燃機関の通常運転に必要な吸入空気を確保することができる。
また、加速要求、またはオゾン発生要求のいずれも無い場合でも、バイパス通路用バルブ62を開くことにより、浄化空気通路34に流す浄化用空気を確保することができる。この場合、浄化空気通路34に流れる浄化用空気は、供給通路32からバイパス通路61を通って浄化空気通路34に流れるので、第1インタークーラ66は通らない。このため、第1インタークーラ66を通った場合よりも、冷却され難くはなるが、第1インタークーラ66を通った場合における圧力損失を低減することができる。また、オゾン発生要求が無い場合でも、内燃機関の運転時には排ガスは排出されるため、排ガスの浄化は必要になる。このため、バイパス通路61を開き、バイパス通路61を介して浄化空気通路34内に浄化空気が流れるようにすることにより、オゾン発生器25でオゾンを発生させる浄化空気を確保することができる。これにより、排ガスの浄化を行なうことができる。
また、ステップST214の加速要求、またはオゾン発生要求が有るかの判断で、加速要求、またはオゾン発生要求が有ると判断された場合には、前記ステップST206に移行する。これにより、加速要求、またはオゾン発生要求が有ると判断された場合には、モータアシストターボ10が有するターボモータ13を駆動させ(ステップST207)、加速要求、またはオゾン発生要求が無いと判断された場合には、モータアシストターボ10が有するターボモータ13を停止させる(ステップST208)。これにより、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気の送出量を増加するので、より多くの空気を内燃機関に吸入させて出力を増加させることができる、または、より多くのオゾンを発生させて、排ガスを浄化することができる。
以上の排ガス浄化装置60は、吸気通路33と浄化空気通路34とは、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気の通路である供給通路32から分岐して設けられており、供給通路32と浄化空気通路34との間には、双方に連通するバイパス通路61が設けられている。また、このバイパス通路61には、バイパス通路61を開閉するバイパス通路用バルブ62が設けられている。これにより、バイパス通路61が供給通路32に接続されている部分と、吸気通路33と浄化空気通路34との分岐部との間に、例えば前記第1インタークーラ66が設けられている場合に、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気を浄化空気通路34に流す際に、第1インタークーラ66を通過させたり通過させなかったりすることができる。つまり、第1インタークーラ66を通過させる場合には、バイパス通路用バルブ62は閉じて第1インタークーラ66を通過した空気が浄化空気通路34に流れるようにし、第1インタークーラ66を通過させない場合には、バイパス通路用バルブ62を開いて、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気は、第1インタークーラ66を迂回して浄化空気通路34に流すようにする。これにより、内燃機関の運転状態に応じて浄化用空気の経路を選択でき、好ましい経路で浄化用空気を流し、より効率良く浄化用空気からオゾンを発生させることができる。この結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
また、供給通路32には、モータアシストターボ10から送出された圧縮空気を冷却する第1インタークーラ66が設けられており、且つ、浄化空気通路34には、浄化用空気を冷却する第2インタークーラ67が設けられている。このため、浄化用空気を、第1インタークーラ66と第2インタークーラ67との双方で冷却する、または、第2インタークーラ67のみで冷却することを選択することにより、浄化用空気の冷却の度合いを変化させることができる。また、吸入空気は、第1インタークーラ66のみを通過するので、吸入空気よりも、浄化用空気の冷却率を高くすることができ、温度が低下した浄化用空気により、効率良くオゾンを発生させることができる。これらの結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
また、上述した排ガス浄化制御方法は、加速要求がある際に、浄化空気用バルブ22とバイパス通路用バルブ62とを閉じているので、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気のうちのほぼ全ての空気を、吸入空気として用いることができ、内燃機関に吸入させることができる。また、オゾン発生要求がある場合には、吸入空気用バルブ21を閉じて浄化空気用バルブ22を開いているので、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気のうちのほぼ全ての空気を、浄化用空気として用いることができ、多量の浄化用空気から、オゾン発生器25によって多量の空気を発生させることができる。また、加速要求とオゾン発生要求の双方がある場合には、吸入空気用バルブ21とバイパス通路用バルブ62との双方を開き、さらに、浄化空気用バルブ22を閉じることにより、浄化空気用バルブ22とバイパス通路用バルブ62との双方を開いた場合のように、浄化空気通路34にモータアシストターボ10からの空気が流れ過ぎて、吸気通路33に流れる空気の量が減少してしまうこと抑制し、吸気通路33と浄化空気通路34との双方に、適量の空気を流すことができる。これらにより、吸入空気と浄化用空気とを、内燃機関の運転状態に応じて適した量で流すことができる。この結果、内燃機関を、より所望の状態で運転することができると共に、より効率良く排ガスを浄化することができる。
また、加速要求が有る場合において、オゾン発生要求が有る場合に、排ガスフィルタ40に流入する排ガスの圧力である排圧が、所定の圧力、即ち、前記Pthよりも高い場合には、吸入空気用バルブ21を閉じると共に浄化空気用バルブ22及びバイパス通路用バルブ62を開いている。つまり、排圧が高くなった場合には、加速要求よりも、オゾン発生要求を優先し、オゾンを発生させて排ガスを浄化している。ここで、排圧は、排ガスフィルタ40が不純物などで詰まっている場合に高くなるが、排ガスフィルタ40が詰まっているかどうかの閾値であるPthよりも排圧が高い場合には、排ガスフィルタ40が詰まっていると判断される。このように、排ガスフィルタ40が詰まっている場合には、内燃機関の運転時に排ガスを排出し難くなるため、内燃機関の運転効率が低下する。このため、排圧がPthよりも高い場合に、加速要求に優先してオゾンを発生させることにより、オゾンによって排ガスフィルタ40内の不純物を除去することができ、排ガスフィルタ40の詰まりを低減できる。これにより、早期に排ガスを排出し易くすることができ、早期に内燃機関の運転効率の向上を図ることができる。
また、オゾン発生要求が有る場合おいて、加速要求が有る場合に、排ガスフィルタ40に流入する排ガスの圧力がPthよりも低い場合には、吸入空気用バルブ21を開くと共に浄化空気用バルブ22及びバイパス通路用バルブ62を閉じている。つまり、オゾン発生要求が有る場合でも、排圧がPthよりも低い場合には、オゾンを発生させる必要性は、あまり高くない。このため、排圧がPthよりも低い場合には、浄化空気用バルブ22及びバイパス通路用バルブ62は閉じ、吸入空気用バルブ21のみを開くことにより、吸入空気の量が増加するので、内燃機関の出力を上昇させることができ、加速要求に応じることができる。即ち、排圧がPthよりも低い場合には、オゾンを発生させる必要性は、あまり高くないので、オゾン発生要求よりも加速要求を優先する。これらの結果、内燃機関の運転時における性能を維持することができると共に、内燃機関を、より確実に所望の状態で運転することができる。
本実施例4に係る排ガス浄化装置は、実施例1に係る排ガス浄化装置と略同様の構成であるが、吸入空気用バルブ及び非過給空気通路が設けられておらず、浄化空気用バルブの代わりに浄化空気調整バルブが設けられている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図6は、本発明の実施例4に係る排ガス浄化装置の要部概略図である。同図に示す排ガス浄化装置70は、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に内燃機関に備えられ、モータアシストターボ10を有している。このモータアシストターボ10には、供給通路32が接続されており、供給通路32には、インタークーラ15が設けられている。また、供給通路32は吸気通路33と浄化空気通路34とに分岐している。このうち、吸気通路33には、実施例1に係る排ガス浄化装置1と異なり、吸入空気用バルブ21が設けられておらず、また、非過給空気通路36も設けられていない。このため、吸気通路33には、スロットルバルブ28のみが設けられており、その端部は、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、内燃機関の吸気ポートに接続されている。
また、浄化空気通路34には、実施例1に係る排ガス浄化装置1と異なり、浄化空気用バルブ22の代わりに、浄化空気通路34内を流れる浄化空気の流量を調節する浄化空気調整バルブ71が設けられている。さらに、浄化空気通路34には、浄化空気調整バルブ71における供給通路32が位置している側の反対側、つまり、浄化空気通路34内を流れる浄化用空気の流れ方向における浄化空気調整バルブ71の下流側に、高電圧電源26が接続されたオゾン発生器25が設けられ、さらにその下流で、排気通路35に接続されている。また、この排気通路35には、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、排気通路35内を流れる排ガスの流れ方向における、浄化空気通路34が排気通路35に接続されている部分の下流側に排ガスフィルタ40が設けられている。また、浄化空気調整バルブ71は、実施例1に係る排ガス浄化装置1が有する浄化空気用バルブ22と同様に、制御部に接続されている。
この実施例4に係る排ガス浄化装置70は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この排ガス浄化装置70は、当該排ガス浄化装置70が接続される内燃機関に運転時における排ガスの圧力、または、ターボモータ13によってモータアシストターボ10が作動する。これにより、モータアシストターボ10のコンプレッサ11が作動し、この作動によりエアフィルタ5から空気が吸入され、この空気はエアフィルタ通路31を通り、コンプレッサ11に吸入された後、コンプレッサ11から圧縮空気が供給通路32に供給される。この供給通路32には、インタークーラ15が接続されているため、モータアシストターボ10から供給通路32に供給された圧縮空気は、インタークーラ15に流れ、インタークーラ15で冷却される。インタークーラ15で冷却された空気は、インタークーラ15の下流側に位置する供給通路32に流れるが、この供給通路32は、吸気通路33と浄化空気通路34とに分岐している。このため、インタークーラ15から供給通路32に流れた空気は、一部は吸入空気として吸気通路33に流れ、残りは浄化用空気として浄化空気通路34に流れる。
このうち、吸気通路33に流れる吸入空気は、スロットルバルブ28に向けて流れ、スロットルバルブ28まで流れた吸入空気は、スロットルバルブ28で流量が調整されて、内燃機関の吸気ポートから内燃機関に吸入される。
また、浄化空気通路34に流れる浄化用空気は、浄化空気調整バルブ71に向けて流れる。この浄化空気調整バルブ71は、浄化空気通路34を流れる浄化空気の流量を調整可能に形成されている。このため、浄化空気調整バルブ71まで流れた浄化用空気は、浄化空気調整バルブ71で流量が調節され、浄化用空気の流れ方向において浄化空気調整バルブ71の下流に位置するオゾン発生器25に向けて流される。
このように、浄化空気調整バルブ71では、当該浄化空気調整バルブ71の下流に位置するオゾン発生器25の方向に流す浄化用空気の流量を調節可能になっているが、浄化用空気の流量を調節することにより、スロットルバルブ28の方向に流れる吸入空気の流量も変化する。即ち、浄化空気通路34と吸気通路33とは、供給通路32から分岐しており、浄化空気通路34内を流れる浄化用空気と吸気通路33内を流れる吸入空気とは、供給通路32内を流れる空気が分かれたものである。このため、浄化空気調整バルブ71を調節して、オゾン発生器25に向けて流れる浄化用空気の流量が少なくなった場合には、吸気通路33内を流れる吸入空気の流量が増加する。これに対し、浄化空気調整バルブ71を調節して、オゾン発生器25に向けて流れる浄化用空気の流量が多くなった場合には、吸気通路33内を流れる吸入空気の流量が減少する。
浄化用空気がオゾン発生器25に向けて流され、オゾン発生器25に供給された場合には、オゾン発生器25で浄化用空気からオゾンを生成する。ここで、この浄化用空気は、インタークーラ15によって冷却されているため、オゾン発生器25では、多くのオゾンを浄化用空気から発生させる。オゾン発生器25で発生したオゾンは、実施例1に係る排ガス浄化装置1と同様に、排気通路35に流入し、排気通路35に設けられる排ガスフィルタ40に流れる。このように、オゾンが排ガスフィルタ40に流れることにより、排ガスフィルタ40内におけるオゾンの酸化作用によって、排ガスは、より確実に浄化される。
図7は、浄化用空気の流量とオゾン発生量との相対関係を示す図である。ここで、オゾン発生器25で発生するオゾンの量は、オゾン発生器25を通る浄化空気の流量にほぼ比例しており、図7に示すように、浄化用空気流量とオゾン発生量との関係を示す線であるオゾン発生量線75は、浄化用空気の流量が増加すると、オゾンの発生量も増加し、浄化用空気の流量が減少すると、オゾンの発生量も減少するように示される。
図8は、浄化空気調整バルブの開度と浄化用空気の流量と相対関係を示す図である。また、浄化空気調整バルブ71は、浄化用空気の流量を調節できるように形成されているが、浄化空気調整バルブ71の開度と浄化用空気の流量とは、ほぼ比例している。例えば、図8に示すように、浄化空気調整バルブ71の開度と浄化用空気流量との関係を示す線である浄化用空気流量線76は、浄化空気調整バルブ71の開度が大きくなると、浄化用空気の流量は増加し、浄化空気調整バルブ71の開度が小さくなると、浄化用空気の流量は減少するように示される。
図9は、本発明の実施例4に係る排ガス浄化制御方法の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例4に係る排ガス浄化制御方法、即ち、当該排ガス浄化装置70の処理手順について詳細に説明する。なお、この説明では、実施例1に係る排ガス浄化制御方法と同様な判断手順や処理手順がある場合には、その詳細な説明は省略する。実施例4に係る排ガス浄化制御方法では、まず、排ガス浄化装置70の作動開始時には、浄化空気調整バルブ71を全閉にし、ターボモータ13を停止させる。排ガス浄化装置70の作動時には、まず、オゾン発生要求が有るかを検出し、判断する(ステップST301)。この判断により、オゾン発生要求が有ると判断された場合には、浄化空気調整バルブ71を開く(ステップST302)。これに対し、オゾン発生要求が無いと判断された場合には、浄化空気調整バルブ71を閉じる(ステップST303)。
次に、加速要求、またはオゾン発生要求が有るかを検出し、判断する(ステップST304)。この検出のうち、加速要求の検出は、車両の運転席に設けられるアクセルペダル(図示省略)の操作量、または、スロットルバルブ28の開度によって判断し、アクセルペダルが踏まれる、または、スロットルバルブ28が開かれれば、加速要求が有るものと判断される。また、オゾン発生要求は、ステップST301でのオゾン発生要求の判断を参照する。この判断により、加速要求、またはオゾン発生要求のいずれも無いと判断された場合には、モータアシストターボ10が有するターボモータ13を停止する(ステップST305)。オゾン発生要求が無い場合には、浄化空気通路34を流れる浄化用空気は、あまり必要としない。また、加速要求が無い場合でも、吸入空気は、内燃機関の通常運転に必要な分だけが必要であるが、ターボモータ13を停止させても、内燃機関が運転している間は、モータアシストターボ10は作動する。このため、加速要求が無い場合には、ターボモータ13を停止させた状態におけるモータアシストターボ10から供給された吸入空気によって、内燃機関は作動する。
また、加速要求、またはオゾン発生要求の少なくともいずれか一方が有ると判断された場合には、ターボモータ13を駆動する(ステップST306)。これにより、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気の送出量は増加するので、より多くの空気を内燃機関に吸入させて出力を増加させることができる、または、より多くのオゾンを発生させて、排ガスを浄化することができる。
以上の排ガス浄化装置70は、浄化空気通路34に浄化空気調整バルブ71を設けているので、オゾン発生器25に流す浄化用空気の量を、より任意の量で流すことができる。これにより、オゾン発生器25で発生させるオゾンの量を、所望の量で発生させることができる。従って、排ガスの浄化に必要な分のオゾンを発生させ、この適量のオゾンによって、より確実に排ガスの浄化を行なうことができる。この結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
また、この排ガス浄化装置70は、実施例1に係る排ガス浄化装置1に設けられる浄化空気用バルブ22の代わりに浄化空気調整バルブ71を設け、吸入空気用バルブ21及び非過給空気通路36は設けず、装置全体を簡略している。即ち、浄化空気通路34に浄化空気調整バルブ71を設けることにより、浄化空気調整バルブ71で浄化空気通路34内を流れる浄化用空気の流量を調節することができ、この調節に伴い、吸気通路33内を流れる吸入空気の流量を調節することができる。従って、部品点数を減らし、構成を簡略化させた場合でも、オゾンによって排ガスの浄化を行なうことができる。この結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
本実施例5に係る排ガス浄化装置は、実施例3に係る排ガス浄化装置と略同様の構成であるが、吸入空気用バルブ、浄化空気用バルブ及び非過給空気通路が設けられておらず、浄化空気調整バルブが設けられている点に特徴がある。他の構成は実施例3と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図10は、本発明の実施例5に係る排ガス浄化装置の要部概略図である。同図に示す排ガス浄化装置80は、実施例3に係る排ガス浄化装置60と同様に内燃機関に備えられ、モータアシストターボ10を有しており、また、独立したインタークーラ82として第1インタークーラ83と第2インタークーラ84とを有している。このうち、第1インタークーラ83は、モータアシストターボ10のコンプレッサ11に接続されている供給通路32に設けられており、この供給通路32は、モータアシストターボ10から供給される空気の流れ方向において、第1インタークーラ83の下流側に位置する部分で、吸気通路33と浄化空気通路34とに分岐している。
供給通路32から分岐した吸気通路33と浄化空気通路34とのうち、吸気通路33には、実施例3に係る排ガス浄化装置60とは異なり吸入空気用バルブ21は設けられておらず、スロットルバルブ28が設けられている。さらに、この吸気通路33は、内燃機関の吸気ポートに接続されている。
また、浄化空気通路34には、浄化空気通路34内を流れる浄化用空気の流れ方向において、吸気通路33と分岐している部分よりも下流側の位置に、第2インタークーラ84が設けられており、さらに、その下流側に浄化空気調整バルブ81が設けられている。さらに、浄化空気通路34には、浄化用空気の流れ方向における浄化空気調整バルブ81の下流側に、高電圧電源26が接続されたオゾン発生器25が設けられており、浄化空気通路34は、さらにその下流で、排気通路35に接続されている。また、この排気通路35には、実施例3に係る排ガス浄化装置60と同様に、排気通路35内を流れる排ガスの流れ方向における、浄化空気通路34が排気通路35に接続されている部分の下流側に、排ガスフィルタ40が設けられている。
また、浄化空気調整バルブ81も、実施例3に係る排ガス浄化装置60に設けられた吸入空気用バルブ21や浄化空気用バルブ22と同様に、制御部3に接続されている。さらに、この制御部3には、実施例3に係る排ガス浄化装置60と同様に、排気通路35における排ガスフィルタ40の上流側に設けられた排圧センサ(図示省略)が接続されている。
この実施例5に係る排ガス浄化装置80は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この排ガス浄化装置80は、当該排ガス浄化装置80が接続される内燃機関に運転時における排ガスの圧力、または、ターボモータ13によってモータアシストターボ10が作動する。これにより、モータアシストターボ10のコンプレッサ11が作動し、この作動によりエアフィルタ5から空気が吸入され、この空気はエアフィルタ通路31を通り、コンプレッサ11に吸入された後、コンプレッサ11から圧縮空気が供給通路32に供給される。この供給通路32には、第1インタークーラ83が接続されているため、モータアシストターボ10から供給通路32に供給された圧縮空気は、第1インタークーラ83に流れ、第1インタークーラ83で冷却される。第1インタークーラ83で冷却された空気は、第1インタークーラ83の下流側に位置する供給通路32に流れるが、この供給通路32は、吸気通路33と浄化空気通路34とに分岐している。このため、第1インタークーラ83から供給通路32に流れた空気は、一部は吸入空気として吸気通路33に流れ、残りは浄化用空気として浄化空気通路34に流れる。
このうち、吸気通路33に流れる吸入空気は、スロットルバルブ28に向けて流れ、スロットルバルブ28まで流れた吸入空気は、スロットルバルブ28で流量が調整されて、内燃機関の吸気ポートから内燃機関に吸入される。
また、浄化空気通路34に流れる浄化用空気は、吸気通路33との分岐部の下流に位置する第2インタークーラ84に流れ、第2インタークーラ84で冷却される。この第2インタークーラ84で冷却された浄化用空気は、第2インタークーラ84の下流に位置する浄化空気調整バルブ81に向けて流れ、浄化空気調整バルブ81まで流れた浄化用空気は、浄化空気調整バルブ81で流量が調節され、浄化空気調整バルブ81の下流に位置するオゾン発生器25に向けて流される。
このように、浄化空気調整バルブ81は、オゾン発生器25の方向に流す浄化用空気の流量を調整可能になっているが、浄化空気通路34と吸気通路33とは、供給通路32から分岐したものであるため、浄化用空気の流量を調整した場合には、実施例3に係る排ガス浄化装置60と同様に、吸気通路33内を流れる吸入空気の流量も変化する。
また、オゾン発生器25に向けて流される浄化用空気は、インタークーラ82で冷却されているため、浄化用空気がオゾン発生器25に供給された場合には、オゾン発生器25では、多くのオゾンを浄化用空気から発生させる。オゾン発生器25で発生したオゾンは、実施例3に係る排ガス浄化装置60と同様に、排気通路35に流入し、排気通路35に設けられる排ガスフィルタ40に流れる。このように、多量のオゾンが排ガスフィルタ40に流れることにより、排ガスフィルタ40内におけるオゾンの酸化作用によって、排ガスは、より確実に浄化される。
図11は、本発明の実施例5に係る排ガス浄化制御方法の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例5に係る排ガス浄化制御方法、即ち、当該排ガス浄化装置80の処理手順について詳細に説明する。なお、この説明では、実施例3に係る排ガス浄化制御方法と同様な判断手順や処理手順がある場合には、その詳細な説明は省略する。実施例5に係る排ガス浄化制御方法では、まず、排ガス浄化装置80の作動開始時には、浄化空気調整バルブ81を全閉にし、ターボモータ13を停止させる。排ガス浄化装置80の作動時には、まず、車両の加速要求が有るかを検出し、判断する(ステップST401)。この判断によって、加速要求が有ると判断された場合には、オゾン発生要求が有るかを検出し、判断する(ステップST402)。この判断によって、オゾン発生要求が有ると判断された場合には、排圧センサで排圧を検出する(ステップST403)。次に、検出した排圧が、前記Pth(実施例3参照)よりも高いかを判断する(ステップST404)。
この判断により、排圧がPthよりも低いと判断された場合には、浄化空気調整バルブ81を閉じる(ステップST405)。また、ステップST402で、オゾン発生要求が無いと判断された場合も同様に、浄化空気調整バルブ81を閉じる。排圧がPthよりも低い場合とは、オゾンを発生させる必要がないと判断された場合である。このため、浄化空気調整バルブ81を閉じることにより、浄化用空気はオゾン発生器25に流れ難くなり、オゾンの発生量は低減する。また、ステップST401で加速要求が有ると判断されているが、浄化空気調整バルブ81を閉じることにより、吸気通路33には、供給通路32からより多くの空気が流れ、吸気通路33内には、より多くの吸入空気が流れる。これにより、内燃機関に吸入される吸入空気量は増加するので、より多くの燃料を燃焼させることができる。従って、内燃機関の出力は増加し、当該内燃機関を搭載する車両は加速する。
また、検出された排圧がPthよりも高いと判断された場合には、後述するステップST413に移行し、浄化空気調整バルブ81を開く(ステップST413)。
次に、加速要求、またはオゾン発生要求が有るかを判断する(ステップST406)。この判断では、前段階のステップにおける、加速要求の判断及びオゾン発生要求の判断を参照し、少なくともいずれか一方が有る場合には、ターボモータ13を駆動する(ステップST407)。これにより、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気の送出量は増加するので、内燃機関の出力を増加させたり、より多くのオゾンで排ガスを浄化したりすることができる。
また、加速要求、またはオゾン発生要求のいずれも無い場合には、モータアシストターボ10が有するターボモータ13を停止する(ステップST408)。オゾン発生要求が無い場合には、浄化空気通路34を流れる浄化用空気は、あまり必要としない。また、加速要求が無い場合でも、吸入空気は、内燃機関の通常運転に必要な分だけが必要であるが、ターボモータ13を停止させても、内燃機関が運転している間は、モータアシストターボ10は作動する。このため、加速要求が無い場合には、ターボモータ13を停止させた状態におけるモータアシストターボ10から供給された吸入空気によって、内燃機関は作動する。
また、ステップST401の加速要求が有るかの判断で、加速要求が無いと判断された場合には、オゾン発生要求が有るかを検出し、判断する(ステップST409)。この判断によって、オゾン発生要求が有ると判断された場合には、次に、加速要求が有るかを判断する(ステップST410)。この判断によって、加速要求が有ると判断された場合には、排圧センサで排圧を検出する(ステップST411)。次に、検出した排圧が、前記Pthよりも高いかを判断する(ステップST412)。
この判断により、排圧がPthよりも高いと判断された場合には、浄化空気調整バルブ81を開く(ステップST413)。また、ステップST410で、加速要求が無いと判断された場合も同様に、浄化空気調整バルブ81を開く。排圧がPthよりも高い場合とは、オゾンを発生させる必要が有ると判断された場合である。このため、浄化空気調整バルブ81を開くことにより、モータアシストターボ10から送出される圧縮空気のうち、浄化用空気として浄化空気通路34に流れる空気の量が増加するので、浄化空気通路34に設けられたオゾン発生器25に、より多くの浄化用空気を供給することができる。
また、検出された排圧がPthよりも低いと判断された場合には、上記ステップST405に移行し、浄化空気調整バルブ81を閉じる(ステップST405)。
次に、加速要求、またはオゾン発生要求が有るかを判断し(ステップST406)、この判断により、少なくともいずれか一方が有ると判断された場合には、ターボモータ13を駆動する(ステップST407)。これにより、多くの吸入空気を内燃機関に吸入させ、出力を増加させることができる、または、より多くのオゾンを発生させて、排ガスを浄化することができる。
また、ステップST406による判断で、加速要求、またはオゾン発生要求のいずれも無いと判断された場合には、モータアシストターボ10が有するターボモータ13を停止する(ステップST408)。これにより、ターボモータ13を駆動させることによる、モータアシストターボ10から送出する圧縮空気の増量を停止する。
また、ステップST409のオゾン発生要求が有るかの判断で、オゾン発生の要求が無いと判断された場合にも、上記の加速要求、またはオゾン発生要求が有るかを判断し(ステップST406)、判断結果に応じてターボモータ13を駆動(ステップST407)、またはターボモータ13を停止する(ステップST408)。
以上の排ガス浄化装置80は、浄化空気通路34に浄化空気調整バルブ81を設けているので、オゾン発生器25に流す浄化用空気の量を、より任意の量で流すことができる。これにより、オゾン発生器25で発生させるオゾンの量を、所望の量で発生させることができる。従って、排ガスの浄化に必要な分のオゾンを発生させ、この適量のオゾンによって、より確実に排ガスの浄化を行なうことができる。
また、吸気通路33に流れる吸入空気は、第1インタークーラ83のみによって冷却されるのに対し、浄化空気通路34を流れる浄化用空気は、第1インタークーラ83と第2インタークーラ84との双方のインタークーラ82によって冷却される。これにより、吸入空気の冷却率よりも高い冷却率で浄化用空気を冷却することができる。従って、オゾン発生器25で浄化用空気からオゾンを発生させる際に、より効率良く多量のオゾンを発生させることができる。この結果、より確実に効率良く排ガスを浄化することができる。
また、この排ガス浄化装置80は、実施例3に係る排ガス浄化装置60に設けられる浄化空気用バルブ22の代わりに浄化空気調整バルブ81を設け、吸入空気用バルブ21、非過給空気通路36、及びバイパス通路61は設けず、装置全体を簡略している。即ち、浄化空気通路34に浄化空気調整バルブ81を設けることにより、浄化空気調整バルブ81で浄化空気通路34内を流れる浄化用空気の流量を調節することができ、この調節に伴い、吸気通路33内を流れる吸入空気の流量を調節することができる。従って、部品点数を減らし、構成を簡略化させた場合でも、オゾンによって排ガスの浄化を行なうことができる。この結果、より効率良く排ガスを浄化することができる。
図12は、実施例4に係る排ガス浄化装置の変形例を示す要部概略図である。なお、実施例4に係る排ガス浄化装置70では、インタークーラ15が1つだけ設けられており、このインタークーラ15によって吸入空気、及び浄化用空気の双方を冷却しているが、インタークーラ15は吸入空気用と浄化空気用との2つ設けてもよい。例えば、図12に示すように、吸気通路33には吸入空気インタークーラ52を設け、浄化空気通路34には浄化空気インタークーラ53を設けてもよい。即ち、実施例4に係る排ガス浄化装置70のインタークーラ15を、実施例2に係る排ガス浄化装置50が有するインタークーラ51に置き換えてもよい。さらに、このように、吸入空気インタークーラ52と浄化空気インタークーラ53とを設ける場合には、浄化空気インタークーラ53の冷却効率は、吸入空気インタークーラ52の冷却効率を高くするのが好ましい。
これらにより、任意の量でオゾン発生器25に浄化用空気を流して適量のオゾンを発生させることができると共に、オゾンの生成に用いる浄化用空気を、より確実に冷却できるので、効率良くオゾンを発生させることができ、このオゾンで排ガスを浄化することができる。この結果、より確実に、効率良く排ガスを浄化することができる。
また、排ガス浄化制御方法、即ち、排ガス浄化装置の処理手順では、排圧によってオゾンの発生要求を検出しているが、オゾンの発生要求は、排圧以外で判断してもよい。例えば、間欠的に浄化用空気がオゾン発生器25に流れるようにし、この浄化用空気がオゾン発生器に流れるタイミングを、オゾン発生要求としてもよい。
以上のように、本発明に係る排ガス浄化装置及び排ガス浄化制御方法は、排ガスを浄化する場合に有用であり、特に、排ガスの浄化にオゾンを用いる場合に適している。
本発明の実施例1に係る排ガス浄化装置を示す概略図である。
本発明の実施例1に係る排ガス浄化制御方法の処理手順を示すフロー図である。
本発明の実施例2に係る排ガス浄化装置の要部概略図である。
本発明の実施例3に係る排ガス浄化装置の要部概略図である。
本発明の実施例3に係る排ガス浄化制御方法の処理手順を示すフロー図である。
本発明の実施例4に係る排ガス浄化装置の要部概略図である。
浄化用空気の流量とオゾン発生量との相対関係を示す図である。
浄化空気調整バルブの開度と浄化用空気の流量と相対関係を示す図である。
本発明の実施例4に係る排ガス浄化制御方法の処理手順を示すフロー図である。
本発明の実施例5に係る排ガス浄化装置の要部概略図である。
本発明の実施例5に係る排ガス浄化制御方法の処理手順を示すフロー図である。
実施例4に係る排ガス浄化装置の変形例を示す要部概略図である。
符号の説明
1、50、60、70、80 排ガス浄化装置
3 制御部
5 エアフィルタ
10 モータアシストターボ
11 コンプレッサ
12 タービン
13 ターボモータ
15、51、65、82 インタークーラ
21 吸入空気用バルブ
22 浄化空気用バルブ
25 オゾン発生器
26 高電圧電源
28 スロットルバルブ
31 エアフィルタ通路
32 供給通路
33 吸気通路
34 浄化空気通路
35 排気通路
36 非過給空気通路
40 排ガスフィルタ
52 吸入空気インタークーラ
53 浄化空気インタークーラ
61 バイパス通路
62 バイパス通路用バルブ
66、83 第1インタークーラ
67、84 第2インタークーラ
71、81 浄化空気調整バルブ
75 オゾン発生量線
76 浄化用空気流量線