JP4918770B2 - 板材処理装置及び板材製造方法 - Google Patents
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Description
近年、生産性を向上させるために歩留まりをよくする目的で、複数のガラス板のもととなるマザーガラスのサイズが大型化する傾向がある。さらに、ガラス板を薄型化する傾向もある。
このような強度と酸またはアルカリの処理液に対する耐性とを兼ね備えた搬送ロールとして、鉄やステンレス鋼等の剛性を有する軸に、ポリ塩化ビニル樹脂やフッ素ゴム等、耐酸性素材の被覆層を設けたものが使用されていた。
さらに、このように重量の大きい搬送ロールを多数用いてガラス板を搬送し処理するためには、処理装置の筐体も大きい重量に耐えるだけの強度が必要であるため、筐体自身の重量も大きくせざるを得ない。
したがって、従来の板材の処理装置、特に薄くかつ大型の板材の処理が可能な処理装置は、高重量かつ高コストのものであった。
[1]水密構造の筐体と、水平姿勢の板材を前記筐体内で水平方向に搬送する搬送手段と、前記板材の表面に酸またはアルカリの処理液を供給する処理液供給手段とを備え、
前記搬送手段が、前記板材を載置して搬送するために搬送方向に沿って複数配列された下側搬送ロールを有し、
該各々の下側搬送ロールは、炭素繊維強化樹脂からなる複数の主軸と、該複数の主軸の各々に複数取り付けられたホイールを備え、該複数の主軸は、搬送方向と直行する幅方向の同一の直線に沿って配置され、かつ個別に軸支されており、
前記筐体の少なくとも内面がポリ塩化ビニル樹脂またはポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする板材処理装置。
[3]前記搬送手段が、さらに搬送方向に沿って複数配列された上側搬送ロールを有し、該上側搬送ロールと前記下側搬送ロールによって、前記板材を挟持して搬送する[1]または[2]に記載の板材処理装置。
[4]前記処理液が塩酸である[1]〜[3]の何れかに一項記載の板材処理装置。
[5]前記板材がガラス板である[1]〜[4]の何れか一項に記載の板材処理装置。
[6][1]〜[5]の何れか一項に記載の板材処理装置を用いて板材を処理する工程を有することを特徴とする板材製造方法。
また、本発明の板材製造方法は、軽量化された搬送手段を用いて、処理対象の板材をたわませることなく板材を処理することにより、高品質の板材を低コストで供給できる。
図1に示すように、本実施形態の酸洗浄装置は、主に、筐体1と、筐体1内の下方の図示左側において幅方向(ガラス板Gの搬送方向と直行する方向)に沿って設けられた下側搬送ロール2と、下側搬送ロール2の図示右側において下側搬送ロール2と同一直線上に設けられた下側搬送ロール3と、これら下側搬送ロール2、3の上側に設けられた上側搬送ロール4と、下側搬送ロール2、3の下方にあって酸処理液を上側に向けて噴出するノズル5、5・・・と、上側搬送ロール4の上側にあって酸処理液を下側に向けて噴出するノズル6、6・・・とで構成されている。
なお、筐体1の上部中央には、蛍光灯8が取りつけられ、内部を照明できるようになっている。また、筐体1の底面には、酸処理液の排出管9が取り付けられている。
1.2×105N/mm2≦E≦1.5×105N/mm2
1.0g/cm3≦D≦2.0g/cm3
カーボンシャフト11の直径は、15〜50mmであることが好ましい。
円筒部12aの両端は隣り合うホイール部材12の円筒部12aと嵌合する嵌合部12dとされており、隣り合う円筒部12a同士が連結することにより、全体として複数の円筒部12a、12a・・・が連続する筒状体を形成している。
末端部材13のホイール部材12側には嵌合部13aが形成されており、嵌合部12dと嵌合することによりホイール部材12と連結するようになっている。
同様に、下側搬送ロール3の一端側は、筐体1の右側壁1b近傍において支持レール23に設けられた軸受け23aに軸支されている。また、下側搬送ロール3の他端側は、筐体1の略中央部において支持レール22に設けられた軸受け22bに軸支されている。
また、上側搬送ロール4の一端側は、筐体1の左側壁1a近傍において支持レール21に設けられた軸受け21bに軸支されている。また、上側搬送ロール4の他端側は、筐体1の右側壁1b近傍において支持レール23に設けられた軸受け23bに軸支されている。
なお、図示を省略するが、支持レール21、22、23は、何れも、筐体1の底面に取り付けられたブラケットにボルト止めすることにより、筐体1に固定されている。
支持レール21、22、23には、耐酸性の材質、例えばポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等が用いられる。また、ブラケット、ボルト等の取付部材にも、耐酸性の材質が用いられる。例えば、ブラケットにはポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等が用いられる。また、ボルトにはポリ塩化ビニル、ポリエーテルエーテルケトン等が用いられる。
同様に、支持レール23内には、図示しないモーター(ラインシャフト31aと同じモーターを共用している。)によって回転するラインシャフト31bがガラス板Gの搬送方向に沿って延在している。そして、各下側搬送ロール3の右側壁1b側にはスパイラルギア32bが取り付けられ、このスパイラルギア32bにラインシャフト31bの回転が伝達されることにより各下側搬送ロール3が、下側搬送ロール2と同期して回転するようになっている。
なお、支持レール21、23内には、ラインシャフト31a、31bを円滑に回転させるため、潤滑液33が供給されている。本実施形態では、潤滑液33として、塩酸が用いられている。
このように、下側搬送ロール2、3と上側搬送ロール4とに、図示しないモーターの回転が伝達されることにより、これらの間に挟持されたガラス板Gが搬送されるようになっている。
なお、ラインシャフト31a、31b、スパイラルギア32a、32b、平ギア34a、34b等の動力伝達系には、耐酸性の材質が用いられる。例えば、ラインシャフト31a、31bにはジルコニウムやチタン(チタンは酸濃度が低い場合に限られる。)等が用いられる。スパイラルギア32a、32b、平ギア34a、34b等のギアには、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等が用いられる。
これらノズル5、5・・・、ノズル6、6・・・、配管36、37は、ガラス板Gの搬送方向(紙面に垂直な方向)に沿って多数配列して設置されており、ガラス板Gの両面に略均等に酸処理液を噴出できるようになっている。
ノズル5、5・・・、ノズル6、6・・・、配管36、37には、耐酸性の材質、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が用いられる。
噴出された酸処理液は、排出管9から排出された後、図示しない処理液タンクに戻り、繰り返し、ノズル5、5・・・、ノズル6、6・・・から噴出できるようになっている。
また、下側搬送ロール2、3は、各々別個に軸支されているので、幅方向に単一の下側搬送ロールを設けた場合より、さらに、たわみにくくなっている。
本実施形態のガラス板製造方法の酸洗浄工程では、本実施形態のガラス板の酸洗浄装置を用いてガラス板を処理する。具体的には、ノズル5、5・・・、ノズル6、6・・・から酸処理液を噴出しつつガラス板を搬送する。これにより、ガラス板製造における酸洗浄工程を、流れ作業で効率的に行うことができる。
また、本実施形態では、処理液供給手段としてガラス板Gに向けて酸処理液を上下から噴出するノズル5、6を用いたが、ノズル5(または6)を省略して、ガラス板Gの上面(または下面)のみ処理する構成としてもよい。また、ノズルに代えて、筐体1内にガラス板Gが浸かる水位まで酸処理液を供給する供給管を設けてもよい。
8…蛍光灯、9…排出管、
11…カーボンシャフト、12…ホイール部材、13…末端部材、14…Oリング、
21、22、23…支持レール、31a、31b…ラインシャフト、
32a、32b…スパイラルギア、33…潤滑液、34a、34b…平ギア、
36、37…配管、G…ガラス板
Claims (6)
- 水密構造の筐体と、水平姿勢の板材を前記筐体内で水平方向に搬送する搬送手段と、前記板材の表面に酸またはアルカリの処理液を供給する処理液供給手段とを備え、
前記搬送手段が、前記板材を載置して搬送するために搬送方向に沿って複数配列された下側搬送ロールを有し、
該各々の下側搬送ロールは、炭素繊維強化樹脂からなる複数の主軸と、該複数の主軸の各々に複数取り付けられたホイールを備え、該複数の主軸は、搬送方向と直行する幅方向の同一の直線に沿って配置され、かつ個別に軸支されており、
前記筐体の少なくとも内面がポリ塩化ビニル樹脂またはポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする板材処理装置。 - 前記各々の下側搬送ロールは、炭素繊維強化樹脂からなる2本の主軸と、該2本の主軸の各々に複数取り付けられたホイールを備え、該2本の主軸は、搬送方向と直行する幅方向の同一の直線に沿って配置され、かつ一方の主軸は前記筐体の幅方向における一方の内壁近傍と前記筐体の幅方向略中央部において軸支され、他方の主軸は前記筐体の幅方向における他方の内壁近傍と前記筐体の幅方向略中央部において軸支されている請求項1に記載の板材処理装置。
- 前記搬送手段が、さらに搬送方向に沿って複数配列された上側搬送ロールを有し、該上側搬送ロールと前記下側搬送ロールによって、前記板材を挟持して搬送する請求項1または2に記載の板材処理装置。
- 前記処理液が塩酸である請求項1〜3の何れか一項に記載の板材処理装置。
- 前記板材がガラス板である請求項1〜4の何れか一項に記載の板材処理装置。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の板材処理装置を用いて板材を処理する工程を有することを特徴とする板材製造方法。
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