JP4917287B2 - 皮膚外用剤および皮膚外用剤の抗菌・防腐方法 - Google Patents

皮膚外用剤および皮膚外用剤の抗菌・防腐方法 Download PDF

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Description

本発明は2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルを含有することを特徴とする皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、広い抗菌スペクトルを有し、乳化製剤中で優れた抗菌・防腐効果を発揮し、しかも皮膚刺激性が少なく安全な2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルを含有する皮膚外用剤に関する。
一般に化粧品は、油脂、天然動植物抽出成分、増粘剤、保湿剤、水および界面活性剤等を加えた乳化物が多く、水分含量が高い製品が多いため、微生物の繁殖に適した条件である。このため、化粧品が工場で製造され流通過程を通じて消費者の手にわたり、さらに開封後その化粧品が使い終わるまでの間に偶発的に混入してくる微生物汚染の危険性から化粧品を守る必要がある。化粧品が微生物で汚染されると異臭、変色などの品質の劣化を招くだけでなく、配合成分の変質による皮膚障害や病原菌による感染症や菌体成分や代謝産物による有害感染が引き起こされる可能性がある。
このため、化粧品の微生物汚染の対策として、各種の抗菌・防腐剤を添加することが広く一般的に実施されている。従来より化粧品の抗菌・防腐剤としてはパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)が最も広く使用されているが、パラベンを配合した化粧品でのかぶれも多数報告されている。(非特許文献1参照)さらに最近では環境汚染の原因となり、アレルギー症もしくは擬アレルギー症を示す人が増大する傾向にあり、化粧品の抗菌・防腐剤による接触皮膚炎などの皮膚障害が増大する傾向にある。
また、パラベンはもともと抗菌スペクトルが狭く、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌などの細菌類には比較的良好な抗菌・防腐力を示すが、酵母およびカビ類には効果が弱いという問題があった。さらには化粧品のように油性成分や水を多量に含み、かつ界面活性剤が配合されている乳化物中では、界面活性剤や油分によってパラベンの溶解状態が影響され、一般的に菌が存在する水相へのパラベンの分配率が減少し抗菌・防腐力が著しく低下するという問題がある。
さらに、化粧品のうち外観が半透明から透明の化粧水などにパラベンを使用する場合、界面活性剤などでパラベンを製品中に可溶化させることが必要である。このように、パラベンを製品中に可溶化させた系では、その抗菌・防腐力が著しく低下する。また、シャンプーやリンスなどのように、界面活性剤が多量に含まれている製品においても同様な抗菌・防腐力の低下が起こる。
これらの問題を解決するために、グリセリンモノオクタン酸エステル、グリセリンモノデカン酸エステル、グリセリンモノラウリン酸エステルなどの中鎖脂肪酸グリセリンエステル、ショ糖モノラウリン酸エステルなどの中鎖脂肪酸ショ糖エステル、ジグリセリンモノオクタン酸エステル、ジグリセリンモノデカン酸エステル、ジグリセリンモノラウリン酸エステルなどの中鎖脂肪酸ジグリセリンエステル、デカン酸、ウンデシレン酸などの中鎖脂肪酸、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールなどの多価アルコールなどの比較的皮膚刺激が少なく安全な抗菌・防腐剤が提案されている。しかし、これらは抗菌スペクトルが狭く、細菌類、真菌類およびカビ類のすべてに良好な抗菌・防腐力を示すには不十分であり、しかも、乳化製剤中では界面活性剤の種類や油性成分の組成などに影響され、抗菌・防腐力が著しく低下する場合がある。
また、乳化製剤中でのパラベン類の抗菌・防腐力を向上させる方法として1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールなどをフェノキシエタノールやパラベンと併用する技術があるが、(特許文献2〜4参照)この技術によっても、細菌類、真菌類およびカビ類のすべてに抗菌・防腐力を示すには十分ではない。また、乳化製剤の組成により抗菌・防腐力が影響されるという問題は解決できない。また、フェノキシエタノールは皮膚刺激性があり安全性上問題がある。
北米接触皮膚炎団体(North American Contact Dermatitis Group) Archives of Dermatology 108,p573(1973) 特開平11−322591 特開平11−310506 特開平15−081761
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、乳化製剤中でも優れた抗菌・防腐力を有し、しかも皮膚刺激の少ない抗菌・防腐剤を含有する皮膚外用剤および皮膚外用剤用の抗菌・防腐方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定構造の2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルが優れた抗菌・防腐効果を有することを見出し、本化合物を配合することにより安全性が高く、抗菌・防腐効果に優れた皮膚外用剤が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記式(化1)で示される2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルを含有することを特徴とする皮膚外用剤および2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルを使用する皮膚外用剤の抗菌・防腐方法に関する。
Figure 0004917287
は、メチル基またはエチル基を示す。
は、炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキルフェニル基、フェニル基またはベンジル基を示す。
本発明によれば、広い抗菌スペクトルを有し、乳化製剤中に配合しても高い抗菌・防腐効果を発揮し、しかも安全性も良好な皮膚外用剤が得られる。
以下、本発明について詳述する。
本発明においては下記の式で示される2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルが用いられる。
Figure 0004917287
はメチル基またはエチル基であり、Rは、炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキルフェニル基、フェニル基またはベンジル基である。
本発明の2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルは2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸とアルコールとのエステル化反応によって合成される。
本発明の化合物の合成に用いられる2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸はポリエステル樹脂の原料として使用されているものでありPerstorp Speciality Chemicals AB(スエーデン)社などで工業的に製造されている。また、これらは一般名でジメチロールアルキルカルボン酸と呼ばれるものであり、具体的にはRがメチル基またはエチル基であるジメチロールプロピオン酸およびジメチロールブタン酸が用いられる。
本発明の化合物の合成に用いられるアルコールとしては炭素数1〜12の直鎖または分岐で飽和であっても不飽和結合を有していてもよく、芳香族化合物であってもよい。
本発明に用いられる2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルを例示すると2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸メチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸エチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸n-プロピル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸イソプロピル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸n−ブチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸イソブチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸t−ブチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸n−ペンチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸n−ヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸シクロヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸n−ヘプチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸n−オクチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸2−エチルヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸n−ノニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸イソノニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸n−ドデシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸分岐ドデシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸フェニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸メチルフェニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸t−ブチルフェニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸ベンジル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸メチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸エチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−プロピル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸イソプロピル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−ブチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸イソブチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸t−ブチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−ペンチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−ヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸シクロヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−ヘプチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−オクチル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸2−エチルヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−ノニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸イソノニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−ドデシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸分岐ドデシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸フェニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸メチルフェニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸t−ブチルフェニル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸ベンジルなどが挙げられる。
本発明に用いられる2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルは2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸とアルコールとの公知のエステル化反応で合成することができる。すなわち、カセイソーダやカセイカリなどの触媒の存在下、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸とアルコールを100〜250℃で脱水縮合させ、その後ろ過、蒸留などの公知の方法で精製する。反応のさいに反応効率を上げる目的でノルマルヘキサン、シクロヘキサン、トルエンなどの溶媒を使用することもできる。さらには2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸に対してアルコールを過剰に仕込み2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸同士の縮合反応をできるだけ抑制する方法も用いることもできる。この場合は過剰のアルコールを蒸留などで除去して合成することができる。
本発明に用いられる2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルは、常温において液体または半固体から固体の化合物であり、皮膚に対する刺激が極めて低いか、又は無い。また、本発明のエステルは抗菌・防腐効果だけでなく、エモリエント効果や溶剤としての効果にも優れていると考えられ、皮膚外用剤用の油分や溶剤としても利用することが可能である。
本発明に用いられる2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルの皮膚外用剤への配合量は製品形態によって異なり、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜30質量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
さらに本発明の皮膚外用剤には、前記必須成分の他、通常の化粧料、医薬部外品、医薬品当に用いられる各種任意成分、たとえば油剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、顔料、粉体、pH調整剤、薬効成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料等を適宜配合することができる。
具体的には、油剤としては流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミツロウ、カルナバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコール、脂肪酸、高級アルコールと脂肪酸の合成エステル油、シリコーン油等が挙げられ、保湿剤としてはソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウムやヒアルロン酸などが挙げられ、増粘剤としてはカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カラギーナン、ゼラチンなどの水溶性高分子、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの電解質などが挙げられ、乳化剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどが挙げられ、粉体としてはタルク、セリサイト、マイカ、カオリン、シリカ、ベントナイト、亜鉛華、雲母、雲母チタン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、酸化鉄、群青などが挙げられ、pH調整剤としてはクエン酸−クエン酸ナトリウムなどの緩衝剤が挙げられ、薬効成分としてはアルブチン、ビタミンCおよびその誘導体、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン、ビタミンE誘導体、パンテテイン酸誘導体、トラネキサム酸およびその誘導体、各種植物抽出物などが挙げられる。
本品の皮膚外用剤は乳化、可溶化あるいは分散といった定法にしたがって製造することができる。また、本発明の皮膚外用剤はスキンケア化粧料に限定されるものではなく、メーキャップ化粧品、毛髪化粧品、シャンプーやヘアリンスなどを含み、医薬部外品や外用医薬品等も包含するものであり、その剤型もクリーム、乳液、化粧水、ファンデーション、パック、ローション状、ゲル状、溶液状、スティック状などその目的に応じて任意に選択することが出来る。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
表1に示すクリーム処方に、表2に示す本発明に係る化合物と表3に示す既存の抗菌・防腐剤を用いて抗菌・防腐試験を行った。
Figure 0004917287
Figure 0004917287
Figure 0004917287
(抗菌・防腐力試験)
表2に記載の発明例1〜5と表3に記載の比較例1〜5について、細菌類、真菌類およびカビに対する抗菌・防腐力試験を行った。試験は調製したクリームに各指標菌を10個/mLになるように接種し、菌数の経時変化を測定した。結果を表4に示す。本発明品は細菌および真菌に効果があり、一方、比較品は大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ状球菌、酵母および黒カビのいずれの菌種にも効果が無いか、効果が低かった。
(指標菌)
大腸菌 Escherichia Coli IF3972
緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa IF013275
黄色ブドウ球菌 Staphylococcus aureous IF013276
酵母 C.albicance IF01594
黒カビ A.niger IF004407
Figure 0004917287
表5に示す化粧水処方に、表6に示す本発明に係る化合物と表7に示す既存の抗菌・防腐剤を用いて抗菌・防腐試験を行った。
Figure 0004917287
Figure 0004917287
Figure 0004917287
抗菌・防腐力試験については、発明例1〜5および比較例1〜5と同様の方法で試験を行った。結果は表8に示す。本発明は細菌、真菌に対し効果があり、一方、比較品は大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、酵母および黒カビのいずれの菌種にも効果が無いか、効果が低かった。
Figure 0004917287
皮膚刺激性試験
発明例2、3、4と比較例2、4のクリームについて皮膚刺激性を閉塞パッチテストにより調べた。
(試験方法)
発明例2、3、4および比較例2、4のクリームをアルミニウム円盤(フィンチャンバー)に乗せ、これを上腕部に貼付した。24時間後にフィンチャンバーをはがし、その後30分経過後の皮膚の状態を下記判定基準に従って判定した。
判定基準
反応なし :−
わずかな紅班 :±
明らかな紅班 :+
紅班、浮腫および丘疹 :++
紅班、浮腫および小水疱 :+++
上記判定基準の各評点を0、0.5、1.0、2.0、3.0として反応が表れた人数に評点を乗じたものの和を総評点とした。総評点を被験者の人数で割り100倍した値が刺激指数となる。
Figure 0004917287
表9に示す結果より発明例2、3、4は比較例2、4と比較して刺激指数が小さく皮膚刺激が低いことが分かる。
乳液
(A)
モノステアリン酸グリセリル 1.0質量%
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン 1.0
テトラオレイン酸POE(30)ソルビット 0.5
ステアリン酸 0.2
ベヘニルアルコール 0.4
パルミチン酸セチル 0.4
オリーブスクワラン 2.0
トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン
2.0
ホホバ油 1.0
酢酸トコフェロール 0.1
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 0.1
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸イソブチル
3.0
(B)
1,3−ブチレングリコール 6.0
ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 1.0
カルボキシビニルポリマー(1%水溶液) 8.0
2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸イソブチル
3.0
精製水 残余
(C)
水酸化カリウム(1%水溶液) 2.1
精製水 3.9
(D)
シソエキス 0.5
アロエベラエキス 0.5
精製水 2.0
製法:A、B、Cを80℃に加熱溶解し、Dを45℃に加熱する。BをAに加え攪拌乳化し、直ちにCを加える。 攪拌冷却を続け、45℃でDを加え、35℃まで攪拌し、放置脱泡後、容器に充填する。
ファンデーション
(A)
モノラウリン酸デカグリセリル 2.5質量%
モノステアリン酸グリセリン 1.0
ポリリシノール酸ヘキサグリセリル 1.0
セトステアリルアルコール 4.0
トリ2―エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン
10.0
ネオペンタン酸イソアラキル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
酸化チタン 3.0
タルク 1.5
ポリアクリル酸アルキル 0.5
ベンガラ 0.4
黄酸化鉄 1.2
黒酸化鉄 1.2
メチルハイドロジェンポリシロキサン 0.2
(B)
キサンタンガム(2%水溶液) 5.0
グリセリン 5.0
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n-ブチル
2.0
精製水 残余
製法:Aを常温で攪拌、粉体を均一に分散させた後、80℃で加熱溶解し、Bを80℃に加熱溶解する。BをAに加え攪拌乳化した後、撹拌乳化する。その後、通常撹拌冷却し、35℃まで撹拌し、放置脱泡後,容器に充填する。
サンスクリーン乳液
(A)
モノステアリン酸ソルビタン 1.0質量%
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン 1.0
テトラオレイン酸POE(60)ソルビット 1.0
ベヘニルアルコール 1.0
ミツロウ 0.5
低融点パラフィン 0.5
メチルフェニルポリシロキサン 2.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 20.0
ジカプリル酸ピリドキシン 0.1
(B)
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸イソブチル
2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
カルボキシビニルポリマー(2%水溶液) 6.0
精製水 残余
(C)
トリエタノールアミン 0.12
精製水 4.88
製法:A、B、Cを80℃に加熱溶解攪拌均一にする。BをAに加え攪拌乳化し、直ちにCを加える。攪拌冷却を続け、35℃まで攪拌し、放置脱泡後、容器に充填する。
シャンプー
(A)
POE(2)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン
水溶液(36%水溶液) 5.0質量%
POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液
(27%水溶液) 10.0
ラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液(43%水溶液)
25.0
POEラノリン 1.0
POE(10)硬化ヒマシ油 1.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン
水溶液(30%水溶液) 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
ジステアリン酸エチレングリコール 2.0
塩化[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロ
ピル]ヒドロキシエチルセルロース 10.0
加水分解コラーゲンペプチド 1.0
アラントイン 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.3
(B)
クエン酸 0.05
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸イソブチル
3.0
精製水 残余
(C)
アロエベラエキス 1.0
カモミラエキス 1.0
(D)
香料 適量
製法:A、Bを80℃に加熱攪拌溶解し、C、Dを45℃に加熱混合する。BをAに加え低速攪拌混合する。攪拌冷却を続け、45℃でCを加え、35℃まで攪拌しDを添加攪拌し、放置脱泡後、容器に充填する。
ヘアリンス
(A)
ベヘナミドプロピルジメチルアミン 2.5質量%
ステアリルアルコール 5.0
オクチルドデカノール 1.5
ジメチルポリシロキサン(20cs) 6.0
(B)
ヒドロキシエチルセルロース 0.3
L−グルタミン酸 0.8
プロピレングリコール 5.0
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−ブチル
3.0
精製水 残余
(C)
香料 適量
製法:A、Bをそれぞれ80℃に加温溶解する。BにAを添加し撹拌乳化する。撹拌冷却し、50℃でCを添加する。さらに撹拌を続け、室温まで冷却する。
ボディーソープ
(A)
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン
水溶液(30%水溶液) 15.0質量%
N−ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノール
アミン液(30%水溶液) 30.0
ポリオキシエチレン牛脂アルキルヒドロキシミリスチレン
エーテル 0.5
ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム
20.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.0
エデト酸四ナトリウム 0.2
(B)
グリセリン 3.0
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸n−ブチル
3.0
精製水 残余
(C)
香料 適量
製法:A、Bを80℃に加熱溶解攪拌均一にする。BをAに加え攪拌混合する。攪拌冷却を続け、55℃でCを加え、35℃まで攪拌し、放置脱泡後 容器に充填する。
実施例4〜9の製品について、実施例1と同様の抗菌・防腐力試験を行った結果、いずれの製品も細菌および真菌に対し効果が高いものであった。
本発明は2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルを含有することを特徴とする皮膚外用剤に関し、本技術を用いることにより広い抗菌スペクトルを有し、乳化製剤中で優れた抗菌・防腐効果を発揮し、しかも皮膚刺激性が少なく安全な2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルを含有する皮膚外用剤を提供することが出来る。

Claims (3)

  1. 下記一般式1(化1)から選ばれた1種以上の2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
    Figure 0004917287
    は、メチル基またはエチル基を示す。
    は、炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキルフェニル基、フェニル基またはベンジル基を示す。
  2. 前記2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルキルカルボン酸エステルの化1に示すRがn−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはt−ブチルであることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤
  3. 皮膚外用剤の抗菌・防腐剤として請求項1または2に記載の化合物を使用することを特徴とする皮膚外用剤の抗菌・防腐方法
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