JP4916863B2 - 近接検出装置 - Google Patents
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Description
これまで、実用に供されている代表的なタッチセンサとして、下記の(a)〜(c)に示すようなものがある。
(b)情報表示面に近い空間に光線のビームが張られているビーム遮断型タッチセンサであり、ユーザが情報表示面に触れようとして指を情報表示面に近づけると、ユーザが触れようとしている位置のビームが遮断されるので、その遮断箇所の座標を検出する。
(c)透明、不透明又は半透明の電極の静電容量を検出する静電センサであり、電極の静電容量の変化を検出することにより、ユーザの指や誘電体の接触又は近接を検出する。
(b)のビーム遮断型タッチセンサの場合、ユーザが情報表示面に触れなくても、その情報表示面に対するユーザの近接や、その近接座標を検出することができる。
しかし、ユーザが指示する位置の座標を確定する時点がフィードバックされないため、入力時点の不確定性による不安が大きくなることがある欠点がある。
しかしながら、近接を検出することが可能な検出可能距離を伸ばすためには、電極の面積を広くする必要があり、電極の面積を広くすると、近接座標の位置分解能が劣化する性質がある。
一方、近接座標の位置分解能を高めるには、電極の面積を狭くする必要があり、電極の面積を狭くすると、近接を検出することが可能な検出可能距離が短くなる性質がある(例えば、特許文献1参照)。
とともに、その電極結合分離手段により分離された縦方向電極群または横方向電極群の静電容量を検出し、基準容量以上の静電容量を検出すると、検知物体の近接を認定する静電容量検出手段とを備え、電極結合分離手段が、検知電極の位置に応じて結合する検知電極数を切り替えて検知電極の結合分離を行うように構成したので、近接を検出することが可能な検出可能距離を伸ばすと同時に、近接座標の位置分解能を高めることができる効果がある。
図1はこの発明の実施の形態1による近接検出装置を示す構成図であり、図において、検知電極2a〜2dはタッチパネル1に配置されており、検知対象物であるユーザの指3(または、誘電体)の近接によって静電容量が変化する。
制御回路4は遠い位置に存在する検知対象物の検出指令を示す遠切替信号を出力し、または、近い位置に存在する検知対象物の検出指令を示す近切替信号を出力するなどの処理を実施する。
なお、制御回路4及び検出電極結合回路5から電極結合分離手段が構成されている。
また、静電容量検出回路6は検出した静電容量が基準容量以上である場合、検知対象物の近接を認定して、近接検出信号を出力する。
なお、静電容量検出回路6は静電容量検出手段を構成している。
制御回路4は、タッチパネル1に配置されている検知電極2a〜2dから、例えば、5mm以上離れている遠い位置に存在するユーザの指3を検知する場合、遠い位置に存在する検知対象物の検出指令を示す遠切替信号を検出電極結合回路5及び静電容量検出回路6に出力する。
これにより、検知電極2aと検知電極2bが電気的に結合された検知電極Aが1つの電極として動作し、また、検知電極2cと検知電極2dが電気的に結合された検知電極Bが1つの電極として動作する。
この場合、検知電極A(検知電極B)の面積が、検知電極2aと検知電極2bの面積の合計(検知電極2cと検知電極2dの面積の合計)になるため、検知電極2aと検知電極2b(検知電極2cと検知電極2d)を電気的に結合していない場合よりも、遠い位置に存在する検知対象物の検出が可能になる。
静電容量検出回路6は、検知電極A(検知電極2a+検知電極2b)の静電容量が基準容量以上であれば、検知電極Aにユーザの指3が近接していると認定して、近接検出信号を出力する。
また、検知電極B(検知電極2c+検知電極2d)の静電容量が基準容量以上であれば、検知電極Bにユーザの指3が近接していると認定して、近接検出信号を出力する。
なお、制御回路4は、静電容量検出回路6から検知電極A又は検知電極Bにユーザの指3が近接している旨を示す近接検出信号が出力されたとき、近い位置に存在する検知対象物の検出指令を示す近切替信号を検出電極結合回路5及び静電容量検出回路6に出力する。
これにより、検知電極2a,2b,2c,2dのそれぞれが1つの電極として動作するが、検知電極2a,2b,2c,2dの面積が、検知電極A(検知電極B)の面積より狭くなるため、検知電極2aと検知電極2b(検知電極2cと検知電極2d)を電気的に結合している場合よりも、近接座標の位置分解能が向上する。
静電容量検出回路6は、検知電極2aの静電容量が基準容量以上であれば、検知電極2aにユーザの指3が近接していると認定して、近接検出信号を出力する。
また、検知電極2bの静電容量が基準容量以上であれば、検知電極2bにユーザの指3が近接していると認定して、近接検出信号を出力する。
また、検知電極2cの静電容量が基準容量以上であれば、検知電極2cにユーザの指3が近接していると認定して、近接検出信号を出力する。
さらに、検知電極2dの静電容量が基準容量以上であれば、検知電極2dにユーザの指3が近接していると認定して、近接検出信号を出力する。
また、検出電極結合回路5が、5mm以上離れている検知対象物を検出する場合と、5mm以内の検知対象物を検出する場合とで、2段階で電極の結合と分離を切り替えるものについて示したが、検知電極からの距離に応じて、検知電極の結合数を順次切り替えるようにしてもよい(3段階以上の切替を実施)。
上記実施の形態1では、検知電極2a,2b,2c,2dが直線的に配置されているものについて示したが、図2に示すように、検知電極2a−1〜2a−4,2b−1〜2b−4,2c−1〜2c−4,2d−1〜2d−4,2e−1〜2e−4,2f−1〜2f−4,2g−1〜2g−4が縦横に配置されていてもよく、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
制御回路4は、タッチパネル1に配置されている検知電極2から、例えば、5mm以上離れている遠い位置に存在するユーザの指3を検知する場合、遠い位置に存在する検知対象物の検出指令を示す遠切替信号を検出電極結合回路5及び静電容量検出回路6に出力する。
また、検出電極結合回路5は、検知電極2b−1,2d−1,2f−1の列と検知電極2b−2,2d−2,2f−2の列とを電気的に結合するとともに、検知電極2b−3,2d−3,2f−3の列と検知電極2b−4,2d−4,2f−4の列とを電気的に結合する。
静電容量検出回路6は、検知電極A,B,C,Dの静電容量が基準容量以上であれば、検知電極A,B,C,Dにユーザの指3が近接していると認定して、近接検出信号を出力する。
なお、制御回路4は、静電容量検出回路6から検知電極A,B,C,Dにユーザの指3が近接している旨を示す近接検出信号が出力されたとき、近い位置に存在する検知対象物の検出指令を示す近切替信号を検出電極結合回路5及び静電容量検出回路6に出力する。
また、検出電極結合回路5は、検知電極2b−1,2d−1,2f−1の列と検知電極2b−2,2d−2,2f−2の列とを電気的に分離するとともに、検知電極2b−3,2d−3,2f−3の列と検知電極2b−4,2d−4,2f−4の列とを電気的に分離する。
静電容量検出回路6は、各検知電極の列の静電容量が基準容量以上であれば、当該検知電極の列にユーザの指3が近接していると認定して、近接検出信号を出力する。
上記実施の形態1では、タッチパネル1には4個の検知電極2a〜2dが配置され、検知電極の結合数が2(例えば、検知電極2aと検知電極2bの結合)であるものについて示したが、タッチパネル1に数多くの検知電極2(例えば、N個の検知電極2)が配置される場合、検出電極結合回路5が制御回路4の指示の下、初期段階では検知電極2の結合数を最大値に設定し、静電容量検出回路6が検知対象物の近接を認定する毎に、検知電極2の結合数を減らしていくようにしてもよい。
図3はこの発明の実施の形態3による近接検出装置の処理内容を示すフローチャートである。
制御回路4は、例えば、タッチパネル1にマトリックス状に配置されている検知電極2の個数が例えばN個である場合、N個の検知電極2を擬似的に大きな1枚の検知電極として動作させるため、検知電極2の結合数を最大値Nに設定する(ステップST1)。
また、制御回路4は、このときの近接感度を高めるため、静電容量検出回路6のサンプリングレートを所定の最低値に設定する。
静電容量検出回路6は、検出電極結合回路5がN個の検知電極2を電気的に結合すると、上記実施の形態1と同様にして、電気的に結合されている擬似的に大きな検知電極の静電容量を検出する(ステップST3)。
静電容量検出回路6は、擬似的に大きな検知電極の静電容量が基準容量以上であれば、その検知電極にユーザの指3が近接していると認定して近接検出信号を出力する。
例えば、静電容量検出回路6により静電容量が検出された検知電極が検知電極2aであれば、その検知電極2aが配置されている位置のX,Y座標を特定するが、N個の検知電極2が電気的に結合されているような場合には、検知電極が配置されている位置のX,Y座標として、例えば、N個の検知電極2の中心のX,Y座標を特定する。
また、制御回路4は、静電容量検出回路6により検出された静電容量をZ座標値に換算することにより、検知電極2から検知対象物までの近接距離(Z座標)を算出する(ステップST5)。
例えば、検知電極2の結合数がNのときの静電容量が基準容量より20%大きければ、検知電極2の結合数Nを20%減らし、その静電容量が基準容量より30%大きければ、検知電極2の結合数Nを30%減らすなど、その静電容量が大きい程、検知電極2の結合数Nを減らす割合を大きくする。
なお、検知電極2の結合形態(電気的に結合する検知電極の組み合わせ)は、予め結合数に応じて設定されているものとし、制御回路4は、検知電極2の結合数と結合形態の対応関係を示すテンプレートを参照して、検知電極2の結合数に応じた検知電極2の結合形態を検出電極結合回路5に指示する。
静電容量検出回路6のサンプリングレートは、予め検知電極2の結合数に応じて設定されているものとし、制御回路4は、検知電極2の結合数とサンプリングレートの対応関係を示すテンプレートを参照して、静電容量検出回路6のサンプリングレートを変更する。
ここでは、制御回路4がテンプレートを参照して、静電容量検出回路6のサンプリングレートを変更するものについて示したが、検知電極2の結合数から静電容量検出回路6のサンプリングレートを計算するようにしてもよい。
一方、静電容量検出回路6により検出された静電容量が所定量に到達していなければ(ステップST8)、検知電極の結合数に応じた検知電極2の結合形態を検出電極結合回路5に指示する。
以降、ステップST2の処理に戻る。
即ち、制御回路4は、今回の検知電極では検知対象物を検出することができていないので、遠くに位置する検知対象物を検出することができるようにするため、検知電極の結合数を多くする。
Claims (2)
- 検知対象物の近接によって静電容量が変化する複数の検知電極と、遠い位置に存在する検知対象物を検知する場合、上記複数の検知電極を電気的に結合し、近い位置に存在する検知対象物を検知する場合、電気的に結合されている複数の検知電極を分離する電極結合分離手段と、上記電極結合分離手段により電気的に結合されている検知電極の静電容量を検出するとともに、上記電極結合分離手段により分離された検知電極の静電容量を検出し、基準容量以上の静電容量を検出すると、検知対象物の近接を認定する静電容量検出手段とを備え、
上記電極結合分離手段は、検知電極の位置に応じて結合する検知電極数を切り替えて検知電極の結合分離を行うことを特徴とする近接検出装置。 - 検知対象物の近接によって静電容量が変化する複数の検知電極と、遠い位置に存在する検知対象物を検知する場合、上記複数の検知電極を電気的に結合し、近い位置に存在する検知対象物を検知する場合、電気的に結合されている複数の検知電極を分離する電極結合分離手段と、上記電極結合分離手段により電気的に結合されている検知電極の静電容量を検出するとともに、上記電極結合分離手段により分離された検知電極の静電容量を検出し、基準容量以上の静電容量を検出すると、検知対象物の近接を認定する静電容量検出手段とを備え、
上記静電容量検出手段は、上記電極結合分離手段による検知電極の結合数に応じて静電容量を検出する際のサンプリングレートを変更することを特徴とする近接検出装置。
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